JP4450327B2 - 遊技機島の計数球分流構造 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機島に設置された景品球計数機から排出された計数済みの遊技球を島内で貯留タンクなどへ分流する遊技機島の計数球分流構造に関する。
遊技場では、パチンコ機などの遊技機を並設収容した遊技機島を店内に複数形成し、遊技に供する遊技球を遊技機島の中で循環させて繰り返し使用するようになっている。詳細には、各遊技機から排出された遊技球を島下部で回収し、これを揚送研磨機によって研磨しながら遊技機島の上部貯留タンクへ揚送し、研磨後の遊技球をこの上部貯留タンクから樋などを通じて各遊技機に再度供給する。
また、上部貯留タンクから溢れた遊技球を、遊技機島の下部に配置した複数の下部貯留タンクに貯留しておき、上部貯留タンクの貯留量が少なくなったときに、下部貯留タンクから揚送研磨機へ遊技球を排出することで、遊技機島内の循環量を適正に維持している。
また、遊技者の獲得した遊技球は、遊技機島の端や中央に設置されている景品球計数機に投入されて計数された後、島内の搬送路を通じて下部貯留タンクに回収されて再利用される。
景品球計数機においては、遊技者が大量に遊技球を獲得している場合の計数作業や閉店近くに多くの遊技客が集中した場合の計数作業を円滑に進めるために、単位時間当たりの計数能力を高める傾向にあり、たとえば、特許文献1には、遊技球を整列させて計数箇所へ案内するための通路を上下2段に構成した景品球計数機が開示されている。
また、特許文献2には、景品球計数機から貯留タンクへ至る流路を上下2段に構成し、計数済みの遊技球が景品球計数機から一時に大量に排出された場合にも貯留タンクへ円滑に回収できるようにしたパチンコ玉搬送機構が開示されている。
実用新案登録第2532056号公報 特開2005−261733号公報
上記のように景品球計数機内の流路や貯留タンクへの搬送路を上下2段に構成すれば、その分、計数能力や貯留タンクへの搬送能力は高まるが、最終的な到達箇所となっている貯留タンクが満杯になると、それ以上、景品球計数機から遊技球を排出できなくなり、計数動作を継続できなくなるという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、景品球計数機からの大量排出に対応しつつ、景品球計数機からの遊技球が貯留タンクへ流れなくなった場合にも計数動作を継続することのできる遊技機島の計数球分流構造を提供することを目的としている。
上記の目的は以下に示す各項の発明により達成される。
請求項1に係わる発明は、遊技機島に設置された景品球計数機(22)から排出された計数済みの遊技球を分流する遊技機島の計数球分流構造において、
遊技球を上流から下流へ流す傾斜した流路(31、32)を上下の複数段に備えた計数球回収樋(30)と、
前記景品球計数機から排出された遊技球を受け入れて、該遊技球を前記計数球回収樋が備える上段の流路内へ該上段の流路の側方斜め上流方向から流入させる案内路と、
を備え、
前記案内路の通路幅は前記上段の流路の通路幅より広くされており、
前記上段の流路のうち、前記案内路から遊技球が流入する部分であって前記案内路の通路幅方向における上流側所定範囲の路面を前記上段の流路上へ延長させた領域と交差する部分に開口部を設け、前記案内路から流入した遊技球が前記開口部から下段の流路へ落下するものと前記開口部から落下せずに前記上段の流路を流下するものとに分かれるようにした
ことを特徴とする遊技機島の計数球分流構造である。
請求項2に係わる発明は、前記計数球回収樋を流下してきた遊技球を、遊技球の貯留タンクと、遊技機から排出されたアウト球を回収するアウト球回収樋とに分流する分流部を備え、
前記分流部は、前記計数球回収樋を流下してきた遊技球を前記貯留タンクへ優先的に流すと共に、前記計数球回収樋からの遊技球が前記貯留タンクへ流れない場合には、前記遊技球を前記アウト球回収樋へ流す
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機島の計数球分流構造である。
上記発明によれば、景品球計数機(22)から排出された遊技球は計数球回収樋(30)が有する複数段の流路(31、32)を通じて分流部(40)へ案内され、分流部(40)では、計数球回収樋(30)を流下してきた遊技球を、通常は貯留タンク(15)へ優先的に流し、貯留タンク(15)へ流れない場合はアウト球回収樋(19)へ流す。
