JP5466992B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吹出モードの切替えの境界値にヒステリシスが設けられている車両用空調装置に関する技術分野に属する。
一般に、車両用空調装置は、車両の車室内への送風空気を冷却する冷却用熱交換器と、該送風空気を加熱する加熱用熱交換器と、上記冷却用熱交換器が配置される冷却通路と、上記加熱用熱交換器が配置される加熱通路と、該冷却通路及び加熱通路の下流端が連通し、該両通路からの空気が混合されて上記車室内へ送風される調和空気が生成されるエアミックス空間と、上記加熱通路入口の開度を変更して、上記調和空気の温度を調整するエアミックスドアと、上記車両の乗員の操作により設定される設定温度等に応じて、該エアミックスドアによる上記加熱通路入口の開度を決定する開度決定手段と、該開度決定手段により決定された開度になるように上記エアミックスドアを駆動する駆動手段とを備えている。
上記車両用空調装置では、上記調和空気の上記車室への吹出位置が互いに異なる複数の吹出モードが、予め設定されている。吹出モードとしては、センタベント口及びサイドベント口から調和空気が吹き出すベントモード、センタベント口及びサイドベント口に加えて、下流側開口が乗員の足元近傍に位置するヒートダクトの該下流側開口からも調和空気が吹き出すバイレベルモード、ヒートダクトの下流側開口から調和空気が吹き出すヒートモード等がある。そして、これらの吹出モードは、上記開度決定手段により決定された開度に応じて切り替えられる。すなわち、上記開度が0%から大きくなるに連れて、ベントモード、バイレベルモード、ヒートモードと順に切り替えられる。ベントモードは冷房系の吹出モードであり、ヒートモードは、暖房系の吹出モードであり、バイレベルモードは、これらの中間の吹出モードである。
上記吹出モードの切替えに関しては、通常、乗員の空調フィーリングを向上させるために、切替えの境界値にヒステリシスが設けられる(例えば特許文献1参照)。このため、車両のイグニッションスイッチがオンにされたときに、上記開度決定手段により決定された開度に対応する吹出モードが、上記ヒステリシスによって2つ存在する場合がある。この場合、2つの吹出モードのうちのいずれを選択するかが問題となる。そこで、特許文献1では、2つの吹出モードのうちの一方を、少なくとも外気温度及び日射量を含む環境信号又は空調装置の稼動状況(例えば冷房サイクルの稼動の有無)を示す信号によって優先的に選択するようにしている。
特許第2972964号公報
しかし、上記特許文献1のものでは、環境信号に基づいて2つの吹出モードのうちの一方を選択する場合には、環境信号が、変動が大きくて不安定な日射量を含むので、乗員の空調フィーリングを安定して向上させることは困難である。また、冷房サイクルの稼動の有無等といった空調装置の稼動状況を示す信号によって選択する場合にも、選択した吹出モードが乗員の空調フィーリングに合わない場合があり、改良の余地がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吹出モードの切替えの境界値にヒステリシスが設けられている車両用空調装置において、車両のイグニッションスイッチがオンにされたときの、ヒステリシスにより存在する2つの吹出モードの一方の選択に関して、乗員にとってより適切な吹出モードを選択できるようにして、乗員に対して快適な空調を安定的に実現できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、車両の車室内への送風空気を冷却する冷却用熱交換器と、該送風空気を加熱する加熱用熱交換器と、上記冷却用熱交換器が配置される冷却通路と、上記加熱用熱交換器が配置される加熱通路と、該冷却通路及び加熱通路の下流端が連通し、該両通路からの空気が混合されて上記車室内へ送風される調和空気が生成されるエアミックス空間と、上記加熱通路入口の開度を変更して、上記調和空気の温度を調整するエアミックスドアと、該エアミックスドアによる上記加熱通路入口の開度を決定する開度決定手段と、該開度決定手段により決定された開度になるように上記エアミックスドアを駆動する駆動手段と、上記開度決定手段により決定された開度に応じて、上記調和空気の上記車室への吹出位置が互いに異なるように予め設定された複数の吹出モードの間で、吹出モードを切り替える吹出モード切替手段とを備え、該吹出モード切替手段による吹出モードの切替えの境界値にヒステリシスが設けられている車両用空調装置を対象として、上記車両周囲の外気温度を検出する外気温度検出手段と、上記車両の車室内温度を検出する車室内温度検出手段とを備え、上記吹出モード切替手段は、上記車両のイグニッションスイッチがオンにされたときに、上記開度決定手段により決定された開度に対応する吹出モードが、上記ヒステリシスによって2つ存在する場合において、上記車室内温度検出手段により検出された車室内温度が、上記外気温度検出手段により検出された外気温度に所定温度を加えた温度以下である場合には、上記2つの吹出モードのうち、大きい側の開度に対応する吹出モードを選択する一方、上記車室内温度が、上記外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高い場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択するように構成されているものとした。
上記の構成により、車室内温度と外気温度との関係に基づいて、2つの吹出モードのうちの1つが選択される。すなわち、冬場等のように、車室内温度が、外気温度に所定温度(0℃ないしそれに近い温度であることが好ましい)を加えた温度以下である場合には、車両のイグニッションスイッチがオンにされたときの、ヒステリシスにより存在する2つの吹出モードの一方の選択に関して、大きい側の開度に対応する吹出モード、つまり暖房系ないし暖房寄りの吹出モードが選択される一方、夏場等のように、車室内温度が、外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高い場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モード、つまり冷房系ないし冷房寄りの吹出モードが選択される。したがって、車室内温度と外気温度との関係から上記2つの吹出モードの一方を適切に選択して、乗員に対して快適な空調を安定的に実現することができる。
