以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るパチンコ島台1の全体の構成について図1を参照して説明する。図1は、パチンコ島台1の内部構造を示す正面図である。
図1において、遊技場に複数設置される遊技島台としてのパチンコ島台1内の下部には、後述するベースタンク8よりも少ないパチンコ玉(遊技媒体)を貯留する下部貯留タンク13(約2万個前後貯留可能)が内蔵され、その下部貯留タンク13に貯留されたパチンコ玉をパチンコ島台1のほぼ中央に立設される揚送装置としての玉揚送装置21(研磨機能付き)で上部タンク22に揚送し、パチンコ島台1に設置されるパチンコ機10(図中には、パチンコ機が描かれていないため、厳密に言えば、符号10は、パチンコ機設置部とするべきだが、本出願においては、これをパチンコ機が設置されているとみなし、パチンコ機10として、以下、取り扱うとする。)や玉貸機(図示しない)に補給樋23を介してパチンコ玉を補給するようになっている。パチンコ機10で使用されたパチンコ玉(このパチンコ玉を、通称、アウト玉という)は、アウト玉箱11を介して回収樋としてのアウト玉回収樋12に放出され、そのアウト玉回収樋12に回収されて前記下部貯留タンク13に導かれた後に、再度玉揚送装置21によって揚送される。これによってパチンコ玉がパチンコ島台1内を循環する。なお、後述するが、アウト玉回収樋12によって回収されたパチンコ玉は、下部貯留タンク13内に貯留されているパチンコ玉よりも、優先的に、下部貯留タンク13から玉揚送装置21へ供給されるように、下部貯留タンク13内部で優先順序が決められ構成されている。
また、所定のパチンコ島台1には、遊技客が獲得したパチンコ玉を返却するための玉返却装置9(通称、ジェットカウンター、JCという)がその島端(必ずしも島端でなくてもよい、例えば、島中央)に設けられている。玉返却装置9で返却されたパチンコ玉は、アウト玉回収樋12に放出され、上記したパチンコ機10で使用されたパチンコ玉と共にアウト玉回収樋12に回収されて前記下部貯留タンク13に導かれる。
また、図1に示すように、玉揚送装置21の奥側には、連絡樋17が設けられているが、該連絡樋17は、玉揚送装置21の一側部位(図1において右側)に設置されている下部貯留タンク13に、玉揚送装置21を挟んで反対側(図1において左側)に設置されたパチンコ機10からのアウト玉を回収するアウト玉回収樋12を流れるパチンコ玉を導くために差し渡されているものである。また、下部貯留タンク13の側面下部には、下部貯留タンク13内を修理する際に用いられる修理用扉14が設けられ、その内側には、下部貯留タンク13内のパチンコ玉を抜き取るための玉抜き扉15が設けられている。なお、パチンコ島台1に設けられる下部貯留タンク13のより詳細な構造については、後述する。
上記した下部貯留タンク13に貯留されていたパチンコ玉は、導入樋16により複数列に整列されて玉揚送装置21の導入口に送り込まれる。玉揚送装置21は、図示の実施形態の場合、駆動モータ24にVベルトを用いて連結された下部ローラ(図示しない)によって周回駆動される搬送ベルトと、該搬送ベルトに対面して設けられ且つ揚送ベルトとの間にパチンコ玉を挟持しながら研磨する研磨ベルトと、を有し、前記導入樋16から導かれたパチンコ玉を搬送ベルトの摩擦力によって研磨しながら上部に揚送するものである(通称、搬送ベルト式玉磨き揚送装置という)。
玉揚送装置21によって揚送されたパチンコ玉は、上部タンク22に排出される。上部タンク22は、受け入れたパチンコ玉を補給樋23、島間樋等に振り分ける機能を有している。島間樋は、各上部タンク22間及び上部タンク22と玉供給源又は玉回収先であるベースタンク8との間に差し渡されるものであり、玉供給源のベースタンク8に貯留されたパチンコ玉を各パチンコ島台1の上部タンク22へ供給するための補給用タンクレール2と、各パチンコ島台1内のパチンコ玉の保有量が所定以上になった場合に上部タンク22内のパチンコ玉を玉回収先のベースタンク8へ戻すための回収用タンクレール3と、前記玉返却装置9で返却されたパチンコ玉を上部タンク22を介して玉供給源又は玉回収先のベースタンク8へ返却するための返却用タンクレール4と、から構成されるものであるが、複数のパチンコ島台1とそれに関連して設けられるベースタンク8、及び島間樋の具体的な設置例については、後述する(なお、図11及び図12のベースタンク8においては、補給用タンクレール2の玉供給源のベースタンクを8a、その玉の流入先のベースタンクを8bとしている)。さらに、上部タンク22には、補給用タンクレール2から上部タンク22を介して供給されたパチンコ玉をホース接続ユニット30へ導くサクション部材としてのサクションホース5と、上部タンク22から溢れたパチンコ玉をホース接続ユニット30へ導くオーバーフロー部材としてのオーバーフローホース6と、補給用タンクレール2、回収用タンクレール3、若しくは返却用タンクレール4から上部タンク22を介して直接的にパチンコ玉をホース接続ユニット30へ導く一旦落としホース7と、が接続されている。なお、該一旦落としホース7に関する技術思想は、後述する。
次に、上部タンク22を中心に基本的なパチンコ玉の循環を以下に説明する。なお、上部タンク22内の詳細な構造は、本発明の要部で無いため、また、本出願人が先行技術文献として挙げた文献の中でも、十分開示され、公知技術となっている背景もあるため、ここでの説明は省略する。
