以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して本実施形態に係るパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ島台1の内部を示す一側面図であり、図2は、パチンコ島台1の下部貯留タンク13が設置される部分の断面図である。
図1において、遊技島台としてのパチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ機2(遊技機)を背向列設するようになっている。また、パチンコ島台1には、各パチンコ機2に挟持されるように計数装置としての台間玉貸計数機3が設けられており、この台間玉貸計数機3は、パチンコ機2と1対1対応するように設けられていると共に、硬貨または紙幣、あるいはプリペイドカードまたは貯玉カードによりパチンコ玉を貸し出すようになっている。
また、台間玉貸計数機3は、遊技により獲得した景品玉を計数するための計数機能や、景品玉をレシートまたはカード等に交換する景品交換機能等を備えている。即ち、各パチンコ機2と対応する台間玉貸計数機3に上記のような各種機能が設けられているため、その玉数をレシートまたはカード等に記憶させて景品と交換することができ、パチンコ玉を景品交換所に運ぶ必要がない。前記カード等にはカードを識別するために必要なID番号が記憶されていると共に、各パチンコ機2毎にカード盗難防止装置が設けられているので、カード等が悪用されたり、盗難される心配がない。
パチンコ島台1のほぼ中央には、玉揚送装置(図示しない)が収納される玉揚送装置収納部5が立設されている。玉揚送装置は、帯状の搬送ベルトによってパチンコ玉を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルトがパチンコ島台1の長手方向と直交するように配置されて下部の回収経路としての導入樋18から導入したパチンコ玉を上部に研磨しながら揚送して上部の排出樋から次に説明する上部タンク6に排出するものである。
玉揚送装置の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク6が設けられ、該上部タンク6からは、各パチンコ機2にパチンコ玉を供給するための補給樋8が、パチンコ島台1の長手方向端部に向かって傾斜状に設けられている。なお、本実施形態のパチンコ島台1は、前述したような台間玉貸計数機3を設けて景品玉を迅速且つ確実に自島に返還する構成とすることで、隣り合うパチンコ島台との間でパチンコ玉のやり取りを行うことがない完全独立島(他島との交流がない島)として構成されている。
しかして、玉揚送装置により揚送されたパチンコ玉は、先ず上部タンク6につながる補給樋8に最優先で送られ、上部タンク6でオーバーフローしたパチンコ玉は、オーバーフロー通路90(図15参照)及び中継樋14を介してパチンコ島台1の下部にある回収経路としての下部貯留タンク13の溢れ玉誘導樋45(図4参照)に誘導されるようになっている。また、下部貯留タンク13内に十分なパチンコ玉が貯留されていない場合には、同じくオーバーフロー通路90及び中継樋14を介してパチンコ島台1の下部にある下部貯留タンク13の溢れ玉誘導樋45に誘導される。溢れ玉誘導樋45に誘導されたパチンコ玉は、下部貯留タンク13内へ落下し、下部貯留タンク13に貯留されることとなるが、この下部貯留タンク13に貯留されたパチンコ玉は、玉揚送装置により研磨されているため、常にきれいにされた状態のパチンコ玉である。
なお、オーバーフロー通路90は、玉揚送装置収納部5に一体的に形成されている。また、図示の実施形態においては、玉揚送装置の一側側方に下部貯留タンク13が設けられているが、下部貯留タンク13は、パチンコ機2の横幅寸法の約2〜3台分に相当する長さに形成されており、パチンコ島台1に設置される複数の玉箱26の総容量は許容できるよう設計されている。また、本発明の要部をなすオーバーフロー通路90の構造については後で詳述する。
また、補給樋8には、各パチンコ機2にパチンコ玉を誘導する分配シュート(図示しない)が各パチンコ機2に対応して設けられている。分配シュートにより取り込まれたパチンコ玉は、補給装置(図示しない)を介してパチンコ機2の背面上部に設けられた賞球タンク(図示しない)、及び台間玉貸計数機3に供給され、景品玉や遊技玉として使用される。また、補給樋8の下流端には、玉抜き用分離器(図示しない)が設けられており、補給樋8の下流端まで流下してきたパチンコ玉は、玉抜き用分離器から蛇腹(図示しない)を介して後述する回収経路としてのアウト玉回収樋17,17’へ導出されることにより、パチンコ玉がパチンコ島台1内を循環している。
一方、パチンコ機2から排出される使用済みのパチンコ玉は、計数機能を有するアウト玉回収ボックス(図示しない)で回収された後、下方に排出される。アウト玉回収ボックスから排出されたパチンコ玉は、パチンコ島台1の両端部からそのほぼ中央に立設される玉揚送装置の下部に向けて下り傾斜状に設けられる前記アウト玉回収樋17,17’上に落下せしめられる。なお、下部貯留タンク13の長手方向幅内の上方位置に配置される4台のパチンコ機2(パチンコ島台1の片側でパチンコ機2が2台対応し、両側で全4台のパチンコ機2が対応する)においては、アウト玉回収ボックスから排出されたパチンコ玉は、直接、下部貯留タンク13内へ落下せしめられ、玉揚送装置の下部貯留タンク13側の真横に設置される2台のパチンコ機2(パチンコ島台1の片側でパチンコ機2が1台対応し、両側で全2台のパチンコ機2が対応する)においては、アウト玉回収ボックスから排出されたパチンコ玉は、中継樋14上に落下せしめられる。
また、パチンコ機2の下部には、図2に示すように、パチンコ島台1に対してほぼ直交するように外側に向かってカウンター台25が突設されている。該カウンター台25には、玉箱26が載置されると共に、遊技者が遊技で獲得し、玉箱26に貯留した景品玉を台間玉貸計数機3に送り込む誘導路(図示しない)が形成されている。そして、当該誘導路を介して台間玉貸計数機3に送り込まれた景品玉は、台間玉貸計数機3内で計数された後、台間玉貸計数機3の裏面側に設けられた蛇腹状の景品玉排出路27の排出口28からアウト玉回収樋17,17’に落下せしめられる。なお、下部貯留タンク13の長手方向幅内の上方位置に配置される4台のパチンコ機2においては、台間玉貸計数機3裏面の景品玉排出路27の排出口28から排出された景品玉は、直接、下部貯留タンク13内へ落下せしめられ、玉揚送装置の下部貯留タンク13側の真横に設置される2台のパチンコ機2においては、台間玉貸計数機3裏面の景品玉排出路27の排出口28から排出された景品玉は、中継樋14上に落下せしめられる。さらに、カウンター台25の下方には、パチンコ島台1の下部外観を構成する腰板21がパチンコ島台1に対して着脱自在に設置されている。この腰板21に対応する位置のパチンコ島台1内部には、アウト玉回収樋17,17’が位置しているため、腰板21を取り外すことにより、アウト玉回収樋17,17’のメンテナンスや玉詰まり等のトラブルに対する処置を容易に行うことができる。
なお、アウト玉回収樋17,17’は、台間玉貸計数機3(計数機能)で計数されたパチンコ玉及びパチンコ機2で使用されたパチンコ玉をまとめて回収するものであり、簀の子状の誘導レールがパチンコ島台1の中央に長手方向に沿って敷設されている。また、玉揚送装置を挟んで右側のアウト玉回収樋17の下流端は、下部貯留タンク13に接続されており、玉揚送装置を挟んで左側のアウト玉回収樋17’は、回収経路としての連結樋19を介して下部貯留タンク13に接続されている。なお、アウト玉回収樋17,17’は、簀の子状の誘導レールに限らず、ベルトコンベア等により構成されるものであってもよい。