計数球回収樋(30)に複数段の流路(31、32)を設けることにより、景品球計数機(22)からの大量排出に対応できる。また、満杯などにより貯留タンク(15)へ流れなくなった場合はアウト球回収樋(19)へ流すので、景品球計数機(22)での計数動作を継続させることができる。特に、計数球回収樋(30)が複数段の流路(31、32)を有することから貯留タンク(15)へ短時間に大量の排出が可能になるので、その分、貯留タンク(15)が満杯になるときには急速に遊技球がオーバーフローしてくるが、かかる場合でも遊技球をアウト球回収樋(19)へ逃がすので、景品球計数機(22)での計数動作を継続することができる。
請求項3に係わる発明は、前記貯留タンク(15)には、流入する遊技球を誘導する誘導樋(23)が設けられ、
該誘導樋(23)の上方に前記アウト球回収樋(19)は設けられ、
前記分流部(40)は、前記誘導樋(23)へ遊技球を排出する第1の排出口(41)と、該第1の排出口(41)より上方に配設されて前記アウト球回収樋(19)へ遊技球を排出する第2の排出口(42)とを備え、前記誘導樋(23)での滞留により遊技球が前記第1の排出口(41)から溢れて前記第2の排出口(42)まで堆積した場合に、前記計数球回収樋(30)を流下してきた遊技球が前記第2の排出口(42)から前記アウト球回収樋(19)へ流出するようにした
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機島の計数球分流構造である。
上記発明によれば、計数球回収樋(30)を流下してきた遊技球は、誘導樋(23)で滞留が生じていない間は第1の排出口(41)を通じて誘導樋(23)へ排出され、誘導樋(23)で遊技球が滞留すると、やがて第1の排出口(41)から溢れた遊技球が第1の排出口(41)の上方に配置された第2の排出口(42)まで堆積し、その後は、自然に第2の排出口(42)からアウト球回収樋(19)へ流出するようになる。したがって、排出口を能動的に切り換えるための機構や駆動部を要せず、装置構成が簡略となる。
請求項4に係わる発明は、前記上流側所定範囲の路面は、前記案内路の通路幅方向における上流側半分の路面である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の遊技機島の計数球分流構造である。
上記発明によれば、景品球計数機(22)から排出された遊技球は計数球回収樋(30)の上段の流路(31)へ導入され、その約半分の遊技球は開口部(34)を通じて下段の流路(32)へ落下するように設定されている。
すなわち、案内路(33)の上流側略半分の通路幅部分(A)を上段の流路(31)上へ延長した箇所に開口部(34)を設けてあるので、案内路(33)の通路幅全体に広がって遊技球が流下してくると、上流側略半分の通路幅部分を流下してきた遊技球は開口部(34)へ落下し、下流側略半分の通路幅部分を流下してきた遊技球は開口部(34)へ落下せずに、そのまま上段の流路(31)を流下する。すなわち、開口部(34)の配置と形状を工夫するだけで、遊技球を上下段に五分五分の量に分けて流すことができ、装置構造の簡略化が可能になる。
請求項に係わる発明は、前記計数球回収樋(30)は、複数の景品球計数機(22)から排出された遊技球を受け入れる
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の遊技機島の計数球分流構造である。
請求項に係わる発明は、前記上段の流路の両側方のそれぞれに前記案内路を該上段の流路を中心に対象に配置して設け、一方の前記案内路の通路幅方向における上流側所定範囲の路面を前記上段の流路上へ延長させた領域および他方の案内路の通路幅方向における上流側所定範囲の路面を前記上段の流路上へ延長させた領域の双方と交差する部分に前記開口部を設けた
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機島の計数球分流構造である。
上記発明によれば、計数球回収樋(30)は複数段に流路を有するので、複数の景品球計数機(22)から排出された遊技球を受け入れる場合でも、遊技球を円滑に流すことができる。
