JP4819537B2 - 選択透過膜型反応器及びそれを用いた水素製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタン、ブタン、灯油等の炭化水素やメタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の含酸素炭化水素を主たる原料ガスとし、改質反応等を利用して、水素を生成させ、分離して取り出すために使用される選択透過膜型反応器と、それを用いた水素の製造方法に関する。
水素は石油化学の基本素材ガスとして大量に使用され、特に近年、燃料電池等の分野において、クリーンなエネルギー源として水素が注目されていることとも相俟って、利用の拡大が期待されている。このような目的に使用される水素は、メタン、ブタン、灯油等の炭化水素やメタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の含酸素炭化水素を主たる原料ガスとして、水蒸気や二酸化炭素の改質反応、あるいは部分酸化反応、分解反応等を利用して生成され、それをパラジウム合金膜等の水素を選択的に透過させることのできる選択透過膜にて分離して取り出すことにより得られる。
近年、この水素の製造には、前記のような反応と分離とを同時に行うことのできる選択透過膜型反応器(メンブレンリアクタ)が使用される(例えば、特許文献1参照)。従来一般的に使用されている選択透過膜型反応器は、一端部がガスの入口で、他端部がガスの出口である反応管と、当該反応管内に挿入された、表面に水素を選択的に透過させる選択透過膜を有する基材部分が多孔質の分離管と、反応管と分離管との間に配置された、炭化水素の改質反応を促進する改質反応触媒とを有する。
通常、改質反応触媒はペレット形状で、反応管と分離管との間の空隙にパックドベッド(Packed Bed)状等の状態で充填されており、反応管の入口から供給された水蒸気を含む原料ガスが、この改質反応触媒に接触し、水蒸気改質反応等により水素ガス等に分解される。例えば、メタンの水蒸気改質では、下記式(1)に示す改質反応、及び下記式(2)に示すシフト反応が促進されることによって、炭化水素(メタン)が水素、一酸化炭素、二酸化炭素等の反応生成物に分解され、これらの反応生成物を含む混合ガス(生成ガス)が得られる。
CH4+H2O → CO+3H2 …(1)
CO+H2O → CO2+H2 …(2)
こうして得られた生成ガスのうち、水素は選択透過膜を透過して分離管内に選択的に引き抜かれ、他のガス成分と分離されて取り出される。また、選択透過膜を透過しない一酸化炭素や二酸化炭素等の他のガス成分は、反応管の出口より反応器の外部へ排出される。
このような選択透過膜型反応器は、前記のように反応と分離とを同時に行えることによる装置上のコンパクト化のメリットに加え、水素ガスを引き抜くことにより前記反応の平衡を生成側にシフトさせて、反応温度を低下させることができ、これによって作動温度の低下、金属部材の劣化抑制、省エネルギー化といった効果が期待できる。
特開平6−40703号公報
ところで、このような選択透過膜型反応器においては、選択透過膜が膜厚数μmの薄膜であるため、ピンホール等の欠陥が発生しやすく、本来であれば反応管の出口より外部へ排出される一酸化炭素や二酸化炭素といった選択膜を透過しないガス成分の一部が、当該欠陥部分から選択透過膜を通過し、選択透過膜で分離した水素に不純物として混入してしまうため、水素の濃度が低下する。また、特に欠陥部分から混入した一酸化炭素は、燃料電池の電極を劣化させるという問題がある。
選択透過膜の欠陥部分を通じて水素に混入した一酸化炭素を除去する方法として、一般に用いられる選択酸化法では、空気を用いるためポンプ等の補機が必要になるとともに、水素にN2が混入してしまうため水素の濃度が低下するといった問題がある。また、下記式(3)に示す一酸化炭素メタネーションで一酸化炭素を除去する方法もあるが、一酸化炭素メタネーションには副反応として、下記式(4)に示す二酸化炭素メタネーションが伴うため、当該二酸化炭素メタネーションにより多くの水素が費やされ、水素濃度が低下するという問題がある。
CO+3H2 → CH4+H2O …(3)
CO2+4H2 → CH4+2H2O …(4)