まず、玉供給源のベースタンク8からのパチンコ玉は、補給用タンクレール2を通り、玉供給源のベースタンク8に一番近いパチンコ島台1(所謂、壁島、なお、壁島に関しては後述する)のパチンコ島台の隣の島である隣島(隣パチンコ島台)の上部タンク22に接続されているサクションホース5に導かれ、後述するホース接続ユニット30を介して下部貯留タンク13内に貯留される。そして、下部貯留タンク13内から玉揚送装置21に供給され、上部タンク22へ研磨揚送される。この玉揚送装置21によって上部タンク22へ研磨揚送されたパチンコ玉は、優先的に自島の補給樋23に補給されるように振り分けられる。この補給樋23は、前述したように各パチンコ機10及び玉貸機等にパチンコ玉を補給するためのものであり(但し、余り玉返却機能付き玉返却装置の場合には、該玉返却装置にも玉が補給される)、上部タンク22を中心にパチンコ島台1の両端に向かって傾斜状に設けられている。なお、上部タンク22の構造上、一方の補給樋23が満杯となった後に他方の補給樋23に補給する構造となっているが、玉揚送装置21によって揚送される単位時間当りの揚送量が一方の補給樋23を介して消費される平均的な玉量よりも断然多いので、常に両方の補給樋23にパチンコ玉が補給されている状態となっている。もちろん、上部タンク22内の構造を、左右両方の補給樋23に均等に振り分けることができるように構成しても良い。
上記したように両方の補給樋23へのパチンコ玉の補給が十分に行き渡ると、玉揚送装置21によって研磨揚送されたパチンコ玉は、補給用タンクレール2へ導かれ、自島の隣の島である隣島(隣パチンコ島台)へ導かれる。即ち、玉供給源であるベースタンク8からのパチンコ玉は、補給用タンクレール2を介して、まず、玉供給源となるベースタンク8から一番近いパチンコ島台1にパチンコ玉を供給し、このパチンコ玉の供給が行われたパチンコ島台1(自島)のパチンコ玉の保有量がある一定の量、つまり、補給樋23へのパチンコ玉の補給が十分に行き渡るくらいの玉量になったとき、再度、補給用タンクレール2へパチンコ玉を導き、自島の隣の島である隣島(隣パチンコ島台)へ、パチンコ玉の供給を行うのである。つまり、玉供給源であるベースタンク8から近いパチンコ島台1順に、次々とパチンコ玉が供給されるのである。
そして、補給樋23及び補給用タンクレール2がパチンコ玉で一杯になると(補給樋23及び隣島へのパチンコ玉の補給が十分に為されると)、上部タンクからパチンコ玉が溢れる状態(オーバーフロー状態)となり、上部タンク22に接続されたオーバーフローホース6に、パチンコ玉が流出し始める。このオーバーフローホース6へ流出したパチンコ玉は、ホース接続ユニット30を介して下部貯留タンク13へ誘導されることとなるが、詳細については、後述する。
しかして、オーバーフローホース6もパチンコ玉で一杯になると、それに伴い、当然のように、上部タンク22内もパチンコ玉で一杯になるが、すると、今後は、上部タンク22内で回収用タンクレール3にパチンコ玉が導かれ、ベースタンク8にパチンコ玉が戻されることになる。
以上、パチンコ島台1の構成について説明したが、このパチンコ島台1に設けられる上部タンク22は、ベースタンク8に貯留されたパチンコ玉を補給用タンクレール2から供給され、自島における各パチンコ機10へのパチンコ玉の補給をサクションホース5を介して最優先に行い、その補給が必要なくなったときに、再度補給用タンクレール2にパチンコ玉を導き、隣島へのパチンコ玉の供給を行い、そして、その供給も必要なくなったときに、オーバーフローホース6を介してパチンコ玉を貯留する下部貯留タンク13へ誘導するように構成されている。このようにして、自島へのパチンコ玉の補給及び他のパチンコ島台1(隣島)へのパチンコ玉の供給をスムーズに行っている。
次に、パチンコ島台1の上部タンク22からオーバーフローしたパチンコ玉及び島間樋から供給されたパチンコ玉を下部貯留タンク13へ誘導するための構造について図2乃至図4を参照して説明する。図2は、(A)が、パチンコ島台1の上部タンク22と下部貯留タンク13とを連通する誘導経路の構造を示す正面図であり、(B)が、誘導経路を構成するホース接続ユニット30の拡大正面図であり、図3は、ホース接続ユニット30と下部貯留タンク13とを連通する第2誘導部材の構造を示す斜視図であり、図4は、第1優先樋18を転動するパチンコ玉の流れを説明するための上面図である。なお、これから説明を行うパチンコ島台1は、サクションホース5、オーバーフローホース6、一旦落としホース7の3つを備える場合である。
図2に示すパチンコ島台1には、上部タンク22から下部貯留タンク13へパチンコ玉を誘導する誘導経路が存在し、該誘導経路は、上部タンク22に接続され且つ上部タンク22からのパチンコ玉を誘導する第1誘導部材としてのサクションホース5、オーバーフローホース6及び一旦落としホース7と、これらのホースの下流側に接続され且つこれらのホースが複数接続可能な複数の接続部を備えた誘導部材接続ユニットとしてのホース接続ユニット30と、該ホース接続ユニット30の出口部(第1優先樋接続口31及び第2優先樋接続口32)に接続され且つ下部貯留タンク13内へパチンコ玉を誘導する第2誘導部材としての第1優先樋18及び第2優先樋19と、から構成されている。
前述したホース接続ユニット30の接続部は、複数存在し、下部貯留タンク13内へ優先的にパチンコ玉が誘導される第1優先接続部としての第1優先開口群B〜D(第1優先開口B、第1優先開口C及び第1優先開口Dから構成)と、該第1優先開口群よりも優先度が低い第2優先接続部としての第2優先開口Aと、から構成されている。即ち、計4つの開口(開口部)が存在することになる。なお、これら4つの各開口の優先順位は、後述の説明で明らかになるが、最非優先接続部となる第2優先開口A、第1優先開口B、第1優先開口D、そして、最優先接続部となる第1優先開口Cの順で、優先順位が高くなるように構成されている。
