JP5464871B2 - 清掃用シート - Google Patents
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Description
一般に、この清掃用シートは、単一のまたは複数枚の不織布で形成され、水や洗浄液を含んだ状態で使用されるウェットタイプのものや、乾燥状態で使用するドライタイプのものがある。
ウェットタイプの清掃用シートの一例として、例えば、特許文献1には、親水性繊維と疎水性繊維との間に撥水層を設け、親水性繊維に含まれた液体が疎水性繊維に移行するのを遮断させる清掃シートが提案されている。
また、ドライタイプの清掃用シートの一例として、例えば、特許文献2には、樹脂フィルムの片面に、汚れの拭き取り性を有する不織布を積層し、他面に微細気泡の吸盤作用によって吸着性を有するポリマーシートを積層したワイピングシートが提案されている。
すなわち、特許文献1、2のシートは何れも、効果的に水分を吸収、放出できる仕様ではないという問題を有していた。
少なくとも3層以上からなる積層構造を備えた清掃用シートにおいて、
前記積層構造は、親水性を有する親水層と、疎水性を有する疎水層と、前記親水層及び前記疎水層の間に介在する中間層と、を備え、
前記中間層は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成され、
前記貫通孔は、前記中間層の厚さ方向に対して斜めとなる方向に形成され、押圧によって潰れて閉塞することを特徴とする。
少なくとも3層以上からなる積層構造を備えた清掃用シートにおいて、
前記積層構造は、親水性を有する親水層と、疎水性を有する疎水層と、前記親水層及び前記疎水層の間に介在する中間層と、を備え、
前記中間層は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成され、
前記貫通孔は、前記親水層側の径が前記疎水層側の径に比べて大きくなっており、
前記親水層には、所定の圧力をかけないと前記親水層から前記貫通孔を通って前記疎水層への水分移動が起こらない程度の、粘性のある液体又はコロイド溶液が含まれることを特徴とする。
前記積層構造の表面を形成する表面層及び/又は裏面を構成する裏面層には、凹部及び凸部が形成されていることを特徴とする。
前記貫通孔は、前記基材シートの中心において前記基材シートの周端部より大きく形成されることを特徴とする。
よって、ウェットタイプとして使用する場合には、貫通孔によって親水層と疎水層の間を水分が移動することで水分量が調整できる。一方、ドライタイプとして使用する場合には、一度吸収した水分が戻るのを防止できる。
すなわち、水分を効果的に吸収、放出できることとなる。
図1は、第1実施形態における清掃用シートの一部破断外観図であり、図2は、第1実施形態における清掃用シートの拡大断面図である。
本実施形態においては、図1において表面側の不織布1を親水性を有する親水層とし、裏面側の不織布2を疎水性を有する疎水層とし、フィルム3を中間層として説明する。
親水性を有する繊維の例としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、親水性の合成繊維を用いることとしても良い。親水性の合成繊維を用いることで、清掃用シート10は、セルロース系繊維だけを使用した場合に比べて嵩高となり、ダストの絡み取り性、操作性、風合いが一層良好になる。
親水性の合成繊維としては、それ自身が親水性を有する合成樹脂からなる繊維や、それ自身は疎水性の合成樹脂であるが繊維油剤などの親水化剤による処理で親水化された繊維などが挙げられる。前者の例としては、アクリル繊維が挙げられる。後者の例としては、繊維油剤などの親水化剤による処理(表面付着処理や練り込みなど)で親水化されたポリエチレンテレフタレート繊維などが挙げられる。
疎水性を有する繊維の例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維や、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
清掃用シート10の内部では、フィルム3の貫通孔31・・・を通じて不織布1から不織布2に水分が移動するようになっている。
フィルム3は、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等が使用される。
フィルム3に貫通孔31・・・を形成する方法としては、フィルムに電子線やエンボッシングによって穿孔し多孔化する方法、或いは樹脂に可溶性物質を混練してフィルムを形成した後、可溶性物質を溶出して多孔化する方法などがある。