上記車両用空調装置において、上記吹出モード切替手段は、上記車両のイグニッションスイッチがオンにされたときに、上記開度決定手段により決定された開度に対応する吹出モードが、上記ヒステリシスによって2つ存在する場合で、かつ、上記車室内温度が、上記外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高い場合において、上記イグニッションスイッチの上記オン直前のオフ開始から上記オン開始までの経過時間が所定時間を超える場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択する一方、上記経過時間が上記所定時間以内である場合においては、上記2つの吹出モードのうちの1つが、上記イグニッションスイッチの上記オフ直前の吹出モードである場合には、該オフ直前の吹出モードを選択し、上記2つの吹出モードのいずれも、上記イグニッションスイッチのオフ直前の吹出モードでない場合には、該2つの吹出モードのうち、該オフ直前の吹出モードに対して、対応する開度が近い側の吹出モードを選択するように構成されている、ことが好ましい。
すなわち、イグニッションスイッチのオフ開始からの経過時間が所定時間以内であるときにおいて該イグニッションスイッチがオフからオンにされたときには、冬場であっても、イグニッションスイッチの上記オフ前の車室内の暖房により、車室内温度が、外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高くなっている可能性が高くなる。この場合、イグニッションスイッチのオフ開始からの経過時間を考慮しなければ、冷房系ないし冷房寄りの吹出モードが選択されてしまう。そこで、イグニッションスイッチのオフ開始からの経過時間が所定時間(冬場等において暖房による比較的高い温度からイグニッションスイッチのオフにより次第に低下していく車室内温度が、十分に低下していない最大時間)以内であるときにおいて該イグニッションスイッチがオンにされたときに、車室内温度が、外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高い場合には、イグニッションスイッチのオフ直前の吹出モード、又は該吹出モードに対して、対応する開度が近い側の吹出モードを選択することで、乗員に対してより一層快適な空調を安定的に実現することができる。
以上説明したように、本発明の車両用空調装置によると、車両のイグニッションスイッチがオンにされたときに、エアミックスドアによる加熱通路入口の開度に対応する吹出モードが、ヒステリシスによって2つ存在する場合において、車室内温度が、外気温度に所定温度を加えた温度以下である場合には、上記2つの吹出モードのうち、大きい側の開度に対応する吹出モードを選択する一方、車室内温度が、外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高い場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択するようにしたことにより、簡単な制御で、乗員に対して快適な空調を安定的に実現することができる。
本発明の実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示す図である。 上記車両用空調装置が搭載された車両の車室前側を示す斜視図である。 上記車両用空調装置の構成を示すブロック図である。 エアミックスドアの開度(エアミックスドアによる加熱通路入口の開度)と吹出モードとの関係を示す図である。 エアコン制御ユニットの制御動作を示すフローチャートである。 自動空調モードでの吹出モードの決定の手順を示すフローチャートである。 初回吹出モード選択において、エアミックスドアの開度(エアミックスドアによる加熱通路入口の開度)に対応する吹出モードが2つ存在する場合における吹出モードの選択の手順を示すフローチャートである。 エンジン冷却水の温度と吹出モードとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1を示す。この空調装置1は、図2に示す、車両(本実施形態では、乗用自動車)の車室の前端部に配設されたインストルメントパネルIP内に収容されている。このインストルメントパネルIPの車幅方向略中央部には、空調装置1の操作パネルBが配設されている。そして、インストルメントパネルIPの車両後方における車両右側には、運転席(図示せず)が配設され、車両左側には、助手席(図示せず)が配設されている。インストルメントパネルIP上面の前端部には、上記車室内におけるフロントウインド(図示せず)の内面に向けて、空調装置1で生成された調和空気が吹き出すデフロスタ口7が開口している。また、インストルメントパネルIP上面の車幅方向両端部には、上記車室内におけるサイドウインド(図示せず)の内面に向けて、上記調和空気が吹き出すデミスタ口8がそれぞれ開口している。さらに、インストルメントパネルIPの車幅方向略中央部には、上記車室内における乗員の上半身に向けて、上記調和空気が吹き出すセンタベント口9が開口しているとともに、インストルメントパネルIPの車幅方向両端部にも、上記車室内における乗員の上半身に向けて、上記調和空気が吹き出すサイドベント口10が開口している。
図1に示すように、上記空調装置1は、樹脂材を成形してなるケース20を備えている。このケース20には、空気導入部21と温度調節部22と調和空気分配部23とが設けられている。尚、ケース20は、例えば、空気導入部21と温度調節部22と調和空気分配部23とに3分割されたものや、空気導入部21と、温度調節部22及び調和空気分配部23とに2分割されたもの(送風ユニットと空調ユニットとに2分割されたもの)であってもよい。
上記空気導入部21には、上記車室内で開口し車室内の空気をケース20内に取り入れるための内気導入口25と、車室外に連通するダクト(図示せず)に接続されて車室外の空気をケース20内に取り入れるための外気導入口26とが形成されている。空気導入部21の内部には、上記内気導入口25及び外気導入口26の一方を開いて他方を閉じる内外気切替ドア27が設けられている。この内外気切替ドア27は、ケース20の外面に固定された内外気アクチュエータ28(図3参照)により動作して、内気導入口25及び外気導入口26の一方を開き他方を閉じるようになっている。この内外気アクチュエータ28は、サーボモータを内蔵した周知の構造のものである。この内外気アクチュエータ28により、空気の導入モードを、内気のみをケース20に導入する内気導入モードと、外気のみをケース20に導入する外気導入モードとに切り替えることができるようになっている。
