JPH0450370A - 着色のない再生コラーゲンの製造法 - Google Patents

着色のない再生コラーゲンの製造法

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JPH0450370A
JPH0450370A JP2157831A JP15783190A JPH0450370A JP H0450370 A JPH0450370 A JP H0450370A JP 2157831 A JP2157831 A JP 2157831A JP 15783190 A JP15783190 A JP 15783190A JP H0450370 A JPH0450370 A JP H0450370A
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collagen
temperature
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formaldehyde
aqueous solution
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Masahiko Takada
雅彦 高田
Mitsuru Furukawa
満 古川
Teruichi Murata
照一 村田
Atsushi Sasayama
篤 笹山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は着色のない再生コラーゲンの製造法に関する。
さらに詳しくは、頭髪、毛皮用繊維、手術糸などとして
、また不織布、フィルムなどとしでも好適に使用しつる
無着色で耐水性にすぐれた再生コラーゲンの製造法に関
する。
[従来の技術] 従来からコラーゲンは、タンパク繊維のなかでは絹と同
様に高強度を発現することから頭髪や毛皮用などの獣毛
調繊維に、また生体適合性がよいことから外科用縫合糸
や創傷面被覆用の不織布といった医療用繊維に用いる試
みがなされている。
一般に、コラーゲンから再生コラーゲンを製造する際に
は、コラーゲンにはアルカリまたは酵素処理が施される
が、このような処理を施したばあいには、コラーゲンの
テロペプチドが分解除去されるため、該コラーゲンは水
に可溶のものとなり、また該コラーゲンからえられた再
生コラーゲン繊維やフィルムもやはり水に可溶のものと
なり、さらに該再生コラーゲン繊維やフィルムは水分を
含有したばあいには、30〜40℃程度の温度で収縮し
はじめるなど耐水性がわるくなるため、前記処理が施さ
れた再生コラーゲンは、前記した用途には使用しえない
ものであった。
そこで、えられる再生コラーゲンの耐水性を向上せしめ
る方法として、各種クロム塩、アルミニウム塩、ジルコ
ニウム塩などの金属塩なめしを施す方法やホルムアルデ
ヒド、グルタルアルデヒドなどのアルデヒドなめしを施
す方法が提案されている。
前記金属塩なめしを施す方法およびアルデヒドなめし番
施す方法は、いずれも再生コラーゲンに水不溶性を付与
する方法であり、とくにこれらの方法のなかでも、クロ
ム塩なめしを施す方法は、熱水収縮を小さくするので好
ましい方法とされている。
しかしながら、クロム塩なめしを施す方法では、えられ
る再生コラーゲンが緑色に着色してしまうため、その用
途に制限があった。また、前記クロム塩なめしを施す方
法以外の方法として、前記したように、アルミニウム塩
なめし、ジルコニウム塩なめしやアルデヒドなめしを施
す方法などがあるが、これらの方法では、いずれもクロ
ム塩なめしを施す方法に比して低い温度でコラーゲンが
収縮するので、実用的な方法ではなかった。
[発明が解決しようとする課題] そこで、本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、着色せ
ずに熱水収縮が改良され、かつ耐水性にすぐれた再生コ
ラ−ゲンをうるべく鋭意研究を重ねた結果、かかる諸物
性をすべて具備した再生コラーゲンを比較的短時間で製
造しうる方法をようやく見出し、本発明を完成するにい
たった。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明はコラーゲンをホルムアルデヒド水溶
