JP5484962B2 - 燃料電池の排気処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池の発電部から排出される排気を処理する装置に関するものである。
酸化触媒の存在下で、燃料を酸化剤によって酸化させて発電をおこなう燃料電池が知られている。この種の燃料電池は、発電部における燃料の酸化反応効率が100%ではないから、一定の出力を維持するために連続的に発電部に燃料を供給することになり、したがって発電部から不可避的に未反応の燃料が排出される。そのため、その未反応の燃料を処理することが従来検討されており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1には、メタノール水溶液を燃料として用いるダイレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFCと記す)であって、その発電部から排出される未反応のメタノールを酸化触媒を有する触媒燃焼室で酸化あるいは燃焼させて装置外部に排出するように構成された発明が記載されている。
特開2009−205875号公報
上述した特許文献1に記載された装置は、発電部から排出された未反応のメタノールを触媒の存在下で酸化あるいは燃焼させるから、DMFCから排出されるメタノールの濃度をある程度低下させることができる。しかしながら、発電部からある程度多量に未反応メタノールが排出されると、触媒燃焼室においても酸化されないメタノールが装置外部に排出されたり、また、触媒燃焼室における酸化反応が増大し、またこれにともなって反応熱が増大してその反応熱により装置全体がある程度過剰に加熱されたりする虞がある。また、その反応熱による装置の加熱を抑制するためには、触媒燃焼室や装置全体をある程度強く断熱する必要があり、したがって装置が大型化する虞がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、発電部からの排気に含まれる未反応燃料を一旦吸着し、その後ある程度少量ずつ酸化あるいは燃焼させて装置の外部に排出することことにより未反応燃料が装置外部に排出されることを防止もしくは抑制することのできる燃料電池の排気処理装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明は、燃料を酸化させて発電をおこなう発電部からの排気に不可避的に未反応の前記燃料が含まれる燃料電池の排気処理装置において、前記発電部から排出される前記排気に含まれる前記未反応の燃料を吸着もしくは混和させることにより蓄積もしくは捕捉する吸着媒質が充填された未反応燃料吸着部を備え、前記未反応燃料吸着部は、前記未反応燃料を吸着もしくは混和させる前記吸着媒質の少なくとも一部に接触しかつ液体に比較して気体の透過性が高い気液分離膜と、その気液分離膜における前記吸着媒質側とは反対側に前記未反応燃料を酸化させる酸化触媒を有する触媒層と、前記気液分離膜あるいは前記触媒層のいずれか一方の少なくとも一部を大気に接触させる排出孔とを備え、前記未反応燃料を吸着もしくは混和した前記吸着媒質から蒸気化しかつ前記気液分離膜を透過した気相の前記未反応燃料が、前記排気孔から流入する空気によって前記触媒層における前記酸化触媒の存在下で酸化させられて前記排出孔から排出されることを特徴とするものである。
本発明は、燃料を酸化させて発電をおこなう発電部からの排気に不可避的に未反応の前記燃料が含まれる燃料電池の排気処理装置において、前記発電部からの前記排気に含まれる前記未反応燃料を蓄積もしくは捕捉して、その蓄積もしくは捕捉した前記未反応燃料を前記発電部に比較して少量ずつ酸化させて外部に排出する未反応燃料酸化部を備え、前記未反応燃料酸化部は、前記未反応燃料を吸着もしくは混和させることにより捕捉する吸着媒質と、前記吸着媒質に少なくとも一部が接触し、液体に比較して気体の透過性が高い気液分離膜と、前記気液分離膜における前記吸着媒質とは反対側に設けられ、前記未反応燃料を蓄積もしくは捕捉した前記吸着媒質から蒸気化しかつ前記気液分離膜を透過した気相の前記未反応燃料を酸化させる酸化触媒を有する触媒層と、前記気液分離膜あるいは前記触媒層のいずれか一方の少なくとも一部を大気に接触させるとともに、前記触媒層に空気を供給しかつ前記触媒層で酸化させられた前記未反応燃料を大気中に排出する排出孔とを備えていることを特徴とするものである。