この貫通孔31・・・は、フィルム3の全面に亘り均一に配置されており、不織布2の全面に均一に水分が浸透するようになっている。
なお、貫通孔の形状は、例えば、円形、長方形、正方形、楕円形等、如何なる形状であっても良い。
なお、清掃用シート10を厚手に構成する場合、或いは清掃用シート10に含有される熱融着繊維が少量の場合には、ヒートシール、エンボスでは熱が届き難いため、超音波接着を用いることが好ましい。
また、不織布1、2をそれぞれフィルム3の両面に止着していても良いが、不織布1、2の周端部同士を直接止着することとしても良い。
なお、下記の説明においては、清掃用シートを手に保持して使用する場合を例として説明するが、清掃用シートの使用方法はこれに限定されるものではなく、例えば、棒状器具の先端部に取り付けて使用することとしても良い。
この場合、清掃用シート10内部では、貫通孔31・・・を通じて不織布1側から不織布2側に徐々に水分が移動するため、拭き始めと拭き終わりで清掃用シート10から放出される水分の放出量が一定となる。
一方、清掃用シート10をドライタイプとして使用する(清掃対象面から水分を拭き取る)場合、清掃用シート10内部では、貫通孔31・・・を通じて不織布2側から不織布1側に徐々に水分が移動し、親水性の不織布1で水分が保持されることとなる。
すなわち、親水性の不織布1が水分保持部として機能し、疎水性の不織布2が拭き取り部として機能し、貫通孔31・・・を備えたフィルム3が水分移動量調節部として機能する。
すなわち、親水性の不織布1が拭き取り部として機能し、疎水性の不織布2が水分保持部として機能し、貫通孔31・・・を備えたフィルム3が水分移動量調節部として機能する。
よって、ウェットタイプとして使用した場合、不織布1と不織布2との間を水分が移動することで水分量が常に一定となるように調整できる。このため、拭き始めと拭き終わり水分の放出量の差を低減でき、拭き始めに水分を放出し過ぎて清掃対象面を濡らし過ぎることがなく、拭き終わりにも一定の水分が放出されるため汚れを十分に拭き取ることができる。
また、ドライタイプとして使用した場合、水分が親水層に保持され疎水層へ戻らないため、一度吸収した水分がシートの外部へ戻るのを防止することができる。
すなわち、水分を効果的に吸収、放出できることとなる。
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の清掃用シート20は、フィルム3の貫通孔32・・・が、フィルム3の厚さ方向に対して斜めとなる方向に形成されている。
つまり、清掃用シート20は、図3(a)に示すように、圧力がかかっていない状態では、フィルム3の貫通孔32・・・を通じて不織布1側から不織布2側に徐々に水分が移動する。
一方、清掃用シート20は、図3(b)に示すように、圧力をかけた状態では、貫通孔32・・・が潰れて塞がるため水分が移動しにくくなる。
このため、清掃対象面に十分な水分が付着したと判断した場合、利用者は、清掃用シート20を押しつぶして圧力をかけ、水分が清掃対象面に放出するのを停止させることができる。
よって、使い勝手をより良好にすることができる。
次に、本発明の第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の清掃用シート30は、フィルム3の貫通孔33・・・が、不織布1側(親水層側)の径が、不織布2側(疎水層側)の径に比べて大きくなるように形成されている。
つまり、清掃用シート30は、貫通孔33・・・をこのような形状とすることに因り、圧力がかかっていない状態では水分が移動せず若しくは移動しにくく、不織布2に水分が浸透しないようになっている。一方、圧力をかけると、不織布1側から不織布2側に水分が押し出され、不織布2に水分が浸透することとなる。
よって、利用者が清掃用シート30に圧力をかけない場合、水分の移動が起こらず、乾いた状態の不織布2によって拭き取りが行えることとなる。
このため、清掃対象面を乾拭きしたい場合、利用者は、清掃用シート20に圧力をかけずに払拭を行い、清掃対象面を水拭きしたい場合のみ清掃用シート20に圧力をかけて、水分を清掃対象面に放出させることができる。
また、清掃対象面毎に所定量の水分を放出させることができる。
なお、この場合、不織布1に塗布される水分は、利用者が清掃用シート30に所定の圧力をかけないと水分移動が起こらない程度に粘性のある液体、ゲル状又はゾル状のコロイド溶液等であることが望ましい。こうしたものを用いることで、清掃用シート30からの意図しない水分の放出を防止できる。
よって、使い勝手をより良好にすることができる。