本発明に係わる遊技機島の計数球分流構造によれば、計数球回収樋を複数段の流路で構成したので、景品球計数機からの大量排出に対応することができる。また、景品球計数機から排出された遊技球を上段の流路と下段の流路とに自然に分かれるので、装置構造の簡略化が可能になる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係わる計数球分流構造を備えた遊技機島10の内部構造を示し、図2は、遊技機島10の内部構造の縦断面を示し、図3は、遊技機島10の中央付近の内部構造を拡大示している。図1に示すように、遊技機島10は、遊技機2と台間玉貸機3とを一組にして並置したものを多数並設収容している。また、遊技に供する遊技球を遊技機島10の中で循環させて繰り返し使用するための各種付帯設備を収容している。ここでは、遊技機2はパチンコ機であり、台間玉貸機3は遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す装置である。
遊技機島10は、島枠や島柱11を遊技ホールのフロア上に構築し、これらに遊技装置2、3や付帯設備を取り付けると共に、その他必要な箇所に図示省略の外装を施して構成される。遊技機島10の中央には、遊技球を島の下部から上部へ研磨しながら揚送する揚送研磨機12が立設されており、揚送研磨機12の左右両側に、遊技機2と台間玉貸機3とを一組としたものが多数背中合わせにした状態で遊技機島10の表裏両面に設置される(図2参照)。
遊技機2および台間玉貸機3の上方には、遊技機島10の一端から他端まで水平に掛け渡すようにして遊技球補給装置50が設置されている。また、遊技機島10の中央上部には、揚送研磨機12が揚送した遊技球を貯留して遊技球補給装置50へ供給するための上部貯留タンク70が設置してある。上部貯留タンク70は左右に上部タンクシャッタ71L、71Rを備えており、該シャッタ71L、71Rを開閉制御することで遊技球補給装置50への遊技球の供給量が制御される。
遊技球補給装置50は、ベルトコンベア式の搬送装置であり、上部貯留タンク70から供給された遊技球を水平に搬送して遊技機島10内の各遊技装置2、3に補給する機能を果たす。搬送中の遊技球は、搬送路の長手方向の両縁部に沿って配設されたシュート61に適宜取り込まれて整列された後、各遊技機2や台間玉貸機3に補給される。遊技球の取込口となるシュート61は、遊技機2および台間玉貸機3の設置箇所に対応させて、遊技機2毎、台間玉貸機3毎に設置してある。
遊技機島10に並設収容された遊技機2や台間玉貸機3の下方には、遊技球を貯留するための下部貯留タンク15が複数設置されている。下部貯留タンク15の底部は、左右両端から中央に向けて下り傾斜し、最下部には遊技球の排出口を開閉する開閉装置16が設けてある。なお、下部貯留タンク15は、島柱11の下部に取り付けられる腰板が容器の側壁を兼ねるように構成されており、遊技機島10の狭い下部空間において、より大きな容積を稼げるようになっている。
複数連設した下部貯留タンク15の下方には、これらに沿うようにして、回収コンベア18が配置されている。回収コンベア18は、遊技機島10の中央に配置された揚送研磨機12を挟んで左右にそれぞれ設けてあり、島端から揚送研磨機12の下部にある球導入口12aに向けて遊技球を搬送する搬送装置である。
遊技機2の下方には、各遊技機2からアウト球として排出された遊技球を回収する下り勾配を備えたアウト球回収樋19が掛け渡してあり、該アウト球回収樋19で回収されたアウト球は、隣接する下部貯留タンク15同士の間に設けられた通路装置21(図1参照)を経て回収コンベア18上に放出されるようになっている。回収コンベア18は、通路装置21から放出された遊技球や、下部貯留タンク15から排出された遊技球を揚送研磨機12下部の球導入口12aへ向けて搬送する。
図3に示すように、遊技機島10の中央付近の表裏面には、遊技者が獲得した遊技球を計数しながら回収する景品球計数機22が設置されている(図1、図3では破線表示)。景品球計数機22から排出された計数済みの遊技球(計数球)は計数球回収樋30を流れ、遊技機島10の中央に配置された分流部40に到達し、該分流部40にてアウト球回収樋19と誘導樋23とに分流される。
誘導樋23は、分流部40から排出される遊技球を下部貯留タンク15内の奥方へ誘導するための通路である。図2に示すように、アウト球回収樋19は誘導樋23の上方に設けてある。誘導樋23は両サイドに縁部がなく、誘導樋23を流れる途中で遊技球が両サイドから少しずつ落下し、下部貯留タンク15内に遊技球が適当に分散して貯留されるように構成してある。計数球回収樋30および分流部40の詳細については後述する。
