図1は、化合物B1の遊離塩基のA体の、代表的な1H核磁気共鳴分光法(NMR)スペクトルを提供する。
図2は、化合物B1の遊離塩基のA体の代表的な粉末X線回折(XRPD)パターンを提供する。
図3は、化合物B1の遊離塩基のA体の代表的な示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを提供する。
図4は、化合物B1の遊離塩基のA体の代表的な熱重量測定(TGA)サーモグラムを提供する。
図5は、化合物B1の遊離塩基のB体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図6は、化合物B1の遊離塩基のメタノール和物の代表的なXRPDパターンを提供する。
図7は、化合物B1の遊離塩基のメタノール和物の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図8は、化合物B1の塩酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図9は、化合物B1の塩酸塩のA体の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図10は、化合物B1の塩酸塩のA体の代表的なTGAサーモグラムを提供する。
図11は、化合物B1の塩酸塩のA体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図12は、化合物B1の塩酸塩のA体の代表的な動的水蒸気吸着(DVS)プロファイルを提供する。
図13a及び図13bは、化合物B1の塩酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図13a及び図13bは、化合物B1の塩酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図14は、化合物B1の塩酸塩のB体の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図15は、化合物B1の塩酸塩のB体の別の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図16は、化合物B1の塩酸塩のB体の代表的なTGAサーモグラムを提供する。
図17は、化合物B1の塩酸塩のB体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図18は、化合物B1の塩酸塩のB体の代表的なDVSプロファイルを提供する。
図19は、150±1Kで収集したデータから得られた、化合物B1の塩酸塩のB体の単一結晶XRD構造溶液由来の、代表的な熱運動楕円体のプロットを提供する。原子は、50%確立異方性熱運動楕円体で示される。
図20は、150±1Kで収集したデータから得られた、化合物B1の塩酸塩のB体の単一結晶XRD構造溶液由来の、代表的な結晶パッキングの略図を提供する。略図は、単位格子を結晶b軸から下方へ観察することを含む。
図21は、150±1Kで収集したデータから得られた、化合物B1の塩酸塩のB体の単一結晶XRD構造溶液由来の、代表的なシミュレーションXRPDパターンを提供する。
図22は、化合物B1の塩酸塩のC体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図23は、化合物B1の塩酸塩のD体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図24は、化合物B1の塩酸塩のD体の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図25は、化合物B1の塩酸塩のD体の代表的なTGAサーモグラムを提供する。
図26は、化合物B1の塩酸塩のE体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図27は、化合物B1の塩酸塩のE体の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図28は、化合物B1の塩酸塩のE体の代表的なTGAサーモグラムを提供する。
図29は、化合物B1の塩酸塩のF体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図30は、化合物B1の塩酸塩のF体の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図31は、化合物B1の塩酸塩のF体の代表的なTGAサーモグラムを提供する。
図3は、化合物B1の塩酸塩のG体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図33は、化合物B1の塩酸塩のG体の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図34は、化合物B1の塩酸塩のG体の代表的なTGAサーモグラムを提供する。
図35は、化合物B1の塩酸塩のH体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図36は、化合物B1の塩酸塩のH体の代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図37は、化合物B1の塩酸塩のH体の代表的なTGAサーモグラムを提供する。
図38は、化合物B1の塩酸塩のI体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図39は、化合物B1の塩酸塩のJ体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図40は、化合物B1の塩酸塩のK体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図41は、化合物B1の塩酸塩のL体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図42は、化合物B1の塩酸塩のM体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図43は、化合物B1の塩酸塩のN体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図44は、化合物B1の塩酸塩のO体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図45は、化合物B1の塩酸塩のアモルファス形態の代表的なXRPDパターンを提供する。
図46は、化合物B1の塩酸塩のアモルファス形態の代表的な変調DSCサーモグラムを提供する。
図47は、化合物B1の臭化水素酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図48は、化合物B1の臭化水素酸塩のA体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図49は、化合物B1の硫酸塩のA体(下段)、B体(中段)及びC体(上段)の代表的なXRPDパターンを提供する。
図50は、化合物B1の硫酸塩のC体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図51は、化合物B1のメシル酸塩のA体(下段)及びB体(上段)の代表的なXRPDパターンを提供する。
図52は、化合物B1のメシル酸塩のA体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図53は、化合物B1のメシル酸塩のB体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図54は、化合物B1のエシル酸塩のA体(上段)、B体(中段)及びC体(下段)の代表的なXRPDパターンを提供する。
図55は、化合物B1のエシル酸塩のB体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図56は、化合物B1のエジシル酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを提供する。
図57は、化合物B1のエジシル酸塩のA体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図58は、化合物B1のベシル酸塩のA体(上段)及びB体(下段)の代表的なXRPDパターンを提供する。
図59は、化合物B1のベシル酸塩のA体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図60は、化合物B1のベシル酸塩のB体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図61は、化合物B1のトシル酸塩のA体(上段)、B体(中段)及びC体(下段)の代表的なXRPDパターンを提供する。
図62は、化合物B1のトシル酸塩のB体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図63は、化合物B1のナプシル酸塩のA体(上段)及びB体(下段)の代表的なXRPDパターンを提供する。
図64は、化合物B1のナプシル酸塩のA体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図65は、化合物B1のナプシル酸塩のB体の代表的な1H NMRスペクトルを提供する。
図66a及び図66bは、化合物B1の合成スキームを提供する。
図66a及び図66bは、化合物B1の合成スキームを提供する。
(詳細な説明)
(定義)
