JP5468722B2 - インバータ装置 - Google Patents

Description

本発明は、パソコンに接続可能なインバータ装置に関わり、更に詳しくは、該インバータ装置から分離可能な操作器を備えるインバータ装置に関する。

従来のインバータ装置等の制御装置は特許文献１に開示されるような構成がとられていた。図４にその例を示す。
図４は、インバータ装置４１を示したものである。

インバータ装置４１の主要部は、三相交流電源４２、三相交流電源４２から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ部４３、該直流電力を平滑する平滑コンデンサ４４、該平滑された直流電力を可変周波数、可変電圧の交流電力に変換するインバータ部４５から構成される。主要部の制御部分として、コンバータ部４３およびインバータ部４５を制御する演算手段としてのＣＰＵ４６、ＲＡＭで構成されるメモリ４７、インバータ制御用基本プログラムを記憶する第１の記憶部としてのメモリ４８、複数のインバータ制御用アプリケーションプログラムを記憶する第２の記憶部としてのアプリケーションソフトウェア記憶部４９、インバータ装置の運転仕様に基づき設定されるパラメータを記憶するパラメータ記憶部５０、インバータ装置の運転状態またはパラメータの設定状態などを表示する表示部５１が存在する。そしてパソコン（計算機）５２を、通信手段を介してＣＰＵ４６に接続し、インバータ装置が目的とする運転をするために必要な制御用アプリケーションソフトウェアや種々のパラメータ値をインバータ装置の外部から記憶部４８に転送・書込し、多様な仕様に対応してインバータ装置を制御可能な構成となっている。

このように従来のインバータ装置４１は、パソコン等の情報処理装置を用いて様々な仕様、目的に対応してインバータ装置の動作を指定することが可能であるが、図からもわかるように、制御プログラム等をインバータ装置に設定するためには、インバータ装置の設置場所でパソコンを接続し、操作・設定する必要があった。そのため設置場所の環境がパソコンを操作するのに適さないような場所でも、その場所で操作・設定しなければならなかった。また、設定の際インバータ装置全体に対して電源を供給しなければならないという問題もあった。
国際公開番号 ＷＯ ００／０４６２９（特願平１１−５４４５１３）号

そこで、本発明の課題は、インバータ装置などの制御装置の設定を行う際に、制御装置の設置場所とは切り離して、他の場所で設定を行えるようにすることである。また、パソコンと操作器を接続して設定作業を行う際に、従来、制御装置全体に供給していた電力を削減できるようにすることである。

上述した課題を解決するために、本発明では、インバータ装置などの制御装置から分離可能な操作器を備えるようにし、該操作器にはパソコン（計算機）との通信を可能とする通信手段を備えるようにした。これにより、制御装置等の設備管理者は、制御装置の運転仕様の設定変更などを行う場合に、制御装置の設置場所とは異なる場所でパソコンと操作器を接続して設定変更等の操作を行い、その後、制御装置本体に該操作器を戻して、新たな設定等を制御装置に反映させることが可能である。よって、制御装置の設置場所がパソコン等の操作に適さない環境でも、設定作業に適した異なる場所で設定を行うことが可能で、設定作業の効率を上げることが可能である。また、パソコンと操作器を接続して設定変更を行う場合に、従来必要だった設定作業中の制御装置全体への電力供給が不要である。更に、操作器の通信手段を介してパソコンから操作器に電源が供給されるようにすることで、操作器に電源プラグなどの特別な電源供給設備を備える必要がなくなる。

本発明の一態様によれば、パソコンに接続可能で、接続したパソコンから自身の動作に関わる設定等を行うことが可能な制御装置であって、前記制御装置本体から分離可能で、パソコンと接続可能な通信手段を備える操作器を備えることを特徴とする。更に、前記操作器は、前記制御装置の動作に関わるパラメータ値、プログラム等のデータを記憶可能な記憶手段を備え、前記操作器は前記制御装置本体から分離され、パソコンと接続して前記記憶手段内の制御装置の動作に関わるパラメータ値、プログラム等のデータを更新した後、前記制御装置本体に戻されて該記憶手段内のパラメータ値、プログラム等のデータを前記制御装置本体の記憶手段に反映させることを特徴とする。これにより、設備管理者等は、制御装置の動作の設定を行う場合に制御装置本体から操作器を分離し、設定作業に適した場所で設定作業を行うことが可能である。また、パソコンによる設定作業中は電源を制御装置全体に供給する必要がないため、従来設定作業中に制御装置全体に供給していた電力を削減することが可能である。

