JP2002166122A - 水素の精製、貯蔵方法 - Google Patents

水素の精製、貯蔵方法

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JP2002166122A
JP2002166122A JP2000366056A JP2000366056A JP2002166122A JP 2002166122 A JP2002166122 A JP 2002166122A JP 2000366056 A JP2000366056 A JP 2000366056A JP 2000366056 A JP2000366056 A JP 2000366056A JP 2002166122 A JP2002166122 A JP 2002166122A
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hydrogen storage
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Hideo Futami
英雄 二見
Toru Takahashi
徹 高橋
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】改質ガス等の水素含有ガスを高収率且つ低コス
トで、高純度の水素に精製し且つ貯蔵する方法を得る。 【解決手段】水素含有ガスを高分子膜または無機膜から
なる分離膜、CO選択酸化層、水素貯蔵材層の順に通し
て高純度の水素に精製し、水素貯蔵材層に貯蔵すること
を特徴とする水素の精製、貯蔵方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素の精製、貯蔵
方法に関し、より詳しくは例えば炭化水素ガスを改質し
て得られる水素リッチな改質ガスなどの水素含有ガスか
ら水素を高純度の水素に精製し且つ貯蔵する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水素は各種用途に供される基礎原料であ
り、燃料電池の燃料としても利用される。水素の製造方
法の一つとして炭化水素の水蒸気改質法や部分燃焼法に
よる改質法がある。このうち、例えば水蒸気改質法は、
メタン、エタン、プロパン、ブタン、都市ガス、LPガ
ス、天然ガス、その他の炭化水素ガス(2種以上の炭化
水素の混合ガスを含む)やメタノール等のアルコール類
を水蒸気により改質して水素リッチな改質ガスを生成さ
せる方法である。水蒸気改質法では改質器が用いられ、
改質触媒による接触反応によりそれら炭化水素ガスやア
ルコール類が水素リッチな改質ガスへ変えられる。
【0003】図1は水蒸気改質器を模式的に示す図であ
る。概略、バーナあるいは燃焼触媒を配置した燃焼部
(加熱部)と改質触媒を配置した改質部とにより構成さ
れる。改質部では炭化水素ガスやアルコール類が水蒸気
と反応して水素リッチな改質ガスが生成される。改質部
で起こる接触反応は大きな吸熱を伴うので、反応の進行
のためには外部から熱の供給が必要であり、例えば炭化
水素ガスの改質には600℃程度以上の温度が必要であ
る。このため燃焼部で、燃料ガスを空気により燃焼さ
せ、発生した燃焼熱(ΔH)を改質部に供給する。な
お、改質触媒は、硫黄化合物により被毒し性能劣化を来
してしまうので、炭化水素ガスが都市ガス等のように硫
黄化合物を含む場合は脱硫器を経て供給される。
【0004】改質器から得られる水素リッチな改質ガス
には副生成分として一酸化炭素(CO)や炭酸ガス、ま
た未反応のメタンや余剰水蒸気が含まれている。このた
め改質ガスを例えば燃料電池にそのまま使用したのでは
電池性能を阻害してしまう。特にCOについては、固体