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「化合物B1」は、上記に構造(I)として記載の、N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}ウレアと化学的に称される化合物を意味し;更に、特に断りのない限り、用語「化合物B1」としては、上記に構造(I)として記載の化合物のイオン化形態が挙げられ、それは分子が一以上の原子配置でプロトン化されたような、塩の形成を受けている。化合物の化学名と、本明細書中で提供される化合物の記載された化学構造との相違が存在する範囲内で、化学構造はコントロールされるべきである。
本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「塩酸塩」又は「HCl塩」が挙げられる。化合物B1の塩酸塩又はHCl塩は、化合物B1が塩酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「臭化水素酸塩」又は「HBr塩」が挙げられる。化合物B1の臭化水素酸塩又はHBr塩は、化合物B1が臭化水素酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「硫酸塩」が挙げられる。化合物B1の硫酸塩は、化合物B1が硫酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「メシル酸塩」が挙げられる。化合物B1のメシル酸塩は、化合物B1がメタンスルホン酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「エシル酸塩」が挙げられる。化合物B1のエシル酸塩は、化合物B1がエタンスルホン酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「エジシル酸塩」が挙げられる。化合物B1のエジシル酸塩は、化合物B1が1,2−エタンジスルホン酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「ベシル酸塩」が挙げられる。化合物B1のベシル酸塩は、化合物B1がベンゼンスルホン酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「トシル酸塩」が挙げられる。化合物B1のトシル酸塩は、化合物B1がトルエンスルホン酸と反応して形成される酸付加塩である。本明細書に記載の具体的な塩としては、化合物B1の「ナプシル酸塩」が挙げられる。化合物B1のナプシル酸塩は、化合物B1がナフタレン−2−スルホン酸と反応して形成される酸付加塩である。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「医薬上許容される塩」とは、以下の医薬上許容される酸のうちの一から調製される塩をいう:塩酸;臭化水素酸;硫酸;メタンスルホン酸;エタンスルホン酸;エタン−1,2−ジスルホン酸;ベンゼンスルホン酸;p−トルエンスルホン酸;ナフタレン−2−スルホン酸;アジピン酸;フマル酸;グリコール酸;馬尿酸;マレイン酸;リン酸;及びDL−酒石酸。酸付加塩は、例えば、化合物B1の中性の形態を、十分な量の所望の酸と、例えば、非溶媒又は適切な溶媒中で接触させることにより得ることができる。本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「混合する」及び関連用語は、塩の合成に関連して用いられる場合、酸と塩基を接触させて、塩を形成する、多岐に渡る方法を包含する。固体の場合、塩は結晶性の又はアモルファスの改変で、或いはそれらの混合物で存在し得る。そのような塩を調製し、分析する方法の例は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, P. H. Stahl and C. G. Wermuth, Eds., (2002)、Wiley, Weinheim.で提供される。A.T.M. Serajuddin, Adv. Drug Deliv. Rev. (2007) 59: 603-16、P.L. Gould, Int. J. Pharm. (1986) 33: 201-17も参照のこと。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「固形」及び関連用語は、主に液体又は気体状態ではない物理的形態をいう。本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「固形」及び関連用語は、本明細書中で化合物B1を示して用いられる場合、主に液体又は気体状態でない化合物B1を含む物理的形態をいう。固形は、結晶性、アモルファス又はそれらの混合物であり得る。具体的な実施態様において、固形は液晶であり得る。化合物B1を含む「単一成分」の固形は、基本的に化合物B1からなる。化合物B1を含む「複数成分」の固形は、固形内に、有意量の一以上のイオン及び/又は分子等の追加の種を含む。例えば、具体的な実施態様において、化合物B1を含む結晶性の複数成分の固形は、結晶格子中の定位置に、一種以上の非共有結合を更に含む。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「結晶性」及び本明細書中で用いられる関連用語は、物質、改変、材料、成分又は製品を記載するために用いられる場合、特に断りのない限り、物質、改変、材料、成分又は製品が、実質的に、X線回折法によって決定されるような結晶性であることを意味する。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21stedition, Lippincott, Williams and Wilkins, Baltimore, MD (2005); The United States Pharmacopeia, 23rd ed., 1843-1844 (1995)参照。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「結晶形態」及び本明細書中の関連用語は、結晶性である固形をいう。結晶形態としては、単一成分の結晶形態及び複数成分の結晶形態が挙げられ、限定されないが、多形体、溶媒和物、水和物及び他の分子錯体、並びに塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、塩の他の分子錯体及びそれらの多形体が挙げられる。ある実施態様において、物質の結晶形態は、実質的に、アモルファス形態及び/又は他の結晶形態を含まなくてもよい。ある実施態様において、物質の結晶形態は、重量ベースで、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%未満の一以上のアモルファス形態及び/又は他の結晶形態を含み得る。ある実施態様において、物質の結晶形態は、物理的に及び/又は化学的に純粋であり得る。ある実施態様において、物質の結晶形態は、約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%又は90%物理的に及び/又は化学的に純粋であり得る。物質の結晶形態は、当該技術分野で公知な、多数の方法で得られ得る。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「多形体」、「多形体の形態」及び本明細書中の関連用語は、基本的に同一分子、分子又はイオンからなる、2以上の結晶形態をいう。異なる結晶形態のように、異なる多形体は、例えば、融点、融解熱、溶解性、溶解速度及び/又は振動スペクトル等の、異なる物理特性を、結晶格子中の分子及び/又はイオンの配置又は配座の結果として有し得る。物理特性における差異は、保存安定性、圧縮性及び密度(製剤及び製品の製造において重要)等の医薬パラメーター、並びに溶解速度(バイオアベイラビリティにおいて重要なファクター)に作用し得る。安定性における差異は、化学的な反応性の変化(例、剤形は、別の多形体を含む場合よりも、単一の多形体を含む場合の方が、より速く変色するというような、酸化の差)又は機械的な変化(例、動態学的に好適な多形体が熱力学的により安定した多形体へ変換する場合、錠剤は保存中に崩壊する)又はその両方(例、単一の多形体の錠剤は、高湿度での分解の影響をより受け易い)に起因し得る。溶解度/溶解差の結果として、極端な場合には、ある固体状態の転移が、有効性の欠如、又は別の極端な場合には毒性をもたらし得る。更に、物理特性は、処理(例えば、ある多形体は溶媒和物を形成する可能性がより高く、又は濾過、洗浄して不純物を除去することが難しく、そして粒子形及び粒度分布が多形体間で異なり得る。)において重要であり得る。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「溶媒和物」及び「溶媒和した」とは、溶媒を含む物質の結晶形態をいう。用語「水和物(hydrate)」及び「水和した(hydrated)」とは、溶媒が水を含む、溶媒和物をいう。「溶媒和物の多形体」とは、具体的な溶媒和物の組成物について、二以上の結晶形態が存在することをいう。同様に、「水和物の多形体」とは具体的な水和物の組成物について、二以上の結晶形態が存在することをいう。本明細書中で用いられる用語「脱溶媒和された溶媒和物」とは、溶媒和物から溶媒を除去することにより調製し得る物質の結晶形態をいう。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「アモルファス」、「アモルファス形態」及び本明細書中で用いられる関連用語は、問題になっている、物質、成分又は製品が、実質的に、X線回折法によって決定されるような結晶性ではないことを意味する。具体的には、用語「アモルファス形態」とは無秩序な固形をいい、即ち、広範囲に結晶性の秩序が失われている固形をいう。ある実施態様において、物質のアモルファス形態には、実質的に、他のアモルファス形態及び/又は結晶形態が含まれていなくてもよい。他の実施態様において、物質のアモルファス形態は、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%未満の一以上の他のアモルファス形態及び/又は結晶形態を、重量ベースで含み得る。ある実施態様において、物質のアモルファス形態は、物理的に及び/又は化学的に純粋であり得る。ある実施態様において、物質のアモルファス形態は、約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%又は90%物理的に及び/又は化学的に純粋であり得る。物質のアモルファス形態は、当該技術分野で公知のような、多数の方法で得られ得る。
