JP5469893B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体装置、特に不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法に関する。
メモリセル部と周辺回路部とを有する半導体不揮発性メモリにおいて、ホットキャリアによる周辺回路部の劣化を防止するために、周辺回路部のトランジスタを構成する電荷蓄積部の絶縁膜にNSG膜を設けることで、該周辺回路部における絶縁膜の厚みを、NSG膜の厚み分だけ、メモリセル部のトランジスタを構成するに対して厚くする技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2008−244097 特開2007−157874
しかしながら、上記の如き従来の技術では、周辺回路部において、半導体基板における電蓄積部の下方に形成される不純物低密度拡散領域が、ゲート電極に対しオフセットして形成されやすい問題があった。
本発明は、第2領域において不純物低密度拡散領域をゲート電極に近接して形成することができる半導体装置、及びその製造方法を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る半導体装置は、半導体基板に設定された第1領域に形成された第1トランジスタと、前記半導体基板に設定された第2領域に形成された第2トランジスタとを備え、前記第1トランジスタは、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、前記半導体基板における前記第1ゲート電極を挟む位置に形成された一対の第1不純物低濃度拡散領域と、前記半導体基板における前記一対の第1不純物低濃度拡散領域上で前記第1ゲート電極に隣接して設けられ、前記第1不純物低濃度拡散領域に接する絶縁膜と、該絶縁膜上に積層された電荷蓄積用膜とを含む積層構造とされた一対の第1側壁部と、含んで構成されており、前記第2トランジスタは、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、前記半導体基板における前記第2ゲート電極を挟む位置に形成された一対の第2不純物低濃度拡散領域と、前記半導体基板における前記一対の第2不純物低濃度拡散領域上で前記第2ゲート電極に隣接して設けられ、前記第2不純物低濃度拡散領域に接するシリコン酸化膜と前記第1側壁部の絶縁膜と同種の絶縁膜とが少なくとも前記半導体基板の厚み方向に積層されて成る絶縁層と、該絶縁膜上にさらに積層された電荷蓄積用膜とを含む積層構造とされた一対の第2側壁部と、を含んで構成されており、前記第2側壁部を構成する前記シリコン酸化膜は、前記第2不純物低濃度拡散領域に接する部分に対し前記第2ゲート電極の側壁に側方から接する部分が薄いか、又は前記第2ゲート電極の側壁に側方から接する部分を有しない。
請求項1記載の半導体装置は、半導体基板における一対の第1不純物低濃度拡散領域上に第1ゲート電極に隣接して一対の第1側壁部が形成されることで第1トランジスタが構成されており、半導体基板における一対の第2不純物低濃度拡散領域上に第2ゲート電極に隣接して一対の第2側壁部が形成されることで第1トランジスタが構成されている。第1トランジスタを構成する第1側壁部は、第1不純物低濃度拡散領域上に隣接する絶縁膜と、該絶縁膜上に積層された電荷蓄積膜とを含む積層構造とされている。一方、第2トランジスタを構成する第2側壁部は、第2不純物低濃度拡散領域上に隣接する積層構造の絶縁層と、該絶縁層上に積層された電荷蓄積膜とを含む積層構造とされている。
ここで、本半導体装置では、第2トランジスタを構成する第2側壁部が、シリコン酸化膜と、第1側壁部の絶縁膜と同種の絶縁膜との積層構造を成すため、第2トランジスタは第1トランジスタに対し絶縁層(絶縁膜)の厚みが厚い、すなわち不純物低濃度拡散領域から電荷蓄積膜までの距離が長い。このため、第2トランジスタは、第1トランジスタに対し側壁部へのホットキャリアの注入が抑制され、第1領域側からのホットキャリアによる劣化に対し保護される。
そして、本半導体装置では、第2トランジスタの絶縁層の厚みを確保するためのシリコン酸化膜が、第2不純物低濃度拡散領域を覆う部分に対しゲート電極を側方から覆う部分が薄肉とされるか、又はゲート電極を側方から覆う部分を有しない。このため、本半導体装置では、半導体基板の主面(第2不純物低濃度拡散領域)に沿う方向における第2側壁部の厚みが薄く抑えられ、該方向における第2ゲート電極に対する第2不純物低濃度拡散領域のオフセットを抑制することができる。
このように、請求項1記載の半導体装置では、第2領域において不純物低密度拡散領域をゲート電極に近接して形成することができる。
請求項2記載の発明に係る半導体装置は、請求項1記載の半導体装置において、前記第2側壁部を構成する前記絶縁膜は、前記シリコン酸化膜上に、前記第1側壁部の絶縁膜と同じ厚みの絶縁膜を積層して構成されている。
請求項2記載の半導体装置では、第2側壁部の絶縁層を成す絶縁膜が第1側壁部の絶縁膜と同種で同じ厚みであるため、該第2側壁部の絶縁層を成す絶縁膜を、シリコン酸化膜の形成後に第1側壁部の絶縁膜と同じ工程で形成することができる。
