JPH04333660A - 再生コラーゲン繊維の処理法 - Google Patents

再生コラーゲン繊維の処理法

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JPH04333660A
JPH04333660A JP3105819A JP10581991A JPH04333660A JP H04333660 A JPH04333660 A JP H04333660A JP 3105819 A JP3105819 A JP 3105819A JP 10581991 A JP10581991 A JP 10581991A JP H04333660 A JPH04333660 A JP H04333660A
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JP
Japan
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regenerated collagen
collagen fibers
water
fibers
shape
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Application number
JP3105819A
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English (en)
Inventor
Atsushi Sasayama
篤 笹山
Tatsuo Shibayama
芝山 達雄
Masahiko Takada
雅彦 高田
Teruichi Murata
照一 村田
Mitsuru Furukawa
満 古川
Akiko Nakajima
中島 安希子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は再生コラーゲン繊維の処
理法に関する。さらに詳しくは、所望の形状を容易に付
与することができ、しかもその形状を記憶させることが
でき、たとえばパーマネントウェーブ、バルキー糸、そ
の他繊維製品の付形、立体加工用の繊維などに好適に使
用しうる再生コラーゲン繊維の処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、羊毛、絹、人毛などの天然の蛋白
繊維に形状を付与し、記憶させる方法としては、100
 ℃をこえる高温で処理する方法、高圧スチームで処理
する方法、パーマネント液などの薬剤で処理する方法、
樹脂を用いて処理する方法などが知られている。
【0003】また、前記のほかにも、綿糸、レーヨン、
羊毛、獣毛、毛糸、アクリル蛋白共重合繊維などに形状
を記憶させる方法としては、これらの繊維にあらかじめ
蛋白質を吸着させ、乾燥したのち、100 〜 130
℃の蒸気で処理する方法が知られている(特公平 1−
16951号公報、特公平1−16952号公報、特公
平 1−43069号公報)。
【0004】しかしながら、前記処理法は、いずれもそ
の工程が煩雑であり、高温、高圧にするための特殊な設
備を要し、しかも処理の際に繊維が損傷するなどの多く
の問題があった。さらに、前記処理法により再生コラー
ゲン繊維に処理を施したばあいには、耐水化処理法によ
っては変性したり、仮に形状が付与されたとしてももと
の形状に回復しがたく、とくに繰返して形状の変形と回
復を行なったばあいには、回復率がしだいにわるくなり
、その繊維は実用に耐えないものとなるという大きな欠
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
、前記従来技術に鑑みて、きわめて簡便な手段で再生コ
ラーゲン繊維に形状を記憶させうる処理方法を開発する
ことを第一の目的とし、さらに処理を施したあとの再生
コラーゲン繊維を変形させたときの回復率にすぐれ、か
つ形状の変形と回復を繰返し行ないうる方法を開発する
ことを第二の目的として鋭意研究を重ねたところ、意外
なことに、再生コラーゲン繊維に耐水化処理を施したの
ち、水分の存在下で所定の温度に加熱したばあいには、
前記目的がいずれも達成されることをようやく見出し、
本発明を完成するにいたった。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は再生
コラーゲン繊維を耐水化処理したのち、水分の存在下で
該再生コラーゲン繊維の温度を30〜 100℃とする
ことを特徴とする再生コラーゲン繊維の処理法に関する
【0007】
【作用および実施例】本発明の処理法は、比較的低温で
特殊な設備や薬剤などを必要としないで再生コラーゲン