液で処理したのち、pH2,5〜5のアルミニウム塩水
溶液中に0.5〜3時間浸漬することを特徴とする着色
のない再生コラーゲンの製造法に関する。
[作用および実施例] 本発明の再生コラーゲンの製造法は、前記したように、
コラーゲンをホルムアルデヒド中で処理したのち、特定
のpHを有するアルミニウム塩水溶液中に特定の時間浸
漬することを特徴とする方法である。
コラーゲンに単にホルムアルデヒドなめしまたはアルミ
ニウム塩なめしを施しても熱水収縮を充分に改善するこ
とができない。
そこで、従来のコラーゲンにホルムアルデヒドなめしを
施したあとに、アルミニウム塩なめしを施す方法が考え
られるが、このような方法を単に採用したばあいには、
ホルムアルデヒドなめしを施したばあいに比べてさらに
熱水収縮開始温度が低下することが判明した。
この原因は定かではないが、おそらくアルミニウム塩な
めしを施す際にはpHが2.5〜5の酸性領域に調整さ
れるが、このような酸性領域では、いったんコラーゲン
と反応したホルムアルデヒドが離脱するものと推定され
る。
ところが、本発明者らの研究したところによれば、アル
ミニウム塩の処理時間を通常の方法と比べてかなり短時
間に限定して処理したばあいには、意外なことに、熱水
収縮開始温度が逆に高くなることが判明した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり
、本発明によればコラーゲンをホルムアルデヒド水溶液
で処理したのち、特定のpHを有するアルミニウム塩水
溶液中に特定の時間浸漬することにより、えられる再生
コラーゲンの熱水収縮開始温度を高め、しかも着色のな
い再生コラーゲンをうることができる。
本発明においては、再生コラーゲンの原料としては、た
とえば牛などの動物の屠殺後のフレッシュな生皮や塩漬
けした生皮よりえられる床皮の部分が用いられる。これ
ら床皮などは、大部分が不溶性コラーゲン繊維からなる
が、通常網状層に付着している肉質部を除去したり、腐
敗・変質防止のために用いた塩分を除去したのちに用い
られる。
つぎに、前記不溶性コラーゲン繊維にはグリセライド、
リン脂質、遊離脂肪酸などの脂質、糖タンパク、アルブ
ミンなどのコラーゲン以外のタンパク質などの不純物が
存在しており、これらの不純物は、繊維化するにあたっ
て紡出安定性、光沢や強伸度などの品質、臭気などに多
大の影響を及ぼすため、たとえば石灰漬にして不溶性コ
ラーゲン繊維中の脂肪分を加水分解し、コラーゲン繊維
を解きほぐしたのち、酸・アルカリ処理、酵素処理、溶
剤処理などのような従来より一般に行なわれている皮革
処理を施し、あらかじめこれらの不純物を除去しておく
ことが望ましい。
前記のようにして処理が施された不溶性コラーゲンには
、つぎに不溶性コラーゲンの架橋しているペプチド部を
切断するために可溶化処理が施される。かかる可溶化処
理の方法としては公知の一般に採用されているアルカリ
可溶化法や酵素可溶化法などを適用することができる。
前記アルカリ可溶化法を適用したばあいには、たとえば
塩酸などの酸で中和することが好ましい。なお、従来よ
り知られているアルカリ可溶化法の改善された方法とし
て、特公昭4B−15033号公報に記載された方法を
採用してもよい。
前記酵素可溶化法は、分子量が均一な再生コラーゲンを
うることができるという利点を有するものであり、本発
明において好適に採用しうる方法である。かかる酵素可
溶化法としては、たとえば特公昭43−25829号公
報や特公昭43−27513号公報などに記載された方
法を採用することができる。
なお、本発明においては、前記アルカリ可溶化法および
酵素可溶化法を併用してもよい。
かくして可溶化処理を施したコラーゲンに、pHの調整
、塩析、水洗や溶剤処理などの操作をさらに施したばあ
いには、品質などにすぐれた再生コラーゲンをうること
ができるので、これらの処理を施すことが好ましい。
つぎにえられた可溶化コラーゲンは、たとえば1〜15
重量%、なかんづく2〜10重量%程度の所定の濃度の
原液になるように塩酸、酢酸、乳酸などでpHを2〜4
.5に調整した酸性水溶液を用いて溶解される。なお、
えられたコラーゲン水溶液には必要に応じて減圧撹拌下
で脱泡を施したり、水不溶分である細かいごみを除去す
るために濾過を行なってもよい。
前記のごとくしてえられるコラーゲン水溶液には、さら