さらに本発明は、前記吸着媒質が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、活性炭、ポリアクリルアミド、多価アルコール類、水素吸蔵合金のいずれか一つを含むことを特徴とする燃料電池の排気処理装置である。
さらに本発明は、前記多価アルコール類が、炭素数が1ないし6の直鎖状炭化水素のジオール類、炭素数が1ないし6の直鎖状炭化水素のトリオール類のいずれか一つを含むことを特徴とする燃料電池の排気処理装置である。
本発明によれば、発電部からの排気に含まれる未反応燃料が、未反応燃料吸着部に充填された吸着媒質に吸着もしくは混和されて捕捉される。したがって、燃料電池の外部に未反応燃料が排出されることを防止もしくは抑制することができる。また、未反応燃料を吸着媒質に吸着もしくは混和させて蓄積もしくは捕捉するので、熱の発生を抑制することができる。そして、未反応燃料吸着部における熱の発生が抑制されるので、未反応燃料吸着部の断熱を不要もしくは簡素化することができる。また、排出孔は気液分離膜あるいは触媒層のいずれか一方の少なくとも一部が大気に接触するように設けられている。そして、この排出孔から酸化剤としての空気を未反応燃料吸着部に、具体的には触媒層に供給するとともに、発電部からの排気や触媒層において酸化させた未反応燃料を排出するようになっている。すなわち、未反応燃料吸着部に流入する空気流と排気流とが対向するように構成されており、そのため排出孔から流入する空気の量はある程度少なくなり、これによって触媒層における未反応燃料の酸化反応が減少させられる。言い換えれば、触媒層における未反応燃料の消費量が低減させられる。また、排気流と空気流とが対向していることにより、排気流に含まれる未反応燃料が装置外部に排出され難くなっている。その結果、未反応燃料吸着部において発電部から排気された未反応燃料を装置外部に排出させずに、かつ未反応燃料を発電部における燃料消費量に比較して、少量ずつ、あるいは徐々に酸化させることができる。したがって、燃料電池の外部に未反応燃料が排出されることを防止もしくは抑制することができる。そしてこれにより、酸化反応にともなって発生する反応熱によって燃料電池が加熱されることを防止もしくは抑制することができる。さらにまた、吸着媒質に吸着もしくは混和させて蓄積もしくは捕捉した未反応燃料を触媒層で徐々に酸化させて外部に排出するので、吸着媒質の交換を不要にすることができる。
本発明によれば、発電部からの排気に含まれる未反応燃料が未反応燃料酸化部において蓄積もしくは捕捉され、その蓄積もしくは捕捉された未反応燃料がある程度少量ずつ酸化させられて大気中に排出される。したがって、燃料電池の外部に未反応燃料が排出されることを防止もしくは抑制することができる。また、未反応燃料を少量ずつ酸化させるので、その酸化反応にともなって発生する反応熱によって燃料電池が加熱されることを防止もしくは抑制することができる。そして、未反応燃料酸化部における熱の発生が抑制もしくは低減されるので、未反応燃料酸化部の断熱を不要もしくは簡素化することができる。さらにまた、吸着媒質に吸着もしくは混和させて蓄積もしくは捕捉した未反応燃料を徐々に酸化させて外部に排出するので、吸着媒質の交換を不要にすることができる。また、排出孔は気液分離膜あるいは触媒層のいずれか一方の少なくとも一部が大気に接触するように設けられている。この排出孔は、触媒層に空気を流入させるとともに、発電部からの排気や触媒層で酸化させた未反応燃料を排出するようになっている。すなわち、触媒層に流入する空気流と排気流とが対向するように構成されており、そのため排出孔から流入する空気の量はある程度少なくなり、これによって触媒層における未反応燃料の酸化反応が減少させられる。