JPH04308221A - 再生コラーゲン繊維の製造法 - Google Patents

再生コラーゲン繊維の製造法

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JPH04308221A
JPH04308221A JP3075267A JP7526791A JPH04308221A JP H04308221 A JPH04308221 A JP H04308221A JP 3075267 A JP3075267 A JP 3075267A JP 7526791 A JP7526791 A JP 7526791A JP H04308221 A JPH04308221 A JP H04308221A
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fibers
regenerated collagen
weight
aqueous solution
water
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JP3075267A
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Teruichi Murata
照一 村田
Atsushi Sasayama
篤 笹山
Masahiko Takada
雅彦 高田
Mitsuru Furukawa
満 古川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は再生コラーゲン繊維の製
造法に関する。さらに詳しくは、人毛、獣毛、ガットな
どの代替品として好適に使用しうる無着色で湿潤時の各
種繊維特性にすぐれた再生コラーゲン繊維の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、再生コラーゲン繊維の湿潤時の繊
維特性の改良方法として、NH2 基と反応するメチロ
ール化合物を50〜70℃で作用させる方法(特公昭4
0−9062 号公報)や、目的は異なるが耐熱水性の
向上にメチロールメラミンやクロムで処理する方法(特
公昭43−12633号公報)などが知られている。こ
れらの方法は、皮革工業界で一般に採用されている方法
であり、不溶性コラーゲンを主成分とする皮革に対して
は有効であるが、可溶化コラーゲンを繊維化した再生コ
ラーゲン繊維に対しては、湿潤時の水分率が高く、膨潤
による触感の変化、とくに硬さの低下や機械的強度の低
下を招いたり、着色することがある。したがって、これ
らの処理が施された再生コラーゲン繊維は、繊維として
の品質に劣り、その用途がかなり限定されるという欠点
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
、前記従来技術に鑑みてほぼ無着色であり、湿潤時にお
ける繊維特性にすぐれた再生コラーゲン繊維をうるべく
処理時のpHおよび湿潤時の吸水率に着目して鋭意研究
を重ねた結果、かかる繊維を製造しうる方法をようやく
見出し、本発明を完成するにいたった。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は可溶
化コラーゲン溶液を湿式紡糸したのち、えられた繊維を
pH 2.4以下のジルコニウム塩の水溶液で処理する
ことを特徴とする再生コラーゲン繊維の製造法に関する
【0005】
【作用および実施例】本発明においては、再生コラーゲ
ンの原料としては、たとえば牛や豚などの動物の屠殺後
のフレッシュな生皮や塩漬けした生皮よりえられる床皮
の部分が用いられる。これら床皮などは、大部分が不溶
性コラーゲン繊維からなるが、通常網状層に付着してい
る肉質部を除去したり、腐敗・変質防止のために用いた
塩分を除去したのちに用いられる。
【0006】つぎに、前記不溶性コラーゲン繊維にはグ
リセライド、リン脂質、遊離脂肪酸などの脂質、糖タン
パク、アルブミンなどのコラーゲン以外のタンパク質な
どの不純物が存在しており、これらの不純物は、繊維化
するにあたって紡出安定性、光沢や強伸度などの品質、
臭気などに多大の影響を及ぼすため、たとえば石灰漬に
して不溶性コラーゲン繊維中の脂肪分を加水分解し、コ
ラーゲン繊維を解きほぐしたのち、酸・アルカリ処理、
酵素処理、溶剤処理などのような従来より一般に行なわ
れている皮革処理を施し、あらかじめこれらの不純物を
除去しておくことが望ましい。
【0007】前記のようにして処理が施された不溶性コ
ラーゲンには、つぎに不溶性コラーゲンの架橋している
ペプチド結合を切断するために可溶化処理が施される。 かかる可溶化処理の方法としては公知の一般に採用され
ているアルカリ可溶化法や酵素可溶化法などを適用する
ことができる。
【0008】前記アルカリ可溶化法を適用したばあいに
は、たとえば塩酸などの酸で中和することが好ましい。 なお、従来より知られているアルカリ可溶化法の改善さ
れた方法として、特公昭46−15033号公報に記載
された方法を採用してもよい。
【0009】前記酵素可溶化法は、分子量が均一な再生
コラーゲンをうることができるという利点を有するもの