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、選択透過膜にピンホール等の欠陥があっても高純度の水素を製造でき、特に不純物としての一酸化炭素の濃度が低い水素が得られるような選択透過膜型反応器と、それを用いた水素製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の選択透過膜型反応器及び水素製造方法が提供される。
[1] 一端部がガスの入口で、他端部がガスの出口である反応管と、当該反応管内に挿入された、表面に水素を選択的に透過させる選択透過膜を有し、前記選択透過膜を透過した分離ガスの出口である排出口を有する分離管と、前記反応管と前記分離管との間に配置された、炭化水素の改質反応を促進する改質反応触媒とを有する選択透過膜型反応器であって、二酸化炭素吸着剤及び二酸化炭素分離膜からなる群より選択された少なくとも一種の二酸化炭素除去手段を備え、前記二酸化炭素除去手段の一部が、前記分離管の内表面に配置され、その内側に前記二酸化炭素除去手段の残部と一酸化炭素メタネーションを促進するメタネーション触媒及び/又はシフト反応を促進するシフト反応触媒とが混在した状態で配置された選択透過膜型反応器。
] 前記[1]に記載の選択透過膜型反応器を使用した水素製造方法。
本発明の選択透過膜型反応器及び水素製造方法によれば、選択透過膜にピンホール等の欠陥があっても高純度の水素を製造でき、特に不純物としての一酸化炭素の濃度が低い水素が得られる。
以下、本発明の代表的な実施形態を図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1は、本発明に係る選択透過膜型反応器の基本構造を示す概略断面図である。この選択透過膜型反応器は、一端部がガスの入口9で、他端部がガスの出口10である反応管1と、反応管1内に挿入された、表面に水素を選択的に透過させる選択透過膜5を有し、選択透過膜5を透過した分離ガスの出口である排出口11を有する有底筒状で基材部分が多孔質の分離管4と、反応管1と分離管4との間に配置された、炭化水素の改質反応を促進する改質反応触媒6とを有する。
改質反応触媒6には、例えば、ニッケル−アルミナ触媒やルテニウム−アルミナ触媒が使用でき、それをペレット形状やビーズ形状に成形したり、ペレット状の基体に被覆したりして、図のように反応管1と分離管4との間の空隙に充填するなどして配置する。反応管1の材質としては、SUSやインコロイ(INCORO社の登録商標)等の高耐熱性で熱伝導性の良い金属を主成分とするものが好ましい。表面に選択透過膜5を形成する多孔質の分離管4の基材には、チタニアやアルミナ等のセラミック多孔体、あるいはステンレススティール等の金属多孔体を用いることが好ましい。選択透過膜5は、水素に対する選択的透過能を有するものであり、例えば、パラジウムやパラジウム−銀合金をはじめとするパラジウム合金からなるものが好適に使用できる。なお、選択透過膜5は分離管4の外側でなく、場合によっては分離管4の内側にあってもよいし、分離管4の両側に被覆されていてもよい。
本発明に係る選択透過膜型反応器は、このような基本構造に加え、その特徴的な構造として、分離管4の内部又は分離管4の排出口11の後段部に、二酸化炭素除去手段と、一酸化炭素メタネーションを促進するメタネーション触媒及び/又はシフト反応を促進するシフト反応触媒とが配置されている。
二酸化炭素除去手段としては、具体的には、二酸化炭素を吸着して除去する二酸化炭素吸着剤や、二酸化炭素を膜分離して除去する二酸化炭素分離膜などが好適に使用できる。二酸化炭素吸着剤としては、例えば、酸化カルシウムやリチウムシリケートのような無機化合物や、アルカリ溶液、イオン性溶液、あるいはアルカリ溶液やイオン性溶液を担持したアルミナやシリカ等の無機質多孔体などを好適に用いることができる。二酸化炭素分離膜としては、例えば、高分子膜やゼオライト膜などを好適に用いることができる。メタネーション触媒としては、例えば、ニッケル−アルミナ触媒やルテニウム−アルミナ触媒などを好適に用いることができる。また、シフト反応触媒としては、例えば、鉄−クロム触媒、銅−亜鉛触媒、白金−アルミナ触媒、白金−チタニア触媒などを好適に用いることができる。
