JP2008044812A - 選択透過膜型反応器及びそれを用いた水素ガスの製造方法 - Google Patents

選択透過膜型反応器及びそれを用いた水素ガスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透過性能に優れるとともに、反応面において実用的に許容されるリーク水準を維持した分離性能を有する選択透過膜を備え、反応促進性に優れるとともに高純度の水素を回収することが可能な選択透過膜型反応器を提供する。
【解決手段】原料ガス供給手段1と、反応管2と、水素を選択的に透過して一酸化炭素を含む高濃度水素含有ガスG3として分離する選択透過膜31を有する分離管3と、反応管2と分離管3との間に配設された改質反応触媒4と、上記一酸化炭素を低減するためのCO除去手段とを備えるように構成するとともに、選択透過膜31が、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された高濃度水素含有ガスG3中における水素と水との体積比率を10以上、水素と一酸化炭素との体積比率を90以上に制御する選択性を有するように構成する選択透過膜型反応器10。
【選択図】図1

Description

本発明は、選択透過膜型反応器及びそれを用いた水素の製造方法に関する。さらに詳しくは、透過性能に優れるとともに、反応面において実用的に許容されるリーク水準を維持した分離性能を有する選択透過膜を備え、反応促進性に優れるとともに高純度の水素を回収することが可能な選択透過膜型反応器及びそれを用いた水素の製造方法に関する。
透過膜型反応器は、可逆反応系において生成物を選択的に反応系外へ除外することにより、見かけ上、平衡反応率を超えて反応を進行させるという利点(引き抜き効果)を有するものである。この場合、水素の透過膜、例えば、パラジウム(Pd)膜の厚さを薄くすることは、透過性能を高めることのみならず、パラジウム(Pd)の使用量の低減につながりコスト面からも望ましいが、他方で、現状の成膜及び基材技術では、パラジウム(Pd)膜厚を薄くするほど膜欠陥が増大し、膜の分離性能が低下する傾向がある。従って、透過膜の透過性能と分離性能との両立を図ることは困難であるのが現状である。
また、透過膜の膜厚に関しては、薄い方が透過性能は高く、膜型反応器として用いた場合の反応促進効果は増大するが、他方で、膜の分離性能が低い場合、水素以外の成分(特に、原料ガス成分である水(HO))がリークしてしまい、水素引き抜きによる反応促進効果が目減りしてしまうことになる。また、透過膜の急激な劣化発生時には、高濃度の不純物ガスが膜透過側へリークする。膜透過側から得られた水素を固体高分子型燃料電池(PEFC)に供給するシステムを考えた場合、リークして導入される高濃度の一酸化炭素(CO)は電極を被毒させてしまうという不都合がある。
このような不都合を解消して一酸化炭素(CO)を低減させる反応として、メタネーション反応(CO又はCO(+H)→CH+HO)を利用する方法が知られており(例えば、特許文献1参照)、また、この反応以外では選択酸化法(CO+1/2O=CO)が知られている。
特許第3432892号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明の場合、一酸化炭素(CO)の濃度を低く抑えて水素濃度の高い燃料ガスを提供することが可能である点で優れたものではあるが、透過膜における透過性能と分離性能との両立や、反応促進性については、特に考慮されたものではない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、透過性能に優れるとともに、反応面において実用的に許容されるリーク水準を維持した分離性能を有する選択透過膜を備え、反応促進性に優れるとともに高純度の水素ガスを回収することが可能な選択透過膜型反応器、及びこの選択透過膜型反応器を用いた水素ガスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者等は、透過膜からリークする水(HO)に関して、下記(1)〜(4)に着目して鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させた。すなわち、
(1)水(HO)は、改質反応における原料ガス成分であり、透過膜型反応器における反応促進効果は生成物のみを選択的に反応場から引き抜くことで得られるものであり、原料ガス成分である水(HO)のリークは反応促進効果に対して負の作用を及ぼすこと。
(2)改質反応においては、反応中の触媒コーキングを抑制するために量論以上の水(HO)が加えられるのが一般的であることから、透過膜型反応器における反応側の分圧は水(HO)が最も大きいこと。
(3)水(HO)は他の改質ガス成分と比べて分子径が小さいことに加えて、他成分よりも拡散定数が大きいことから、透過膜欠陥からのリーク速度が最も大きいことが予想されること。
