JP5462792B2 - 人工毛髪用繊維及びこれを使用した人工毛髪製品 - Google Patents

人工毛髪用繊維及びこれを使用した人工毛髪製品 Download PDF

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Description

本発明は、再生コラーゲン繊維を含む人工毛髪用繊維及びこれを使用した人工毛髪製品に関するものである。
再生コラーゲン繊維はたんぱく質で構成されることから、組成が人毛に近似し、風合い(肌さわり)も柔軟で、従来から人工毛髪用繊維として提案されている(特許文献1〜3)。さらに人毛に近似させようとすると、再生コラーゲン繊維の断面を楕円にすることが好ましい。
しかし、再生コラーゲン繊維は、光沢が強すぎて見栄えがよくないという問題があった。とくに楕円はその傾向が高い。人毛などに比較して光沢が強いと違和感があり、商品的価値も低いものとなる。
特開2007−177370号公報 特開2007−169806号公報 特開2003−027318号公報
本発明は、前記従来の問題を解決するため、断面の異なる再生コラーゲン繊維同士を混繊することにより、光沢を抑え見栄えを良好にした人工毛髪用繊維及びこれを使用した人工毛髪製品を提供する。
本発明の人工毛髪用繊維は、異なった断面形状の繊維を混繊した人工毛髪用繊維であって、前記人工毛髪用繊維は再生コラーゲン繊維を含み、前記再生コラーゲン繊維は、楕円形、円形及び多葉形を含む形状からなる群から選ばれる断面形状を有する再生コラーゲン繊維を少なくとも2種含有し、前記断面が楕円形の再生コラーゲン繊維が20〜40質量%の範囲で混繊されていることを特徴とする。
本発明の人工毛髪製品は、前記人工毛髪用繊維を含んでいることを特徴とする。
本発明の人工毛髪用繊維及び人工毛髪製品は、再生コラーゲン繊維を含み、楕円形、円形及び多葉形を含む形状からなる群から選ばれる断面形状を有する再生コラーゲン繊維少なくとも2種が混繊されていることにより、光沢を抑え見栄えを良好にできる。
図1は本発明の製造例1〜5における再生コラーゲン繊維の断面説明図である。 図2は本発明の製造例6〜8における再生コラーゲン繊維の断面説明図である。 図3は本発明の製造例9〜11における再生コラーゲン繊維の断面説明図である。 図4は本発明の実施例1で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図5は本発明の実施例1で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図6は本発明の実施例2で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図7は本発明の実施例2で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図8は本発明の実施例3で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図9は本発明の実施例3で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図10は本発明の実施例4で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図11は本発明の実施例4で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図12は本発明の実施例5で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図13は本発明の実施例5で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図14は本発明の実施例5で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図15は本発明の実施例5で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図16は本発明の実施例6で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図17は本発明の実施例6で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図18は本発明の実施例6で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図19は本発明の実施例7で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図20は本発明の実施例7で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図21は本発明の実施例7で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図22は本発明の実施例7で