繊維に所定の形状を付与し、かつ記憶させることができ
るという従来にない工業的生産性にすぐれた方法である
。そして処理が施された再生コラーゲン繊維は、形状の
変形と回復を繰返し行なったばあいであっても回復率が
高いため、たとえば処理が施された再生コラーゲン繊維
を頭髪原料に用いたばあいには、頭髪用繊維に所望のオ
リジナルカールを付与しておき、そののち目的に応じて
自由に変形やスタイリングを施したあとで再びオリジナ
ルカールに回復させるという操作を繰返して行なうこと
ができる。
【0008】本発明の再生コラーゲン繊維の処理法は、
前記したように、再生コラーゲン繊維を耐水化処理した
のち、水分の存在下で該再生コラーゲン繊維の温度を3
0〜100 ℃とすることを特徴とする方法である。
【0009】本発明においては、再生コラーゲン繊維の
原料としては、たとえば牛や豚などの動物の屠殺後のフ
レッシュな生皮や塩漬けした生皮よりえられる床皮の部
分が用いられる。これら床皮などは、大部分が不溶性コ
ラーゲン繊維からなるが、通常網状層に付着している肉
質部を除去したり、腐敗・変質防止のために用いた塩分
を除去したのちに用いられる。
【0010】前記不溶性コラーゲン繊維には、グリセラ
イド、リン脂質、遊離脂肪酸などの脂質、糖タンパク、
アルブミンなどのコラーゲン以外のタンパク質などの不
純物が存在しており、これらの不純物は、繊維化するに
あたって紡出安定性、光沢や強伸度などの品質、臭気な
どに多大の影響を及ぼすため、たとえば石灰漬にして不
溶性コラーゲン繊維中の脂肪分を加水分解し、コラーゲ
ン繊維を解きほぐしたのち、酸・アルカリ処理、酵素処
理、溶剤処理などのような一般に行なわれている皮革処
理を施し、あらかじめこれらの不純物を除去しておくこ
とが望ましい。
【0011】前記不溶性コラーゲン繊維には、架橋して
いるペプチド結合を切断するために可溶化処理が施され
る。かかる可溶化処理の方法としては公知の一般に採用
されているアルカリ可溶化法や酵素可溶化法などを適用
することができる。
【0012】前記アルカリ可溶化法を適用したばあいに
は、たとえば塩酸などの酸で中和することが好ましい。 なお、従来より知られているアルカリ可溶化法の改善さ
れた方法として、特公昭46−15033号公報に記載
された方法を採用してもよい。
【0013】前記酵素可溶化法は、分子量が均一な再生
コラーゲン繊維をうることができるという利点を有する
ものであり、本発明において好適に採用しうる方法であ
る。かかる酵素可溶化法としては、たとえば特公昭43
−25829号公報や特公昭43−27513号公報な
どに記載された方法を採用することができる。
【0014】なお、本発明においては、前記アルカリ可
溶化法および酵素可溶化法を併用してもよい。
【0015】かくして可溶化処理を施したコラーゲンに
、pHの調整、塩析、水洗や溶剤処理などの操作をさら
に施したばあいには、品質などにすぐれた再生コラーゲ
ン繊維をうることができるので、これらの処理を施すこ
とが好ましい。
【0016】つぎにえられた可溶化コラーゲンは、たと
えば1〜15重量%、なかんづく2〜10重量%程度の
所定の濃度の原液となるように塩酸、酢酸、乳酸などで
pHを2〜4.5 に調整した酸性水溶液を用いて溶解
される。なお、えられたコラーゲン溶液には必要に応じ
て減圧撹拌下で脱泡を施したり、水不溶分である細かい
ごみを除去するために瀘過を行なってもよい。
【0017】前記のごとくしてえられるコラーゲン溶液
には、さらに必要に応じてたとえば機械的強度の向上、
耐水・耐熱性の向上、光沢性の改良、紡出性の改良、熱
や光などによる着色・消色の防止、防腐・防カビなどを
目的として安定剤、改良・改質剤、水溶性高分子化合物
などの添加剤が適量配合されてもよい。
【0018】つぎに前記コラーゲン溶液を、たとえば紡
糸ノズルやスリットを通して吐出し、無機塩水溶液中に
浸漬する、いわゆる湿式紡糸法により、再生コラーゲン
繊維が形成される。
【0019】前記無機塩水溶液としては、たとえば硫酸
ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの
水溶性の無機塩の水溶液が用いられ、通常該無機塩の濃
度は10〜40重量%に調整されるが、本発明において
はこれら水溶性の無機塩の種類や濃度は、前記したもの
に限定されるものではない。
【0020】前記無機塩水溶液のpHは、たとえばホウ
酸ナトリウムや酢酸ナトリウムなどの金属塩や塩酸、硝
酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どを配合することにより、通常2〜13、好ましくは4
〜12となるように調整されるのが望ましい。かかるp