二酸化炭素吸着剤、メタネーション触媒及びシフト反応触媒は、それぞれペレット形状やビーズ形状にして、分離管4内や分離管4の排出口11に結合した管体内などに充填して用いてもよいが、ハニカム構造体に代表されるセラミック構造体に担持して分離管4内や分離管4の排出口11に結合した管体内などに配置してもよい。選択透過膜型反応器では、水素の透過量を増やすために、透過側(分離管4の内部側)が減圧(真空引き)されることが多いが、ハニカム構造体のようなセラミック構造体は、ペレット形状やビーズ形状のものを充填した場合に比して圧力損失が小さいため、透過側の真空度を高く保つことができるという利点がある。
本発明に係る選択透過膜型反応器において、反応管1の入口9から供給された水蒸気を含む原料ガスが、改質反応触媒6に接触すると、原料ガス中の炭化水素が改質反応等により水素ガス等に分解される。例えば、メタンの水蒸気改質では、先にも述べたとおり、下記式(1)に示す改質反応、及び下記式(2)に示すシフト反応が促進されることによって、炭化水素(メタン)が水素、一酸化炭素、二酸化炭素等の反応生成物に分解され、これらの反応生成物を含む混合ガス(生成ガス)が得られる。
CH4+H2O → CO+3H2 …(1)
CO+H2O → CO2+H2 …(2)
こうして得られた生成ガスのうち水素は、選択透過膜5を透過して分離管4内に選択的に引き抜かれ、他のガス成分と分離されて取り出される。また、選択透過膜5を透過しない他のガス成分は、反応管1の出口10より反応器の外部へ排出されるが、選択透過膜5にピンホール等の欠陥が生じていると、本来であれば出口10より反応器の外部へ排出される一酸化炭素や二酸化炭素といった選択膜を透過しないガス成分の一部が、当該欠陥部分から選択透過膜5を通過し、選択透過膜5で分離した水素に不純物として混入してしまう。
本発明では、こうして水素に混入した不純物ガス成分のうち、まず二酸化炭素を、分離管4の内部又は分離管4の排出口11の後段部に配置した二酸化炭素除去手段により除去し、水素中の二酸化炭素濃度を低下させる。そして、メタネーション触媒を配置している場合においては、そのメタネーション触媒によって、下記式(3)に示す一酸化炭素メタネーションを促進させ、一酸化炭素を除去する。ここで、一酸化炭素メタネーションの副反応として、下記式(4)に示すように水素の消費を伴う二酸化炭素メタネーションが生じることとなるが、前記のとおり二酸化炭素除去手段により水素中の二酸化炭素濃度を低下させているので、二酸化炭素メタネーションの反応が低減し、二酸化炭素メタネーションによる水素の消失が抑制され、結果的に水素濃度の低下を抑えつつ、燃料電池における電極劣化等の要因となる一酸化炭素が除去される。
CO+3H2 → CH4+H2O …(3)
CO2+4H2 → CH4+2H2O …(4)
また、シフト反応触媒を配置している場合においては、そのシフト反応触媒によって、下記式(2)に示すシフト反応が生じるが、前記のとおり二酸化炭素除去手段により水素中の二酸化炭素濃度を低下させているので、シフト反応が促進される。すなわち、このシフト反応は、平衡反応であるため、生成物である二酸化炭素を減らすことで、平衡を超えて反応を促進させることができる。こうして促進させたシフト反応により一酸化炭素が二酸化炭素に高効率で転化する。更に、シフト反応触媒と二酸化炭素除去手段を混在させた場合、シフト反応により生成した二酸化炭素も、二酸化炭素除去手段により除去されるので、シフト反応は更に促進され、一酸化炭素濃度がより一層低減された高純度の水素が得られる。
CO+H2O → CO2+H2 …(2)
分離管4の内部又は分離管4の排出口11の後段部に配置される二酸化炭素除去手段とメタネーション触媒及び/又はシフト反応触媒との位置関係としては、少なくとも二酸化炭素除去手段の一部については、選択透過膜5を通過してきたガスがメタネーション触媒及び/又はシフト反応触媒よりも先に接触するような位置に配置することが望ましい。例えば、分離管4の内部に配置する場合は、選択透過膜5に近い分離管4の内表面に二酸化炭素除去手段の少なくとも一部を配置し、その内側にメタネーション触媒やシフト反応触媒を、必要に応じ二酸化炭素除去手段と混在させて配置する。このような位置関係とすることにより、水素中の二酸化炭素濃度が低下した状態で前記一酸化炭素メタネーションやシフト反応が行われ、一酸化炭素濃度が低減された高純度の水素が得られる。