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図23は本発明の実施例7で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図24は本発明の実施例8で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図25は本発明の実施例8で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図26は本発明の実施例8で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図27は本発明の実施例8で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図28は本発明の製造例9〜11における再生コラーゲン繊維を製造するための口金ノズルの断面説明図である。 図29は本発明の比較例1で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図30は本発明の比較例1で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図31は本発明の比較例1で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。 図32は本発明の比較例1で得られた人工毛髪用繊維の光沢ランクを示すグラフである。
本発明の人工毛髪用繊維は、異なった断面形状の繊維を混繊したものである。断面形状としては、楕円形、丸形、多葉形、多角形、まゆ形、ドッグボーン形、半月形、三日月形、キ形、湿式紡糸における溶媒の凝固に伴なう不定形など様々な形状があるが、本発明においては少なくとも楕円形、円形、及び多葉形を含む形状から選ばれる断面形状を有する少なくとも2種の繊維を用いる。もちろん、他の断面形状の繊維を含んでいても良い。前記において、多葉形は3〜10葉形が好ましい。また、混繊は繊維を混合することであり、その混合手段は、紡糸工程、延伸工程、熱処理工程、トウ工程、カット工程の前後などでどのような工程で混繊しても良い。
本発明においては、再生コラーゲン繊維100質量%であって異形断面繊維の混繊でも構わないし、再生コラーゲン繊維を含む繊維であって異形断面繊維の混繊でも構わない。再生コラーゲン繊維の混合率は、好ましくは50〜100質量%である。さらに好ましくは60〜100質量%、とくに好ましくは70〜100質量%である。再生コラーゲン繊維を含み他の繊維も含む場合、他の繊維としては特に限定されないが、塩化ビニル系繊維、アクリル系繊維、モダアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、人毛などを用いることができる。
本発明の再生コラーゲン繊維において、楕円断面を含む2成分断面(他方の断面は円形断面或いは多葉形断面)の再生コラーゲン繊維を含む場合には、全ての人工毛髪用繊維100質量%に対して断面が楕円の再生コラーゲン繊維が1〜49質量%の範囲で混繊されていることが好ましい。下限値のより好ましい範囲としては5質量%、更に好ましくは10質量%、特に好ましくは20質量%であり、上限値のより好ましい範囲としては48質量%、更に好ましくは45質量%である。
本発明の再生コラーゲン繊維において、楕円断面を含まずに円形断面と多葉形断面の再生コラーゲン繊維を含有する場合には、円形断面と多葉形断面の再生コラーゲン繊維の混合率は、質量比で、円形断面/多葉形断面=1/99〜99/1であることが好ましく、5/95〜95/5であることがより好ましく、5/95〜80/20であることがさらに好ましく、5/95〜60/40であることがさらにより好ましく、5/95〜40/60であることが特に好ましい。
本発明の再生コラーゲン繊維において、円形、楕円形、多葉形の3成分の断面の再生コラーゲン繊維を含む場合には、3成分断面の全ての再生コラーゲン繊維100質量%に対して楕円断面の再生コラーゲン繊維は50質量%含まれていても構わない。また、繊度が78dtexの楕円断面の再生コラーゲン繊維を50質量%含む場合は、円形断面と多葉形断面の再生コラーゲン繊維の混合率は、質量比で、円形断面/多葉形断面=50/0〜5/45であることが好ましい。また、繊度が65dtexの楕円断面の再生コラーゲン繊維を50質量%含む場合は、円形断面と多葉形断面の再生コラーゲン繊維の混合率は、質量比で、円形断面/多葉形断面=40/10〜5/45であることが好ましい。また、繊度が58dtexの楕円断面の再生コラーゲン繊維を50質量%含む場合は、円形断面と多葉形断面の再生コラーゲン繊維の混合率は、質量比で、円形断面/多葉形断面=40/10〜5/45であることが好ましい。また、繊度が50dtexの楕円断面の再生コラーゲン繊維を50質量%含む場合は、円形断面と多葉形断面の再生コラーゲン繊維の混合率は、質量比で、円形断面/多葉形断面=10/40〜5/45であることが好ましい。