言い換えれば、触媒層における未反応燃料の消費量が低減させられる。また、排気流と空気流とが対向していることにより、排気流に含まれる未反応燃料が装置外部に排出され難くなっている。その結果、未反応燃料吸着部において発電部から排気された未反応燃料を装置外部に排出させずに、かつ未反応燃料を発電部における燃料消費量に比較して、少量ずつ、あるいは徐々に酸化させることができる。したがって、燃料電池の外部に未反応燃料が排出されることを防止もしくは抑制することができる。そしてこれにより、酸化反応にともなって発生する反応熱によって燃料電池が加熱されることを防止もしくは抑制することができる。
さらに本発明によれば、上記発明による効果と同様の効果に加えて、吸着媒質に、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、活性炭、ポリアクリルアミド、多価アルコール類、水素吸蔵合金のいずれか一つが用いられる。したがって、吸着媒質に、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、活性炭、ポリアクリルアミド、多価アルコールのいずれかを用いた場合には、アルコール燃料を吸着もしくは混和させることができる。また、吸着媒質に水素吸蔵合金を用いた場合には、水素燃料を吸着させ、もしくは貯蔵することができる。
さらに本発明によれば、上記発明による効果と同様の効果に加えて、多価アルコール類は、炭素数が1ないし6の直鎖状炭化水素のグリコール類、炭素数が1ないし6の直鎖状炭化水素のトリオール類のいずれか一つを含むので、これらにアルコール燃料を混和させることができる。
この発明に係る燃料電池の排気処理装置を適用したDMFCの主要な構成を模式的に示す図である。 図1に示すメタノール浄化装置の断面図である。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。図1に、この発明に係る燃料電池の排気処理装置を適用したDMFCの主要な構成を模式的に示してある。DMFC1は、所定の濃度に調整されたメタノール水溶液を貯留する燃料タンク2を備え、この燃料タンク2は、発電部3の燃料流入孔4に供給管路5を介して連通されている。燃料タンク2には、例えば、0.1vol%から100vol%に調整されたメタノール水溶液が貯留されている。
発電部3は、実質的な燃料電池に相当する部分であり、従来一般的に知られている構成のものと同様のものである。なお、発電部3には、酸化剤としての空気を供給するファン6が設けられていてもよい。供給管路5の途中には、三方向バルブ7が設けられており、そのポート7aが燃料タンク2に接続され、ポート7bが発電部3側の供給管路5に接続されている。
供給管路5における三方向バルブ7よりも発電部3側に、燃料フィルタ部8が設けられている。燃料フィルタ部8は、発電部3に供給する燃料を例えば濾過することにより燃料に混入した微少な異物、もしくはDMFC1の各構成部材などから生じる微小な異物などを除去するものであり、したがって任意の形状のフィルタなどを使用することができる。
そして供給管路5における燃料フィルタ部8よりも発電部3側に、マイクロポンプ9が設けられている。このマイクロポンプ9は、従来一般的に使用されているものであってよく、要は、燃料タンク2に貯留された燃料(すなわち、メタノール水溶液)を発電部3に供給し、また、発電部3におけるメタノールの酸化反応にともなって生成した二酸化炭素などの反応生成物および反応残渣を発電部3から排出するためのものである。したがって、マイクロポンプ9の大きさあるいは送液性能は、例えば発電部3に燃料を送液するとともに発電部3から反応生成物および反応残渣を排出させることができる大きさあるいは送液性能であり、また、燃料電池の大きさや求める発電量に応じて設計される大きさあるいは送液性能のものを使用することができる。