そして、前述した第2誘導部材は、下部貯留タンク13内へ優先的にパチンコ玉が誘導される第1優先樋18と、該第1優先樋18よりも優先度が低い第2優先樋19と、から構成され、第1優先開口群B〜Dに接続されたオーバーフローホース6及び一旦落としホース7からのパチンコ玉を第1優先樋18に、第2優先開口Aに接続されたサクションホース5からのパチンコ玉を第2優先樋19に、パチンコ玉を誘導するように前記誘導部材接続ユニットの内部が構成されている。なお、後述するが、第1優先樋18の方が、第2優先樋より優先的にパチンコ玉が下部貯留タンク13内へ誘導される。
より詳細には、図2(A)及び(B)において、本実施形態におけるパチンコ島台1の上部タンク22からオーバーフローしたパチンコ玉及び島間樋から供給されたパチンコ玉をホース接続ユニット30へ誘導するための構造は、補給用タンクレール2から上部タンク22を介して供給されたパチンコ玉をホース接続ユニット30へ導くサクションホース5と、上部タンク22から溢れたパチンコ玉をホース接続ユニット30へ導くオーバーフローホース6と、前記島間樋のいずれかを流動するパチンコ玉を上部タンク22を介して直接的にホース接続ユニット30へ導く一旦落としホース7と、から構成され、サクションホース5の下端(下流側)をホース接続ユニット30の第2優先開口Aに、オーバーフローホース6の下端(下流側)をホース接続ユニット30の第1優先開口Bに、一旦落としホース7の下端(下流側)をホース接続ユニット30の第1優先開口Cに、それぞれ挿入して接続されている。なお、これらのホースは、共にフレキシビリティのある合成樹脂製の円形ホースの内部に螺旋状の針金を内蔵して補強されたものが使用されている。
上記したホース接続ユニット30は、前記玉揚送装置21が設置される空間の一側面部に固定されるものであり(ちょうど、玉揚送装置21の出入口から見て、奥側、図1参照)、所定の肉厚(例えば、1〜2cm)を有するベニア板等の木材(金属板でもよい)で形成されている。ホース接続ユニット30の上部には、第2優先接続部である第2優先開口Aと、第1優先接続部である第1優先開口B,第1優先開口D,第1優先開口Cとが順に隣接するように開口し、ホース接続ユニット30の一側下部には、第2優先開口Aの下方に位置し第2優先樋19に連結される第2優先樋接続口32と、第1優先開口B及び第1優先開口D及び第1優先開口Cの下方に位置し第1優先樋18に連結される第1優先樋接続口31とが開設されている。また、ホース接続ユニット30の内部には、各ホースを落下し開口部A〜Dから誘導されたパチンコ玉を第1優先樋接続口31又は第2優先樋接続口32に誘導するために、図2に示すように、多数の区画板を設け、これらの区間板によって複数の経路が形成されている。なお、この各経路の内周面には、パチンコ玉の落下によって発生する騒音を抑制するためにゴム板又は合成樹脂板が貼付されている。
ホース接続ユニット30内の経路は、サクションホース5を落下し第2優先開口Aから誘導されたパチンコ玉を第2優先樋接続口32に導くためのサクション経路33と、オーバーフローホース6を落下し第1優先開口Bから誘導されたパチンコ玉を第1優先樋接続口31に導くためのオーバーフロー経路35と、一旦落としホース7を落下し第1優先開口Cから誘導されたパチンコ玉を第1優先樋接続口31に導くための一旦落とし経路37と、から構成され、前記サクション経路33の途中には、サクションホース5を落下し第2優先開口Aから誘導されたパチンコ玉の一部を第1優先樋接続口31に導くための侵入経路34を形成し、前記オーバーフロー経路35の途中には、オーバーフロー経路35から溢れたパチンコ玉を一旦落とし経路37に迂回させるための迂回経路36を形成している。なお、侵入経路34の開口は、後述する第2優先樋19の流出部から下部貯留タンク13へ流出するパチンコ玉の流れを止めない程度のパチンコ玉が流出する大きさである。そして、第2優先樋接続口32から排出されたパチンコ玉は、第2優先樋19へ、第1優先樋接続口31から排出されたパチンコ玉は、第1優先樋18へ、誘導されることとなるが、ホース接続ユニット30内におけるパチンコ玉の流下状態の詳細については、後述する。
ホース接続ユニット30から下部貯留タンク13へパチンコ玉を誘導する第1優先樋18及び第2優先樋19について、図3を参照して説明する。第2優先樋19は、両端が開放した箱型状に形成され、流入部をホース接続ユニット30の第2優先樋接続口32に接続し、この第2優先樋接続口32から流入したパチンコ玉を下部貯留タンク13内の第1タンク棚42の奥部で放出するように、第2優先樋接続口32側から優先樋設置口52向けて傾斜を付けて掛け渡されて設けられている。なお、第2優先樋19は、下部貯留タンク13の側面上部に形成された優先樋設置口52(図5参照)上に載置され、下流側において(正確には、下部貯留タンク13内に入ってから)、第2優先樋19の傾斜角度は、上流側よりもやや緩やかに形成され、転動するパチンコ玉の勢いを弱めた状態で第2優先樋19から下部貯留タンク13内へ放出するようになっている。
また、第1優先樋18は、第1優先樋接続口31に接続されている上流側第1優先樋18aと、該上流側第1優先樋18aの下流側と下部貯留タンク13の優先樋設置口52とを接続した前記上流側第1優先樋18aより幅広の下流側第1優先樋18bとで構成されている。なお、下流側第1優先樋18bは、前述した第2優先樋19の上部に設けられており、下流側第1優先樋18bから排出されたパチンコ玉は、下部貯留タンク13内では、第2優先樋19の上面を転動して、下部貯留タンク13の上流側、即ち、第1タンク棚に誘導されるように構成されている。また、下流側第1優先樋18bの底面には、図3又は図4に示すように、幅方向両端に、長手方向にわたってウレタン長片25が貼付されている。該ウレタン長片25の表面は、下流側第1優先樋18bの底面下部の第2優先樋19が存在する方向に向けてパチンコ玉が転動するように、表面に傾斜が設けられており、上流側第1優先樋18aからパチンコ玉が大量に排出された場合は、図4の矢印に示すような状態で、下流側第1優先樋18bの底面下部の第2優先樋19が存在する方向に向けてパチンコ玉が集まるように構成されている。