(4)透過膜からのリーク量は水(HO)が最も大きいと予想され、膜型反応器の生成物引き抜きによる反応促進効果に対して、透過膜からの目的成分以外のリークがどの程度反応面へ影響を与えるのかを把握し、その上で、反応面に対して許容されうる目的ガス以外のガスのリーク量を規定することが肝要であること。
以上を踏まえて、本発明によって、以下の選択透過膜型反応器が提供される。
[1] 原料ガス供給手段と、前記ガス供給手段から供給された前記原料ガスを取り入れるガス入口部、取り入れられた前記原料ガスを内部で所定の改質反応をさせて反応ガスを生成する本体部、前記反応ガス、及び未反応の前記原料ガスを取り出すガス出口部を有する反応管と、前記反応管に連通して配設された、未反応の前記原料ガス及び前記反応管で生成された前記反応ガスのうち水素を選択的に透過して、一酸化炭素(CO)を含む高濃度水素含有ガスとして分離する選択透過膜と、分離された前記高濃度水素含有ガスを排出する分離排出口とを有する分離管と、前記反応管と前記分離管との間に配設された、前記原料ガスの前記改質反応を促進する改質反応触媒と、前記分離管に連通され、この分離管の前記分離排出口から排出される前記高濃度水素含有ガス中に含まれる前記一酸化炭素(CO)を低減するためのCO除去手段と、を備えた選択透過膜型反応器であって、前記選択透過膜が、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と水(HO)との前記一酸化炭素(CO)を低減する前の体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御するとともに、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と一酸化炭素(CO)との体積比率(H体積/CO体積)を90以上に制御する選択性を有する選択透過膜型反応器。
[2] 前記CO除去手段が、メタネーション反応によって前記高濃度水素含有ガスから一酸化炭素(CO)を低減することが可能なものである前記[1]に記載の選択透過膜型反応器。
[3] 前記CO除去手段が、前記メタネーション反応のための触媒を備え、前記メタネーション反応を100〜600℃の運転温度で行うものである前記[1]又は[2]に記載の選択透過膜型反応器。
[4] 前記一酸化炭素(CO)が除去された前記高濃度水素含有ガス中の水素(H)濃度が90%以上で、一酸化炭素(CO)濃度が10ppm以下で、A/B×100で算出される反応率が60%以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の選択透過膜型反応器。
但し、
A:所定時間内に選択透過膜型反応器から排出されたCO量(mol/min)
B:所定時間内に選択透過膜型反応器に供給された炭化水素、含酸素炭化水素、CO、及びCOの合計量(mol/min)
[5] 原料ガスを改質反応させて反応ガスを生成する生成工程と、前記反応ガスのうち水素を選択的に透過する選択透過膜によって、一酸化炭素(CO)を含む高濃度水素含有ガスを分離する分離工程と、前記高濃度水素含有ガス中に含有される前記一酸化炭素(CO)を低減させる除去工程と、を備え、前記分離工程に用いる前記選択透過膜が、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と水(HO)との体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御するとともに、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と一酸化炭素(CO)との体積比率(H体積/CO体積)を90以上に制御する選択性を有するものである水素ガスの製造方法。
[6] メタネーション反応によって前記高濃度水素含有ガス中の前記一酸化炭素(CO)が低減される前記[5]に記載の水素ガスの製造方法。
[7] 前記メタネーション反応を100〜600℃の運転温度で行う前記[5]又は[6]に記載の水素ガスの製造方法。
[8] 前記一酸化炭素(CO)が除去された前記高濃度水素含有ガス中の水素(H)濃度が90%以上で、一酸化炭素(CO)濃度が10ppm以下で、A/B×100で算出される反応率が60%以上である前記[5]〜[7]のいずれかに記載の水素ガスの製造方法。
但し、
A:所定時間内に選択透過膜型反応器から排出されたCO量(mol/min)
B:所定時間内に選択透過膜型反応器に供給された炭化水素、含酸素炭化水素、CO、及びCOの合計量(mol/min)
以上説明したように、本発明によって、透過性能に優れるとともに、反応面において実用的に許容されるリーク水準を維持した分離性能を有する選択透過膜を備え、反応促進性に優れるとともに高純度の水素ガスを回収することが可能な選択透過膜型反応器、及びそれを用いた水素ガスの製造方法が提供される。