結晶形態及びアモルファス形態の特性分析方法としては、熱重量測定(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、粉末X線回折(XRPD)、単一結晶X線回折、振動分光法、例えば、赤外線(IR)及びラマン分光法、固体及び液体(solution)核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子線結晶定量分析、粒度分析(PSA)、表面積分析、溶解度測定、溶解測定、元素分析及びカール・フィッシャー分析が挙げられるが、これらに限定されない。特徴的な単位格子パラメーターは、単一結晶回折及び粉末回折を含む、X線回折法及び中性子回折等の一以上の技術を用いて決定し得るが、これらに限定されない。粉末回折データを分析するのに有用な技術としては、例えば、二以上の固相を含む試料中の単相に関連する回折ピークを分析するために用いられる得る、リートベルトリファインメント等のプロファイルリファインメントが挙げられる。粉末回折データを分析するのに有用な他の方法としては、結晶性の粉末を含む試料から当業者が単位格子パラメーターを決定することができる、単位格子の指標付けが挙げられる。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「約」及び「およそ」とは、具体的な固形を特徴付ける数値又は数値範囲(例えば、記載される融点、脱水する温度、脱溶媒和する温度又はガラス転移温度等の、具体的な温度又は温度範囲;例えば、温度又は湿度の機能による質量変化等の、質量変化;例えば、質量又はパーセンテージを単位とする溶媒又は水の含有量;又は、例えば、IR又はラマン分光法又はXRPDによる分析におけるような、ピーク位置)に関連して用いられる場合、具体的な固形を述べる際に、数値又は数値範囲が当業者が妥当と考える程度まで逸脱してもよいということを示す。例えば、具体的な実施態様において、用語「約」及び「およそ」は、この文脈で用いられる場合、該数値又は数値範囲が記載された値又は値範囲の25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%又は0.25%以内で変化し得ることを示す。本明細書中で用いられる場合、数値又は数値範囲の前にくる波形符号(即ち、「〜」)は、「約」又は「およそ」を示す。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、「実質的に純粋である」、例えば、実質的に他の固形及び/又は他の化学的な化合物を含まない、具体的な結晶形態又はアモルファス形態を含む試料は、具体的な実施態様において、約25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%又は0.1%重量パーセント未満の、一以上の他の固形及び/又は他の化学的な化合物を含む。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、一以上の他の固形及び/又は他の化学的な化合物が「実質的に含まれない」、試料又は組成物は、具体的な実施態様において、約25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%又は0.1%重量パーセント未満の、一以上の他の固形及び/又は他の化学的な化合物を含む組成物を意味する。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」及び「治療」とは、疾患又は障害、或いは疾患又は障害に関連する一以上の症状の、撲滅又は改善をいう。ある実施態様において、該用語は、そのような疾患又は障害の対象に対して、一以上の予防又は治療剤を投与することにより、疾患又は障害の蔓延又は悪化を最小限にすることをいう。ある実施態様において、該用語は、具体的な疾患の症状の発症後に、他の更なる有効剤とともに、又はともなわないで、本明細書中で提供される化合物を投与することをいう。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」及び「予防」とは、疾患若しくは障害又はそれらの一以上の症状の発症、再発又は蔓延を防ぐことをいう。ある実施態様において、該用語は、症状の発症前に、特に本明細書中で提供される疾患又は障害のリスクのある患者に対して、他の更なる活性化合物とともに又はともなわないで、本明細書中で提供される化合物を用いて、治療する又はこれを投与することをいう。該用語は、具体的な疾患の症状の阻害又は減少を含む。特に疾患の家族歴のある患者が、ある実施態様において、予防的療法の対象である。更に、症状の再発(reccurring)歴を有する患者も、予防のための対象となる可能性がある。この点で、用語「予防」は、用語「予防的な治療」と同じ意味で用いられ得る。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、用語「管理する(manage)」、「管理する(managing)」及び「管理」とは、疾患若しくは障害又はそれらの一以上の症状の、進行、蔓延又は悪化を予防すること又は遅らせることをいう。しばしば、対象が予防及び/又は治療剤から得られる薬効は、疾患又は障害の治癒をもたらさないことがある。この点で、用語「管理する」は、疾患の再発を予防し又は最小限にしようとして、具体的な疾患に罹患した患者を治療することを含む。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、化合物の「治療有効量」は、疾患又は障害の治療又は管理において治療効果を提供する、或いは、疾患又は障害に関連する一以上の症状を遅らせる又は最小限とするために十分な量である。化合物の治療有効量は、そのまま又は他の治療と併用して、疾患又は障害の治療又は管理における治療効果を提供する治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、あらゆる治療を改善する、疾患又は障害の症状又は原因を減少させる又は避ける、或いは、別の治療剤の治療効果を高める量を包含し得る。
本明細書中で用いられる場合、特に断りのない限り、化合物の「予防有効量」は、疾患又は障害を予防し、或いはその再発を予防するために十分な量である。化合物の予防有効量は、そのまま又は他の剤と併用して、疾患の予防における予防効果を提供する治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、あらゆる予防を改善する、又は別の予防剤の予防効果を高める量を包含し得る。
用語「組成物」とは、本明細書中で用いられる場合、特定の成分を(そして記載されている場合は、特定の量で)含む製品、並びに、直接的に又は間接的に特定の成分を特定の量で組み合わせて得られる、いかなる製品をも包含することを意図している。「医薬的に許容される」によって、希釈剤、賦形剤又は担体が製剤の他の成分と混合可能であり、その受容者に有害であってはならないことが意味されている。
用語「対象」は、本明細書中で、哺乳動物等の動物(霊長類(例、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、ネズミ等が挙げられるが、これらに限定されない)を含むものとして定義される。具体的な実施態様において、対象はヒトである。
化合物B1を含む固形に加えて、化合物B1のプロドラッグを含む固形が、本明細書中で提供される。
本明細書中で提供される固形は、化合物B1の一以上の原子に、不自然な比率の原子同位体を含んでいてもよい。例えば、該化合物は、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)、硫黄−35(35S)又は炭素−14(14C)等の、放射性同位体で標識されていてもよい。放射性標識化合物は、治療剤(例、癌治療剤)、研究用試薬(例、バインディングアッセイ試薬)及び診断用薬(例、インビボの造影剤)として有用である。放射性か否かにかかわらず、化合物B1のあらゆる同位体のバリエーションは、本明細書中で提供される実施態様の範囲内に包含されることが意図されている。
5.2 化合物B1を含む固形
本明細書中のある実施態様では、上記構造(I)で示される化学構造を有する化合物B1を含む、単一成分及び複数成分の固形が提供される。
化合物B1は、本明細書中の教示に基づいて当業者に自明ないずれかの方法に従って、合成し又は得ることができ、以下の実施例に記載の方法が挙げられる。化合物B1は、米国仮特許出願第60/743,543号(2006年3月17日出願)、米国特許出願第11/724,992(2007年3月16日出願)及び米国特許出願公開公報第2007/0232604(2007年10月4日公開)に記載の方法に従って調製することもでき、それらの全体の各々は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。その遊離塩基形態において、化合物B1は、上記構造(I)で示される化学構造を有する。
