JP5467780B2 - 水素分離装置および水素分離装置の運転方法 - Google Patents
水素分離装置および水素分離装置の運転方法 Download PDFInfo
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Description
1−1.本発明の水素分離装置の基本的な実施形態:
図1は、本発明の水素分離装置1の一実施形態を模式的に表し、反応容器2及びその内部の構造については縦断面にて示す。本発明の水素分離装置1は、流体流路6を有する反応容器2、及び原料流体供給部31を備えている。反応容器2に設けられている、流体流路6は、水素選択透過性金属膜12を有する水素選択透過部11によって第1流路7と第2流路8とに隔てられ、第1流路7には原料入口3及び残原料出口5、第2流路8には水素出口4が設けられている。また、原料流体供給部31は、原料入口3にて第1流路7と連通し、原料流体を原料入口3から第1流路7内に供給する。
本発明の水素分離装置1に備えられている原料流体供給部31は、水素選択透過性金属膜12の表面での酸素の濃度が0.1%以上かつ5.0%未満となるように、原料流体を調製する。なお、本発明においては、原料流体が直接接触する側、すなわち第1流路7の側の水素選択透過性金属膜12の表面に供給する原料流体の酸素濃度のみを上記範囲内に調整すればよく、水素選択透過性金属膜12を透過した第2流路8の側の流体の酸素濃度については問題としない。原料流体供給部31がこのように調製された原料流体を供給することにより、水素選択透過性金属膜12の性能の低下が抑制され、継続的に水素分離処理したときでも、水素選択透過性金属膜12は、水素透過量が高い状態にて維持される。なお、水素選択透過性金属膜12の表面での酸素の濃度は、実際に水素選択透過性金属膜12の表面の流体を採取して組成を分析してもよいし、これが不可能な場合は、原料流体の組成と流量、水素選択透過性金属膜12を透過しなかった残原料流体の組成と流量、水素選択透過性金属膜12を透過した流体の組成と流量から、計算によって求めることもできる。それぞれの流体の組成については、例えばガスクロマトグラフィーにて測定することができる。また、流体の流量については、例えば乾式又は湿式の流量計によって測定することができる。
水素選択透過部11は、ガス供給部から第1流路7内を流れている原料流体に含まれる水素、又は原料流体からの生成物に含まれる水素のみを水素選択透過性金属膜12によって選択的に第2流路8の側へ透過させ、かつ、残余の原料流体及びその生成物に対しては第1流路7の側から第2流路8の側への透過を阻止する形態を備えていればよい。なお、水素が第1流路7の側から第2流路8の側に水素選択透過性金属膜12を透過する際には、第1流路7と第2流路8との間の水素分圧の差が水素の透過の駆動力になる。
流体流路6は、原料流体、その生成物、及び水素選択透過部11を透過した水素が流れるように、密封性の高い材質からなる流路壁9が囲む閉じられた空間を有する構造である。
図2は、袋管形状の水素選択透過部11を備える、本発明の水素分離装置1の一実施形態を模式的に表し、反応容器2及びその内部の構造については縦断面にて示す。この水素分離措置1において、袋管形状の水素選択透過部11は、袋管形状の多孔質支持体14とその外表面上を被覆する水素選択透過性金属膜12とからなり、一方の端部が開口部13とされている。また、この水素選択透過部11の開口部13が、接合部22を介して水素出口4から反応容器2の内部に伸びている管形状の第2流路8と接続する。これにより、水素選択透過部11は、反応容器2の内部に固定され、袋管形状の水素選択透過部11の内部は、水素出口4に通じている。このような袋管形状の水素選択透過部11は、図1に示す水素選択透過部11と比較して、水素選択透過性金属膜12の面積が増大するため、本発明の水素分離装置1に備えられると好ましい。
図3に表す水素分離装置1は、図2に示す袋管形状の水素選択透過部11を備える水素分離装置1の第1流路7内に触媒物質23が配置されている。この触媒物質23は、原料流体から水素を生成する反応を促進するものであり、触媒物質23の種類は、公知のものを使用すればよく、原料流体の組成及び反応によって最適なものを選択することができる。この実施形態の原料流体供給部31は、触媒物質23による原料流体からの反応生成物を考慮しつつ、水素選択透過性金属膜12の表面での酸素の濃度を0.1%以上かつ5.0%未満とするように、原料流体を調製する形態を備える。
水素選択透過性金属膜を構成する水素選択透過性金属とは、パラジウム(Pd)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)など、水素を固溶することで、水素を選択的に透過させる性質を有する金属及びその合金である。