以下、本発明の選択透過膜型反応器、及び選択透過膜型反応器を用いた水素ガスの製造方法を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の選択透過膜型反応器の一の実施の形態を模式的に示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態の選択透過膜型反応器10は、原料ガス供給手段1と、ガス供給手段1から供給された原料ガスG1を取り入れるガス入口部21、取り入れられた原料ガスG1を内部で改質反応させて反応ガス(以下「改質ガス」ともいう)G2を生成する本体部22、改質ガスG2、及び未反応の原料ガスG1を取り出すガス出口部23を有する反応管2と、反応管2に連通して配設された、未反応の原料ガスG1及び反応管2で生成された改質ガスG2のうち水素を選択的に透過して、一酸化炭素(以下「CO」と記す場合がある)を含む高濃度水素含有ガスG3として分離する選択透過膜31と、分離された高濃度水素含有ガスG3を排出する分離排出口32とを有する分離管3と、反応管2と分離管3との間に配設された、原料ガスG1の改質反応を促進する改質反応触媒4と、分離管3に連通され、この分離管3の分離排出口32から排出される高濃度水素含有ガスG3中に含まれる一酸化炭素(CO)を低減するためのCO除去手段と、を備えるように構成されている。そして、選択透過膜31は、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された高濃度水素含有ガスG3中における水素(H)と水(HO)との体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御する選択性を有している。
本実施の形態の選択透過膜型反応器10は、CO除去手段として、分離管3の選択透過膜31の下流側に、選択透過膜31からリークして高濃度水素含有ガスG3中に含有される一酸化炭素(CO)をメタネーション反応によって低減するためのメタネーション触媒5をさらに備るように構成されている。
以下、各構成要素について説明する。
(原料ガス供給手段)
本実施の形態に用いられる原料ガス供給手段1としては特に制限はないが、例えば、貯蔵容器から流量制御器を通ってパイプによって原料ガスを供給するものとすることができる。なお、原料ガス供給手段1は、装置の小型化のため反応管2と一体的に構成してもよく、反応管2から離れたところに取り外し可能に別体で構成してもよい。
原料ガス供給手段1から反応管2に供給される原料ガスG1としては、メタン、エタン、プロパン等の炭化水素;メタノール、エタノール等の酸素原子を含むアルコール類、ケトン類、エーテル類などの有機化合物(以下「含酸素炭化水素」という場合がある);水(HO)、酸素、二酸化炭素等を挙げることができる。
なお、本実施の形態においては、原料ガスG1として、メタン、エタノールを改質原料とした水(HO)との反応系(例えば、CH+HO→CO+3H)について主に説明しているが、その他にプロパン、ブタン等の炭化水素、メタノール、ジメチルエーテル(DME)等の含酸素炭化水素を原料とした改質反応、一酸化炭素(CO)と水(HO)との反応から水素を得る水性ガスシフト反応(例えば、CO+HO→CO+H)等、水(HO)を原料として水素を生成する反応に対して広く適用することができる。さらに、これらに酸素(O)(空気)や二酸化炭素を加えた反応系に対しても適用可能である。
(反応管)
本発明の選択透過膜型反応器の反応管は、ガス供給手段から供給された原料ガスを取り入れるガス入口部、取り入れられた原料ガスを内部で所定の改質反応をさせて反応ガスを生成する本体部、反応ガス、及び未反応の原料ガスを取り出すガス出口部を有するものである。具体的には、本実施の形態に用いられる反応管2は、原料ガス1の入口であるガス入口部21と、未分離ガスの出口であるガス出口部23と、所定の内部空間を有する本体部22とからなる筒状体(例えば、円筒体)から構成されている。
(分離管)
本発明の選択透過膜型反応器の分離管は、上記反応管に連通して配設された、未反応の原料ガス及び反応管で生成された反応ガスのうち水素を選択的に透過して、一酸化炭素(CO)を含む高濃度水素含有ガスとして分離する選択透過膜と、分離された高濃度水素含有ガスを排出する分離排出口とを有するものである。具体的には、本実施の形態に用いられる分離管3としては、例えば、選択透過膜31を多孔質基体管33上に成膜した、一端部が閉じられた有底円筒状のものを挙げることができる。
選択透過膜は、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された高濃度水素含有ガスG3中における水素(H)と水(HO)との体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御する選択性を有するものである。このような構成の選択透過膜は、優れた透過性能を有しているとともに、反応面において実用的に許容されるリーク水準を維持した分離性能を有するという利点がある。即ち、本発明の選択透過膜型反応器の選択透過膜は、単位透過膜面積当たりに得られる水素量が増大するため、反応器の小型(コンパクト)化が可能になる。