なお、第1タンク棚42及び第2タンク棚43がパチンコ玉で一杯になり始めると、それに伴い、第2優先樋19の上面の下流部も、下流側第1優先樋18bから排出されるパチンコ玉で一杯になり始める。すると、第2優先樋19の上面を転動するパチンコ玉の一部は、直進方向に対して横方向に逸れて、第1タンク棚42および第2タンク棚43に落下することとなる。また、下流側第1優先樋18b及び第2優先樋19から排出されるパチンコ玉の衝撃を強く受ける下部貯留タンク13の一側面に対しては、パチンコ玉の衝撃を吸収するためのウレタン41が貼付されて破損しにくい構造となっている(図3参照)。
以上、パチンコ島台1における上部タンク22からパチンコ玉を下部貯留タンク13へ誘導するための誘導経路について説明してきたが、次に、下部貯留タンク13の構造について図3乃至図5を参照して説明する。図3及び図4は、前述した通りであり、図5は、(A)が、パチンコ島台1の内部に設けられる下部貯留タンク13の斜視図であり、(B)が、その下部貯留タンク13に貯留されるパチンコ玉の流れを説明するための斜視図である。
下部貯留タンク13は、図3及び図5に示すように、上面が開放した直方体状の箱枠によって構成され、その内部上方には、落下口44に向かって段状に下り傾斜する第1タンク棚42及び第2タンク棚43を、その下層にアウト玉回収樋12から回収されたパチンコ玉が通過するアウト玉誘導路46を、さらにその下層に下部貯留タンク13に誘導されたすべてのパチンコ玉が合流する底板48を、備え、第1タンク棚42及び第2タンク棚43の上方には、これらのタンク棚と反対方向に傾斜する前述した第2優先樋19が位置している。
なお、第1タンク棚42及び第2タンク棚43は、下部貯留タンク13から着脱しやすいように分割されている。また、第2タンク棚43の一端側は、符号45に示すような凸部で形成され、落下口44にパチンコ玉が誘導され易くしている。
なお、下部貯留タンク13に貯留されているこれらパチンコ玉は、玉揚送装置21によって研磨揚送されたパチンコ玉であり、汚れが拭き取られたきれいなものであるため、玉揚送装置21に導出されるパチンコ玉の優先順位としては、比較的低い優先順位のパチンコ玉である。一方、下部貯留タンク13内で貯留されるパチンコ玉のうち、玉揚送装置21に導出される優先順位の高いパチンコ玉は、パチンコ機10等で使用された未研磨のパチンコ玉であり、つまり、左右のアウト玉回収樋12から下部貯留タンク13内に導出されるパチンコ玉である。
そこで、以下には、アウト玉を優先的に玉揚送装置21に導出するための構造について説明する。下部貯留タンク13のアウト玉誘導路46の一端には、この下部貯留タンク13が設置される側のアウト玉回収樋12の下流側がアウト玉回収樋接続口53を介して接続されている。アウト玉誘導路46の下流端は、玉揚送装置21の導入樋16が接続される流出口55に向かって開放されていると共に、その開放端から流出するパチンコ玉を流出口55側に誘導する優先板47が設けられている。この優先板47と底板48との間には、間隔が開けてあるが、この間隔から第1タンク棚42及び第2タンク棚43に貯留されているパチンコ玉が落下口44から底板48aに落下した後、流出口55に向けて流下するようになっている。
また、第2タンク棚43の下方には、下部貯留タンク13の前面側壁板との間に所定間隔を有するように区画板50が固定されている。そして、下部貯留タンク13の前面側壁板と区画板50との間には、流出口55に向かって傾斜する誘導板49が固定されている。区画板50は、落下口44から底板48aへ落下したパチンコ玉を優先板47の下部にある底板48へ導くと共に、その前面側(下流側)において前記連絡樋17から転動するアウト玉を連絡樋接続口54から誘導板49に導いて流出口55の直前位置に導くものである。なお、下部貯留タンク13の前面側壁板には、上記した優先樋設置口52、連絡樋接続口54、及び流出口55が開設されているが、優先樋設置口52は、一側上部に開設され、連絡樋接続口54は、優先樋設置口52の下方であって誘導板49のやや上方位置に開設され、流出口55は、他側下部に開設されるものである。
上記のように構成される下部貯留タンク13において、オーバーフローしたパチンコ玉及び島間樋から供給されたパチンコ玉は、第1優先樋18及び第2優先樋19を介して上流側の第1タンク棚42上に放出されて下部貯留タンク13に貯留される。一方、アウト玉回収樋12を転動してきたパチンコ玉は、アウト玉誘導路46及び優先板47を介して流出口55の直前位置に放出される。しかして、下部貯留タンク13の貯留空間に貯留されているパチンコ玉とアウト玉との関係において、図5(B)に示すように、アウト玉誘導路46を転動してきたアウト玉は、優先板47の下部から流出する第1タンク棚42及び第2タンク棚43上に貯留されていたパチンコ玉(貯留玉)の上方を覆うように落下する。このため、アウト玉誘導路46からのアウト玉が該貯留玉の下方への転動を阻止するような状態となるので、アウト玉誘導路46を流下するアウト玉が優先して流出口55に導かれることになる。一方、誘導板49を転動するアウト玉も誘導板49の末端位置と底板48との間に所定の段差が生ずるように形成されているので、底板48を流下するパチンコ玉(主に、貯留玉のこと)の上方を覆うように落下する。このため、誘導板49を落下するアウト玉が底板48を転動するパチンコ玉の下方への転動を阻止するような状態となるので、誘導板49を転動するアウト玉が優先して流出口55に導かれることとなる。なお、アウト玉誘導路46を流下するアウト玉と誘導板49を転動するアウト玉は、ほぼ同等の割合で、流出口55から導出されるように設計されている。