請求項3記載の発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板を準備する工程と、前記半導体基板に第1領域及び第2領域を設定する工程と、前記第1領域及び第2領域の半導体基板の表面上に、絶縁膜及び導電膜を順次に積層して形成した後、前記導電膜をパターニングすることで、前記第1領域に第1ゲート電極を形成すると共に、前記第2領域に第2ゲート電極を形成する工程と、前記半導体基板の表面、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を覆うシリコン酸化膜を、半導体基板の表面を覆う部分に対し前記第1、第2ゲート電極の側壁を側方から覆う部分が薄いか、又は前記第1、第2ゲート電極の側壁を側方から覆う部分が生じないように形成した後、前記第1領域の前記シリコン酸化膜を選択的に除去する工程と、前記第1領域の半導体基板上に、第1ゲート電極を覆うシリコン熱酸化膜を熱酸化によって形成すると共に、前記第2領域の前記シリコン酸化膜上に、前記第2ゲート電極を覆うシリコン熱酸化膜を形成する工程と、前記シリコン熱酸化膜上に、電荷蓄積用膜を形成する工程と、前記第1領域において前記第1ゲート電極、前記シリコン熱酸化膜、及び前記電荷蓄積用膜をマスクとし、前記第2領域において前記第2ゲート電極、前記シリコン酸化膜、前記シリコン熱酸化膜、及び前記電荷蓄積用膜をマスクとして、不純物イオンを低濃度に注入して不純物低濃度拡散領域を形成する工程と、前記電荷蓄積用膜上に絶縁膜を積層して、該電荷蓄積用膜を含む側壁用積層膜を形成する工程と、前記半導体基板の表面に垂直な方向からのエッチングにより、前記側壁用積層膜と、前記第1領域のシリコン熱酸化膜と、前記第2領域のシリコン熱酸化膜及びシリコン酸化膜とをエッチングすることで、前記第1ゲート電極の側壁に隣接する第1側壁部を形成すると共に、前記第2ゲート電極の側壁に第2側壁部を形成する工程と、前記第1ゲート電極、第1側壁部、第2ゲート電極及び第2側壁部をマスクとして、不純物イオンを高濃度に注入して不純物拡散領域を形成する工程と、を含む。
請求項3記載の半導体装置の製造方法では、準備した半導体基板に第1、第2領域を設定し、これら第1、第2領域上に絶縁膜、導電膜をこの順で積層してパターニングすることで、第1領域に第1ゲート電極を形成すると共に、第2領域に大2ゲート電極を形成する。次いで、半導体基板の表面、第1ゲート電極及び第2ゲート電極を覆うシリコン酸化膜を形成した後、第1領域のシリコン酸化膜を選択的に除去することで、第2領域にのみシリコン酸化膜を形成する(残す)。次いで、第1、第2領域にシリコン熱酸化膜、電荷蓄積用膜(第1、第2側壁用積層膜の一部)をこの順で積層した後、これらの膜、各ゲート電極、第2領域のシリコン酸化膜をマスクにして、不純物イオンを低濃度に注入して不純物低濃度拡散領域を形成する。第1、第2側壁用積層膜の残余の一部と成る絶縁膜等を積層した後にこれらを適宜エッチングして第1、第2側壁部を形成する。さらに、第1ゲート電極、第1側壁部、第2ゲート電極及び第2側壁部をマスクとして、不純物イオンを高濃度に注入して不純物拡散領域を形成する。以上により、第1、第2領域にそれぞれトランジスタが形成された半導体装置が製造される。
この方法で製造された半導体装置では、第2領域の第2側壁部は、シリコン酸化膜の厚み分だけ、第1側壁部に対して半導体基板の厚み方向に厚く構成される。このため、第2領域のトランジスタにおいては、第1領域のトランジスタと比較して、不純物低濃度拡散領域から電荷蓄積用膜までの距離が長く、第1トランジスタよりも側壁部へのホットキャリアが注入され難く、第1領域側からのホットキャリアによる劣化に対し保護される。
ここで、本半導体装置の製造方法では、第2領域の第2側壁部を成すシリコン酸化膜を、半導体表面を覆う部分に対し第2ゲート電極の側壁を側方から覆う部分が薄いか、又は第2ゲート電極の側壁を側方から覆う部分が生じないように形成する。このため、第2ゲート電極の側壁を側方から覆うシリコン酸化膜が半導体表面を覆う部分と同等に厚い構成と比較して、不純物イオンを低濃度に注入して不純物低濃度拡散領域を形成する際に、マスクとなる部分の半導体基板の表面に沿う方向の厚みが薄いこととなる。これにより、本半導体装置の製造法では、第2領域の不純物低濃度拡散領域を、第2ゲート電極に近接して(オフセットを抑制又は防止して)形成することができる。
このように、請求項3記載の半導体装置の製造方法では、第2領域において不純物低密度拡散領域をゲート電極に近接して形成することができる。
請求項4記載の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項3記載の半導体装置の製造方法において、前記半導体基板の表面、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を覆うシリコン酸化膜を形成する工程は、スパッタ法又は原子膜蒸着法によって行われる。
請求項4記載の半導体装置の製造方法では、スパッタ法又は原子膜蒸着法を用いてシリコン酸化膜を形成するので、該シリコン酸化膜の半導体基板の表面を覆う部分に対し第2ゲート電極を側方から覆う部分を薄くしたり、該シリコン酸化膜が第2ゲート電極を側方から覆う部分を有しない形状としたりすることができる。
請求項5記載の発明に係る半導体装置は、メモリセル部及び周辺回路部が形成された半導体基板を備え、前記周辺回路部に形成されたトランジスタは、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記半導体基板における前記ゲート電極を挟む位置に形成された一対の不純物低濃度拡散領域と、前記半導体基板における前記一対の不純物低濃度拡散領域上で前記ゲート電極に隣接し、前記一対の不純物低濃度拡散領域に接し、前記ゲート絶縁膜より厚く設けられたシリコン酸化膜上に、前記ゲート電極の側壁に接するように設けられた絶縁膜が積層されて成る絶縁層と、該絶縁層上にさらに積層された電荷蓄積用膜と、を含む一対の側壁部と、を備え、前記シリコン酸化膜は、前記不純物低濃度拡散領域に接する部分に対し前記ゲート電極の側壁に側方から接する部分が薄いか、又は前記ゲート電極の側壁に側方から接する部分を有しない。