選択透過膜としては、上記条件を満たすものである限り特に制限はないが、例えば、パラジウム、銀、パラジウム(Pd)と銀(Ag)との合金、シリカ、ゼオライト、ジルコニア等を用いることができる。これらの中でも水素に対する選択的透過能を有する観点から、パラジウム(Pd)と銀(Ag)との合金が好ましい。
選択透過膜は、10μm以下の膜厚を有することにより、優れた透過性能及び分離性能を確保することができる。上記膜厚は好ましくは、0.01〜10μmであり、さらに好ましくは0.1〜8μmであり、特に好ましくは0.5〜5μmである。選択透過膜の膜厚が10μmより厚いと、水素の透過速度が低くなる傾向がある。ところで、選択透過膜は、膜厚が10μm以下である限り特に制限はなく、膜厚が薄いほど水素が透過し易く効率的に水素を回収することができるが、薄くなり過ぎると膜の耐久性や水素選択性が低下するおそれがある。水素選択性が低下すると、例えば、膜からリークしてくる一酸化炭素濃度が増大するため、メタネーション反応で一酸化炭素を10ppm以下に低減することが困難となる。さらに、一酸化炭素や二酸化炭素を炭化水素に変換する際に水素を多量に消費してしまうため、水素濃度が低下してしまう。
また、選択透過膜は、体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御する選択性を有するものであり、20以上の選択性を有するものが好ましく、30以上の選択性を有するものがさらに好ましい。
体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御すること、即ち、選択透過膜からの水(HO)のリーク度合いを、反応中に選択透過膜から取り出した水素(H)との体積比率(H体積/HO体積)で明確化して規定値以上(10以上)の体積比率(H体積/HO体積)の状態で運転することによって、仮に、水(HO)のリークが全くない理想的な選択透過膜を用いた場合と比較しても、反応面での反応率のロスを5%以内に抑えることができるという効果がある。即ち、水のリークが全くない理想的な選択透過膜を用いた場合の転化率からの低下割合を5%以内に抑えることが可能である。なお、本明細書中において、「体積比率(H体積/HO体積)」というときは、選択透過膜型反応器の操作条件に関わらず、分離管の分離排出口から排出される高濃度水素含有ガス中に含まれる、水素と水(スチーム)の体積比をいうものとする。例えば、一酸化炭素(CO)を含有する高濃度水素含有ガスG3中の水素と水(スチーム)の体積比である。
さらに、水素透過係数が50ml/cm・min・atm1/2以上の透過性能であり、200ml/cm・min・atm1/2以上であることが好ましい。水素透過係数が50ml/cm・min・atm1/2未満であると、水素の透過速度が低くなり、水素引き抜きによる反応促進効果が小さくなる傾向がある。なお、本明細書中において、「水素透過係数」というときは、式:Y=KΔP1/2で算出される値(K)をいうものとする。但し、上記式中、Yは透過流量を、ΔP1/2は供給側と透過側の水素分圧の1/2乗の差である。
多孔質基体管33としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、カーボン、多孔質ガラス、表面処理されたSUSフィルター等の金属を挙げることができる。
(改質反応触媒)
本発明の改質反応触媒は、反応管と分離管との間に配設された、原料ガスの改質反応を促進するものである。具体的には、本実施の形態に用いられる改質反応触媒4は、分離管3の配設空間を除いた本体部22の内部空間に改質反応を促進させるために配設される。改質反応触媒としては、例えば、ニッケル−アルミナ、ルテニウム−アルミナ、ロジウム−アルミナ等を挙げることができる。
(CO除去手段)
本発明のCO除去手段は、分離管に連通され、この分離管の前記分離排出口から排出される前記高濃度水素含有ガス中に含まれる前記一酸化炭素(CO)を低減するためのものである。このようなCO除去手段により、一酸化炭素(CO)を含む高濃度水素含有ガス(以下「透過ガス」と記す場合がある)中の一酸化炭素(CO)を10ppm以下に低減することが可能である。CO除去手段としては、例えば、メタネーション法、部分酸化法、又はシフト反応法等によって処理するものを挙げることができる。これらの中でも、メタネーション法が好ましい。即ち、メタネーション触媒を用いたメタネーション反応によって、透過ガスを直接処理して、この透過ガス中の一酸化炭素(CO)を低減させることが好ましい。
一酸化炭素(CO)を低減する手法としてメタネーション法を採用すると、選択酸化法を採用した場合に比べて、酸素(空気)供給用のコンプレッサー等の補機が不要である。そのため、システム全体としてコンパクト化することができるという利点がある。
また、急激に選択透過膜が劣化するという不測の事態においては、一酸化炭素(CO)が高濃度でリークすることが予測される。この一酸化炭素(CO)は、燃料電池の電極の被毒物質であるため、一酸化炭素(CO)が高濃度でリークすると燃料電池の電極に損傷を与えるおそれがある。従って、選択透過膜の透過側(一酸化炭素(CO)がリークする側)にメタネーション触媒を配置することにより、リークした一酸化炭素(CO)を、燃料電池の電極に対して不活性なメタン(CH)に変換することができるという利点がある。