に必要に応じてたとえば機械的強度の向上、耐水・耐熱
性の向上、光沢性の改良、紡糸性の改良、着色の防止、
防腐などを目的として安定剤、水溶性高分子化合物など
の添加剤が適量配合されてもよい。
つぎに前記コラーゲン水溶液を、たとえば紡糸ノズルや
スリットを通して吐出し、無機塩水溶液中に浸漬するこ
とにより、再生コラーゲンが形成される。
前記無機塩水溶液としては、たとえば硫酸ナトリウム、
塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの水溶性の無機
塩の水溶液が用いられ、通常該無機塩の濃度は10〜4
0重量%に調整されるが、本発明においてはこれら水溶
性塩の種類や濃度は、前記したものに限定されるもので
はない。
前記無機塩水溶液のpHは、たとえばホウ酸ナトリウム
や酢酸ナトリウムなどの金属塩や塩酸、酢酸、水酸化ナ
トリウムなどを配合することにより、通常2〜13、好
ましくは4〜12となるように調整されるのが望ましい
。かかるpHは2未満であるばあいおよび13をこえる
ばあい、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受けや
すくなり、目的とする繊維かえられにくくなる傾向があ
る。また無機塩水溶液の温度はとくに限定はないが、通
常35℃以下であることが好ましい。
かかる温度は35℃よりも高いばあい、可溶性コラーゲ
ン均(変性したり、紡糸した繊維の強度が低下し、安定
した糸の製造が困難となる。なお、前記温度の下限はと
くに限定はなく、通常無機塩の溶解度に応じて適宜調整
されればよい。
また、前記無機塩水溶液には、繊維の開繊性を向上させ
るために、ホルムアルデヒドを適量添加してもよい。こ
のようにホルムアルデヒドを添加したばあいには、ホル
ムアルデヒドが短時間で反応し、コラーゲンがすぐには
水に溶けなくなり、つぎの水洗およびオイリングの処理
を容易に施すことができるようになる。ホルムアルデヒ
ドを添加したばあいの滞留時間は、通常0.3秒〜80
分間、なかんづく3秒〜15分間であることが好ましい
。前記滞留時間は、0.3秒間未満であるばあい、コラ
ーゲンとアルデヒドの反応が充分でなくなり、また30
分間以上では工程の連続化が困難となりやすい。
前記再生コラーゲンは、無機塩水溶液が含浸された湿潤
状態または無機塩水溶液にホルムアルデヒドを添加した
ばあいには水洗後の湿潤状態で、あるいはそれぞれ乾燥
が施された状態でつぎの処理が施されるが、本発明にお
いては、いずれの状態のものであっても目的とする耐水
性を有する再生コラーゲンがえられる。
まず、再生コラーゲンをホルムアルデヒド水溶液に浸漬
する処理について説明する。
ホルムアルデヒド水溶液の濃度は0.05〜10重量%
、好ましくは0.1〜8重量%、さらに好ましくは0.
3〜5重量%となるように調整される。かかる濃度は0
.05重量%未満であるばあい、反応が遅くなり、目的
とする熱水収縮開始温度に達しないようになり、また1
0重量%をこえるばあい、工業的な取扱いが難しくなり
、また環境面や作業面で好ましくないことがある。
前記ホルムアルデヒド水溶液のplは、ホウ酸や酢酸ナ
トリウム、水酸化ナトリウムなどを配合することにより
、通常7〜13に調整される。
かかるpHは7未満であるばあい、ホルムアルデヒドと
アミンの反応が遅くなって目的とする熱水収縮開始温度
に達せず、また13をこえるばあい、コラーゲンのペプ
チド結合が加水分解を受けやすくなる。
なお、前記ホルムアルデヒド水溶液がコラーゲン中に急
激に吸収されて濃度むらを起こさないようにするために
、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウムなどの無機塩を適量
添加してもよい。
前記ホルムアルデヒド水溶液で前記コラーゲンに処理を
施す際の該ホルムアルデヒド水溶液の初期の温度は、コ
ラーゲンの変性を防ぐために、40℃以下、好ましくは
35℃以下、とくに好ましくは30℃以下となるように
調整する。
なお、前記初期の温度で再生コラーゲンをホルムアルデ
ヒド水溶液に浸漬する時間は、コラーゲンとホルムアル
デヒドとの反応を進め、熱水収縮開始温度を上げる必要
があり、この点から5分間以上、好ましくは15分間以
上であることが望ましい。