上記空気導入部21内における内外気切替ドア27の近傍には、ケース20内に取り入れられた空気を濾過するためのエアフィルタ31が配設され、このエアフィルタ31よりもケース20内の奥側には、内気導入口25又は外気導入口26より空気をケース20の空気導入部21内に導入して、そこから該空気を温度調節部22及び調和空気分配部23へと流す送風ファン32が配設されている。この送風ファン32は遠心式ファンであって、その回転軸が上下方向に延びるように配置されている。送風ファン32の下部には、該送風ファン32を回転駆動するためのブロアモータ33が配置されている。このブロアモータ33は、一部がケース20の外部に突出した状態で該ケース20に固定されている。以下、上記空気の流れ方向の上流側及び下流側をそれぞれ、単に上流側及び下流側という。
上記空気導入部21の下流側(図1の右側)に位置する温度調節部22内の上流部分には、冷却通路22aが形成されていて、この冷却通路22aには、ケース20内に導入された空気(つまり上記車室内への送風空気)を冷却する冷却用熱交換器としてのエバポレータ35が収容配置されている。このエバポレータ35と、上記エンジンにより駆動される補機としてのコンプレッサー36(図3参照)と、冷媒凝縮器(図示せず)と、膨張弁(図示せず)とで、周知の冷凍サイクルが構成されている。
エバポレータ35は、複数のチューブとフィン(共に図示せず)とを交互に並べて一体化したチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。エバポレータ35には、熱媒体としての冷媒がクーラパイプ(図示せず)を介して給排され、この冷媒がチューブを流通するようになっている。エバポレータ35のフィン間を通過する空気がチューブを流通する冷媒と熱交換し、これによって該空気が冷却される。
上記温度調節部22内における冷却通路22aの下流側には、冷却通路22aを流れてきた空気(エバポレータ35により冷却された空気)の一部又は全部が流れる加熱通路22bが形成されている。この加熱通路22bの上流端(加熱通路22bの入口)は、冷却通路22aの下流端に接続されている。加熱通路22bには、冷却通路22aを流れてきた空気(上記車室内への送風空気)を加熱する加熱用熱交換器としてのヒータコア43が収容配置されている。
ヒータコア43は、エバポレータ35と同様のチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。ヒータコア43には、上記エンジンにより駆動される補機としてのウォーターポンプ(図示せず)から熱媒体としてのエンジン冷却水がヒータパイプ(図示せず)を介して給排されるようになっている。このヒータコア43を通過する空気がチューブを流通するエンジン冷却水と熱交換し、これによって該空気が加熱される。
加熱通路22bの側方には、冷却通路22aを流れてきた空気の一部又は全部を、加熱通路22b(ヒータコア43)をバイパスして流すバイパス通路44が形成されている。このバイパス通路44の上流端も冷却通路22aの下流端に接続されている。そして、冷却通路22aを流れてきた空気の一部が加熱通路22bへと流れた場合、その残りの空気がバイパス通路44を流れることになる。バイパス通路44は、冷却通路22aの一部と見做すことができ、この場合、加熱通路22bは、冷却通路22aにおけるエバポレータ35の下流側の部分から分岐したことになる。
上記加熱通路22b及びバイパス通路44(冷却通路22a)の下流端は、該加熱通路22b及びバイパス通路44(冷却通路22a)からの空気が混合されて上記車室内へ送風される調和空気が生成されるエアミックス空間45に連通している。このエアミックス空間45で混合されて得られた調和空気の温度は、バイパス通路44(冷却通路22a)を流れてきた空気と、加熱通路22bを流れてきた空気との流量割合で決まる。この流量割合は、加熱通路22bの入口に設けられかつ該入口の開度を変更するエアミックスドア46により調節することができる。すなわち、エアミックスドア46は、加熱通路22bの入口の開度を変更して、上記調和空気の温度を調整する。
エアミックスドア46は、ケース20の外面に固定されたエアミックスアクチュエータ48(図3参照)により動作するようになっている。エアミックスアクチュエータ48は、上記内外気アクチュエータ28と同様に構成されている。エアミックスアクチュエータ48を動作させてエアミックスドア46による加熱通路22b入口の開度(以下、エアミックスドア46の開度という)を変更することにより、バイパス通路44の空気流量と加熱通路22bの空気流量との割合が変更され、その結果、エアミックス空間45で混合されて得られる上記調和空気の温度が変更される。エアミックスドア46の開度が0%であるときには、加熱通路22b入口が全閉とされて、冷却通路22aを流れてきた空気の全部がバイパス通路44へと流れる。一方、エアミックスドア46の開度が100%であるときには、加熱通路22b入口が全開とされて、冷却通路22aを流れてきた空気の全部が加熱通路22bへと流れる。エアミックスドア46の開度は、0%〜100%の間で任意の値に設定することが可能である。
上記温度調節部22(エアミックス空間45)の下流側には、エアミックス空間45における上記調和空気をデフロスタ口7やセンタベント口9等に分配する調和空気分配部23が位置している。調和空気分配部23の内部には、エアミックス空間45から分岐して延びるベント通路47、ヒート通路49及びデフロスタ通路59が形成されている。ベント通路47の下流端は、ケース20の外面にベント吹出口50として開口し、ヒート通路49の下流端は、ケース20の外面にヒート吹出口51として開口し、デフロスタ通路59の下流端は、ケース20の外面にデフロスタ吹出口52として開口している。
ベント吹出口50には、インストルメントパネルIPのセンタベント口9及びサイドベント10に連通するベントダクト53の上流端が接続されている。また、ヒート吹出口51には、複数のヒートダクト54(図2にその一部を示す)の上流端が接続され、こられヒートダクト54の下流端(開口)は、前席乗員(運転席乗員及び助手席乗員)の足下及び後席乗員の足下近傍に位置している。また、デフロスタ吹出口52には、インストルメントパネルIPのデフロスタ口7及びデミスタ口8に連通するデフロスタダクト55の上流端が接続されている。上記ベント通路47、ヒート通路49及びデフロスタ通路59は、調和空気分配部23の内部に配設されたベントドア56、ヒートドア57及びデフロスタドア58によりそれぞれ開閉されるようになっている。