高分子型燃料電池(PEFC)では100ppm(容量
ppm、以下同じ)程度(その燃料極等の構成材料の如
何によっては10ppm程度)が限度であり、これを越
えると電池性能が著しく劣化する。このためそれら副生
成分は燃料電池へ導入する前に除去する必要がある。
【0005】改質ガスのような水素含有ガスの精製法に
は各種あり得るが、その例としてはPSA(Pressure S
wing Adsorption)法、高分子膜やセラミック膜による
分離法、Pd膜等の金属膜式分離法、あるいは水素吸蔵
合金に水素のみが吸蔵されることを利用した水素吸蔵合
金法などがある。このうち、PSA法では、高純度の水
素を得ることはできるが、装置としての設置スペースが
大きく、脱着時に水素によるブロー、パージが原理的に
必要であり、水素収率に限界がある。
【0006】また、高分子膜やセラミック膜による分離
法では、この方法による精製では90%程度の水素濃度
にしかならず、原理的に高純度の水素は得られない。さ
らに、Pd膜法では、ここで用いる分離膜自体高価であ
るばかりでなく、作動温度として300〜500℃と云
うような高温を必要とするなどの諸問題点がある。この
ため、これらの方法は直ちに利用することはできない。
しかも、これらの方法は、水素の精製のみを行い得るも
ので、需要に応じて所定必要量を供給する貯蔵機能は有
していない。
【0007】一方、水素の貯蔵法としては、高圧容器
(高圧力に耐えられる構造を有する容器)に150気圧
というような高圧力で貯蔵するのが一般的であるが、最
近では水素吸蔵合金を利用して貯蔵する方法も考えられ
ている。水素吸蔵合金は、水素の貯蔵機能も有し、この
方法では、水素吸蔵合金を冷却しながら水素を吸蔵、貯
蔵させ、吸蔵された水素は加熱により放出させるが、水
素吸蔵合金は一酸化炭素(CO)により脆化するため、
前記のような改質ガスに対しては直ちに適用することは
できない。水素吸蔵合金の脆化はその性能劣化を来た
し、短期間での取り換えが必要となるなど、特に実用化
する上で、深刻な問題となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来に
おける水素の精製、貯蔵に係る以上のような問題を解決
するためになされたもので、その精製手段および貯蔵手
段を巧みに組み合わせることにより、改質ガス等の水素
含有ガスを高収率且つ低コストで、高純度に精製し、貯
蔵し得ることを見い出した。すなわち、本発明は、水素
の精製手段及び貯蔵手段を巧みに組み合わせることによ
り、改質ガス等の水素含有ガスを高収率且つ低コスト
で、高純度の水素に精製し、貯蔵する水素の精製、貯蔵
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素含有ガス
を高分子膜または無機膜からなる分離膜、CO選択酸化
層、水素貯蔵材層の順に通して高純度の水素に精製し、
水素貯蔵材層に貯蔵することを特徴とする水素の精製、
貯蔵方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、高分子膜また
は無機膜からなる分離膜と水素貯蔵材層との間にCO選
択酸化層を設けることが重要である。これにより改質ガ
ス等の水素含有ガスを3工程で高純度の水素に精製し、
そして精製水素を水素貯蔵材層に貯蔵する。まず(1)
水素含有ガスを高分子膜または無機膜からなる分離膜で
粗精製する。次いで(2)、(1)分離膜での粗精製を
経た水素含有ガスをCO選択酸化層に通して、その中の
COをCO選択酸化法により酸化して除去する。そして
(3)、(2)の工程でCOを除去した水素含有ガスを
水素貯蔵材に供給してさらに精製して高純度の水素と
し、水素貯蔵材に貯蔵する。これにより、水素含有ガス