また、円形断面と多葉形断面の再生コラーゲン繊維の混合率が、質量比で円形断面/多葉形断面=30/15〜5/40の範囲であれば楕円断面の再生コラーゲン繊維が55質量%程度含まれていても構わない。
多葉形については5〜8葉形がより好ましく、6葉形がさらに好ましい。
前記人工毛髪用繊維の繊度は30〜120dtexの範囲であることが好ましい。この繊度は人毛に近く風合いも良好だからである。
本発明の人工毛髪製品は、カツラ、部分カツラ、ウイッグ、ウィービングなどいかなる製品であってもよい。
繊維はストレート状であるのが好ましいが、人工毛髪として一般的に適用されるカール、ウェーブ、パーマなどの変形をさせてもよい。
再生コラーゲン繊維の原料は、牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚などの動物の皮膚、骨、腱などである。これらの原料から可溶化コラーゲン溶液を製造し、この可溶化コラーゲン水溶液を紡糸し、再生コラーゲン繊維とし、アルミニウム化合物で架橋する。紡糸直後において、緻密なアルミニウム架橋を行うことにより、本発明の再生コラーゲン繊維が得られる。
上記再生コラーゲンの製造方法としては、例えば特開2002−249982号公報に開示されているように、原料は床皮の部分を用いるのが好ましい。床皮は、たとえば牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚等の動物から得られるフレッシュな床皮や塩漬けした生皮より得られる。これら床皮は、大部分が不溶性コラーゲン繊維からなり、通常網状に付着している肉質部分を除去し、腐敗・変質防止のために用いた塩分を除去したのちに用いられる。また、前記動物の骨、腱など他の材料も同様に用いることができる。
この不溶性コラーゲン繊維には、グリセライド、リン脂質、遊離脂肪酸等の脂質、糖タンパク質、アルブミン等のコラーゲン以外のタンパク質等、不純物が存在している。これらの不純物は、繊維化するにあたって光沢や強度等の品質、臭気等に多大な影響を及ぼす。したがって、たとえば石灰漬けにして不溶性コラーゲン繊維中の脂肪分を加水分解し、コラーゲン繊維を解きほぐした後、酸・アルカリ処理、酵素処理、溶剤処理等のような一般に行われている皮革処理を施し、予めこれらの不純物を除去しておくことが好ましい。
前記のような処理の施された不溶性コラーゲンは、架橋しているペプチド部を切断するために、可溶化処理が施される。前記可溶化処理の方法としては、一般に採用されている公知のアルカリ可溶化法や酵素可溶化法等を適用することができる。前記アルカリ可溶化法を適用する場合には、たとえば塩酸等の酸で中和することが好ましい。なお、従来から知られているアルカリ可溶化法の改善された方法として、特公昭46−15033号公報に記載された方法を用いても良い。
前記酵素可溶化法は、分子量が均一な再生コラーゲンを得ることができるという利点を有するものであり、本発明において好適に採用しうる方法である。かかる酵素可溶化法としては、たとえば特公昭43−25829号公報や特公昭43−27513号公報等に記載された方法を採用することができる。さらに、前記アルカリ可溶化法及び酵素可溶化法を併用しても良い。
このように可溶化処理を施したコラーゲンにpHの調整、塩析、水洗や溶剤処理等の操作をさらに施した場合には、品質等の優れた再生コラーゲンを得ることが可能なため、これらの処理を施すことが好ましい。得られた可溶化コラーゲンは、たとえば1〜15質量%、好ましくは2〜10質量%程度の所定濃度の原液になるように塩酸、酢酸、乳酸等の酸でpH2〜4.5に調整した酸性溶液を用いて溶解される。なお、得られたコラーゲン水溶液には必要に応じて減圧攪拌下で脱泡を施し、水不溶分である細かいゴミを除去するために濾過を行ってもよい。得られる可溶化コラーゲン水溶液には、さらに必要に応じてたとえば機械的強度の向上、耐水・耐熱性の向上、光沢性の改良、紡糸性の改良、着色の防止、防腐等を目的として安定剤、水溶性高分子化合物等の添加剤が適量配合されてもよい。
前記のようにして得られた可溶化コラーゲン水溶液を繊維にするには湿式紡糸法を用いる。可溶化コラーゲン水溶液は、たとえば紡糸ノズルを通して無機塩水溶液に吐出することにより再生コラーゲン繊維を形成できる。無機塩水溶液としては、たとえば硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム等の水溶性無機塩の水溶液が用いられる。通常これらの無機塩の濃度は10〜40質量%に調整される。無機塩水溶液のpHは、たとえばホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウム等の金属塩や塩酸、ホウ酸、酢酸、水酸化ナトリウム等を配合することにより、通常pH2〜13、好ましくはpH4〜12となるように調整する。pHが前記の範囲であれば、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受け難く、目的とする再生コラーゲン繊維が得られる。また、無機塩水溶液の温度は特に限定されないが、通常35℃以下であることが望ましい。温度が35℃以下であれば、可溶性コラーゲンが変性を起こさず、強度を高く維持でき、安定した製造ができる。なお、温度の下限は特に限定されないが、通常無機塩の溶解度に応じて適宜調整することができる。
