JP2002068707A - 水素含有ガス中の一酸化炭素の除去方法 - Google Patents
水素含有ガス中の一酸化炭素の除去方法Info
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Abstract
ン反応の選択率の高い、水素含有ガス中の一酸化炭素の
除去方法を提供する。 【解決手段】 ルテニウム化合物(a)とアルカリ金属
化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物(b)を耐火
性無機酸化物担体に担持した触媒を使用し、一酸化炭素
をメタネーションする水素含有ガス中の一酸化炭素の除
去方法である。
Description
一酸化炭素の除去方法に関する。その水素含有ガスは燃
料電池用の水素含有ガスとして有用である。
ギーロスが少なく、設置場所の選択、増設、操作性等の
点でも有利であるなど種々の利点を有することから、近
年特に注目を集めている。燃料電池には、燃料や電解質
の種類あるいは作動温度等によって種々のタイプのもの
が知られているが、中でも水素を還元剤(活物質)と
し、酸素(空気等)を酸化剤とする、いわゆる水素−酸
素燃料電池(低温作動型の燃料電池)の開発が最も進ん
でおり、今後ますます普及が見込まれている。
の種類や電極等の種類によって種々のタイプのものがあ
り、その代表的なものとして、例えば、リン酸型燃料電
池、KOH型燃料電池、固体高分子型燃料電池などがあ
る。このような燃料電池、特に固体高分子型燃料電池等
の低温作動型燃料電池の場合には、電極に白金(白金触
媒)が使用されている。ところが、電極に用いている白
金は一酸化炭素(以下、COともいう。)によって被毒
されやすいので、燃料中にCOがあるレベル以上含まれ
ていると発電性能が低下したり、濃度によっては全く発
電ができなくなってしまうという重大な問題点がある。
このCO被毒による触媒の活性劣化は、特に低温ほど著
しいので、この問題は、低温作動型の燃料電池の場合に
特に深刻となる。
いる燃料電池の燃料としては純粋な水素が好ましいが、
実用的な点からは安価で貯蔵性等に優れたあるいは既に
公共的な供給システムが完備されている各種の燃料〔例
えば、メタンもしくは天然ガス(LNG)、プロパン、
ブタン等の石油ガス(LPG)、ナフサ、ガソリン、灯
油、軽油等の各種の炭化水素系燃料あるいはメタノール
等のアルコール系燃料、あるいは都市ガス、その他の水
素製造用燃料〕の水蒸気改質等によって得られる水素含
有ガスを用いることが一般的になっており、このような
改質設備を組み込んだ燃料電池発電システムの普及が進
められている。しかしながら、こうした改質ガス中に
は、一般に、水素の他にかなりの濃度のCOが含まれて
いるので、このCOを白金系電極触媒に無害なものに転
化し、燃料中のCO濃度を減少させる技術の開発が強く
望まれている。例えば、固体高分子型燃料電池ではCO
濃度を、通常100容量ppm以下、好ましくは50容
量ppm以下、更に好ましくは10容量ppm以下とい
う低濃度にまで低減することが望ましいとされている。
(改質ガス中の水素含有ガス)中のCOの濃度を低減さ
せる手段の一つとして、下記の式(1)で表されるシフ
ト反応(水性ガスシフト反応)を利用する技術が提案さ
れている。
学平衡上の制約からCO濃度の低減には限界があり、一
般に、CO濃度を1%以下にするのは困難である。そこ
で、CO濃度をより低濃度まで低減する手段として、改
質ガス中に酸素又は酸素含有ガス(空気等)を導入し、
COをCO2 に変換する方法が提案されている。しかし
ながら、この場合改質ガス中には水素が多量存在してい
るため、COを酸化しようとすると水素も酸化されてし
まい、CO濃度が十分に低減できないことがある。
ン(以下、メタン化ともいう。)することによりメタン
に変換する方法も見直されている。例えば、特開平3−
93602号公報、特開平11−86892号公報に
は、Ru/γ−アルミナ触媒と、COを含有する水素ガ
スを接触させる方法が開示されている。しかし、水素ガ