の精製と貯蔵を高収率且つ低コストで行うことができ
る。
【0011】図2は、本発明における上記(1)〜
(3)の工程の概略を示す図である。例えば水蒸気改質
器で得られた改質ガスは、水素を選択的に透過させる分
離膜を備えた分離器に通され、ここで炭酸ガス、水分、
CO等の不純成分が除去される。COについてもその大
部分が除去されるが、十分ではなく、0.6〜0.3%
(容量%、以下同じ)程度というように含まれている。
本発明においては、そのCOを除去するためにCO選択
酸化層、すなわちCO選択酸化触媒を充填したCO選択
酸化器に通し、10ppm程度まで低減させる。こうし
て精製された改質ガスを水素貯蔵材層、すなわち水素吸
蔵材を充填した水素吸蔵材充填容器に通して、さらに精
製し且つ貯蔵する。以下、改質ガスを例にして、さらに
各工程毎に順次説明する。
【0012】(1)高分子膜または無機膜からなる分離
膜による精製工程 この工程での分離膜としては、水素以外のガスは透過し
ないか、実質上透過せず、水素を選択的に透過させる特
性を有する高分子膜または無機膜が用いられる。高分子
膜としてはポリイミド系、ポリオレフィン系、セルロー
ス系、シリコーン系などの高分子膜が用いられ、好まし
くはポリイミドを主成分とする膜が用いられる。無機膜
としてはゼオライト等の多孔質セラミックスが用いられ
る。
【0013】これら分離膜は、それ自体で中空糸膜等
の形に成形する、中空状の多孔質支持体の外面に膜状
に形成する、板状の多孔質支持体に膜状に形成する
等、適宜の構造に構成される。図3は、それ自体で中
空糸膜の形に構成した分離膜の態様例を模式的に示した
図である。改質ガスは図3中矢印の方向からポリイミド
製等の中空糸膜を選択的に透過し、中空糸膜内の中空部
分を通って粗精製水素ガスとして取り出される。
【0014】(2)CO選択酸化層で精製する工程 上記(1)の工程で改質ガス中のCOもその大部分が除
去されるが、十分ではなく、使用する分離膜の特性等の
如何により0.6〜0.3%程度というように含まれて
いる。本工程ではそのCOを除去するためCOの選択酸
化触媒層に通される。CO選択酸化触媒層にはCOを酸
化するための空気が導入され、COは10ppm程度以
下まで低減される。COの酸化には、空気に代えて、酸
素富化空気や酸素等の酸化剤を用いてもよい。
【0015】CO選択酸化触媒としては、ルテニウム、
パラジウム、白金等の貴金属触媒を用いるが、好ましく
はルテニウムが用いられ、これら貴金属触媒は、好まし
くはアルミナ等の担体に担持して用いられる。本CO選
択酸化層で精製する工程は、本発明において重要な工程
であり、これを分離膜による精製工程後に設けること
で、これに続く水素貯蔵材層で精製、貯蔵する工程にお
けるCOの影響を皆無ないし実質上皆無とすることがで
きる。
【0016】なお、0.6〜0.3%というような微量
のCOを選択的に除去する方法としては、吸着法やPS
A法などが考えられる。吸着法で、吸着剤として例えば
ゼオライトを用いると、COのみを選択的に除去できる
ゼオライトはなく、改質ガスのような水分や炭酸ガスを
含む水素含有ガスの場合、それら水分や炭酸ガスを吸着
剤に導入する前に除去しておく必要があり、再生操作も
必要である。PSA法では、COのほか水分や炭酸ガス
なども同時に除去できるが、吸着と脱着を周期的に行う
ことが必要であり、このため装置規模が大きくなるだけ
でなく、吸着と脱着の繰り返しに伴い水素回収率が低下
してしまう。
【0017】これに対して、本発明においては、高分子
膜または無機膜からなる分離膜と水素貯蔵材層との間に
CO選択酸化層を設ける。CO選択酸化層を用いると、
装置そのものをコンパクト化でき、しかも高水素回収率
でCOを除去することができる。例えば、CO濃度0.
