本発明は、蒸発器により貯蔵室内を冷却して成る低温貯蔵庫、特に、蒸発器からのドレン水を受容する蒸発皿に設けられるヒータの制御に関するものである。
従来より低温貯蔵庫には、蒸発器が設置され、この蒸発器と熱交換した冷気を貯蔵室内に強制循環して冷却している。この蒸発器には冷却運転により着霜が生じるため、定期的若しくは任意時刻に蒸発器の霜取運転が実行される。この霜取運転の方法としては、蒸発器への冷媒の供給を停止した状態で送風機のみを運転する所謂OFFサイクル霜取運転や蒸発器を電気ヒータで加熱するヒータ霜取運転、或いは、蒸発器にホットガス(高温冷媒)を流入させるホットガス霜取運転などがあるが、いずれの場合にも蒸発器からドレン水(着霜が融解した除霜水)が滴下するためこれを処理する必要がある。
このドレン水の処理を行う場合、通常蒸発皿を設置してこの蒸発皿内に上記ドレン水を受容する。そして、蒸発皿を電気ヒータにより強制的に加熱しつつ、送風機にて外気を通風して蒸発皿に受容されたドレン水を蒸発させていた。
この場合、電気ヒータは、蒸発皿に設けられる蒸発皿温度センサの検出出力に基づき、所定の上限温度に達した場合に、電気ヒータの通電を停止し、当該蒸発皿温度が所定の下限温度に達した場合、電気ヒータの通電を開始するON−OFF制御が行われていた。しかしながら、当該ON−OFF制御は、低温貯蔵庫が運転されている間継続して行われていたため、実際に蒸発皿内にドレン水があってもなくても、蒸発皿の温度は一定の高温範囲(例えば+60℃程度)に維持されていた。
そのため、実際に蒸発皿内にドレン水がない場合であっても、蒸発皿の加熱は行われることから、消費電力量の増大を伴い、また、必要以上に当該蒸発皿が設けられる機械室内が加熱されることで、当該機械室内に配設される圧縮機や凝縮器への熱負荷を増大させる一因とも成る。
そこで、従来では、蒸発皿内にドレン水が貯留されていることが予測される霜取時間に応じた電気ヒータへの通電を行うことで、蒸発皿内のドレン水の蒸発処理を行っていた(特許文献1参照)。
しかしながら、このような除霜運転に伴うヒータの通電制御では、実際に蒸発皿内にドレン水があるか否かにかかわらず、予測されるドレン水の量に応じて除霜運転時におけるヒータの通電時間を設定し、これに基づきヒータの通電制御を行う。
そのため、実際に蒸発皿内にドレン水が残留している場合であっても、ヒータによる蒸発皿加熱制御が終了してしまったり、ドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータによる蒸発皿加熱制御を継続していた。これにより、蒸発皿内のドレン水の蒸発処理が不十分な状況が生じたり、必要以上にヒータへの通電が行われ、消費電力量が増大してしまう不都合があった。
そこで、従来では、蒸発器の除霜開始に基づいてヒータに通電を開始し、蒸発皿温度がヒータOFF点温度に上昇したときにヒータを非通電とし、ヒータON点温度に低下したときにヒータへの通電を再開する蒸発皿加熱制御を実行し、蒸発器の除霜終了後、蒸発皿温度の変化の時間当たりの勾配が所定値以上となった場合、蒸発皿内のドレン水が無くなったものと判断して蒸発皿の加熱制御を終了するものが開発されている。
特開2002−295958号公報
しかしながら、低温貯蔵庫全体のコスト低減を実現するために、必要最小限とされる加熱能力のヒータを蒸発皿に設けている低温貯蔵庫では、特に、外気温度が低い冬季などにおいて、蒸発皿内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、蒸発皿温度がヒータOFF点温度にまで上昇しない状況が生じる。
この場合には、蒸発皿温度がヒータOFF点温度に到達しないことから、ドレン水が無くなっても継続してヒータに通電が行われるため、蒸発皿温度の変化の時間当たりの勾配を判定することができない。結果として、蒸発皿の加熱制御を終了することができず、ドレン水の有無にかかわらず、連続してヒータが通電されることとなる。
そのため、このような加熱能力の比較的小さなヒータを設けている場合には、外気温度が低い状況では、ドレン水が無くても蒸発皿温度がヒータOFF点温度に到達しないこともあり、効果的な電気ヒータの消費電力を節減することができないという問題がある。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、必要最小限の加熱容量のヒータを用いても、外気温度に影響されることなく、蒸発皿を加熱してドレン水を蒸発処理するためのヒータの消費電力を節減することができる低温貯蔵庫を提供する。
本発明の低温貯蔵庫は、蒸発器により貯蔵室内を冷却して成るものであって、ドレン水を受容する蒸発皿と、該蒸発皿を加熱するヒータと、蒸発皿又は該蒸発皿内のドレン水の温度を検出する温度センサと、該温度センサの出力に基づき、ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルで当該ヒータを非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配が所定値未満であった場合、ドレン水有りと判断して引き続きヒータに通電を行い、上昇勾配が所定値以上であった場合には、ドレン水無しと判断してヒータを非通電とするドレン水有無判断制御を実行することを特徴とする。
請求項2の発明の低温貯蔵庫は、蒸発器により貯蔵室内を冷却して成るものであって、ドレン水を受容する蒸発皿と、該蒸発皿を加熱するヒータと、蒸発皿又は該蒸発皿内のドレン水の温度を検出する温度センサと、該温度センサの出力に基づき、ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルで当該ヒータを非通電とし、その後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、ドレン水無しと判断して引き続きヒータを非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ドレン水有りと判断してヒータの通電を再開するドレン水有無判断制御を実行することを特徴とする。
請求項3の発明の低温貯蔵庫は、蒸発器により貯蔵室内を冷却して成るものであって、ドレン水を受容する蒸発皿と、該蒸発皿を加熱するヒータと、蒸発皿又は該蒸発皿内のドレン水の温度を検出する温度センサと、該温度センサの出力に基づき、ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、所定のインターバルで所定期間ヒータに通電した後に非通電とし、その後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、ドレン水無しと判断して引き続きヒータを非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ドレン水有りと判断してヒータの通電を再開するドレン水有無判断制御を実行することを特徴とする。
請求項4の発明の低温貯蔵庫は、上記発明において、制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルで当該ヒータを非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配が所定値未満であった場合、引き続きヒータに通電を行い、上昇勾配が所定値以上であった場合には、ヒータを非通電とすることを特徴とする。
請求項5の発明の低温貯蔵庫は、上記請求項3の発明において、制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルで当該ヒータを非通電とし、その後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、引き続きヒータを非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ヒータの通電を再開することを特徴とする。