次に、上部タンク22から玉揚送装置21に向かうパチンコ玉のホース接続ユニット30、第1優先樋18及び第2優先樋19の作用について、図6乃至図10を参照して説明する。図6は、サクション経路33にパチンコ玉が流れ始めた状態において、(A)が、ホース接続ユニット30におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、(B)が、下部貯留タンク13におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、図7は、サクション経路33にパチンコ玉が充満している状態において、(A)が、ホース接続ユニット30におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、(B)が、下部貯留タンク13におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、図8は、サクション経路33にパチンコ玉が充満し且つオーバーフロー経路35にパチンコ玉が流れ始めた状態において、(A)が、ホース接続ユニット30におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、(B)が、下部貯留タンク13におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、図9は、サクション経路33及びオーバーフロー経路35にパチンコ玉が充満し且つ一旦落とし経路37にパチンコ玉が流れ始めた状態において、(A)が、ホース接続ユニット30におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、(B)が、下部貯留タンク13におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、図10は、サクション経路31、オーバーフロー経路35及び一旦落とし経路37にパチンコ玉が充満している状態において、(A)が、ホース接続ユニット30におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図であり、(B)が、下部貯留タンク13におけるパチンコ玉の流下状態を説明するための正面図である。
まず、図6において、サクションホース5から流下したパチンコ玉は、サクション経路33を落下し第2優先樋接続口32を介して第2優先樋19に流出されるが、サクション経路33にパチンコ玉が充満され始め、所定の玉量である誘導板38の高さを越え始めた状態から、この誘導板38の高さを越え、パチンコ玉が侵入経路34から侵入し誘導板38上を徐々に流れ始める。侵入経路34から侵入したパチンコ玉は、図6(B)に示すように、誘導板38上を転動し第1優先樋接続口31を介して第1優先樋18に流出され、前記第2優先樋19に流出されたパチンコ玉と下部貯留タンク13の第1タンク棚42において合流する。第1タンク棚42においては、第1優先樋18から流出したパチンコ玉が第2優先樋19から流出したパチンコ玉よりも優先されるため、侵入経路34に侵入したパチンコ玉が優先して玉揚送装置21に誘導されることとなる。なお、該侵入経路34から侵入し第1優先樋18から流出するパチンコ玉の流出量は、第2優先樋19から流出するパチンコ玉の流出量を決して越えないように、侵入経路34の大きさを設計している。
図7において、サクションホース5から流下したパチンコ玉によってサクション経路33を充満した状態(なお、サクション経路33は、図7に示すように常にパチンコ玉で充満されている)においては、侵入経路34にサクションホース5からのパチンコ玉が侵入し誘導板38を覆うようになる。誘導板38を転動するパチンコ玉は、オーバーフローホース6から落下するパチンコ玉の衝撃を吸収し、直接的に誘導板38に衝撃を与えることを防ぐことができる。なお、図7(A)において、点線長方形の箇所が、オーバーフローホース6から落下するパチンコ玉が誘導板38に衝撃を与える場所である。
第1優先接続部である第1優先開口Bに接続されるオーバーフローホース6は、第1優先樋接続口31に接続されている第1優先樋18と繋がっているため、第2優先樋接続口32に接続されている第2優先樋19と繋がっているサクションホース5よりもパチンコ玉がはけるのが早い。しかして、前記オーバーフローホース6内のパチンコ玉は、自島に設置されるパチンコ機10から大量のパチンコ玉が排出され始めると、当然ながら、オーバーフローホース6内のパチンコ玉が空になることがある。すると、サクションホース5を利用してパチンコ玉を自島に取り込もうとするが、取り込むことでオーバーフローホース6内がパチンコ玉で一杯になり始める。つまり、オーバーフローホース6から落下してくるパチンコ玉がホース接続ユニット30内の所定の場所(図7(A)における点線長方形の箇所)に衝撃を与える機会は、意外に多い。なお、サクションホース5は、第2優先接続部である第2優先開口Aに接続されており、その機能上(基本的に、隣のパチンコ島台1(隣島)から、あるいは、ベースタンク8からパチンコ玉の供給を受けているため、常に大量のパチンコ玉がサクションホース5に供給されている)、常に内部が詰まっている状態(一杯の状態)であるため、オーバーフローホース6のような問題が発生しない。