3%、酸素/CO比=2.0の場合、約99%程度とい
う高水素回収率でCOを除去することができる。
【0018】(3)水素貯蔵材層で精製、貯蔵する工程 (2)の工程で改質ガス中のCOは10ppm程度以下
まで低減されるが、僅かではあるが、水素も酸化されて
消費され、COの酸化で生成した炭酸ガス、水素の酸化
による水分等が含まれている。このためCO選択酸化層
から出るガスは、それら不純成分を除去して精製し、且
つ、精製水素を貯蔵するために水素貯蔵材層に供給され
る。これによって、CO選択酸化層を経た水素含有ガス
から水素を分離精製且つ吸蔵し、貯蔵することができ
る。
【0019】水素貯蔵材としては、水素吸蔵合金やカー
ボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等の炭素で
構成された三次元構造を有する水素貯蔵材が用いられる
が、好ましくは水素吸蔵合金が用いられる。水素は冷却
により水素吸蔵合金に吸蔵され、貯蔵された水素は加熱
することにより放出される。
【0020】水素吸蔵合金(Hydrogen Storage Alloy、
本明細書及び図面中適宜「HSA」と略称している)と
しては、水素含有ガスから水素を選択的に吸蔵し、水素
以外のガスは実質上吸蔵しない水素吸蔵合金であれば何
れも使用される。その例としては、例えばTiFe0.9
Mn0.1、Mg2Ni、CaNiS、LaNi5、LaA
4.7Ni0.3、MmNi4.5Al0.5(Mm=ミッシュメ
タル)、MmNi4.15Fe0.85(Mm=ミッシュメタ
ル)等が挙げられるが、これらとは限らず、水素を選択
的に吸蔵し、貯蔵する機能を有する合金であれば使用さ
れる。
【0021】水素の分離精製且つ吸蔵は、前記(2)の
工程からの改質ガスをHSAを充填した容器に通すこと
により行われる。これにはバッチ式と通気式の2種の態
様がある。バッチ式の場合は、HSA充填容器の出口を
閉すなわち行き止まりにして、改質ガスを供給する。こ
の時、HSAに水素が選択的に吸蔵され、水素以外のガ
スは容器の空間に滞留する。このためHSA充填容器に
は水素以外のガスを収容するための所定の空間が必要で
ある。
【0022】図4(a)〜(b)は上記バッチ式の態様
例を模式的に示す図であり、図4(a)は精製、吸蔵時
の状態、図4(b)は放出時の状態を示している。水素
の精製、吸蔵時には冷却し、放出時には加熱するが、こ
れら冷却、加熱は、図中その記載は省略しているが、冷
却媒体、加熱媒体を通す管状その他の手段による間接熱
交換により行われる。容器中の空間に滞留した水素以外
のガスは、オフガスとしてHSA充填容器からのガス放
出時の初期の段階で排出され、排出ガスはやがて純度9
9.999%(ファイブナイン)以上という高純度の水
素として導出される。
【0023】通気式の場合は、HSA充填容器に改質ガ
スを単純に流通させる。図4(c)は流通式の場合を模
式的に示した図であり、水素以外のガスは水素の精製且
つ吸蔵時に常時排出される。すなわち、前記(2)の工
程を経た改質ガスは、容器内に充填されたHSAにより
水素のみが選択的に吸蔵されて精製され、純度99.9
99%以上という高純度の水素として吸蔵され、水素以
外のガスはオフガスとして排出される。こうして精製さ
れ、吸蔵された高純度水素は加熱することで放出され
る。
【0024】水素吸蔵合金には、例えばTiZrCrF
eMnCu合金(組成例、Ti=10.6wt%、Zr
=30.1wt%、Cr=25.4wt%、Fe=2
3.5wt%、Mn=9.4wt%、Cu=1.0wt
%)等、その構成成分等の如何により、水分による性能
低下がみられるものがある。この場合には、水素吸蔵合
金層の前段にゼオライトや活性炭などの水分を吸着する
機能を有する吸着剤を充填した層を設け、水分を除去し
た後に水素吸蔵合金層に通すことにより水分による性能
劣化を回避することができる。その際、水分を吸着する
機能を有する吸着剤を充填した層を二系統以上設置し、
交互に切り替えて水分の吸着と再生を行うことにより、
連続して水素の精製、貯蔵を続けることができる。
【0025】本発明においては、改質ガス等の水素含有
ガスを高分子膜または無機膜からなる分離膜に通し、C
O選択酸化層を経て、水素吸蔵材層に通すに際して、水
素吸蔵合金を二系統以上設置し、交互に吸蔵と放出を切
り替えて、連続的に処理して高純度水素を精製、貯蔵す
ることもできる。図5はその態様例を示す図である。こ
こでは2個のHSA充填容器を用い、CO選択酸化層か