かくして前記コラーゲンをホルムアルデヒド水溶液で処
理すれば、両者のあいだで反応が進むにつれて熱水収縮
開始温度が上昇するが、さらに熱水収縮開始温度の上昇
に応じてホルムアルデヒド水溶液での処理温度を高くす
ればえられる再生コラーゲンの熱水収縮温度がより一層
高くなる。
しかも、本発明においては、前記コラーゲンの熱水収縮
開始温度以下の温度でホルムアルデヒド水溶液の温度を
上昇させていくので、コラーゲンの処理に要する時間を
短縮することができるという利点がある。前記ホルムア
ルデヒド水溶液の温度を上昇させる際には、連続して温
度を上昇させてもよく、また段階的に温度を上昇させて
もよい。かかる温度を上昇させる際の温度の上昇速度は
、ホルムアルデヒド水溶液の濃度、コラーゲンの使用量
などによって異なるので一層には決定することができな
いため、前記熱水収縮開始温度を適宜調べたのちに、温
度を上昇することが好ましい。
前記コラーゲンをホルムアルデヒド水溶液で処理すると
きの最高処理温度は、通常40’Cよりも高くなるよう
に調整する。かかる最高処理温度は、好ましくは45〜
80℃、さらに好ましくは50〜75℃、とくに好まし
くは60〜70℃である。
前記最高処理温度は、40℃以下であるばあいには、処
理に長時間を要し、生産性が低下するようになる。なお
、80℃よりも高いばあいには、熱水収縮開始温度をこ
える温度で処理することになり処理中にコラーゲンが収
縮するようになる傾向がある。
つぎに、前記ホルムアルデヒド水溶液で処理が施された
コラーゲンは、水洗を施し、未反応のホルムアルデヒド
を除去したあとに、アルミニウム塩水溶液に浸漬する処
理が施される。以下にかかる処理について説明する。
前記アルミニウム塩水溶液に用いられるアルミニウム塩
としては、たとえば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、ミョウバンなどがあげられ、これらアルミニウム塩
は単独でまたは2種以上混合して用いられる。前記アル
ミニウム塩水溶液におけるアルミニウム塩の濃度は、酸
化アルミニウムの重量に換算して061〜5重量%、な
かんづ<0.3〜3重量%であることが好ましい。かか
るアルミニウム塩の濃度は、0.1重量%未満では熱水
収縮開始温度を高めることが困難となり、また5重量%
をこえるばあいには再生コラーゲンが脆くなり、光沢が
低下するなどの品質の低下を招く傾向がある。
前記アルミニウム塩水溶液のpHは、たとえば塩酸、硫
酸、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウムなどを用いて通常2.5〜5に調整される。か
かるpHは2.5未満であるばあいには、反応したホル
ムアルデヒドが離脱するためか熱水収縮開始温度が低下
し、また5をこえるばあいには、アルミニウム塩の沈澱
を生じるようになり、再生コラーゲンに浸透しにくくな
る傾向がある。なお、pHは最初は2.5〜3.5に調
整して充分にアルミニウム塩水溶液を再生コラーゲン内
に浸透させ、しかるのちにたとえば水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウムなどを添加して3.5〜5に調整してな
めし処理を完結させることが好ましい。
また、前記アルミニウム塩水溶液の液温は50℃以下、
好ましくは40℃以下であることが望ましい。かかる液
温は50℃をこえるばあいには、反応したホルムアルデ
ヒドが離脱するためが熱水収縮開始温度が低下してしま
う。
前記アルミニウム塩水溶液に再生コラーゲンを浸漬する
時間は、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間とされ
る。かかる浸漬の時間は、0.5時間未満であるばあい
には、アルミニウム塩の反応が進みに<<、熱水収縮開
始温度が高くならなくなり、また3時間をこえるばあい
には、反応したホルムアルデヒドが離脱するためか熱水
収縮開始温度が低くなる。
なお、アルミニウム塩が再生コラーゲン中に急激に吸収
されて濃度むらを生じないようにするために、硫酸ナト
リウム、塩化ナトリウムなどの無機塩を適宜前記アルミ
ニウム塩水溶液に添加してもよい。
つぎに水洗、オイリングおよび乾燥からなる処理につい
て説明する。えられた再生コラーゲンに水洗が施される