上記ベントドア56、ヒートドア57及びデフロスタドア58は、図示しないが、リンク部材によって互いに連結されており、後述の吹出モードを切り替えるための吹出モードアクチュエータ60(図3参照)により互いに連動して動作するようになっている。上記吹出モードアクチュエータ60は、上記内外気アクチュエータ28と同様にサーボモータを内蔵した周知の構造のものであり、ケース20の外面に固定されている。
上記空調装置1は、図3に示すように、エンジン水温センサ64、外気温度検出手段としての外気センサ65、車室内温度検出手段としての内気センサ66及び日射センサ67を備えている。エンジン水温センサ64は、エンジン冷却水の温度を検出するための温度センサである。外気センサ65は、車両周囲の外気温度を検出するための温度センサであって、フロントグリル(図示せず)近傍やドアミラー(図示せず)近傍等の車室外に配設されている。上記内気センサ66は、車室内温度を検出するための温度センサであって、インストルメントパネルIPの運転席側に配設されている(図2参照)。上記日射センサ67は、車室内に差し込んでくる太陽光の強さである日射量を検出するためのものであって、インストルメントパネルIPの前端部に配設されている(図2参照)。
上記インストルメントパネルIPの操作パネルBには、図3に示すように、温度設定スイッチ68、吹出モードスイッチ69、エアコンスイッチ70、内外気切替スイッチ71、ファンスイッチ72、DEFスイッチ80及びオートスイッチ81が配設されている。
上記温度設定スイッチ68は、上記車両の乗員が車室内温度を所望の温度に設定するために操作するスイッチである。
上記吹出モードスイッチ69は、上記調和空気の吹出モードを乗員が選択するために操作するスイッチである。この吹出モードとしては、センタベント口9及びサイドベント口10から調和空気が吹き出すベントモードと、センタベント口9及びサイドベント口10に加えて、ヒートダクト54の下流側開口からも調和空気が吹き出すバイレベルモードと、ヒートダクト54の下流側開口から調和空気が吹き出すヒートモードと、デフロスタ口7、デミスタ口8及びヒートダクト54の下流側開口から調和空気が吹き出すヒートデフモードと、デフロスタ口7及びデミスタ口8から調和空気が吹き出すデフロスタモードとがある。尚、後述の自動空調モードにおいて、上記エンジン水温センサ64により検出されたエンジン冷却水の温度が、後述の第3所定値B3よりも高いエンジン温間時に、ベントモード、バイレベルモード及びヒートモードのいずれかの吹出モードに切り替えられる(但し、DEFスイッチ80がオンになったときには、デフロスタモードになる)。また、後述の如く、上記車両のイグニッションスイッチがオンにされて初めての初回吹出モード選択でヒートモードが選択されかつ外気温度が、予め設定された基準温度以下であるときには、エンジン冷却水の温度に応じて、デフロスタモードやヒートデフモードになる場合がある(後述のエンジン冷間時制御(図8)を参照)。
上記エアコンスイッチ70は、上記車両の乗員が、冷凍サイクルのコンプレッサー36の動作モードを設定するために操作するスイッチであって、コンプレッサー36を通常運転させるA/Cモードを選択するためのA/Cポジションと、弱冷房でよい場合のエコノミーモード(ECOモード)を選択するためのECOポジションと、コンプレッサー36を運転させないOFFモードを選択するためのOFFポジションとを備えており、乗員が3つのポジションから任意の1つを選択できるようになっている。コンプレッサー36には、エンジンに対して機械的に連結したり非連結にしたりする電磁クラッチが設けられている。電磁クラッチが接続状態にあるときには、エンジンの動力がコンプレッサー36に伝達される一方、電磁クラッチが切断状態にあるときには、エンジンの動力がコンプレッサー36に伝達されないようになっている。
上記内外気切替スイッチ71は、上記車両の乗員が、空気の導入モードを内気導入モードと外気導入モードとに切り替えるために操作するスイッチである。
上記ファンスイッチ72は、上記車両の乗員が、空調装置1を作動状態にするか、又は非作動状態にするかを選択するために操作するスイッチである。ファンスイッチ72をオンにすると、空調装置1が作動し、オフにすると、空調装置1の作動が停止する。また、ファンスイッチ72は、オン状態であるときに、上記車両の乗員が操作することで、送風ファン32による送風量を多段階に増減させることも可能である。
上記DEFスイッチ80は、上記車両の乗員が、フロントウインドやサイドウインドが曇ったときにその曇を晴らすために操作するスイッチであって、該DEFスイッチ80をオンにすると、吹出モードがデフロスタモードとなりかつ風量が増大されるようになっている。
上記オートスイッチ81は、上記車両の乗員が、自動空調モードと手動モードとの一方を選択するために操作するスイッチである。自動空調モードが選択されたときには、吹出モード、導入モード及び送風量が、車室の空調状態に応じて自動的に設定される。一方、手動モードが選択されたときには、吹出モード、導入モード及び送風量が、それぞれ、吹出モードスイッチ69、内外気切替スイッチ71及びファンスイッチ72により設定(選択)された吹出モード、導入モード及び送風量となる。
空調装置1は、当該空調装置1の作動を制御するエアコン制御ユニット2を含む。このエアコン制御ユニット2は、図示しないが、中央演算処理装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、入出力ポート等を有しており、車載バッテリー(図示せず)から電力供給を受けて作動するようになっている。エアコン制御ユニット2の入出力ポートには、上記各スイッチ68〜72,80,81及び上記各センサ64〜67が信号線を介して接続されているとともに、ブロアモータ33、コンプレッサー36の電磁クラッチ及び各アクチュエータ28,48,60が信号線を介して接続されている。そして、エアコン制御ユニット2は、上記各スイッチ68〜72,80,81及び上記各センサ64〜67からの情報を入力して、該入力情報に基づいて、ブロアモータ33、コンプレッサー36の電磁クラッチ及び各アクチュエータ28,48,60の作動を制御する。