らの水素含有ガスを交互に通して吸蔵と放出を切り替え
て連続的に処理する場合を示している。図5中、A及び
BはそれぞれHSA充填容器を示し、S、Tは切換弁で
ある。
【0026】図5のとおり、水素含有ガスはHSA充填
容器Aで冷却媒体と間接的に熱交換し冷却されて精製さ
れ且つ吸蔵される。この時、切換弁SはHSA充填容器
Bへの流通が閉止されるようセットされている。水素以
外のガスはオフガスとして排出される。一方、HSA充
填容器Bからは、既に上記のようにして精製且つ吸蔵さ
れた水素が放出される。このため切換弁TはHSA充填
容器Aからの流通が閉止されるようセットされている。
水素の放出には加熱が必要であるので、加熱媒体により
間接的に加熱される。
【0027】これとは逆に、改質ガスの精製、吸蔵をH
SA充填容器Bで行い、吸蔵水素をHSA充填容器Aか
ら放出させる場合には、切換弁S、Tの開閉を上記状態
と逆にし、HSA充填容器Bを冷却し、HSA充填容器
Aを加熱する。本態様例ではHSA充填容器を2個(1
対)用いた場合であるが、HSA充填容器を3個以上の
複数個併置することにより行うこともできる。こうして
分離精製され吸蔵された高純度の水素は、PEFC用の
燃料その他各種用途に使用される。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないこと
はもちろんである。
【0029】本例では図6に示す装置系を用いて改質ガ
スの精製、吸蔵、および精製水素の放出操作を実施し
た。図6のとおり、順次、分離膜を備えた分離器、CO
選択酸化触媒を充填したCO選択酸化器、切り換え弁
(S、T)を備えた2塔(1対)の水分吸着剤を充填し
た水分除去器(Y、Z)、水素吸蔵合金を充填した容器
を連結して配置した。分離器としては、容器中に分離膜
としてポリイミド製の中空糸膜(内径約0.5mm、外
径約1mm)を束ねて装着してなるモジュールを使用し
た。CO選択酸化触媒としてルテニウムをアルミナに担
持した触媒を使用し、水分吸着剤としてゼオライトを使
用し、水素吸蔵合金として希土類系の水素吸蔵合金(M
1.4Ni4.7Mn0.15Al0.15)を用いた。
【0030】水素75%(容量、以下同じ)、CO4%
のほか、炭酸ガス16%、水蒸気1%、メタン4%を含
む改質ガスを流量90m3N/hで分離器に通した後、
CO選択酸化器に導入した。分離器を経た改質ガス中の
COは0.56%まで除去され、水素濃度は86.4%
であった。CO選択酸化器では、分離器を経た改質ガス
にO2/CO比2.0の割合となるように空気を導入
し、COの酸化除去を行った。CO選択酸化器出口の改
質ガス中のCOは10ppm以下まで除去された。水素
濃度は84.7%と幾分低下したが、これは水素がCO
選択酸化器で不可避的に酸化されたためである。
【0031】2塔の水分除去器(Y、Z)は、弁操作に
より交互に吸着、再生を繰り返し、ここで水分を吸着、
除去した後、水素吸蔵合金充填容器に導入した。水分除
去器では改質ガス中に元々含まれていた水分とCO選択
酸化器での水素の燃焼により生成した水分が除去され
る。水素吸蔵合金充填容器には、水分除去器で水分を除
去した改質ガスを導入してバッチ式で水素を吸着させ
た。水素吸着完了後、不純物ガス(オフガス)をパージ
し、その後、昇温して水素を放出させた。
【0032】表1はその結果である。各工程でのガス組
成のほか、ガス温度、圧力についても記載している。表
1のとおり、99.999%以上の高純度の水素を得る
ことができた。なお、表1中、数値の単位は、ppmで
表示している2箇所以外、%である。
【0033】
【表 1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、高分子膜または無機膜
からなる分離膜と水素貯蔵材層との間にCO選択酸化層
を設けることにより、改質ガス等の水素含有ガスを簡便
且つ高収率で、しかも純度99.999%以上という高
純度水素に精製し、貯蔵することができる。また、CO
選択酸化層を用いることで、例えばPSA法のように大
がかりな設備を必要とせず、装置をコンパクト化でき、
さらにはPd膜等のような高価な分離膜も必要としない
ので、コスト面でも非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水蒸気改質器の態様例を模式的に示す図。
【図2】本発明における3工程の概略を示す図。
【図3】分離膜で精製する態様例を模式的に示した図。