請求項6の発明の低温貯蔵庫は、上記各発明において、制御装置は、蒸発器の除霜運転時には、ドレン水有無判断制御を実行しないことを特徴とする。
請求項7の発明の低温貯蔵庫は、上記各発明において、制御装置は、ドレン水有無判断制御においてドレン水無しと判断した場合、又は、複数回連続してドレン水無しと判断した場合、次回の蒸発器の除霜運転が終了するまで、ドレン水有無判断制御を実行しないことを特徴とする。
本発明によれば、蒸発器により貯蔵室内を冷却して成る冷却貯蔵庫において、ドレン水を受容する蒸発皿と、蒸発皿を加熱するヒータと、蒸発皿又は蒸発皿内のドレン水の温度を検出する温度センサと、温度センサの出力に基づき、ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、この制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルでヒータを非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配によりドレン水の有無を判断するので、例えば、蒸発器の除霜運転に伴い、蒸発皿のヒータに通電が行われ、除霜運転の終了後にも継続して当該ヒータに通電が行われている場合や、任意に当該ヒータの通電を開始した場合等であっても、蒸発皿又は蒸発皿内のドレン水の温度にかかわらず、ドレン水の有無を判断することができる。
そのため、ヒータの加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータに通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。
そして、制御装置は、上記通電を再開したときの温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配が所定値未満であった場合、ドレン水有りと判断して引き続きヒータに通電を行い、上昇勾配が所定値以上であった場合には、ドレン水無しと判断してヒータを非通電とするので、蒸発皿内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータによる加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータによる加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
従って、ドレン水を検出する格別なセンサを設けることなく、蒸発皿内のドレン水の有無を判断して、円滑、且つ、無駄のないドレン水の蒸散処理を実現することが可能となる。
請求項2の発明によれば、蒸発器により貯蔵室内を冷却して成る冷却貯蔵庫において、ドレン水を受容する蒸発皿と、蒸発皿を加熱するヒータと、蒸発皿又は蒸発皿内のドレン水の温度を検出する温度センサと、温度センサの出力に基づき、ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、この制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルでヒータを非通電とし、その後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配によりドレン水の有無を判断するので、例えば、蒸発器の除霜運転に伴い、蒸発皿のヒータに通電が行われ、除霜運転の終了後にも継続して当該ヒータに通電が行われている場合や、任意に当該ヒータの通電を開始した場合等であっても、蒸発皿又は蒸発皿内のドレン水の温度にかかわらず、ドレン水の有無を判断することができる。
そのため、ヒータの加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータに通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。
そして、制御装置は、上記ヒータを非通電とした後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、ドレン水無しと判断して引き続きヒータを非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ドレン水有りと判断してヒータの通電を再開するドレン水有無判断制御を実行するので、蒸発皿内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータによる加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータによる加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
従って、ドレン水を検出する格別なセンサを設けることなく、蒸発皿内のドレン水の有無を判断して、円滑、且つ、無駄のないドレン水の蒸発処理を実現することが可能となる。
請求項3の発明によれば、蒸発器により貯蔵室内を冷却して成る冷却貯蔵庫において、ドレン水を受容する蒸発皿と、蒸発皿を加熱するヒータと、蒸発皿又は蒸発皿内のドレン水の温度を検出する温度センサと、温度センサの出力に基づき、ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、この制御装置は、所定のインターバルで所定期間ヒータに通電した後に非通電とし、その後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配によりドレン水の有無を判断するので、蒸発皿又は蒸発皿内のドレン水の温度にかかわらず、ドレン水の有無を判断することができる。
そのため、ヒータの加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータに通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。
そして、制御装置は、上記ヒータを非通電とした後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、ドレン水無しと判断して引き続きヒータを非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ドレン水有りと判断してヒータの通電を再開するドレン水有無判断制御を実行するので、蒸発皿内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータによる加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータによる加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
従って、ドレン水を検出する格別なセンサを設けることなく、蒸発皿内のドレン水の有無を判断して、円滑、且つ、無駄のないドレン水の蒸発処理を実現することが可能となる。
請求項4の発明によれば、上記発明において、制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルでヒータを非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配が所定値未満であった場合、引き続きヒータに通電を行い、上昇勾配が所定値以上であった場合には、ヒータを非通電とするので、例えば、蒸発器の除霜運転に伴い、蒸発皿のヒータに通電が行われ、除霜運転の終了後にも継続して当該ヒータに通電が行われている場合や、任意に当該ヒータの通電を開始した場合等であっても、所定のインターバルでヒータを非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配からドレン水の有無を判断することができる。
