JP5464115B2 - ハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システム - Google Patents

Description

本発明はハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システムに関し、詳しくは、内燃機関駆動システムに対応した既存のワイヤハーネスに、走行用の強電バッテリおよびモータを搭載したＨＥＶ用システムに対応した追加のワイヤハーネスが上積みされるハイブリッド自動車用のワイヤハーネスにおいて、ワイヤハーネスの重量増加を低減し、かつ、ワイヤハーネスの大型化を抑制するものである。

従来の内燃機関駆動システムの自動車に配索されるワイヤハーネスは、主として、図７に示すように５組の大型ワイヤハーネスに分割されている。これらの大型ワイヤハーネスは電線総数が約１５０本以上、これら電線に接続されるコネクタ総数が約５０以上で、各ワイヤハーネスが１枚のワイヤハーネス組立作業台（所謂、図板）上で組み立てられるものである。

前記５個の大型ワイヤハーネスは、インストルメントパネル内に配索するインパネハーネスＷ／Ｈ−１、エンジンに接続するエンジンハーネスＷ／Ｈ−２、エンジンルーム内に配索するエンジンルームハーネスＷ／Ｈ−３、フロアの左右側縁に沿って前後方向に配索する右フロアハーネスＷ／Ｈ−４と左フロアハーネスＷ／Ｈ−５からなる。車両後部のトランクルーム内に配線する電線数は比較的少ないため前記左フロアハーネスＷ／Ｈ−５に組み込んでいる。
なお、自動車には、前記５組の大型ワイヤハーネス以外に、左右ドアハーネス、ルーフハーネス等が自動車に配索されるが、前記大型ワイヤハーネス以外は比較的小型かつ軽量なワイヤハーネスである。

ハイブリッド自動車において、従来の内燃機関駆動システムに加えて、バッテリ、該バッテリで駆動される走行用モータ、インバータ等のＨＥＶ用システムを搭載する場合、ワイヤハーネスも図７に示す既存のワイヤハーネスにＨＥＶ用ワイヤハーネスが上積みで搭載されることになる。よって、該ＨＥＶ用ワイヤハーネスの電線数、これら電線に接続されるコネクタが大幅に増加する、さらに、電線に外装するコルゲートチューブ、プロテクタ、テープ等の外装品、電線を車体に取り付けるクリップ等の部品も増加する。

図８（Ａ）に示すように、前記強電バッテリＢ、モータ（図示せず）を含むＨＥＶ用部品は通常車両後部の荷物室(トランクルーム)に集中的に搭載される。その結果、増加するＨＥＶ用ハーネスＨ６はトランクルーム内に配索されるワイヤハーネスに集中することになる。

既存の内燃機関駆動システムのワイヤハーネスはトランクルーム内に配線する電線総数は比較的少ないため、図８（Ｂ）に示すように、既存の左フロアハーネスＷ／Ｈ−５にトランクルーム内に配索されるＨＥＶ用ハーネスＨ６の電線群を組み込んでいる。
しかしながら、ハイブリッド自動車とし、トランクルーム内に配索するＨＥＶ用ハーネスＨ６を左フロアハーネスＷ／Ｈ−５に組み込むと、該左フロアハーネスＷ／Ｈ−５は従来の重量より４０〜５０％増加し、具体的に試算すると従来システムの左フロアハーネスでは約５０００ｇであったが、該左フロアハーネスにＨＥＶ用ハーネスを組み込むと約９０００ｇとなる。

このように、ワイヤハーネスの重量が約倍増すると、該ワイヤハーネスを組み立てる作業台として従来使用している作業台（所謂 図板）が使用できず、大型の図板を新設する必要がある。さらに、該図板上でのワイヤハーネス作業時における布線工数が増加するとともに電線の取り回しが複雑となって作業負担が増加する。さらに、組み立てた大型のワイヤハーネスは運搬に負担がかかり、さらに自動車内での配索作業にも負担がかかる問題がある。

従来、自動車に配索するワイヤハーネスとして、本出願人は特開平６−５１１９号公報で、ワイヤハーネスを選択可能な電装システムの有無に関係のない共用回路と、選択可能な電装システム毎の専用回路とに分割し、共用回路と関連する電線システムの専用回路とを分岐接続器を用いて接続するワイヤハーネスを提供している。