請求項6記載の発明に係る半導体装置は、半導体基板の第1領域に形成された第1トランジスタと、前記半導体基板の第2領域に形成された第2トランジスタとを備え、前記第1トランジスタは、第1ゲート電極と、前記半導体基板における前記第1ゲート電極を挟む位置に形成された第1不純物拡散領域と、前記第1ゲート電極の側部の位置に形成された第1絶縁膜と電荷蓄積用膜とが積層されて成る第1絶縁層と、を含んで構成されており、前記第2トランジスタは、第2ゲート電極と、前記半導体基板における前記第2ゲート電極を挟む位置に形成された第2不純物拡散領域と、前記第2ゲート電極の側部の位置に形成された第2絶縁膜と第3絶縁膜と電荷蓄積用膜とが積層されて成る第2絶縁層と、を含んで構成されており、前記第2絶縁膜は、一方の面で前記第2不純物拡散領域と接すると共に、もう一方の面で前記第3絶縁膜と接し、かつ前記半導体基板の表面に沿って平坦状を成している。
請求項7記載の発明に係る半導体装置は、請求項6記載の半導体装置において、前記第2ゲート電極は、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されており、前記第2絶縁膜は、前記ゲート絶縁膜と接している。
請求項8記載の発明に係る半導体装置は、請求項6又は請求項7記載の半導体装置において、前記第1領域はメモリセル部であり、前記第2領域は周辺回路部である。
請求項9記載の発明に係る半導体装置は、請求項6乃至請求項8の何れか1項記載の半導体装置において、前記第2絶縁膜はシリコン酸化膜からなる。
以上説明したように本発明に係る半導体装置、及びその製造方法では、第2領域において不純物低密度拡散領域をゲート電極に近接して形成することができるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る半導体不揮発性メモリの概略構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体不揮発性メモリの製造方法を説明するための工程図(その1)である。 本発明の実施形態に係る半導体不揮発性メモリの製造方法を説明するための工程図(その2)である。 本発明の実施形態に係る半導体不揮発性メモリの製造方法を説明するための工程図(その3)である。 本発明の実施形態に係る半導体不揮発性メモリの製造方法を説明するための工程図(その4)である。 本発明の実施形態に係る半導体不揮発性メモリの製造方法を説明するための工程図(その5)である。 本発明の実施形態に係る半導体不揮発性メモリの製造方法を説明するための工程図(その6)である。 本発明の実施形態との比較例に係る半導体不揮発性メモリの断面図である。
本発明の実施形態に係る半導体装置である不揮発性半導体記憶装置としての半導体不揮発性メモリ10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、以下の説明では、便宜上、各図において矢印Uにて示す紙面の上側を半導体不揮発性メモリ10の上側ということとする。先ず、半導体不揮発性メモリ10の構成及び作用を説明し、次いで、半導体不揮発性メモリ10の製造方法を説明することとする。
(半導体不揮発性メモリの構成)
図1には、半導体不揮発性メモリ10の概略全体構成が断面図にて示されている。この図に示される如く、半導体不揮発性メモリ10は、第1導電型の半導体基板としてのP型半導体基板12に、第1領域としての情報格納用のメモリセル部14と、第2領域としての周辺回路部(ロジック部)16とが形成されて構成されている。周辺回路部16は、メモリセル部14に対して情報の書き込みや読み出しを行う機能を有する。
具体的には、メモリセル部14には、第1MOS型電界効果トランジスタ18(以下、「第1MOSFET18」という)が形成され、周辺回路部16には、第2MOS型電界効果トランジスタ20(以下、「第2MOSFET20」という)が形成されている。なお、メモリセル部14、周辺回路部16には、それぞれ複数の第1MOSFET18、第2MOSFET20が形成されるが、図1では代表して各1つのトランジスタを示している。また、層間絶縁膜、コンタクトホール、及び層間絶縁膜上に形成されるメタル配線等については図示及び説明を省略することとする。
メモリセル部14に形成された第1MOSFET18は、第1ゲート電極22と、一対の第1不純物拡散領域24と、第1側壁部(電荷蓄積部)としての一対の第1サイドウォール部26とを備えている。第1ゲート電極22は、P型半導体基板12におけるメモリセル部14の形成領域(第1領域)の上表面12A上に、第1ゲート絶縁膜28を介して設けられている。第1ゲート電極22は、例えば、ポリシリコン膜と金属シリサイド膜としてのタングステンシリサイド膜とを積層して(ポリサイド構造として)形成されている(図示省略)。また、この第1ゲート電極22上には、第1窒化膜マスク30が形成されている。
一対の第1不純物拡散領域24は、P型半導体基板12中において上表面12Aに臨むように設けられた領域であって、N型の不純物として、例えば砒素(As)を高濃度に拡散した領域とされている。これら一対の第1不純物拡散領域24は、平面視で第1ゲート電極22を離間した位置から挟むように配置されており、第1MOSFET18の動作時には主電極領域、すなわちドレイン又はソースとして機能する構成である。
また、半導体不揮発性メモリ10では、一対の第1不純物拡散領域24における第1ゲート電極22側に隣接されると共に第1サイドウォール部26(上表面12A)の下側に隣接して形成された一対の第1不純物低濃度拡散領域32(以下、「第1LDD領域32」という)を備えている。第1LDD領域32は、第1不純物拡散領域24よりも不純物濃度が低く、かつ第1不純物拡散領域と同じ導電型(この実施形態ではN型)の領域である。第1LDD領域32は、N型の不純物として、例えば例えばリン(P)が低濃度に注入されて形成されている。
一対の第1サイドウォール部26は、それぞれP型半導体基板12の上表面12A上において、第1ゲート電極22を挟むように該第1ゲート電極22に隣接して設けられている。具体的には、一対の第1サイドウォール部26は、P型半導体基板12の上表面12A上において、第1ゲート絶縁膜28、第1ゲート電極22及び第1窒化膜マスク30の各側面に接しつつ、第1窒化膜マスク30の高さと略同じ高さとなるように設けられている。また、一対の第1サイドウォール部26は、それぞれ上表面12A上に臨む第1LDD領域32及び第1不純物拡散領域24上に隣接配置されている。