(メタネーション触媒)
本実施の形態に用いられるメタネーション触媒5は、選択透過膜31の下流側に配設され、選択透過膜31からリークした一酸化炭素(CO)(即ち、高濃度水素含有ガスG3中に含有される一酸化炭素(CO))を、メタネーション反応によって低減する。そして、一酸化炭素(CO)が低減された高濃度水素含有ガスG3を一酸化炭素(CO)処理ガスG4として分離することが可能である。このとき、高濃度水素含有ガスG3に含有されていた一酸化炭素(CO)は、水素化されてCO以外のガス(例えば、メタン)に転換される。転換されるCO以外のガスとしては、メタンの他に、例えば、エタン、メタノール、エタノール等の炭化水素であってもよい。
COの水素化に使用されるメタネーション触媒5としては、COを、メタンに転換する場合、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Ni(ニッケル)、Re(レニウム)等からなる触媒を、また、メタノールに転換する場合、Cu(銅)系あるいはFe(鉄)系の触媒等を挙げることができる。
メタネーション反応は、触媒(例えば、上記例示のもの)を備え、100〜600℃の運転温度で行うことが好ましい。運転温度が100℃未満であると、反応が十分に進まないおそれがある。一方、運転温度が600℃超であると、COを10ppm未満にすることが困難になるおそれがある。
本発明の選択透過膜型反応器は、以上のように構成することによって、一酸化炭素(CO)が除去された高濃度水素含有ガスG4中の水素(H)濃度を90%以上に高く保持することができるとともに、一酸化炭素(CO)濃度が10ppm以下に確実に低減することができ、A/B×100で算出される反応率が60%以上とすることができる。
但し、
A:所定時間内に選択透過膜型反応器から排出されたCO量(mol/min)
B:所定時間内に選択透過膜型反応器に供給された炭化水素、含酸素炭化水素、CO、及びCOの合計量(mol/min)
である。
本実施の形態の選択透過膜型反応器10によって得られた、一酸化炭素(CO)濃度が10ppm以下に低減化された一酸化炭素(CO)処理ガスG4は、例えば、燃料電池50に導入されて有効に適用される。特に、燃料電池50中のCO濃度を低くする必要のあるリン酸塩型燃料電池、固体高分子型燃料電池(PEFC)への適用が有効であり、燃料ガス中のCO濃度を数ppm以下にする必要のある固体高分子型燃料電池(PEFC)への適用がさらに有効である。
また、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、他の電池と比較して小型で軽量であり、100℃以下の温度で作動するという特徴を有するため、可搬型電源や電気自動車電源として好適に用いられる。電気自動車電源として用いられる場合は、小型・軽量であることに加えてさらに振動等に対する耐衝撃性があることが必要であり、このような電気自動車電源に本発明を適用する場合は、上述したように、分離管3とメタネーション触媒5とを一体化した形態で適用することが好ましい。
(水素の製造方法)
本発明の水素ガスの製造方法は、原料ガスを改質反応させて反応ガスを生成する生成工程と、反応ガスのうち水素を選択的に透過する選択透過膜によって、一酸化炭素(CO)を含む高濃度水素含有ガスを分離する分離工程と、高濃度水素含有ガス中に含有される一酸化炭素(CO)を低減させる除去工程と、を備え、分離工程に用いる選択透過膜が、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と水(HO)との体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御する選択性を有するものである。
具体的には、図1に示すように、本実施の形態の選択透過膜型反応器10においては、ガス供給手段1から供給された原料ガスG1は、ガス入口部21から反応管2に導入され、改質反応触媒4に接触すると、反応等により水素を含む混合ガスである改質ガスG2が生成される。生成された改質ガスG2等の一部は、分離管3の選択透過膜31を透過して選択的に引き抜かれ、高濃度水素含有ガスG3として分離排出口32から排出される。
分離排出口32から排出された高濃度水素含有ガスG3は、分離管3の選択透過膜31の下流側に配設されたメタネーション触媒5に接触することによって、メタネーション触媒5により一酸化炭素(CO)が10ppm以下に低減した一酸化炭素(CO)処理ガスG4(高純度の水素ガス)として製造される。
他方、生成された改質ガスG2等のうち分離管を透過しなかったもの(未反応の原料ガスG1及び改質ガスG2)は、反応管2のガス出口部23より反応器10の外部へ排出される。