スに二酸化炭素が含まれている場合、副反応である二酸
化炭素のメタン化反応も起こり、それだけ水素が消費さ
れ望ましくない。したがって、主反応であるCOのメタ
ン化反応の選択率の高い触媒の開発が望まれている。
らなされたもので、主反応である一酸化炭素のメタネー
ション反応の選択率の高い、水素含有ガス中の一酸化炭
素の除去方法を提供することを目的とするものである。
結果、ルテニウム化合物(a)とアルカリ金属化合物及
び/又はアルカリ土類金属化合物(b)を耐火性無機酸
化物担体に担持した触媒を使用することにより、上記本
発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を
完成させるに到った。
る。 1.ルテニウム化合物(a)とアルカリ金属化合物及び
/又はアルカリ土類金属化合物(b)を耐火性無機酸化
物担体に担持した触媒を使用し、一酸化炭素をメタネー
ションすることを特徴とする水素含有ガス中の一酸化炭
素の除去方法。 2.耐火性無機酸化物担体がアルミナ、チタニア、シリ
カ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種である前
記1記載の水素含有ガス中の一酸化炭素の除去方法。 3.耐火性無機酸化物担体がチタニア−アルミナである
前記1又は2に記載の水素含有ガス中の一酸化炭素の除
去方法。 4.アルカリ金属がカリウム、セシウム、ルビジウム、
ナトリウム及びリチウムから選ばれる少なくとも一種で
ある前記1〜3のいずれかに記載の水素含有ガス中の一
酸化炭素の除去方法。 5.アルカリ土類金属がバリウム、カルシウム、マグネ
シウム及びストロンチウムから選ばれる少なくとも一種
である前記1〜4のいずれかに記載の水素含有ガス中の
一酸化炭素の除去方法。 6.水素含有ガスが燃料電池用水素含有ガスである前記
1〜5のいずれかに記載の水素含有ガス中の一酸化炭素
の除去方法。
明する。先ず、本発明に使用する触媒の製造方法につい
て説明する。本発明に使用する触媒は、ルテニウム化合
物(a)とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類
金属化合物(b)を耐火性無機酸化物担体に担持した触
媒である。
ては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア等或い
はこれらの二種以上を含むものからなる多孔質担体を挙
げることができる。中でも、アルミナ、チタニア、チタ
ニア−アルミナが好ましい。
ニウム原子を含んでいればよい。通常用いられるものと
しては、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、アル
ミニウムアルコキサイド、擬ベーマイトアルミナ、α−
アルミナ、γ−アルミナなどが挙げられる。擬ベーマイ
トアルミナ、α−アルミナ、γ−アルミナなどは硝酸ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムアルコ
キサイド等から作ることができる。
原子を含むものであればよいが、通常はチタニウムアル
コキサイド、四塩化チタン、アモルファスチタニア粉
末、アナターゼ型チタニア粉末、ルチル型チタニア粉末
などが挙げられる。アモルファスチタニア粉末、アナタ
ーゼ型チタニア粉末、ルチル型チタニア粉末などはチタ
ニウムアルコキサイド、四塩化チタンなどから作ること
ができる。
を含むものであればよいが、四塩化珪素、珪酸ナトリウ
ム、珪酸エチル、シリカゲル、シリカゾルなどが利用で
きる。シリカゲルは四塩化珪素、珪酸ナトリウム、珪酸
エチル、シリカゾルなどから作ることができる。
コニウム原子を含むものであればよいが、水酸化ジルコ
ニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニ
ウム、硝酸ジルコニウム、四塩化ジルコニウムおよびジ
ルコニア粉末などが利用できる。ジルコニア粉末は水酸
化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸
ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、四塩化ジルコニウム
から作ることができる。上記耐火性無機酸化物担体は、
上記の原料から公知の方法で製造することができる。
は、この両者からなる担体ができればどのような方法で
もよいが、例えばチタニアとアルミナを混合する方法、
アルミナ成形体(アルミナ粒子、粉末を含む)にチタニ
アを付着させる方法が好適に用いられる。チタニアとア
ルミナを混合する方法としては、チタニア粉末とアルミ
ナ粉末または擬ベーマイトアルミナとを水とともに混合
し、その後成形、乾燥、焼成する方法がある。成形には
通常押出成形を用いればよく、その際有機物のバインダ
ーを添加して成形性を向上させることができる。チタニ
アをアルミナバインダーと混合することによっても好適
な担体が得られる。この場合、得られたチタニア/アル
ミナの質量比は10/90〜90/10であることが好
ましい。
せる方法としては下記のようにすればよい。有機溶媒中
にチタニア粉末、および必要に応じ有機バインダー、擬
ベーマイトアルミナ粉末を加えよく分散させる。この混
合液(通常スラリー状である)にアルミナ成形体を浸し
て混合液が十分浸漬しアルミナ成形体上にチタニア粉末
を付着させた後アルミナ成形体を取り出す。このアルミ
ナ成形体を乾燥、焼成すればよい。または、チタニウム
アルコキサイドまたは四塩化チタンとアルミナ成形体を
アルコール中に加え、この溶液に水を加えてチタニウム
アルコキサイドまたは四塩化チタンを加水分解して、ア
ルミナ成形体上に水酸化チタンを沈殿させたものを乾
燥、焼成してもよい。これらの付着方法からもわかるよ
うにアルミナ成形体にチタニアを担持させる要領でチタ
ニアを付着させてもよい。アルミナ成形体にチタニアを
付着させる方法の場合は、得られたチタニア/アルミナ
の質量比は0.1/99.9〜50/50、好ましくは
0.5/99.5〜50/50、さらに好ましくは1/
99〜50/50である。
の質量比は0.1/99.9〜90/10、好ましくは
0.5/99.5〜90/10、さらに好ましくは1/
99〜90/10である。
物担体に、ルテニウム化合物(a)と、アルカリ金属化
合物及び/又はアルカリ土類金属化合物(b)を担持処
理する。上記の担体に(a)成分と(b)成分を担持す
る場合、担持する順序は特に限定されないが、同時に担
持する方が触媒の活性、経済性の点で好ましいので、同
時に担持する方法について説明する。
えば、RuCl3 ・nH2 O、Ru(NO3 )3 、Ru
2 (OH)2 Cl4 ・7NH3 ・3H2 O、K2 (Ru
Cl 5 (H2 O))、(NH4 )2 (RuCl5 (H2
O))、K2 (RuCl5 (NO))、RuBr3 ・n
H2 O、Na2 RuO4 、Ru(NO)(NO3 )3、
(Ru3 O(OAc)6 (H2 O)3 )OAc・nH2
O、K4 (Ru(CN)6 )・nH2 O、K2 (Ru
(NO2 )4 (OH)(NO))、(Ru(N
H 3 )6 )Cl3 、(Ru(NH3 )6 )Br3 、(R
u(NH3 )6 )Cl2 、(Ru(NH3 )6 )B
r2 、(Ru3 O2 (NH3 )14)Cl6 ・H2 O、
(Ru(NO)(NH3 )5 )Cl3 、(Ru(OH)
(NO)(NH3 )4 )(NO3 )2 、RuCl2 (P
Ph3 )3 、RuCl2 (PPh3 )4 、(RuClH
(PPh3 )3 )・C7 H8 、RuH2 (PP
h3 )4 、RuClH(CO)(PPh3 )3 、RuH
2 (CO)(PPh3 )3 、(RuCl2 (cod))
n 、Ru(CO)12、Ru(acac)3 、(Ru(H
COO)(CO)2 ) n 、Ru2 I4 (p−cymen
e)2 などのルテニウム塩を挙げることができる。好ま
しくは、取扱い上の点でRuCl3 ・nH2 O、Ru2
(OH)2 Cl 4 ・7NH3 ・3H2 Oが用いられる。
して、例えば、K2 B10O16、KBr、KBrO3 、K