特開平６−５１１９号公報

前記特許文献１のワイヤハーネスは、所謂オプション電装品に接続する専用回路用のワイヤハーネスと、オプション電装品に関係のない基本的な共用回路用のワイヤハーネスとを分割して設けているものであるため、ハイブリッド自動車において必ず搭載されるＨＥＶ用ハーネスの急増に対応できるものではない。

本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、ＨＥＶ用ハーネスが急増しても、ワイヤハーネスの組立作業性が良く、かつ、自動車へのワイヤハーネスの配索作業性が良いハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システムを提供することを課題としている。

前記課題を解決するため、本発明は、車両後部にバッテリを含むＨＥＶ用部品を搭載するハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システムであって、
車室の車幅方向両側に前部から後部に向けてフロアパネルに沿って配索される左フロアハーネスと右フロアハーネスとからなるフロアハーネスを備え、
該フロアハーネスの後端を車室と後部荷物室を仕切るパネルの近傍とする一方、
車両後部に搭載されるバッテリを含むＨＥＶ用部品、リアランプ、ライセンスランプを含む車両後部搭載部品と接続する電線群からなるリアハーネスを前記フロアハーネスと分割して設け、
車両搭載時に前記左右フロアハーネスのいずれか一方と前記リアハーネスとをコネクタ接続するものとし、かつ、該リアハーネスと接続される前記一方のフロアハーネスは、同一プラットフォーム上で製造される他車種と共用で用いる共用フロアハーネスとし、該共用フロアハーネスにはオプション電装品に接続する電線の全て又は一部を含めず、この共用フロアハーネスに含めなかったオプション電装品に接続する電線は他方のフロアハーネスに含めているハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システムを提供している。

フロアハーネスは、その前端が車室前部に搭載されるジャンクションボックスと接続されると共にエンジンルームハーネス、インパネハーネスにコネクタ接続されて車両後部へと配索されている。かつ、該フロアハーネスは、前記のように、車幅方向の左右両側に分割されて配索される場合、その内の一方のフロアハーネスに前記のようにリアハーネスを接続するものとしている。該リアハーネスと接続する前記一方のフロアハーネスは助手席側の左フロアハーネスとすることが好ましい。

前記リアハーネスと一方のフロアハーネスとの分割位置を車室の後部座席と後部荷物室（トランクルーム）を仕切るパネルの近傍としているのは、後部荷物室にＨＥＶ用部品が搭載されてＨＥＶ用ワイヤハーネスが増加すると共に、リアランプ等の電装部品の搭載位置が変更される可能性が高いことによる。

既存のワイヤハーネス・システムでは後部荷物室内などの車両後部に配索する電線数が少ないためフロアハーネスと一体に組み立てているが、本発明では、バッテリを含むＨＥＶ用部品をトランクルーム内等車両後部に搭載するため、車両後部に配索する電線数が増加し、かつ重量が増加するため、フロアハーネスと分割してリアハーネスとして組み立て、自動車に搭載後に互いに接続するものとしている。
これにより、フロアハーネスの大型化を防止でき、フロアハーネスおよびリアハーネスを既存の大きさのワイヤハーネス組立作業台（図板）で組み立てることとができるものとしている。かつ、ワイヤハーネスを分割して大型化を抑制しているため、組立作業性およびワイヤハーネスの自動車への配索作業性を共に容易にできる。

前記のように、一方のフロアハーネスは、同一プラットフォーム上で製造される他車種と共用で用いる共用フロアハーネスとし、該共用フロアハーネスを前記リアハーネスとコネクタ接続するものとしている。

カーメーカ（自動車組立メーカ）において、同一プラットフォーム上で製造される複数の車種は、車両後部のデザインを変えてセダン、バン、ワゴン、ボックスタイプ等とし、後部荷物室の構成やリアランプ、ライセンスランプ等の搭載位置が変更される。この変更に応じて、後部座席より後方の配線を変更する必要がある。
よって、共用化できるフロアハーネスの後端は前記のように車室後端（後部座席）位置までとし、車室と後部荷物室を仕切る間仕切りパネルの位置で共用フロアハーネスとリアハーネスとを分割している。