そこで、下部貯留タンク13の構造について図3乃至図14を参照して説明する。図3は、下部貯留タンク13を示す斜視図であり、図4は、下部貯留タンク13の内部を第1側板40a側から透視した状態の斜視図であり、図5は、下部貯留タンク13の内部を第2側板40b側から透視した状態の斜視図であり、図6は、下部貯留タンク13を示す平面図であり、図7は、溢れ玉誘導樋45と側方誘導樋47と圧抜板72を取り除いた状態の下部貯留タンク13を示す平面図であり、図8は、溢れ玉誘導樋45と側方誘導樋47と圧抜板72と回収通路50を取り除いた状態の下部貯留タンク13を示す平面図であり、図9は、図6のA−A線矢視断面であり、図10は、図6のB−B線矢視断面であり、図11は、図7のC−C線矢視断面であり、図12は、図7のD−D線矢視断面であり、図13は、前側合流部71を示す部分拡大斜視図であり、図14は、第1及び第2の誘導路54,55、回収通路50、及び玉通路51と、前側合流部71との合流部分を示す部分拡大斜視図である。
先ず、下部貯留タンク13は、パチンコ島台1の玉揚送装置から右側へ約2〜3台分のパチンコ機2のカウンター台25より下方の下部空間に設置されると共に(図1参照)、上方から落下してくるパチンコ玉を直接受け入れる上面開口13aが形成された直方体状のタンク基台によって構成されており、タンク基台は、図3乃至図12に示すように、第1側板40aと第2側板40bと前板41と後板42と底板43とから構成されている。
前板41の上端部中央には、前記中継樋14が接続される導入口44が形成され、この導入口44から後板42側に向けて、上部タンク6から溢れたパチンコ玉を下部貯留タンク13内の一端から他端に向かって誘導するための溢れ玉誘導樋45が下り傾斜して設けられている。この溢れ玉誘導樋45は、導入口44の開口幅とほぼ同じ幅寸法で形成されており、その下流端は、後板42との間で所定間隔を持って立設された逆T字状の後側仕切板46と当接されている。また、中継樋14の横幅方向における両端には、それぞれ中継樋14の底面からパチンコ玉1個分以上の高さ幅を有するゴム板15が左右一対に設けられている。ゴム板15は、玉揚送装置の下部貯留タンク13側の真横に設置される2台のパチンコ機2(隣接される台間玉貸計数機3を含む)から排出されるパチンコ玉を受け止めるための玉受け板として機能し、受け止めたパチンコ玉を下部貯留タンク13内に誘導するようになっている。
なお、上記したゴム板15上に落下したパチンコ玉は、ゴム板15上から中継樋14の底面上に落ちて上部タンク6から溢れたパチンコ玉と一緒に溢れ玉誘導樋45に誘導されるものもあれば、そのままゴム板15上を転動して後述する第1及び第2の各誘導路54,55に落下するものもある。このため、上部タンク6から溢れたパチンコ玉が中継樋14上を勢いよく流下することで、ゴム板15上のパチンコ玉が中継樋14上に落下できないようなときでも、ゴム板15上に落下したパチンコ玉は、ゴム板15上を転動して確実に下部貯留タンク13内に送り込まれるようになっている。また、中継樋14の中央側に対向するゴム板15の側壁面は、中継樋14の上流側から下流側に向けて徐々に中継樋14の底面幅を狭め、下流端で中継樋14の底面幅を溢れ玉誘導樋45の樋幅とほぼ同一にする形状に形成されている。これにより、左右一対のゴム板15は、中継樋14に送り込まれたパチンコ玉をその流下に伴って徐々に溢れ玉誘導樋45の樋幅内に寄せ集める機能も有している。
第1側板40a及び第2側板40bの上側内壁部には、それぞれ側方誘導樋47が設けられている。側方誘導樋47は、前板41の内壁面から後板42側に向けて下り傾斜して設けられており、その下流端は、逆T字状をなす後側仕切板46の上側両端に穿設された導入切欠部48に接続されている。また、側方誘導樋47の樋幅方向における先端には、立壁部49が立設されており、一旦、側方誘導樋47内に入ったパチンコ玉は、側方誘導樋47から外れることなく確実に後板42(後側仕切板46)側に誘導されるようになっている。
なお、側方誘導樋47と溢れ玉誘導樋45との間には、幅方向で隙間が設けられており(図2参照)、下部貯留タンク13の長手方向幅内の上方位置に配置される6台のパチンコ機2において、アウト玉回収ボックスから排出されるパチンコ玉や景品玉排出路27の排出口28から排出されるパチンコ玉は、この隙間から下部貯留タンク13内へ落下することとなる。そして、側方誘導樋47は、下部貯留タンク13内に貯留するパチンコ玉が立壁部49の上端部分よりも高い位置まで積み上げられたときに、これを受け入れて後板42(後側仕切板46)側に誘導することで、パチンコ玉が下部貯留タンク13から溢れ出るのを防止するようになっている。また、側方誘導樋47の傾斜角度、言い換えれば、立壁部49の上端部分の傾斜角度は、溢れ玉誘導樋45の傾斜角度と同一に設定されている。これにより、下部貯留タンク13の長手方向のいずれの箇所においても、溢れ玉誘導樋45と立壁部49の上端部分との高さ間隔は一定となっている。
また、溢れ玉誘導樋45の傾斜角度と側方誘導樋47の傾斜角度とを異ならせた場合には、溢れ玉誘導樋45の底面の傾斜と立壁部49の上端部分との傾斜角度が同一となるように、立壁部49を構成すればよい。しかし、このような構成では、立壁部49が大きくなり、下部貯留タンク13内のスペースを有効活用できなくなるため、望ましくは、溢れ玉誘導樋45と側方誘導樋47との傾斜角度を同一にするとよい。このように溢れ玉誘導樋45と立壁部49の上端部分との高さ間隔を一定にすることで、下部貯留タンク13の長手方向の何れの箇所においても、溢れ玉誘導樋45よりも上方に積み上がったパチンコ玉を均等に側方誘導樋47に誘導することができるため、アウト玉回収ボックスや台間玉貸計数機3といった下部貯留タンク13の上方から直接パチンコ玉を落下させる装置の排出口の位置を容易に設定することができる。
底板43は、後板42側から前板41側に向かって下り傾斜しており、その傾斜に沿った短手方向における中央部分、即ち、下部貯留タンク13内の一端から他端に向かって伸びる溢れ玉誘導樋45の真下部分には、回収通路50及び玉通路51が上下二段に積層して設けられている(図10参照)。回収通路50は、下部貯留タンク13内に貯留されるパチンコ玉が入り込まないような閉断面形状をなし(図9乃至図12参照)、その上流端は、後側仕切板46に穿設された導入口52に接続されている(図5参照)。一方、回収通路50の下流端は、後述する第3底面板77と連通するように配されている(図13参照)。また、玉通路51の上流側における左右の側壁部分には、それぞれ下部貯留タンク13内(厳密には、玉通路51の左右側方に設けられる後述する第1及び第2の各誘導路54,55)に貯留されるパチンコ玉を取り込むための玉取込口53が穿設されており、玉通路51の下流端は、後述する第2底面板76と連通するように配されている。即ち、玉通路51においても、玉取込口53以外となる部分では回収通路50と同様に閉断面形状をなしている。そして、このように閉断面の通路形状に形成された回収通路50及び玉通路51は、通路内を流下するパチンコ玉が外部からの玉圧を受けることがないので、ほぼ縦1段でパチンコ玉を流下させて下部貯留タンク13の下流側(後述する前側合流部71)に誘導するようになっている。