CN、K2 CO3 、KCl、KClO3 、KClO4 、
KF、KHCO3 、KHF2 、KH2 PO4 、KH
5 (PO4 )2 、KHSO4 、KI、KIO3 、KIO
4 、K4 I2 O9 、KN3 、KNO2 、KNO3 、KO
H、KPF6 、K3 PO4 、KSCN、K2 SO3 、K
2 SO4 、K2 S2 O3 、K2 S2 O5 、K2 S
2 O6 、K2 S2 O8 、K(CH3 COO)等のK塩;
CsCl、CsClO3 、CsClO4 、CsHC
O3 、CsI、CsNO3 、Cs2 SO4 、Cs(CH
3 COO)、Cs2 CO3 、CsF等のCs塩;Rb2
B10O16、RbBr、RbBrO3 、RbCl、RbC
lO3 、PbClO4 、RbI、RbNO3 、Rb2 S
O4 、Rb(CH3 COO)2 、Rb2 CO3 等のRb
塩;Na2 B4 O7 、NaB10O16、NaBr、NaB
rO3 、NaCN、Na2 CO3 、NaCl、NaCl
O、NaClO3 、NaClO4 、NaF、NaHCO
3 、NaHPO3 、Na2 HPO3 、Na2 HPO4 、
NaH2 PO4 、Na3 HP2 06 、Na2 H2 P2 O
7 、NaI、NaIO3 、NaIO 4 、NaN3 、Na
NO2 、NaNO3 、NaOH、Na2 PO3 、Na3
PO 4 、Na4 P2 O7 、Na2 S、NaSCN、Na
2 SO3 、Na2 SO4 、Na2 S2 O5 、Na2 S2
O6 、Na(CH3 COO)等のNa塩;LiBO2、
Li2 B4 O7 、LiBr、LiBrO3 、Li2 CO
3 、LiCl、LiClO3 、LiClO4 、LiHC
O3 、Li2 HPO3 、LiI、LiN3 、LiNH4
SO4 、LiNO2 、LiNO3 、LiOH、LiSC
N、Li2 SO 4 、Li3 VO4 等のLi塩を挙げるこ
とができる。
として、BaBr2 、Ba(BrO 3 )2 、BaC
l2 、Ba(ClO2 )2 、Ba(ClO3 )2 、Ba
(ClO 4 )2 、BaI2 、Ba(N3 )2 、Ba(N
O2 )2 、Ba(NO3 )2 、Ba(OH)2 、Ba
S、BaS2 O6 、BaS4 O6 、Ba(SO3 N
H2 )2等のBa塩;CaBr2 、CaI2 、CaCl
2 、Ca(ClO3 )2 、Ca(IO3 )2 、Ca(N
O2 )2 、Ca(NO3 )2 、CaSO4 、CaS2 O
3、CaS2 O6 、Ca(SO3 NH2 )2 、Ca(C
H3 COO)2 、Ca(H 2 PO4 )2 等のCa塩;M
gBr2 、MgCO3 、MgCl2 、Mg(ClO 3 )
2 、MgI2 、Mg(IO3 )2 、Mg(NO2 )2 、
Mg(NO3 )2 、MgSO3 、MgSO4 、MgS2
O6 、Mg(CH3 COO)2 、Mg(OH)2 、Mg
(ClO4 )2 等のMg塩;SrBr2 、SrCl2 、
SrI2 、Sr(NO3 )2 、SrO、SrS2 O3 、
SrS2 O6 、SrS4 O6 、Sr(CH3 CO
O)2 、Sr(OH)2 等のSr塩を挙げることができ
る。
ノールに溶解させ混合溶液を調製する。その濃度は、通
常、(a)成分については、0.05〜5.0モル/リ
ットル、(b)成分については、、0.01〜5.0モ
ル/リットルとする。前記担体への同時担持は、(a)
成分と(b)成分を含む混合溶液を用いて、通常の含浸
法、共沈法、競争吸着法により行えばよい。処理条件
は、各種方法に応じて適宜選定すればよいが、通常、常
圧又は減圧下、室温〜90℃で1分〜10時間、担体を
混合溶液と接触させればよい。その場合、混合溶液と担
体の割合は、(a)成分については、通常、担体に対し
てルテニウム金属として0.05〜10質量%が好まし
く、特に0.3〜3質量%の範囲になるように決定すれ
ばよい。このルテニウムの含有量が下限値より少ない
と、COのメタン化活性が不十分となり、一方、あまり
高担持量にするとルテニウムの使用量が必要以上に過剰