前記共用フロアハーネスにはオプション電装品に接続する電線の全て又は一部を含めず、該共用フロアハーネスに含めなかったオプション電装品に接続する電線は、他方のフロアハーネスに含めている。
即ち、オプション電装品に接続する電線のうち、共用フロアハーネスの配索位置に近接して搭載されるオプション電装品に接続する電線は共用フロアハーネスに含めてもよいが、長尺且つ大重量となるオプション電装品接続用の電線群等を含め、出来るだけ共用フロアハーネスに含めないようにして、共用フロアハーネスの軽量化および小型化を図ることが好ましい。

本発明のハイブリッド自動車に配索するワイヤハーネスは、電線本数が１５０本以上を大型ワイヤハーネスとすると、該大型ワイヤハーネスとして、インストルメントパネル内に配索するインパネハーネス、エンジンに接続するエンジンハーネス、エンジンルーム内に配索するエンジンルームハーネス、フロアの左右側縁に沿って前後方向に配索する右フロアハーネスと左フロアハーネス、前記右フロアハーネスまたは左フロアハーネスのいずれか一方に接続して車両後部に配索するリアハーネスの合計６個としている。

なお、本発明が対象とするハイブリッド自動車には、当然のことながら、前記大型ワイヤハーネスの電線本数より少ない電線本数のドアハーネス、ルーフハーネス等が配索される。

本発明では、前記リアハーネスの総重量は２５００ｇ〜３２００ｇ、該リアハーネスに接続される前記共用フロアハーネスの総重量は４５００ｇ〜５２００ｇとしている。

前記の問題点で記載のようにハイブリッド自動車としてトランクルーム内に配索するＨＥＶ用のハーネスを左フロアハーネスに組み込むと約９０００ｇであったが、本発明のように左フロアハーネスとリアハーネスとを分割すると、具体的試算によれば、左フロアハーネスが約５０００ｇ、リアハーネスが３０００ｇで合計８０００ｇとなり、約１０００ｇの重量軽減を図ることができる。

前記分割した左フロアハーネスとリアハーネスとは、分割位置の近傍で互いに接続するものとし、該左フロアハーネスとリアハーネスとを複数のコネクタを介して接続する場合は、コネクタホルダに前記一方のワイヤハーネスの端末に接続した複数のコネクタを取り付けておいて待ち受けコネクタとし、該コネクタホルダを前記間仕切りパネルに設けた１つの貫通穴に挿入係止し、この状態で前記他方のワイヤハーネス端末に接続したコネクタを前記一方のワイヤハーネのコネクタに嵌合接続することが好ましい。
前記左フロアハーネスとリアハーネスとを一対一でコネクタ接続する場合は、一方のコネクタの外面に設けたロック爪を、間仕切りパネルに穿設した貫通穴の周縁に係止し、該コネクタに他方のコネクタ嵌合接続することが好ましい。

前記のように、本発明では、ガソリンを用いた従来の内燃機関駆動システムに、車両後部にバッテリ等のＨＥＶ用部品を搭載したＨＥＶ用システムを積み上げ配置したハイブリッド自動車において、ＨＥＶ用ワイヤハーネスをフロアハーネスに組み込まずに、既存のフロアハーネスで車両後部に配索しているリアランプ接続用等の電線群と前記ＨＥＶ用ワイヤハーネスとを合体してリアハーネスとして、フロアハーネスと分割して設け、該分割したリアハーネスと前記フロアハーネスとを自動車に配索した後に接続するものとしている。
このように、フロアハーネスをリアハーネスと分割し、フロアハーネスの大型化および重量化を防止することで、ワイヤハーネスの組立作業性及び自動車への組付作業性を改善することができる。