化合物B1を含む固形としては、単一成分及び複数成分の形態が挙げられ、結晶形態及びアモルファス形態が挙げられ、多形体、塩、溶媒和物、水和物、共結晶及びクラスレートが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中の具体的な実施態様は、化合物B1の遊離塩基の単一成分のアモルファスの固形を提供する。本明細書中の具体的な実施態様は、化合物B1の遊離塩基の単一成分の結晶性の固形を提供する。本明細書中の具体的な実施態様は、化合物B1を含む複数成分のアモルファス形態を提供する。本明細書中の具体的な実施態様は、化合物B1を含む複数成分の結晶性の固形を提供する。化合物B1を含む複数成分の固形は、ニュートラル又はイオンコンプレックスであってもよく、或いは該固形中にニュートラル及びイオン成分の両方をともに含んでいてもよい。本明細書中で提供される複数成分の固形としては、用語、塩、共結晶、水和物、溶媒和物、クラスレート及び/又は多形体により述べられ得る固形が挙げられ、一以上のこれらの用語により述べられ得る固形が挙げられる。
化合物B1を含む固形は、本明細書に記載の方法で調製し得、以下の実施例に記載の方法、又は当該技術分野で公知の技術による方法が挙げられ、加熱、冷却、凍結乾燥(freeze drying)、凍結乾燥(lyophilization)、融液の急冷、溶媒の急速蒸発、溶媒の徐速蒸発、溶媒再結晶、貧溶媒添加、スラリー再結晶、融液からの結晶化、脱溶媒和、例えばナノ細孔又は毛細管等の限定空間における再結晶、例えば高分子等の表面又はテンプレートでの再結晶、例えば共結晶カウンター分子等の添加物存在下での再結晶、脱溶媒和、脱水、急冷、徐冷、溶媒及び/又は水への曝露、乾燥が挙げられ、例えば、減圧乾燥、蒸気拡散、昇華、粉砕(例えば、凍結粉砕及び溶媒滴下粉砕を含む)、マイクロ波誘導沈殿、超音波誘導沈殿、レーザー誘導沈殿及び超臨界流体からの沈殿が挙げられる。得られた固形の粒子径は、(例えば、ナノメーター大からミリメーター大まで)様々であるが、例えば結晶化速度及び/又は結晶化の溶媒系等の、例えば結晶化条件の変更によって、又は例えば粉砕、ミル、微粉化又は超音波のような粒径減少技術によって、コントロールすることができる。
いかなる具体的な理論で結び付けられることを意図するものではないが、ある固形は、医療用及び治療用剤形に適した、例えば、安定性、溶解度及び溶解速度のような物理特性によって特徴付けられる。更に、いかなる具体的な理論で結び付けられることを意図するものではないが、ある固形は、ある固形を固体剤形の製造に適切なものとする、具体的な方法(例、収率、濾過、洗浄、乾燥、ミル、混合、錠剤化、流動性、溶解性、製剤及び凍結乾燥(lyophilization))に作用する、物理特性(例、密度、圧縮性、強度、形態、切断、粘着性、溶解度、水の取り込み、電気特性、熱挙動、固体状態反応性、物理的安定性及び化学的安定性)によって特徴付けられる。そのような特性は、具体的な分析化学技術を用いて決定することができ、本明細書に記載の、及び当該技術分野で公知な、固体状態分析技術(例、X線回折法、顕微鏡法、分光法及び熱分析法)が挙げられる。
本明細書中のある実施態様は、一以上の固形を含む組成物を提供する。ある実施態様は、他の活性成分と併用した一以上の固形の組成物を提供する。ある実施態様は、疾患及び障害の治療、予防又は管理における、これらの組成物の使用方法を提供し、該疾患及び障害としては、本明細書で提供される疾患及び障害が挙げられるが、これらに限られない。
化合物B1のHCl塩を含む、本明細書中の固形に関し、特記なき限り以下の専門用語が適用される。化合物B1の「モノ−塩酸塩」又は「モノ−HCl塩」は、化合物B1 1モルあたり、約1モル当量の塩素イオンを含む塩酸塩である。化合物B1の「ビス−塩酸塩」、「ビス−HCl塩」、「ジ−塩酸塩」又は「ジ−HCl塩」は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量の塩素イオンを含む塩酸塩である。具体的な実施態様において、「約2モル当量のHCl」及び「およそ2モル当量のHCl」とは、化合物B1 1モルあたり、およそ1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4又は2.5モル当量のHClを示す。
(5.2.1 化合物B1の遊離塩基のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1の遊離塩基のA体の結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1の遊離塩基のA体は、様々な溶媒(ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルエーテル、水及び2以上のそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)から得ることができる。化合物B1の遊離塩基の結晶形態のA体の、代表的な液体(solution)1H NMRスペクトルを、図1に示す。化合物B1の遊離塩基のA体の、代表的なXRPDパターンを、図2に示す。化合物B1の遊離塩基のA体は、XRPDピーク配置、具体的な実施態様においては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の下記の概算の位置で特徴付けられる:3.58、10.79、15.95、16.33、18.06、18.79、19.9、21.45、23.53、24.19、25.61、27.44°2θ。ある実施態様において、化合物B1の遊離塩基のA体は、図2で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1の遊離塩基のA体の代表的な熱特性は、図3及び図4で示される。代表的なDSCサーモグラムが図3で示され、約265℃の開始温度で吸熱現象が見られる。代表的なTGAサーモグラムが図4で示され、外気温から約220℃までの加熱で試料の総質量の約1%が失われている。該熱データは、化合物B1の遊離塩基のA体が結晶格子中に実質的な量の水も他の溶媒のどちらも含んでいないことを示している。
(5.2.2 化合物B1の遊離塩基のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1の遊離塩基のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1の遊離塩基のB体は様々な溶媒(メタノール、ヘキサン類、テトラヒドロフラン、水及び2以上のそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)から得ることができる。ある実施態様において、B体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化によって得ることができる。ある実施態様において、B体は、結晶格子中に結晶化の水及び/又は溶媒を含む。ある実施態様において、B体は、添加物(馬尿酸及びマレイン酸が挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で、溶液から結晶化される。化合物B1の遊離塩基のB体の代表的なXRPDパターンを、図5に示す。化合物B1の遊離塩基のB体は、XRPDピーク配置、具体的な実施態様において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の以下の概算の位置で特徴付けられる:5.0、11.34、12.8、14.7、15.71、17.99、20.31、22.18、24.02、25.47、26.09°2θ。ある実施態様において、化合物B1の遊離塩基のB体は、図5で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.3 化合物B1を含むメタノール和物)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1の遊離塩基を含む結晶性のメタノール和物を提供する。ある実施態様において、この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物は、様々な溶媒(メタノール、エーテル又はそれらの併用を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)から得ることができる。ある実施態様において、この化合物B1の遊離塩基を含むメタノール和物は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化によって得ることができる。ある実施態様において、この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物は、添加物(フマル酸が挙げられるが、これに限定されない)の存在下で、溶液から結晶化される。この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物の代表的なXRPDパターンを、図6で示す。この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物の代表的な液体(solution)1H NMRスペクトルを、図7に示す。この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物は、XRPDピーク配置、具体的な実施態様において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の以下の概算の位置で特徴付けられる:4.52、5.28、10.89、11.31、11.72、12.97、15.91、16.12、17.61、19.9、22.15、23.22、24.22、26.44°2θ。ある実施態様において、この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物は、図6で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.4 化合物B1のHCl塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、化合物B1をHClと様々な溶媒系(テトラヒドロフランを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、HClは、反応に、気体として又は溶液(例、濃水溶液、エーテル溶液又はジオキサン溶液)として導入し得る。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体結晶形態は、様々な溶媒系(テトラヒドロフラン、トリフルオロエタノール、2−ブタノン、1,4−ジオキサン、ニトロメタン及び2以上のそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)からの結晶化によって調製することができる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化によって得ることができる。
