JP5469993B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
このものは、貯蔵庫本体内には、庫内を冷却するべく蒸発器とその下面側にドレンパンが設けられ、蒸発器には除霜ヒータと同蒸発器の温度を検知する蒸発器温度センサが、ドレンパンには凍結防止ヒータと排水管がそれぞれ設けられた構造であって、除霜運転が開始されると、除霜ヒータへ通電により蒸発器が加熱されることで着霜が溶融してドレンパン上に滴下され、併せて凍結防止ヒータに通電されてドレンパンが加熱されることで霜の塊が落下した場合にこれが溶融され、除霜水として排水管から庫外に排出される。そののち蒸発器の温度が予め定められた除霜完了温度に達したら、除霜完了と見なされて除霜ヒータへの通電が停止され(除霜終了)、所定時間(水切り時間)後に凍結防止ヒータへの通電も停止されて除霜運転が終了する。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、省エネルギを図りつつ必要な除霜時間を取って、ドレンパン上で霜の融け残りが出ることを防止するところにある。
その後は蒸発器は、除霜ヒータの余熱によって加熱されることで除霜が継続されるが、途中から蒸発器が次第に温度降下するようになる。そこで引き続いて蒸発器の温度が検知され、その検知温度が、蒸発器の温度上昇に係る目標とされる温度特性線と比較される。この目標とされる温度特性線は、例えば除霜を継続して行うことに必要な最小限の蒸発器の温度上昇カーブからなり、実験データ等により決定される。そして、除霜ヒータへの通電を一旦停止した後において、蒸発器の温度が目標の温度特性線を下回ると、余熱の影響が減少したと判断されて除霜ヒータへ再度通電される。これにより、蒸発器が温度上昇傾向に転じつつ除霜が進められる。
また、除霜時間を延ばすに当たって講じた除霜ヒータへの通電の停止時間は、余熱の影響が無くなる前すなわち除霜に実効がある時間内に留めるようにしたから、除霜時間を延ばしたとは言えども必要最小限の延長時間に留められる。そのため、不必要に庫内温度が上昇することが回避でき、ひいては次の冷却運転時に必要な冷却エネルギ(電力)も低減させることができる。
このように着霜量が多い場合には、除霜ヒータへの通電を一旦停止する制御を行わないようにして、除霜時間が不必要に長くなること回避したから、同じように庫内温度の不必要な上昇を回避し、ひいては冷却エネルギも低減することができる。
本構成によれば、着霜量の多少に拘わらず、省エネルギを図りつつ必要な除霜時間を取ってドレンパン上で霜の融け残りが出ることを防止ができ、もって排水管での排水不良やその破損等が起きることを未然に防止できる。
同じく、着霜量の多少に拘わらず、省エネルギを図りつつ必要な除霜時間を取ってドレンパン上で霜の融け残りが出ることを防止ができ、もって排水管での排水不良やその破損等が起きることを未然に防止できる。
(1)第1の発明において、前記目標となる温度特性線は、所定時間経過後に温度勾配が大きくなる特性となっている。
除霜ヒータへの通電が一旦停止された後、蒸発器の温度が目標の温度特性線と比較される際、例えば扉開閉の回数が多かったり、開扉時間が長くなる状況になると、実際の除霜に寄与する蒸発器の温度が低下しているにも拘わらず、蒸発器温度センサで検知される蒸発器の検知温度が相応に低下せず、目標となる温度特性線を下回らないおそれがある。そうすると、いたずらに除霜時間が長くなる。
それに対して本構成では、除霜ヒータへの通電が一旦停止されたのち所定時間が経過すると、目標とされる温度特性線の温度勾配が大きくなるから、上記のような事情で蒸発器の検知温度が下がらなかった場合も、温度特性線を下回ることとなって除霜ヒータへの再度の通電が行われ、それにより除霜時間が不必要に長くなることが防止される。
除霜運転が開始されたのち、蒸発器の温度が所定時間が経過する前に所定の温度域を昇温し、かつ周囲温度の検知温度が設定値以下となる条件を満足して初めて除霜ヒータへの通電が一旦停止される。