本発明の第１実施形態のハイブリッド自動車の概略図である。 前記ハイブリッド自動車に配索する６個の大型ワイヤハーネスを示す概略平面図である。 （Ａ）は共用フロアハーネスとする左フロアハーネスの概略図、（Ｂ）はリアハーネスの概略図である。 前記左フロアハーネスとリアハーネスの接続形態を示す概略断面図である。 第２実施形態を示し、（Ａ）は互いにコネクタ接続する左フロアハーネスとリアハーネスの端末部分の概略図、（Ｂ）はコネクタホルダでコネクタを保持してコネクタ接続している状態を示す図面である。 前記コネクタホルダを示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は背面図、（Ｃ）は断面図である。 従来例のワイヤハーネスシステムを示す概略図である。 （Ａ）はハイブリッド自動車の一部概略平面図、（Ｂ）はハイブリッド自動車の左フロアハーネスを示す図面である。

以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図１乃至図４に本発明の第１実施形態を示す。
本発明のハイブリッド自動車は、図１に示すように、後部座席１の背面の間仕切りパネル２で仕切られた後部荷物室（トランクルーム）３側に、強電の走行駆動用のバッテリＢ、該バッテリＢに接続されたモータ（不図示）等のＨＥＶ用部品が搭載されている。

前記ハイブリッド自動車に配索されるワイヤハーネスは、６個の大型ワイヤハーネスと、他の小型ワイヤハーネスとに分割している。前記各大型ワイヤハーネスは電線本数が１５０本以上のワイヤハーネスを指す。
前記６個の大型ワイヤハーネスは、前記図７と同様に配索されるインパネハーネスＷ／Ｈ−１、エンジンＥに接続するエンジンハーネスＷ／Ｈ−２、エンジンルームＥＲ内に配索するエンジンルームハーネスＷ／Ｈ−３と、フロアの左右側縁に沿って前後方向に配索する左フロアハーネス１０と右フロアハーネス１１、前記後部荷物室３側に配索するリアハーネス１２からなる。即ち、ハイブリッド自動車に配索するワイヤハーネスとして６個の大型ワイヤハーネスを設けている。

このように、ハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システムとして、前記６個の大型ワイヤハーネスおよび該大型ワイヤハーネス以外の左右のドアにそれぞれ配索するドアハーネス、ルーフに配索するルーフハーネス等のワイヤハーネスを備え、これらワイヤハーネスの構成自体は従来と同様としている。即ち、複数の電線群を粘着テープやタイバンドを用いて結束し、これら電線群の端末にコネクタを接続し、かつ、所要の電線端末にアース端子および後入れ端子を接続し、さらに、車体に固定するクリップや、保護および経路ガイド用等のプロテクタやコルゲートチューブで外装している。

前記６個の大型ワイヤハーネスは、それぞれ各１枚のワイヤハーネス組立作業台（図板）上で組み立てられている。このように、各図板上でそれぞれ組み立てたワイヤハーネスは、自動車組立ラインにおいて個別に自動車に配索し、配索後にワイヤハーネス同士をコネクタ接続している。即ち、前記左フロアハーネス１０、右フロアハーネス１１、リアハーネス１２もそれぞれ各１枚の図板上で組み立てている。

前記左フロアハーネス１０、右フロアハーネス１１は、それぞれ車室前部に搭載されるジャンクションボックス８Ａ、８Ｂとコネクタ接続して、車両後部へと配索されるものである。
そのうち、リアハーネス１２とコネクタ接続する左フロアハーネス１０は図３（Ａ）に示すように、前端に接続したコネクタ１０ｂはエンジンルームハーネスＷ／Ｈ−３と接続するジャンクションボックス８Ａに接続している。また、該左フロアハーネス１０の後端に接続するコネクタ１０ａは、後部座席１と後部荷物室３とを仕切る間仕切りパネル２の位置に配置されるものとしている。

前記左フロアハーネス１０はカーメーカにおいて同一形状のプラットフォーム上で組み立てられるセダン型、バン型、ワゴン型あるいは／およびボックス型の全車種に共用で用いるワイヤハーネスとしている。
さらに、共用フロアハーネスとする左フロアハーネス１０には、長尺且つ大重要となるオプション電装品と接続する電線群を除いて、軽量かつ小型化を図っている。具体的には、本実施形態ではオプション電装品となるオーデイオと接続する電線群は共用の左フロアハーネス１０から除外して、右フロアハーネス１１に含めている。