ある実施態様において、塩の塩素含有量は、A体の試料の塩素含有量を分析することにより、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより、決定する。ある実施態様において、A体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、A体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、A体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図8に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:2.34、3.86、6.46、7.77、8.5、8.74、9.85、11.41、13.56、14.98、16.02、16.68、17.54、18.03、18.75、19.62、21.14、21.77、22.77、23.32、24.33、25.3、26.2、27.68°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、1、2、3、4、5、6又は7の以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:2.34、3.86、6.46、9.85、16.68、17.54、26.2°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、図8で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1のHCl塩のA体の代表的な熱特性を、図9及び図10に示す。代表的なDSCサーモグラムが図9で示され、およそ77、143及び190℃で最大の多数の幅広い熱事象、引き続き約242及び272℃で最大の熱事象を含む。ある実施態様において、A体は、以下の概算の最大温度の一以上の熱事象を含むDSCサーモグラムで特徴付けられる:77、143、190、242及び272℃。代表的なTGAサーモグラムは図10で示され、外気温から約95℃までの加熱で試料の総質量の約5%から約6%の間の質量の減少が見られる。ある実施態様において、この観察された質量の減少は、例えば赤外線分光オフガス分析を備えた熱重量測定(TG−IR)によって示されるような、THF溶媒の喪失を含む。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、結晶格子中のTHFを含む。ある実施態様において、A体中のTHF量は、化合物B1のHCl塩1モルあたり、約0.1から2.0モル当量のTHFである。一実施態様において、A体は、化合物B1のHCl塩1モルあたり、約0.6モル当量のTHFを含む。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析によって特徴付けることができる。DMSO−d6に溶解したA体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図11に示す。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、等温吸湿及び/又は脱着分析によって特徴付けられ得る。例えば、一実施態様において、約5%RHの初期平衡には、約3.9%の質量の減少が伴い;次いで、湿度が5%から95%RHに増加すると、約16.7%の総質量の増加;そして、次いで、湿度が約95%から約5%RHに減少すると、約16.7%の総質量の喪失が起こる。ある実施態様において、得られた材料は、本明細書に記載の化合物B1のHCl塩のD体として特徴付けられる。化合物B1のHCl塩のA体の代表的な動的水蒸気吸着/脱着カーブを、図12に示す。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のA体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、一実施態様において、75%RH、外気温で、4日間ストレスをかけた場合、A体の試料は、約3%から4%の重量増加を示し、得られた材料は、本明細書に記載の化合物B1のHCl塩のD体に相当するXRPDパターンを示す。別の実施態様において、40℃で4日間保存した場合、A体の試料は、約2%から4%の重量の減少を示し、得られた材料は、本明細書に記載の化合物B1のHCl塩のA体及びE体の混合物に相当するXRPDパターンを示す。
(5.2.5 化合物B1のHCl塩のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、化合物B1をHClと反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、B体は、化合物B1をHClと様々な溶媒系(アルコール(例、メタノール)、炭化水素(例、ベンゼン)及び/又は一以上の他の溶媒(例、エーテル及び/又はジオキサン)を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体を調製する際に、HClは溶液(例、濃水溶液)又は気体として反応し得る。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体結晶形態は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒からの結晶化により調製することができ、メタノール、エタノール、水、アセトン、アセトニトリル、2−ブタノン、ジクロロメタン、p−ジオキサン、酢酸エチル、イソプロパノール、塩化メチレン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、トリフルオロトルエン及び2以上のそれらの溶媒の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、一実施態様において、B体は、メタノールを含む溶液から沈殿させることにより得る。別の実施態様において、B体は、メタノールを含む溶液から蒸発及び/又は冷却して沈殿させることにより調製する。別の実施態様において、B体は、エタノールを含む溶媒系中でスラリー状にすることにより得られる。別の実施態様において、B体は、1:24 エタノール:水混合溶媒を含む溶媒系中で、60℃でスラリー状にすることにより得る。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)から結晶化することにより得ることができる。ある実施態様において、B体は、結晶化する方法により得られ、沈殿、外気温でのスラリー化、昇温下でのスラリー化、準外気温でのスラリー化、蒸発、徐速蒸発、急速蒸発及び/又は濃縮が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、B体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてB体の試料を分析する、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、B体は、化合物B1 1モルあたり、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、B体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、B体は、化合物B1のビス−HCl塩である。ある実施態様において、B体は、質量ベースで、11.22%±1%塩素イオンの塩素含有量を有する。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体の単一結晶は、一以上の以下の工程を含む方法により得られる:メタノール中に化合物B1のHCl塩の試料を溶解する工程;0.2mmナイロンフィルターを通してガラスバイアルに濾過する工程;ピンホールを開けたアルミ箔でバイアルを覆う工程;そして、外気温で放置し蒸発させる工程;そして、単一結晶を分析のために取り出す工程。