前記コラーゲンの遊離アミノ基を、β―位又はγ―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数主鎖が2〜20のアルキル基で修飾する。前記炭素数主鎖とは、アミノ基に結合したアルキル基の連続した炭素鎖を示すものであり、他の原子を介在して存在する炭素数は考慮しないものとする。遊離アミノ基を修飾する反応としては、通常知られているアミノ基のアルキル化反応を用いることができる。反応性、反応後の処理の容易さ等から前記β―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2〜20のアルキル基は、下記一般式(2)で表わされる化合物であることが好ましい。
―CH―CH(OX)―R (2)
(式中、Rは、R−、R−O−CH−又はR−COO−CH−で表される置換基を示し、前記置換基中のRは炭素数2以上20以下の炭化水素基又はCHClであり、Rは炭素数4以上20以下の炭化水素基を示し、Xは水素又は炭化水素基を示す。)
一般式(2)の好ましい例としては、グリシジル基、1−クロル―2―ヒドロキシプロピル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基が挙げられる。加えて、グリシジル基がコラーゲン中の遊離アミノ基に付加した構造が挙げられる。さらには、前述の好ましい基に記載されたアルキル基に含まれる水酸基を開始点として、用いたエポキシ化合物が開環付加、及び又は開環重合した構造が挙げられ、このときの付加及び/又は重合の末端構造として、前述のアルキル基の構造を有しているものが挙げられる。
前記再生コラーゲンの遊離アミノ基を構成するアミノ酸としては、リジン及びヒドロキシリジンが挙げられる。さらに、本来コラーゲンを構成するアミノ酸としてはアルギニンで存在するものの、前記再生コラーゲンを得るために、アルカリ条件下で加水分解を行う際に、一部加水分解が進行して生じたオルニチンのアミノ基もアルキル化反応される。加えて、ヒスチジンに含まれる2級アミンによっても反応が進行する。
遊離アミノ基の修飾率は、アミノ酸分析により測定することが可能であり、アルキル化反応前の再生コラーゲン繊維のアミノ酸分析値、又は原料として用いたコラーゲンを構成する遊離アミノ酸の既知組成を基準に算出される。尚、本発明におけるアミノ基の修飾では、β―位又はγ―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2以上のアルキル基で修飾された構造が、遊離アミノ基の50%以上であれば良く、その他の部分は遊離アミノ基のままでもよいし他の置換基で修飾された構造であっても良い。再生コラーゲンの遊離アミノ酸の修飾率は50%以上である必要があり、より好ましくは、65%以上、更に好ましくは80%以上である。反応率が低い場合、耐熱性で良好な特性が得られない。
ここで、遊離アミノ基の修飾においては、通常、遊離アミノ基1つあたり1分子のアルキル化剤が反応する。もちろん2分子以上反応していてもよい。さらに、遊離アミノ基に結合したアルキル基のβ―位又はγ―位に存在する水酸基又はアルコキシ基又はその他の官能基を介して、分子内又は分子間での架橋反応が存在していても良い。アルキル化反応の具体例としては、エポキシ化合物の付加反応、α―位又はβ―位に水酸基又はこの誘導体を有するアルデヒド化合物の付加反応とこれに続く還元反応、β―位又はγ―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2以上のハロゲン化物、アルコール及びアミン等の置換反応が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明において、アルキル化反応剤として使用しうる有機化合物としては、アルデヒド類、エポキシ類、フェノール誘導体等が挙げられる。この中では反応性・処理条件の容易さからエポキシ化合物による修飾反応が、優れた特性を示すことから好ましい。特に単官能エポキシ化合物が好ましい。
ここで用いられる単官能エポキシ化合物の具体例としては、たとえば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化イソブチレン、酸化オクテン、酸化スチレン、酸化メチルスチレン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシドール等のオレフィン酸化物類、グリシジルメチルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、ポリエチレンオキシドグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、蟻酸グリシジル、酢酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、安息香酸グリシジル等のグリシジルエステル類、グリシジルアミド類等が挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