また、上記した上下二段の回収通路50及び玉通路51と、第1及び第2の各側板40a,40bとの間は、それぞれ底板43の傾斜に沿ってパチンコ玉を後板42側から前板41側に誘導する第1及び第2の各誘導路54,55(左右の誘導路)として形成されいる。第1誘導路54は、上流部分となる第1側板40aと玉取込口53との間の部分が、その他の部分に比べて一段高くなった段差部56として形成されている。一方、第1誘導路54の下流端には、第1前側仕切板57が設けられ、該第1前側仕切板57には、第1誘導路54と後述する第1底面板75とを連通する連通切欠部58が穿設されている。なお、第1誘導路54上における第1前側仕切板57(連通切欠部58以外の部分)と玉通路51の側壁面との隅角部分には、当該隅角部分で第1誘導路54を流下するパチンコ玉が詰らないようにするための誘導突片83が設けられている(図6乃至図8参照)。
また、第2誘導路55は、第1誘導路54とは異なり、上流端から下流端に亘って段差がなくストレートに傾斜した通路形状に形成され、上流部分となる第2側板40bと玉取込口53との間に位置する底面の高さは、第1誘導路54の段差部56の高さと同一に設定されている(図9参照)。言い換えれば、玉取込口53よりも下流側となる第2誘導路55の底面高さは、段差部56を除いた第1誘導路54の底面高さに比べて一段高く設定されている(図10参照)。なお、第1誘導路54、第2誘導路55、回収通路50、及び玉通路51は、それぞれ水平面に対して3.7度となる同一の傾斜角度に設定されている。一方、第2誘導路55の下流端には、第2前側仕切板59が設けられ、該第2前側仕切板59の下端と第2誘導路55の底面との間の隙間が、第2誘導路55と後述する第2底面板76とを連通する連通口60を形成している。
しかして、上記した第1及び第2の各誘導路54,55は、アウト玉回収ボックス及び景品玉排出路27の排出口28から直接下部貯留タンク13内へ落下したパチンコ玉と、中継樋14から溢れ玉誘導樋45に導かれたパチンコ玉と、を受け入れて、下部貯留タンク13の下流側(前側合流部71)に誘導するようになっている。各誘導路54,55の間に設けられた玉通路51の上流側には、前述したように各誘導路54,55のパチンコ玉を取り込むための玉取込口53を設けることで、各誘導路54,55の上流側に貯留されるパチンコ玉を、玉通路51を通して速やかに下部貯留タンク13の下流側(前側合流部71)に誘導するようになっている。これにより、各誘導路54,55の下流側に貯留されるパチンコ玉だけが優先的に下部貯留タンク13の下流側(前側合流部71)に誘導されて、上流側のパチンコ玉が各誘導路54,55に滞ってしまうことを回避するようになっている。
なお、玉取込口53の側方に位置する各誘導路54,55の底面は、前述したように段差部56を設けることで同一の高さに設定されており、然も、玉通路51の底面高さは、各誘導路54,55の底面高さに比べて若干低く設定されている(図9参照)。これにより、各誘導路54,55の上流側に貯留されるパチンコ玉は、均等且つスムーズに玉通路51内に送り込まれるようになっている。但し、各誘導路54,55から玉通路51内へのパチンコ玉の玉流れ量に差をもたせたい場合には、玉流れ量を多くした方の底面を高く設定したり、玉取込口53を上流側に設ける等してもよい。また、玉取込口53の側方(段差部56を設けた上流部分)以外では、第1誘導路54の底面高さを第2誘導路55の底面高さよりも低く設定しているが、これは、各誘導路54,55からのパチンコ玉を前側合流部71で合流するための設計に基づくものである。
後板42と後側仕切板46との間には、後側合流部61が形成されている。後側合流部61は、アウト玉回収樋17と回収通路50とを連通する連通樋62と、第1側板40a及び第2側板40bの内壁面からそれぞれ連通樋62に向けて下り傾斜して設けられた第1及び第2の各誘導板63,64と、を備えている。連通樋62は、その上流端が後板42に穿設された導入口65を通してアウト玉回収樋17に連結され、連通樋62の下流端は、前述した後側仕切板46の導入口52を通して回収通路50に連結されている。また、第1誘導板63は、第1側板40a側に設けられた側方誘導樋47を通って後側仕切板46の導入切欠部48から送り込まれるパチンコ玉を連通樋62に誘導する一方、第2誘導板64は、第2側板40b側に設けられた側方誘導樋47を通って後側仕切板46の導入切欠部48から送り込まれるパチンコ玉を連通樋62に誘導する。これにより、後側合流部61を構成する連通樋62は、アウト玉回収樋17から送り込まれたパチンコ玉と、側方誘導樋47から送り込まれたパチンコ玉とを合流して、回収通路50に誘導するようになっている。
一方、前板41と第1及び第2の前側仕切板57,59との間には、合流部としての前側合流部71が形成されている。前側合流部71は、第1側板40aの内壁面から第2側板40bの内壁面に亘った下部貯留タンク13の短手方向幅一杯に延設されて、当該前側合流部71の上壁面を構成する圧抜板72を備えている。圧抜板72は、前板41から後板42の方向へ下り傾斜して設けられ、その前板41側の端部は、前板41の内壁面と当接されている。一方、圧抜板72の後板42側の端部は、前側仕切板57,59の各上端部分、及び回収通路50の下流端の上壁部分と当接されている。
圧抜板72の下方には、図13及び図14に示すように、前側合流部71内を複数の誘導路に区画形成するための第1及び第2の各区画板73,74と、該区画板73,74によって区画形成された各誘導路の通路底面を構成する第1乃至第4の各底面板75〜78と、が設けられている。第1及び第2の区画板73,74は、それぞれ第2前側仕切板59(厳密には、第2誘導路55及び玉通路51の各下流端)と前板41との間で、各々の板面を前板41の板面と平行に配し、且つ、所定間隔を置いて設けられている。また、区画板73,74の各一側端は、それぞれ第2側板40bの内壁面と当接され、区画板73,74の各他側端は、それぞれ第1側板40aの内壁面から所定間隔を置いて配置されている。なお、区画板73,74の各他側端と第1側板40aの内壁面との間隔は、第1前側仕切板57の横幅寸法、言い換えれば第1誘導路54の通路幅寸法と同一に設定されている。
そして、区画板73,74の各他側端と第1側板40aの内壁面との間には、第1前側仕切板57の連通切欠部58を通して第1誘導路54と導入樋18とを連通する第1底面板75が、第1誘導路54と同様に後板42から前板41の方向へ下り傾斜して設けられている。なお、前板41には、第1底面板75の下流端を導入樋18に接続するための導出口79が穿設されている(図3参照)。また、第1底面板75上における第1側板40aと前板41との隅角部分には、当該隅角部分で第1底面板75を流下するパチンコ玉が詰らないようにするための誘導突片84が設けられている(図7、図8、及び図13参照)。
なお、本実施形態では、導出口79を前板41の中央部ではなく側端側に寄せて穿設しているが、これは、下部貯留タンク13から導出されたパチンコ玉をスムーズに玉揚送装置へと導くために、導入樋18を直線状に形成しているからである。玉揚送装置の玉導入口をパチンコ島台1の奥行き方向中央部に設置できない理由としては、玉揚送装置は日常のメンテナンス性を考慮して作業者が点検し易いように、パチンコ島台1の奥行き方向一側に寄せる必要があることや、玉揚送装置の構造自体の都合、パチンコ島台1内に設置されるその他設備品の設置環境等が挙げられる。
第2誘導路55及び玉通路51の各下流端と第1区画板73との間には、第2側板40bから第1側板40aの方向へ下り傾斜して第2底面板76が設けられている(図14参照)。第2底面板76の上流端は、第2側板40bの内壁面と当接されている。一方、第2底面板76の下流端は、区画板73,74の各他側端と同様に、第1側板40aの内壁面から所定間隔を置いて配置されて、第1底面板75の上流部分で連通するようになっている。また、このような第2底面板76の配置により、第2底面板76の上流部分に対して、第2誘導路55が第2前側仕切板59の連通口60を通して連通され、第2底面板76の下流部分に対して、玉通路51が連通されるようになっている(図11参照)。
