JP5465802B2 - 薄膜形成装置の洗浄方法、薄膜形成方法、薄膜形成装置及びプログラム - Google Patents

薄膜形成装置の洗浄方法、薄膜形成方法、薄膜形成装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、薄膜形成装置の洗浄方法、薄膜形成方法、薄膜形成装置及びプログラムに関する。
半導体装置の製造工程では、被処理体、例えば、半導体ウエハにCVD(Chemical Vapor Deposition)等の処理により薄膜を形成する薄膜形成処理が広く行われている。このような薄膜形成処理では、例えば、薄膜形成装置の反応管内の成膜用ガスにより反応生成物が生成され、この反応生成物が半導体ウエハの表面に堆積し、半導体ウエハの表面に薄膜が形成される。
ところで、薄膜形成処理によって生成される反応生成物は、半導体ウエハの表面だけでなく、例えば、反応管の内壁や各種の治具等の薄膜形成装置の内部にも堆積(付着)してしまう。このような付着物が薄膜形成装置内に付着した状態で薄膜形成処理を引き続き行うと、反応管を構成する石英と付着物との熱膨張率の違いにより応力が発生する。この応力によって石英や付着物が割れてパーティクルとなり、生産性が低下してしまう。
このため、反応管内にクリーニングガスとして、ハロゲン酸性ガス、例えば、フッ化水素等を供給して、反応管の内壁等の薄膜形成装置内に付着した反応生成物を除去(ドライエッチング)する薄膜形成装置の洗浄方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、クリーニングガスにフッ化水素を用いて薄膜形成装置を洗浄すると、副生成物である種々の珪フッ化物が発生する。珪フッ化物のうち、特に、フッ素原子を6以上持つ分子(ヘキサフルオロ珪酸:HSiF、珪フッ化アンモニウム:(NHSiF等)では、反応管内の圧力が、133Pa(1Torr)の減圧下であって100℃以上でないと、反応管の内壁等に付着してしまう。このため、フッ化水素を用いた薄膜形成装置の洗浄においては、反応管内の圧力を133Pa(1Torr)の減圧下で100℃以上に加熱したり、薄膜形成装置を洗浄した後に133Pa(1Torr)の減圧下で100℃以上に加熱して反応管の内壁等に付着した珪フッ化物を除去している。
特開平3−293726号公報
ところで、薄膜形成装置による薄膜の形成や薄膜形成装置の洗浄においては、反応管の温度を低温、例えば、常温にすることが求められている。このため、クリーニングガスにフッ化水素を用いて常温で薄膜形成装置を洗浄した場合には、反応管の内壁等に付着した珪フッ化物を除去するため、反応管内を100℃以上に加熱して珪フッ化物を除去し、再び、反応管内を常温まで戻して薄膜の形成を行っている。
しかし、反応管内を100℃以上に加熱した後に常温まで下げるのは時間がかかってしまう。このため、効率的に薄膜形成装置を洗浄する方法が求められている。
さらに、常温で薄膜の形成や洗浄を行う薄膜形成装置では、加熱ヒータ等の加熱部が設けられていないことがあり、反応管内に付着した珪フッ化物を除去するために、加熱部を取りつける必要があり、手間がかかるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、効率的に薄膜形成装置を洗浄することができる薄膜形成装置の洗浄方法等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る薄膜形成装置の洗浄方法は、
反応室内に収容された被処理体に処理ガスを供給して前記被処理体に薄膜を形成する薄膜形成装置の装置内部に付着した付着物を除去する薄膜形成装置の洗浄方法であって、
前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して、前記装置内部に付着した付着物を除去する洗浄工程と、
前記洗浄工程により装置内部に付着した珪フッ化物を除去する除去工程と、を備え、
前記除去工程では、前記反応室に酸化ガスを供給して前記洗浄工程により装置内部に付着した珪フッ化物を酸化する酸化工程と、前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して前記酸化された珪フッ化物を除去する酸化物除去工程と、を備え、前記酸化工程と前記酸化物除去工程とを複数回繰り返し、
前記洗浄工程では、前記反応室内の温度を前記被処理体に薄膜を形成する反応室内の温度と異なる温度に設定する、ことを特徴とする。
本発明の第2の観点に係る薄膜形成方法は、
被処理体に薄膜を形成する薄膜形成工程と、
本発明の第1の観点に係る薄膜形成装置の洗浄方法により薄膜形成装置を洗浄する洗浄工程と、
を備える、ことを特徴とする。
本発明の第3の観点に係る薄膜形成装置は、
反応室内に収容された被処理体に処理ガスを供給して前記被処理体に薄膜を形成するとともに、該薄膜を形成することにより装置内部に付着した付着物を除去する薄膜形成装置であって、
前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して、前記装置内部に付着した付着物を除去する洗浄手段と、
前記洗浄手段による洗浄により装置内部に付着した珪フッ化物を除去する除去手段と、
装置の各部を制御する制御手段と、を備え、
前記除去手段は、前記反応室に酸化ガスを供給して前記洗浄手段による洗浄により装置内部に付着した珪フッ化物を酸化する酸化手段と、前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して前記酸化された珪フッ化物を除去する酸化物除去手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記酸化手段を制御して、装置内部に付着した珪フッ化物を酸化させた後、前記酸化物除去手段を制御して、該酸化された珪フッ化物を除去する処理を複数回繰り返し、
前記洗浄手段による前記装置内部に付着した付着物を除去する際の前記反応室内の温度を、前記被処理体に薄膜を形成する反応室内の温度と異なる温度に設定する、ことを特徴とする。