そして、各第1サイドウォール部26は、それぞれ第1下部絶縁膜としてのシリコン熱酸化膜34、第1電荷蓄積用膜36、第1上部用絶縁膜38及び第1側壁用窒化膜40が下側から順次に積層されて構成されており、電荷蓄積可能な積層構造(ONO構造)を成している。シリコン熱酸化膜34は、P型半導体基板12の上表面12A(第1LDD領域32)、第1ゲート絶縁膜28、第1ゲート電極22及び第1窒化膜マスク30の各側面に接する略L字状を成している。また、第1電荷蓄積用膜36は、略L字状を成すシリコン熱酸化膜34に接する略L字状を成しており、第1上部用絶縁膜38は、略L字状を成す第1電荷蓄積用膜36に接する略L字状を成している。さらに、第1側壁用窒化膜40は、第1上部用絶縁膜38のL字状の窪みを埋め込むように形成されている。
半導体不揮発性メモリ10では、一対の第1サイドウォール部26を成す積層構造のうち、主として第1電荷蓄積用膜36に、第1サイドウォール部26に注入されたキャリアが蓄積されるようになっている。したがって、第1サイドウォール部26を全体として電荷蓄積部として捉えることもでき、第1電荷蓄積用膜36を電荷蓄積部として捉えることも可能である。
周辺回路部16に形成された第2MOSFET20は、第2ゲート電極42と、一対の第2不純物拡散領域44と、第2側壁部(電荷蓄積部)としての一対の第2サイドウォール部46とを備えている。第2ゲート電極42は、P型半導体基板12における周辺回路部16の形成領域(第2領域)の上表面12A上に、第2ゲート絶縁膜48を介して設けられている。第2ゲート電極42は、ポリシリコン膜と金属シリサイド膜としてのタングステンシリサイド膜とを積層して(ポリサイド構造として)形成されている(図示省略)。また、第2ゲート電極42上には、第2窒化膜マスク50が形成されている。
一対の第2不純物拡散領域44は、P型半導体基板12中において上表面12Aに臨むように設けられた領域であって、N型の不純物として、例えば砒素(As)を高濃度に拡散した領域とされている。これら一対の第2不純物拡散領域44は、平面視で第2ゲート電極42を離間した位置から挟むように配置されており、第2MOSFET20の動作時には主電極領域、すなわちドレイン又はソースとして機能する構成である。
また、半導体不揮発性メモリ10では、一対の第2不純物拡散領域44における第2ゲート電極42側に隣接されると共に一対の第2サイドウォール部46(上表面12A)の下側に隣接して形成された一対の第不純物低濃度拡散領域52(以下、「第LDD領域52」という)を備えている。第2LDD領域52は、第2不純物拡散領域44よりも不純物濃度が低く、かつ第2不純物拡散領域と同じ導電型(この実施形態ではN型)の領域である。第2LDD領域52は、N型の不純物として、例えば例えばリン(P)が低濃度に注入されて形成されている。
一対の第2サイドウォール部46は、それぞれP型半導体基板12の上表面12A上において、第2ゲート電極42を挟むように該第2ゲート電極42に隣接して設けられている。具体的には、一対の第2サイドウォール部46は、P型半導体基板12の上表面12A上において、第2ゲート絶縁膜48、第2ゲート電極42及び第2窒化膜マスク50の各側面に接しつつ、第2窒化膜マスク50の高さと略同じ高さとなるように設けられている。また、一対の第2サイドウォール部46は、それぞれ上表面12A上に臨む第2LDD領域52及び第2不純物拡散領域44上に隣接配置されている。
より具体的には、各第2サイドウォール部46は、それぞれ絶縁層としての第2下部絶縁膜54、第2電荷蓄積用膜56、第2上部用絶縁膜58及び第2側壁用窒化膜60が下側から順次に積層されて構成されており、電荷蓄積可能な積層構造を成している。第2下部絶縁膜54は、P型半導体基板12の上表面12A(第2LDD領域52)、第2ゲート絶縁膜48、第2ゲート電極42及び第2窒化膜マスク50の各側面に接する略L字状を成している。また、第2電荷蓄積用膜56は、略L字状を成す第2下部絶縁膜54に接する略L字状を成しており、第2上部用絶縁膜58は、略L字状を成す第2電荷蓄積用膜56に接する略L字状を成している。さらに、第2側壁用窒化膜60は、第2上部用絶縁膜58のL字状の窪みを埋め込むように形成されている。
そして、この実施形態では、一対の第2サイドウォール部46を構成する第2下部絶縁膜54は、シリコン酸化膜62と、該シリコン酸化膜62に設けられたシリコン熱酸化膜64との少なくとも部分的に2層構造の積層膜として構成されている。具体的には、第2下部絶縁膜54を構成するシリコン酸化膜62は、P型半導体基板12の上表面12Aに沿って平坦状を成し、主に上表面12A及び第2ゲート絶縁膜48の側面に接している。一方、シリコン熱酸化膜64は、第2下部絶縁膜54の全体形状に対応して略L状を成し、シリコン酸化膜62の上面と第2ゲート電極42及び第2窒化膜マスク50の各側面に接している。
半導体不揮発性メモリ10では、一対の第2サイドウォール部46を成す積層構造のうち、主として第2電荷蓄積用膜56に、第2サイドウォール部46に注入されたキャリアが蓄積されるようになっている。したがって、第2サイドウォール部46を全体として電荷蓄積部として捉えることもでき、第2電荷蓄積用膜56を電荷蓄積部として捉えることも可能である。
以上説明した半導体不揮発性メモリ10は、一対の第1不純物拡散領域24のうち、ドレインとして機能する側の第1不純物拡散領域24及びソースとして機能する側の第1不純物拡散領域24のそれぞれに電子が蓄積されているか否かによって、P型半導体基板12の表層領域のうち、第1サイドウォール部26の下側に設けられている第1不純物拡散領域24の抵抗を変化させる。注入された電子が蓄積されている状態を“1”とし、一方、電子が蓄積されていない状態を“0”として、データを区別することができる構成である。