になり触媒コストが高くなる。(b)成分については、
通常、担体に対して金属として0.01〜10質量%が
好ましく、特に0.03〜3質量%の範囲になるように
決定すればよい。これらの金属の含有量が下限値より少
ないと、COのメタン化活性が不十分となり、一方、あ
まり高担持量にすると金属の使用量が必要以上に過剰に
なり触媒コストが大きくなる。
後、乾燥させる。乾燥方法としては、例えば自然乾燥、
ロータリーエバポレーターもしくは送風乾燥機による乾
燥が行われる。乾燥後、必要により、350〜550
℃、好ましくは380〜500℃で、2〜6時間、好ま
しくは2〜4時間焼成する。
サイズとしては、特に制限はなく、例えば、粉末状、球
状、粒状、ハニカム状、発泡体状、繊維状、布状、板
状、リング状など、一般に使用されている各種の形状及
び構造のものが利用可能である。
後、反応前に水素還元を行う。水素還元は、通常、水素
気流下、450〜550℃、好ましくは480〜530
℃の温度で、1〜5時間、好ましくは1〜2時間行う。
主成分とし、かつ少なくともCOを含有する水素含有ガ
スを接触させて、COのメタン化反応を行う。本発明の
COのメタン化除去方法は、改質反応及び部分酸化反応
によって水素を含有するガスにできる水素製造用原料を
改質又は部分酸化することによって得られる水素を主成
分とするガス(以下、改質ガス等ともいう。)中のCO
を選択的に除去するのに好適に利用され、燃料電池用水
素含有ガスの製造に利用されるが、これに限定されるも
のではない。
メタン化除去して燃料電池用等の水素含有ガスにする方
法について説明する。 1.水素製造用原料の改質又は部分酸化工程 本発明においては、各種の水素製造用原料の改質等によ
って得られる改質ガス等に含まれるCOを触媒を用いて
選択的に酸化除去し、CO濃度が十分に低減された所望
の水素含有ガスを製造する。該改質ガス等を得るための
工程は、以下に示すように、従来の水素製造工程、特に
燃料電池システムにおける水素製造工程において実施あ
るいは提案されている方法など任意の方法によって行う
ことができる。したがって、予め改質装置等を備えた燃
料電池システムにおいては、それをそのまま利用して改
質ガスを調製してもよい。
について説明する。水素製造用原料として、水蒸気改質
や部分酸化により水素に富んだガスを製造できる炭化水
素類、具体的には例えば、メタン,エタン,プロパン,
ブタン等の炭化水素、あるいは天然ガス(LNG),ナ
フサ,ガソリン,灯油,軽油,重油,アスファルト等の
炭化水素系原料、メタノール,エタノール,プロパノー
ル,ブタノール等のアルコール類、蟻酸メチル,メチル
ターシャリーブチルエーテル(MTBE),ジメチルエ
ーテル等の含酸素化合物、更には、各種の都市ガス、L
PG、合成ガス、石炭などを適宜使用することができ
る。これらのうち、どのような水素製造用原料を用いる
かは、燃料電池システムの規模や原料の供給事情などの
諸条件を考慮して定めればよいが、通常は、メタノー
ル、メタンもしくはLNG、プロパンもしくはLPG、
ナフサもしくは低級飽和炭化水素、都市ガス、灯油など
が好適に使用される。
質反応等ともいう。)としては、水蒸気改質をはじめ部
分酸化、水蒸気改質と部分酸化の複合化したもの、オー
トサーマル改質、その他の改質反応などを挙げることが
できる。通常、改質反応等としては、水蒸気改質(スチ
ームリホーミング)が最も一般的であるが、原料によっ
ては、部分酸化やその他の改質反応(例えば、熱分解等
の熱改質反応、接触分解やシフト反応等の各種接触改質
反応など)も適宜適用することができる。
合わせて利用してもよい。例えば、水蒸気改質反応は一
般に吸熱反応であるので、この吸熱分を補うべく水蒸気
改質反応と部分酸化を組み合わせ(オートサーマル改
質)てもよいし、水蒸気改質反応等によって副生するC
Oをシフト反応を利用してH2 Oと反応させその一部を
予めCO2 とH2 に転化して減少させておくなど各種の
組み合わせが可能である。無触媒、または接触的に部分
酸化を行った後、その後段で水蒸気改質を行うこともで
きる。この場合、部分酸化で発生した熱をそのまま吸熱