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
反応室内に収容された被処理体に処理ガスを供給して前記被処理体に薄膜を形成するとともに、該薄膜を形成することにより装置内部に付着した付着物を除去する薄膜形成装置として機能させるためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して、前記装置内部に付着した付着物を除去する洗浄手段、
前記反応室に酸化ガスを供給して前記洗浄手段により装置内部に付着した珪フッ化物を酸化する酸化手段、
前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して前記酸化された珪フッ化物を除去する酸化物除去手段、
前記酸化手段を制御して、装置内部に付着した珪フッ化物を酸化させた後、前記酸化物除去手段を制御して、該酸化された珪フッ化物を除去する処理を複数回繰り返す制御手段、
として機能させ、
前記制御手段は、前記洗浄手段による前記装置内部に付着した付着物を除去する際の前記反応室内の温度を、前記被処理体に薄膜を形成する反応室内の温度と異なる温度に設定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、効率的に薄膜形成装置を洗浄することができる。
本発明の実施の形態の薄膜形成装置を示す図である。 図1の薄膜形成装置の断面構成を示す図である。 図1の制御部の構成を示す図である。 シリコン酸化膜の形成方法を説明する図である。 従来の方法に要する時間と本実施の形態の除去ステップに要する時間とを示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る薄膜形成装置の洗浄方法、薄膜形成方法、薄膜形成装置及びプログラムについて説明する。本実施の形態では、薄膜形成装置として、バッチ式の縦型薄膜形成装置を例に本発明を説明する。また、本実施の形態では、MLD(Molecular Layer Deposition)法を用いて、シリコン酸化膜を形成する場合を例に本発明を説明する。図1に本実施の形態の薄膜形成装置の構成を示す。また、図2に本実施の形態の薄膜形成装置の断面構成を示す。
図1に示すように、薄膜形成装置1は、長手方向が垂直方向に向けられた、有天井で略円筒状の反応管2を備えている。反応管2は、例えば、石英により形成されている。
反応管2の一側方には、反応管2内のガスを排気するための排気部3が配置されている。排気部3は、反応管2に沿って上方に延びるように形成され、図示しない反応管2の側壁に設けられた開口を介して、反応管2と連通する。排気部3の上端は、反応管2の上部に配置された排気口4に接続されている。この排気口4には図示しない排気管が接続され、排気管には図示しないバルブや後述する真空ポンプ127などの圧力調整機構が設けられている。この圧力調整機構により、反応管2内のガスが、開口、排気部3、排気口4を介して、排気管に排気され、反応管2内が所望の圧力(真空度)に制御される。
反応管2の下方には、蓋体5が配置されている。蓋体5は、例えば、石英により形成されている。また、蓋体5は、後述するボートエレベータ128により上下動可能に構成されている。そして、ボートエレベータ128により蓋体5が上昇すると、反応管2の下方側(炉口部分)が閉鎖され、ボートエレベータ128により蓋体5が下降すると、反応管2の下方側(炉口部分)が開口される。
蓋体5の上には、ウエハボート6が載置されている。ウエハボート6は、例えば、石英により形成されている。ウエハボート6は、半導体ウエハWが垂直方向に所定の間隔をおいて複数枚、収容可能に構成されている。
反応管2の下端近傍の側面には、反応管2内に処理ガスを供給する、処理ガス供給管8、9が挿通されている。本実施の形態では、半導体ウエハWにシリコン酸化膜を形成しているので、処理ガスには、ソースガス、酸化ガス、クリーニングガス、希釈ガス等が用いられている。ソースガスは、半導体ウエハWにソース(Si)を吸着させるガスであり、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)が用いられている。ソースガスは、後述する吸着ステップで用いられる。酸化ガスは、吸着されたソース(Si)を酸化するガスであり、本例では、酸素(O)が用いられている。酸化ガスは、後述する酸化ステップで用いられる。クリーニングガスは、装置内部に付着したシリコン酸化膜等を除去するガスであり、フッ化水素(HF)を含むガスが用いられている。クリーニングガスは、後述する洗浄ステップ、除去ステップの酸化物除去工程で用いられる。希釈ガスは、処理ガスを希釈するガスであり、本例では、窒素(N)が用いられている。
これらの処理ガスのうち、酸化ガスが処理ガス供給管8を介して反応管2内に供給される。この処理ガス供給管8は、後述するプラズマ発生部10に挿通されている。このため、処理ガス供給管8から供給された酸化ガスは、プラズマ励起(活性化)される。ソースガス、クリーニングガス、及び、希釈ガスは、処理ガス供給管9を介して反応管2内に供給される。また、パージガス(例えば、窒素(N))も処理ガス供給管9を介して反応管2内に供給される。なお、パージガスは、別途、パージガス供給管を介して反応管2内に供給してもよい。処理ガス供給管9は、図2に示すように、反応管2の内壁に配置されている。このため、処理ガス供給管9から供給されたソースガス、クリーニングガス、希釈ガス、及び、パージガスは、プラズマ励起(活性化)されない。処理ガス供給管9としては、例えば、分散インジェクタが用いられる。