Hは2未満であるばあいおよび13をこえるばあいには
、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受けやすくな
り、目的とする繊維がえられにくくなる傾向がある。ま
た無機塩水溶液の温度はとくに限定はないが、通常35
℃以下であることが好ましい。かかる温度は35℃より
も高いばあい、可溶化コラーゲンが変性したり、紡糸し
た繊維の強度が低下し、安定した糸の製造が困難となる
。なお、前記温度の下限はとくに限定はなく、通常無機
塩の溶解度に応じて適宜調整されればよい。
【0021】本発明においては、耐水化処理法としては
、たとえば架橋剤を前記無機塩水溶液にあらかじめ添加
しておき、紡糸と同時に耐水化処理を施す方法、紡糸さ
れた再生コラーゲン繊維に架橋剤による処理を施す方法
などがあげられる。
【0022】前記架橋剤としては、たとえばホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、メチルグリオキザール、ア
クロレイン、クロトンアルデヒドなどのモノアルデヒド
類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジ
アルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、
ジアルデヒドデンプンなどのジアルデヒド類;グリコー
ルやポリオールのグリシジルエーテル、モノカルボン酸
、ジカルボン酸やポリカルボン酸のグリシジルエステル
などのエポキシ化合物;尿素、メラミン、アクリルアミ
ド、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、およびそ
れらの重合体より誘導されたN−メチロール化合物;ポ
リオールやポリカルボン酸にイソシアネートを導入し亜
硫酸水素ナトリウムを付加してなる水溶性ポリウレタン
;モノクロロトリアジンやジクロロトリアジンなどのク
ロロトリアジン誘導体;オキシエチルスルホンの硫酸エ
ステルまたはビニルスルホンの誘導体;トリクロロピリ
ミリジンの誘導体;ジクロロキノキザリンの誘導体;タ
ンニン、合成タンニンなどの有機架橋剤;カルシウム、
マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、クロ
ム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛、
アンチモン、鉄、銅などの金属の陽イオンと、硫酸イオ
ン、硝酸イオン、塩素イオンに代表されるハロゲンイオ
ン、水酸イオンなどの陰イオンとを組合せた金属塩など
の無機架橋剤などがあげられるが、本発明はこれらの架
橋剤のみに限定されるものではなく、再生コラーゲン繊
維の熱水収縮率、吸水率や水中での膨潤度を低下させ、
また再生コラーゲン繊維を水に対して不溶にしうるもの
であれば、他のものを用いることができる。なお、有機
架橋剤が非水溶性であればエマルジョンまたはサスペン
ジョンとして用いることも可能である。これらの架橋剤
は、通常1種または2種以上を組み合わせて用いられる
なお、前記架橋剤のなかでは、前記金属塩は、とくにす
ぐれた形状記憶を再生コラーゲン繊維に付与しうるもの
であるので、本発明においては好適に使用しうるもので
ある。
【0023】前記架橋剤をたとえば前記無機塩水溶液に
あらかじめ添加するばあいには、前記架橋剤の添加量は
、該架橋剤の種類にもよるが、通常前記無機塩水溶液中
に0.05〜10重量%、なかんづく、0.1 〜8重
量%含有されるように調整するのが好ましい。かかる架
橋剤の添加量は、前記範囲よりも少ないばあいには、架
橋点が少なくなるため耐水化が不充分になり、本発明に
よる処理効果が充分にえられなくなり、また前記範囲を
こえるばあいには、処理効果は満足しうるものの、工業
的な取り扱い性や環境面で好ましくないようになる傾向
がある。 なお、処理時の無機塩水溶液のpHは2〜13、液温は
35℃以下、処理時間は0.3 秒間以上であればよい
【0024】また、前記紡糸された再生コラーゲン繊維
に架橋剤による処理を施すばあいには、前記架橋剤を水
溶液またはエマルジョンとしておき、これに再生コラー
ゲン繊維をたとえば浸漬などすることにより処理する方
法などが採用される。このばあい、架橋剤の水溶液、エ
マルジョンにおける前記架橋剤の濃度、液温および処理
時間は、前記無機塩水溶液に架橋剤を添加するばあいと
同様であればよい。
【0025】つぎに、耐水処理が施された再生コラーゲ
ン繊維に、必要により水洗、オイリング、乾燥を施す。 えられた再生コラーゲン繊維に水洗が施されるのは、塩