反応である水蒸気改質に利用することもできる。
反応を中心に説明する。このような改質反応は、一般
に、水素の収率ができるだけ大きくなるように、触媒や
反応条件等を選定するが、COの副生を完全に抑制する
ことは困難であり、たとえシフト反応を利用しても改質
ガス中のCO濃度の低減には限界がある。実際、メタン
等の炭化水素の水蒸気改質反応については、水素の得率
及びCOの副生の抑制のために、次の式(2)あるいは
式(3): CH4 + 2H2 O → 4H2 + CO2 (2) Cn Hm + 2nH2 O →(2n+m/2)H2 +nCO2 (3) で表される反応ができるだけ選択性よく起こるように諸
条件を選定するのが好ましい。
応については、次の式(4): CH3 OH + H2 O → 3H2 + CO2 (4) で表される反応ができるだけ選択性よく起こるように諸
条件を選定するのが好ましい。
ト反応を利用して変成改質しても、このシフト反応は平
衡反応であるのでかなりの濃度のCOが残存する。した
がって、こうした反応による改質ガス等(本発明の原料
である水素含有ガス、以下同じ)中には、多量の水素の
他にCO2 や未反応の水蒸気等と若干のCOが含まれる
ことになる。
(燃料)の種類や反応の種類あるいは反応条件等に応じ
て多種多様なものが知られている。その中のいくつかを
具体的に例示すると、炭化水素やメタノール等の水蒸気
改質に有効な触媒としては、例えば、Cu−ZnO系触
媒、Cu−Cr2 O3 系触媒、担持Ni系触媒、Cu−
Ni−ZnO系触媒、Cu−Ni−MgO系触媒、Pd
−ZnO系触媒などを挙げることができ、また、炭化水
素類の接触改質反応や部分酸化に有効な触媒としては、
例えば、担持Pt系触媒、担持Ni系触媒、担持Ru系
触媒などを挙げることができる。改質装置としても特に
制限はなく、従来の燃料電池システム等に常用されるも
のなど任意の形式のものが適用可能であるが、水蒸気改
質反応や分解反応等の多くの改質反応は吸熱反応である
ので、一般に、熱供給性のよい反応装置もしくは反応器
(熱交換器型の反応装置など)が好適に使用される。そ
のような反応装置としては、例えば、多管型反応器、プ
レートフィン型反応器などがあり、熱供給の方式として
は、例えば、バーナー等による加熱、熱媒による方法、
部分酸化を利用する触媒燃焼による加熱などがあるが、
これらに限定されるものではない。改質反応の反応条件
は、用いる原料、改質反応、触媒、反応装置の種類ある
いは反応方式等の他の条件によって異なるので適宜定め
ればよい。いずれにしても、原料(燃料)の転化率を十
分に(好ましくは100%あるいは100%近くまで)
大きくし、かつ、水素の得率ができるだけ大きくなるよ
うに諸条件を選定するのが望ましい。また、必要に応じ
て、未反応の炭化水素やアルコール等を分離しリサイク
ルする方式を採用してもよい。また、必要に応じて、生
成したあるいは未反応のCO2 や水分等を適宜除去して
もよい。
やアルコール等の水素以外の原料成分が十分に低減され
た所望の改質ガスを得る。本発明においては、副反応の
CO2 のメタン化反応が抑えられるので、原料ガス中に
残ったCO2 のCOへの転化反応(原料ガス中には水素
が存在するので、逆シフト反応が起こる可能性があ
る。)を抑えることも必要である。本発明の触媒は、通
常、還元状態で使用されるので、還元状態に成っていな
い場合は水素等による還元操作を行っておくことが好ま
しい。本発明の触媒を使用すると、CO 2 含有量の低い
原料ガスに対してCOのメタン化反応による除去に良好
な成績を示すことは勿論、CO2 含有量が多い条件でも
良好な成績が得られる。通常、燃料電池システムにおい
ては一般的なCO2 の濃度の改質ガス等、すなわち、C
O 2 を5〜33容量%、好ましくは10〜25容量%含
有するガスが用いられる。
ス中には、通常、スチームが存在するが、原料ガス中の
スチーム濃度は低い方がよい。通常は、5〜30容量%
程度含まれておりこの程度であれば問題はない。また、
本発明の方法を使用すると、CO濃度が低い(0.6容