多孔質支持体14としては、微細な細孔を有する材質のものが挙げられ、中でも、耐食性や耐熱性などに優れているため、セラミック及び/又は金属を主成分とするものが好ましい。
先に述べた本発明の水素分離装置1は、水素選択透過性金属膜12に水素を溶解・拡散させることによって、水素選択透過性金属膜12に水素を選択的に透過させるため、水素選択透過性金属膜12が加熱された状態にて、使用されることが好ましい。本発明の水素分離装置1において、水素選択透過性金属膜12の水素脆化を抑制する観点では、水素選択透過性金属膜12を透過する水素の温度が、300℃以上であると好ましく、400℃以上であることより好ましい。また、水素選択透過性金属膜12や水素分離装置1等の耐久性を高める観点では、水素選択透過性金属膜12を透過する水素の温度は、900℃以下であると好ましく、800℃以下であるとより好ましい。
図2に示すように、反応容器2に、以下の水素選択透過部11及び接合部22を備えた水素分離装置1を作製した。水素選択透過部11は、外径30mm、長さ500mmの袋管形状の多孔質アルミナ支持体14の表面上に、めっき法により、水素選択透過性金属膜12としてPd‐Ag合金膜が成膜されたものを用いた。なお、PdとAgとの割合は、Pd80質量部に対して、Ag20質量部となるように調節した。水素選択透過部11は、その開口部13をステンレス製の金属接合部22に嵌合して固定した。
水素と酸素の混合ガスの酸素濃度を0.5%とした以外は実施例1と同様にして水素透過性能の測定を行った。結果を表1と図4に示す。
水素と酸素の混合ガスの代わりに純水素を使用した以外は実施例1と同様にして水素透過性能の測定を行った。結果を表1と図4に示す。
水素と酸素の混合ガスの代わりに水素と一酸化炭素の混合ガス(一酸化炭素濃度50%)を使用した以外は実施例1と同様にして水素透過性能の測定を行った。結果を表1と図4に示す。
表1と図4に示すように、実施例1、2では水素透過性能の低下が見られなかったのに対し、比較例1、2では水素透過性能評価時間の経過に伴って水素透過性能が低下した。なお、比較例1、2で使用した水素選択透過性金属膜12を500℃の空気中で1時間熱処理した後に再度水素透過性能の評価を行ったところ、水素選択透過性金属膜12の水素透過性能が初期の値に回復することを確認した。
Claims (8)
- 水素と酸素とを含有する原料流体を流入する原料入口と、前記原料流体より選択的に抽出される前記水素を流出する水素出口と、残余の前記原料流体を排出する残原料出口と、並びに前記原料入口から前記水素出口及び前記残原料出口まで通じる流体流路と、を有する反応容器と、
前記流体流路に設けられて、前記原料入口及び前記残原料出口に通じる第1流路と前記水素出口に通じる第2流路とに前記流体流路を隔て、前記原料流体に含まれる前記水素を選択的に透過する水素選択透過性金属膜を有し、該水素選択透過性金属膜を通じて前記第1流路側から前記第2流路側へ前記水素を選択的に透過する水素選択透過部と、
前記原料入口にて前記第1流路と連通し、前記水素選択透過性金属膜の表面での前記酸素の濃度が0.1%以上かつ5.0%未満となるように前記原料流体を調製しつつ、前記原料流体を前記原料入口から前記第1流路内に供給する原料流体供給部と、を備える水素分離装置。 - 前記水素選択透過性金属膜の前記原料流体との接触面の少なくとも一部が、パラジウム(Pd)及び/又はPdを含有する合金である、請求項1に記載の水素分離装置。
- 前記原料流体が炭素を含有する化合物を含む、請求項1又は2に記載の水素分離装置。
- 前記第1流路内に、原料流体からの水素の生成反応を促進する触媒物質を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素分離装置。
- 前記触媒物質が貴金属元素のうち少なくとも1種を含有する、請求項4に記載の水素分離装置。
- 前記酸素濃度が0.1%以上かつ1.0%未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素分離装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水素分離装置を、水素透過時の前記水素選択透過性金属膜を透過する水素の温度が300℃以上かつ900℃以下で使用する、水素分離装置の運転方法。
- 前記水素選択透過性金属膜を透過する水素の前記温度が400℃以上かつ800℃以下である、請求項7に記載の水素分離装置の運転方法。
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