であり、本発明において好適に採用しうる方法である。 かかる酵素可溶化法としては、たとえば特公昭43−2
5829号公報や特公昭43−27513号公報などに
記載された方法を採用することができる。
【0010】なお、本発明においては、前記アルカリ可
溶化法および酵素可溶化法を併用してもよい。
【0011】かくして可溶化処理を施したコラーゲンに
、pHの調整、塩析、水洗や溶剤処理などの操作をさら
に施したばあいには、品質などにすぐれた再生コラーゲ
ンをうることができるので、これらの処理を施すことが
好ましい。
【0012】つぎにえられた可溶化コラーゲンは、たと
えば1〜15重量%、なかんづく2〜10重量%程度の
所定の濃度の原液となるように塩酸、酢酸、乳酸などで
pHを2〜4.5に調整した酸性水溶液を用いて溶解さ
れる。なお、えられた可溶化コラーゲン溶液には必要に
応じて減圧撹拌下で脱泡を施したり、水不溶分である細
かいごみを除去するために濾過を行なってもよい。
【0013】前記のごとくしてえられる可溶化コラーゲ
ン溶液には、さらに必要に応じてたとえば機械的強度の
向上、耐水・耐熱性の向上、光沢性の改良、紡出性の改
良、熱や光などによる着色・消色の防止、防腐・防カビ
などを目的として安定剤、改良・改質剤、水溶性高分子
化合物などの添加剤が適量配合されてもよい。
【0014】つぎに前記可溶化コラーゲン溶液を、たと
えば紡糸ノズルやスリットを通して吐出し、無機塩水溶
液中に浸漬する、いわゆる湿式紡糸法により、再生コラ
ーゲン繊維が形成される。
【0015】前記無機塩水溶液としては、たとえば硫酸
ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの
水溶性の無機塩の水溶液が用いられ、通常該無機塩の濃
度は10〜40重量%に調整されるが、本発明において
はこれら水溶性の無機塩の種類や濃度は、前記したもの
に限定されるものではない。
【0016】前記無機塩水溶液のpHは、たとえばホウ
酸ナトリウムや酢酸ナトリウムなどの金属塩や塩酸、硝
酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どを配合することにより、通常2〜13、好ましくは4
〜12となるように調整されるのが望ましい。かかるp
Hは2未満であるばあいおよび13をこえるばあいには
、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受けやすくな
り、目的とする繊維がえられにくくなる傾向がある。ま
た無機塩水溶液の温度はとくに限定はないが、通常35
℃以下であることが好ましい。かかる温度は35℃より
も高いばあい、可溶化コラーゲンが変性したり、紡糸し
た繊維の強度が低下し、安定した糸の製造が困難となる
。なお、前記温度の下限はとくに限定はなく、通常無機
塩の溶解度に応じて適宜調整されればよい。
【0017】つぎに、前記再生コラーゲン繊維に水溶性
有機架橋剤による蛋白質の不溶化処理を行ない、必要に
より乾燥を行なう。なお、所望により、蛋白質の不溶化
処理および乾燥を繰返し行なってもよい。
【0018】前記水溶性有機架橋剤としては、たとえば
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、メチルグリオキ
ザール、アクロレインなどのモノアルデヒド類;グリオ
キザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド
、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、ジアルデヒ
ドデンプンなどのジアルデヒド類;グリコールやポリオ
ールのグリシジルエーテル、モノカルボン酸、ジカルボ
ン酸やポリカルボン酸のグリシジルエステルなどのエポ
キシ化合物;尿素、メラミン、アクリルアミド、アクリ
ル酸アミド、メタクリル酸アミド、およびそれらの重合
体より誘導されたN−メチロール化合物;ポリオールや
ポリカルボン酸にイソシアネートを導入し亜硫酸水素ナ
トリウムを付加してなる水溶性ポリウレタン;モノクロ
ロトリアジンやジクロロトリアジンなどのクロロトリア
ジン誘導体;オキシエチルスルホンの硫酸エステルまた
はビニルスルホンの誘導体;トリクロロピリミジンの誘
導体;ジクロロキノキザリンの誘導体などがあげられる
が、本発明はこれらの水溶性有機架橋剤のみに限定され
るものではない。なお、有機架橋剤が非水溶性であれば
エマルジョンまたはサスペンジョンとして用いることも
可能である。これらの有機架橋剤は、通常1種または2
種以上を組み合わせて用いられる。
【0019】前記水溶性有機架橋剤は、通常水溶液とし
て用いられる。このばあい、水溶性有機架橋剤の濃度は
0.05〜10重量%、好ましくは0.1 〜8重量%
、さらに好ましくは0.2 〜5重量%となるように調
整される。かかる濃度は0.05重量%未満であるばあ
い、架橋点が少なくなるため、満足しうる不溶化処理効
果がえられがたくなり、また10重量%をこえるばあい
、不溶化処理効果は満足しうるものの、工業的な取扱い
性や環境面で好ましくなくなる。