単官能エポキシ化合物の中でも、再生コラーゲンの吸水率が低下するため、下記一般式(1)で表される単官能エポキシ化合物を用いて処理することが好ましい。
Figure 0005462792
但し、上記式(1)中、RはR−、R−O−CH−またはR−COO−CH−で表される置換基を示し、Rは炭素数2以上20以下の炭化水素基またはCHClであり、Rは炭素数4以上20以下の炭化水素基を示す。
このようにして得られた再生コラーゲン繊維は、水又は無機塩の水溶液で膨潤した状態になっている。この膨潤体は再生コラーゲンの重量に対して4〜15倍の水又は無機塩の水溶液を含有した状態が良い。水又は無機塩の水溶液の含有量が4倍以上では再生コラーゲン繊維中のアルミニウム塩含有量が多いため、耐水性が充分となる。また15倍以下であれば、強度が低下せず、取扱い性は良好である。
膨潤した再生コラーゲン繊維は、次いでアルミニウム塩の水溶液に浸漬する。このアルミニウム塩水溶液のアルミニウム塩としては、次の式、Al(OH)Cl3−n、又はAl(OH)2n(SO4)3−n(式中、nは0.5〜2.5である)で表される塩基性塩化アルミニウム又は塩基性硫酸アルミニウムが好ましい。具体的には、例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ミョウバン等が用いられる。これらのアルミニウムは単独で又は2種以上混合して用いることができる。このアルミニウム塩水溶液のアルミニウム塩濃度としては、酸化アルミニウムに換算して0.3〜5質量%であることが好ましい。アルミニウム塩の濃度が0.3質量%以上であれば、再生コラーゲン繊維中のアルミニウム塩含有量が高く、耐水性が充分となる。また5質量%以下であれば、処理後もそれほど硬くなく、取り扱い性が良好である。
このアルミニウム塩水溶液のpHは、例えば塩酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いて通常2.5〜5に調整する。このpHは、2.5以上であればコラーゲンの構造を良好に維持できる。pHが5以下であれば、アルミニウム塩の沈殿も生じず、均一に浸透し易くなる。このpHは、最初は2.2〜3.5に調整して充分にアルミニウム塩水溶液を再生コラーゲン内に浸透させ、その後に、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を添加して3.5〜5に調整して処理を完結させることが好ましい。塩基性の高いアルミニウム塩を用いる場合には、2.5〜5の最初のpH調整だけでもかまわない。また、このアルミニウム塩水溶液の液温は特に限定されないが、50℃以下が好ましい。この液温が50℃以下であれば、再生コラーゲンの変性や変質は起きにくい。
このアルミニウム塩水溶液に再生コラーゲン繊維を浸漬する時間は、3時間以上、好ましくは6〜25時間とする。この浸漬時間は、3時間以上であればアルミニウム塩の反応が進み、再生コラーゲンの耐水性が充分となる。また、浸漬時間の上限には特に制限はないが、25時間以内でアルミニウム塩の反応は充分に進行し、耐水性も良好となる。なお、アルミニウム塩が再生コラーゲン中に急激に吸収されて濃度むらを生じないようにするため、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩を適宜前記アルミニウム塩の水溶液に添加しても良い。
本発明においては、処理終了後の繊維に含有されるアルミニウム含量が1〜10質量%となるように処理することが好ましい。さらに好ましい範囲は3〜9質量%である。アルミニウム含有量が、1質量%より少ないと、湿触感が不良となる傾向にある。また10質量%をこえると、処理後の繊維が硬くなって風合いを損ねてしまう傾向にある。
このようにアルミニウム塩で処理された再生コラーゲン繊維は、ついで水洗、オイリング、乾燥を行なう。水洗は、たとえば、10分間〜4時間流水水洗することにより行なうことができる。オイリングに用いる油剤としては、たとえば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる油剤などを用いることができる。乾燥温度は、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは75℃以下、乾燥時の荷重は、1dtexに対して0.01〜0.25g、好ましくは0.02〜0.15gの重力下で行なうことが好ましい。
ここで、水洗を施すのは、塩による油剤の析出を防止したり、乾燥機内で乾燥時に再生コラーゲン繊維から塩が析出し、かかる塩によって再生コラーゲン繊維に切れが発生したり、生成した塩が乾燥機内で飛散し、乾燥機内の熱交換器に付着して伝熱係数が低下するのを防ぐためである。また、オイリングを施した場合には、乾燥時における繊維の膠着防止や表面性の改善に効果がある。