上部貯留タンク70には、余剰の遊技球を逃がすためのオーバーフロー管25が付設されている。該オーバーフロー管25の下端は分流部40に連通しており、オーバーフロー管25から分流部40へ流入した遊技球は誘導樋23を経て下部貯留タンク15に貯留されるようになっている。また、遊技球補給装置50で余剰となった遊技球は、専用のシュート61aからオーバーフロー管26を通じて、その下方に配置された下部貯留タンク15に案内されて貯留されるようになっている。
次に、計数球回収樋30および分流部40で構成された計数球分流構造について説明する。
図4は計数球分流構造に関連する部分の平面図を、図5はその正面図を示している。計数球回収樋30は、景品球計数機22から排出された計数済みの遊技球(計数球)を受け入れて下流へ流すための上段流路31と下段流路32とを上下2段に備えている。これらの流路31、32は、互いに平行で幅や長さがほぼ同一の形状を成すと共に、遊技機島10の中央に配置された分流部40に向けて下り勾配を有している。
上段流路31の上流部両側方には、遊技機島10の表裏面に配置された景品球計数機22から排出された遊技球を上段流路31内へ該上段流路31の側方斜め上流方向から流入させる案内路33が接続されている。案内路33は、景品球計数機22の排出口下方から上段流路31との接続部に向けて下り勾配を付けて配設されている。
上段流路31のうち案内路33から流入する遊技球を受け入れる部分(導入部)の路面には開口部34が形成されている。開口部34は、景品球計数機22から案内路33を通じて流入する遊技球を、開口部34から下段流路32へ落下するものと、開口部34から落下せずに上段流路31をそのまま流下するものとに五分五分の量に分けて流すことが可能な形状を有している。
詳細には、図6に示すように、案内路33のうち上流側略半分の通路幅部分Aを上段流路31上へ延長した箇所に開口部34を開設してある。これにより、景品球計数機22から排出された遊技球のうち案内路33の上流側略半分の通路幅部分Aを流下してきた遊技球5aは開口部34へ落下し、下流側略半分の通路幅部分を流下してきた遊技球5bは開口部34へ落下せずに、そのまま上段流路31を流下する。したがって、景品球計数機22から案内路33の通路幅全体に広がって遊技球が流下してくると、開口部34から下段流路32へ落下するものと、開口部34から落下せずに上段流路31をそのまま流下するものとに五分五分の量に自然に分かれるようになっている。
ここでは、上段流路31の両側方に接続された案内路33a、33bの上流側略半分の通路幅部分Aをそれぞれ上段流路31上へ延長した場合に、該延長した領域同士が重なり合う部分に開口部34を設けてある。ただし、遊技球が上段流路31の下り勾配に沿って流下することを考慮して、開口部34の下流側の先端は、上流側略半分の通路幅部分Aを延長した領域同士が重なり合う部分よりも上段流路31の下流側へ少し延長してある。
また、開口部34は、上段流路31の側方の縁から所定幅だけ内側に開設してあり、案内路33が接続された側方の縁と開口部34との間に遊技球の逃げ道Bを確保してある。逃げ道Bは、たとえば、下段流路32に遊技球が滞留して開口部34から溢れるような状況になった場合でも、案内路33から流入する遊技球を上段流路31の下流方向へ円滑に流すための通路として機能する。上段流路31のうち開口部34の下流側先端部分の周辺領域Cも逃げ道Bと同様の機能を果たす。
分流部40は、水平断面が略矩形の縦筒形状を成すと共に、図5に示すように、下部貯留タンク15の上方には分流部40から左右両側に向かってそれぞれ誘導樋23へ遊技球を排出するための第1の排出口41が設けてあり、各第1の排出口41の上方にはアウト球回収樋19へ遊技球を排出するための第2の排出口42が設けてある。さらに第2の排出口42の上方には計数球回収樋30の上段流路31および下段流路32から遊技球を受け入れるための流入口43が設けてある。つまり、第1の排出口41には誘導樋23が接続され、第2の排出口42にはアウト球回収樋19が接続され、流入口43には計数球回収樋30の上段流路31および下段流路32が接続されている。