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、(1)化合物B1の遊離塩基をおよそ2モル当量のHClと混合する;及び(2)化合物B1のHCl塩のB体を得る:工程を含む方法により得られる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、(1)化合物B1の遊離塩基をおよそ2.5モル当量のHClと混合する;及び(2)化合物B1のHCl塩のB体を得る:工程を含む方法により得られる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、(1)化合物B1の遊離塩基をおよそ2モル当量のHClと混合する;及び(2)化合物B1のHCl塩のB体を、原料の量に基づいて、化合物B1のHCl塩のB体の理論最大収率の約70%以上の収率で得る:工程を含む方法により得られる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、(1)化合物B1の遊離塩基をおよそ2.5モル当量のHClと混合する;及び(2)原料の量に基づいて、化合物B1のHCl塩のB体の理論最大収率の約70%以上の収率で得る:工程を含む方法により得られる。ある実施態様において、そのような収率は、原料の量に基づいて、化合物B1のHCl塩のB体の理論最大収率の約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は約100%である。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、(1)化合物B1のHCl塩のB体を溶媒と接触させる;及び(2)化合物B1のHCl塩のB体を単離する:工程を含む方法により得られる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、溶媒ベースの精製方法を介して精製され、溶媒スラリー化が挙げられる。具体的な実施態様において、溶媒スラリー化を介する精製により、一以上の化学的な不純物及び/又は物理的な不純物(例、一以上の他の結晶形態及び/又はアモルファス形態)を減少させ、又は除去することができる。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、(1)化合物B1のHCl塩のB体を溶解させ;及び(2) 化合物B1のHCl塩のB体を再結晶する:工程を含む方法により得られる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、再結晶を介して精製される。具体的な実施態様において、そのような再結晶を介した精製により、一以上の化学的な不純物及び/又は物理的な不純物(例、一以上の他の結晶形態及び/又はアモルファス形態)を減少させ又は除去することができる。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体には、実質的に純粋である。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体には、化学的な不純物が実質的に含まれない。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体には、物理的な不純物、例えば、一以上の他の結晶形態及び/又はアモルファス形態が実質的に含まれない。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体には、化合物B1の遊離塩基が実質的に含まれない。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体には、化合物B1を含む他の結晶形態が実質的に含まれない。
化合物B1のHCl塩のB体の代表的なXRPDパターンを、図13a及び図13bに示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:6.98、9.18、10.7、11.48、13.04、13.26、15.14、15.78、17.32、18.48、18.8、19.64、20.42、20.82、22.16、22.62、23.1、23.72、24.38、26.16、27.08、27.6、28.52、28.96、29.24、30.78、32.34、33.14、34.04、35.02、35.92、37.64、38.62°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:6.98、10.7、13.04、13.26、15.78、18.48、18.8、20.42、20.82、22.16、22.62、23.72、24.38、26.16、27.08、27.6°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、1又は両方の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:6.98、20.82°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、図13a又は図13bで示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1のHCl塩のB体の代表的な熱特性を、図14、図15及び図16に示す。代表的なDSCサーモグラムを図14に示し、およそ58及び178℃で最大で幅広く浅い熱事象が、次いで、およそ260℃の開始温度で吸熱現象が見られる。別の代表的なサーモグラムを図15に示し、約64℃で最大の吸熱及び約260℃の開始温度で吸熱が見られる。ある実施態様において、B体は、約外気温から約200℃の一以上の熱事象を含むDSCサーモグラム、次いで、およそ260℃の開始温度での吸熱現象で特徴付けられる。ある実施態様において、B体は、約260℃の開始温度での吸熱を含むDSCサーモグラムで特徴付けられる。代表的なTGAサーモグラムを図16に示し、外気温から約200℃までの加熱で試料の総質量の約1%の質量の減少が見られる。ある実施態様において、外気温から約200℃までのB体の加熱での質量の減少は、試料の総質量の約3%以下、約2%以下、約1%以下又は約0.5%以下である。ある実施態様において、上記の質量の減少は、溶媒の減少(例、水の減少)を含む。ある実施態様において、B体材料は、約200℃以上で分解する。ある実施態様において、B体の試料は、溶媒(例、水及び/又はアルコール)を含む。ある実施態様において、B体の試料には、溶媒(例、水及び/又はアルコール)が実質的に含まれない。従って、ある実施態様において、B体は非溶媒和であり、ある実施態様において、B体は無水物である。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したB体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図17に示す。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、等温吸湿及び/又は脱着分析で特徴付けられ得る。例えば、一実施態様において、約5%RHでの初期平衡に伴い約0.6%の質量が減少し;これに次いで、湿度が5%から95%RHまで増加した場合、約1.2モル当量の水に相当する約3.6%の総質量の増加が起こり;そして、これに次いで、湿度が約95%から約5%RHまで減少した場合、約3.6%の総質量の減少が起こった。ある実施態様において、得られた材料は、化合物B1のHCl塩のB体として特徴付けられ、湿度の存在下でのB体の安定性が示される。化合物B1のHCl塩のB体の、代表的な動的水蒸気吸着/脱着カーブを、図18に示す。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、約75%RH、およそ外気温で、2及び4日間ストレスをかけた場合、B体の試料に実質的な重量の変化は見られず、そして得られた試料は、B体に相当するXRPDパターンを示した。従って、ある実施態様において、B体は、約75%RH、およそ外気温で、物理的に安定である。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、他の技術のうち、例えば、単一結晶X線回折パラメーターから得られ得る、結晶学的パラメーターで特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、初期の単斜空間群で結晶化する。ある実施態様において、空間群はP21/nである。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、C29H34Cl2N6O4Sの化学式を有し、633.60の式量を有し、約150Kで測定した場合、以下の概算の数値と一致する単位格子パラメーターを有する:a=15.6089Å;b=11.9443Å;c=16.9448Å;α=γ=90°;β=101.249°;V=3098.5Å3;Z=4。ある実施態様において、B体の密度の計算値は、約150Kで、およそd計算値=1.358gcm−3である。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、図19記載の熱運動楕円体のプロットにより表され得る。ある実施態様において、B体の結晶パッキング(crystal packing)は、図20記載の結晶パッキングにより表され得る。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のB体は、約150Kで収集された単一結晶XRDデータを用いてシミュレーションされた、図21で示されるシミュレーションXRPDパターンと一致するXRPDパターンを有する。当業者は、XRPDパターン(シミュレーションXRPDパターンを含む)の正確なピーク配置が、例えば、X線回折データが得られた温度に依存して、ある程度シフトし得ることを認識している。具体的な実施態様において、約150Kで収集された単一結晶XRDデータに基づく、化合物B1のHCl塩のB体のシミュレーションXRPDパターンは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークを含む:7.05、9.1、9.4、10.65、12.95、13.35、15.05、15.55、15.75、15.9、17.15、18.55、18.7、18.9、20.5、21.25、22.3、22.65、22.75、22.9、23.35、24.0、24.4、24.75、26.65、27.3、27.65、28.0、28.3、29.05、29.65°2θ。