また、コラーゲン溶液の紡糸の際には、溶液中又は紡出直前に顔料や染料を混合して着色することもできる(原着法)。使用する顔料や染料は用途に応じて、紡糸工程での溶出分離が無いこと、また使用製品の要求品質に対応して種類や色相を選択することができる。また必要に応じて、充填剤、老化防止剤、難燃剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
以下に実施例を示して、本発明の具体的な実施態様をより詳細に説明するが、本発明は、この実施例のみに限定されない。
(1)光沢
100本のフィラメント繊維束を自然光の中で目視により観察し、次のように5段階評価した。
5:人毛に等しい光沢である。
4:人毛よりやや光沢が強い。
3:人毛より光沢が強い。
2:人毛よりかなり光沢が強い。
1:人毛より相当光沢が強く、かけ離れている。
(2)繊度
オートバイブロ式繊度測定器Denier Computer(登録商標)DC−77
A(サーチ(株)製)を用いて温度20±2℃、相対湿度65±2%の雰囲気中で繊度を測定した。
(製造例1)
牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化した皮片に30質量%に希釈した過酸化水素水溶液を投入後、乳酸水溶液で溶解し、pH3.5、固形分7.5質量%に調整した原液を作製した。原液を減圧下で撹拌脱泡機((株)ダルトン製、8DMV型)により撹拌脱泡処理し、ピストン式紡糸原液タンクに移送し、さらに減圧下で静置して、脱泡を行なった。かかる原液をピストンで押し出した後、ギアポンプ定量送液し、孔径10μmの焼結フィルターで濾過後、紡糸ノズル(ノズル形状楕円、図1の名称「楕円100」のノズル形状)を通し、硫酸ナトリウム20質量%を含有してなる25℃の凝固浴(ホウ酸および水酸化ナトリウムでpH11に調整)へ紡出速度5m/分で吐出した。
つぎに、得られた再生コラーゲン繊維を、エピクロロヒドリン1.7質量%、水酸化ナトリウム0.0246質量%、および硫酸ナトリウム(東ソー(株)製中性無水芒硝を使用)17質量%を含有した水溶液に25℃で4時間浸漬した後、さらに反応液温度を43℃に昇温して2時間浸漬した。反応終了後に反応液を除去後、25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行なった。この後、硫酸アルミニウム(日本軽金属(株)製 硫酸バンドを使用)5.0質量%、クエン酸三ナトリウム塩(扶桑化学工業(株)製 精製クエン酸ナトリウムMを使用)0.9質量%、水酸化ナトリウム1.2質量%を含有した水溶液に30℃で浸漬し、反応開始から2時間後、3時間後および4時間後にそれぞれ5質量%水酸化ナトリウム水溶液を反応液に添加した。その後、25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行なった。
ついで、作製した繊維の一部をアミノ変性シリコーンのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬して油剤を付着させた。50℃に調整した熱風対流式乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。得られた繊維は断面が楕円で繊度は100dtexであった。得られた繊維を「楕円100」とする。
(製造例2)
ノズル形状楕円、図1の名称「楕円78」のノズル形状の紡糸ノズルを通した他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が楕円で繊度は78dtexであった。得られた繊維を「楕円78」とする。
(製造例3)
ノズル形状楕円、図1の名称「楕円65」のノズル形状の紡糸ノズルを通した他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が楕円で繊度は65dtexであった。得られた繊維を「楕円65」とする。
(製造例4)
ノズル形状楕円、図1の名称「楕円58」のノズル形状の紡糸ノズルを通した他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が楕円で繊度は58dtexであった。得られた繊維を「楕円58」とする。
(製造例5)
ノズル形状楕円、図1の名称「楕円52」のノズル形状の紡糸ノズルを通した他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が楕円で繊度は52dtexであった。得られた繊維を「楕円52」とする。
(製造例6)
紡糸ノズルを円形(孔径0.22mm)とした他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が円で繊度は52dtexであった。得られた繊維を「○52」とする。
(製造例7)