従って、ヒータの加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータに通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、上記上昇勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。そのため、蒸発皿内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータによる加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータによる加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
請求項5の発明によれば、上記請求項3の発明において、制御装置は、ヒータに通電しているときに所定のインターバルでヒータを非通電とし、その後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、引き続きヒータを非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ヒータの通電を再開するので、例えば、蒸発器の除霜運転に伴い、蒸発皿のヒータに通電が行われ、除霜運転の終了後にも継続して当該ヒータに通電が行われている場合や、任意に当該ヒータの通電を開始した場合等であっても、所定のインターバルでヒータを非通電とし、その後に温度センサが検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配からドレン水の有無を判断することができる。
従って、ヒータの加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータに通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、上記下降勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。そのため、蒸発皿内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータによる加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータによる加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
請求項6の発明によれば、上記各発明において、制御装置は、蒸発器の除霜運転時には、ドレン水有無判断制御を実行しないことから、蒸発器の除霜運転によって生じ、蒸発皿に流入したドレン水を支障なく蒸発処理することが可能となる。
請求項7の発明によれば、上記各発明において、制御装置は、ドレン水有無判断制御においてドレン水無しと判断した場合、又は、複数回連続してドレン水無しと判断した場合、次回の蒸発器の除霜運転が終了するまで、ドレン水有無判断制御を実行しないことにより、更にヒータへの通電量を削減することが可能となり、装置全体としての省エネを実現することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する低温貯蔵庫の実施例としてのショーケース1の斜視図、図2は機械室21の縦断側面図、図3は蒸発皿22の拡大断面図、図4は制御装置Cの電気ブロック図をそれぞれ示している。
本実施例のショーケース1はスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗に設置されて商品を冷却しながら陳列する低温ショーケースであり、前面に開口を有する断熱壁2より本体5が構成されている。
そして、断熱壁の内側には仕切板6が取り付けられ、この仕切板6と断熱壁間に図示しないダクトが構成されると共に、断熱壁2内には、前方に開口する貯蔵室8が形成され、当該前面開口(開口部)は内部を透視可能とするガラス4を有する観音開き式の扉3、3によって開閉自在に閉塞される。9・・はこの貯蔵室8内に複数段架設された棚である。
貯蔵室8の前面開口上縁には前記ダクトに連通する冷気吐出口が形成され、開口下縁にはダクトに連通する冷気吸込口が形成されている。そして、このダクト内には図示しない蒸発器と冷気循環用送風機16(図4のみ図示する)が設置されている。
一方、断熱壁2下側の本体5下部には前面がパネル20にて開閉自在に閉塞される機械室21が構成されており、この機械室21内には圧縮機18、凝縮器19、機械室21内を空冷するための送風機17(図4のみ図示する)及び蒸発皿22が配設されている。前記圧縮機18、凝縮器19、図示しない減圧装置及び前記蒸発器は周知の冷媒回路を構成する。また、蒸発器の下側からは機械室21内に延在する図示しないドレンホースが設けられ、このドレンホースは前記蒸発皿22上に開口している。
この蒸発皿22は、熱伝導性材料にて構成されており、図3に示すように、当該底面には、当該蒸発皿22を加熱するヒータ(蒸発皿ヒータ。電気ヒータ)38が配設されている。同様に、蒸発皿22の底面には、当該蒸発皿22の温度を検出する蒸発皿温度センサ39が配設されている。尚、本実施例では、蒸発皿22には、蒸発皿22自体の温度を検出する蒸発皿温度センサ39を設けているが、これに限定されるものではなく、蒸発皿22内のドレン水の温度を検出する温度センサを設けても良い。
そして、この蒸発皿22の底面は、底壁内面に断熱材23が設けられたカバー部材24によって被覆されている。これにより、蒸発皿22に設けられる蒸発皿温度センサ39は、機械室21内の雰囲気温度による影響が抑制された状態で、適切に蒸発皿22自体の温度を検出することができる。尚、図中24は、蒸発皿温度センサ39の保護部材である。
次に、図4を参照してショーケース1の制御装置Cについて説明する。制御装置Cは、汎用マイクロコンピュータから構成されるコントローラであり、時限手段としてのタイマ37を内蔵している。なお、当該タイマ37は、日付機構を有するものであっても、積算時間をカウントするものであっても良い。
制御装置Cの入力側には、貯蔵室8への吐出冷気の温度を検出する吐出冷気温度センサ36と、蒸発器の温度を検出する除霜終了温度センサ35と、前記蒸発皿温度センサ39と、当該ショーケース1の各種設定を行うコントロールパネル34等が接続されている。制御装置Cの出力側には、圧縮機18と、冷気循環用送風機16と、送風機17と、蒸発皿22に設けられるヒータ38、蒸発器に設けられる除霜ヒータ33等が接続されている。
以上の構成で、本実施例のショーケース1の動作を説明する。制御装置Cは、コントロールパネル34の電源スイッチの操作等に基づき電源が接続されると、冷気循環用送風機16及び送風機17は連続運転される。
一方、制御装置Cは吐出冷気温度センサ36の出力に基づき、上限温度(例えば設定温度+2℃)よりも高い場合には、圧縮機18を起動すると共に、下限温度(例えば設定温度−2℃)以下の場合には、圧縮機18を停止する。
圧縮機18の起動により、圧縮機18からは高温冷媒が吐出される。この圧縮機18から吐出された高温冷媒は凝縮器19に流入し、そこで送風機17の運転により吸い込まれる外気によって空冷される。この凝縮器19内で放熱して凝縮した冷媒は前記減圧装置にて減圧された後、前記蒸発器に流入して蒸発する。このときに周囲から潜熱を奪って冷却作用を発揮する。
この蒸発器と熱交換して冷却された冷気は冷気循環用送風機16が運転されていることにより前記ダクト内を吹き上げられ、冷気吐出口から貯蔵室8の開口下縁の冷気吸込口に向けて吐出される。これにより、冷気は貯蔵室8内の循環して所定の冷却温度に冷却する。