各処理ガス供給管8、9には、垂直方向の所定間隔ごとに供給孔が設けられており、供給孔から反応管2内に処理ガスが供給される。このため、図1に矢印で示すように、処理ガスが垂直方向の複数箇所から反応管2内に供給される。また、各処理ガス供給管8、9は、後述するマスフローコントローラ(MFC)125を介して、図示しない処理ガス供給源に接続されている。なお、図1では、後述するプラズマ処理を行う処理ガスを供給する処理ガス供給管8(本実施の形態では、酸化ガスを供給する処理ガス供給管)のみを図示している。また、図2では、酸化ガスを供給する処理ガス供給管8と、後述するプラズマ処理を行わない処理ガスを供給する処理ガス供給管9(本実施の形態では、ソースガスやパージガスを供給する処理ガス供給管)と、を図示している。
反応管2の他側方、すなわち、排気部3が配置されている反応管2の一側方の反対側には、プラズマ発生部10が設けられている。プラズマ発生部10は、一対の電極11等を備えている。一対の電極11間には、処理ガス供給管8が挿通されている。一対の電極11は、図示しない高周波電源、整合器等に接続されている。そして、一対の電極11間に高周波電源から整合器を介して高周波電力を印加することにより、一対の電極11間に供給された処理ガスをプラズマ励起(活性化)させ、例えば、酸素ラジカル(O )を生成する。このように生成された酸素ラジカル(O )等がプラズマ発生部10から反応管2内に供給される。
また、反応管2内には、反応管2内の温度を測定する、例えば、熱電対からなる温度センサ122、及び、反応管2内の圧力を測定する圧力計123が複数本配置されている。
また、薄膜形成装置1は、装置各部の制御を行う制御部100を備えている。図3に制御部100の構成を示す。図3に示すように、制御部100には、操作パネル121、温度センサ(群)122、圧力計(群)123、MFC125、バルブ制御部126、真空ポンプ127、ボートエレベータ128、プラズマ制御部129等が接続されている。
操作パネル121は、表示画面と操作ボタンとを備え、オペレータの操作指示を制御部100に伝え、また、制御部100からの様々な情報を表示画面に表示する。
温度センサ(群)122は、反応管2内及び排気管内などの各部の温度を測定し、その測定値を制御部100に通知する。
圧力計(群)123は、反応管2内及び排気管内などの各部の圧力を測定し、その測定値を制御部100に通知する。
MFC125は、処理ガス供給管8、9等の各配管に配置され、各配管を流れるガスの流量を制御部100から指示された量に制御するとともに、実際に流れたガスの流量を測定して、制御部100に通知する。
バルブ制御部126は、各配管に配置され、各配管に配置された弁の開度を制御部100から指示された値に制御する。
真空ポンプ127は、排気管に接続され、反応管2内のガスを排気する。
ボートエレベータ128は、蓋体5を上昇させることにより、ウエハボート6(半導体ウエハW)を反応管2内にロードし、蓋体5を下降させることにより、ウエハボート6(半導体ウエハW)を反応管2内からアンロードする。
プラズマ制御部129は、プラズマ発生部10を制御するためのものであり、制御部100からの指示に応答して、プラズマ発生部10を制御し、プラズマ発生部10内に供給された、例えば、酸素を活性化し、酸素ラジカル(O )等を生成させる。
制御部100は、レシピ記憶部111と、ROM112と、RAM113と、I/Oポート114と、CPU115と、これらを相互に接続するバス116とから構成されている。
レシピ記憶部111には、セットアップ用レシピと複数のプロセス用レシピとが記憶されている。薄膜形成装置1の製造当初は、セットアップ用レシピのみが格納される。セットアップ用レシピは、各処理装置に応じた熱モデル等を生成する際に実行されるものである。プロセス用レシピは、ユーザが実際に行う熱処理(プロセス)毎に用意されるレシピであり、反応管2への半導体ウエハWのロードから、処理済みの半導体ウエハWをアンロードするまでの、各部の温度の変化、反応管2内の圧力変化、処理ガスの供給の開始及び停止のタイミングと供給量などを規定する。
ROM112は、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスクなどから構成され、CPU115の動作プログラム等を記憶する記録媒体である。
RAM113は、CPU115のワークエリアなどとして機能する。
I/Oポート114は、操作パネル121、温度センサ122、圧力計123、MFC125、バルブ制御部126、真空ポンプ127、ボートエレベータ128、プラズマ制御部129等に接続され、データや信号の入出力を制御する。
CPU(Central Processing Unit)115は、制御部100の中枢を構成し、ROM112に記憶された制御プログラムを実行する。また、CPU115は、操作パネル121からの指示に従って、レシピ記憶部111に記憶されているレシピ(プロセス用レシピ)に沿って、薄膜形成装置1の動作を制御する。すなわち、CPU115は、温度センサ(群)122、圧力計(群)123、MFC125等に反応管2内及び排気管内などの各部の温度、圧力、流量等を測定させ、この測定データに基づいて、MFC125、バルブ制御部126、真空ポンプ127等に制御信号等を出力し、上記各部がプロセス用レシピに従うように制御する。
バス116は、各部の間で情報を伝達する。
次に、以上のように構成された薄膜形成装置1を用い、シリコン酸化膜の成膜、及び、薄膜形成装置1の洗浄方法を含む、シリコン酸化膜の形成方法(薄膜形成方法)について説明する。図4は、シリコン酸化膜の形成方法を説明するためのレシピ(タイムシーケンス)を示す図である。
本実施の形態のシリコン酸化膜の成膜では、MLD(Molecular Layer Deposition)法により、室温(例えば、30℃)下で、半導体ウエハW上にシリコン酸化膜を形成する。シリコン酸化膜の成膜では、図4に示すように、半導体ウエハWの表面にシリコン(Si)を含むシリコン含有物質(以下、「シリコン、または、Si」という)を吸着する吸着ステップと、吸着されたSiを酸化する酸化ステップとを備えており、これらのステップがMLD法の1サイクルを示している。また、図4に示すように、本実施の形態では、ソースガスとしてDIPAS、酸化ガスとして酸素(O)、希釈ガスとして窒素(N)を用いている。この図4のレシピに示すサイクルを複数回、例えば、100サイクル実行する(繰り返す)ことにより、半導体ウエハW上に所望のシリコン酸化膜が形成される。