紡糸ノズルを円形(孔径0.25mm)とした他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が円で繊度は65dtexであった。得られた繊維を「○65」とする。
(製造例8)
紡糸ノズルを円形(孔径0.19mm)とした他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が円で繊度は39dtexであった。得られた繊維を「○39」とする。
(製造例9)
紡糸ノズルを6葉形(図1の名称「*52」のノズル形状)とした他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が6葉形で繊度は52dtexであった。得られた繊維を「*52」とする。
(製造例10)
紡糸ノズルを6葉形(図1の名称「*65」のノズル形状)とした他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が6葉形で繊度は65dtexであった。得られた繊維を「*65」とする。
(製造例11)
紡糸ノズルを6葉形(図1の名称「*39」のノズル形状)とした他は、製造例1と同様にして再生コラーゲン繊維を製造した。得られた繊維は断面が6葉形で繊度は39dtexであった。得られた繊維を「*39」とする。
(製造例12)
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学社製“BK−2180”)を水分量100ppm以下に乾燥後、溶融紡糸機(シンコーマシナリー社製“SV30”)を用いて、バレル設定温度280℃で扁平比が1:1.8(長軸2.2mm、短軸1.22mm)の楕円形断面ノズル孔を有する紡糸ノズルにより溶融ポリマーを吐出し、20℃の冷却風により空冷し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸に対し、85℃に加熱したヒートロールを用いて4倍に延伸し、180℃に加熱したヒートロールを用いて熱処理を行い、30m/分の速度で巻き取った。得られた繊維は断面が楕円形で繊度は70dtexであった。得られた繊維を「楕円70PET」とする。
(製造例13)
紡糸ノズルを円形(孔径1.3mm)とした他は、製造例12と同様にしてポリエステル繊維を製造した。得られた繊維は断面が円形で繊度は50dtexであった。得られた繊維を「○50PET」とする。
(製造例14)
紡糸ノズルを6葉形(図28のa:1.44mm、b:1.05mm、R:0.26mm)とした他は、製造例12と同様にしてポリエステル繊維を製造した。得られた繊維は断面が6葉形で繊度は50dtexであった。得られた繊維を「*50PET」とする。
以上で得られた製造例1〜14の繊維の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005462792
また、各再生コラーゲン繊維の断面を図1〜3に示し、図28に前記断面6葉形の口金ノズルの形状を示す。図28において、aは断面6葉形の外接直径、bは断面6葉形の内接直径、Rは一つの葉の半径を示す。具体的数値は図3中に示す。
実験例1−1〜1−14
製造例2と9、製造例2と6の繊維を表2に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表2、図4、図5に示した。
Figure 0005462792
表2からわかるように、楕円形の断面形状の再生コラーゲン繊維を1〜45質量%と6葉形断面の組み合わせ、又は楕円断面繊維20〜50質量%と丸断面の再生コラーゲン繊維を混繊すると、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例2−1〜2−11
製造例3と9、製造例3と6の繊維を表3に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表3、図6、図7に示した。
Figure 0005462792
表3からわかるように、楕円形の断面形状の再生コラーゲン繊維を20〜45質量%と6葉形断面の組み合わせ、又は楕円断面繊維20〜48質量%と丸断面の再生コラーゲン繊維を混繊すると、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例3−1〜3−11
製造例4と9、製造例4と6の繊維を表4に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表4、図8、図9に示した。
Figure 0005462792
表4からわかるように、楕円形の断面形状の再生コラーゲン繊維を20〜45質量%と6葉形断面の組み合わせ、又は楕円断面繊維20〜48質量%と丸断面の再生コラーゲン繊維を混繊すると、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例4−1〜4−9
製造例5と6、製造例5と9の繊維を表5に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表5、図10、図11に示した。