他方、送風機17にて前方から機械室21内に吸い込まれた外気は、前述の如く凝縮器19を通過して空冷して温度上昇した後、次に蒸発皿22を通過し、その後、圧縮機18を経て断熱壁2の背面を上昇し、ショーケース1の上方に排気される(排熱)。
このような冷却運転により蒸発器には着霜が成長する。そこで、制御装置Cはタイマ37の出力に基づき予め設定された所定時刻(例えば午前零時など)に蒸発器の除霜運転を開始する。この除霜運転中は、制御装置Cは、吐出冷気温度センサ36の出力にかかわらず、圧縮機18は強制的に停止されるので、蒸発器への冷媒供給は停止する。そして、蒸発器14へは冷気循環用送風機16により通風が連続して行われると共に、蒸発器に設けられる除霜ヒータ33に通電され、蒸発器は除霜される。
かかる除霜運転が開始されると、蒸発器の着霜は徐々に融解し始め、やがて融解したドレン水が前記ドレンホースを伝って蒸発皿22に流入し始める。そして、蒸発器の着霜が融解し切って蒸発器の温度が所定の霜取終了温度まで上昇すると、除霜終了温度センサ35の出力に基づき、制御装置Cは除霜運転を終了し、再び前記冷却運転を開始することになる。
係る除霜運転終了後も蒸発皿22へはしばらくドレン水が流入し続けるが、このような除霜によって蒸発皿22に流入するドレン水は、蒸発皿22に設けられるヒータ38の発熱によって加熱され、蒸発処理される。
ここで、従来の冷却貯蔵庫では、除霜運転の開始に伴い蒸発皿のヒータに通電を開始して、以後、蒸発皿加熱制御を開始していた。即ち、この蒸発皿加熱制御では、制御装置は、蒸発皿温度センサが検出する温度がヒータOFF点に上昇したときにヒータを非通電とし、ヒータON点に低下したときにヒータへの通電を再開していた。そして、再開した際の蒸発皿温度の変化の時間当たりの勾配を判定し、当該勾配が所定値よりも大きい場合には、蒸発皿内には、ドレン水が無いものとして、係る蒸発皿加熱制御を終了していた。
しかしながら、冷却貯蔵庫全体の消費電力量を抑えるために、蒸発皿に設けられるヒータの加熱能力が必要最小限のものが採用されている場合には、特に、外気温度が低い冬季などにおいて、蒸発皿内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、蒸発皿温度がヒータOFF点温度にまで上昇しない状況が生じる。この場合には、蒸発皿温度がヒータOFF点温度に到達しないことから、ドレン水が無くなっても継続してヒータに通電が行われるため、蒸発皿温度の変化の時間当たりの勾配を判定することができない。結果として、蒸発皿の加熱制御を終了することができず、ドレン水の有無にかかわらず、連続してヒータが通電されていた。
以下、上述した如き蒸発皿温度がヒータOFF点温度にまで上昇しないような外気温度が低温の場合であっても、確実にドレン水の有無を判定して、適切なヒータ38の通電制御を実行することができる実施例について複数の例を挙げて説明する。
以下、図5の蒸発皿22のヒータ38のタイミングチャートを参照して、実施例1としての当該ヒータ38の通電制御について説明する。本実施例において、制御装置Cは、内蔵されているタイマ37により、所定時刻、例えば午前0時となると、上述した如き除霜運転を開始する。この際、制御装置Cは、蒸発皿22内へのドレン水の排出に備え、ヒータ38への通電を開始する。尚、本実施例では、上述したような従来採用されているヒータOFF点温度にてヒータ38をOFFとし、ヒータON点温度にてヒータ38をONとするヒータON−OFF制御は採用していない。そのため、次に説明するようなドレン水有無判断制御を実行するまでは、除霜運転が終了してもヒータ38は、蒸発皿温度センサ39が検出する温度にかかわらず、連続して通電を行う。
本実施例では、タイマ37に基づき所定時刻、例えば午前1:00になるとドレン水有無判断制御を実行する。この際、除霜運転終了後は、ヒータ38は連続して通電されているため、少なくとも当該所定時刻まで、ヒータ38は通電している。この状態で、所定時刻(図5では、午前1:00)となると、制御装置Cは、ドレン水有無判断制御を開始する。このドレン水有無判断制御では、制御装置Cは、ヒータ38に通電しているときに、所定のインターバル、例えば1時間おき(本実施例では除霜運転時を除く毎正時(1:00、2:00、・・・)にヒータ38を所定時間、非通電とする。当該所定時間は、少なくともヒータ38への通電によって温められた蒸発皿22が温度変化が判断できる程度に冷めるのに必要とされる時間(蒸発皿冷却時間)であることが望ましく、本実施例では、10分間、ヒータ38を非通電とする。
その後、制御装置Cは、ヒータ38への通電を再開し、このときに、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配(以下、単に上昇勾配という)を算出する。算出された上昇勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(上昇勾配判定)。
ここで、図6を参照して、蒸発皿22内にドレン水がある場合の上昇勾配の変化について説明する。図6は、当該ドレン水有無判断制御を実行している際の蒸発皿温度センサ39が検出する温度変化を示している。除霜運転では、多くのドレン水が蒸発皿22内に流入しているため、除霜運転終了後、最初のインターバルにおいて行われる上昇勾配判定では、所定時間非通電とされた後、再度ヒータ38が通電されても、ドレン水が存在するため、蒸発皿22は、直ぐには温まらない。そのため、t時間(単位時間)当たりに蒸発皿温度センサ39により検出される温度差ΔTから算出される温度上昇の勾配(上昇勾配)は小さくなる。即ち、所定値未満(緩慢)となり、これによって、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断する。
「ドレン水有り」と判断した場合には、制御装置Cは、引き続きヒータ38に通電を行う。これにより、蒸発皿22内に受容されているドレン水は、引き続きヒータ38によって加熱され、蒸散処理される。そして、前回の非通電開始時から所定のインターバル(本実施例では、1時間)が経過し(本実施例では、午前2:00となると)、上昇勾配を判定するため、蒸発皿22の温度を一旦下げるべく、上記と同様にヒータ38を所定時間、非通電とする。
その後、制御装置Cは、ヒータ38への通電を再開し、再び、上記上昇勾配を算出する。算出された上昇勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(上昇勾配判定)。上記と同様に、上昇勾配が小さく、所定値未満である場合には、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断して、引き続きヒータ38に通電を行う。図5のタイミングチャートでは、午前1:00からのインターバルと、午前2:00からのインターバルでは、上昇勾配判定にて「ドレン水有り」と判断され、引き続きヒータ38への通電が行われている。
一方、蒸発皿22内のドレン水の蒸発が進み、午前3:00からのインターバルでは、一旦ヒータ38を非通電とし、再度ヒータ38を通電した際における上昇勾配が大きく、所定値以上(急峻)となっている。図7に示すように、蒸発皿22内にドレン水が無い状態では、熱良導性材料にて構成される蒸発皿22は、ヒータ38が通電されることによって直ぐに温められる。このため、t時間(単位時間)当たりに蒸発皿温度センサ39により検出される温度差ΔTから算出される温度上昇の勾配(上昇勾配)は大きくなる。
従って、図5のタイミングチャートにおける午前3:00からのインターバルにおける上昇勾配判定では、上昇勾配が所定値以上であることから、制御装置Cは、ドレン水の無い空焚きの状態であることを判定することができる。
