JP5464559B2 - 体幹部矯正誘導用芯材並びにこれを用いたマットレス - Google Patents
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Description
このように従来から多数の例えば円棒状の突稜によって、体幹部の矯正誘導効果を求める考えは存在したものの、現実には実製品として市場に提供されていない。その理由は、このような突稜部は、単に形成しているだけでは十分ではなく、それ自体の堅固な形状維持がされ、不要な変形、変位がないことが求められるが、それに十分に応える適切なものが提供されないことが要因であると考えられる。
例えば前記特許文献2の場合、円柱状の突稜部材の上下方向中間に保形用の硬質樹脂からなる網目部材を設ける対策を採り、突稜部の保持を行っている。しかしながら、このものにあっても、構造や、製造プロセスが複雑化することは免れ得ず、加えて上下中間部位で突稜部を相互に連結固定する手法では、個々の突稜部の十分な固定が図られない。
符号Mは、本発明たるマットレスであり、このものは、一例として図1、図5、図6に示すように3ブロックにマットレス要素が分断されて形成されているものである。なお以下の説明では、必要がない限りにおいて、各部材について格別マットレス要素ごとに区別して説明を行わない。
なお、マットレスMおよび体幹部矯正誘導用芯材1等については、このものが、使用者Hが横臥して使用されることから、それぞれの盤状の面の方向を上下とする。
そしてその発泡倍率は、一例としてほぼ30倍程度とするものであり、従ってこの芯材本体10は、通常の使用者Hの予想された体重が掛かった範囲ではほとんど圧縮変形しない程度の硬度を有する。これを、本願の特許請求の範囲においては、「硬質発泡樹脂」として定義したものである。当然ながら、実際的な使用範囲では圧縮変形が少ないものであるが、物理的に上下方向に加重が与えられたときには、それぞれが微視的に見れば圧縮変形することは、もとよりである。
この芯材本体10は、全体形状としては平盤状の部材であって、先に述べたようにマットレスMがマットレス要素mとして形成されるときには、その使用者Hの身長方向に例えば3分割する寸法形態をとることはいうまでもない。
そして、この受圧突稜11は、図1、図2、図4に示すように断面形状で見ると、概ね半円状の断面を有するものであり、上下合わせた場合には、視覚的には連続した円柱状となるような形態を採っている。尚、更に詳しくは、図1、図3に示すようにその頂部11Tにおいては、一部平面状に形成されている。もちろんこの頂部11Tをこのような形状とせず、いわゆるアール(R)断面を連続させたものとしても良い。またいわゆるアール(R)断面と称しても、厳密に円弧断面であることを限定するものではなく、楕円円弧形状なども含むものである。
そして連結リブ12の上下の端面高さは、ほぼ受圧突稜11の上面(頂部11T)と合致させることが望ましいが、幾分か連結リブ12は、受圧突稜11の上端高さより低くしても、高くしてももとより差し支えない。
そして本実施例では、受圧突稜11A側における境界溝部13Aは、一部溝が埋められたような形状を採った、浅溝部14を形成している。この結果、浅溝部14を挟んで両側に位置する受圧突稜11は、相互に連結状態が強化され、浅溝部14が存在しない境界溝部13Bを介して隣接する受圧突稜11Aは、屈曲状態ないしは使用者Hの支持状態を異ならせている。
なお接着部20は、連結リブ12の部位と、身体の前後方向の両端部に位置する受圧突稜11との間において四角枠状に接着するものであるが、更に接着部20は、各受圧突稜11の頂部に設けてもよい。
まず付加機能層材3は、適宜軟質の合成樹脂の発泡材、あるいは綿状のウェブ層を適用したバルキー層31と、機能素材を含んだ機能シート32とを適宜積層させ、これらを上下両面で表殻材となるキルティングシート33で、包みこむような形態を採る。
この付加機能としては、機能紙や繊維層を適用した機能シート32に対して付与した目的機能が発揮されるものであり、具体的には溶岩繊維混入不織布状シート、ゲルマニウム混入不織布状シート、トルマリン混入不織布状シート等のうち、いずれか又はこれらを組み合わせて用い、保温機能、脱臭機能、抗菌、防カビ機能等が付与されている。もちろんのこのような特別な機能だけでなく、バルキー層31を中心とした緩衝機能も付加機能として含むものである。またバルキー層31の材料として適切な珪酸ジルコニウム系セラミックを繊維に混ぜ込んでウェブ状に構成したものを用いるときは、遠赤外線効果により、保湿効果をも得られる。