例えば、ドレイン側の第1サイドウォール部26(第1電荷蓄積用膜36)への電子の注入は、ソース側の第1不純物拡散領域24及びP型半導体基板12を接地し、第1ゲート電極22及びドレイン側の第1不純物拡散領域24に正電圧を印加することで行う。このとき、チャネル(一対の第1LDD領域32間)を走ってきた電子が、ドレイン側の第1不純物拡散領域24の近傍で該第1不純物拡散領域24に向かう強い電界により、高エネルギー状態、すなわちホットエレクトロンになり、このホットエレクトロンが、第1ゲート電極22に向かう方向の電界によって、ドレイン側の第1サイドウォール部26(第1電荷蓄積用膜36)に注入される構成である。
一方、ドレイン側の第1サイドウォール部26についての情報の読み出しは、P型半導体基板12及びドレイン側の第1不純物拡散領域24を接地し、第1ゲート電極22及びソース側の第1不純物拡散領域24に正電圧を印加することで行う。例えば、ドレイン側の第1サイドウォール部26に電子が蓄積されている場合は、この第1サイドウォール部26に蓄積された電子は、その直下の第1LDD領域32に正電荷を誘起させる。この誘起された正電荷により、第1サイドウォール部26の下側の第1不純物拡散領域24の抵抗値が上昇し、ソース−ドレイン間電流(チャネル電流)が低下する。他方、ドレイン側の第1サイドウォール部26に電子が蓄積されていない場合は、この第1サイドウォール部26の直下の一対の第1不純物拡散領域24の抵抗値が上昇しないので、チャネル電流は低下しない。このチャネル電流の大小により、電荷の蓄積の有無、すなわち“0”と“1”のデータが区別される。
ここで、半導体不揮発性メモリ10では、電荷蓄積部を有する1つのMOSFETをメモリの単位、すなわちメモリセルとすると、ソースとドレインに印加する電圧を入れ換えることで、1つのメモリセルあたり2ビットの情報を記憶することができる。
そして、半導体不揮発性メモリ10では、第2MOSFET20を構成するシリコン熱酸化膜64と第1MOSFET18を構成するシリコン熱酸化膜34とが同等の厚みを有している。このため、第2MOSFET20では、第2下部絶縁膜54におけるP型半導体基板12の上表面12Aに沿う部分の厚みt2が、第1MOSFET18のシリコン熱酸化膜34の厚みt1に対し、シリコン酸化膜62の厚み分だけ厚肉である構成とされている。
(半導体不揮発性メモリの製造方法)
次に、上記構成の半導体不揮発性メモリ10の製造方法を図2〜図7に基づいて説明する。図2〜7は、半導体不揮発性メモリ10の製造方法を説明するための工程図であって、各工程で形成された主要を断面図にて示している。
半導体不揮発性メモリ10を製造するに当たっては、先ず、P型半導体基板12を用意する。次に、P型半導体基板12に第1領域14及び第2領域16を設定する。第1領域14は、情報格納用のメモリセル部14として用いられ、第2領域16は、周辺回路部16として用いられる。
次に、P型半導体基板12における第1領域14及び第2領域16が設定された上表面12A上に、絶縁膜、導電膜及びシリコン窒化膜を順次に積層して形成した後、導電膜をパターニングして、第1領域14に第1ゲート電極22を形成すると共に、第2領域16に第2ゲート電極42を形成する。
この場合、第1ゲート絶縁膜28、48を成す絶縁膜は、例えば熱酸化により形成されたシリコン酸化膜とすることができる。また、第1ゲート電極22、第2ゲート電極42を成す導電膜は、CVD法によりポリシリコン膜と、CVD法又はスパッタ法により金属シリサイド膜としてタングステンシリサイド膜とを順次に積層して形成される。ここで、ポリシリコンの堆積と同時にあるいは堆積後に不純物がドープされることにより、電気伝導性が得られる。その後、導電膜上に、例えばCVD法によって、第1、第2の窒化膜マスク30、50を成すシリコン窒化膜を形成する。
次いで、シリコン窒化膜上にレジストマスクを形成し、このレジストマスクをマスクとして、シリコン窒化膜をパターニングして第1、第2の窒化膜マスク30、50を形成する。この第1、第2の窒化膜マスク30、50の形成は、任意好適な従来周知のフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより行われる。次に、窒化膜マスクをエッチングマスクとして用いたドライエッチングを行うことにより、導電膜をパターニングして第1ゲート電極22及び第2ゲート電極42を形成する。さらに、第1ゲート電極22及び第2ゲート電極42をマスクとして、基板の上表面12Aの領域部分が露出するまで、エッチングすることによりシリコン酸化膜を加工して、第1ゲート絶縁膜28、48を形成する。その後、フォトリソグラフィにより第1、第2の窒化膜マスク30、50上に形成されたレジストマスクをアッシングにより除去した後、ウェット洗浄する。このアッシング及びウェット洗浄は、任意好適な従来周知の方法で行えば良い。
以上説明した工程により、図2に示される如く、第1領域14に第1ゲート電極22が形成されると共に、第2領域16に第2ゲート電極42が形成される。
以上説明した工程により、図2に示される如く、第1領域14に第1ゲート電極22が形成されると共に、第2領域16に第2ゲート電極42が形成される。
次に、P型半導体基板12の上表面12A、第1、第2の窒化膜マスク30、50上にシリコン酸化膜を堆積して、図3に示される如く、後にシリコン酸化膜62とされるシリコン酸化膜66を形成する。より具体的には、シリコン酸化膜66は、P型半導体基板12の露出された上表面12A上、第1窒化膜マスク30及び第2窒化膜マスク50の各上面に形成され、第1ゲート電極22、第2ゲート電極42、第1窒化膜マスク30及び第2窒化膜マスク50の各側面には形成されない。なお、シリコン酸化膜の堆積は、例えば従来周知のスパッタ法にて行うことができる。また、シリコン酸化膜66の厚みは、5〜30nmの範囲内の均一な厚みとされる。