この場合、制御装置Cは、「ドレン水無し」と判断し、次のインターバルの開始まで(本実施例では、午前4:00まで)ヒータ38を非通電とする。そして、前回の非通電開始時から所定のインターバル(本実施例では、1時間)が経過すると(本実施例では、午前4:00となると)、この際、ヒータ38は、非通電とされているため、上記所定時間(本実施例では10分間)継続して非通電とした後(午前4:10)に、上昇勾配を判定するため、ヒータ38への通電を再開し、再び、上記上昇勾配を判定する。
当該上昇勾配判定において、算出された上昇勾配が所定値以上(急峻)である場合には、蒸発皿22内は継続して「ドレン水無し」であると判断し、次のインターバルの開始までヒータ38を非通電とする。他方、前回の「ドレン水無し」の判断以降、何らかの原因によって蒸発皿22内にドレン水が排出された場合には、当該上昇勾配判定において算出された上昇勾配は、所定値未満(緩慢)となる。この場合には、上記と同様に、蒸発皿22内は「ドレン水有り」であると判断し、次のインターバルの開始までヒータ38を引き続き通電する。
即ち、上記請求項1の発明において、制御装置Cは、ヒータ38が非通電であるときに、所定のインターバルでヒータ38に通電したときの蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配が所定値未満であった場合、引き続きヒータ38に通電を行い、上昇勾配が所定値以上であった場合には、ヒータ38を非通電とする。
このように、制御装置Cは、ヒータ38に通電しているときに所定のインターバルでヒータ38を非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配によりドレン水の有無を判断するので、例えば、蒸発器の除霜運転に伴い、蒸発皿22のヒータ38に通電が行われ、除霜運転の終了後にも継続して当該ヒータに通電が行われている場合であっても、蒸発皿22の温度にかかわらず、ドレン水の有無を判断することができる。
そのため、蒸発皿22内の想定されるドレン水の蒸散処理に必要とされる最小限の容量のヒータ38を用いた場合であって、外気温度などの影響により、ヒータ38に通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。
そして、制御装置Cは、上記通電を再開したときの蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配が所定値未満であった場合、ドレン水有りと判断して引き続きヒータ38に通電を行い、上昇勾配が所定値以上であった場合には、ドレン水無しと判断してヒータ38を非通電とするので、蒸発皿22内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿22内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
従って、ドレン水を検出する格別なセンサを設けることなく、蒸発皿22内のドレン水の有無を判断して、円滑、且つ、無駄のないドレン水の蒸散処理を実現することが可能となる。
尚、上記実施例1では、除霜運転終了後からヒータ38が継続して通電される場合や、所定のインターバルでヒータ38が通電される場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ヒータ38の通電開始を操作するためのボタン操作などによって任意に当該ヒータ38の通電を開始した場合等であっても、上述した如き上昇勾配を判定することで、ヒータ38の継続通電又は非通電の制御を行っても良い。
以下、図8の蒸発皿22のヒータ38のタイミングチャートを参照して、実施例2としての当該ヒータ38の通電制御について説明する。係る実施例でも上記実施例と同様に、制御装置Cは、内蔵されているタイマ37により、所定時刻、例えば午前0:00となると、上述した如き除霜運転を開始する。この際、制御装置Cは、ヒータ38への通電を開始し、次に説明するようなドレン水有無判断制御を実行するまでは、除霜運転が終了してもヒータ38は、蒸発皿温度センサ39が検出する温度にかかわらず、連続して通電を行う。
係る実施例では、タイマ37に基づき、所定時刻、例えば午前1:00になるとドレン水有無判断制御を実行する。この際、除霜運転終了後は、ヒータ38は連続して通電されているため、少なくとも当該所定時刻まで、ヒータ38は通電している。この状態で、所定時刻(図8では、午前1:00)となると、制御装置Cは、ドレン水有無判断制御を開始する。このドレン水有無判断制御では、制御装置Cは、ヒータ38に通電しているときに、所定のインターバル、例えば1時間おき(本実施例では除霜運転時を除く毎正時(1:00、2:00、・・・)にヒータ38を非通電とする。
その後に、制御装置Cは、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配(以下、単に下降勾配という)を算出する。算出された下降勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(下降勾配判定)。
ここで、蒸発皿22内にドレン水がある場合の下降勾配の変化について説明する。除霜運転では、多くのドレン水が蒸発皿22内に流入しているため、除霜運転終了後、最初のインターバルにおいて行われる下降勾配判定では、ドレン水が存在するため、蒸発皿22は、直ぐには冷めない。そのため、t時間(単位時間)当たりに蒸発皿温度センサ39により検出される温度差ΔTから算出される温度下降の勾配(下降勾配)は小さくなる。即ち、所定値未満(緩慢)となり、これによって、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断する。
「ドレン水有り」と判断した場合には、制御装置Cは、ヒータ38への通電を再開する。これにより、蒸発皿22内に受容されているドレン水は、再度ヒータ38によって加熱され、蒸散処理される。そして、前回の非通電時から所定のインターバル(本実施例では、1時間)が経過し(本実施例では、午前2:00となると)、再度、ヒータ38を非通電とし、下降勾配を算出する。
算出された下降勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(下降勾配判定)。上記と同様に、下降勾配が小さく、所定値未満である場合には、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断して、再度ヒータ38に通電を行う。図8のタイミングチャートでは、午前1:00からのインターバルと、午前2:00からのインターバルでは、下降勾配判定にて「ドレン水有り」と判断され、再度ヒータ38への通電が再開されている。
一方、蒸発皿22内のドレン水の蒸発が進み、午前3:00からのインターバルでは、ヒータ38を非通電とした際における下降勾配が大きく、所定値以上(急峻)となっている。蒸発皿22内にドレン水が無い状態では、熱良導性材料にて構成される蒸発皿22は、ヒータ38による加熱が停止することで、直ぐに温度が低下していく。このため、t時間(単位時間)当たりに蒸発皿温度センサ39により検出される温度差ΔTから算出される温度下降の勾配(下降勾配)は大きくなる。
従って、図8のタイミングチャートにおける午前3:00からのインターバルにおける下降勾配判定では、下降勾配が所定値以上であることから、制御装置Cは、ドレン水の無い空焚きの状態であることを判定することができる。