【0020】前記再生コラーゲンの水溶性有機架橋剤に
よる処理は、通常再生コラーゲンを前記水溶性有機架橋
剤水溶液に浸漬することによって行なわれるが、このと
きの水溶液の温度は35℃以下、浸漬時間は0.3 秒
間以上である。
【0021】前記不溶化処理を施した再生コラーゲンに
、つぎにpH2.4 以下のジルコニウム塩の水溶液で
さらに処理を施す。
【0022】前記ジルコニウム塩の具体例としては、た
とえば塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジル
コニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコ
ニウム、オキシ硫酸ジルコニウムなどがあげられるが、
本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0023】前記ジルコニウム塩の水溶液におけるジル
コニウム塩の濃度は、ZrO2 換算で0.05〜10
重量%、好ましくは0.2 〜5重量%、さらに好まし
くは0.3 〜2重量%となるように調整される。かか
る濃度は0.05重量%未満であるばあい、目的とする
吸水率とすることができなくなるため、湿潤時の繊維特
性が劣り、また10重量%をこえるばあい、それ以上の
効果の向上はあまり期待できず、かえって経済的に不利
となる。
【0024】前記ジルコニウム塩の水溶液のpHは、通
常前記ジルコニウム塩を水に溶解することにより2.4
 以下となるが、好ましくは2.2 以下である。かか
るpHは2.4 をこえるばあいには、前記ジルコニウ
ム塩の水溶液中のジルコニウム塩の沈澱物が多くなり、
コラーゲンへの作用が低下して再生コラーゲン繊維の湿
潤時の特性が向上しなくなるようになる。
【0025】前記不溶化処理が施された再生コラーゲン
のジルコニウム塩の水溶液による処理は、通常再生コラ
ーゲンを前記ジルコニウム塩の水溶液に浸漬することに
より行なわれるが、このときの水溶液の温度は40℃以
下である。なお、浸漬時間は、ジルコニウム塩の濃度、
水溶液の温度などによって異なるので一概には決定する
ことができないが、通常ジルコニウム塩の水溶液による
処理後の重量が処理前の重量よりも3〜60重量%、好
ましくは6〜40重量%増大するように選ばれる。前記
重量の増大が3重量%よりも小さいばあいには、再生コ
ラーゲン繊維の湿潤時の繊維特性の向上効果が小さくな
り、また60重量%よりも大きいばあいには、再生コラ
ーゲン繊維の脆性、とくに熱水収縮処理を施したあとに
悪影響が顕著に現れるようになる。
【0026】なお、pH2.4 以下のジルコニウム塩
の水溶液で処理したのちは、その水溶液のpHを2.4
 以上に上げてもよく、また別のpHが2.4 以上の
水溶液を用いて処理を施してもよい。
【0027】また、ジルコニウム塩の水溶液による処理
にあたっては、皮革工業界で金属塩鞣し時に用いられる
蟻酸、酢酸、亜硫酸塩、フタル塩酸、乳酸、リンゴ酸、
酒石酸、クエン酸などで代表されるα− オキシカルボ
ン酸などのマスキング剤の1種または2種以上を併用し
ても差し支えない。これらマスキング剤を用いたばあい
にはpH2.4 をこえて処理することが可能となる。
【0028】ここで本発明で重要なことは、えられた再
生コラーゲン繊維の吸水率が80%以下になっているこ
とであり、好ましくは50%以下、さらに好ましくは4
0%以下である。吸水率が80%をこえると再生コラー
ゲン繊維の膨潤による触感の変化、とくに硬さや強度の
低下、収縮などが著しくなり、繊維の加工工程や製品に
おける品質で問題の発生が多くなる。その一例をあげれ
ば、たとえば再生コラーゲン繊維のフィラメントの染色
においては染色液の偏流が発生しやすくなったり、乾燥
処理時にクランプやウェイブの発生や断糸の発生が多く
なる。また、レッスンウィッグに用いたばあいには、水
スプレー後のレザーカットやシザーズカットでの刃ごた
えが人毛と比較して柔かすぎて教材としては見劣りがす
るようになる。
【0029】つぎに、えられた再生コラーゲン繊維には
、必要により、水洗、オイリング、乾燥を施す。えられ
た再生コラーゲン繊維に水洗が施されるのは、塩による
油剤の塩析を防止したり、乾燥機内で乾燥時に再生コラ
ーゲン繊維から塩が析出し、かかる塩によって再生コラ
ーゲン繊維に切れが発生したり、生成した塩が乾燥機内
で飛散し、乾燥機内の熱交換器に付着して伝熱係数が低
下するのを防ぐためである。また、前記のごとく、さら
にオイリングを施したばあいには、乾燥時における繊維
の膠着防止の効果をさらに高めることができる。
【0030】つぎに本発明の再生コラーゲンの製造法を
実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0031】実施例1〜3 牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化したのち、塩酸
水溶液で溶解し、 pH3.5 、コラーゲン濃度6重
量%に調整した原液を減圧下で撹拌脱泡処理し、ピスト
ン式紡糸原液タンクに移液し、さらに減圧下で静置し、