言い方を変えると、蒸発器の温度が所定の温度域を上昇する間の時間が所定時間を越えなかったとしても、周囲温度が設定温度を越えると除霜ヒータへの通電が一旦停止されることがキャンセルされる。すなわち、周囲温度が高ければそれだけ周囲湿度も高くて蒸発器への着霜量も多いと予想されることで、除霜ヒータには継続して通電されるように制御する意図である。その結果、除霜時間が不必要に長くなることがより確実に回避できる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。この実施形態では、4ドアの縦型冷凍庫に適用した場合を例示している。
図1及び図2において、冷凍庫本体10は、前面開口のやや縦長の断熱箱体から構成され、4本の脚11で支持されているとともに、内部が収納室12となっている。収納室12内には、棚柱13を介して棚網14が多段に設置できるようになっているとともに、収納室12の前面開口部には、十字形に組まれた断熱性の仕切枠15が装着されることで計4個の出入口16が形成され、観音開き式の断熱扉17が上下2段に分かれて装着されている。
ドレンパン23の奥縁には排水管22が突設され、同排水管22が、背面壁12Bに設けられた排水用通路28の上端部に臨んでいる。
係る構造の冷却ユニット30の基台31が、窓孔21の上面を塞いで載せられて固定され、これに伴い、下面側の蒸発器35が蒸発器室24内に収容され、上面側の冷凍装置32が機械室20内に設置される。
一方、図4に示すように、ドレンパン23の上面における蒸発器35の下方に対応する位置から、冷却ファン26の装着位置にわたる領域には、アルミニウム板等の伝熱プレート42が張られている。この伝熱プレート42上にはコードヒータからなる第1凍結防止ヒータ44が装着され、詳細には、蒸発器35の前端部の下方位置と、各冷却ファン26(吸込口25)における蒸発器35側の半分強の部分の回りを囲む領域に亘って配線されている。また、伝熱プレート42の奥壁42Aとドレンパン23の奥壁23Aとの間のスペースから、排水管22に亘って、同じくコードヒータからなる第2凍結防止ヒータ45が装着されている。
また、図3に示すように、蒸発器35における例えば前面側の上部位置には、同蒸発器35の温度を検知する除霜サーミスタ47が装着されている。
この間、蒸発器35に装備された除霜サーミスタ47によって蒸発器35の温度が検知され、検知温度tsが除霜終了温度tu(+20℃)まで上昇したら蒸発器35への着霜が無くなったと見なされて、除霜ヒータ40への通電が停止され(除霜終了)、そののち所定の水切り時間(10分程度)を経て第1と第2の凍結防止ヒータ44,45への通電が停止され、除霜運転が終了するようになっている。
そのため、図5に示すように、マイクロコンピュータ、タイマ51等を搭載したヒータ制御部50が設けられている。ヒータ制御部50の入力側には、上記した蒸発器35の温度を検知する除霜サーミスタ47と、当該冷凍庫の設置位置の周囲温度を検知する周囲温度サーミスタ48とが接続されている。周囲温度サーミスタ48は、図示はしないが、機械室20内に装備された電装箱内に設けられている。
出力側には、除霜ヒータ40、第1凍結防止ヒータ44及び第2凍結防止ヒータ45が接続されている。
経過時間確認部52では、除霜ヒータ40への通電後において、蒸発器35の温度を検知する除霜サーミスタ47の検知温度tsが、氷の融点(0℃)を挟んだ所定の温度域X(−5℃〜+5℃)を上昇する間の時間が見られ、所定時間(10分)が経過する前に所定の温度域Xを昇温した場合にのみ、通電停止制御部54から除霜ヒータ40に対する通電の停止を実行するように機能する。また、第1温度比較部53では、周囲温度サーミスタ48の検知温度teと予め設定された設定温度tv(+28℃)とが比較され、検知温度teが設定温度tv以下の場合に、同じく通電停止制御部54から除霜ヒータ40に対する通電の停止を実行するように機能する。
第2温度比較部55では、例えば1分ごとに、除霜サーミスタ47の検知温度tsと、目標とされる温度特性線Cにおける対応する時間の温度とが比較され、除霜サーミスタ47の検知温度tsが目標とされる温度特性線Cの温度を下回った場合に、通電再開制御部57から除霜ヒータ40に対して再度通電を実行するように機能する。
除霜(除霜運転)が開始されると、除霜ヒータ40に通電されるとともに、タイマ51がスタートする(ステップS10)。併せて第1及び第2凍結防止ヒータ44,45へも通電される。次に、ステップS11において、庫内の設定温度から制御対象が冷凍庫であるか否かが確認され、そうでない場合(ステップS11が「NO」)は、ステップS21に至り、除霜サーミスタ47の検知温度tsが除霜終了温度tu(+20℃)に達したことを待って除霜ヒータ40への通電が停止され(ステップS23)、除霜終了となる。