また、前記通信手段は、パソコンと操作器間の通信が正常であるか否かをテストする機能を更に備えることを特徴とする。これにより、パソコンと操作器間の通信を常に正常に行うことが可能である。

また、前記記憶手段は、複数台の制御装置の動作に関わるパラメータ値、プログラム等のデータを記憶することが可能であることを特徴とする。これにより、例えば一つの操作器を用いて複数の制御装置の設定をまとめて一度に行うことが可能で、設定作業後、複数の異なる制御装置に該操作器を順次設置していき、対応する設定をそれぞれの制御装置に反映させることが可能である。

また、 前記通信手段は、パソコンと操作器の間のデータのやり取りをするだけでなく、パソコンから操作器に電源を供給することも可能な通信手段であることを特徴とする。これにより、操作器に電源プラグなどの特別な電源供給設備を備える必要がない。

本発明によれば、インバータ装置などの制御装置の設備管理者は、制御装置の運転仕様の設定変更などを行う場合に、制御装置の設置場所とは異なる場所でパソコンと操作器を接続して設定変更等の操作を行い、その後、制御装置の設置場所にて操作器を制御装置本体に戻して、新たな設定を操作器から制御装置に反映させることが可能である。また、パソコンと操作器を接続して設定作業を行う場合に、制御装置全体への電力供給が不要である。更に、操作器の通信手段を介してパソコンから操作器に電源が供給されるようにすることで、操作器から電源プラグなどの電源に関わる設備・機能等を省くことが可能である。

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
尚、以下、制御装置としてインバータ装置を例に説明するが、本発明はインバータ装置のみに留まらず、本発明の解決しようとする課題と同様の課題を抱える制御装置に対して応用が可能である。

図１に本発明の構成を示す。インバータ装置１などの制御装置は分離可能操作器２を備える。インバータ装置１には、点線で示した操作器２の設置部分が存在し、ここには操作器２を挿入するコネクタ等が設けられている。図１は、操作器２がインバータ装置１本体から取り外された様子を示している。

分離可能操作器２はパソコン接続用通信ポート４を備え、該通信ポート４を介してパソコン３に接続する。通信ポート４は、例えばＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）ポートで実現される。ＵＳＢ通信規格では、パソコン側から接続機器に電源を供給することが可能である。すなわち、パソコン３と操作器２を接続したときにパソコン３から操作器２に電源が供給される。また、この通信ポート４を介してのパソコン３と操作器２間の通信は、通信が正常であるか否かのテストをする機能が備えられている。

次に、インバータ装置１の動作設定をする際の利用者の手順に沿って、図２、図３を用いて説明する。
まず、図２（ａ）に示すように、設備管理者等の利用者はインバータ装置１から操作器２を取り外し、設定作業に適した場所などでパソコン３と操作器２を接続する。利用者は、パソコン３上のインバータ装置１設定用のアプリケーションソフトウェアなどを用いてインバータ装置１の動作設定を行う。図３（ａ）にパソコン３上の設定画面例を示した。ここではインバータ装置１の動作パラメータを設定する例を示している。利用者はインバータ装置１の動作に関わる複数のパラメータを、パソコン３のキーボードやマウスなどの入力手段を用いて３１に示した空欄に数値を指定し、書込ボタン３２を押す。これにより、指定されたパラメータ値や制御プログラムなどがパソコン３から通信ポート４を介して、操作器２内のメモリ５に記憶される。パソコン３と操作器２を接続している間、操作器２にはパソコン３から通信ポート４を介して電源が供給される。

次に、図２（ｂ）に示すように、利用者は操作器２をインバータ装置１本体に設置、接続し、図３（ｂ）に示すような操作器２上にある書込みボタン３４、またはプログラムボタン３５を押す。すると、操作器２のメモリ５の内容がインバータ装置１のメモリ６に転送され、書き込まれる。図３（ｃ）は、メモリ６に複数のパラメータ値が転送され、書き込まれた様子を具体的に示している。インバータ装置１本体は、メモリ６に書き込まれたパラメータ値や制御プログラムに従って動作する。

ところで、操作器２は、インバータ装置１本体から取り外しが可能であるため、一つの操作器２を複数のインバータ装置１にそれぞれ接続しなおして、同一の設定をコピーすることが可能である。また、一つの操作器２のメモリ５に複数台の異なる設定を記憶しておき、インバータ装置１にそれぞれ接続して、対応する設定を対応するインバータ装置１のメモリ６に転送することも可能である。このように一つの操作器の使いまわしも可能である。