供給管路5におけるマイクロポンプ9よりも発電部3側に、燃料緩衝装置10が設けられている。この燃料緩衝装置10は、発電部3に供給する燃料濃度を、すなわち図1に示す例においては、発電部3に供給するメタノール水溶液の濃度変化を最小化するとともに、マイクロポンプ9によって送液された燃料のいわゆる脈動を緩衝するためのものである。したがって、燃料緩衝装置10は、その内部に例えばいわゆる親水性の発泡体を備え、その発泡体の多孔構造によって、いわゆる脈動を緩衝するようになっている。また、燃料緩衝装置10の内部に所定量の燃料を貯留しており、この燃料緩衝装置10に燃料を供給する燃料供給源を切り換えることにより発電部3に供給する燃料濃度が所定の範囲に収まるようになっている。例えば、燃料緩衝装置10に貯留されるメタノール水溶液の濃度は、言い換えれば、発電部3に供給するメタノール水溶液の濃度は、0.1vol%から100vol%の範囲である。
発電部3の二酸化炭素排出孔11には、排出管路12の一方の端部が接続されており、その排出管路12に前述した発電部3からの反応生成物および反応残渣が排出されるようになっている。この排出管路12の途中には、気液分離装置13が設けられている。この気液分離装置13は、発電部3の二酸化炭素排出孔11から排出された反応生成物、すなわち二酸化炭素や一酸化炭素および反応残渣、すなわち未反応のメタノールを回収するとともに、その回収した反応生成物および反応残渣を気相成分と液相成分とに分離するように構成されている。すなわち、この気液分離装置13は、その内部に例えば液相の水が充填されて構成されており、その水に反応残渣すなわち未反応メタノールを含む排気を通すようになっている。したがって、この気液分離装置13は、その水に未反応メタノールなどを捕捉することにより、液相成分と二酸化炭素や一酸化炭素などの気相成分とに分離するようになっている。
排出管路12の他方の端部は、前述した三方向バルブ7のポート7cに接続されており、気液分離装置13において分離された液相成分が三方向バルブ7を介して供給管路5に供給されるようになっている。したがって、前述した気液分離装置13から三方向バルブ7および供給管路5を介して発電部3にメタノール水溶液を供給し、発電部3から排出管路12を介して気液分離装置13に反応生成物および反応残渣を回収する経路が、いわゆる循環回路になっている。
なお、気液分離装置13に回収された反応残渣は、すなわち未反応のメタノール水溶液は、前述したように循環回路を流動して発電部3に再び供給されるようになっている。
そして前述したように、発電部3に供給する燃料濃度が所定の濃度範囲に収まるように燃料緩衝装置10に対する燃料供給源を、すなわち三方向バルブ7のポート7a,7bを選択的に切り換えるバルブ制御装置14が設けられている。このバルブ制御装置14は、例えばDMFC1の発電量あるいは電流値をモニターするように構成されており、その発電量あるいは電流値の増減に応じて三方向バルブ7のポート7a,7bを切り換えるようになっている。また、例えば燃料緩衝装置10に濃度センサを設けて、その濃度センサの出力信号をバルブ制御装置14に入力し、その入力された濃度センサの出力信号に応じて三方向バルブ7のポート7a,7bを切り換えるように構成してもよい。さらにまた、所定の時間間隔に基づいて三方向バルブ7のポート7a,7bを切り替えるように構成してもよい。
さらにまた、前述した気液分離装置13において分離された二酸化炭素や一酸化炭素などの反応生成物および気液分離装置13の内部で蒸気化したメタノールなどの気相成分が管路15を介してメタノール浄化装置16に供給されるようになっている。すなわち、このメタノール浄化装置16には、発電部3からの排気に含まれる気相成分および気液分離装置13により一旦捕捉された後に、その内部で蒸気化したメタノールなどが供給されるようになっている。前述した発電部3からの排気に含まれる気相成分は、具体的には二酸化炭素および水蒸気ならびに気相のメタノール(すなわち、気液分離装置13に捕捉されなかったメタノール蒸気)などが含まれる。そして、メタノール浄化装置16は、その内部に供給されたメタノール蒸気をその内部に充填された吸着媒質に吸着もしくは混和させて蓄積あるいは捕捉し、その吸着媒質から蒸気化したメタノールを酸化触媒の存在下で徐々に酸化あるいは燃焼させて、DMFC1の外部に排出するようになっている。したがって、このメタノール浄化装置16が、この発明における未反応燃料吸着部あるいは未反応燃料酸化部に相当する。