図8において、サクション経路33がパチンコ玉によって充満された状態で且つオーバーフローホース6からパチンコ玉が流下する状態においては、オーバーフローホース6から流下したパチンコ玉が誘導板38を介して第1優先樋18に導かれることとなるが、この場合、サクションホース5から流下するパチンコ玉の侵入がストップする。侵入経路34から侵入したパチンコ玉の代わりに、オーバーフロー経路35に滞ったパチンコ玉(図8(A)の点線長方形の箇所)がオーバーフローホース6を落下するパチンコ玉の衝撃を吸収することとなる。そして、オーバーフローホース6から落下するパチンコ玉が充満され始めて傾斜板39の高さを超えると、溢れたパチンコ玉が迂回経路36に迂回され始める。迂回経路36から迂回したパチンコ玉は、傾斜板39を転動し一旦落とし経路37を落下した後、傾斜板40を転動し、該傾斜板40よりも下方に位置している誘導板38に転動するパチンコ玉よりも優先的に合流する。この合流したパチンコ玉は、第1優先樋接続口31を介して第1優先樋18に排出され、下部貯留タンク13の上流部である第1タンク棚42に誘導される。また、第1タンク棚42においても、第2優先樋19を転動するサクションホース5からのパチンコ玉よりも第1優先樋18を転動するオーバーフローホース6からのパチンコ玉が優先され、玉揚送装置21に誘導されることとなる。
図9において、上記した図8の状態で且つ一旦落としホース7からパチンコ玉が流下する状態においては、一旦落とし経路37の上部でオーバーフロー経路35から迂回したパチンコ玉と合流し、傾斜板40に落下した後、傾斜板40を転動し、該傾斜板40よりも下方に位置している誘導板38に転動するパチンコ玉よりも優先的に合流する。この一旦落としホース7及びオーバーフローホース6からの合流したパチンコ玉は、第1優先樋接続口31を介して第1優先樋18に排出され、下部貯留タンク13の上流部である第1タンク棚42に誘導される。また、第1タンク棚42においても、第2優先樋19を転動するサクションホース5からのパチンコ玉よりも第1優先樋18を転動するオーバーフローホース6からのパチンコ玉が優先され、玉揚送装置21に誘導されることとなる。
更に、図10において、サクション経路33、オーバーフローホース経路及び一旦落とし経路37、つまり、ホース接続ユニット30内のすべての経路がパチンコ玉によって充満された状態においては、一旦落としホース7から流出されるパチンコ玉によって、オーバーフロー経路35から迂回する傾斜板39のパチンコ玉の流れを抑えると共に、オーバーフロー経路35から合流する誘導板38のパチンコ玉の流れを抑え、その結果、一旦落とし経路37を流下するパチンコ玉の方が優先的に第1優先樋18に導かれて下部貯留タンク13に導かれることとなる。そして、第1タンク棚42においても、第2優先樋19を転動するサクションホース5及びオーバーフローホース6からのパチンコ玉よりも第1優先樋18を転動する一旦落としホース7からのパチンコ玉が優先され、玉揚送装置21に誘導されることとなる。
以上、上部タンク22からホース接続ユニット30を介して下部貯留タンク13へパチンコ玉を誘導するための構造について説明してきたが、次に、パチンコ島台1間に掛け渡される島間樋について図11及び図12を参照して説明する。図11は、小規模の遊技場(ホール)に設置される複数のパチンコ島台1とそれに関連して設けられるベースタンク8、及び島間樋との関係を示す概略図であり、図12は、大規模の遊技場(ホール)に設置される複数のパチンコ島台1とそれに関連して設けられるベースタンク8、及び島間樋との関係を示す概略図である。
なお、図11及び図12に示すような島間樋を採用して、1つの遊技場内だけで(ワンフロアで)、玉補給システムを構築することを、通称、「ワンフロアシステム」といい、今現在、市場で最も信頼のある玉補給システムである。
島間樋は、各上部タンク22間及び上部タンク22と玉供給源又は玉回収先であるベースタンク8(8a,8b)との間に差し渡されるものであり、玉供給源のベースタンク8(8a)に貯留されたパチンコ玉を各パチンコ島台1の上部タンク22へ供給するための補給用タンクレール2と、各パチンコ島台1(図11においては、1a〜1e、図12においては、1a〜1g)内のパチンコ玉の保有量が所定以上になった場合に上部タンク22内のパチンコ玉を玉回収先のベースタンク8(8a)へ戻すための回収用タンクレール3と、前記玉返却装置9で返却されたパチンコ玉を上部タンク22を介して玉供給源又は玉回収先のベースタンク8(図11においては、8a、図12においては、8b)へ返却するための返却用タンクレール4と、から構成されている。
まず、図11において、小規模の遊技場に設置される5つのパチンコ島台1a〜1e内の下部には、前述したように、ベースタンク8a,8bよりも少ないパチンコ玉を貯留する下部貯留タンク13(約2万個前後貯留可能)が内蔵され、その下部貯留タンク13に貯留されたパチンコ玉を玉揚送装置21で上部タンク22に揚送し、それぞれのパチンコ島台1a〜1eに設置されるパチンコ機10や玉貸機に補給樋23を介してパチンコ玉を補給するようになっている。パチンコ機10で使用されたパチンコ玉(アウト玉)は、アウト玉箱11を介してアウト玉回収樋12(図1及び図2参照)に回収されて前記下部貯留タンク13に導かれ、再度玉揚送装置21によって揚送される。これによってパチンコ玉が各パチンコ島台1a〜1e内を循環する。