エアコン制御ユニット2は、オートスイッチ81により自動空調モードが選択されている場合には、所定のプログラムに従って、主として温度設定スイッチ68、外気センサ65、内気センサ66及び日射センサ67からの入力情報に基づいて、エアミックスドア46の開度を決定して、この開度になるようにエアミックスアクチュエータ48を制御するとともに、該決定した開度に応じて、上記調和空気の上記車室への吹出位置が互いに異なるように予め設定された上記複数の吹出モードの間で、吹出モードを切り替える。すなわち、エアコン制御ユニット2は、上記決定した開度に対応した吹出モードになるように吹出モードアクチュエータ60を制御する。このことで、エアコン制御ユニット2は、エアミックスドア46の開度を決定する開度決定手段を構成し、エアミックスアクチュエータ48は、上記開度決定手段により決定された開度になるようにエアミックスドア46を駆動する駆動手段を構成することになる。また、エアコン制御ユニット2及び吹出モードアクチュエータ60は、吹出モードを切り替える吹出モード切替手段を構成することになる。尚、オートスイッチ81により手動モードが選択されている場合には、基本的に温度設定スイッチ68からの入力情報に基づいてエアミックスドア46の開度が決定される。自動空調モード及び手動モードのいずれにおいても、エアミックスドア46の開度は、どのような方法で決定してもよい。
図4に示すように、上記吹出モードの切替えのために、エアミックスドア46の開度として、第1設定開度A1、第2設定開度A2、第3設定開度A3及び第4設定開度A4が予め設定されている。これらの大きさは、第1設定開度A1、第2設定開度A2、第3設定開度A3及び第4設定開度A4の順に値が大きくなる。第1設定開度A1及び第2設定開度A2は、ベントモードとバイレベルモードとの切替えの境界値である。このように該切替えの境界値が2つあるのは、該切替えの境界値にヒステリシスが設けられているからであり、バイレベルモードからベントモードへの切替えは、上記開度が第1設定開度A1以下になったときに行われ、ベントモードからバイレベルモードへの切替えは、上記開度が第2設定開度A2よりも大きくなったときに行われる。また、第3設定開度A3及び第4設定開度A4は、バイレベルモードとヒートモードとの切替えの境界値である。該切替えの境界値にもヒステリシスが設けられており、ヒートモードからバイレベルモードへの切替えは、上記開度が第3設定開度A3以下になったときに行われ、バイレベルモードからヒートモードへの切替えは、上記開度が第4設定開度A4よりも大きくなったときに行われる。第2設定開度A2及び第3設定開度A3は、50%ないしそれに近い値であり、上記開度が第2設定開度A2以下であるときには、基本的に冷房を行い、第3設定開度A3よりも大きいときには、基本的に暖房を行うことになる。尚、ヒステリシスの幅は、エアミックスドア46の開度で、例えば5%〜10%程度である。
次に、空調装置1の作動中におけるエアコン制御ユニット2の具体的な制御動作を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御は、上記車両のイグニッションスイッチのオンからスタートして、予め決められた時間(例えば数十ms)毎に繰り返し行われ、イグニッションスイッチがオフになると終了する。
最初のステップSA1において、エアコン制御ユニット2は、上記各センサ64〜67や上記各スイッチ68〜72,80,81からの信号を読み込む。
その後、ステップSA2に進んで、エアミックスドア46の制御を行う。すなわち、温度設定スイッチ68による設定温度を含む空調状態(自動空調モードでは、外気センサ65、内気センサ66及び日射センサ67による検出値を考慮する)に基づいて、目標車室内温度を演算して、この目標車室内温度からエアミックスドア46の開度を演算し、この開度になるようにエアミックスアクチュエータ48を作動させる。
しかる後、ステップSA3に進んで、吹出モード及び導入モード制御を行う。すなわち、自動空調モードでは、上記エアミックスドア46の開度に対応した吹出モードを決定して、該吹出モードになるように吹出モードアクチュエータ60を作動させる。また、外気温度や車室内温度を考慮して、導入モードを決定して、その決定した導入モードになるように内外気アクチュエータ28を作動させる。
次いで、ステップSA4に進み、送風ファンの制御を行う。すなわち、自動空調モードでは、内気センサ66により検出された車室内温度と上記目標車室内温度との差から送風量を演算し、この送風量となるように、ブロアモータ33に印加される電圧を変更する。上記送風量は、上記車室内温度と上記目標車室内温度との差が大きいほど、大きくされる。
そして、ステップSA5に進み、コンプレッサー36を作動させるか停止させるかを決定する。すなわち、エアコンスイッチ70により設定されたエアコンモードがA/Cモード又はECOモードとされているときにはコンプレッサー36を作動させ、OFFモードとされているときには、コンプレッサー36を停止させる。ステップSA5においてコンプレッサー36を作動させるとした場合には、コンプレッサー36の電磁クラッチが接続状態とされる。一方、コンプレッサー36を停止させるとした場合には、電磁クラッチが切断状態となる。
ここで、上記ステップSA3における、自動空調モードでの吹出モードの決定方法について、図6のフローチャートにより詳しく説明する。
最初のステップSB1で、オートスイッチ81がオンであるか否かが判定される。このステップSB1の判定がNOである場合(手動モードである場合)には、そのまま終了する一方、ステップSB1の判定がYESである場合(自動空調モードである場合)には、ステップSB2に進む。
ステップSB2では、当該ステップSB2での判定が、イグニッションスイッチの当該オン後の初回の判定であるか否かを判定する。このステップSB2の判定がYESである場合には、ステップSB3に進み、このステップSB3で、イグニッションスイッチがオンにされて初めての初回吹出モード選択を実行する。この初回吹出モード選択では、図4に従って、ステップSA2で決定されたエアミックスドア46の開度に応じて、ベントモード、バイレベルモード及びヒートモードの中から1つを選択する。但し、上記ヒステリシスによって、上記開度に対応する吹出モードが2つ存在する場合(上記開度が、ベントモード及びバイレベルモードの切替ヒステリシス領域にあるか、又は、バイレベルモード及びヒートモードの切替ヒステリシス領域にある場合)があり、この場合には、後述のようにして吹出モードを選択する。
そして、次のステップSB4で、上記初回吹出モード選択でベントモード又はバイレベルモードが選択されたか否かを判定する。このステップSB4の判定がYESである場合(ベントモード又はバイレベルモードが選択された場合)には、ステップSB5に進み、このステップSB5で、上記初回吹出モード選択で選択された吹出モード(つまりベントモード又はバイレベルモード)に決定する。