脱泡を行なった。かかる原液をピストンで押出したのち
、ギアポンプで定量送液し、孔径10μmの焼結フィル
ターで濾過後、孔径0.35mm、孔長0.5 mm、
孔数50の紡糸ノズルを通し、ホウ酸および水酸化ナト
リウムでpHを11に調整した硫酸ナトリウム20重量
%を含有してなる25℃の凝固浴へ紡出速度4m/分で
吐出した。
【0032】つぎに、えられた繊維を、ホウ酸および水
酸化ナトリウムでpHを9に調整し、ホルムアルデヒド
1重量%および硫酸ナトリウム15重量%を含有した水
溶液中に25℃で20時間浸漬して不溶化処理を施した
【0033】つぎにえられた繊維を水洗したのち、硫酸
ナトリウムを3重量%含有し、表1に示す硫酸ジルコニ
ウム濃度を有するpH1.5 の水溶液に40℃で18
時間浸漬し、ついで炭酸ナトリウムを用いてpHを4.
0 に調整して4時間さらに浸漬を行なった。
【0034】そののち、繊維を水洗し、アミノ変性シリ
コーンのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエーテ
ル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬して
油剤を付着させ、80℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下
で乾燥させた。
【0035】えられた再生コラーゲン繊維は、いずれも
金属塩による着色がみられず、また湿潤時の触感による
硬さ感およびたわみ性は、湿潤前とほとんどかわらなか
った。
【0036】つぎに、えられた再生コラーゲン繊維の物
性を以下の方法により調べた。その結果を表1に示す。
【0037】(イ)繊度 オートバイブロ式繊度測定器Denier Compu
ter (登録商標)DC−77A(サーチ(株)製)
を用いて温度20±2℃、相対湿度65±2%の雰囲気
(以下、標準状態という)中で繊度を測定した。
【0038】(ロ)標準時特性 標準状態下にある繊維を万能型引張試験機、テンシロン
(登録商標)UTM−IIIL((株)東洋ボールドウ
イン製)を用いて強度および伸度を測定した。
【0039】(ハ)湿潤時特性 繊度を標準状態下で測定した繊維を蒸留水(20±2℃
)中に3分間以上浸漬して充分に湿潤させたのち、水中
で前記(ロ)と同様の方法で強度および伸度を測定した
【0040】(ニ)繊維比重 標準状態下にある繊維を、自動比重計、高精度型D−H
100((株)東洋精機製作所製)を用いて水中で測定
した値を採用した。
【0041】(ホ)吸水率 標準状態にある繊維(重量ws )を蒸留水(温度27
±1℃)に20分間浸漬したのち、濾紙に挟んで手で押
え繊維の表面の付着水をくまなく吸い取ったのちの重量
(ww )を測定し、次式にしたがって求める。 吸水率(%)={(ww −ws )/ws }×10
【0042】
【表1】
【0043】実施例4 牛皮をアルカリ可溶化してえられた可溶化コラーゲン6
重量%およびポリN−メチロールアクリルアミド0.6
 重量%を混合した酢酸酸性水溶液を原液とし、ホウ酸
および水酸化ナトリウムでpHを11に調整した硫酸ナ
トリウム20重量%を含有してなる25℃の凝固浴に、
孔径0.35mm、孔長0.5mm 、孔数50の紡糸
ノズルを通して紡出速度4m/分で吐出した。
【0044】つぎに、えられた繊維を、ホウ酸および水
酸化ナトリウムでpHを9に調整し、ホルムアルデヒド
1重量%および硫酸ナトリウム15重量%を含有した水
溶液中に25℃で20時間浸漬して不溶化処理を施した
【0045】つぎにえられた繊維を水洗したのち、オキ
シ塩化ジルコニウムをZrO2 換算で1.0 重量%
含有し、pHを1.3 に調整した処理浴に40℃で1
8時間浸漬し、さらに炭酸ナトリウムでpH2.4 に
調整して4時間処理した。 つぎに水洗したのち、アミノ変性シリコーンのエマルジ
ョンおよびプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤か
らなる油剤を満たした浴槽を経て油剤を付着させ、80
℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。えられ
た再生コラーゲン繊維は金属塩による着色はみられず、
また湿潤時の触感による硬さ感およびたわみ性は、湿潤
前とあまりかわらなかった。えられた再生コラーゲン繊
維の吸水率は42%、湿潤強度は1.3g/d、湿潤伸
度は27%であった。
【0046】実施例5 実施例4と同様にして不溶化処理を施した繊維をえた。 つぎに、えられた繊維を水洗したのち、硫酸ナトリウム
を3重量%含有し、硫酸ジルコニウムを ZrO2 換
算で1.0 重量%有するpH1.5 の水溶液に40
℃で8時間浸漬して処理した。
【0047】つぎに、繊維を水洗したのち、アミノ変性
シリコーンのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエ
ーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽を経て