また、パチンコ島台1a〜1eのうちの所定のパチンコ島台1bには、遊技客が獲得したパチンコ玉を返却するための玉返却装置9(図11では、「JC」と示す。図12も同様)がその島端(必ずしも島端でなくてもよい、例えば、島中央)に設けられている。しかして、玉返却装置9が設けられているパチンコ島台1bは、玉返却装置9が設けられているため、必然とパチンコ島台1b内に保有するパチンコ玉が急激に多くなることがある。そこで、回収用タンクレール3とは別に、もう1つ、返却用タンクレール4を設け、ベースタンク8aへのパチンコ玉の返却量を多くしているのである。なお、回収用タンクレール3と返却用タンクレール4とは、共にベースタンク8aへパチンコ玉を戻すものであるが、両方設けられているパチンコ島台1bの場合、返却用タンクレール4の方を優先的に利用して、ベースタンク8aに戻すように、上部タンク22が構成されている。
更に、図11に示すパチンコ島台1a〜1eにおいては、4つのパチンコ島台1a〜1dを1つのブロックとして考え、このブロックの両サイドに大型のベースタンク8a,8bが設けられている。なお、パチンコ島台1e以降のブロックについては、図示されていないので以下の説明を省略する。そして、ベースタンク8a,8bに隣接するパチンコ島台1a,1dは、所謂壁島と言われるもので、片面側にしかパチンコ機10が設置されていない構造のものである。
しかして、各ベースタンク8a,8bには、各ブロックで必要とされるパチンコ玉量を貯留し得るようになっており、例えば、1つのパチンコ島台1に必要な玉量が50万個であるとすれば、1ブロックを構成する4つのパチンコ島台1a〜1dに必要なパチンコ玉量は、各々200万個である。そして、ベースタンク8aは、1つのブロック1a〜1dで必要なパチンコ玉200万個のうち、約100万個分のパチンコ玉を貯留し得る容量を有し、ベースタンク8bは、ブロック1a〜1dで必要な残りのパチンコ玉約100万個分と、ブロック1e〜で必要なパチンコ玉約200万個のうち、約100万個分のパチンコ玉とを合わせた計約200万個分のパチンコ玉を貯留し得る容量を有するように構成されている。
また、図11に示すブロック(パチンコ島台1a〜1d)において、パチンコ島台1aから始まるパチンコ玉の供給に関しては、まず、ベースタンク8aに近いパチンコ島台1bに補給用タンクレール2を介してパチンコ玉を供給し一杯になると、パチンコ島台1bの隣島であるパチンコ島台1cへ補給用タンクレール2を介してパチンコ玉を供給し一杯になると、次は、パチンコ島台1dには供給を行わず、パチンコ島台1dの上部タンク22を素通りして、ベースタンク8bにパチンコ玉が誘導される。なお、パチンコ島台1dには、補給用タンクレール2を介して、パチンコ玉の供給を行わない理由としては、パチンコ島台1dは、ベースタンク8bと隣接しており、ベースタンク8bから流入樋20を介して、パチンコ島台1d内の下部貯留タンク13に直接パチンコ玉の供給を行っているためである。
また、パチンコ島台1dから始まるパチンコ玉の回収に関して、回収用タンクレール3は、ベースタンク8bと流入樋20を介して接続されているパチンコ島台1dからベースタンク8aへパチンコ玉を誘導する樋で、パチンコ島台1bやパチンコ島台1cには、パチンコ玉は供給しない。但し、パチンコ島台1bやパチンコ島台1c内に保有しているパチンコ玉が限界を超えたとき(オーバーフローホース6がパチンコ玉で一杯になった時のことをいう)、パチンコ島台1bやパチンコ島台1cの上部タンク22から溢れたパチンコ玉を回収し、ベースタンク8aまで誘導する役割を為しているものである。要するに、基本的に、回収用タンクレール3は、ベースタンク8bのパチンコ玉をベースタンク8aへ戻しながら、必要に応じて、通過するパチンコ島台1bやパチンコ島台1cから溢れたパチンコ玉を回収するという技術思想で構成されている。
ホース接続ユニット30は、ベースタンク8a,8bに隣接するパチンコ島台1a,1dにおいては、特に必要とされるものではなく、ベースタンク8a,8bに隣接しないパチンコ島台1b,1cに特に必要とされるものである。ベースタンク8a,8bに隣接しないパチンコ島台1b,1cにおいては、サクションホース5がホース接続ユニット30の第2優先開口Aに、オーバーフローホース6がホース接続ユニット30の第1優先開口B、に、それぞれ接続されている。一方、ベースタンク8a,8bに隣接するパチンコ島台1a,1dにおいては、オーバーフローホース6をベースタンク8a,8bに接続している。また、下部貯留タンク13の上流側上部に流入口(図示しない)が開設されているが、この流入口は、ベースタンク8a,8bから流入するパチンコ玉を流入樋20を介して受け入れるための開口であり、ベースタンク8a,8bから直接、下部貯留タンク13へパチンコ玉を導くため、サクションホース5を必要としない。
なお、図11に示すその他の符号、例えば、19及び18等は、前述した図1〜図10を使って説明したパチンコ島台1で付した符号を援用しており、別段に断わりが無い限り、同じ構成を指している(以下、図12の場合も同様)。また、図11において(図12も同様)、各パチンコ島台1a〜1eの上方に示している符号、「B」や「A・B」は、各パチンコ島台1a〜1eにどのようなホースが設けられているかをわかり易くするために示したものである。
次に、大規模の遊技場に設置される複数のパチンコ島台1a〜1gについて図12を参照して説明する。図11と図12の主な相違点は、遊技場の規模によって一旦落としホース7を必要としているか否かである。すなわち、大規模の遊技場であり、ベースタンク8a,8b間に設置されるパチンコ島台1a〜1gが多数存在している場合、必然と島間樋の距離が長くなり、パチンコ玉を転動するための傾斜(勾配)を稼ぐことができない。そこで、ベースタンク8a,8b間のどこかのパチンコ島台1a〜1g内の下部貯留タンク13にパチンコ玉を一旦落とし(一旦誘導し)、再度玉揚送装置によって上部タンク22の高い位置に揚送し、最終目的地のベースタンク8bへパチンコ玉を誘導するという技術思想が、「一旦落とし」という技術の技術思想である。「一旦落とし」という技術で使用される一旦落としホース7は、その性質上、本実施形態で紹介されている他の2つのホース、即ち、サクションホース5やオーバーフローホース6よりも、優先順位が高く、これら2つのホースより、優先的に、玉揚送装置21へ誘導する必要がある。