また、本実施の形態の薄膜形成装置1の洗浄方法では、室温(例えば、30℃)下で、薄膜形成装置1の内部に付着したシリコン酸化膜をフッ化水素(HF)で洗浄する洗浄ステップと、洗浄ステップにより装置内部に付着した副生成物である珪フッ化物を除去する除去ステップとを備えている。除去ステップは、珪フッ化物を酸化ガスを用いて酸化する酸化工程と、酸化された珪フッ化物をHFで除去する酸化物除去工程とを備えており、これらの工程が1サイクルとなる。また、図4に示すように、本実施の形態では、酸化ガスとして酸素(O)を用いている。この図4のレシピに示すサイクルを複数回、例えば、10サイクル実行する(繰り返す)ことにより、装置内部に付着した珪フッ化物が除去される。
なお、以下の説明において、薄膜形成装置1を構成する各部の動作は、制御部100(CPU115)により制御されている。また、各処理における反応管2内の温度、圧力、ガスの流量等は、前述のように、制御部100(CPU115)がMFC125(処理ガス供給管8、9)、バルブ制御部126、真空ポンプ127、プラズマ制御部129(プラズマ発生部10)等を制御することにより、図4に示すレシピに従った条件に設定される。
まず、被処理体としての半導体ウエハWを反応管2内に収容(ロード)する。具体的には、反応管2内に所定量の窒素を供給し、半導体ウエハWを収容したウエハボート6を蓋体5上に載置する。そして、ボートエレベータ128により蓋体5を上昇させ、半導体ウエハW(ウエハボート6)を反応管2内にロードする。
次に、半導体ウエハWの表面にSiを吸着させる吸着ステップを実行する。吸着ステップは、半導体ウエハWにソースガスを供給して、その表面にSiを吸着させる工程である。本実施の形態では、半導体ウエハWにDIPASを供給することにより半導体ウエハWにSiを吸着させている。
吸着ステップでは、まず、反応管2内を所定の温度、例えば、図4(a)に示すように、室温(例えば、30℃)にする。なお、本例では、反応管2内を室温に設定することから、反応管2内を加熱していない。また、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給するとともに、反応管2内のガスを排出し、反応管2を所定の圧力、例えば、図4(b)に示すように、66.5Pa(0.5Torr)に設定する。そして、処理ガス供給管9からDIPASを所定量、例えば、図4(d)に示すように、0.3slmと、図4(c)に示すように、所定量の窒素を反応管2内に供給する(フロー工程)。反応管2内にDIPASが供給されると、供給されたDIPASが半導体ウエハWの表面と反応し、半導体ウエハWの表面にSiが吸着する。
ここで、シリコン酸化膜の形成方法においては、成膜シーケンス上、反応管2内の温度を変化させないことが好ましい。このため、本実施の形態では、後述するように、酸化ステップにおいても反応管2内の温度を変化させず、室温(30℃)としている。
反応管2内の温度は、−32℃〜100℃にすることが好ましい。反応管2内の温度が−32℃より低くなると、ソースガスであるDIPASが供給できなくなるおそれが生じるためである。これは、図示しないDIPASの処理ガス供給源から処理ガス供給管9、MFC125などの圧損を考慮した実用的蒸気圧が得られる下限温度が−32℃であり、−32℃がDIPASの供給限界と考えられるためである。また、反応管2内の温度が100℃より高くなると、効率的に薄膜形成装置を洗浄するという本発明の特徴(機能)を発揮することができなくなるためである。反応管2内の温度は、室温(例えば、25℃〜35℃)〜80℃にすることがより好ましく、室温〜60℃とすることがさらに好ましく、室温にすることが最も好ましい。
DIPASの供給量は、10sccm〜10slmにすることが好ましい。10sccmより少ないと半導体ウエハWの表面に十分なDIPASが供給されないおそれが生じ、10slmより多いと反応に寄与しないDIPASが多くなってしまうおそれが生じるためである。DIPASの供給量は、0.05slm〜3slmにすることがさらに好ましい。かかる範囲にすることにより、半導体ウエハWの表面とDIPASとの反応が促進されるためである。
反応管2内の圧力は、0.133Pa(0.001Torr)〜13.3kPa(100Torr)にすることが好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、半導体ウエハWの表面とDIPASとの反応を促進することができるためである。
なお、ソースガスに、DIPASという1価のアミノシランを用いているので、2〜4価のアミノシランを用いる場合に比べ、吸着工程で吸着された吸着物中に窒素(N)が含まれにくくなり、良質なシリコン酸化膜を形成することができる。また、Si吸着の際に構造障害が発生しにくく、他の分子の吸着を妨げにくくなるので、吸着速度が遅くならず、生産性が低下しなくなる。さらに、ソースガスにDIPASを用いているので、熱安定性に優れ、流量制御が容易となる。また、従来のソース供給方式の装置を使用することができ、汎用性を有している。
吸着ステップのフロー工程を、1〜3秒(sec)、例えば、図4(h)に示すように、2秒間実施し、半導体ウエハWの表面に所定量のSiが吸着すると、処理ガス供給管9からのDIPAS及び窒素の供給を停止する。そして、反応管2内のガスを排出するとともに、例えば、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給して反応管2内のガスを反応管2外に排出する(パージ、Vacuum工程)。
続いて、半導体ウエハWの表面を酸化する酸化ステップを実行する。酸化ステップは、Siが吸着された半導体ウエハW上に酸化ガスを供給して、吸着されたSiを酸化する工程である。本実施の形態では、半導体ウエハW上に酸素(酸素ラジカル)を供給することにより吸着されたSiを酸化している。