以上のように本発明において、インバータ装置などの制御装置は、該装置から分離可能な操作器を備え、該操作器はパソコンとの通信を可能とする通信手段を備える。そして、制御装置の設定は、操作器を制御装置本体から分離して制御装置の設置場所とは異なる場所でパソコンに接続して行い、その後操作器を制御装置本体に戻して設定内容を制御装置に反映することで行われる。このように、設備管理者などの利用者は設定作業を該作業に適した場所で行うことが可能であるため、設定作業の効率を上げることが可能である。また、従来インバータ装置等の制御装置の設定作業中、電源を制御装置全体に供給しなければならなかったが、本発明によれば、パソコンによる設定作業中は、操作器は制御装置本体から分離されているため制御装置全体に電源を供給する必要はない。更に、操作器にはパソコンから電源が供給されるように構成されているため、操作器自身に電源プラグなどの電源に関わる設備を備える必要はない。

以上、本発明の制御装置について詳細に説明したが、本発明は以上に述べたことに限定されるものではない。例えば、上記説明では、設定の際にインバータ装置と操作器を分離し、インバータ装置とは別の場所で設定を行うと述べたが、操作器をインバータ装置上に設置したままパソコンと接続して設定作業を行ってもかまわない。この場合にも、パソコンから操作器に電源は供給されるので、設定作業中にインバータ装置に電源を供給する必要はない。また、上記説明ではインバータ装置の動作に関わるパラメータを設定することを例に説明したが、インバータ装置の動作制御プログラムを転送することも可能である。この他にも本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々の構成、または形状をつくることができることはいうまでもない。

本発明の構成を示す図である。 （ａ）操作器とパソコンを接続してインバータ装置の設定を操作器のメモリに書き込むことを説明する図であり、（ｂ）操作器をインバータ装置に接続してインバータ装置の設定をインバータ装置のメモリに書き込むことを説明する図である。 （ａ）パソコン上の設定画面例を示す図であり、（ｂ）操作器の外観例を示す図であり、（ｃ）操作器からインバータ装置へパラメータ等の転送を説明する図である。 従来のインバータ装置等の制御装置の構成を示す図である。

１ インバータ装置
２ 分離可能操作器
３ パソコン
４ パソコン接続用通信ポート
５ メモリ（操作器内）
６ メモリ（インバータ装置内）
３１ パラメータ値入力欄
３２ 書込みボタン
３３ ＬＥＤ表示器
３４ 書込みボタン
３５ プログラムボタン
４１ インバータ装置
４２ 三相交流電源
４３ コンバータ部
４４ 平滑コンデンサ
４５ インバータ部
４６ ＣＰＵ
４７ メモリ
４８ メモリ
４９ アプリケーションソフトウェア記憶部
５０ パラメータ記憶部
５１ 表示部
５２ パソコン
５３ 負荷装置（モータ）

Claims (4)

1. パソコンに接続可能で、接続した前記パソコンから自身の動作に関わる設定等を行うことが可能なインバータ装置であって、
   前記インバータ装置本体と接続される接続手段と、前記パソコンと接続可能な通信手段と、前記インバータ装置の動作に関わるパラメータ値、プログラム等のデータを記憶可能な記憶手段とを有し、前記インバータ装置本体上への設置と前記インバータ装置本体からの分離とが可能な操作器を備え、
   前記操作器は、前記インバータ装置本体から分離されて接続されていない時、及び、前記インバータ装置本体に接続されている時のいずれの場合においても、前記通信手段を介してパソコンと接続して通信可能であることを特徴とするインバータ装置。
2. 前記操作器は前記インバータ装置本体から分離され、パソコンと接続して前記記憶手段内のインバータ装置の動作に関わるパラメータ値、プログラム等のデータを更新した後、前記インバータ装置本体に戻されて該記憶手段内のパラメータ値、プログラム等のデータを前記インバータ装置本体の記憶手段に反映させることを特徴とする請求項１記載のインバータ装置。
3. 前記通信手段は、パソコンと前記操作器の間の通信が正常であるか否かをテストする機能を更に備えることを特徴とする請求項１記載のインバータ装置。
4. 前記通信手段は、パソコンと前記操作器の間のデータのやり取りをするだけでなく、パソコンから前記操作器に電源を供給することも可能な通信手段であることを特徴とする請求項１乃至請求項４いずれか１項に記載のインバータ装置。