図2に、図1に示すメタノール浄化装置の断面図を示してある。図2において、メタノール浄化装置16は、所定のケース17を備え、ケース17の内部にメタノールを吸着もしくは混和させて蓄積もしくは捕捉する吸着媒質18が充填されている。またケース17の内部に、前述した気液分離装置13に接続された管路15における一方の端部が挿入されており、その管路15から気液分離装置13において分離された気相成分が供給されて吸着媒質18に接触するようになっている。この吸着媒質18は、前述した気液分離装置13によって分離された気相成分に含まれる燃料を、すなわちここに示す例ではメタノールを吸着もしくは混和させて蓄積もしくは捕捉するものである。したがって、この吸着媒質18によってメタノールを吸着により蓄積もしくは捕捉する場合には、メタノールなどのいわゆる極性物質を吸着し、二酸化炭素などのいわゆる無極性物質を吸着し難い媒質として、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、活性炭、ポリアクリルアミドなどを使用することができる。また、吸着媒質18にメタノールを混和させて蓄積もしくは捕捉する場合には、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなどのジオール類(二価アルコール類、グリコール類、アルカンジオール類と呼ばれることがある。)を使用することができる。また、グリセリン(プロパントリオール)、ブタントリオール、ペンタントリール、ヘキサントリオールなどのトリオール類(三価アルコール類と呼ばれることがある。)を使用することができる。この他、トリエチレングリコールを使用することができる。特に、プロパンジオールは、DMFC1の動作温度範囲で液体であり、かつDMFC1の動作温度範囲における蒸気分圧がある程度低く、また沸点がある程度高いので、吸着媒質18にプロパンジオールを使用することが好ましい。
さらにまた、図1および図2には、この発明における未反応燃料吸着部あるいは未反応燃料酸化部をDMFC1に適用した例を示してあるが、この発明における未反応燃料吸着部あるいは未反応燃料酸化部を燃料として水素ガスを用いる水素燃料電池に適用する場合には、その吸着媒質18として、例えばTiFe合金、TiCr合金、LaNi合金、MgNi合金などのいわゆる水素吸蔵合金(水素貯蔵合金と呼ばれることがある)を使用することが好ましい。
前述したケース17の内部であって、吸着媒質18にその少なくとも一部が接触して気液分離膜19が設けられている。この気液分離膜19は、液体に比較して気体の透過性が高くなるように構成された部材であり、例えばナフィオン(商標登録)、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(以下、ePTFEと記す場合がある)、シリコン、ポリエチレンをはじめとした多孔質ポリオレフィンなどによって膜状、すなわちフィルム形状に形成されている。また、この気液分離膜19は、いわゆる疎水性を有していてもよく、その撥水作用によってメタノール浄化装置16の内部に導入された液相の水およびメタノールあるいはメタノール浄化装置16の内部で気体から液体に状態変化した水およびメタノールを弾くようになっている。要は、気液分離膜19は、液体よりも気体の透過性が高くなるように構成されている部材であればよい。