なお、玉通路51の上段に位置する回収通路50の下流端は、第2底面板76の上方を通って第1区画板73の他側端に穿設された導入切欠部80の位置まで延設されている。また、第2底面板76の下流部分と連通する玉通路51の下流端は、第1前側仕切板57側となる部分(以下、これを下流分岐部82という)が若干第1誘導路54の下流端部分と連通するように配置されている(図14参照)。即ち、玉通路51の下流端は、第2底面板76と連通して配置されると共に、その側端部分には、第1前側仕切板57の裏面側で第1誘導路54と連通する下流分岐部82が設けられている。これにより、第2誘導路55から第2底面板76上に流れ込んだパチンコ玉の玉流れの勢いが強く、その玉流れの勢いによって玉通路51からのパチンコ玉が第2底面板76上に流れ込み難くなるような場合でも、玉通路51からのパチンコ玉は下流分岐部82を通って第1誘導路54に流れることができるので、玉通路51の下流部分でパチンコ玉が滞ってしまうことを回避できる。
第1区画板73と第2区画板74との間には、第2側板40bから第1側板40aの方向へ下り傾斜して第3底面板77が設けられている。第3底面板77の上流端は、第2側板40bの内壁面と当接されている。一方、第3底面板77の下流端は、区画板73,74の各他側端と同様に、第1側板40aの内壁面から所定間隔を置いて配置されて、第1底面板75の中流部分で連通するようになっている。また、第1区画板73の他側端には、前述したように回収通路50の下流端が接続される導入切欠部80が穿設されている。これにより、第3底面板77の下流部分に対して、回収通路50が連通されるようになっている(図12参照)。
第2区画板77と前板41との間には、第2側板40bから第1側板40aの方向へ下り傾斜して第4底面板78が設けられている。第4底面板76の上流端は、第2側板40bの内壁面と当接されている。一方、第4底面板76の下流端は、区画板73,74の各他側端と同様に、第1側板40aの内壁面から所定間隔を置いて配置されて、第1底面板75の下流部分で連通するようになっている。また、第4底面板76の上流部分と対応する前板41の部分には、連結樋19が接続される連結口81が穿設されている(図3参照)。これにより、第4底面板78の上流部分に対して、連結樋19が連通されるようになっている。
ここで、上記した前側合流部71と該前側合流部71に合流する各種構成部材の設定寸法について、図13及び図14を参照して説明する。先ず、前側合流部71に合流する各種構成部材となる第1及び第2の誘導路54,55、回収通路50、及び玉通路51の設定寸法について説明する。第1誘導路54、第2誘導路55、回収通路50、及び玉通路51は、前述したように水平面に対して3.7度の傾斜角度に設定されている。第1誘導路54の通路幅寸法W1は、図14に示すように、140mmに設定されている。第1誘導路54の下流端に配置されて第1誘導路54と前側合流部71の第1底面板75とを連通する第1前側仕切板57の連通切欠部58は、第1側板40aの内壁面から第2側板40b側に90mmの横幅寸法W2に設定され、第1誘導路54の底壁面から上方に31mmの高さ幅寸法H1に設定されている。これにより、第1誘導路54のパチンコ玉は、パチンコ玉の直径寸法が11mmとなることから、連通切欠部58を通して縦2段で前側合流部71の第1底面板75に送り込まれる。
第2誘導路55の通路幅寸法W3は、第1誘導路54と同一の140mmに設定されており、第2誘導路55の下流端に配置されて第2誘導路55と前側合流部71の第2底面板76とを連通する第2前側仕切板59の連通口60は、第1前側仕切板57の連通切欠部58と同様に、第2誘導路55の底壁面から上方に31mmの高さ幅寸法H2に設定されている。これにより、第2誘導路55のパチンコ玉は、連通口60を通して縦2段で前側合流部71の第2底面板76に送り込まれる。
なお、連通口60の横幅寸法は、第2誘導路55の通路幅寸法W3と同一の140mmとなり、連通切欠部58の横幅寸法W2(90mm)よりも50mm広く設定されている。言い換えれば、連通切欠部58の横幅寸法W2は、連通口60の横幅寸法W3よりも50mm狭く設定されている。これは、前述した下部貯留タンク13の設計構造(第1誘導路54が前側合流部71の第1底面板75と直線的に接続される構造)上、第1誘導路54のパチンコ玉が最も勢いよく第1底面板75に流れ込むため、連通切欠部58の横幅寸法W2を狭めて第1誘導路54から第1底面板75に流れ込むパチンコ玉の量を減らし、第1誘導路54からのパチンコ玉と第2誘導路55からのパチンコ玉とを第1底面板75上でほぼ均等に合流させるための設定であり、このような構成とすることで、第1誘導路54に貯留されるパチンコ玉と第2誘導路55に貯留されるパチンコ玉とを均等に循環させることができる。
上下二段の回収通路50及び玉通路51は、それぞれ102mmの通路幅寸法W4,W5に設定されている。回収通路50の通路高さ寸法H3は、30mmであり、玉通路51の通路高さ寸法H4は、連通切欠部58及び連通口60の高さ幅寸法と同一の31mmである。また、第1誘導路54側に連通する玉通路51の下流分岐部82は、第1誘導路54の底壁面から高さ寸法H5が20.2mmとなる位置に配され、その横幅寸法W6は30mmに設定されている。なお、玉通路51の上流側に設けられた玉取込口53の高さ幅寸法H6は、玉通路51の通路高さ寸法H4と同一の31mmであり、玉取込口53の横幅寸法W7は、108mmに設定されている(図4参照)。
次に、前側合流部71を構成する第1乃至第4の底面板75〜78の設定寸法について説明する。第1底面板75の通路幅寸法W8は、第1誘導路54と同一の140mmに設定されており、第2底面板76の通路幅寸法W9は、65mmに設定されている。また、第2底面板76は、3.4度の傾斜角度に設定されており、第2底面板76の下流端は、図13に示すように、その通路幅方向における両端部分でそれぞれ第1底面板75から高さ寸法H7,H8が9mm、15mmとなる位置に配置されている。また、第3及び第4の底面板77,78は、それぞれ第2底面板76と同一の65mmの通路幅寸法W10,W11に設定されると共に、各々8度の傾斜角度に設定されている。また、第3及び第4の底面板77,78の下流端は、それぞれの通路幅方向における一端部分(第1底面板75の上流側の一端部分)で第1底面板75から高さ寸法H9,H10が40mmとなる位置に配置されている。
ところで、上記した第3底面板77は、パチンコ玉を誘導する通路方向が回収通路50の通路方向と直交する方向に配置されている。このため、回収通路50から第3底面板77上に流れ込むパチンコ玉は、第3底面板77側に対向する第2区画板74の側壁面に衝突して流下方向が変わると共に、その衝突によって玉流れの勢いが弱められるようになっている。しかしながら、第3底面板77の下流端は、前述したように第1底面板75からパチンコ玉1個分以上の高さとなる40mmの位置に配置されることで、回収通路50を通って第3底面板77に流れ込んだパチンコ玉は、ある程度の勢いをもって第1底面板75上に落下することになる。このため、第3底面板77を流下したパチンコ玉は、第1底面板75の上流で合流して下流側に流下するパチンコ玉(第1誘導路54を流下したパチンコ玉と、第2誘導路55及び玉通路51を通った後に第2底面板76を流下したパチンコ玉)の玉流れに止められることなく、第1底面板75上で合流できるようになっている。