分流部40には、流入口43のさらに上方において上部貯留タンク70からのオーバーフロー管25が接続されている(図3参照)。分流部40の底部44は、中央から左右の第1の排出口41の下縁に向けて下り勾配の斜面を成しており、衝撃吸収部45が形成されている。なお、衝撃吸収部45はシートを貼着したものでもよい。
次に、遊技機島10内での遊技球の循環と、計数球回収樋30および分流部40における遊技球の流れを説明する。
遊技機島10において、遊技機2や台間玉貸機3から排出された遊技球はアウト球回収樋19で回収され、通路装置21を通じて回収コンベア18上に落下した後、該回収コンベア18によって揚送研磨機12の球導入口12aに向けて搬送され、揚送研磨機12により研磨されながら上部貯留タンク70へ揚送されて貯留される。上部貯留タンク70に貯留された遊技球は上部タンクシャッタ71L、71Rの開放時に遊技球補給装置50上へ供給され、遊技球補給装置50により搬送される途中でシュート61から各遊技機2や台間玉貸機3へ補給される。
上部貯留タンク70で余剰となった遊技球はオーバーフロー管25や分流部40を経て下部貯留タンク15に貯留される。また、遊技球補給装置50から排出された遊技球はオーバーフロー管26を通じて下部貯留タンク15へ貯留される。下部貯留タンク15に貯留された遊技球は、上部貯留タンク70の貯留量が少なくなったとき、あるいは下部貯留タンク15が満杯になったときに回収コンベア18上に放出される。
遊技者が獲得して玉箱に貯留されている遊技球は、遊技の終了時などに遊技者によって景品球計数機22に投入されて計数される。計数済みの遊技球は景品球計数機22から排出された後、案内路33を通じて計数球回収樋30へ流入する。
景品球計数機22からの単位時間当たりの排出量が比較的少なく、かつ下部貯留タンク15内の貯留量が少ない場合には、図5に示すように、計数球回収樋30へ流入した遊技球は、上段流路31および下段流路32に適宜に別れて流下し、流入口43から分流部40内へ入る。分流部40へ流入した遊技球は左右の第1の排出口41から排出され誘導樋23を流下して、下部貯留タンク15に貯留される。
下部貯留タンク15内の貯留量が少ない場合は、計数球回収樋30から分流部40へ流入した遊技球はすべて誘導樋23へ流れてアウト球回収樋19には流れない。なお、図5、図7、図8、図9においては、便宜上、上段流路31へ遊技球が上方から流入するように描いてあるが、実際には案内路33を通じて上段流路31の側方斜め上流から流入する。
図7は、景品球計数機22からの単位時間当たりの排出量が多く、かつ下部貯留タンク15内の貯留量が少ない場合における遊技球の流れ方を示している。景品球計数機22から大量の遊技球が流入する場合には、案内路33の通路幅全体に広がって遊技球が上段流路31へ流入してくるので、案内路33の略半分の通路幅部分を流下してきた遊技球は開口部34へ落下し、残り略半分の通路幅部分を流下してきた遊技球は開口部34へ落下せずに、そのまま上段流路31を流下し、自然に上段流路31と下段流路32とに五分五分の量に分かれて流下する。
このように、上段流路31と下段流路32との2段の流路を利用することで、景品球計数機22からの大量の排出に対しても滞りなく円滑に遊技球を分流部40へ流すことができる。また、開口部34を設けるだけで自然に五分五分の量に分かれるので、計数球回収樋30の構造が簡略化される。さらに、2台の景品球計数機22に対して上段流路31および下段流路32を共通に使用するので、上段流路31を一方の景品球計数機22の専用に下段流路32を他方の景品球計数機22の専用に固定的に割り当てる場合に比べて、上段流路31および下段流路32を有効かつ柔軟に活用することができる。
図7に示すように、計数球回収樋30の上段流路31および下段流路32を通じて分流部40内へ流入した遊技球は、左右の第1の排出口41から排出されて誘導樋23を流下し、下部貯留タンク15に貯留される。
図8は、景品球計数機22からの単位時間当たりの排出量が少なく、かつ下部貯留タンク15内の貯留量が多い場合の遊技球の流れ方を示している。下部貯留タンク15の貯留量が多く(たとえば、満杯)、誘導樋23に遊技球が滞留すると、景品球計数機22から計数球回収樋30を通じて分流部40へ流入してきた遊技球が、やがて第1の排出口41から溢れ出す。そして、第1の排出口41の上方に配置された第2の排出口42まで堆積すると、その後は、計数球回収樋30から流入する遊技球が第2の排出口42を通じてアウト球回収樋19へ流出するようになる。