のは、塩による油剤の塩析を防止したり、乾燥機内で乾
燥時に回生コラゲンから塩が析出し、かかる塩によって
再生コラーゲンに切れが発生したり、生成した塩が乾燥
機内で飛散し、乾燥機内の熱交換器に付着して伝熱係数
が低下するのを防ぐためである。また、前記のごとく、
さらにオイリングを施したばあいには、乾燥時における
繊維の膠着防止の効果をさらに高めることができる。
前記したように、従来のようにクロムのような金属イオ
ンを用いてなまし処理を施したばあいには、着色が発生
したり、煩雑な処理条件を必要とし、また着色の面では
問題のないアルミニウム、ジルコニウム、チタンなどの
金属イオンを用いてなめしたばあいには、煩雑なpHの
再調整を要したり、処理時間が長くなるなどの問題が依
然として残る。
一方、本発明の製造法では、前記のような問題がなく、
着色のない熱水収縮開始温度の高い再生コラーゲンをう
ることができるので、本発明の利点は多大である。
つぎに本発明の再生コラーゲンの製造法を実施例に基づ
いてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例の
みに限定されるものではない。
実施例1 牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化したのち、塩酸
水溶液で溶解し、pH2,8、コラーゲン濃度5.8重
量%に調整した原液を減圧下で撹拌脱泡処理し、ピスト
ン式紡糸原液タンクに移液し、さらに減圧下で静置し、
脱泡を行なった。
かかる原液をピストンで押出したのち、ギアポンプで定
量送液し、孔径101!mの焼結フィルターで濾過後、
孔径0.4+u、孔長0.5關、孔数50からなる紡糸
ノズルを通し、ホウ酸および水酸化ナトリウムでpHを
IOに調整した硫酸ナトリウム20重量%およびホルム
アルデヒド1重量%を含有してなる25℃の凝固浴へ吐
出した。20分間凝固洛中に浸漬したのち、紡糸繊維を
25℃の水洗浴に通して凝固液を洗浄し、ついでアミン
当量3000のアミノ変性シリコーンのエマルジョンお
よびプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる
油剤を満たした浴槽を経て油剤を付着させ、60℃の熱
風乾燥機内で緊張下で乾燥させた。
つぎに、えられた乾燥繊維を、ホウ酸および水酸化ナト
リウムでpHをlOに調整し、ホルムアルデヒド1重量
%および硫酸ナトリウム5重量%を含有した水溶液中に
25℃で2時間浸漬した。
このとき、繊維の熱水収縮開始温度は67℃であった。
ついで、前記水溶液を80℃に加熱し、2時間浸漬した
。このとき、繊維の熱水収縮開始温度は74℃であった
前記水溶液での処理後、繊維を60℃の温水で洗浄した
つぎに硫酸アルミニウムを酸化アルミニウム換算で1重
量%、硫酸ナトリウムを3重量%含有した水溶液を希硫
酸でpHを2.8に調整した25℃の水溶液中に、前記
でえられた繊維を30分間浸漬し、さらに炭酸ナトリウ
ムを加えてplを4.0に調整し、25℃で1時間浸漬
してアルミニウム塩水溶液によるなめし処理を施した。
つぎに、えられた繊維を60℃の温水で洗浄し、80℃
の熱風乾燥機で緊張下に乾燥した。
えられた再生コラーゲン繊維は、有害な着色がなく、繊
度60d1強度2.7g/d 、伸度22%、ヤング率
520kg/ mi2であり、熱水収縮開始温度79℃
を有していた。
なお、熱水収縮開始温度は、各温度の熱水に繊維を浸漬
したときの収縮率を測定し、収縮をはじめる直前の温度
を測定した。また、収縮率は、以下の測定方法によって
求めた。
すなわち、試技30c■、総繊度2000dの繊維束を
各温度の熱水に30分間浸漬したあと、乾燥して試技を
測定し、式二 (式中、g は浸漬前の試技、gは浸漬後の試長を示す
)に基づいて求めた。
比較例1 実施例1において、アルミニウム塩水溶液によるなめし
処理として、硫酸アルミニウムを酸化アルミニウム換算
で1重量%、硫酸ナトリウムを3重量%含有した水溶液
を希硫酸でpHを2.8に調整し、この25℃の水溶液
に前記でえられた繊維を30分間浸漬し、ついでpHを
4.0に調整し、25℃で5時間浸漬したほかは、実施
例1と同様にして再生コラーゲン繊維をえた。
えられた再生コラーゲン繊維は、繊度63d1強度2.