なお、図1においては、製造した一酸化炭素(CO)処理ガスG4を燃料電池50に供給するシステムを例示している。この場合、装置の小型化のため、メタネーション触媒5は分離管3の内部に配設されたものであってもよい。
なお、選択透過膜型反応器は、複数の反応管(分離管及び改質反応触媒を含む)を備えるものであってもよく、例えば、図2及び図3に模式的に示すように、選択透過膜型反応器10は3つの反応管2を備えることもできる。図2に示す選択透過膜型反応器110は、3つの反応管2を備え、排出される高濃度水素含有ガスG3中に含まれる一酸化炭素(CO)を低減するためのCO除去手段(メタネーション触媒)5を1つ備えている。
また、図3に示す選択透過膜型反応器210は、3つの反応管2を備え、これら反応管2のそれぞれに対応してCO除去手段(メタネーション触媒)5を3つ備えている。なお、図2、図3中の矢印はガスの流れを示している。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によっていかなる制限を受けるものではない。
(実施例1)
(選択透過膜型反応器)
選択透過膜型反応器として、以下の構成のものを用いた。すなわち、分離管として、一端部が閉じられた有底円筒状のアルミナ多孔体(外径10mm、長さ75mm)を用い、その表面に選択透過膜として水素を選択的に透過するパラジウム(Pd)−銀(Ag)合金膜をメッキ法により成膜した。選択透過膜の組成は、水素透過性能を考慮してパラジウム(Pd)が75質量%、銀(Ag)が25質量%となるようにし、膜厚は2μm、水素透過係数として250ml/cm・min・atm1/2であった。改質触媒としては、市販のルテニウム−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。また、CO除去手段としてのメタネーション触媒は、市販のルテニウム−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。改質触媒(エヌ・イーケムキャット社製)は反応管と選択透過膜との間に、メタネーション触媒は透過側下流に充填した。なお、メタネーション反応は300℃の運転温度で行った(表1中「メタネーション温度(℃)」と示す)。
この選択透過膜型反応器は、原料ガス供給手段から原料ガスとして、メタン、ブタン等の炭化水素や、エタノール等の含酸素炭化水素、水、二酸化炭素、酸素を供給可能に接続されている。原料ガスは、必要に応じて選択、混合して反応管に供給される。なお、水やエタノール等の液体系の原料は気化器でガス化して供給される。
また、選択透過膜の下流側には、ガス量を測定するための流量計(型番「W−NK−0.5」、シナガワ社製)と、ガス成分を定量するためのガスクロマトグラフ(型番「モデル802」、大倉理研社製)が接続されている。反応管の選択透過膜を透過しない側の下流側にも、同様に流量計とガスクロマトグラフとが接続されている。さらに、流量計の上流側には、常温において液体(水など)の液体成分を捕集するために約5℃に設定された液体トラップが設けられている。また、反応管の周囲には、外部から加熱することができるように加熱用ヒータが設置されている。
(評価)
実施例1においては、上述の選択透過膜型反応器を用いるとともに、原料ガスとしてメタンを用い、表1に示す反応条件でメタン水蒸気改質反応を行った。このとき、以下に示す試験を行い、水素透過係数、反応率、一酸化炭素濃度、水素濃度(水素純度)、体積比率(H体積/HO体積)、及び体積比率(H体積/CO体積)の各種を評価した。
(試験方法)
反応試験に先立って、用いた膜の水素透過係数の測定を行った。選択透過膜型反応器に水素のみを供給し、透過側の水素流量を測定し、式:水素透過係数=C/(D・ΔP1/2)により水素透過係数を算出した。
但し、
C:透過側水素流量(ml/min)
D:膜面積(cm
ΔP1/2:供給側と透過側の水素分圧の1/2乗の差(atm1/2
である。
また、選択透過膜型反応器に原料ガスを供給して改質反応させた。改質反応後、分離した透過ガスに含まれる一酸化炭素(CO)を選択透過膜の下流に設置したメタネーション触媒により低減させた。このとき、選択透過膜の透過側及び非透過側のそれぞれにおけるガスの流量とガスの組成を調べることにより、反応率、透過ガス(高濃度水素含有ガス)中の一酸化炭素、水素純度、体積比率(H体積/HO体積)、及び体積比率(H体積/CO体積)を算出した。
ここで、反応率は、改質原料のうち何%が反応したかを示す指標である。例えば、メタン水蒸気改質の場合、CH+2HO=CO+4Hの反応式で表されるから、メタン1molに対して二酸化炭素は理想的には1mol得られることになる。仮に、メタンの供給量が100mol/minで、実際に反応器出口で得られた二酸化炭素が80mol/minであれば、反応率[%]=(80/(100))×100=80%として算出される。
なお、透過ガス(高濃度水素含有ガス)中の一酸化炭素濃度及び水素純度は、上記ガスクロマトグラフ(型番「モデル802」、大倉理研社製)により測定した。