(5.2.6 化合物B1のHCl塩のC体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のC体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のC体は、化合物B1のHCl塩を含む水溶液の徐速蒸発により得ることができる。ある実施態様において、C体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
ある実施態様において、C体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてC体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、C体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、C体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、C体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のC体の代表的なXRPDパターンを、図22に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のC体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.69、5.14、6.46、8.05、10.44、12.52、13.59、15.22、15.53、15.91、16.54、16.99、17.37、17.78、20.59、21.07、22.11、22.7、23.63、24.33、24.6、26.68、28.24、28.79°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のC体は、1、2、3、4、5又は6の以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.69、12.52、13.59、16.54、20.59、23.63°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のC体は、図22で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.7 化合物B1のHCl塩のD体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のD体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のD体は、一以上の溶媒(アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル及びトリフルオロトルエンが挙げられるが、これらに限定されない)中で、化合物B1のHCl塩をスラリー状とすることにより得ることができる。ある実施態様において、D体は、例えば本明細書に記載のような、高湿度に化合物B1のHCl塩のA体を曝露することによりにより調製することができる。ある実施態様において、D体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
ある実施態様において、D体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてD体の試料を分析、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供するすることにより決定される。ある実施態様において、D体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、D体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、D体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のD体の、代表的なXRPDパターンを、図23に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のD体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.65、7.36、8.67、10.13、11.1、12.55、15.64、16.5、17.33、18.62、20.31、22.08、23.39、25.16、25.71、26.78°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のD体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.65、7.36、10.13、12.55、15.64、17.33、18.62、20.31、22.08、25.71、26.78°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のD体は、図23で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1のHCl塩のD体の代表的な熱特性を、図24及び図25に示す。代表的なDSCサーモグラムが図24で示され、およそ62、228及び268℃で最大の熱事象が見られる。ある実施態様において、D体は、以下の概算の最大温度で一以上の熱事象を含むDSCサーモグラムで特徴付けられる:62、228及び268℃。代表的なTGAサーモグラムが図25で示され、外気温から約100℃までの加熱で試料の総質量の約4.1%の質量の減少が見られる。ある実施態様において、上記の質量の減少は、例えば水の減少等の溶媒の減少を含む。ある実施態様において、D体は、例えば水和物等の溶媒和物である。ある実施態様において、D体は、化合物B1のHCl塩1モルあたり、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5又は3.0モル当量の溶媒(例、水)を含む。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のD体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられる。例えば、ある実施態様において、D体の試料に80℃で3日間ストレスをかけた場合、得られた材料は、D体に相当するXRPDパターンを示す。従って、ある実施態様において、D体は80℃で物理的に安定である。
(5.2.8 化合物B1のHCl塩のE体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のE体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のE体は、一以上の溶媒(ジクロロメタンが挙げられるが、これに限定されない)中で化合物B1のHCl塩をスラリー状とすることにより得ることができる。ある実施態様において、E体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
ある実施態様において、E体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてE体の試料を分析、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、E体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、E体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、E体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のE体の代表的なXRPDパターンを、図26に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のE体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.1、4.1、6.08、7.84、8.81、9.96、12.55、13.63、15.67、16.99、17.85、19.0、20.14、20.62、22.56、24.78、25.95、27.75°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のE体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.1、6.08、9.96、13.63、16.99、17.85、19.0、22.56、24.78、25.95、27.75°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のE体は、およそ6.08°2θに配置されたXRPDピークで特徴付けられる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のE体は、図26で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1のHCl塩のE体の代表的な熱特性を、図27及び図28に示す。代表的なDSCサーモグラムが図27で示され、およそ82、240及び269℃で最大の熱事象が見られる。ある実施態様において、E体は、以下の概算の最大温度の一以上の熱事象を含むDSCサーモグラムで特徴付けられる:82、240及び269℃。代表的なTGAサーモグラムが図28に示され、外気温から約85℃までの加熱で試料の総質量の約2.6%の質量の減少が見られる。ある実施態様において、上記の質量の減少は、溶媒の減少(例、水の減少)を含む。ある実施態様において、E体は、溶媒和物(例、水和物)である。ある実施態様において、E体は、化合物B1のHCl塩1モルあたり、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5又は3.0モル当量の溶媒(例、水及び/又はジクロロメタン)を含む。