【図4】水素吸蔵合金充填容器による水素精製、吸蔵、
放出の態様例を示す図(バッチ式と通気式)。
【図5】水素吸蔵合金層を二系統以上設置し、交互に吸
蔵と放出を切り替えて、連続的に処理して高純度水素を
精製、貯蔵する態様例を示す図。
【図6】実施例で用いた装置系を示す図。
【符号の説明】
A、B HSA充填容器 S、T 切換弁 Y、Z 水分除去器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01M 8/04 H01M 8/04 J 8/10 8/10 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA01 HA41 KA71 KB12 KB30 MA01 MA03 MA33 MB04 MC03 MC11 MC22 MC58 MC58X MC65 PB20 PB66 4G040 FA02 FB04 FC01 FC07 FE01 4G140 FA02 FB04 FC01 FC07 FE01 5H026 AA06 5H027 AA06 BA13 BA14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素含有ガスを高分子膜または無機膜から
    なる分離膜、CO選択酸化層、水素貯蔵材層の順に通し
    て高純度の水素に精製し、水素貯蔵材層に貯蔵すること
    を特徴とする水素の精製、貯蔵方法。
  2. 【請求項2】前記高分子膜からなる分離膜がポリイミド
    を主成分とする分離膜であることを特徴とする請求項1
    に記載の水素の精製、貯蔵方法。
  3. 【請求項3】前記無機膜からなる分離膜がゼオライト等
    の多孔質セラミックスを主成分とする分離膜であること
    を特徴とする請求項1に記載の水素の精製、貯蔵方法。
  4. 【請求項4】前記CO選択酸化層におけるCOの選択酸
    化処理を、分離膜を経たガスに空気、酸素富化空気また
    は酸素を添加し、常温から300℃程度に加熱した貴金
    属触媒に通すことにより行うことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の水素の精製、貯蔵方法。
  5. 【請求項5】前記貴金属触媒がルテニウムからなる触媒
    であることを特徴とする請求項4に記載の水素の精製、
    貯蔵方法。
  6. 【請求項6】前記水素貯蔵材が水素吸蔵合金であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水素の精
    製、貯蔵方法。
  7. 【請求項7】前記水素含有ガスを高分子膜または無機膜
    からなる分離膜から、CO選択酸化層を経て、水素貯蔵
    材層に通すに際して、水素貯蔵材として水素吸蔵合金を
    用い、その水素貯蔵合金を冷却しながら水素を吸蔵し、
    しかる後、加熱して放出させる前に、水素以外の不純物
    を放散させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の水素の精製、貯蔵方法。
  8. 【請求項8】前記水素貯蔵材が炭素で構成された三次元
    構造を有する水素貯蔵材であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の水素の精製、貯蔵方法。
  9. 【請求項9】前記CO選択酸化層を経たガスを水素貯蔵
    材層に通すに際して、水素吸蔵材層を二系統以上設置
    し、交互に吸蔵と放出を切り替えて連続的に処理するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水素の
    精製、貯蔵方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、水素吸蔵材層が水素
    吸蔵合金層であり、その前段に水分を吸着する機能を有
    する吸着剤を充填した層を設け、ガスから水分を除去し
    た後に水素吸蔵合金層に通すことを特徴とする水素の精
    製、貯蔵方法。
  11. 【請求項11】請求項10において、水分を吸着する機
    能を有する吸着剤を充填した層を二系統以上設置し、交
    互に切り替えて水分の吸着と再生を行うことを特徴とす
    る水素の精製、貯蔵方法。
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