7g/d 、伸度21%、ヤング率550kg/■鳳2
、熱水収縮開始温度67℃のものであった。
実施例2 牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化処理したのち、
塩酸水溶液で溶解し、pH2,8、コラーゲン濃度6,
2重量%に調整した原液を減圧下で攪拌脱泡し、ピスト
ン式紡糸原液タンクに移液し、さらに減圧下で静置し、
脱泡を行なった。
かかる原液をピストンで押出したのち、ギアポンプで定
量送液し、孔径1oρの焼結フィルターで濾過後、孔径
0.12 am、孔長0.5■、孔数300からなる紡
糸ノズルを通し、酢酸および酢酸ナトリウムでpHを3
.2に調整した硫酸ナトリウム20重量%を含有してな
る25℃の凝固浴へ吐出した。凝固浴出の紡糸繊維を5
0”Cの熱風乾燥機で緊張下に乾燥させたのち、ホウ酸
および水酸化ナトリウムでpHを10に調整し、ホルム
アルデヒド2重量%および硫酸ナトリウム15重量%を
含有した水溶液中に20℃で5時間浸漬した。
このとき繊維の熱水収縮開始温度は65℃であった。前
記水溶液での処理後、60℃の温水で水洗した。
つぎに塩化アルミニウムを酸化アルミニウム換算で0.
5重量%、硫酸ナトリウムを3重量%含有した水溶液を
塩酸でpHを2,6に調整し、この水溶液に25℃で1
時間浸漬し、さらに炭酸ナトリウムを加えてpl+を4
.3に調整して25℃で1.5時間浸漬した。つぎに、
60℃の温水で水洗し、シリコーン系油剤1重量%水溶
液に浸漬したのち、80℃の熱風乾燥機で緊張下に乾燥
した。
えられた再生コラーゲン繊維は繊度5d、強度3.2g
/d 、伸度20%、ヤング率550kg/ mm2熱
水収縮開始温度72℃であった。
比較例2 実施例2において、ホルムアルデヒド2重量%および硫
酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液で処理するこ
とを除いたほかは、実施例2と同様にして再生コラーゲ
ン繊維をえた。
えられた再生コラーゲン繊維は、繊度5d。
強度3.2g/d 、伸度21%、ヤング率540kg
/■2、熱水収縮開始温度52℃のものであった。
以上の結果から、本発明の実施例1および2では、着色
がなく、しかも熱水収縮開始温度が高く、かつ機械的強
度にすぐれた再生コラーゲン繊維を比較的短時間で製造
しうろことがわかる。
[発明の効果コ 本発明の方法にしたがえば、着色がなく、かつ従来の方
法よりも高い熱水収縮開始温度をもつ再生コラーゲンを
比較的短時間で製造することが可能となり、えられた再
生コラーゲンは用途に応じて所望の色に着色することが
できるばかりでなく、繊維やフィルムを加工する際に要
求される高温にも耐えうる。たとえば頭髪に用いられた
ばあいには、100℃以上の高温でカールセットやりカ
ールを施すことができるものであるので、本発明の方法
は、工業的利用価値がきわめて大きい方法である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コラーゲンをホルムアルデヒド水溶液で処理したの
    ち、pH2.5〜5のアルミニウム塩水溶液中に0.5
    〜3時間浸漬することを特徴とする着色のない再生コラ
    ーゲンの製造法。 2 ホルムアルデヒド水溶液で処理する際に、該ホルム
    アルデヒド水溶液の温度を上げながら処理する請求項1
    記載の着色のない再生コラーゲンの製造法。
JP2157831A 1990-06-15 1990-06-15 着色のない再生コラーゲンの製造法 Pending JPH0450370A (ja)

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JP2157831A JPH0450370A (ja) 1990-06-15 1990-06-15 着色のない再生コラーゲンの製造法

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