による油剤の塩析を防止したり、乾燥機内で乾燥時に再
生コラーゲン繊維から塩が析出し、かかる塩によって再
生コラーゲン繊維に切れが発生したり、生成した塩が乾
燥機内で飛散し、乾燥機内の熱交換器に付着して伝熱係
数が低下するのを防ぐためである。また、前記のごとく
、さらにオイリングを施したばあいには、乾燥時におけ
る繊維の膠着防止の効果を高めることができる。
【0026】つぎに、再生コラーゲン繊維をあらかじめ
所望の形状に固定し、水分の存在下で該再生コラーゲン
繊維の温度を30〜 100℃となるように調節する。
【0027】ここで水分の存在下とは、再生コラーゲン
繊維表面に水分が存在していることを意味する。したが
って、再生コラーゲン繊維に所定の温度に調節されたミ
ストをたとえばスプレーなどの手段により噴霧してもよ
く、また再生コラーゲン繊維を所定の温度に調節された
水蒸気雰囲気中に放置したり、所定の温度に調節された
水中に浸漬してもよく、本発明はかかる手段によって限
定されるものではない。
【0028】なお、再生コラーゲン繊維を所定の温度で
処理するときの再生コラーゲン繊維の表面に存在させる
水分量を決定することはきわめて困難であるが、該再生
コラーゲン繊維が均一に処理されるようにするために、
ほぼ均一にその表面に水分が存在するように調整するこ
とが好ましい。
【0029】また、再生コラーゲン繊維の温度はあまり
にも低いばあいには、再生コラーゲン繊維に所望の形状
を付与したり、記憶させるのが困難となり、またあまり
にも高いばあいには、高温にするための特別の設備が必
要となるほか、該再生コラーゲン繊維が変質するおそれ
があるため、通常30〜 100℃、好ましくは50〜
70℃とされる。
【0030】再生コラーゲン繊維の処理時間は、再生コ
ラーゲン繊維を処理する雰囲気や処理温度などによって
異なるので一概には決定することができないが、通常5
分間以上、好ましくは60分間以上とされる。
【0031】かくして処理を施すことにより、再生コラ
ーゲン繊維に形状記憶性が付与されるのである。
【0032】なお、前記再生コラーゲン繊維をあらかじ
め所望の形状に固定する方法としては、たとえば再生コ
ラーゲン繊維をパイプや棒状物などに巻きつける方法、
2点またはそれ以上の支点間に再生コラーゲン繊維を緊
張して張る方法、板状物のあいだに再生コラーゲン繊維
をはさむ方法などがあげられるが、目的とする形状が固
定され、水分が再生コラーゲン繊維に充分に付与される
のであれば、他の方法によってもよい。
【0033】かくしてえられる再生コラーゲン繊維には
、所望の形状が付与され、かつ記憶されており、水に濡
らしたり、乾熱を与えることにより、所望の形状に変形
させたり、ストレート状に伸ばしたばあいであっても、
たとえば25℃の水中に5分間程度浸漬するなどのきわ
めて簡単な操作を施すだけで最初に記憶させた形状を回
復させることができる。さらに、この形状の変形および
回復は繰返して行なうことができる。
【0034】つぎに本発明の再生コラーゲン繊維の処理
法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明
はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0035】実施例1 牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化したのち、塩酸
水溶液で溶解し、pH3.5 、コラーゲン濃度6重量
%に調整した原液を減圧下で撹拌脱泡処理し、ピストン
式紡糸原液タンクに移液し、さらに減圧下で静置し、脱
泡を行なった。かかる原液をピストンで押出したのち、
ギアポンプで定量送液し、孔径10μmの焼結フィルタ
ーで瀘過後、孔径0.35mm、孔長0.5mm 、孔
数50の紡糸ノズルを通し、ホウ酸および水酸化ナトリ
ウムでpHを9に調整し、ホルムアルデヒド1重量%を
含有した水溶液中に25℃で10時間浸漬したのち、硫
酸クロムがCr2 O3 換算で1重量%を含有した水
溶液中に40℃で10時間浸漬して鞣しを行ない、吸水
率90%の耐水化処理が施された再生コラーゲン繊維を
えた。
【0036】つぎに、えられた再生コラーゲン繊維を総
繊度10,000デニール、長さ500mm の束にし
、これを直径20mm、長さ300mm のアルミニウ
ム製パイプにコイル状に巻きつけ、その両端を固定した
ものを60℃の水中に60分間浸漬したのち取り出し、
室温中で風乾したあと、パイプから繊維束を取り外した
。該繊維束は、パイプで付与されたコイル形状をしてお
り、コイル長さは160mm であった。
【0037】つぎに、えられたコイル形状の繊維束を 