本実施例では、反応率が88%、一酸化炭素濃度(表1中「CO濃度(ppm)」と示す)が0.5、水素純度(表1中「H純度(%)」と示す)が97.2であった。
体積比率(H体積/HO体積)は、選択透過膜からリークした水(HO)の体積と、反応中に選択透過膜から取り出した水素(H)の体積から算出した。本実施例では、体積比率(H体積/HO体積)(表1中「H/HO」と示す)が20であった。
体積比率(H体積/CO体積)は、分離された高濃度水素含有ガス中における水素(H)と一酸化炭素(CO)の体積から算出した。本実施例では、体積比率(H体積/CO体積)(表1中「H/CO」と示す)が363であった。
(実施例2〜3、比較例1、2)
表1に示す反応条件でメタン水蒸気改質反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして試験を行い、上記各種評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2008044812
(実施例4)
表1に示す反応条件でエタノール水蒸気改質反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして試験を行い、上記各種評価を行った。なお、改質触媒としては、市販のロジウム−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。また、CO除去手段としてのメタネーション触媒は、市販のルテニウム−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1のメタン水蒸気改質反応に代えて、一酸化炭素を原料ガスに用いて水性ガスシフト反応(CO+HO→CO+H)を表1に示す反応条件で行ったこと以外は、実施例1と同様にして試験を行い、上記各種評価を行った。なお、シフト反応触媒としては、市販の白金−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。また、CO除去手段としてのメタネーション触媒は、市販のルテニウム−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1のメタン水蒸気改質反応の原料ガスに空気を加えたこと以外は、実施例1と同様にして試験を行い、上記各種評価を行った。なお、改質触媒としては、市販のロジウム−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。また、CO除去手段としてのメタネーション触媒は、市販のルテニウム−アルミナ触媒(エヌ・イーケムキャット社製)を用いた。その結果を表1に示す。
表1から、以下のことが分かる。
(比較例1)
水素(H)と水(HO)との体積比率(H体積/HO体積)が20であるパラジウム(Pd)膜を用いた比較例1においては、メタネーションを行わなかったためにCO濃度が高かった。
(比較例2)
比較例1に比べて膜厚の厚い膜を用いた比較例2においては、膜厚が厚くなったため膜の選択性が向上し、水素(H)と水(HO)との体積比率(H体積/HO体積)が100となり、得られる水素純度が高くなった。しかし、膜厚が厚くなったことにより水素透過係数が低下したため、反応率が低下した。
(実施例1〜6)
上述の比較例に対し、膜性能やメタネーション温度等を最適化した実施例1〜6においては、膜厚が薄く高透過性能であるために反応率が60%以上であり、不純物である一酸化炭素(CO)の濃度が1ppm以下、純度98%以上の水素(H)を含む透過ガスを得ることができた。従って、本発明の選択透過膜型反応器により、原料ガス成分のリークによる反応促進効果の目減りを減少させることができることが分かった。さらに、CO除去手段(メタネーション触媒)を最適に機能させることで、透過ガスに含有される一酸化炭素(CO)を10ppm以下に低減することができるため、高純度の水素(H)を得ることが可能であることが分かった。
また、実施例4、5から、メタン以外の改質原料を用いた場合においても、本発明の選択透過膜型反応器が適用可能であることが分かる。即ち、改質原料としてエタノールを用いるエタノール改質や一酸化炭素(CO)を用いる水性ガスシフト反応、原料ガスに空気を添加した反応系においても、本発明の選択透過膜型反応器を用いることができ、高純度の水素ガスを回収することが可能であることが分かる。
本発明の選択透過膜型反応器及びこの選択透過膜型反応器を用いた水素ガスの製造方法は、水素ガスを選択的に高濃度で必要とする各種産業分野で好適に利用される。例えば、メタン、プロパン等の炭化水素、あるいはメタノール、エタノール等の酸素原子を含むアルコール類、ケトン類、エーテル類の有機化合物を改質して得られる、水素と一酸化炭素とを含み、水素を主成分とする改質ガスを燃料ガスとして使用するリン酸塩型燃料電池、固体高分子型等の燃料電池の分野で好適に利用される。