酸化ステップでは、反応管2内を所定の温度、例えば、図4(a)に示すように、室温(30℃)とする。また、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給するとともに、反応管2内のガスを排出し、反応管2を所定の圧力、例えば、図4(b)に示すように、66.5Pa(0.5Torr)に設定する。そして、電極11間に図示しない高周波電源から整合器を介して高周波電力を、例えば、図4(f)に示すように、500W印加する。また、処理ガス供給管8から酸素を所定量、例えば、図4(e)に示すように、1slmを一対の電極11間(プラズマ発生部10内)に供給する。一対の電極11間に供給された酸素はプラズマ励起(活性化)され、酸素ラジカル(O)を生成する。このように生成された酸素ラジカルがプラズマ発生部10から反応管2内に供給される。また、図4(c)に示すように、処理ガス供給管9から希釈ガスとしての所定量の窒素を反応管2内に供給する(フロー工程)。反応管2内に酸素ラジカルが供給されると、半導体ウエハW上に吸着されたSiが酸化され、半導体ウエハW上にシリコン酸化膜が形成される。
ここで、酸素の供給量は、0.1sccm〜10slmにすることが好ましい。かかる範囲にすることにより、プラズマを問題なく発生できるとともにシリコン酸化膜を形成するのに十分な酸素ラジカルを供給できるためである。酸素の供給量は、0.5slm〜5slmにすることがさらに好ましい。かかる範囲にすることにより、プラズマを安定して発生させることができるためである。
RFパワーは、10W〜1500Wにすることが好ましい。10Wより少ないと、酸素ラジカルが生成しにくくなり、1500Wを超えると、プラズマ発生部10を構成する石英壁がダメージを受けるおそれが生じるためである。RFパワーは、50W〜500Wとすることがさらに好ましい。かかる範囲にすることにより、酸素ラジカルを効率的に生成することができるためである。
反応管2内の圧力は、0.133Pa(0.001Torr)〜13.3kPa(100Torr)にすることが好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、酸素ラジカルが発生しやすく、かつ、半導体ウエハWが置かれた空間における酸素ラジカルの平均自由行程が大きくなるためである。反応管2内の圧力は、25Pa(0.2Torr)〜400Pa(3Torr)にすることがさらに好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、反応管2内の圧力制御が容易になるためである。
また、プラズマ発生部10内の圧力は、0.133Pa(0.001Torr)〜13.3kPa(100Torr)にすることが好ましく、70Pa(0.53Torr)〜400Pa(3Torr)にすることがさらに好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、プラズマを問題なく発生できるとともにシリコン酸化膜を形成するのに十分な酸素ラジカルを供給できるためである。
酸化ステップのフロー工程を、5〜30秒、例えば、図4(h)に示すように、8秒間実施し、半導体ウエハW上に所望のシリコン酸化膜が形成されると、処理ガス供給管8から酸素の供給を停止するとともに、図示しない高周波電源からの高周波電力の印加を停止する。また、処理ガス供給管9からの窒素の供給を停止する。そして、反応管2内のガスを排出するとともに、図4(c)に示すように、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給して反応管2内のガスを反応管2外に排出する(パージ、Vacuum工程)。
これにより、吸着ステップと、酸化ステップとからなる、MLD法の1サイクルが終了する。
続いて、再び、吸着ステップから始まるMLD法の1サイクルを開始する。そして、このサイクルを所定回数繰り返す。これにより、半導体ウエハWの表面にDIPASを供給してSiを吸着させ、吸着されたSiを酸化することにより、さらにシリコン酸化膜が形成される。この結果、半導体ウエハW上に所望厚のシリコン酸化膜が形成される。
半導体ウエハW上に所望厚のシリコン酸化膜が形成されると、半導体ウエハWをアンロードする。具体的には、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給して、反応管2内の圧力を常圧に戻す。そして、ボートエレベータ128により蓋体5を下降させることにより、半導体ウエハWがアンロードされる。
以上のような成膜処理を複数回行うと、成膜処理によって生成されるシリコン酸化膜等の反応生成物(付着物)が、半導体ウエハWの表面だけでなく、反応管2の内壁等にも堆積(付着)する。このため、成膜処理を所定回数行った後、洗浄処理(薄膜形成装置1の洗浄方法)を実行する。
まず、反応管2内を所定の温度、例えば、図4(a)に示すように、室温(30℃)とする。また、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給する。次に、半導体ウエハWが収容されていない空のウエハボート6を蓋体5上に載置し、ボートエレベータ128により蓋体5を上昇させ、空のウエハボート6を反応管2内にロードする。
次に、薄膜形成装置1の内部に付着した付着物をフッ化水素(HF)を含むクリーニングガスで洗浄する洗浄ステップを実行する。
まず、処理ガス供給管9から、図4(c)に示すように、反応管2内に所定量の窒素を供給するとともに、反応管2内のガスを排出し、反応管2を所定の圧力、例えば、図4(b)に示すように、5320Pa(40Torr)に設定する。次に、処理ガス供給管9から所定量のクリーニングガスを反応管2内に供給する。本例では、例えば、図4(g)に示すように、フッ化水素を1slm供給するとともに、図4(c)に示すように、所定量の窒素を供給する(フロー工程)。反応管2内にクリーニングガスが供給されると、供給されたフッ化水素が装置内部に付着した付着物と反応し、付着物が除去される。ただし、この反応の副生成物である珪フッ化物が反応管2等の装置内部に付着する。