量%以下)原料ガス中のCOも有効に低減でき、CO濃
度が比較的高い(0.6〜2.0容量%)原料ガス中の
COも好適に低減することができる。
の場合は通常、常圧〜1MPa(Gauge)、好まし
くは常圧〜0.5MPa(Gauge)の圧力範囲で行
う。反応圧力をあまり高く設定すると、昇圧のための動
力をその分大きくする必要があるので経済的に不利にな
るし、特に、1MPa(Gauge)を超えると高圧ガ
ス取締法の規制を受ける。
ましくは150〜300℃という非常に広い温度範囲
で、COのメタン化反応に対する選択性を安定的に維持
しつつ、好適に行うことができる。この反応温度が10
0℃未満では反応速度が遅くなるので実用的なGHSV
(ガス体積空間速度)の範囲ではCOの除去率(転化
率)が不十分となりやすい。また、350℃を超える
と、選択性が低下し、すなわちCO2 のメタン化が起き
やすくなり好ましくない。
000〜100,000hr-1の範囲に選定して行うの
が好適である。ここで、GHSVを小さくすると多量の
触媒が必要となり、一方、GHSVをあまり大きくする
とCOの除去率が低下する。好ましくは、6,000〜
60,000hr-1の範囲に選定する。このCOのメタ
ン化除去の工程におけるCOのメタン化反応は発熱反応
であるため、反応により触媒層の温度は上昇する。触媒
層の温度が高くなりすぎると、通常、触媒のCOメタン
化除去の選択性が悪化する。このため、少量の触媒上で
あまり多くのCOを短時間で反応させることは好ましく
ない。その意味からもGHSVは大きすぎない方がよい
場合もある。
としては、特に制限はなく、上記の反応条件を満たせる
ものであれば各種の形式のものが適用可能であるが、こ
の転化反応は発熱反応であるので、温度制御を容易にす
るために反応熱の除去性のよい反応装置もしくは反応器
を用いることが望ましい。具体的には、例えば、多管
型、あるいは、プレートフィン型等の熱交換型の反応器
が好適に使用される。場合によっては、冷却媒体を触媒
層内に循環したり、触媒層の外側に冷却媒体を流通させ
たりする方法を採用することができる。
工程の前又は後に、COの選択的酸化除去工程を設ける
こともできる。このCOの選択的酸化除去工程とは、改
質ガス中に酸素又は酸素含有ガスを導入してCOを選択
的にCO2 に酸化する工程である。
SnO2 、Pt/C、Co/TiO 2 、Pd/アルミ
ナ、Ru/アルミナ、Ru−K/アルミナ等が使用され
る。また、反応条件としては、通常、反応温度は60〜
300℃、反応圧力は常圧〜1MPa(Gauge)、
O2 /CO(モル比)は0.5〜5、GHSVは5,0
00〜100,000hr-1の範囲が採用される。
水素含有ガスは、上記のようにCO濃度が十分に低減さ
れているので燃料電池の白金電極触媒の被毒及び劣化を
十分に低減することができ、その寿命及び発電効率・発
電性能を大幅に向上することができる。また、このCO
のメタン化反応により発生した熱を回収することも可能
である。また、比較的高濃度のCOを含む水素含有ガス
中のCO濃度を十分に低下することができる。
種の水素−酸素燃料電池の燃料として好適に使用するこ
とができ、特に、少なくとも燃料極(負極)の電極に白
金(白金触媒)を用いるタイプの各種の水素−酸素燃料
電池(リン酸型燃料電池、KOH型燃料電池、固体高分
子型燃料電池をはじめとする低温作動型燃料電池など)
への供給燃料として有利に利用することができる。
るが、これらの実施例になんら制限されるものではな
い。 〔実施例1〕三塩化ルテニウム(水和物)(Ruの含有
量38.03重量%)0.263g及び硝酸カリウム
0.026gを3.0ccの水に溶解させ混合溶液を含
浸液とした。次いで、ルチル型チタニア粉末(石原産業
社製、CR−EL)10gに上記含浸液を含浸し60℃
で乾燥した後500℃で4時間焼成を行いRu−K/T
iO2 (触媒1)を得た。〔比較例1〕実施例1におい
て、硝酸カリウムを使用しなかったこと以外は同様にし
てRu/TiO2 (触媒2)を得た。
38.03重量%)0.263g及び硝酸カリウム0.