一方、ステップSB4の判定がNOである場合(ヒートモードが選択された場合)には、ステップSB6に進み、このステップSB6で、外気温度が、予め設定された基準温度T10以下であるか否かを判定する。基準温度T10は、冷房と暖房との境目となる温度ないしそれに近い温度(例えば20℃〜25℃)に設定される。
ステップSB6の判定がNOである場合には、ステップSB5に進んで、上記初回吹出モード選択で選択された吹出モード(つまりヒートモード)に決定する。一方、ステップSB6の判定がYESである場合には、ステップS7に進み、このステップS7で、エンジン冷間時制御を実行する。
このエンジン冷間時制御は、図8に示すように、エンジン冷却水の温度に応じて、デフロスタモード、ヒートデフモード及びヒートモードのいずれかの吹出モードに切り替える。すなわち、エンジン冷却水の温度が第1所定値B1以下では、デフロスタモードとなり、エンジン冷却水の温度が第1所定値B1よりも高くかつ第2所定値B2(第1所定値B1よりも高い値)以下では、ヒートデフモードとなり、エンジン冷却水の温度が第2所定値B2よりも高くかつ第3所定値B3(第2所定値B2よりも高い値であって該第3所定値B3よりも高いとエンジン温間時とされる温度)以下では、ヒートモードとなる。したがって、エンジン冷却水の温度が上昇するに連れて、デフロスタモード、ヒートデフモード及びヒートモードと順に切り替えていき、エンジン冷却水の温度が第3所定値B3よりも高くなると、図4に従って、ステップSA2で決定されたエアミックスドア46の開度に応じて、ベントモード、バイレベルモード及びヒートモードのいずれかの吹出モードに切り替える(エンジン温間時制御を実行する)。尚、ステップSB4の判定がNOでありかつステップSB6の判定がYESである場合には、通常、エンジン冷却水の温度は第3所定値B3以下である。
そして、上記ステップSB7のエンジン冷間時制御の後、ステップSB5に進んで、エンジン冷間時制御による吹出モードに決定する。
上記ステップSB2の判定がNOである場合、つまり既に初回吹出モード選択が実行されている場合には、ステップSB8に進み、このステップSB8で、エンジン冷間時制御中か否かを判定する。
ステップSB8の判定がYESである場合には、ステップSB7に進んで、エンジン冷間時制御を引き続き実行する。一方、ステップSB8の判定がNOである場合、つまり、ステップSB4の判定がYESである場合、ステップSB4の判定がNOであってもステップSB6の判定がNOである場合、又は、エンジン冷間時制御からエンジン温間時制御に移行した場合には、ステップSB9に進んで、エンジン温間時制御を実行する。
そして、上記ステップSB9のエンジン温間時制御の後、ステップSB5に進んで、エンジン温間時制御による吹出モードに決定する。
上記ステップSB3における初回吹出モード選択において、エアミックスドア46の開度に対応する吹出モードが2つ存在する場合(上記開度が、ベントモード及びバイレベルモードの切替ヒステリシス領域にあるか、又は、バイレベルモード及びヒートモードの切替ヒステリシス領域にある場合)における吹出モードの選択方法を、図7のフローチャートにより詳しく説明する。
最初のステップSC1で、車室内温度が、外気温度に所定温度T20を加えた温度以下であるか否かを判定する。所定温度T20は、乗員の空調フィーリング等に基づいて設定されるが、0℃ないしそれに近い温度(例えば−5℃以上5℃以下)であることが好ましく、より好ましいのは、0℃を超え5℃以下である。
ステップSC1の判定がYESである場合には、ステップSC2に進み、このステップSC2で、切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードが、ベントモード及びバイレベルモードであるか否かを判定する。
ステップSC2の判定がYESである場合、つまり上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合には、ステップSC3に進んで、バイレベルモードを選択する一方、ステップSC2の判定がNOである場合、つまり切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合には、ステップSC4に進んで、ヒートモードを選択する。
すなわち、冬場等のように、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度以下である場合には、イグニッションスイッチがオフからオンにされたときの、ヒステリシスにより存在する2つの吹出モードの一方の選択に関して、大きい側の開度に対応する吹出モードを選択する。つまり、上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合には、大きい側の開度に対応する吹出モードであるバイレベルモードを選択し、上記2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合には、大きい側の開度に対応する吹出モードであるヒートモードを選択する。このように暖房系ないし暖房寄りの吹出モードを選択する。
上記ステップSC1の判定がNOである場合には、ステップSC5に進み、このステップSC5で、イグニッションスイッチの当該オン直前のオフ開始から当該オン開始までの経過時間が所定時間以内であるか否か、つまり、イグニッションスイッチのオフ開始からの経過時間が所定時間以内であるときにおいて該イグニッションスイッチがオフからオンにされたか否かを判定する。上記所定時間は、冬場等において暖房による比較的高い温度からイグニッションスイッチのオフにより次第に低下していく車室内温度が、十分に低下していない最大時間(例えば10分以上15分以下)に設定される。
ステップSC5の判定がNOである場合には、ステップSC6に進み、このステップSC6で、切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードが、ベントモード及びバイレベルモードであるか否かを判定する。
ステップSC6の判定がYESである場合、つまり上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合には、ステップSC7に進んで、ベントモードを選択する一方、ステップSC2の判定がNOである場合、つまり切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合には、ステップSC8に進んで、バイレベルモードを選択する。