ここで、フッ化水素の供給量は、10sccm〜10slmにすることが好ましい。10sccmより少ないと装置内部に付着した付着物に十分なフッ化水素が供給されないおそれが生じ、10slmより多いと反応に寄与しないフッ化水素が多くなってしまうおそれが生じるためである。フッ化水素の供給量は、0.05slm〜3slmにすることがさらに好ましい。かかる範囲にすることにより、付着物とフッ化水素との反応が促進されるためである。
反応管2内の圧力は、0.133Pa(0.001Torr)〜101.3kPa(760Torr)にすることが好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、付着物とフッ化水素との反応が促進されるためである。
洗浄ステップのフロー工程を所定時間実施し、付着物が除去されると、処理ガス供給管9からのフッ化水素及び窒素の供給を停止する。そして、反応管2内のガスを排出するとともに、例えば、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給して反応管2内のガスを反応管2外に排出する(パージ、Vacuum工程)。
続いて、洗浄ステップにより装置内部に付着した副生成物である珪フッ化物を除去する除去ステップを実行する。まず、珪フッ化物を酸化ガスを用いて酸化する酸化工程を実行する。
酸化工程では、処理ガス供給管9から反応管2内に所定量の窒素を供給するとともに、反応管2内のガスを排出し、反応管2を所定の圧力、例えば、図4(b)に示すように、66.5Pa(0.5Torr)に設定する。そして、電極11間に図示しない高周波電源から整合器を介して高周波電力を、例えば、図4(f)に示すように、500W印加する。また、処理ガス供給管8から酸素を所定量、例えば、図4(e)に示すように、1slmを一対の電極11間(プラズマ発生部10内)に供給する。一対の電極11間に供給された酸素はプラズマ励起(活性化)され、酸素ラジカル(O)を生成する。このように生成された酸素ラジカルがプラズマ発生部10から反応管2内に供給される。また、図4(c)に示すように、処理ガス供給管9から希釈ガスとしての所定量の窒素を反応管2内に供給する(フロー工程)。反応管2内に酸素ラジカルが供給されると、装置内部に付着した珪フッ化物が酸化される。
酸素の供給量は、0.1sccm〜10slmにすることが好ましい。かかる範囲にすることにより、プラズマを問題なく発生できるとともに装置内部に付着した珪フッ化物を酸化するのに十分な酸素ラジカルを供給できるためである。酸素の供給量は、0.5slm〜5slmにすることがさらに好ましい。かかる範囲にすることにより、プラズマを安定して発生させることができるためである。
RFパワーは、10W〜1500Wにすることが好ましい。10Wより少ないと、酸素ラジカルが生成しにくくなり、1500Wを超えると、プラズマ発生部10を構成する石英壁がダメージを受けるおそれが生じるためである。RFパワーは、50W〜500Wとすることがさらに好ましい。かかる範囲にすることにより、酸素ラジカルを効率的に生成することができるためである。
反応管2内の圧力は、0.133Pa(0.001Torr)〜13.3kPa(100Torr)にすることが好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、酸素ラジカルが発生しやすいためである。反応管2内の圧力は、25Pa(0.2Torr)〜400Pa(3Torr)にすることがさらに好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、反応管2内の圧力制御が容易になるためである。
また、プラズマ発生部10内の圧力は、0.133Pa(0.001Torr)〜13.3kPa(100Torr)にすることが好ましく、70Pa(0.53Torr)〜400Pa(3Torr)にすることがさらに好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、プラズマを問題なく発生できるとともに装置内部に付着した珪フッ化物を酸化するのに十分な酸素ラジカルを供給できるためである。
除去ステップの酸化工程を、例えば、図4(h)に示すように、300秒(5分)間実施し、装置内部に付着した珪フッ化物が酸化されると、処理ガス供給管8から酸素の供給を停止するとともに、図示しない高周波電源からの高周波電力の印加を停止する。また、処理ガス供給管9からの窒素の供給を停止する。
続いて、酸化工程で酸化された珪フッ化物をフッ化水素で除去する酸化物除去工程を実行する。
まず、処理ガス供給管9から、図4(c)に示すように、反応管2内に所定量の窒素を供給するとともに、反応管2内のガスを排出し、反応管2を所定の圧力、例えば、図4(b)に示すように、5320Pa(40Torr)に設定する。次に、処理ガス供給管9から所定量のクリーニングガスを反応管2内に供給する。本例では、例えば、図4(g)に示すように、フッ化水素を1slm供給するとともに、図4(c)に示すように、所定量の窒素を供給する。
フッ化水素の供給量は、10sccm〜10slmにすることが好ましい。10sccmより少ないと酸化工程で酸化された珪フッ化物に十分なフッ化水素が供給されないおそれが生じ、10slmより多いと反応に寄与しないフッ化水素が多くなってしまうおそれが生じるためである。フッ化水素の供給量は、0.05slm〜3slmにすることがさらに好ましい。かかる範囲にすることにより、酸化された珪フッ化物とフッ化水素との反応が促進されるためである。
反応管2内の圧力は、0.133Pa(0.001Torr)〜101.3kPa(760Torr)にすることが好ましい。かかる範囲の圧力にすることにより、酸化された珪フッ化物とフッ化水素との反応が促進されるためである。