このようにアウト球回収樋19へ遊技球を逃がすことにより、満杯などで下部貯留タンク15へ遊技球が流れなくなった後も、遊技球を景品球計数機22から受け入れることができ、景品球計数機22での計数動作を継続することができる。また、下部貯留タンク15へ遊技球が流れなくなると、やがて自然にアウト球回収樋19へ遊技球が排出されるようになるので、遊技球の排出先を誘導樋23からアウト球回収樋19へ能動的に切り換えるための機構や駆動部を設けなくて済み、構造が簡略化される。
図9は、景品球計数機22からの単位時間当たりの排出量が多く、かつ下部貯留タンク15内の貯留量が多い場合の遊技球の流れ方を示している。景品球計数機22から大量の遊技球が流入する場合には、案内路33から上段流路31へ流入する遊技球は上段流路31と下段流路32とに五分五分の量に分かれて流下して、流入口43から分流部40内へ流入する。下部貯留タンク15内の貯留量が多く、誘導樋23に遊技球が滞留すると、やがて第1の排出口41から溢れ出した遊技球が第2の排出口42まで堆積し、計数球回収樋30から流入する遊技球は第2の排出口42を通じてアウト球回収樋19へ流出する。
このように、計数球回収樋30は、上段流路31と下段流路32との2段に流路を備えているので景品球計数機22からの大量排出に対応することができる。また、下部貯留タンク15へ遊技球が流れなくなった後は遊技球をアウト球回収樋19へ逃がすので、計数済みの遊技球を景品球計数機22から受け入れ続けることができ、景品球計数機22での計数動作を継続させることができる。
特に、計数球回収樋30が複数段の流路31、32を有し、下部貯留タンク15へ短時間に大量の遊技球を排出することができるため、景品球計数機22での大量計数を開始した時点で既に下部貯留タンク15が満杯に近い状態にあった場合には、誘導樋23での流れが直ぐに止まって下部貯留タンク15から急速に遊技球がオーバーフローする状態が発生するが、このような場合でも遊技球をアウト球回収樋19へ逃がすので、景品球計数機22での計数動作を継続することができる。また、分流部40に流入した遊技球を左右2つのアウト球回収樋19へ逃がすので、上段流路31と下段流路32との2段の流路から大量の遊技球が流入しても、該大量の流入に見合ったアウト球回収樋19への流出量が確保される。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、計数球回収樋30を上段流路31と下段流路32との上下2段に構成したが、単位時間に景品球計数機22から受け入れる遊技球の最大量に応じて、流路の段数を増加させてもよい。また、計数球回収樋30は、2台の景品球計数機22から排出される計数球を受け入れるようにしたが、大量排出する1台の景品球計数機22を対象としてもよいし、3台以上の景品球計数機22から遊技球を受け入れてもかまわない。
上段流路31に設ける開口部34の形状は実施の形態で例示したものに限定されない。また、景品球計数機22から受け入れた遊技球を上段流路31と下段流路32とに五分五分の量に分けることが望ましいが、分け方はこれに限定されるものではなく、6:4などでもよい。また上下の流路の幅が異なるような場合には、各流路の能力に応じた割合で分流するとよい。さらに、3段以上の流路を備える場合には、これらに均等に、あるいはこれらの能力に応じた割合で遊技球を分流するとよい。
さらに、複数段の流路に遊技球を分流する方法は実施の形態で示した開口部34を利用する方法に限定されず、たとえば、案内路33の通路幅を仕切り壁などで2分しておき、一方を上段流路31に他方を下段流路32に接続するなどの構成でもかまわない。
本発明の実施の形態に係わる分流構造を備えた遊技機島の内部構造を示す正面図である。 遊技機島の内部構造を示す縦断面図である。 遊技機島の中央付近の内部構造の拡大図である。 計数球分流構造およびその周辺部分を示す平面図である。 計数球分流構造およびその周辺部分を示す正面図である。 上段流路の導入部での遊技球の流れを示す説明図である。 景品球計数機からの排出量が多くかつ下部貯留タンク内の貯留量が少ない場合における遊技球の流れ方を示す説明図である。 景品球計数機からの排出量が少なくかつ下部貯留タンク内の貯留量が多い場合における遊技球の流れ方を示す説明図である。 景品球計数機からの排出量が多くかつ下部貯留タンク内の貯留量が多い場合における遊技球の流れ方を示す説明図である。