気液分離膜19における吸着媒質18側とは反対側であって、気液分離膜19とケース17の内周面との間に、酸化触媒を有する触媒層20が設けられている。この触媒層20は、吸着媒質18に導入された気相のメタノール、もしくはメタノール浄化装置16に導入された気相のメタノールが吸着媒質18に一旦蓄積された後にその吸着媒質18から蒸気化したメタノールであって、かつ気液分離膜19を透過したメタノールを酸化触媒の存在下で酸化剤によって酸化あるいは燃焼させるように構成されている。この触媒層20は、例えば、前述した気液分離膜19における吸着媒質18側とは反対側の面に、酸化触媒が被覆されて形成されていてもよい。また、この触媒層20は、カーボンクロスやカーボン繊維などに酸化触媒を被覆もしくは固定あるいは吸着させて形成してもよい。要は、触媒層20は、気液分離膜19を透過したメタノールを酸化触媒の存在下で酸化剤によって酸化もしくは燃焼するように構成されていればよい。その酸化触媒には、例えば、白金もしくは白金を主成分として構成された触媒もしくは白金とルテニウムとの等量混合物によって構成された触媒などを用いることができる。
また、図2に示す例においては、前述した吸着媒質18の少なくとも一部は、例えば前述した気液分離膜19やePTFE21を介して大気に直接もしくは間接的に接触あるいは開放されており、吸着媒質18に吸着され難い二酸化炭素を排出するようになっている。要は、吸着媒質18とDMFC1とを隔てるとともに、メタノール浄化装置16の内部に導入された二酸化炭素をDMFC1の外部に排出するように構成されていればよい。さらにまた、前述した気液分離膜19の少なくとも一部は、DMFC1の外部に、すなわち大気に直接もしくは間接的に接触するようになっている。すなわち、この気液分離膜19における大気に直接もしくは間接的に接触する部分がこの発明における排出孔に相当し、この排出孔22から前述した触媒層20に酸化剤としての空気、すなわち酸素を供給するようになっている。また、排出孔22から前述した触媒層20において酸化触媒の存在下でその酸素によって酸化もしくは燃焼させられたメタノールや二酸化炭素が排出されるようになっている。
したがって、図1および図2に示すように構成した燃料電池の排気処理装置においては、発電部3からの排気に含まれる未反応のメタノールは、先ず気液分離装置13によって捕捉される。そして、この気液分離装置13で捕捉されなかったメタノールおよび気液分離装置13の内部で蒸気化したメタノールがメタノール浄化装置16に供給される。このメタノール浄化装置16はその内部に吸着媒質18が充填されているから、メタノール浄化装置16に供給あるいは導入されたメタノールは、吸着媒質18に吸着もしくは混和されてメタノール浄化装置16の内部に蓄積もしくは捕捉される。また、メタノール浄化装置16の内部に導入された気相のメタノール、あるいは吸着媒質18に一旦蓄積もしくは捕捉された後にメタノール浄化装置16の内部で蒸気化したメタノールは、気液分離膜19を透過する。そしてその透過したメタノールは、触媒層20において排出孔22から流入した酸素によって酸化されて排出孔22からDMFC1の外部に排出される。この排出孔22では、触媒層20に流入する空気流と二酸化炭素を含む排気流とが対向するから、排出孔22から流入する空気(酸素)の量はある程度少なくなり、したがって触媒層20における酸化反応が減少もしくは低減させられる。またこれらの気流が対向していることにより、メタノールがDMFC1の外部に排出されることを防止もしくは抑制できる。
したがって、図1および図2に示す構成では、発電部3からの排気に含まれる未反応メタノールは、先ず気液分離装置13によって捕捉され、さらに気液分離装置13において分離された気相成分に含まれるメタノールがメタノール浄化装置16に供給もしくは導入されて酸化される。すなわち、図1および図2に示す構成では、発電部3から排出された未反応のメタノールはいわゆる二重に処理されてDMFC1の外部に排出される。その結果、DMFC1からメタノールが排出されることを防止もしくは抑制することができる。また、メタノール浄化装置16は、前述したように、その内部に充填された吸着媒質18によって蓄積もしくは捕捉したメタノールを、発電部3における燃料消費量に比較して少量ずつあるいは徐々に酸化させることができる。言い換えれば、未反応のメタノールを酸化あるいは燃焼させて排出させる場合における反応熱の発生を従来に比較して抑制もしくは低減させることができる。そしてこれにより、反応熱によってDMFC1が加熱されることを防止もしくは抑制することができる。そしてまた、メタノール浄化装置16の内部に吸着媒質18が設けられていることにより、DMFC1が故障した場合や低温時などのDMFC1の動作が不安定になる場合に、DMFC1の外部にメタノールが漏出することを防止もしくは抑制することができる。