120℃に加熱したヘアーアイロンにてもとの直毛形状
にもどしたのち、25℃の水中に5分間浸漬したところ
、再びコイル形状に回復した。コイル形状に回復した繊
維束のコイルの長さは190mm であり、その回復率
は91%であった。また、前記した直毛形状に戻したの
ち水中で回復する操作を前記と同じ条件で5回繰返した
あとの回復率は76%であった。
【0038】なお、吸水率および回復率は、以下の方法
にしたがって測定した。 (イ)吸水率 温度20±2℃、相対湿度65±2%の雰囲気(以下、
標準状態という)中にある繊維の重量(ws )を蒸留
水(温度27±1℃)に20分間浸漬したのち、瀘紙に
挾んで手でおさえ、繊維の表面の付着水をくまなく吸い
取ったのちの重量(ww )を測定し、次式にしたがっ
て求める。 吸水率(%)={(ww −ws )/ws }×10
0(ロ)回復率 繊維(長さL)を直径20mm、長さ300mm のア
ルミニウム製パイプにコイル状に巻いてコイル形状を付
与したのちの該繊維のコイルの長さ(Lo )を測定す
る。
【0039】つぎに、えられたコイル状の繊維を120
 ℃に加熱したアイロンを用いてもとの直毛形状にもど
したのち、25℃の水中に5分間浸漬して再びコイル形
状に回復させたときのコイルの長さ(L1 )を測定し
、次式にしたがって回復率を求める。 回復率(%)={(L−L1 )/(L−Lo)}×1
00実施例2 pHを9に調整し、ホルムアルデヒド1重量%を含有し
た水溶液中に25℃で10時間浸漬したのち、硫酸アル
ミニウム6重量%を含有した水溶液中に25℃で2時間
浸漬して鞣しを行ない、吸水率95%の耐水化処理が施
された再生コラーゲン繊維をえた。
【0040】つぎに、えられた再生コラーゲン繊維を実
施例1と同様にして繊維束とし、アルミニウム製パイプ
に巻きつけたのち、65℃の水蒸気雰囲気(相対湿度9
5%)中に60分間放置してコイル形状を付与し、記憶
させた。
【0041】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ、88%であった。また、前記の操作を5回
繰返したあとの回復率は72%であった。
【0042】実施例3 実施例2と同様にして紡糸し、耐水化処理が施された再
生コラーゲン繊維を用い、実施例1と同様にして繊維束
とし、アルミニウム製パイプに巻きつけたのち、30℃
の水中で60分間放置してコイル形状を付与し、記憶さ
せた。
【0043】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ75%であった。また、前記操作を5回繰返
したあとの回復率は66%であった。
【0044】実施例4 実施例1と同様にして紡糸し、耐水化処理が施された再
生コラーゲン繊維を用い、実施例1と同様にして繊維束
とし、アルミニウム製パイプに巻きつけたのち、30℃
の水蒸気雰囲気(相対湿度95%)中で、60分間放置
してコイル形状を付与し、記憶させた。
【0045】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ81%であった。また、前記操作を5回繰返
したあとの回復率は71%であった。
【0046】実施例5 実施例2と同様にして紡糸し、耐水化処理が施された再
生コラーゲン繊維を用い、実施例1と同様にして繊維束
とし、アルミニウム製パイプに巻きつけたのち、30℃
の水中に5分間放置してコイル形状を付与し、記憶させ
た。
【0047】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ65%であった。また、前記操作を5回繰返
したあとの回復率は50%であった。
【0048】実施例6 実施例1と同様にして紡糸し、耐水化処理が施された再
生コラーゲン繊維を用い、実施例1と同様にして繊維束
とし、アルミニウム製パイプに巻きつけたのち、沸騰水
中に5分間放置してコイル形状を付与し、記憶させた。
【0049】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ84%であった。また、前記操作を5回繰返
したあとの回復率は71%であった。
【0050】実施例7 実施例1と同様にして紡糸してえられた繊維を、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル1重量%を含有した
水溶液中に40℃で24時間浸漬して鞣しを行ない、吸
水率 140%の耐水化処理が施された再生コラーゲン
繊維をえた。
【0051】つぎに、えられた再生コラーゲン繊維を用
い、実施例1と同様にして繊維束とし、アルミニウム製
パイプに巻きつけたのち、60℃の水中で60分間放置