本発明に係る水素製造方法は、以上説明したような選択透過膜型反応器を使用して水素の製造を行うものであり、前記のとおり、選択透過膜にピンホール等の欠陥が生じていたとしても、不純物としての一酸化炭素の濃度が低い高純度の水素を製造できる。
なお、本発明に係る選択透過膜型反応器における、二酸化炭素除去手段、メタネーション触媒及びシフト反応触媒には、それぞれ除去・反応速度の面と平衡制約の面とから適した温度が存在するため、この選択透過膜型反応器を用いて水素の製造を行うに際しては、それらの温度制御が重要である。一例として、二酸化炭素除去手段にリチウムシリケート系の二酸化炭素吸収剤を用いた場合にはそれを300〜400℃程度に温度制御することが好ましく、メタネーション触媒にルテニウム−アルミナ触媒を用いた場合にはそれを250〜450℃程度に温度制御することが好ましく、シフト反応触媒に白金−チタニア触媒を用いた場合にはそれを150〜500℃程度に温度制御することが好ましい。また、二酸化炭素除去手段に二酸化炭素吸着剤を用いる場合に関しては、その吸着能を維持するため、必要な吸着容量を考慮した上で、適宜、吸着剤の交換又は加熱等の操作による二酸化炭素の脱離を行う必要がある。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3並びに比較例1及び2)
図1に示すような基本構造を有する選択透過膜型反応器を作製した。分離管4は、一端部が閉じられた有底筒状のアルミナ多孔体(外径10mm、長さ75mm)からなり、その表面に選択透過膜5として、水素を選択的に透過するパラジウム−銀合金膜をメッキ法により成膜した。膜の組成は、水素透過性能を考慮してパラジウムが75質量%、銀が25質量%となるようにし、膜厚は2.5μmとした。反応管1は、両端部が開口したSUS製の円筒体(内径25mm、長さ800mm)を使用した。改質反応触媒6には、大きさが1mm程度のペレット状に成形された市販のルテニウム−アルミナ触媒を使用し、反応管1と分離管4との間に充填した。
このような基本構造を有する選択透過膜型反応器の分離管4の排出口11に管状体を直結し、この管状体の内部に二酸化炭素除去手段とメタネーション触媒とを配置して、それらが後述する評価において400℃に温度制御されるようにしたものを実施例1とした。また、二酸化炭素の除去とシフト反応とが逐次進行するように、前記管状体の内部の上流側に二酸化炭素除去手段、下流側にシフト反応触媒を配置して、それらが後述する評価において200℃に温度制御されるようにしたものを実施例2とした。また、二酸化炭素の除去とシフト反応とが同一場で進行するように、前記管状体の内部に二酸化炭素除去手段とシフト反応触媒とを混在して配置して、それらが後述する評価において400℃に温度制御されるようにしたものを実施例3とした。更に、前記管状体の内部に何も配置されていないものを比較例1とした。更にまた、前記管状体の内部にメタネーション触媒のみを配置し、それが後述する評価において400℃に温度制御されるようにしたものを比較例2とした。なお、これら実施例及び比較例において、二酸化炭素除去手段、メタネーション触媒、シフト反応触媒には、それぞれ順に、リチウムシリケート、ルテニウム−アルミナ触媒、白金−チタニア触媒を用いた。
(評価)
図2に示すような装置を使用し、前記実施例1〜3並びに比較例1及び2の選択透過膜型反応器について、それぞれ試験を行い評価した。この装置は、原料ガス源として、メタン、ブタン等の炭化水素や、エタノール等の含酸素炭化水素、水、二酸化炭素、酸素を使用できるようライン接続され、これらを必要に応じて選択し、混合して選択透過膜型反応器に供給できるようになっている。なお、水やエタノール等の液体系の原料は気化器でガス化して供給される。
膜透過ガスラインと膜非透過ガスラインは、その上流側がそれぞれ選択透過膜型反応器の膜透過側(分離管の排出口に直結した管状体の出口)と膜非透過側(反応管の出口)に接続されている。膜透過ガスラインの下流側には、ガス量を測定するための流量計と、ガス成分を定量するためのガスクロマトグラフが接続されている。膜非透過ガスラインの下流側にも、同様に流量計とガスクロマトグラフが接続されているが、更に流量計の上流側に、常温にて水等の液体成分を捕集するために約5℃設定された液体トラップが設けられている。また、選択透過膜型反応器の周囲には、外部から加熱できるように加熱用ヒータが設置されている。