本発明の選択透過膜型反応器の一の実施の形態を模式的に示す説明図である。 本発明の選択透過膜型反応器の反応管を複数備えた一の実施の形態を模式的に示す説明図である。 本発明の選択透過膜型反応器の反応管を複数備えた別の実施の形態を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 原料ガス供給手段
2 反応管
3 分離管
4 改質反応触媒
5 メタネーション触媒
10、110、210 選択透過膜型反応器
21 ガス入口部
22 本体部
23 ガス出口部
31 選択透過膜
32 分離排出口
33 多孔質基体管
50 燃料電池
G1 原料ガス
G2 改質ガス
G3 高濃度水素含有ガス
G4 一酸化炭素(CO)処理ガス

Claims (8)

  1. 原料ガス供給手段と、
    前記ガス供給手段から供給された前記原料ガスを取り入れるガス入口部、取り入れられた前記原料ガスを内部で所定の改質反応をさせて反応ガスを生成する本体部、前記反応ガス、及び未反応の前記原料ガスを取り出すガス出口部を有する反応管と、
    前記反応管に連通して配設された、未反応の前記原料ガス及び前記反応管で生成された前記反応ガスのうち水素を選択的に透過して、一酸化炭素(CO)を含む高濃度水素含有ガスとして分離する選択透過膜と、分離された前記高濃度水素含有ガスを排出する分離排出口とを有する分離管と、
    前記反応管と前記分離管との間に配設された、前記原料ガスの前記改質反応を促進する改質反応触媒と、
    前記分離管に連通され、この分離管の前記分離排出口から排出される前記高濃度水素含有ガス中に含まれる前記一酸化炭素(CO)を低減するためのCO除去手段と、
    を備えた選択透過膜型反応器であって、
    前記選択透過膜が、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と水(HO)との前記一酸化炭素(CO)を低減する前の体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御するとともに、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と一酸化炭素(CO)との体積比率(H体積/CO体積)を90以上に制御する選択性を有する選択透過膜型反応器。
  2. 前記CO除去手段が、メタネーション反応によって前記高濃度水素含有ガスから一酸化炭素(CO)を低減することが可能なものである請求項1に記載の選択透過膜型反応器。
  3. 前記CO除去手段が、前記メタネーション反応のための触媒を備え、前記メタネーション反応を100〜600℃の運転温度で行うものである請求項1又は2に記載の選択透過膜型反応器。
  4. 前記一酸化炭素(CO)が除去された前記高濃度水素含有ガス中の水素(H)濃度が90%以上で、一酸化炭素(CO)濃度が10ppm以下で、A/B×100で算出される反応率が60%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の選択透過膜型反応器。
    但し、
    A:所定時間内に選択透過膜型反応器から排出されたCO量(mol/min)
    B:所定時間内に選択透過膜型反応器に供給された炭化水素、含酸素炭化水素、CO、及びCOの合計量(mol/min)
  5. 原料ガスを改質反応させて反応ガスを生成する生成工程と、
    前記反応ガスのうち水素を選択的に透過する選択透過膜によって、一酸化炭素(CO)を含む高濃度水素含有ガスを分離する分離工程と、
    前記高濃度水素含有ガス中に含有される前記一酸化炭素(CO)を低減させる除去工程と、を備え、
    前記分離工程に用いる前記選択透過膜が、10μm以下の膜厚を有し、水素透過係数として50ml/cm・min・atm1/2以上であり、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と水(HO)との前記一酸化炭素(CO)を低減する前の体積比率(H体積/HO体積)を10以上に制御するとともに、分離された前記高濃度水素含有ガス中における水素(H)と一酸化炭素(CO)との体積比率(H体積/CO体積)を90以上に制御する選択性を有するものである水素ガスの製造方法。
  6. メタネーション反応によって前記高濃度水素含有ガス中の前記一酸化炭素(CO)が低減される請求項5に記載の水素ガスの製造方法。
  7. 前記メタネーション反応を100〜600℃の運転温度で行う請求項5又は6に記載の水素ガスの製造方法。
  8. 前記一酸化炭素(CO)が除去された前記高濃度水素含有ガス中の水素(H)濃度が90%以上で、一酸化炭素(CO)濃度が10ppm以下で、A/B×100で算出される反応率が60%以上である請求項5〜7のいずれか一項に記載の水素ガスの製造方法。
    但し、
    A:所定時間内に選択透過膜型反応器から排出されたCO量(mol/min)
    B:所定時間内に選択透過膜型反応器に供給された炭化水素、含酸素炭化水素、CO、及びCOの合計量(mol/min)
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