符号の説明
A…上流側半分の通路幅部分
B…逃げ道
C…周辺領域
2…遊技機
3…台間玉貸機
5a…下段の流路へ開口部から落下する遊技球
5b…開口部から落下せずに上段の流路を流れる遊技球
10…遊技機島
11…島柱
12…揚送研磨機
12a…球導入口
15…下部貯留タンク
16…開閉装置
18…回収コンベア
19…アウト球回収樋
21…通路装置
22…景品球計数機
23…誘導樋
25…上部タンクからのオーバーフロー管
26…遊技球補給装置からのオーバーフロー管
30…計数球回収樋
31…上段流路
32…下段流路
33…案内路
34…開口部
40…分流部
41…第1の排出口
42…第2の排出口
43…流入口
44…底部
45…衝撃吸収部
50…遊技球補給装置
61…シュート
70…上部貯留タンク
71…上部タンクシャッタ

Claims (6)

  1. 遊技機島に設置された景品球計数機から排出された計数済みの遊技球を分流する遊技機島の計数球分流構造において、
    遊技球を上流から下流へ流す傾斜した流路を上下の複数段に備えた計数球回収樋と、
    前記景品球計数機から排出された遊技球を受け入れて、該遊技球を前記計数球回収樋が備える上段の流路内へ該上段の流路の側方斜め上流方向から流入させる案内路と、
    を備え、
    前記案内路の通路幅は前記上段の流路の通路幅より広くされており、
    前記上段の流路のうち、前記案内路から遊技球が流入する部分であって前記案内路の通路幅方向における上流側所定範囲の路面を前記上段の流路上へ延長させた領域と交差する部分に開口部を設け、前記案内路から流入した遊技球が前記開口部から下段の流路へ落下するものと前記開口部から落下せずに前記上段の流路を流下するものとに分かれるようにした
    ことを特徴とする遊技機島の計数球分流構造。
  2. 前記計数球回収樋を流下してきた遊技球を、遊技球の貯留タンクと、遊技機から排出されたアウト球を回収するアウト球回収樋とに分流する分流部を備え、
    前記分流部は、前記計数球回収樋を流下してきた遊技球を前記貯留タンクへ優先的に流すと共に、前記計数球回収樋からの遊技球が前記貯留タンクへ流れない場合には、前記遊技球を前記アウト球回収樋へ流す
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機島の計数球分流構造。
  3. 前記貯留タンクには、流入する遊技球を誘導する誘導樋が設けられ、
    該誘導樋の上方に前記アウト球回収樋は設けられ、
    前記分流部は、前記誘導樋へ遊技球を排出する第1の排出口と、該第1の排出口より上方に配設されて前記アウト球回収樋へ遊技球を排出する第2の排出口とを備え、前記誘導樋での滞留により遊技球が前記第1の排出口から溢れて前記第2の排出口まで堆積した場合に、前記計数球回収樋を流下してきた遊技球が前記第2の排出口から前記アウト球回収樋へ流出するようにした
    ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機島の計数球分流構造。
  4. 前記上流側所定範囲の路面は、前記案内路の通路幅方向における上流側半分の路面である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の遊技機島の計数球分流構造。
  5. 前記計数球回収樋は、複数の景品球計数機から排出された遊技球を受け入れる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の遊技機島の計数球分流構造。
  6. 前記上段の流路の両側方のそれぞれに前記案内路を該上段の流路を中心に対象に配置して設け、一方の前記案内路の通路幅方向における上流側所定範囲の路面を前記上段の流路上へ延長させた領域および他方の案内路の通路幅方向における上流側所定範囲の路面を前記上段の流路上へ延長させた領域の双方と交差する部分に前記開口部を設けた
    ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機島の計数球分流構造。
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