また、これと同様に、第4底面板78は、パチンコ玉を誘導する通路方向が連結樋19の通路方向と直交する方向に配置されているため、連結樋19から第4底面板78上に流れ込むパチンコ玉は、第4底面板78側に対向する第2区画板74の側壁面に衝突して流下方向が変わり玉流れの勢いが弱められるが、第4底面板78の下流端は、前述したように第1底面板75からパチンコ玉1個分以上の高さとなる40mmの位置に配置されることで、連結樋19を通って第4底面板78に流れ込んだパチンコ玉は、ある程度の勢いをもって第1底面板75上に落下することになる。このため、第4底面板78に流れ込んだパチンコ玉は、第1底面板75の中流で合流して下流側に流下するパチンコ玉(第1底面板75の上流で合流したパチンコ玉と、回収通路50を通った後に第3底面板77を流下したパチンコ玉)の玉流れに止められることなく、第1底面板75上で合流できるようになっている。
また、前側合流部71を形成する第2底面板76、第3底面板77、第4底面板78は、それぞれ導出口79と一直線に連通する第1底面板75に対して直交して配置されると共に、各種通路の下流端開口(連通口60、玉通路51の下流端開口51a、回収通路50の下流端開口50a、連結口81)からのパチンコ玉の流下方向を直角に転換することで流下速度を減速させて当該パチンコ玉を第1底面板75の途中に合流させる本発明の直角転換通路(第一乃至第四の各直角転換通路を含む)を構成するようになっている。そして、直角転換通路の通路底面(第2底面板76、第3底面板77、第4底面板78の各上面)と各下流端開口(連通口60、玉通路51の下流端開口51a、回収通路50の下流端開口50a、連結口81)との間には、段差(H11,H12,H13,H14)が設けられている。このため、玉受入口から直角転換通路に送り込まれるパチンコ玉は、直角転換通路の通路底面と下流端開口との間に設けられた段差によって玉受入口から直角転換通路上に落下され、その後、直角転換通路を流下することで流下方向が直角に転換される。従って、下部貯留タンク13の貯留部側から前側合流部71に送り込まれるパチンコ玉の圧力を直角に屈曲した直角転換通路の隅角部分で直接受けることがないので、このような直角転換通路の隅角部分にパチンコ玉が俗にいう死玉となって停留されることがない。また、このように導出口79と一直線に連通する第1底面板75に対してパチンコ玉を合流させる玉通路を直角転換通路とすることにより、下部貯留タンク13の長手方向に対して極力狭い範囲で合流部分(前側合流部71)を設けるようにできるので、下部貯留タンク13を大型化することなく広い貯留空間を確保することができる。
以上、下部貯留タンク13の構造について説明してきたが、次に、下部貯留タンク13の作用をパチンコ玉の流れに沿って説明する。先ず、前述したように玉揚送装置によって揚送され、上部タンク6でオーバーフローしたパチンコ玉が中継樋14を介して下部貯留タンク13内の溢れ玉誘導樋45に導入され、溢れ玉誘導樋45上を流下する。パチンコ玉は、溢れ玉誘導樋45を流下した後に後側仕切板46にぶつかることで第1及び第2の誘導路54,55に向けて落下して、各誘導路54,55の上流側から順に誘導路54,55内に貯留されていく。但し、中継樋14を介して下部貯留タンク13内に誘導されるパチンコ玉は、上部タンク6でオーバーフローしたパチンコ玉だけではなく、玉揚送装置の下部貯留タンク13側の真横に設置された2台のパチンコ機2の各アウト玉回収ボックスから排出されるパチンコ玉と、当該2台のパチンコ機2に隣接された各台間玉貸計数機3の景品玉排出路27(排出口28)から排出される景品玉と、が中継樋14のゴム板15上に落下されて下部貯留タンク13内に誘導される。また、誘導路54,55内には、下部貯留タンク13の長手方向幅内の上方位置に配置された4台のパチンコ機2の各アウト玉回収ボックスから排出されるパチンコ玉と、当該4台のパチンコ機2に隣接された各台間玉貸計数機3の景品玉排出路27(排出口28)から排出される景品玉と、が直接落下せしめられる。
なお、上記した誘導路54,55内のパチンコ玉が後側仕切板46の下流端部分までの高さ位置まで貯留されて、後側仕切板46から誘導路54,55内へのパチンコ玉の落下が滞るような場合、溢れ玉誘導樋45上を流下するパチンコ玉は、後側仕切板46に到達する以前に溢れ玉誘導樋45から外れて誘導路54,55内に貯留されたパチンコ玉の上に落下する。さらには、誘導路54,55内に多量のパチンコ玉が貯留されて、側方誘導樋47の側壁となる立壁部49の上端部分よりも高い位置までパチンコ玉が積み上げられた場合、立壁部49の上端部分よりも高い位置にあるパチンコ玉は、立壁部49を乗り越えて側方誘導樋47内に入り込み、側方誘導樋47を通って後側合流部61に送り込まれる。
そして、誘導路54,55内のパチンコ玉は、それぞれ各誘導路54,55の傾斜に沿ってその下流側となる前側合流部71に向けて流下する。また、誘導路54,55の上流側に貯留されるパチンコ玉は、それぞれ玉取込口53から玉通路51内に入り込み、該玉通路51を通って前側合流部71に誘導される。
また、下部貯留タンク13の長手方向幅内の上方位置に配置された4台のパチンコ機2、及び玉揚送装置の下部貯留タンク13側の真横に設置された2台のパチンコ機2以外となるパチンコ機2において、玉揚送装置を挟んで左側(下部貯留タンク13が配置されない側)のアウト玉回収樋17’の上方に配置されたパチンコ機2では、当該パチンコ機2のアウト玉回収ボックスから排出されるパチンコ玉と、当該パチンコ機2に隣接された台間玉貸計数機3の景品玉排出路27(排出口28)から排出される景品玉と、がアウト玉回収樋17’及び連結樋19を通って前側合流部71に誘導される。一方、玉揚送装置を挟んで右側(下部貯留タンク13が配置される側)のアウト玉回収樋17の上方に配置されたパチンコ機2では、当該パチンコ機2のアウト玉回収ボックスから排出されるパチンコ玉と、当該パチンコ機2に隣接された台間玉貸計数機3の景品玉排出路27(排出口28)から排出される景品玉と、がアウト玉回収樋17を通って後側合流部61に誘導される。
後側合流部61では、アウト玉回収樋17を流下したパチンコ玉が導入口65を通って連通樋62上に流れ込み、また、前述したように側方誘導樋47を流下したパチンコ玉が導入切欠部48を通って第1及び第2の誘導板63,61上に流れ込む。誘導板63,61上に流れ込んだパチンコ玉は、連通樋62上のパチンコ玉と合流し、この合流したパチンコ玉が導入口52を通って回収通路50に送り込まれる。そして、回収通路50内のパチンコ玉は、回収通路50の傾斜に沿ってその下流側となる前側合流部71に向けて流下する。
一方、前側合流部71では、第1誘導路54を流下したパチンコ玉が連通切欠部58を通って第1底面板75上に流れ込む。また、第2誘導路54を流下したパチンコ玉は、連通口60を通って第2底面板76の上流部分に流れ込み、玉通路51を流下したパチンコ玉は、第2底面板76の下流部分に流れ込む。これにより、第2誘導路54から送り込まれて第2底面板76上を流下するパチンコ玉に対して、玉通路51からのパチンコ玉が第2底面板76の下流部分で合流され、この合流したパチンコ玉が第1誘導路54から送り込まれて第1底面板75上を流下するパチンコ玉に合流される。なお、このとき、玉通路51の下流端から排出されるパチンコ玉のうち一部のパチンコ玉は、下流分岐部82を通って第1前側仕切板57の裏面側で第1誘導路54に送り込まれる。但し、第2誘導路55から第2底面板76上に流れ込んだパチンコ玉の玉流れの勢いが強いような場合、玉通路51からのパチンコ玉は、第2底面板76上に流れ込み難くなるため、その大半が下流分岐部82を通って第1誘導路54に送り込まれる。