次に、本発明の第4実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の清掃用シート40は、フィルム3の貫通孔34・・・が、不織布1側(親水層側)の径が、不織布2側(疎水層側)の径に比べて小さくなるように形成されている。
つまり、清掃用シート40は、貫通孔34・・・をこのような形状とすることに因り、水分を拭き取った際、貫通孔34・・・を通じて不織布2側から不織布1側に徐々に水分が移動し、より効果的に親水性の不織布1で水分が保持され、疎水層へ戻らないようになっている。
よって、使い勝手をより良好にすることができる。
この場合、清掃対象面との摩擦が少なくなりシートをスムーズに動かせることとなるため、効果的に集塵することができる。
また、清掃対象面とシートとの接触面積が小さくなるため、拭き始めの水分放出量を軽減することができる。
また、凸部6により汚れ掻き取り効果が向上し、また凹部5により汚れ収容効果が向上する。その結果、清掃面における汚れ除去効果を向上させることができる。
なお、凹部5及び凸部6は、不織布1、2とフィルムとを接着する際に、ヒートシール、超音波接着、ホットメルト、エンボスなどの手法によって形成することができる。
また、その際、凹部5と凸部6とで所望の絵柄を形成することとしても良い。
例えば、図7(a)に示すように、親水性の不織布1の上面に、液不透過性の基材シートからなり液の透過を完全に遮断する遮断フィルム7と、疎水性又は親水性の不織布8と、の2層を更に積層させることとしても良い。
この場合、親水性の不織布1には予め液体を含有保持させ不織布2をウェットタイプの清掃用シートとして用いる一方で、遮断フィルム7が水分の浸透を遮断するため、遮断フィルム7の上面の不織布8はドライタイプの清掃用シートとして用いることができる。従って、一枚のシートの両面を、水拭き及び乾拭きの2つの用途に用いることができる。
また、図7(b)に示すように、例えば、不織布2を2枚以上積層させ、汚れが付着したら剥がせるように構成することもできる。
例えば、シートの中心に大きな貫通孔を設け、シートの周端部に沿って小さな貫通孔を設けるように形成しても良い。このように形成した場合、手の平に当たる部分に大きな貫通孔が設けられているため、シートに圧力をかけやすく、水分の調整をより行い易くすることができる。
その場合、清掃対象面と接する不織布2を濃色に着色すれば、埃などの白っぽい汚れを目立たせて、その拭き取りを確認することができる。また、不織布2を淡色に着色すれば、髪の毛などの黒っぽい汚れを目立たせて、その拭き取りを確認することができる。
また、清掃用シートに、香料、殺菌剤、防腐剤等の成分を配合することとしても良い。
1 不織布(親水層)
2 不織布(疎水層)
3 フィルム(中間層)
31 貫通孔
5 凹部
6 凸部
Claims (4)
- 少なくとも3層以上からなる積層構造を備えた清掃用シートにおいて、
前記積層構造は、親水性を有する親水層と、疎水性を有する疎水層と、前記親水層及び前記疎水層の間に介在する中間層と、を備え、
前記中間層は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成され、
前記貫通孔は、前記中間層の厚さ方向に対して斜めとなる方向に形成され、押圧によって潰れて閉塞することを特徴とする清掃用シート。 - 少なくとも3層以上からなる積層構造を備えた清掃用シートにおいて、
前記積層構造は、親水性を有する親水層と、疎水性を有する疎水層と、前記親水層及び前記疎水層の間に介在する中間層と、を備え、
前記中間層は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成され、
前記貫通孔は、前記親水層側の径が前記疎水層側の径に比べて大きくなっており、
前記親水層には、所定の圧力をかけないと前記親水層から前記貫通孔を通って前記疎水層への水分移動が起こらない程度の、粘性のある液体又はコロイド溶液が含まれることを特徴とする清掃用シート。 - 前記積層構造の表面を形成する表面層及び/又は裏面を構成する裏面層には、凹部及び凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用シート。
- 前記貫通孔は、前記基材シートの中心において前記基材シートの周端部より大きく形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の清掃用シート。
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