すなわち、夏場等のように、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度よりも高い場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択する。つまり、上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合には、小さい側の開度に対応する吹出モードであるベントモードを選択し、上記2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合には、小さい側の開度に対応する吹出モードであるバイレベルモードを選択する。このように冷房系ないし冷房寄りの吹出モードを選択する。
但し、冬場であっても、イグニッションスイッチのオフ開始からの経過時間が上記所定時間以内であるときにおいて該イグニッションスイッチがオフからオンにされたときには、イグニッションスイッチの上記オフ前の車室内の暖房(イグニッションスイッチの前回のオン中の暖房)により、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度よりも高くなっている可能性が高くなる。そこで、上記ステップSC5の判定を行って、ステップSC5の判定がNOである場合(イグニッションスイッチの当該オン直前のオフ開始から当該オン開始までの経過時間が上記所定時間を超える場合)に、上記の如く、冷房系ないし冷房寄りの吹出モードを選択する。
ステップSC5の判定がYESである場合(イグニッションスイッチの当該オン直前のオフ開始から当該オン開始までの経過時間が上記所定時間以内である場合)には、ステップSC9に進み、このステップSC9で、イグニッションスイッチの上記オフ直前の吹出モード(イグニッションスイッチの前回のオン中の最終の吹出モード)を判定する。
ステップSC9で、上記オフ直前の吹出モードがベントモードであると判定された場合には、ステップSC10に進み、このステップSC10で、切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードが、ベントモード及びバイレベルモードであるか否かを判定する。
ステップSC10の判定がYESである場合、つまり上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合には、ステップSC11に進んで、ベントモードを選択する一方、ステップSC10の判定がNOである場合、つまり切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合には、ステップSC12に進んで、バイレベルモードを選択する。
すなわち、イグニッションスイッチのオフからの経過時間が上記所定時間以内であるときにおいて該イグニッションスイッチがオフからオンにされたときに、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度よりも高い場合で、かつ、上記オフ直前の吹出モードがベントモードである場合において、上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合(上記2つの吹出モードのうちの1つが、上記オフ直前の吹出モードである場合)には、上記オフ直前の吹出モードであるベントモードを選択し、上記2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合(上記2つの吹出モードいずれも、上記オフ直前の吹出モードでない場合)には、該2つの吹出モードのうち、上記オフ直前の吹出モード(ベントモード)に対して、対応する開度が近い側の吹出モードであるバイレベルモードを選択する。
ステップSC9で、上記オフ直前の吹出モードがバイレベルモードであると判定された場合には、ステップSC13に進み、このステップSC13で、切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードが、ベントモード及びバイレベルモードであるか否かを判定する。
ステップSC13の判定がYESである場合、つまり上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合には、ステップSC14に進んで、バイレベルモードを選択する一方、ステップSC13の判定がNOである場合、つまり切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合には、ステップSC15に進んで、バイレベルモードを選択する。
すなわち、イグニッションスイッチのオフからの経過時間が上記所定時間以内であるときにおいて該イグニッションスイッチがオフからオンにされたときに、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度よりも高い場合で、かつ、上記オフ直前の吹出モードがバイレベルモードである場合においては、上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合も、上記2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合も、上記オフ直前の吹出モードであるバイレベルモードを選択する。
ステップSC9で、上記オフ直前の吹出モードがヒートモードであると判定された場合には、ステップSC16に進み、このステップSC16で、切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードが、ベントモード及びバイレベルモードであるか否かを判定する。
ステップSC16の判定がYESである場合、つまり上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合には、ステップSC17に進んで、バイレベルモードを選択する一方、ステップSC16の判定がNOである場合、つまり切替ヒステリシス領域における2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合には、ステップSC18に進んで、ヒートモードを選択する。