この場合、制御装置Cは、「ドレン水無し」と判断し、ヒータ38を非通電とする。その後、例えば毎正時に下降勾配を判定すべく、ヒータ38が非通電とされている場合には、次回のインターバル(第2のインターバル。図8では、黒矢印にて示す)は、下降勾配判定の前提として蒸発皿22を昇温する時間を確保するため、毎正時に行われる下降勾配判定時よりも所定時間前(係る実施例では、昇温に要する時間を例えば10分とするためヒータ38が非通電であることを条件とする毎時50分)に開始するものとする。
そのため、制御装置Cは、ヒータ38が非通電とされている場合には、図8では、午前3:50に所定時間、係る実施例では、10分間ヒータ38に通電した後に、午前4:00に非通電とし、その後に、下降勾配判定を行う。
当該下降勾配判定において、算出された下降勾配が所定値以上(急峻)である場合には、蒸発皿22内は継続して「ドレン水無し」であると判断し、次のインターバル(第2のインターバル)の開始までヒータ38を非通電とする。他方、図8に示すように、午前4:00から次回インターバルの開始時(午前4:50)までの間に、即ち、前回の「ドレン水無し」の判断以降、何らかの原因によって蒸発皿22内にドレン水が排出された場合には、当該下降勾配判定において算出された下降勾配は、所定値未満(緩慢)となる。この場合には、上記と同様に、蒸発皿22内は「ドレン水有り」であると判断し、再度ヒータ38への通電を再開し、次のインターバルの開始(この場合、通電されているため、正時である午前6:00)までヒータ38を引き続き通電する。
このように、制御装置Cは、ヒータ38が非通電である場合には、所定のインターバル(第2のインターバル)で所定期間(蒸発皿22の昇温に必要とされる時間)ヒータ38に通電した後に非通電とし、その後に蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配によりドレン水の有無を判断するので、蒸発皿の温度にかかわらず、ドレン水の有無を判断することができる。
そのため、蒸発皿22内の想定されるドレン水の蒸散処理に必要とされる最小限の容量のヒータ38を用いた場合であって、外気温度などの影響により、ヒータ38に通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。
そして、制御装置Cは、上記ヒータ38を非通電とした後に蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、ドレン水無しと判断して引き続きヒータ38を非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ドレン水有りと判断してヒータ38の通電を再開するドレン水有無判断制御を実行するので、蒸発皿22内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿22内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
従って、ドレン水を検出する格別なセンサを設けることなく、蒸発皿22内のドレン水の有無を判断して、円滑、且つ、無駄のないドレン水の蒸発処理を実現することが可能となる。
また、係る実施例では、制御装置Cは、ヒータ38に通電しているときに所定のインターバルでヒータ38を非通電とし、その後に蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、引き続きヒータ38を非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ヒータ38の通電を再開するので、例えば、蒸発器の除霜運転に伴い、蒸発皿22のヒータ38に通電が行われ、除霜運転の終了後にも継続して当該ヒータ38に通電が行われている場合や、任意に当該ヒータ38の通電を開始した場合等であっても、所定のインターバルでヒータ38を非通電とし、その後に蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配からドレン水の有無を判断することができる。
従って、上記と同様に、この場合にも、ヒータ38の加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータ38に通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、上記下降勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。そのため、蒸発皿22内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿22内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
尚、上記実施例2では、除霜運転終了後からヒータ38が継続して通電される場合や、所定のインターバルでヒータ38が通電される場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ヒータ38の通電開始を操作するためのボタン操作などによって任意に当該ヒータ38の通電を開始した場合等であっても、上述した如き下降勾配を判定することで、ヒータ38の継続通電又は非通電の制御を行っても良い。
以下、図9の蒸発皿22のヒータ38のタイミングチャートを参照して、実施例3としての当該ヒータ38の通電制御について説明する。係る実施例でも上記各実施例と同様に、制御装置Cは、内蔵されているタイマ37により、所定時刻、例えば午前0:00となると、上述した如き除霜運転を開始する。また、次に説明するようなドレン水有無判断制御を実行するまでは、除霜運転が終了してもヒータ38は、蒸発皿温度センサ39が検出する温度にかかわらず、連続して通電を行う。
係る実施例では、タイマ37に基づき、所定時刻、例えば午前1:00になるとドレン水有無判断制御を実行する。この際、除霜運転終了後は、ヒータ38は連続して通電されているため、少なくとも当該所定時刻まで、ヒータ38は通電している。この状態で、所定時刻(図9では、午前1:00)となると、制御装置Cは、ドレン水有無判断制御を開始する。このドレン水有無判断制御では、制御装置Cは、ヒータ38に通電しているときに、所定のインターバル、例えば1時間おき(本実施例では除霜運転時を除く毎正時(1:00、2:00、・・・)にヒータ38を非通電とする。
その後に、制御装置Cは、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配(以下、単に下降勾配という)を算出する。算出された下降勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(下降勾配判定)。
ここで、上記実施例と同様に、算出される温度下降の勾配(下降勾配)は小さい、即ち、所定値未満(緩慢)である場合には、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断する。「ドレン水有り」と判断した場合には、制御装置Cは、ヒータ38への通電を再開する。これにより、蒸発皿22内に受容されているドレン水は、再度ヒータ38によって加熱され、蒸散処理される。そして、前回の非通電開始時から所定のインターバル(本実施例では、1時間)が経過するよりも、所定時間前に(本実施例では、一旦、蒸発皿22の温度を下げるのに必要な時間として例えば10分とするため、午前1:50)ヒータ38を所定時間、非通電とする。
その後、制御装置Cは、ヒータ38への通電を再開し、再び、上記実施例1と同様に、上昇勾配を算出する。算出された上昇勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(上昇勾配判定)。上記と同様に、上昇勾配が小さく、所定値未満である場合には、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断して、引き続きヒータ38に通電を行う。図9のタイミングチャートでは、午前1:00からのインターバルでは、下降勾配判定にて「ドレン水有り」と判断され、再度ヒータ38への通電されていると共に、午前2:00からのインターバルでは、上昇勾配判定にて「ドレン水有り」と判断され、引き続きヒータ38への通電が行われている。