油剤を付着させ、80℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下
で乾燥させた。えられた再生コラーゲン繊維は金属塩に
よる着色はみられず、また湿潤時の触感による硬さ感お
よびたわみ性は、湿潤前とあまりかわらなかった。えら
れた再生コラーゲン繊維の吸水率は38%、湿潤強度は
1.3g/d、湿潤伸度は31%であった。
【0048】比較例1 実施例5において、硫酸ナトリウムを3重量%含有し、
硫酸ジルコニウムをZrO2 換算で1.0 重量%有
するpH1.5 の水溶液を用いる処理を施さなかった
ほかは、実施例5と同様の操作を行ない再生コラーゲン
繊維をえた。
【0049】えられた再生コラーゲン繊維は、コラーゲ
ン由来の色相を呈しているためほとんど着色はないが、
湿潤時の触感は極端に柔かく、繊維のたわみは水平に把
持しているにもかかわらず自重で鉛直方向に垂れる程度
であった。
【0050】えられた再生コラーゲン繊維の物性を実施
例1〜3と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0051】比較例2 実施例4と同様にして不溶化処理を施した繊維をえた。 つぎに、えられた繊維を水洗したのち、硫酸ナトリウム
を3重量%含有し、塩基性硫酸クロム(ネオクローム(
登録商標)、日本化学工業(株)製)をCr2 O 3
 換算で1重量%有するpH3の水溶液に40℃で18
時間浸漬して処理し、ついで炭酸ナトリウムでpHを4
.5に調整してさらに4時間処理した。
【0052】つぎに、繊維を水洗したのち、アミノ変性
シリコーンのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエ
ーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽を経て
油剤を付着させ、80℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下
で乾燥させた。えられた繊維は湿潤時の触感による硬さ
感は、湿潤前とあまりかわらなかったが、クロム塩によ
り緑色に着色しているため、染色業界でいう淡〜中色の
所望の色相に着色することは不可能だった。
【0053】えられた再生コラーゲン繊維の物性を実施
例1〜3と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0054】比較例3 実施例4と同様にして不溶化処理を施した繊維をえた。 つぎに、えられた繊維を水洗したのち、硫酸ナトリウム
を3重量%含有し、塩基性ジルコニウムをZrO2 換
算で1.0 重量%有し、炭酸ナトリウムでpHを3.
5 に調整した水溶液中に40℃で18時間浸漬して処
理した。
【0055】つぎに、繊維を水洗したのち、アミノ変性
シリコーンのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエ
ーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽を経て
油剤を付着させ、80℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下
で乾燥させた。えられた繊維はジルコニウムによる着色
はないが、比較例1でえられたものについで湿潤時の触
感が柔かく、繊維のたわみは水平に把持しているにもか
かわらず自重で鉛直方向に垂れる程度であった。
【0056】えられた再生コラーゲン繊維の物性を実施
例1〜3と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表1および表2に示した結果から、本発明
の製造法によれば、吸水率がきわめて小さく、機械的強
度、とくに伸度にすぐれた再生コラーゲン繊維がえられ
ることがわかる。
【0059】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、伸度が大きく
、吸水率がきわめて小さい再生コラーゲン繊維がえられ
る。また、えられた再生コラーゲン繊維は、着色がない
ため、用途に応じて所望の色相に着色することができる
ので、これまで湿潤強度の低下を招いたり、着色のため
に適用することができなかった、たとえば人毛、獣毛、
ガットなどの代替品として好適に使用することができる
とともに、さらに他の分野への用途展開が期待される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  可溶化コラーゲン溶液を湿式紡糸した
    のち、えられた繊維をpH2.4 以下のジルコニウム
    塩の水溶液で処理することを特徴とする再生コラーゲン
    繊維の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009035052A1 (ja) * 2007-09-12 2009-03-19 Kaneka Corporation 抗菌・抗黴性有機繊維とその製造方法及び繊維製品
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