すなわち、イグニッションスイッチのオフからの経過時間が上記所定時間以内であるときにおいて該イグニッションスイッチがオフからオンにされたときに、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度よりも高い場合で、かつ、上記オフ直前の吹出モードがヒートモードである場合において、上記2つの吹出モードがベントモード及びバイレベルモードである場合(上記2つの吹出モードいずれも、上記オフ直前の吹出モードでない場合)には、上記2つの吹出モードのうち、上記オフ直前の吹出モード(ヒートモード)に対して、対応する開度が近い側の吹出モードであるバイレベルモードを選択し、上記2つの吹出モードがバイレベルモード及びヒートモードである場合(上記2つの吹出モードのうちの1つが、上記オフ直前の吹出モードである場合)には、上記オフ直前の吹出モードであるヒートモードを選択する。
尚、上記ステップSC5の判定をなくして、ステップSC1の判定がNOである場合には、ステップSC6に進むようにしてもよい。この場合、ステップSC9〜SC18の処理もなくなる。
したがって、本実施形態では、車両のイグニッションスイッチがオフからオンにされたときに、エアミックスドア46の開度に対応する吹出モードが、ヒステリシスによって2つ存在する場合において、車室内温度が、外気温度に所定温度T20を加えた温度以下である場合には、上記2つの吹出モードのうち、大きい側の開度に対応する吹出モードを選択する一方、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度よりも高い場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択するようにしたので、車室内温度と外気温度との関係から上記2つの吹出モードの一方を適切に選択して、乗員に対して快適な空調を安定的に実現することができる。
また、上記イグニッションスイッチがオンにされたときに、エアミックスドア46の開度に対応する吹出モードが、ヒステリシスによって2つ存在する場合で、かつ、車室内温度が、外気温度に上記所定温度T20を加えた温度よりも高い場合において、上記イグニッションスイッチの上記オン直前のオフ開始から上記オン開始までの経過時間が所定時間を超える場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択する一方、上記経過時間が上記所定時間以内である場合においては、上記2つの吹出モードのうちの1つが、上記イグニッションスイッチの上記オフ直前の吹出モードである場合には、該オフ直前の吹出モードを選択し、上記2つの吹出モードのいずれも、上記イグニッションスイッチのオフ直前の吹出モードでない場合には、該2つの吹出モードのうち、該オフ直前の吹出モードに対して、対応する開度が近い側の吹出モードを選択するようにしたので、冬場等において暖房による比較的高い温度からイグニッションスイッチのオフにより次第に低下していく車室内温度が、十分に低下していないような時間にイグニッションスイッチがオンされたときでも、冷房系ないし冷房寄りの吹出モードが選択されることはなく、暖房系ないし暖房寄りの吹出モードが選択される。したがって、乗員に対してより一層快適な空調を安定的に実現することができる。
本発明は、吹出モードの切替えの境界値にヒステリシスが設けられている車両用空調装置に有用である。
1 空調装置
2 エアコン制御ユニット(開度決定手段)(吹出モード切替手段)
22a 冷却通路
22b 加熱通路
35 エバポレータ(冷却用熱交換器)
43 ヒータコア(加熱用熱交換器)
44 エアミックス空間
46 エアミックスドア
48 エアミックスアクチュエータ(駆動手段)
60 吹出モードアクチュエータ(吹出モード切替手段)
65 外気センサ(外気温度検出手段)
66 内気センサ(車室内温度検出手段)

Claims (2)

  1. 車両の車室内への送風空気を冷却する冷却用熱交換器と、該送風空気を加熱する加熱用熱交換器と、上記冷却用熱交換器が配置される冷却通路と、上記加熱用熱交換器が配置される加熱通路と、該冷却通路及び加熱通路の下流端が連通し、該両通路からの空気が混合されて上記車室内へ送風される調和空気が生成されるエアミックス空間と、上記加熱通路入口の開度を変更して、上記調和空気の温度を調整するエアミックスドアと、該エアミックスドアによる上記加熱通路入口の開度を決定する開度決定手段と、該開度決定手段により決定された開度になるように上記エアミックスドアを駆動する駆動手段と、上記開度決定手段により決定された開度に応じて、上記調和空気の上記車室への吹出位置が互いに異なるように予め設定された複数の吹出モードの間で、吹出モードを切り替える吹出モード切替手段とを備え、該吹出モード切替手段による吹出モードの切替えの境界値にヒステリシスが設けられている車両用空調装置であって、
    上記車両周囲の外気温度を検出する外気温度検出手段と、
    上記車両の車室内温度を検出する車室内温度検出手段とを備え、
    上記吹出モード切替手段は、上記車両のイグニッションスイッチがオンにされたときに、上記開度決定手段により決定された開度に対応する吹出モードが、上記ヒステリシスによって2つ存在する場合において、上記車室内温度検出手段により検出された車室内温度が、上記外気温度検出手段により検出された外気温度に所定温度を加えた温度以下である場合には、上記2つの吹出モードのうち、大きい側の開度に対応する吹出モードを選択する一方、上記車室内温度が、上記外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高い場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1記載の車両用空調装置において、
    上記吹出モード切替手段は、上記車両のイグニッションスイッチがオンにされたときに、上記開度決定手段により決定された開度に対応する吹出モードが、上記ヒステリシスによって2つ存在する場合で、かつ、上記車室内温度が、上記外気温度に上記所定温度を加えた温度よりも高い場合において、上記イグニッションスイッチの上記オン直前のオフ開始から上記オン開始までの経過時間が所定時間を超える場合には、上記2つの吹出モードのうち、小さい側の開度に対応する吹出モードを選択する一方、上記経過時間が上記所定時間以内である場合においては、上記2つの吹出モードのうちの1つが、上記イグニッションスイッチの上記オフ直前の吹出モードである場合には、該オフ直前の吹出モードを選択し、上記2つの吹出モードのいずれも、上記イグニッションスイッチのオフ直前の吹出モードでない場合には、該2つの吹出モードのうち、該オフ直前の吹出モードに対して、対応する開度が近い側の吹出モードを選択するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
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