このカバーシート5は、袋状に構成され収納部51内に体幹部矯正誘導用芯材1と、付加繊能層材3を積層させた状態でこれらを包み込むように収納する。その閉鎖に当たっては、ファスナー52により閉塞することが好ましい。またマットレス要素mがそれぞれ分断されている場合には、連繋部53によって折り畳み自在に構成されている。また連繋部53におけるカバーシート5の側端面には、相互に係合しあう面ファスナ54を設けておき、使用時における平盤状態の維持を確実なものとすることが好ましい。
また更にカバーシート5は、3つ折して取り扱うことを考慮して適宜の位置に把手55としてループ状部材、あるいはひも状部材を設けておくことが好ましい。
即ち受圧突稜11が使用者Hの身長方向と直交する方向に多数本に亘って形成されており、実質的に受圧突稜11とその間の境界溝部13との双方の作用により、図7に示すように体幹部における特に腰椎、脊椎等の各関節を構成する骨部位Bが牽引される方向に誘導されるような状態となり、結果的に骨格を矯正誘導する方向に作用する。この際併せて各関節の周辺の筋肉、じん帯、血管等に、これらを引き伸ばす効果を奏する。因みに各関節の矯正誘導が効果的になされるには、その前段階で周辺筋肉の伸長が図られることが重要であるが、本発明の受圧突稜11と、境界溝部13との相互の形状に因み、上記機能が有効且つ無理なく発揮されている。
また受圧突稜11の間に浅溝部14が形成されている面を用いた場合、使用者Hにとっては、いわゆるソフトな使用感が得られる。
本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
もちろんより広い性能仕様、寸法仕様を得るために、先に述べた実施例のように受圧突稜11は、芯材本体10の上下両面に形成されることが好ましいものの、使用者が限定されているような場合には、一面のみに形成することも差し支えない。
加えて健常者であっても障がい者であっても使用者Hにとっては、結果的に安眠効果等の付随的な効果が得られるものである。
2 緩衝層材
3 付加機能層材
B 骨部位
H 使用者
M マットレス
m マットレス要素
1 体幹部矯正誘導用芯材
10 芯材本体
11 受圧突稜
11A 受圧突稜
11B 受圧突稜
11T 頂部
12 連結リブ
13 境界溝部
13A 境界溝部
13B 境界溝部
14 浅溝部
112 抜き穴
2 緩衝層材
20 接着部
3 付加機能層材
31 バルキー層
32 機能シート
33 キルティングシート
5 カバーシート
51 収納部
52 ファスナー
53 連繋部
54 面ファスナ
55 把手
Claims (8)
- 全体としてほぼ平盤状の硬質発泡樹脂を素材とする芯材本体に対し、少なくともその上下一方の面に多数本の受圧突稜を平行形成し、且つこの受圧突稜の長手方向の端部側は、連結リブによって一体に連結されていることを特徴とする体幹部矯正誘導用芯材。
- 前記受圧突稜は、平盤状の芯材本体に対してその上下両面に形成されていることを特徴とする前記請求項1記載の体幹部矯正誘導用芯材。
- 前記芯材本体の上下両面にそれぞれ設けられている受圧突稜は、上下両面においてそれぞれ形状を異ならせていることを特徴とする前記請求項2記載の体幹部矯正誘導用芯材。
- 前記芯材本体の上下両面にそれぞれ設けられている受圧突稜は、その形成ピッチを合致させていることを特徴とする前記請求項2または3記載の体幹部矯正誘導用芯材。
- 前記受圧突稜間に形成される境界凹部は、その深さを異ならせることを特徴とする前記請求項1、2、3または4記載の体幹部矯正誘導用芯材。
- 前記芯材本体の上下のいずれか一方、または双方の面には、緩衝層材が設けられていることを特徴とする前記請求項1、2、3、4または5記載の体幹部矯正誘導用芯材。
- 前記請求項6記載の体幹部矯正誘導用芯材を用い、これをカバーシートで被覆して成ることを特徴とするマットレス。
- 前記体幹部矯正誘導用芯材とカバーシートとの間には、別途付加機能層を設けたことを特徴とする前記請求項7記載のマットレス。
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