反応管2内にクリーニングガスが供給されると、酸化工程で酸化された珪フッ化物とフッ化水素とが反応し、酸化された珪フッ化物が除去される。なお、酸化物除去工程でも、反応管2等の装置内部に珪フッ化物が付着するが、この付着した珪フッ化物の量は、洗浄ステップで付着した珪フッ化物の量より少なくなる。
除去ステップの酸化物除去工程を、例えば、図4(h)に示すように、300秒(5分)間実施し、酸化された珪フッ化物が除去されると、処理ガス供給管9からのフッ化水素及び窒素の供給を停止する。これにより、酸化工程と酸化物除去工程とからなる除去ステップの1サイクルが終了する。
続いて、再び、酸化工程から始まる、次の1サイクルを開始する。そして、このサイクルを所定回数、例えば、10回繰り返す。これにより、装置内部に付着した珪フッ化物が除去され、除去ステップが終了する。
以上のような洗浄方法により薄膜形成装置1を洗浄した後、ボートエレベータ128により下降された蓋体5上に、半導体ウエハWが収容されたウエハボート6を載置することにより、半導体ウエハW上にシリコン酸化膜を形成する成膜処理を再び行うことが可能になる。
次に、以上のような薄膜形成装置1を用いて、成膜処理、及び、洗浄処理を実行することにより、薄膜形成装置1の内部に付着した付着物を除去することができるか否かについての確認を行った。具体的には、図4に示す成膜処理で半導体ウエハW上にシリコン酸化膜を形成し、反応管2の壁面に1μmの酸化珪素等の反応生成物を堆積させた後、図4に示す洗浄処理で反応管2の洗浄を行い、洗浄処理後の反応管2の壁面の表面状態を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真により確認した。この結果、反応管2の壁面等に堆積された反応生成物が除去されていることが確認できた。
また、従来の反応管内を100℃以上に加熱して珪フッ化物を除去し、再び、反応管内を常温まで戻す場合の時間と、本実施の形態の洗浄処理の除去ステップに要する時間とを比較し、効率的に薄膜形成装置を洗浄することができるか否かについての確認を行った。図5は、従来の方法に要する時間と、本実施の形態の除去ステップに要する時間とを示す図である。
図5に示すように、従来の150分掛かっていたものが本発明の除去ステップとすることにより100分にすることができ、50分の時間短縮が可能であることが確認できた。このため、本発明は、効率的に薄膜形成装置を洗浄することができることが確認できた。
以上説明したように、本実施の形態によれば、洗浄処理において、酸化工程と酸化物除去工程とからなる除去ステップを実行することにより、効率的に薄膜形成装置を洗浄することができる。
また、本実施の形態によれば、成膜処理及び洗浄処理を室温下で行っているので、加熱ヒータ等の加熱部が設けられていない薄膜形成装置1を用いることができる。また、加熱部が設けられていない薄膜形成装置1を用いても、反応管2等に付着した珪フッ化物を除去するために、加熱部を取りつける必要がなくなり、効率的に薄膜形成装置を洗浄することができる。
また、本実施の形態によれば、ソースガスにDIPASを用いているので、吸着速度が遅くならず、生産性が低下しなくなる。さらに、熱安定性に優れ、流量制御が容易となる。加えて、従来のソース供給方式の装置を使用することができ、汎用性を有している。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
上記実施の形態では、酸化ガスとして酸素を用いた場合を例に本発明を説明したが、例えば、オゾン(O)、水蒸気(HO)等であってもよい。例えば、酸化ガスとしてオゾンを用いる場合には、反応管2内の温度を−32℃〜100℃、圧力を655Pa(5Torr)とし、酸素(O)を10slm、オゾンを250g/Nm程度とすることが好ましい。
上記実施の形態では、加熱ヒータ等の加熱部が設けられていない薄膜形成装置1を用いた場合を例に本発明を説明したが、加熱ヒータ等の加熱部が設けられている薄膜形成装置や冷却部が設けられている薄膜形成装置を用いてもよい。
上記実施の形態では、プラズマにより酸素ラジカルを発生させた場合を例に本発明を説明したが、本発明は、酸化ガスを活性化させることができるものであればよく、例えば、触媒、UV、磁力などを用いてもよい。
上記実施の形態では、半導体ウエハW上にシリコン酸化膜を形成する場合を例に本発明を説明したが、本発明により形成される薄膜はシリコン酸化膜に限定されるものではなく、例えば、シリコン窒化膜であってもよい。この場合、例えば、DIPASを用いてSiを吸着させる吸着ステップと、この吸着したSiを窒化ガスを用いて窒化させる窒化ステップとからなるサイクルを複数回繰り返すことにより、半導体ウエハW上にシリコン窒化膜を形成することができる。窒化ガスとしては、例えば、アンモニア(NH)、一酸化二窒素(NO)、一酸化窒素(NO)、窒素(N)などがある。
上記実施の形態では、吸着ステップ及び酸化ステップのフロー工程後にパージ、Vacuum工程を実施した場合を例に本発明を説明したが、例えば、パージすることなく反応管2内のガスを排気するVacuum工程を実施してもよい。
上記実施の形態では、酸化工程と酸化物除去工程とを10サイクル実行した場合を例に本発明を説明したが、例えば、5サイクル、7サイクルのように、サイクル数を少なくしてもよい。また、12サイクル、14サイクルのように、サイクル数を多くしてもよい。この場合にも、サイクル数に応じて、例えば、フッ化水素の流量等を調整することにより効率的に薄膜形成装置を洗浄することができる。
上記実施の形態では、フッ化水素等の処理ガス供給時に希釈ガスとしての窒素を供給する場合を例に本発明を説明したが、処理ガス供給時に窒素を供給しなくてもよい。ただし、窒素を希釈ガスとして含ませることにより処理時間の設定等が容易になることから、希釈ガスを含ませることが好ましい。希釈ガスとしては、不活性ガスであることが好ましく、窒素の他に、例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)が適用できる。