Figure 0005462792
表5からわかるように、楕円形の断面形状の再生コラーゲン繊維を20〜40質量%と6葉形断面の組み合わせ、又は楕円断面繊維20〜40質量%と丸断面の再生コラーゲン繊維を混繊すると、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例5−1〜5−18
製造例2と、製造例7,8,10,11の繊維を表6に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表6、図12〜図15に示した。
Figure 0005462792
表6からわかるように、楕円形の断面形状の再生コラーゲン繊維を20〜50質量%混繊することにより、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例6−1〜6−17
製造例1と6と9の繊維を表7に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表7、図16〜図18に示した。
Figure 0005462792
表7からわかるように、楕円100と*52の組合せでは楕円100が20〜45質量%で、また、楕円100と○52の組合せでは楕円100が20〜50質量%で、また*52と○52の組合せでは*52が5〜95質量%で、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例8−1〜8−39
製造例2又は3の繊維に、製造例6及び9の繊維を表8に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表8、図19〜図23に示した。
Figure 0005462792
表8(楕円断面形状、丸断面形状及び6葉形断面形状の3成分からなる)からわかるように
・楕円78が55質量%の場合 ○52/*52=5/40〜30/15
・楕円78が50質量%の場合 ○52/*52=5/45〜50/0
・楕円78が40質量%の場合 ○52/*52=0/60〜60/0
・楕円65が50質量%の場合 ○52/*52=5/45〜45/5
・楕円65が40質量%の場合 ○52/*52=0/60〜60/0
で、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例9−1〜9−30
製造例4又は5の繊維に、製造例6及び9の繊維を表9に示すように組み合わせて混繊し、光沢を測定した。繊維の混合比率と光沢の結果を表9、図24〜図27に示した。
Figure 0005462792
表9(楕円断面形状、丸断面形状及び6葉形断面形状の3成分からなる)からわかるように
・楕円52が50質量%の場合 ○52/*52=5/45〜10/40
・楕円52が40質量%の場合 ○52/*52=0/60〜60/0
・楕円58が50質量%の場合 ○52/*52=5/45〜40/10
・楕円58が40質量%の場合 ○52/*52=0/60〜60/0
で、光沢ランクは算術平均値よりも相乗的に高くなり、光沢を抑え見栄えを良好にできた。
実験例10−1〜10−4
製造例6(○52)及び製造例9(*52)の繊維と、ポリエステル繊維:カネカ社製商品名“FUTURA”、繊度65dtexとモダアクリル繊維:カネカ社製商品名“BRITE”、繊度58.8dtexとを表10に示す割合で混繊した。この結果を表10に示した。
Figure 0005462792
表10から明らかなとおり、本発明の実験例品(No.10−3,10−4)は光沢が低く見栄えを良好にできた。
(比較例1)
製造例12〜14で得られたポリエステル繊維を表11に示す割合で混繊し、光沢を測定し、その結果を表11及び図29〜31に示した。
Figure 0005462792
表11から明らかなように、楕円形、円形及び多葉形を含む形状からなる群から選ばれる断面形状を有するポリエステル繊維を2種以上含んでいても、再生コラーゲン繊維を含んでない、比較例1の全てにおいて、光沢ランクは算術平均値より相対的に低かった。

Claims (4)

  1. 異なった断面形状の繊維を混繊した人工毛髪用繊維であって、
    前記人工毛髪用繊維は再生コラーゲン繊維を含み、
    前記再生コラーゲン繊維は、楕円形、円形及び多葉形を含む形状からなる群から選ばれる断面形状を有する再生コラーゲン繊維を少なくとも2種含有し、
    前記断面が楕円形の再生コラーゲン繊維が20〜40質量%の範囲で混繊されていることを特徴とする人工毛髪用繊維。
  2. 前記人工毛髪用繊維は、再生コラーゲン繊維のみから構成されている請求項1に記載の人工毛髪用繊維。
  3. 前記人工毛髪用繊維の繊度が30〜120dtexの範囲である請求項1又は2に記載の人工毛髪用繊維。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維を含む人工毛髪製品。
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