026gを水5.5ccに溶解させ混合溶液を含浸液と
した。16〜32メッシュに成形したアルミナ(住友化
学工業社製、KHD−24)10gを減圧下で攪拌しな
がら上記含浸液を噴霧し、120℃で乾燥させた後4時
間焼成してRu−K/AI2 O3 (触媒3)を得た。
〔比較例2〕実施例2において、硝酸カリウムを使用し
なかったこと以外は同様にしてRu/Al2 O3 (触媒
4)を得た。
産業社製、CR−EL)160gと擬ベーマイトアルミ
ナ粉末(触媒化成工業社製、Cataloid−AP)
59.7gをビーカー中でよく混合した後、混練機に入
れた。そこにイオン交換水を加え、充分混練し、かつ温
度をかけて、押出成形に適当な固さに水分を調整した。
これを押出成形機を用いて直径2mm、円柱状に成形
し、120℃、24時間乾燥させ、続いて、500℃、
24時間焼成した。この成形体のチタニア/アルミナの
質量比は80/20であった。上記成形体(担体)を
0.5〜1cmの長さに揃えたものに以下の方法でルテ
ニウムとカリウムを担持した。塩化ルテニウム(Ru含
有量38.03質量%)0.263g及び硝酸カリウム
0.026gを2.0ccの水に溶解させ混合溶液を含
浸液とした。この含浸液を上記成形体10gに含浸し、
60℃で乾燥させた。これを500℃で4時間焼成しR
u−K/TiO2 −Al2 O3 (触媒5)を得た。 〔比較例3〕実施例3において、硝酸カリウムを使用し
なかったこと以外は同様にしてRu/TiO2 −Al2
O3 (触媒6)を得た。
ーに触媒を1cc充填し、下記の条件で反応を行った。
リアクター出口のCOの濃度(容量ppm)、出口のメ
タン濃度(容量ppm)及びCOメタン化反応選択率
(%)を第1表に示す。
式で算出した。
水素還元 ガス組成:CO(0.6容量%)、CO2 (15容量
%) H2 O(20容量%)、H2 (64.4容量%) GHSV:10,000hr-1 反応温度:250℃
素のメタネーション反応の選択率の高い、水素含有ガス
中の一酸化炭素の除去方法を提供することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ルテニウム化合物(a)とアルカリ金属
化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物(b)を耐火
性無機酸化物担体に担持した触媒を使用し、一酸化炭素
をメタネーションすることを特徴とする水素含有ガス中
の一酸化炭素の除去方法。 - 【請求項2】 耐火性無機酸化物担体がアルミナ、チタ
ニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一
種である請求項1記載の水素含有ガス中の一酸化炭素の
除去方法。 - 【請求項3】 耐火性無機酸化物担体がチタニア−アル
ミナである請求項1又は2に記載の水素含有ガス中の一
酸化炭素の除去方法。 - 【請求項4】 アルカリ金属がカリウム、セシウム、ル
ビジウム、ナトリウム及びリチウムから選ばれる少なく
とも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の水素含
有ガス中の一酸化炭素の除去方法。 - 【請求項5】 アルカリ土類金属がバリウム、カルシウ
ム、マグネシウム及びストロンチウムから選ばれる少な
くとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の水素
含有ガス中の一酸化炭素の除去方法。 - 【請求項6】 水素含有ガスが燃料電池用水素含有ガス
である請求項1〜5のいずれかに記載の水素含有ガス中
の一酸化炭素の除去方法。
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