また、回収通路50を流下したパチンコ玉は、第1区画板73の導入切欠部80から第3底面板77上に流れ込む。第3底面板77上に流れ込んだパチンコ玉は、第3底面板77の傾斜に沿って流下して第1底面板75上に落下し、第1底面板75の上流から流下するパチンコ玉(第1誘導路54を流下したパチンコ玉と、第2誘導路55及び玉通路51を通った後に第2底面板76を流下したパチンコ玉)と合流される。
また、アウト玉回収樋17’を介して連結樋19を流下したパチンコ玉は、前板41の連結口81から第4底面板78上に流れ込む。第4底面板78上に流れ込んだパチンコ玉は、第4底面板77の傾斜に沿って流下して第1底面板75上に落下し、第1底面板75の中流から流下するパチンコ玉(第1底面板75の上流で合流したパチンコ玉と、回収通路50を通った後に第3底面板77を流下したパチンコ玉)と合流される。そして、このようにして第1底面板75の下流で合流されたパチンコ玉は、前板41の導出口79から導入樋18を通って玉揚送装置に送り込まれる。
ところで、以上説明した下部貯留タンク13内でのパチンコ玉の玉流れにおいて、下部貯留タンク13内でのパチンコ玉の貯留空間となる第1及び第2の誘導路54,55では、玉取込口53側方の底面高さをそれぞれ同一に設定することで、各誘導路54,55間に設けられた玉通路51(玉取込口53)内へのパチンコ玉の流れ込み量を均等にしている。また、第1誘導路54から前側合流部71に送り込まれるパチンコ玉は、そのまま真っ直ぐ前側合流部71の第1底面板75上に流れ込むのに対して、第2誘導路55から前側合流部71に送り込まれるパチンコ玉は、一旦、第2底面板76上で直角に流下方向が切り換えられて第1底面板75上に流れ込むようになっている。このため、第1底面板75上で合流されるパチンコ玉の玉流れの勢いは、第1誘導路54から流れ込むパチンコ玉に比べて第2誘導路55から流れ込むパチンコ玉の方が弱くなってしまう。
そこで、本実施形態では、第1誘導路54から前側合流部71にパチンコ玉を導入する第1前側仕切板57の連通切欠部58を、第2誘導路55から前側合流部71にパチンコ玉を導入する第2前側仕切板59の連通口60よりも横幅寸法を50mm短く設定している。即ち、第1誘導路54からのパチンコ玉の導入口(連通切欠部58)を第2誘導路55からのパチンコ玉の導入口(連通口60)よりも小さく形成している。これにより、第1誘導路54から第1底面板75に流れ込むパチンコ玉の量を減らして、第1誘導路54からのパチンコ玉と第2誘導路55からのパチンコ玉とを第1底面板75上でほぼ均等に合流させるようになっている。しかして、第1及び第2の誘導路54,55に貯留されたパチンコ玉はそれぞれ均等に循環され、下部貯留タンク13内の特定の部分にだけパチンコ玉が滞るようなことを回避するようになっている。
なお、下部貯留タンク13内に貯留されたパチンコ玉を合流させて玉揚送装置に誘導する前側合流部71を形成する各構成部材(区画板73,74、及び底面板75〜78)は、それぞれ単独の板状部材からなる。このため、パチンコ島台1の状況に応じて各構成部材の形状寸法又は傾斜角度を若干変更するだけで、誘導路54,55に貯留された後に前側合流部71に合流されるパチンコ玉と、誘導路54,55に貯留されることなくアウト玉回収樋17から回収通路50を通って前側合流部71に合流されるパチンコ玉と、の合流割合を簡単に変更することができる。
例えば、下部貯留タンク13の長手方向幅の寸法を長めに設定することで、パチンコ島台1に設置されるパチンコ機2のうち、下部貯留タンク13に直接パチンコ玉を排出するパチンコ機2の割合が多くなるような場合、誘導路54,55に貯留されるパチンコ玉の絶対量が増える一方で、アウト玉回収樋17を通って回収通路50に送り込まれるパチンコ玉の絶対量が減ることになる。このような場合には、回収通路50からのパチンコ玉を受け入れてこれを第1底面板75に誘導する第3底面板77の傾斜角度を緩やかにすることで、アウト玉回収樋17から回収通路50を通って前側合流部71に合流されるパチンコ玉の割合を減らすことができる。言い換えれば、誘導路54,55に貯留された後に前側合流部71に合流されるパチンコ玉の割合を増やすことができる。即ち、絶対量が増えた誘導路54,55内のパチンコ玉の合流割合を増やす一方で絶対量が減ったアウト玉回収樋17からのパチンコ玉の合流割合を減らすことにより、誘導路54,55内のパチンコ玉とアウト玉回収樋17からのパチンコ玉とを均等に玉揚送装置に送り込むことができる。
なお、本実施形態の構成によれば、下部貯留タンク13の中でパチンコ玉の流下方向を変換する構成を、下部貯留タンク13の長手方向端部、即ち、下部貯留タンク13の前板41側に構成した前側合流部71、及び下部貯留タンク13の後板42側に構成した後側合流部61に集約し、パチンコ玉を貯留する空間となる下部貯留タンク13の長手方向中央部、即ち、各誘導路54,55が設けられている空間(貯留空間)の構成を、平面視直線状の部材のみで構成したため、例えば、下部貯留タンク13のパチンコ玉の貯留量を変更したい場合には、前側合流部71、及び後側合流部61の構成はそのままで、貯留空間を構成する各部材の長さを変更するだけで容易に対応することができる。また、下部貯留タンク13の向きを変更したい場合(導入樋18が接続される導出口79の位置を前板41の反対方向に変更したい場合)であっても、前記貯留空間においては、各部材の位置を取り換えるだけで容易に対応することができるため、従来のように貯留タンク全体を各向きにあわせて製作する必要がなくなり、部材の共通化を図ることが可能となる。
次に、発明の要部をなすオーバーフロー通路90の構造について、図15乃至図22を参照して説明する。図15は、上部タンク6、下部貯留タンク13、及びオーバーフロー通路90を備えたパチンコ島台1の内部を示す他側面図である。図16は、オーバーフロー通路90を示す斜視図である。図17は、オーバーフロー通路90の内部構造を示す斜視図である。図18は、オーバーフロー通路90の玉分離部93及び玉合流部94を示す部分拡大斜視図である。図19は、 玉分離部93及び玉合流部94の開放状態を示す部分拡大斜視図である。図20は、玉分離部93及び玉合流部94の内部構造を示す部分拡大斜視図である。図21は、オーバーフロー通路90の下側部分及び玉分離部93の内部構造を示す縦断面図である。図22(A)は、オーバーフロー通路90内にパチンコ玉Pが貯留された初期状態を示す縦断面図であり、図22(B)は、オーバーフロー通路90内から玉分離部93にパチンコ玉Pが溢れた状態を示す縦断面図である。
図15に示すように、上部タンク6の下端には、当該上部タンク6から溢れたパチンコ玉を下部貯留タンク13に誘導するためのオーバーフロー通路90が接続されている。オーバーフロー通路90は、玉揚送装置収納部5の裏面側内部に直線状に固定されるものであり、所定の肉厚(例えば、1〜2cm)を有するベニア板等の木材で角筒状(金属板で角筒状に形成してもよい)に形成されている。オーバーフロー通路90の上流端部分は、上部タンク6の下端に形成されて当該上部タンク6内で溢れたパチンコ玉を外部に排出するオーバーフロー排出口6aに接続されている。一方、オーバーフロー通路90の下流端部分には、オーバーフロー通路90内を流下したパチンコ玉を下部貯留タンク13に誘導するための中継樋14が接続されている。なお、オーバーフロー通路90が設けられる玉揚送装置収納部5の裏面側には、オーバーフロー通路90の設置部分を開閉するための作業用の開閉扉(図示しない)が設けられており、該開閉扉を開放することで、オーバーフロー通路90に隣接して設けられる後述の玉分離部93からのパチンコ玉の抜き取り作業と、玉合流部94へのパチンコ玉の投入作業とが行われるようになっている。