そののち除霜サーミスタ47の検知温度tsが除霜終了温度tu(+20℃)に達すると(ステップS21が「YES」)と、蒸発器35への着霜が無くなったと見なされて、ステップS23において除霜ヒータ40への通電が停止され、除霜終了となる。続いて同様に、所定の水切り時間(10分程度)を経て第1と第2の凍結防止ヒータ44,45への通電が停止され、除霜運転が終了する。
また、除霜時間を延ばすに当たって講じた除霜ヒータ40への通電の停止時間は、余熱の影響が無くなる前すなわち除霜に実効がある時間内に留めるようにしたから、除霜時間を延ばしたとは言えども必要最小限の延長時間に留められる。そのため、不必要に庫内温度が上昇することが回避でき、ひいては次の冷却運転時に必要な冷却エネルギ(電力)も低減することができる。
結果、着霜量の多少に拘わらず、省エネルギを図りつつ必要な除霜時間を取ってドレンパン23上や排水管22で霜の融け残りが出ることを防止ができ、もって排水管22での排水不良やその破損等が起きることを未然に防止できる。
それに対して本実施形態では、目標とされる温度特性線Cが、初めは緩やかな勾配で上昇する特性線CX1ではあるが、経過時間が所定値を超えると急な勾配で上昇する特性線C2となるように設定されている。そのため、上記のような事情で除霜サーミスタ47の検知温度tsが下がらなかった場合も、特性線C2は下回ることとなって除霜ヒータ40への再度の通電が実行され、それにより除霜時間が不必要に長くなることが防止される。
次に、本発明の実施形態2を図8ないし図10によって説明する。この実施形態2は、上記実施形態1と比較して、除霜運転時において除霜ヒータ40への通電が一旦停止されたのち、再度通電する場合の制御方式が異なっている。以下には、実施形態1との相違部分を主に説明し、共通部分については説明は省略し若しくは簡略化する。
この実施形態2では、除霜ヒータ40への通電が一旦停止されたのち、蒸発器35の温度が低下傾向となり、かつ同蒸発器35の温度が予め定められた停止解除温度tw(+10℃)に達した場合に、除霜ヒータ40に再度通電するようになっている。
温度傾向確認部61では、蒸発器35の温度である除霜サーミスタ47の検知温度tsを1分ごとに見て、一分間の温度降下が「0.5K」を越えたところで、蒸発器35の温度が低下傾向になったと見なす。第3温度比較部62では、温度傾向確認部61により温度低下傾向に転じたことが確認されたのち、同じく例えば1分ごとに、除霜サーミスタ47の検知温度tsと、停止解除温度twとが比較され、除霜サーミスタ47の検知温度tsが停止解除温度tw以下となったところで、通電再開制御部57から除霜ヒータ40に対して再度通電を実行するように機能する。
すなわち、着霜量が少ないと判断された場合において、ステップS17において除霜ヒータ40への通電が一旦停止された後、ステップS30に至り、除霜サーミスタ47の検知温度が一分ごとに見られる。そこで、除霜サーミスタ47の検知温度の一分間の温度降下が「0.5K」を越えると、蒸発器35の温度が低下傾向になったと見なされ、さらに同除霜サーミスタ47の検知温度tsが停止解除温度tw(+10℃)以下となると(ステップS30が「Yes」)、ステップS20において、除霜ヒータ40への通電が再開される。その他の作用については、上記実施形態1と同様である。
この実施形態2でも同様に、着霜量の多少に拘わらず、省エネルギを図りつつ必要な除霜時間を取ってドレンパン23上や排水管22で霜の融け残りが出ることを防止ができ、もって排水管22での排水不良やその破損等が起きることを未然に防止できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、除霜ヒータへの通電を一旦停止するための一条件として、蒸発器の温度が、「−5℃〜+5℃」の温度域を10分が経過する前に昇温することを例示したのであるが、温度域は、氷の融点(0℃)を挟んだ温度域であれば任意に設定でき、また経過時間も任意に設定できる。