図３（Ｂ）に示すリアハーネス１２は、後部荷物室３内に搭載されるバッテリＢ、モータ等のＨＥＶ用部品と接続されるＨＥＶ用ハーネス２０と、リアランプ、ライセンスランプ、リアウインドに搭載されたデフォガ等の電気部品と接続するハーネス２１とからなる。即ち、ガソリン燃料を用いる内燃機関型自動車で配索されている既存のハーネス２１にＨＥＶ用ハーネス２０を合体したものとしている。

前記リアハーネス１２の前端にコネクタ１２ａを取り付け、共用フロアハーネスとする前記左フロアハーネス１０の後端のコネクタ１０ａと自動車に配索した後に嵌合接続するようにしている。

図４に示すように、間仕切りパネル２に貫通穴２ａを設け、該貫通穴２ａに前記一方のコネクタ１０ａを通し、該コネクタ１０ａのハウジング外面に突設した係止爪１０ｂを貫通穴２ａの周縁に係止して固定し、該コネクタ１０ａを待ち受けコネクタとしている。リアハーネス１２のコネクタ１２ａを前記コネクタ１０ａに嵌合して、左フロアハーネス１０とリアハーネス１２とを接続するものとしている。
なお、コネクタ１２ａを貫通穴２ａに挿入固定して待ち受けコネクタとしてもよい。

前記リアハーネス１２の重量は２５００ｇ〜３２００ｇ（本実施形態では３０６６ｇ）、該リアハーネス１２に接続される共用フロアハーネスとなる左フロアハーネス１０の重量は４５００ｇ〜５２００ｇ（本実施形態では５０８２ｇ）とし、合計重量を本実施形態では８１４８ｇとしている。
一方、本発明のようにリアハーネスと左フロアハーネスとを分割せず、前記図８（Ｂ）に示すように、ＨＥＶ用ワイヤハーネスを従来の左フロアハーネスに組み込んで１つのワイヤハーネスとした場合、総重量は９２８６ｇであった。よって、リアハーネスを分割することで約１０００ｇの重量を低減できる。このように、左フロアハーネスの重量軽減および小型化を図ることで、扱いやすいものとしている。

前記のように、ハイブリッド自動車とすることにより増加するＨＥＶ用ワイヤハーネスを、従来の内燃機関型自動車の左フロアハーネスに組み込むだけでは大型化および重量化して取り扱いにくくなるワイヤハーネスを、車両後部に配線する既存の電線と、追加するＨＥＶ用電線とを組み合わせたリアハーネスとして左フロアハーネスから分割することで、製造上および自動車への配索上で取り扱いやすいワイヤハーネスとしている。
具体的には、ワイヤハーネス組立作業用の図板として従来用いている汎用の図板を用いることができる。また、ワイヤハーネス組立作業の各工程で作業負担を低減できる。さらに、ワイヤハーネスを小型かつ軽量とすることで、自動車へのワイヤハーネスの配索作業時の負担を軽減できる。

図５及び図６に第２実施形態を示す。
第２実施形態では、図５（Ａ）に示すように、左フロアハーネス１０の後端末を３つの枝線に分岐し、各枝線にコネクタ４０Ａ、４０Ｂ、４０Ｃをそれぞれ接続している。該左フロアハーネス１０とコネクタ接続するリアハーネス１２の前端も同様に３つの枝線に分割し、各枝線にコネクタ４１Ａ、４１Ｂ、４１Ｃをそれぞれ接続している。
このように、左フロアハーネス１０とリアハーネス１２の接続は、３つのコネクタを互いに嵌合する必要がある。よって、図５（Ｂ）に示すように、前記間仕切りパネル２の貫通穴２ａにコネクタホルダ２５を介して取り付けている。