次に、任意好適な従来周知のフォトリソグラフィにより、周辺回路部16を上側から覆う図示しないレジストマスクを形成する。その後、メモリセル部14においてレジストマスクから露出されているシリコン酸化膜66の部分を除去し、周辺回路部16のシリコン酸化膜66として残存させる。メモリセル部14におけるシリコン酸化膜66の除去は、例えばエッチャントとして希釈したフッ酸を用いたウェットエッチングで上表面12Aが露出するまで行われる。その後、レジストマスクをあっシングにより除去した後、ウェット洗浄することで、図4に示される如くなる。
次に、熱酸化により、シリコン熱酸化膜34、64とされるシリコン熱酸化膜68を形成する。シリコン熱酸化膜68は、1000℃程度の雰囲気中で行われ、例えば5〜10nmの厚みで形成される。シリコン熱酸化膜68は、第1領域14のP型半導体基板12上に、第1ゲート電極22を覆うように形成されると共に、第2領域16のシリコン酸化膜66上に形成される。
より具体的には、図5に示される如く、シリコン熱酸化膜68は、第1領域14において、P型半導体基板12の上表面12Aの露出面上と、第1ゲート絶縁膜28及び第1ゲート電極22の側面上と、第1窒化膜マスク30の上面及び側面上に形成される。また、シリコン熱酸化膜68は、第2領域16において、P型半導体基板12及び第2窒化膜マスク50上のシリコン酸化膜66の上面、第2ゲート電極42、第2窒化膜マスク50の側面上に形成される。
次に、CVD法により、図6に示される如く、シリコン熱酸化膜68上に、第1電荷蓄積用膜36、第2電荷蓄積用膜56となる電荷蓄積用膜70を形成する。電荷蓄積用膜70は、例えば5〜10nmの厚みのシリコン窒化膜として形成される。さらに、同図6に示される如く、第1領域14及び第2領域16におけるP型半導体基板12中に、第1LDD領域32、第2LDD領域52となるLDD用不純物拡散部72を形成する。LDD用不純物拡散部72は、イオン注入法により、例えばリン(P)などのn型イオンを1×1013/cm程度の低濃度で注入した後、熱処理を行うことで形成される。
このイオン注入の際には、第1ゲート電極22及び第2ゲート電極42と、第2ゲート電極42の側面に形成されたシリコン酸化膜66、シリコン熱酸化膜68及び電荷蓄積用膜70がマスクとして働く。このイオン注入では、第1ゲート電極22及び第2ゲート電極42と、第1領域14に形成されたシリコン酸化膜66、第1ゲート電極22及び第2ゲート電極42の側面に形成されたシリコン熱酸化膜68及び電荷蓄積用膜70がマスクとして働く。このイオン注入によって、P型半導体基板12の上表面12Aから、P型半導体基板12中へ設計に応じた任意好適な深さにまで低濃度領域が形成される。よってその後の熱処理によって、第1ゲート電極22及び第2ゲート電極42下のチャネル形成領域以外の部分が、LDD用不純物拡散部72となる。
次に、図7に示される如く、電荷蓄積用膜70上に、第1上部用絶縁膜38、第2上部用絶縁膜58となる上部用絶縁膜74を形成する。上部用絶縁膜74は、例えば熱酸化により、5〜10nmの厚みのシリコン熱酸化膜として形成される。次に、同図7に示される如く、上部用絶縁膜74上に、CVD法により第1側壁用窒化膜40、第2側壁用窒化膜60となる側壁用窒化膜76を形成する。側壁用窒化膜76は、5〜20nmの厚みのシリコン窒化膜として形成される。これにより、第1領域14には、LDD用不純物拡散部72上で第1ゲート電極22に隣接して、一対の第1サイドウォール部26となる側壁用積層膜78が形成され、第2領域16には、LDD用不純物拡散部72上で第2ゲート電極42に隣接して、一対の第2サイドウォール部46となる側壁用積層膜80が形成される。
次に、P型半導体基板12の上表面12Aに垂直な方向から、第1領域14の第1窒化膜マスク30及び第2領域16の第2窒化膜マスク50が露出するまでエッチングを行う。具体的には、側壁用窒化膜76、上部用絶縁膜74、及び電荷蓄積用膜70と、第1領域14のシリコン熱酸化膜68と、第2領域16のシリコン熱酸化膜68及びシリコン酸化膜66とをエッチングして、第1ゲート電極22の側壁に第1サイドウォール部26を形成すると共に、第2ゲート電極42の側壁に第2サイドウォール部46をそれぞれ形成する。
その後、第1領域14に第1不純物拡散領域24を形成すると共に、第2領域16に第2不純物拡散領域44を形成する。主として第1ゲート電極22及び第1サイドウォール部26をマスクとして用いて、第1領域14のP型半導体基板12に不純物イオンを高濃度に注入した後、熱処理を行うことにより第1不純物拡散領域24が形成される。また、主として第2ゲート電極42及び第2サイドウォール部46をマスクとして用いて、第2領域16のP型半導体基板12に不純物イオンを高濃度に注入した後、熱処理を行うことにより第2不純物拡散領域44が形成される。第1不純物拡散領域24と第2不純物拡散領域44は、同一の工程で形成される。この時、高濃度の不純物イオンが注入されなかったLDD用不純物拡散部72が第1LDD領域32及び第2LDD領域52となる(図1参照)。
その後の層間絶縁膜や配線層の形成などは、従来周知の方法で行うことができるので、ここでは、以降の工程の説明を省略する。このように説明を省略した以上の各工程を経ることで、図1に示される如き半導体不揮発性メモリ10が製造される。
(半導体不揮発性メモリの作用効果)
以上説明した半導体不揮発性メモリ10では、周辺回路部16の第2MOSFET20を構成する第2下部絶縁膜54が、メモリセル部14の第1MOSFET18を構成するシリコン熱酸化膜34に対しシリコン酸化膜62の厚み分(t2−t1)だけ厚い。
このため、半導体不揮発性メモリ10では、半導体不揮発性メモリ10では、第1MOSFET18に対して第2MOSFET20へのホットエレクトロンの注入効率が低くなる(電荷注入量が少なくなる)設定とされている。すなわち、半導体不揮発性メモリ10は、メモリセル部14からのホットエレクトロン(ホットキャリア)による周辺回路部16の劣化が防止又は効果的に抑制される。