このような装置にて、前記実施例1〜3並びに比較例1及び2の各選択透過膜型反応器に、原料ガスとしてメタンと水蒸気とをモル比でH2O/CH4=3となるよう供給して、メタンと水蒸気による改質反応とそれに付随して生ずる反応を行わせ、反応生成物から水素を選択的に分離した。前記反応の反応温度は550℃に調整し、反応側圧力は3atm、透過側圧力は0.1atmとなるようにした。また、原料ガスの流量は、メタンが250cc/min、水蒸気が750cc/minとなるようにした。反応管の排出口に直結され、分離された水素が通過する管状体の内部に配置された二酸化炭素除去手段、メタネーション触媒、シフト反応触媒は、それぞれ表1に示す温度になるように調整した。このようにして水素の製造を行い、膜透過側及び膜非透過側のそれぞれにおけるガスの流量と組成を調べることにより、メタンの転化率と透過ガスの水素純度を算出し、その結果から得られた透過ガスの組成を表1に示した。
Figure 0004819537
管状体の内部に何も配置していない比較例1の結果は、選択透過膜を透過した透過ガスの組成をそのまま表したものである。比較例2は、メタネーション触媒による一酸化炭素メタネーションによって一酸化炭素の低減を図ったものであり、一酸化炭素は10ppm未満の低い濃度になっているものの、副反応である二酸化炭素メタネーションによって多くの水素が消費され、水素濃度が約94%にまで低下している。一方、二酸化炭素吸着剤とメタネーション触媒とを併用した実施例1においては、二酸化炭素除去手段により予め二酸化炭素が吸着除去されることに起因して、副反応である二酸化炭素メタネーションによる水素の消失が抑えられ、水素濃度が約98%と比較例2に比して高くなっている。また、二酸化炭素除去手段とシフト反応触媒とを併用した実施例2及び実施例3は、二酸化炭素除去手段により予め二酸化炭素が吸着除去されることによりシフト反応が促進されて、一酸化炭素の二酸化炭素への転化が高効率で行われ、比較例1に比して、一酸化炭素濃度が低下するとともに水素濃度が高くなっている。更に、二酸化炭素の吸着除去とシフト反応とが同時に進行するようにした実施例3は、二酸化炭素の吸着除去とシフト反応とが逐次進行するようにした実施例2に比して、一酸化炭素濃度の低下が顕著である。これは、二酸化炭素除去手段とシフト反応触媒とを混在して配置し、二酸化炭素の除去とシフト反応とが同一場で同時進行するようにすると、シフト反応で発生した二酸化炭素も除去されて、シフト反応がより一層促進されるためである。
本発明は、メタン、ブタン、灯油等の炭化水素や、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の含酸素炭化水素を主たる原料ガスとし、改質反応等を利用して、水素を生成させ、分離して取り出すために使用される選択透過膜型反応器と、それを用いた水素の製造に好適に利用することができるものである。
本発明に係る選択透過膜型反応器の基本構造を示す概略断面図である。 実施例において使用した試験装置の構成を示す概要図である。
符号の説明
1:反応管、4:分離管、5:選択透過膜、6:改質反応触媒、9:入口、10:出口、11:排出口。

Claims (2)

  1. 一端部がガスの入口で、他端部がガスの出口である反応管と、当該反応管内に挿入された、表面に水素を選択的に透過させる選択透過膜を有し、前記選択透過膜を透過した分離ガスの出口である排出口を有する分離管と、前記反応管と前記分離管との間に配置された、炭化水素の改質反応を促進する改質反応触媒とを有する選択透過膜型反応器であって、
    二酸化炭素吸着剤及び二酸化炭素分離膜からなる群より選択された少なくとも一種の二酸化炭素除去手段を備え、前記二酸化炭素除去手段の一部が、前記分離管の内表面に配置され、その内側に前記二酸化炭素除去手段の残部と一酸化炭素メタネーションを促進するメタネーション触媒及び/又はシフト反応を促進するシフト反応触媒とが混在した状態で配置された選択透過膜型反応器。
  2. 請求項1に記載の選択透過膜型反応器を使用した水素製造方法。
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