したがって、この発明によれば、燃料電池の発電部からの排気をこの発明における未反応燃料吸着部あるいは未反応燃料酸化部によって蓄積もしくは捕捉し、また、その蓄積もしくは捕捉された未反応燃料を少量ずつ、徐々に酸化あるいは燃焼させるようになっている。したがって、これにより、燃料電池の外部に未反応燃料が排出されることを防止もしくは抑制することができる。また、その酸化反応にともなう反応熱によって燃料電池全体が加熱されることを防止もしくは抑制することができる。さらにまた、発電部から排気された未反応燃料を吸着媒質に一旦蓄積もしくは捕捉した後に徐々に酸化もしくは燃焼させるように構成されているので、その吸着媒質の交換を不要にすることができる。
1…DMFC、 2…燃料タンク、 3…発電部、 16…メタノール浄化装置、 18…吸着媒質、 19…気液分離膜、 20…触媒層、 22…排出孔。

Claims (4)

  1. 燃料を酸化させて発電をおこなう発電部からの排気に不可避的に未反応の前記燃料が含まれる燃料電池の排気処理装置において、
    前記発電部から排出される前記排気に含まれる前記未反応の燃料を吸着もしくは混和させることにより蓄積もしくは捕捉する吸着媒質が充填された未反応燃料吸着部を備え、
    前記未反応燃料吸着部は、前記未反応燃料を吸着もしくは混和させる前記吸着媒質の少なくとも一部に接触しかつ液体に比較して気体の透過性が高い気液分離膜と、その気液分離膜における前記吸着媒質側とは反対側に前記未反応燃料を酸化させる酸化触媒を有する触媒層と、前記気液分離膜あるいは前記触媒層のいずれか一方の少なくとも一部を大気に接触させる排出孔とを備え、
    前記未反応燃料を吸着もしくは混和した前記吸着媒質から蒸気化しかつ前記気液分離膜を透過した気相の前記未反応燃料が、前記排気孔から流入する空気によって前記触媒層における前記酸化触媒の存在下で酸化させられて前記排出孔から排出される
    ことを特徴とする燃料電池の排気処理装置。
  2. 燃料を酸化させて発電をおこなう発電部からの排気に不可避的に未反応の前記燃料が含まれる燃料電池の排気処理装置において、
    前記発電部からの前記排気に含まれる前記未反応燃料を蓄積もしくは捕捉して、その蓄積もしくは捕捉した前記未反応燃料を前記発電部に比較して少量ずつ酸化させて外部に排出する未反応燃料酸化部を備え、
    前記未反応燃料酸化部は、前記未反応燃料を吸着もしくは混和させることにより捕捉する吸着媒質と、前記吸着媒質に少なくとも一部が接触し、液体に比較して気体の透過性が高い気液分離膜と、前記気液分離膜における前記吸着媒質とは反対側に設けられ、前記未反応燃料を蓄積もしくは捕捉した前記吸着媒質から蒸気化しかつ前記気液分離膜を透過した気相の前記未反応燃料を酸化させる酸化触媒を有する触媒層と、前記気液分離膜あるいは前記触媒層のいずれか一方の少なくとも一部を大気に接触させるとともに、前記触媒層に空気を供給しかつ前記触媒層で酸化させられた前記未反応燃料を大気中に排出する排出孔とを備えている
    ことを特徴とする燃料電池の排気処置装置。
  3. 前記吸着媒質は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、活性炭、ポリアクリルアミド、多価アルコール類、水素吸蔵合金のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池の排気処理装置。
  4. 前記多価アルコール類は、炭素数が1ないし6の直鎖状炭化水素のジオール類、炭素数が1ないし6の直鎖状炭化水素のトリオール類のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の排気処理装置。
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