そして、半導体不揮発性メモリ10では、第2下部絶縁膜54のシリコン酸化膜62が平坦状を成すため、第2下部絶縁膜54における第2ゲート電極42の側壁に接する部分の厚みはシリコン熱酸化膜64の厚みとされる。このため、半導体不揮発性メモリ10では、第2ゲート電極42に対する第2LDD領域52のオフセット量を小さくするか、又はオフセットを防止することができる。
この点につき、図8に示す比較例と比較しつつ補足する。図8に示す比較例に係る半導体不揮発性メモリ100を構成する第2MOS型電界効果トランジスタ101は、第2下部絶縁膜54に代えて、主にNSG(ノンドープトシリケートガラス)膜102とシリコン熱酸化膜64とが積層された第2下部絶縁膜104を有してサイドウォール部106が形成されている点で、半導体不揮発性メモリ10の第2MOS型電界効果トランジスタ20とは異なっている。NSG膜102は、CVD法によって形成されるため、第2ゲート電極42及び第2窒化膜マスク50の側壁をも覆う構造とされている。このため、このNSG膜102、シリコン熱酸化膜64、第2電荷蓄積用膜56、及び第2ゲート電極42をマスクにしてLDD用不純物拡散部72を形成するためのイオン注入を行うと、該LDD用不純物拡散部72にて形成される第2LDD領域52が第2ゲート電極42に対しオフセットしてゲートオフセット領域Agoが形成されてしまう。このゲートオフセット領域Agoの形成は、周辺回路部における寄生抵抗の増加を招き、駆動電力の低下及び電流地のばらつきの原因となる。
これに対して、半導体不揮発性メモリ10では、上記の通りNSG膜102に代えてシリコン酸化膜62を形成することでホットキャリアによる周辺回路部16の劣化が防止又は効果的に抑制される構成を採用している。このシリコン酸化膜62は第2ゲート電極42の側壁を側方から覆わない構造であるため、半導体不揮発性メモリ100と比較して、NSG膜102の厚み分だけ、LDD用不純物拡散部72を計精するためのイオン注入時のマスクの厚みが薄くされることとなる。したがって、半導体不揮発性メモリ10では半導体不揮発性メモリ100と比較して、NSG膜102の厚み分だけゲートオフセット領域Agoが縮小される(ゲートオフセット領域Agoが発生し難い)との効果を奏する。
そして、この半導体不揮発性メモリ10は、シリコン酸化膜62を成すシリコン酸化膜66をスパッタ法にて形成する、上記の製造方法によって得ることができる。
なお、上述した半導体不揮発性メモリ10及びその製造方法の説明では、半導体基板としてP型半導体基板12を用い、第1MOSFET及び第2MOSFETがNMOSである場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されることはない。したがって例えば、N型の半導体基板を用いて、第1MOSFET及び第2MOSFETをPMOSとしても良い。また、LDD構造を有するMOSFETの構造は、任意好適な周知の構造とすることができる。
また、上記した実施形態では、シリコン酸化膜62が第2ゲート電極42の側壁を側方から覆う部分を有しない構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、シリコン酸化膜62は、P型半導体基板12の上表面12Aを上側から覆う部分(実施形態におけるシリコン酸化膜62全体)よりも薄肉でかつ第2ゲート電極42の側壁を側方から覆う部分を有する構成とされても良い。
さらに、上記した実施形態では、シリコン酸化膜62(シリコン酸化膜66)がスパッタ法にて形成される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ALD(atomic layer deposition、原子層蒸着法)を用いてシリコン酸化膜62を形成しても良い。
10 半導体不揮発性メモリ(半導体装置)
12 P型半導体基板
14 メモリセル部(第1領域)
16 周辺回路部(第2領域)
18 第1MOSFET(第1トランジスタ)
20 第2MOSFET(第2トランジスタ)
22 第1ゲート電極
24 第1不純物拡散領域
26 第1サイドウォール部(第1側壁部)
28 第1ゲート絶縁膜
32 第1LDD領域(第1不純物低濃度拡散領域)
34 第1シリコン熱酸化膜(絶縁膜)
36 第1電荷蓄積用膜
42 第2ゲート電極
44 第2不純物拡散領域
46 第2サイドウォール部(第2側壁部)
48 第2ゲート絶縁膜
52 第2LDD領域(第2不純物低濃度拡散領域)
54 第2下部絶縁膜(絶縁層)
56 第2電荷蓄積用膜
62 シリコン酸化膜
64 シリコン熱酸化膜(絶縁膜)
66 シリコン酸化膜
68 シリコン熱酸化膜
70 電荷蓄積用膜
72 LDD用不純物拡散部
74 上部用絶縁膜
76 側壁用窒化膜
78・80 側壁用積層膜

Claims (9)

  1. 半導体基板に設定された第1領域に形成された第1トランジスタと、前記半導体基板に設定された第2領域に形成された第2トランジスタとを備え、
    前記第1トランジスタは、
    前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
    前記半導体基板における前記第1ゲート電極を挟む位置に形成された一対の第1不純物低濃度拡散領域と、
    前記半導体基板における前記一対の第1不純物低濃度拡散領域上で前記第1ゲート電極に隣接して設けられ、前記第1不純物低濃度拡散領域に接する絶縁膜と、該絶縁膜上に積層された電荷蓄積用膜とを含む積層構造とされた一対の第1側壁部と、
    を含んで構成されており、
    前記第2トランジスタは、
    前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、
    前記半導体基板における前記第2ゲート電極を挟む位置に形成された一対の第2不純物低濃度拡散領域と、