図16及び図17に示すように、オーバーフロー通路90を構成する左右の側壁90a,90bの内面には、それぞれオーバーフロー通路90を流下するパチンコ玉の勢いを弱めるための規制部材としての流下規制板91が交互に多数突設されている。流下規制板91の上面及びオーバーフロー通路90の内周面には、それぞれパチンコ玉の衝突によって発生する騒音を抑制するための緩衝部材92(例えば、ゴム板や合成樹脂板等)が貼付されている。
また、オーバーフロー通路90の下流側には、図18乃至図20に示すように、オーバーフロー通路90を流下したパチンコ玉を当該オーバーフロー通路90内から分離する玉分離部93(玉分離経路、分離玉貯留部、分岐通路)と、外部からパチンコ玉を投入してこれをオーバーフロー通路90内のパチンコ玉と合流させる玉合流部94(玉投入経路、合流通路)と、が設けられている。玉分離部93は、オーバーフロー通路90の右側壁90bに隣接して設けられており、当該玉分離部93の隣接部分における右側壁90bの上端には、オーバーフロー通路90と玉分離部93とを連通する連通口95が穿設されている。連通口95は、図21に示すように、当該連通口95が穿設された右側壁90bと対向する側壁(左側壁90a)に設けられる最下段の流下規制板91(同図中に、流下規制板91’と記載)とほぼ同一の高さ位置に設けられている。これにより、連通口95と対向する側の側壁90aの流下規制板91’上から流下したパチンコ玉が流下の勢いで連通口95に入ることを回避するようになっている。また、右側壁90bにおける連通口95の穿設位置から下側の部分には、オーバーフロー通路90内における連通口95の近傍位置に貯留されたパチンコ玉を玉分離部93側へ誘導し易くするための突出誘導板96がオーバーフロー通路90内に若干突出するように設けられている。なお、突出誘導板96の内壁面にも緩衝部材92が貼付されており、パチンコ玉が突出誘導板96に衝突した際に発生する騒音を抑制するようになっている。
玉分離部93の前面部分(玉揚送装置収納部5裏面側の開閉扉と対向する面)における下流には、玉分離部93内に入り込んだパチンコ玉を抜き取るための抜取口97が穿設されている。抜取口97には、通常の営業状態で当該抜取口97からパチンコ玉が排出されないようにするためのスライド蓋98が上下方向にスライド移動可能に設けられている。そして、玉抜き作業時に従業員が開閉扉を開放してスライド蓋98を上方へスライド操作することで、抜取口97を開放して当該抜取口97からパチンコ玉を抜き取るようになっている。なお、抜取口97を開閉するスライド蓋98には、当該スライド蓋98を上下方向へスライド操作するための取っ手99と、スライド蓋98によって抜取口97を閉鎖した状態で玉分離部93の内部状況(パチンコ玉の貯留状況)を確認するための確認スリット100と、が設けられている。また、確認スリット100には、玉分離部93内に貯留されたパチンコ玉の玉量が把握できるように目盛り(図示しない)が付されている。これにより、スライド蓋98を開放した際に抜取口97から排出されるパチンコ玉の玉量を事前に把握することができるので、例えば、玉抜き時にパチンコ玉を収容するために持ち込んだ容器で抜取口97から抜き取るパチンコ玉を全て収容することができる否かを判断した上で、玉抜き作業を行うことができ、玉抜きを行っている最中に容器が満杯になってパチンコ玉が溢れるような不具合を未然に防ぐことができる。
一方、玉合流部94は、オーバーフロー通路90を構成する前面壁90cに隣接して設けられており、前面壁90cの下端部分には、オーバーフロー通路90と玉合流部94とを連通する連通口101が穿設されている。玉合流部94の底面は、玉分離部93側(右側壁90b側)とは反対側となる左側壁90a側、即ち中継樋14側に下り傾斜した傾斜面をなし、その下流端には、オーバーフロー通路90の下流端ともなる玉排出口102が形成されており、当該玉排出口102が、オーバーフロー通路90内を流下したパチンコ玉及び玉合流部94から投入されたパチンコ玉を下部貯留タンク13に誘導するための中継樋14に接続される。
そして、玉合流部94の上面部分には、パチンコ島台1の保守点検時や玉抜き作業時等に従業員が集めた若干のパチンコ玉を下部貯留タンク13に送り込むための投入口103が設けられている。これにより、投入口103から投入されたパチンコ玉は、オーバーフロー通路90を流下して連通口101から玉合流部94内に流れ込んだパチンコ玉と合流された後、玉排出口102から中継樋14を介して下部貯留タンク13に誘導されるようになっている。なお、投入口103は、オーバーフロー通路90の下流側に上面開口形状をなして設けられ、オーバーフロー通路90に対して真上からパチンコ玉が投入できるようになっている。このため、投入されたパチンコ玉を優先的にオーバーフロー通路90に合流させることができるので、投入口103から投入したパンチコ玉をよりスムーズにパチンコ島台1内に貯留することができる。また、玉分離部93と同様に、玉合流部94がオーバーフロー通路90の下流側に設けられることで、投入口103は、玉分離部93の近傍位置に配置されることになる。これにより、玉分離部93でのパチンコ玉の貯留状況を把握した上で、投入口103にパチンコ玉を投入することができる。また、投入口103には、通常の営業状態で当該投入口103内にパチンコ玉が入り込まないようにするための開閉蓋104が設けられている。
しかして、上部タンク6内でパチンコ玉が満杯となってパチンコ玉が溢れた場合には、その溢れたパチンコ玉が上部タンク6下端のオーバーフロー排出口6aからオーバーフロー通路90に送り込まれる。そして、オーバーフロー通路90を流下したパチンコ玉は、連通口101から玉合流部94内に流れ込んだ後に、玉排出口102から中継樋14を介して下部貯留タンク13に誘導される。
また、オーバーフロー通路90内でのパチンコ玉の流下において、下部貯留タンク13内でパチンコ玉が満杯となってオーバーフロー通路90から下部貯留タンク13へのパチンコ玉の送り込みがスムーズに行われなくなる場合は、図22(A)に示すように、オーバーフロー通路90の下流側でパチンコ玉Pが積層された状態で停留される。
その後、このようなオーバーフロー通路90下流側でのパチンコ玉Pの積層が継続されて、オーバーフロー通路90と玉分離部93とを連通する連通口95の配置位置以上にパチンコ玉Pが積層されると、図22(B)に示すように、連通口95の配置位置以上に積層されたパチンコ玉Pがオーバーフロー通路90内から連通口95を通って玉分離部93に送り込まれる。そして、従業員の玉抜き作業によって玉分離部93内に貯留されたパチンコ玉を抜取口97から抜き取ることで、パチンコ島台1内に貯留されるパチンコ玉を所定貯留量に維持することができる。
一方、パチンコ島台1内でのパチンコ玉の貯留量が所定貯留量を下回るような場合には、他のパチンコ島台1の抜取口97から抜き取ったパチンコ玉を自島の投入口103に投入することで、簡単に自島のパチンコ玉を補充することができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、パチンコ島台1内に貯留するパチンコ玉が予め定めた所定貯留量を超えた場合、所定貯留量を超えた分のパチンコ玉は、パチンコ島台1内の循環経路(本実施形態では、オーバーフロー通路90)から玉分離部93に分離されて玉分離部93内に貯留される。そして、玉分離部93内に貯留されたパチンコ玉を抜取口97から抜き取ることで、パチンコ島台1内に貯留されるパチンコ玉を所定貯留量に維持することができる。これにより、パチンコ機2毎に対応して設置されて遊技者が獲得したパチンコ玉を計数すると共にこれを下部貯留タンク13に送り込む台間玉貸計数機3を備えたパチンコ島台1の構成、言い換えれば、個別JC(台間玉貸計数機3)の設置によってキャリーレスシステムを採用した完全独立方式のパチンコ島台1の構成においても、パチンコ島台1内でのパチンコ玉の貯留量を容易に維持することができ、結果として、パチンコ玉の貯留量が過剰となることで生じる不具合を未然に防ぐことができる。