(2)除霜ヒータへの通電を一旦停止するためのもう一方の条件に加えられた周囲温度については、例示した「28℃」に限らず他の温度であってもよい。なお、当該周囲温度については条件から外してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(4)実施形態2における蒸発器の温度が低下傾向にあるか否かを判断することに用いる温度と時間の条件や、停止解除温度は、例示した数値に限らず、任意に選択できるものである。
(6)本発明は、上記実施形態に例示した冷凍庫以外に、冷凍ショーケースや冷蔵冷凍庫等、庫内設定温度が低くて蒸発器に着霜しやすいために、定期的に除霜運転を行うことが好ましい冷却貯蔵庫に適用して好適であるが、冷蔵庫等の庫内設定温度が比較的高い冷却貯蔵庫についても、同様に適用可能である。
Claims (5)
- 貯蔵庫本体内には蒸発器とその下面側にエアダクトを兼ねたドレンパンが設けられ、冷却運転時には冷却ファンの駆動を伴い前記蒸発器と熱交換して生成された冷気が庫内に循環供給される一方、
前記蒸発器には除霜ヒータと同蒸発器の温度を検知する蒸発器温度センサが、前記ドレンパンには凍結防止ヒータと排水管がそれぞれ設けられ、除霜運転時には前記除霜ヒータと前記凍結防止ヒータへ通電して発熱させることにより、前記蒸発器の着霜を除去して前記ドレンパンで受けられた除霜水を前記排水管から庫外に排出するとともに、前記蒸発器の温度が予め定められた除霜完了温度に達した場合に除霜完了と見なされて前記除霜ヒータへの通電を停止し、続いて前記凍結防止ヒータへの通電を停止するようにした冷却貯蔵庫において、
前記除霜運転が開始された後、前記蒸発器の温度が、氷の融点を挟んだ所定の温度域を所定時間内で上昇した場合には前記除霜ヒータへの通電を一旦停止し、そののち前記蒸発器の温度が、同蒸発器における経過時間に対する温度上昇に係る目標とされる温度特性線を下回った場合に前記除霜ヒータに再度通電し、
かつ、前記蒸発器の温度が前記所定の温度域を上昇する間の時間が前記所定時間を越えた場合には、前記除霜ヒータに継続して通電するヒータ制御手段が具備されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記目標となる温度特性線は、所定時間経過後に温度勾配が大きくなる特性となっていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 貯蔵庫本体内には蒸発器とその下面側にエアダクトを兼ねたドレンパンが設けられ、冷却運転時には冷却ファンの駆動を伴い前記蒸発器と熱交換して生成された冷気が庫内に循環供給される一方、
前記蒸発器には除霜ヒータと同蒸発器の温度を検知する蒸発器温度センサが、前記ドレンパンには凍結防止ヒータと排水管がそれぞれ設けられ、除霜運転時には前記除霜ヒータと前記凍結防止ヒータへ通電して発熱させることにより、前記蒸発器の着霜を除去して前記ドレンパンで受けられた除霜水を前記排水管から庫外に排出するとともに、前記蒸発器の温度が予め定められた除霜完了温度に達した場合に除霜完了と見なされて前記除霜ヒータへの通電を停止し、続いて前記凍結防止ヒータへの通電を停止するようにした冷却貯蔵庫において、
前記除霜運転が開始された後、前記蒸発器の温度が、氷の融点を挟んだ所定の温度域を所定時間内で上昇したことを条件に前記除霜ヒータへの通電を一旦停止し、そののち前記蒸発器の温度が低下傾向となり、かつ予め定められた停止解除温度に達した場合に前記除霜ヒータに再度通電するヒータ制御手段が具備されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 当該冷却貯蔵庫の設置位置の周囲温度を検知する周囲温度センサが備えられ、前記ヒータ制御手段における前記除霜ヒータへの通電を一旦停止するための条件に、前記周囲温度センサによる検知温度が予め定められた設定値以下であることが付加されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
- 前記ドレンパンの前記排水管には通電により同排水管を加熱する補助の凍結防止ヒータが備えられ、この補助凍結防止ヒータは、除霜運転中において前記ドレンパンに設けられた前記凍結防止ヒータと同期して通断電制御されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
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