    前記半導体基板における前記一対の第2不純物低濃度拡散領域上で前記第2ゲート電極に隣接して設けられ、前記第2不純物低濃度拡散領域に接するシリコン酸化膜と前記第1側壁部の絶縁膜と同種の絶縁膜とが少なくとも前記半導体基板の厚み方向に積層されて成る絶縁層と、該絶縁膜上にさらに積層された電荷蓄積用膜とを含む積層構造とされた一対の第2側壁部と、
    を含んで構成されており、
    かつ、前記第2側壁部を構成する前記シリコン酸化膜は、前記第2不純物低濃度拡散領域に接する部分に対し前記第2ゲート電極の側壁に側方から接する部分が薄いか、又は前記第2ゲート電極の側壁に側方から接する部分を有しない、半導体装置。
  2. 前記第2側壁部を構成する前記絶縁膜は、前記シリコン酸化膜上に、前記第1側壁部の絶縁膜と同じ厚みの絶縁膜を積層して構成されている請求項1記載の半導体装置。
  3. 半導体基板を準備する工程と、
    前記半導体基板に第1領域及び第2領域を設定する工程と、
    前記第1領域及び第2領域の半導体基板の表面上に、絶縁膜及び導電膜を順次に積層して形成した後、前記導電膜をパターニングすることで、前記第1領域に第1ゲート電極を形成すると共に、前記第2領域に第2ゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体基板の表面、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を覆うシリコン酸化膜を、半導体基板の表面を覆う部分に対し前記第1、第2ゲート電極の側壁を側方から覆う部分が薄いか、又は前記第1、第2ゲート電極の側壁を側方から覆う部分が生じないように形成した後、前記第1領域の前記シリコン酸化膜を選択的に除去する工程と、
    前記第1領域の半導体基板上に、第1ゲート電極を覆うシリコン熱酸化膜を熱酸化によって形成すると共に、前記第2領域の前記シリコン酸化膜上に、前記第2ゲート電極を覆うシリコン熱酸化膜を形成する工程と、
    前記シリコン熱酸化膜上に、電荷蓄積用膜を形成する工程と、
    前記第1領域において前記第1ゲート電極、前記シリコン熱酸化膜、及び前記電荷蓄積用膜をマスクとし、前記第2領域において前記第2ゲート電極、前記シリコン酸化膜、前記シリコン熱酸化膜、及び前記電荷蓄積用膜をマスクとして、不純物イオンを低濃度に注入して不純物低濃度拡散領域を形成する工程と、
    前記電荷蓄積用膜上に絶縁膜を積層して、該電荷蓄積用膜を含む側壁用積層膜を形成する工程と、
    前記半導体基板の表面に垂直な方向からのエッチングにより、前記側壁用積層膜と、前記第1領域のシリコン熱酸化膜と、前記第2領域のシリコン熱酸化膜及びシリコン酸化膜とをエッチングすることで、前記第1ゲート電極の側壁に隣接する第1側壁部を形成すると共に、前記第2ゲート電極の側壁に第2側壁部を形成する工程と、
    前記第1ゲート電極、第1側壁部、第2ゲート電極及び第2側壁部をマスクとして、不純物イオンを高濃度に注入して不純物拡散領域を形成する工程と、
    を含む半導体装置の製造方法。
  4. 前記半導体基板の表面、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を覆うシリコン酸化膜を形成する工程は、スパッタ法又は原子膜蒸着法によって行われる請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. メモリセル部及び周辺回路部が形成された半導体基板を備え、
    前記周辺回路部に形成されたトランジスタは、
    前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    前記半導体基板における前記ゲート電極を挟む位置に形成された一対の不純物低濃度拡散領域と、
    前記半導体基板における前記一対の不純物低濃度拡散領域上で前記ゲート電極に隣接し、前記一対の不純物低濃度拡散領域に接し、前記ゲート絶縁膜より厚く設けられたシリコン酸化膜上に、前記ゲート電極の側壁に接するように設けられた絶縁膜が積層されて成る絶縁層と、該絶縁層上にさらに積層された電荷蓄積用膜と、を含む一対の側壁部と、を備え、
    前記シリコン酸化膜は、前記不純物低濃度拡散領域に接する部分に対し前記ゲート電極の側壁に側方から接する部分が薄いか、又は前記ゲート電極の側壁に側方から接する部分を有しない、半導体装置。
  6. 半導体基板の第1領域に形成された第1トランジスタと、前記半導体基板の第2領域に形成された第2トランジスタとを備え、
    前記第1トランジスタは、
    第1ゲート電極と、
    前記半導体基板における前記第1ゲート電極を挟む位置に形成された第1不純物拡散領域と、
    前記第1ゲート電極の側部の位置に形成された第1絶縁膜と電荷蓄積用膜とが積層されて成る第1絶縁層と、
    を含んで構成されており、
    前記第2トランジスタは、
    第2ゲート電極と、
    前記半導体基板における前記第2ゲート電極を挟む位置に形成された第2不純物拡散領域と、
    前記第2ゲート電極の側部の位置に形成された第2絶縁膜と第3絶縁膜と電荷蓄積用膜とが積層されて成る第2絶縁層と、
    を含んで構成されており、
    前記第2絶縁膜は、一方の面で前記第2不純物拡散領域と接すると共に、もう一方の面で前記第3絶縁膜と接し、かつ前記半導体基板の表面に沿って平坦状を成している、半導体装置。
  7. 前記第2ゲート電極は、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されており、
    前記第2絶縁膜は、前記ゲート絶縁膜と接している請求項6記載の半導体装置。
  8. 前記第1領域はメモリセル部であり、前記第2領域は周辺回路部である請求項6又は請求項7記載の半導体装置。
  9. 前記第2絶縁膜はシリコン酸化膜からなる請求項6乃至請求項8の何れか1項記載の半導体装置。
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