また、通路内の側壁90a,90bにパチンコ玉の玉流れを規制する流下規制板91が上下方向に複数列設されて、上部タンク6から溢れたパチンコ玉を下部貯留タンク13に誘導するオーバーフロー通路90を備えると共に、該オーバーフロー通路90の通路途中から分岐して設けられた分岐通路によって玉分離部93を構成する。そして、玉分離部93がオーバーフロー通路90と連通する連通口95を、オーバーフロー通路90において連通口95が穿設された側壁90b(一側壁)と対向する側壁90a(他側壁)に設けられる最下段の流下規制板91’とほぼ同一の高さ位置に配置する。これにより、連通口95と対向する側の側壁90aに設けられた最下段の流下規制板91’上から流下したパチンコ玉が流下の勢いで連通口95に入ることを回避することができる。言い換えれば、オーバーフロー通路90内を流下中のパチンコ玉が玉分離部93に送り込まれてしまう不具合を回避できる。従って、オーバーフロー通路90内において連通口95の高さ位置以上に貯留されたパチンコ玉を所定貯留量を超えた分のパチンコ玉として玉分離部93に送り込むことができ、結果として、オーバーフロー通路90から下部貯留タンク13へのパチンコ玉の循環に支障を来すことなく、パチンコ島台1内でのパチンコ玉の貯留量が維持できる。
また、連通口95が穿設されたオーバーフロー通路90の側壁90bにおいて、連通口95から下方の内壁部分の一部又は全部を、連通口95の上方に位置する内壁部分に比べてオーバーフロー通路90内に突出して設けることで、オーバーフロー通路90内において連通口95の高さ位置以上に貯留されたパチンコ玉が連通口95に入り易くなり、結果として、所定貯留量を超えた分のパチンコ玉をスムーズに玉分離部93に送り込むことができる。
また、パチンコ島台1内の循環経路から玉分離部93にパチンコ玉を分離させて、所定貯留量を超えた分のパチンコ玉を抜取口97から抜き取り可能にした構成に加えて、投入口103から投入されたパチンコ玉を玉合流部94から循環経路に導くことで、パチンコ島台1内の循環経路へのパチンコ玉の合流を可能にする。これにより、パチンコ島台1(自島ともいう)内でのパチンコ玉の貯留量が所定貯留量を下回るような場合には、他島(他のパチンコ島台1)の抜取口97から抜き取ったパチンコ玉を自島の投入口103に投入するだけで簡単に自島のパチンコ玉を補充することができる。なお、不足分以上にパチンコ玉を投入口103から投入した場合でも、その不足分以上となるパチンコ玉は、パチンコ島台1内の循環経路から玉分離部93に分離されるので、パチンコ島台1内のパチンコ玉を簡単に所定貯留量に維持することができる。
また、オーバーフロー通路90の通路途中で当該オーバーフロー通路90と合流して設けられた合流通路によって玉合流部94を構成し、合流通路がオーバーフロー通路90と合流する合流部分を、オーバーフロー通路90において連通口95が配置される位置よりも下流側に設ける。これにより、投入口103から投入したパチンコ玉がそのままオーバーフロー通路90から玉分離部93に分離されてしまうような不具合を回避することができる。
また、玉揚送装置を収納する玉揚送装置収納部5内に抜取口97と投入口103とを配置して、玉揚送装置収納部5を開閉扉で閉鎖する。これにより、遊技場の通常営業時には、開閉扉を閉鎖することで、遊技者が抜取口97及び投入口103に対していたずらすることを防止できる。そして、パチンコ島台1内からパチンコ玉を抜き取る場合、あるいはパチンコ島台1内にパチンコ玉を投入する場合は、開閉扉を開放して抜取口97からパチンコ玉を抜き取る、あるいは投入口103にパチンコ玉を投入するだけで、簡単にパチンコ玉の抜き取り又は投入の作業を行うことができる。また、玉揚送装置を点検する場合でも、開閉扉を開放するだけで簡単に玉揚送装置の点検作業を行うことができる。
なお、上記した実施形態では、玉分離部93がオーバーフロー通路90と連通する連通口95を、オーバーフロー通路93において連通口95が穿設された側壁90bと対向する側壁90aに設けられる最下段の流下規制板91’とほぼ同一の高さ位置、言い換えれば、流下規制板91’上を流下したパチンコ玉がそのまま連通口95に入り込まないような高さ位置としている。但し、このような流下規制板91’とほぼ同一の高さ位置とは、流下規制板91’とまったく同一の高さ位置、流下規制板91’よりも若干上方の高さ位置、及び、流下規制板91’よりも若干下方の高さ位置、を含む表現である。これは、流下規制板91’の先端側を側壁90aに対して若干下り傾斜するように設けた場合、流下規制板91’よりも若干下方の高さ位置に連通口95を配置しても、流下規制板91’上を流下したパチンコ玉がそのまま連通口95に入り込まないような構成にできるためである。
なお、上記した実施形態では、遊技島台(パチンコ島台1)におけるパチンコ玉の貯留量が所定貯留量を超えたときに、当該所定貯留量を超えた分のパチンコ玉を遊技島台内のパチンコ玉の循環経路(実施形態中では、オーバーフロー通路90)から分離するために連通口95を設け、該連通口95を常時開口させた構成としているが、この構成に限定するものではなく、同様の機能を有するものであればよい。例えば、所定貯留量を超えたことを検出するセンサを設け、該センサが所定貯留量を超えたことを検出した場合にシャッタを動作させることで、連通口95が開口するようなものであってもよい。また、営業終了後において、前記センサが所定貯留量を超えていることを検出している遊技島台のシャッタのみ開放させるような制御を実行してもよい。このような制御を採用することで、所定貯留量を超えた分のパチンコ玉を確実に循環経路から分離することができる。これは、パチンコ玉が出玉として遊技島台外に排出されたり、該出玉が遊技島台内に返却されたりとパチンコ玉の出入りが激しい営業中では、遊技島台内の貯留量を正確にセンサで検出することが困難であることからパチンコ玉の出入りが無い営業終了後に行うようにしたものである。但し、実施形態中に記載の構成(連通口95からパチンコ玉を分離する構成)は、電気的駆動源を用いることなくパチンコ玉の自然流下を利用した構成であるため、電気代を抑えることができる点で有効である。
また、上記した実施形態では、オーバーフロー通路90から流下したパチンコ玉が下部貯留タンク13に貯留される循環経路を示したが、それ以外でもよく、例えば、下部貯留タンクを設けずに、オーバーフロー通路90に貯留機能を持たせ、該オーバーフロー通路90内で所定貯留量を超えたときに、当該所定貯留量を超えた分のパチンコ玉を当該遊技島台内のパチンコ玉の循環経路から分離するものであってもよい。また、実施形態中では、本発明に係る回収経路を、下部貯留タンク13、アウト玉回収樋17,17’、導入樋18、及び連結樋19としているが、回収経路は、必ずしもこれらの構成部材に限定するものではなく、例えば、回収経路に下部貯留タンクを設けない構成であってもよい。
また、玉分離部93内のパチンコ玉の貯留状況を容易に確認できるようにするために、各遊技島台の玉分離部93に玉の貯留状況を検出するセンサを設け、該センサの検出結果を遊技島台外部で確認できるようにしてもよい。このようにすることで、遊技島台外にこぼれたパチンコ玉や、ワゴンサービスで使用したパチンコ玉をどの遊技島台に返却すればよいのか遊技島台の開閉扉を開けることなく予め把握することができるため、遊技島台へのパチンコ玉の返却作業をより容易に行うことができる。