上記実施の形態では、プラズマ処理を行う処理ガスを供給する処理ガス供給管8と、プラズマ処理を行わない処理ガスを供給する処理ガス供給管9が設けられている場合を例に本発明を説明したが、例えば、処理ガスの種類毎に処理ガス供給管が設けられていてもよい。また、複数本から同じガスが供給されるように、反応管2の下端近傍の側面に、複数本の処理ガス供給管8、9が挿通されていてもよい。この場合、複数本の処理ガス供給管8、9から反応管2内に処理ガスが供給され、反応管2内に処理ガスをより均一に供給することができる。
本実施の形態では、薄膜形成装置1として、単管構造のバッチ式の処理装置の場合を例に本発明を説明したが、例えば、反応管2が内管と外管とから構成された二重管構造のバッチ式の縦型処理装置に本発明を適用することも可能である。また、バッチ式の横型処理装置や枚葉式の処理装置に本発明を適用することも可能である。また、被処理体は半導体ウエハWに限定されるものではなく、例えば、LCD用のガラス基板であってもよい。
本発明の実施の形態にかかる制御部100は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する制御部100を構成することができる。
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
本発明は、低温下での良質な薄膜の形成に有用である。
1 薄膜形成装置
2 反応管
3 排気部
4 排気口
5 蓋体
6 ウエハボート
8、9 処理ガス供給管
10 プラズマ発生部
11 電極
100 制御部
111 レシピ記憶部
112 ROM
113 RAM
114 I/Oポート
115 CPU
116 バス
121 操作パネル
122 温度センサ
123 圧力計
125 MFC
126 バルブ制御部
127 真空ポンプ
128 ボートエレベータ
129 プラズマ制御部
W 半導体ウエハ

Claims (4)

  1. 反応室内に収容された被処理体に処理ガスを供給して前記被処理体に薄膜を形成する薄膜形成装置の装置内部に付着した付着物を除去する薄膜形成装置の洗浄方法であって、
    前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して、前記装置内部に付着した付着物を除去する洗浄工程と、
    前記洗浄工程により装置内部に付着した珪フッ化物を除去する除去工程と、を備え、
    前記除去工程では、前記反応室に酸化ガスを供給して前記洗浄工程により装置内部に付着した珪フッ化物を酸化する酸化工程と、前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して前記酸化された珪フッ化物を除去する酸化物除去工程と、を備え、前記酸化工程と前記酸化物除去工程とを複数回繰り返し、
    前記洗浄工程では、前記反応室内の温度を前記被処理体に薄膜を形成する反応室内の温度と異なる温度に設定する、ことを特徴とする薄膜形成装置の洗浄方法。
  2. 被処理体に薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    請求項1に記載の薄膜形成装置の洗浄方法により薄膜形成装置を洗浄する洗浄工程と、
    を備える、ことを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 反応室内に収容された被処理体に処理ガスを供給して前記被処理体に薄膜を形成するとともに、該薄膜を形成することにより装置内部に付着した付着物を除去する薄膜形成装置であって、
    前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して、前記装置内部に付着した付着物を除去する洗浄手段と、
    前記洗浄手段による洗浄により装置内部に付着した珪フッ化物を除去する除去手段と、
    装置の各部を制御する制御手段と、を備え、
    前記除去手段は、前記反応室に酸化ガスを供給して前記洗浄手段による洗浄により装置内部に付着した珪フッ化物を酸化する酸化手段と、前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して前記酸化された珪フッ化物を除去する酸化物除去手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記酸化手段を制御して、装置内部に付着した珪フッ化物を酸化させた後、前記酸化物除去手段を制御して、該酸化された珪フッ化物を除去する処理を複数回繰り返し、
    前記洗浄手段による前記装置内部に付着した付着物を除去する際の前記反応室内の温度を、前記被処理体に薄膜を形成する反応室内の温度と異なる温度に設定する、ことを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 反応室内に収容された被処理体に処理ガスを供給して前記被処理体に薄膜を形成するとともに、該薄膜を形成することにより装置内部に付着した付着物を除去する薄膜形成装置として機能させるためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して、前記装置内部に付着した付着物を除去する洗浄手段、
    前記反応室に酸化ガスを供給して前記洗浄手段により装置内部に付着した珪フッ化物を酸化する酸化手段、
    前記反応室にフッ化水素を含むクリーニングガスを供給して前記酸化された珪フッ化物を除去する酸化物除去手段、
    前記酸化手段を制御して、装置内部に付着した珪フッ化物を酸化させた後、前記酸化物除去手段を制御して、該酸化された珪フッ化物を除去する処理を複数回繰り返す制御手段、
    として機能させ、
    前記制御手段は、前記洗浄手段による前記装置内部に付着した付着物を除去する際の前記反応室内の温度を、前記被処理体に薄膜を形成する反応室内の温度と異なる温度に設定する、ことを特徴とするプログラム。
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