一方、蒸発皿22内のドレン水の蒸発が進み、前回のインターバル終了間際において所定時間ヒータ38を非通電とし、午前3:00からのインターバルでは再度ヒータ38を通電した際における上昇勾配が大きく、所定値以上(急峻)となっている。図9に示すように、蒸発皿22内にドレン水が無い状態では、熱良導性材料にて構成される蒸発皿22は、ヒータ38が通電されることによって直ぐに温められる。このため、上昇勾配は大きくなる。従って、図9のタイミングチャートにおける午前3:00からのインターバルにおける上昇勾配判定では、上昇勾配が所定値以上であることから、制御装置Cは、ドレン水の無い空焚きの状態であることを判定することができる。
この場合、制御装置Cは、「ドレン水無し」と判断し、ヒータ38を非通電とする。その後、例えば毎正時に下降勾配を判定すべく、ヒータ38が非通電とされている場合には、次回のインターバル(第2のインターバル。図9では、黒矢印にて示す)は、下降勾配判定の前提として蒸発皿22を昇温する時間を確保するため、毎正時に行われる下降勾配判定時よりも所定時間前(係る実施例では、昇温に要する時間を例えば10分とするためヒータ38が非通電であることを条件とする毎時50分)に開始するものとする。
そのため、制御装置Cは、ヒータ38が非通電とされている場合には、図9では、午前3:50に所定時間、係る実施例では、10分間ヒータ38に通電した後に、午前4:00に非通電とし、その後に、下降勾配判定を行う。
当該下降勾配判定において、算出された下降勾配が所定値以上(急峻)である場合には、蒸発皿22内は継続して「ドレン水無し」であると判断し、次のインターバル(第2のインターバル)の開始までヒータ38を非通電とする。他方、図9に示すように、午前4:00から次回インターバルの開始時(午前4:50)までの間に、即ち、前回の「ドレン水無し」の判断以降、何らかの原因によって蒸発皿22内にドレン水が排出された場合には、当該下降勾配判定において算出された下降勾配は、所定値未満(緩慢)となる。この場合には、上記と同様に、蒸発皿22内は「ドレン水有り」であると判断し、再度ヒータ38への通電を再開する。
その後、ヒータ38が通電とされている場合には、例えば毎正時に上昇勾配を判定すべく、次回のインターバル(第2のインターバル)は、上昇勾配判定の前提として蒸発皿22の温度が降下する時間を確保するため、毎正時に行われる上昇勾配判定時よりも所定時間前(係る実施例では、温度降下に要する時間を例えば10分とするためヒータ38が通電されていることを条件とする毎時50分)に開始する。
そして、制御装置Cは、ヒータ38が通電されている場合には、所定のインターバル(第2のインターバル)で所定期間(蒸発皿22の温度降下に必要とされる時間)ヒータ38を非通電とした後に、通電を再開し、この際の蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配によりドレン水の有無を判断する。
このように、実施例3におけるドレン水有無判断制御では、ヒータ38が非通電とされている際には、再度、ヒータ38を所定時間通電した後、非通電として下降勾配を判定することで、ドレン水の有無を判断し、ヒータ38が通電されている際には、一旦ヒータ38を所定時間非通電とした後、通電を再開して上昇勾配を判定することで、ドレン水の有無を判断する。
これによっても、上記各実施例と同様に、蒸発皿22の温度にかかわらず、ドレン水の有無を判断することができる。そのため、ヒータ38の加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータ38に通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。
そして、制御装置Cは、上記ヒータ38を非通電とした後に蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配が所定値以上であった場合、ドレン水無しと判断して引き続きヒータ38を非通電とし、下降勾配が所定値未満であった場合には、ドレン水有りと判断してヒータ38の通電を再開するドレン水有無判断制御を実行するので、蒸発皿22内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿22内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
従って、ドレン水を検出する格別なセンサを設けることなく、蒸発皿22内のドレン水の有無を判断して、円滑、且つ、無駄のないドレン水の蒸発処理を実現することが可能となる。
また、制御装置Cは、ヒータ38に通電しているときに所定のインターバルでヒータ38を非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配が所定値未満であった場合、引き続きヒータ38に通電を行い、上昇勾配が所定値以上であった場合には、ヒータ38を非通電とするので、例えば、蒸発器の除霜運転に伴い、蒸発皿22のヒータ38に通電が行われ、除霜運転の終了後にも継続して当該ヒータ38に通電が行われている場合や、任意に当該ヒータ38の通電を開始した場合等であっても、所定のインターバルでヒータ38を非通電とし、所定期間経過後に通電を再開したときの蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配からドレン水の有無を判断することができる。
従って、この場合にも、ヒータ38の加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータ38に通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、上記上昇勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。そのため、蒸発皿22内にドレン水が残留しているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を終了してしまう不都合や、既に蒸発皿22内にドレン水が無くなっているにもかかわらず、ヒータ38による加熱を継続し、無駄な電力が消費される不都合を回避することが可能となる。
以下、図10の蒸発皿22のヒータ38のタイミングチャートを参照して、実施例4としての当該ヒータ38の通電制御について説明する。係る実施例でも上記実施例と同様に、制御装置Cは、内蔵されているタイマ37により、所定時刻、例えば午前0:00となると、上述した如き除霜運転を開始する。この際、制御装置Cは、ヒータ38への通電を開始し、次に説明するようなドレン水有無判断制御を実行するまでは、除霜運転が終了してもヒータ38は、蒸発皿温度センサ39が検出する温度にかかわらず、連続して通電を行う。
係る実施例では、タイマ37に基づき、所定時刻、例えば午前1:00になるとドレン水有無判断制御を実行する。この際、除霜運転終了後は、ヒータ38は連続して通電されているため、少なくとも当該所定時刻まで、ヒータ38は通電している。この状態で、所定時刻(図10では、午前1:00)となると、制御装置Cは、ドレン水有無判断制御を開始する。このドレン水有無判断制御では、制御装置Cは、ヒータ38に通電しているときに、所定のインターバル、例えば1時間おき(本実施例では除霜運転時を除く毎正時(1:00、2:00、・・・)にヒータ38を所定時間、非通電とする。当該所定時間は、少なくともヒータ38への通電によって温められた蒸発皿22が温度変化が判断できる程度に冷めるのに必要とされる時間(蒸発皿冷却時間)であることが望ましく、本実施例では、10分間、ヒータ38を非通電とする。