前記貫通穴２ａを八角形の穴とし、図６に示すように、コネクタホルダ２５は貫通穴２ａに内嵌するように八角形状の外形を有する樹脂成形品としている。
該コネクタホルダ２５の八角形の外周枠２６のうち、上下左右の４辺の中央部に貫通穴２ａの周縁の間仕切りパネル２の一面に係止するロック爪２７を挿入端側から突出し、対向する他端からパネル受片２８を突設し、間仕切りパネル２の他面に当接させるようにしている。
また、外周枠２６で囲まれた中央部３２に３つの貫通穴２９Ａ〜２９Ｃを設け、これら貫通穴２９Ａ〜２９Ｃの内周面にそれぞれロック部３０ａ〜３０ｃを設け、前記コネクタ４０Ａ、４０Ｂ、４０Ｃのハウジング外面に設けた被ロック部（図示せず）とロック結合させるようにしている。

前記コネクタホルダ２５は前記貫通穴２９Ａ〜２９Ｃに左フロアハーネス１０のコネクタ４０Ａ〜４０Ｃを挿入して前記ロック部３０ａ〜３０ｃでロック固定し、コネクタ４０Ａ〜４０Ｃをコネクタホルダ２５に待ち受けコネクタとして予め取り付けている。
左フロアハーネス１０を自動車に配索する時、前記コネクタホルダ２５を間仕切りパネル２の貫通穴２ａに挿入し、貫通穴２ａの周縁の一面側に前記ロック爪２７を係止し、他面にパネル受片２８を当接させて固定している。
リアハーネス１２を自動車に配索し、該リアハーネス１２の前端に接続している前記コネクタ４１Ａ〜４１Ｃを前記コネクタホルダ２５に予め固定している待ち受けコネクタ４０Ａ〜４０Ｃにそれぞれ嵌合する。

前記のように、コネクタホルダ２５を用い、該コネクタホルダ２５を貫通穴２ａに内嵌固定することで、ワイヤハーネス端末の複数のコネクタ同士を１つの貫通穴２ａを通して接続することができる。

１ 後部座席
２ 間仕切りパネル
２ａ 貫通穴
３ 後部荷物室（トランクルーム）
１０ 左フロアハーネス（共用フロアハーネス）
１０ａ コネクタ
１１ 右フロアハーネス
１２ リアハーネス
１２ａ コネクタ
２５ コネクタホルダ
Ｗ／Ｈ−１ インパネハーネス
Ｗ／Ｈ−２ エンジンハーネス
Ｗ／Ｈ−３ エンジンルームハーネス

Claims (3)

1. 車両後部にバッテリを含むＨＥＶ用部品を搭載するハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システムであって、
   車室の車幅方向両側に前部から後部に向けてフロアパネルに沿って配索される左フロアハーネスと右フロアハーネスとからなるフロアハーネスを備え、
   該フロアハーネスの後端を車室と後部荷物室を仕切るパネルの近傍とする一方、
   車両後部に搭載されるバッテリを含むＨＥＶ用部品、リアランプ、ライセンスランプを含む車両後部搭載部品と接続する電線群からなるリアハーネスを前記フロアハーネスと分割して設け、
   車両搭載時に前記左右フロアハーネスのいずれか一方と前記リアハーネスとをコネクタ接続するものとし、かつ、該リアハーネスと接続される前記一方のフロアハーネスは、同一プラットフォーム上で製造される他車種と共用で用いる共用フロアハーネスとし、該共用フロアハーネスにはオプション電装品に接続する電線の全て又は一部を含めず、この共用フロアハーネスに含めなかったオプション電装品に接続する電線は他方のフロアハーネスに含めているハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システム。
2. 電線本数が１５０本以上のワイヤハーネスを大型ワイヤハーネスとし、該大型ワイヤハーネスとしてインストルメントパネル内に配索するインパネハーネス、エンジンに接続するエンジンハーネス、エンジンルーム内に配索するエンジンルームハーネス、フロアの左右側縁に沿って前後方向に配索する右フロアハーネスと左フロアハーネス、車両後部に配索すると共に前記右フロアハーネスまたは左フロアハーネスのいずれか一方と接続するリアハーネスの合計６個を備えている請求項１に記載のハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システム。
3. 前記リアハーネスの総重量は２５００ｇ〜３２００ｇ、該リアハーネスに接続される前記一方のフロアハーネスの総重量は４５００ｇ〜５２００ｇとしている請求項１または請求項２に記載のハイブリッド自動車におけるワイヤハーネス・システム。

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