してコイル形状を付与し、記憶させた。
【0052】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ43%であった。また、前記操作を5回繰返
したあとの回復率は12%であった。
【0053】実施例8 実施例1と同様にして紡糸してえられた繊維を、ホウ酸
および水酸化ナトリウムでpHを5に調整し、メラミン
ホルムアルデヒド1重量%を含有した水溶液中に25℃
で5時間浸漬して鞣しを行ない、吸水率 170%の耐
水化処理が施された再生コラーゲン繊維をえた。
【0054】つぎに、えられた再生コラーゲン繊維を用
い、実施例1と同様にして繊維束とし、アルミニウム製
パイプに巻きつけたのち、70℃の水蒸気雰囲気(相対
湿度95%)中に30分間放置してコイル形状を付与し
、記憶させた。
【0055】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ47%であった。また、前記操作を5回繰返
したあとの回復率は32%であった。
【0056】実施例9 実施例1と同様にして紡糸してえられた繊維を、ホウ酸
および水酸化ナトリウムでpHを2に調整し、硫酸ジル
コニウムを ZrO2 換算で1.5 重量%含有した
水溶液中に40℃で15時間浸漬して鞣しを行ない、吸
水率35%の耐水化処理が施された再生コラーゲン繊維
をえた。
【0057】つぎに、えられた再生コラーゲン繊維を用
い、実施例1と同様にして繊維束とし、アルミニウム製
パイプに巻きつけたのち、40℃の水中で60分間放置
してコイル形状を付与し、記憶させた。
【0058】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛形状にもどしたのち、回復率を調
べたところ88%であった。また、前記操作を5回繰返
したあとの回復率は76%であった。
【0059】比較例1 実施例2と同様にして紡糸し、耐水化処理が施された再
生コラーゲン繊維を用い、実施例1と同様にして繊維束
とし、アルミニウム製パイプに巻きつけたのち、80℃
の均熱乾燥機中に60分間放置してコイル形状を付与し
、記憶させた。
【0060】えられたコイル形状の繊維束を実施例1と
同様にしてもとの直毛状態にもどしたのち、回復率を調
べたが、コイル形状に回復せず、回復率は0%であった
【0061】比較例2 実施例1と同様にして紡糸し、耐水化処理が施された再
生コラーゲン繊維を用い、実施例1と同様にして繊維束
とし、アルミニウム製パイプに巻きつけたのち、20℃
の水中で60分間放置したが、コイル形状は付与されな
かった。
【0062】比較例3 実施例1と同様にして紡糸したが、耐水化処理を施れな
かった再生コラーゲン繊維を用い、実施例1と同様にし
て繊維束とし、アルミニウム製パイプに巻きつけたのち
、30℃の水中で60分間放置したが、再生コラーゲン
繊維が変性し、コイル形状は付与されなかった。なお、
この繊維の吸水率は 850%であった。
【0063】実施例1〜9および比較例1〜3の耐水処
理に用いた架橋剤、形状付与条件および回復率をまとめ
て表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明は、再生コラーゲン繊維に極めて
簡便な方法で形状を付与しかつその形状を記憶させる処
理法であり、本発明の処理法が施された再生コラーゲン
繊維をたとえば頭髪原料として用いたばあいには、従来
の人毛や合繊原料にパーマネントカールを付与するため
のパーマネント液や、高温、高圧など特別な薬剤や複雑
な操作を必要とせず、簡便でかつ安全な方法でカールな
どの所望の形状が付与され、その後適当な条件で変形や
スタイリングしても水に漬けるだけで瞬間的にもとの形
状に復元し、さらにこの操作が繰り返し可能であるなど
機能性や付加価値が高い製品をうることができる。その
他糸や編織物に該繊維を用いたばあいにも一般に行なわ
れている撚り加工、樹脂加工、エンボス加工や高温高圧
などによる複雑な工程によることなく、バルキー糸、そ
の他繊維製品の付形加工や立体加工用の繊維などに適用
して機能性や付加価値が高い製品をうることができるの
で、前記再生コラーゲン繊維は、産業上種々の分野に有
効に活用しうるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  再生コラーゲン繊維を耐水化処理した
    のち、水分の存在下で該再生コラーゲン繊維の温度を3
    0〜 100℃とすることを特徴とする再生コラーゲン
    繊維の処理法。
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