しかして、図12において、「一旦落とし」という技術が、3例、「補給用タンクレール2」の例と、「回収用タンクレール3」の例と、「返却用タンクレール4」の例が開示されている。まず、補給用タンクレール2においては、本来、直接、ベースタンク8bまで繋げたいところを、一旦、パチンコ島台1dの下部貯留タンク13に落としている。また、回収用タンクレール3においては、本来、直接、ベースタンク8aまで繋げたいところを、一旦、パチンコ島台1bの下部貯留タンク13に落としている。返却用タンクレール4においては、本来、直接、ベースタンク8bまで繋げたいところを、一旦、パチンコ島台1eの下部貯留タンク13に落としている。
そして、ベースタンク8a,8bに隣接しないパチンコ島台1b〜1eのうち、パチンコ島台1b,1eにおいては、上部タンク22とホース接続ユニット30との間にサクションホース5、オーバーフローホース6、及び一旦落としホース7が、パチンコ島台1cにおいては、サクションホース5及びオーバーフローホース6が、パチンコ島台1dにおいては、オーバーフローホース6及び一旦落としホース7が掛け渡されることとなる。このサクションホース5、オーバーフローホース6、及び一旦落としホース7は、前述したように、それぞれホース接続ユニット30の第2優先開口A,第1優先開口B,第1優先開口Cに接続され、第1優先接続部である第1優先開口B,第1優先開口Cを第2優先接続部である第2優先開口Aよりも優先して下部貯留タンク13へ導くものである。なお、パチンコ島台1dにおいては、オーバーフローホース6をホース接続ユニット30の第2優先開口Aに、一旦落としホース7をホース接続ユニット30の第1優先開口Bに、それぞれ接続し、これらのホースから誘導されるパチンコ玉に優先順位をつけている。
なお、前述で、図1から図10を使って説明を行ってきたパチンコ島台1は、図12で言えば、左から3つ目に描かれているパチンコ島台1b及び右から2つ目に描かれているパチンコ島台1eと同じものである。
本実施例では、ホース接続ユニット30の第1優先開口Dが用いられていないが、例えば、島間樋の一旦落としが2つ同時にホース接続ユニット30へ接続される場合等に用いられる。また、第1優先開口群B〜Dにおいて、第1優先開口Bがオーバーフローホース6に、第1優先開口Cが一旦落としホース7に、それぞれ接続されているものを示したが、例えば、一旦落としホース7を第1優先開口Dに接続してもよい。さらに、未使用の開口部A〜Dがある場合には、その開口に蓋を設けてもよく、また、その開口部を省いたホース接続ユニット30の構造としてもよい。
なお、本実施形態におけるパチンコ島台1は、「サクションホース5、オーバーフローホース6、一旦落としホース7」の3種類、3本設けられているものや、「サクションホース5、オーバーフローホース6」の2種類、2本設けられているものを示したが、ホース(第1誘導部材)の種類及び数は、適宜、設計変更事項範囲である。例えば、「オーバーフローホース6」を1種類、2本設けられているものであっても良いし、「サクションホース5、2本のオーバーフローホース6」の2種類、3本設けられているものであっても良い。
本実施形態においては、ホース接続ユニット30を規格化することができ、その結果、パチンコ島台1の製造効率のアップを図ることができると共に、在庫管理を容易にすることができる。また、新たに誘導経路を作成する等の改良工事に際しても、ホース接続ユニット30をそのまま利用することができるため、改良工事における作業効率のアップを図ることもできる。
また、本実施形態においては、サクションホース5、オーバーフローホース6及び一旦落としホース7の各々に優先順位がある場合に、ホース接続ユニット30の接続部(第1優先接続部B〜D及び第2優先接続部A)に設けられた優先順位に基づいて、サクションホース5、オーバーフローホース6及び一旦落としホース7からのパチンコ玉を下部貯留タンク13に貯留することができる。
また、本実施形態においては、第1優先樋18及び第2優先樋19で、サクションホース5、オーバーフローホース6及び一旦落としホース7からのパチンコ玉を下部貯留タンク13へ誘導しているため、即ち、優先度の高い第1優先接続部B〜Dに接続されたオーバーフローホース6及び一旦落としホース7からのパチンコ玉と、第1優先接続部B〜Dよりも優先度が低い第2優先接続部Aに接続されたサクションホース5からのパチンコ玉とが、下部貯留タンク13に到達するよりも前に干渉しあうことがなくなるため、効率よく、優先度の高い第1優先接続部B〜Dに接続されたオーバーフローホース6及び一旦落としホース7からのパチンコ玉を下部貯留タンク13内に貯留することができる。
また、本実施形態においては、サクションホース5からのパチンコ玉の一部が侵入経路34を通ってホース接続ユニット30内の所定の場所に侵入することにより、オーバーフローホース6から落下してくるパチンコ玉をホース接続ユニット30内の所定の場所で、サクションホース5からのパチンコ玉の一部を利用して受け止めることができるため、ホース接続ユニット30は、オーバーフローホース6から落下してくるパチンコ玉を直接的に受け止めることがなくなり、ホース接続ユニット30内の破損の低減を図ることができる。
なお、本実施形態では、パチンコ島台に関するものだったが、メダル島台でも同様である。