その後、制御装置Cは、ヒータ38への通電を再開し、このときに、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの上昇勾配(以下、単に上昇勾配という)を算出する。算出された上昇勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(上昇勾配判定)。
当該上昇勾配判定において、算出される温度上昇の勾配(上昇勾配)が小さく、所定値未満(緩慢)である場合には、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断する。「ドレン水有り」と判断した場合には、制御装置Cは、引き続きヒータ38に通電を行う。これにより、蒸発皿22内に受容されているドレン水は、引き続きヒータ38によって加熱され、蒸散処理される。そして、前回の非通電開始時から所定のインターバル(本実施例では、1時間)が経過し(本実施例では、午前2:00となると)、再度、ヒータ38を非通電とし、下降勾配を算出する。
算出された下降勾配によって制御装置Cは、蒸発皿22内のドレン水の有無を判定する(下降勾配判定)。上記と同様に、下降勾配が小さく、所定値未満である場合には、制御装置Cは、「ドレン水有り」と判断して、再度ヒータ38に通電を行う。他方、下降勾配が大きく、所定値以上である場合には、図10の午前2:10に示すように、制御装置Cは、「ドレン水無し」と判断して、引き続きヒータ38を非通電とする。
その後、前回の非通電開始時から所定のインターバル(本実施例では、1時間)が経過し(本実施例では、午前3:00となると)、その際ヒータ38が非通電とされている場合には、継続してヒータ38を上記と同様の所定時間、本実施例では、10分間非通電とした後に、ヒータ38を通電し、その際に、上昇勾配判定を行う(図10では、午前3:10)。
当該上昇勾配判定において、算出された上昇勾配が所定値以上である場合(例えば、図10の午前3:10)には、制御装置Cは、ドレン水の無い空焚きの状態であることを判定することができる。
この場合、制御装置Cは、「ドレン水無し」と判断し、次のインターバルの開始まで(本実施例では、午前4:00まで)ヒータ38を非通電とする。そして、前回の非通電開始時から所定のインターバル(本実施例では、1時間)が経過すると(本実施例では、午前4:00となると)、この際、ヒータ38は、非通電とされているため、上記所定時間(本実施例では10分間)継続して非通電とした後(午前4:10)に、上昇勾配を判定するため、ヒータ38への通電を再開し、再び、上記上昇勾配を判定する。
当該上昇勾配判定において、算出された上昇勾配が所定値以上(急峻)である場合には、蒸発皿22内は継続して「ドレン水無し」であると判断し、次のインターバルの開始までヒータ38を非通電とする。他方、前回の「ドレン水無し」の判断以降、何らかの原因によって蒸発皿22内にドレン水が排出された場合(例えば図10の午前4:10)には、当該上昇勾配判定において算出された上昇勾配は、所定値未満(緩慢)となる。この場合には、上記と同様に、蒸発皿22内は「ドレン水有り」であると判断し、次のインターバルの開始までヒータ38を引き続き通電する。
このように、実施例4におけるドレン水有無判断制御では、ヒータ38が非通電とされている際には、再度、ヒータ38を通電して上昇勾配を判定することで、ドレン水の有無を判断し、ヒータ38が通電されている際には、一旦ヒータ38を非通電として下降勾配を判定することで、ドレン水の有無を判断する。
これによっても、上記各実施例と同様に、蒸発皿22の温度にかかわらず、ドレン水の有無を判断することができる。そのため、ヒータ38の加熱能力が小さく、外気温度などの影響により、ヒータ38に通電を行っても所定のヒータOFF点温度にまで上昇しないような状況であっても、蒸発皿温度センサ39が検出する温度の変化の時間当たりの下降勾配から確実にドレン水の有無を判断することが可能となる。
また、上記各実施例では、上述したようなドレン水有無判断制御において一度「ドレン水無し」と判断した場合(図5のタイミングチャートでは、午前3:10における判定)、次回以降のインターバルにおける上昇勾配判定するためのヒータ38の通電制御を行わずに(図5のタイミングチャートでは、点線にて示される午前4:10のヒータ38の通電は行わない)、次回の蒸発器の除霜運転が終了するまで、ドレン水有無判断制御を実行しないものとしても良い。尚、「ドレン水無し」の判断は、ドレン水有無判断制御において一度行われた場合のみならず、複数回連続して「ドレン水無し」と判断された場合に、次回の除霜運転が終了するまで、次回以降のインターバルにおける上昇勾配判定のためのヒータ38の通電を行わないものとしても良い。
これにより、特に、冷却貯蔵庫が冷凍であった場合などドレン水の排出が少ない場合において、更にヒータ38への通電量を削減することが可能となり、装置全体としての省エネを実現することができる。
また、上述したようなドレン水有無判断制御は、蒸発器の除霜運転時には、実行しない。そのため、蒸発器の除霜運転によって生じ、蒸発皿に流入したドレン水を支障なく蒸発処理することが可能となる。
尚、上記実施例1において、所定のインターバルとして1時間を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、また、この所定のインターバルは、コントロールパネル34等における設定によって任意に変更可能としても良く、また、季節や時間帯などによってインターバルの時間を変更しても良い。即ち、ドレン水の排出が少ない時間帯や冬季などでは、インターバルの時間を長く設定し、ドレン水の排出が多い時間帯や夏季などでは、インターバルの時間を短く設定する。これにより、より適切で無駄のないヒータ制御を実現することが可能となる。
また、上記各実施例では、蒸発器の除霜運転は、制御装置Cに内蔵されるタイマ37に基づき、予め設定された所定時刻(例えば午前零時など)に開始しているが、これに限定されるものではなく、例えば、前回の除霜運転開始、若しくは、除霜運転終了からの積算時間をタイマ37によりカウントし、当該積算時間が所定時間、例えば12時間や24時間となったことを条件として除霜運転を開始しても良い。
なお、上記各実施例では、低温貯蔵庫としてオープンショーケース1を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、業務用冷却貯蔵庫や家庭用冷蔵庫などの低温貯蔵庫であっても同様の効果を奏することができる。
本発明を適用する低温貯蔵庫の実施例としてのショーケースの斜視図である。
機械室の縦断側面図である。
蒸発皿の拡大断面図である。
制御装置の電気ブロック図である。
ヒータのタイミングチャートである。(実施例1)
「ドレン水有り」時の蒸発皿温度センサが検出する温度変化を示す図である。
「ドレン水無し」時の蒸発皿温度センサが検出する温度変化を示す図である。
ヒータのタイミングチャートである。(実施例2)
ヒータのタイミングチャートである。(実施例3)
ヒータのタイミングチャートである。(実施例4)
符号の説明
C 制御装置
1 ショーケース(低温貯蔵庫)
2 断熱壁
5 本体
8 貯蔵室
16 冷気循環用送風機
17 送風機
18 圧縮機
19 凝縮器
21 機械室
22 蒸発皿
34 コントロールパネル
35 除霜終了温度センサ
36 吐出冷気温度センサ
37 タイマ(時限手段)
38 ヒータ(蒸発皿ヒータ)
39 蒸発皿温度センサ