(5.2.9 化合物B1のHCl塩のF体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のF体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のF体は、一以上の溶媒(エタノール及び水が挙げられるが、これらに限定されない)中での化合物B1のHCl塩の結晶化により得ることができる。ある実施態様において、F体は、エタノール中での化合物B1のHCl塩を含む溶液の急速蒸発により得られる。ある実施態様において、F体は、1:4 水:エタノール溶液中での化合物B1のHCl塩の溶液の徐速冷却により得られる。ある実施態様において、F体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
ある実施態様において、F体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてF体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、F体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、F体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、F体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のF体の代表的なXRPDパターンを、図29に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のF体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:2.26、4.1、5.24、7.39、7.67、8.29、9.3、10.55、12.45、13.39、14.11、14.7、15.78、16.78、17.23、17.71、18.79、19.83、21.97、22.67、23.39、23.95、26.3、26.58、27.34、27.93°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のF体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:2.26、4.1、5.24、7.39、7.67、8.29、15.78、16.78、17.23、17.71、18.79、26.3、26.58、27.34°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のF体は、およそ8.29°2θで配置されたXRPDピークで特徴付けられる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のF体は、図29で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1のHCl塩のF体の代表的な熱特性を、図30及び図31で示す。代表的なDSCサーモグラムは図30で示され、およそ85、237及び272℃で最大の熱事象が見られる。ある実施態様において、F体は、以下の概算の最大温度の一以上の熱事象を含むDSCサーモグラムで特徴付けられる:85、237及び272℃。代表的なTGAサーモグラムは図31で示され、外気温から約110℃までの加熱で試料の総質量の約4.6%の質量の減少が見られる。ある実施態様において、上記の質量の減少は、溶媒の減少(例、水、エタノール又は水及びエタノールの減少)を含む。ある実施態様において、F体は、溶媒和物(例、水和物又はエタノール和物又は水和物/エタノール和物の混合物)である。ある実施態様において、F体は、化合物B1のHCl塩 1モルあたり、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5又は3.0モル当量の溶媒(例、エタノール及び/又は水)を含む。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のF体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、F体の試料に80℃で3日間ストレスをかけた場合、得られた材料からは、XRPDパターンが、F体の特徴的なものに相当するマイナーピークで示されるように、実質的に無秩序であるが、あるF体含有量を保持している、固体であることを示していることが示されている。
(5.2.10 化合物B1のHCl塩のG体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のG体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のG体は、一以上の溶媒(水、1,4−ジオキサン及び水/ジオキサン混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中での化合物B1のHCl塩の結晶化により得ることができる。ある実施態様において、G体は、1:9 水:1,4−ジオキサンを含む溶媒系中で、化合物B1のHCl塩をスラリー状とすることによりにより得られる。ある実施態様において、F体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
ある実施態様において、G体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてG体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、G体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、G体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、G体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のG体の代表的なXRPDパターンを、図32に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のG体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.27、9.58、10.61、12.31、13.56、15.01、16.61、17.4、18.23、19.52、20.0、20.42、21.28、22.01、22.63、23.08、23.53、24.33、24.67、25.85、27.27、30.24、31.63°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のG体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.27、12.31、13.56、16.61、18.23、19.52、20.0、20.42、21.28、22.01、22.63、23.08、23.53、24.67、27.27°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のG体は、およそ21.28°2θに配置されたXRPDピークで特徴付けられる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のG体は、図32で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1のHCl塩のG体の代表的な熱特性を、図33及び図34に示す。代表的なDSCサーモグラムが、図33に示され、およそ67、115、241及び267℃で最大の熱事象が見られる。ある実施態様において、G体は、以下の概算の最大温度での一以上の熱事象を含むDSCサーモグラムで特徴付けられる:67、115、241及び267℃。代表的なTGAサーモグラムが図34で示され、外気温から約85℃までの加熱で、試料の総質量の約13.7%の質量の減少が見られる。ある実施態様において、上記の質量の減少は、溶媒の減少、(例、水、1,4−ジオキサン又は水及び1,4−ジオキサンの減少)を含む。ある実施態様において、G体は、溶媒和物(例、水和物又は1,4−ジオキサン和物又は水和物/1,4−ジオキサン和物の混合物)である。ある実施態様において、G体は、化合物B1のHCl塩1モルあたり、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5又は3.0モル当量の溶媒(例、水及び/又は1,4−ジオキサン)を含む。
(5.2.11 化合物B1のHCl塩のH体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のH体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のH体は、一以上の溶媒(イソプロパノール、水、メタノール、アセトン及び2以上のそれらの混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中で化合物B1のHCl塩を結晶化することにより得ることができる。ある実施態様において、H体は、イソプロパノール及び水を含む溶媒系中で化合物B1のHCl塩をスラリー状とすることにより得られる。ある実施態様において、H体は、メタノール及びアセトンを含む溶媒系中で化合物B1のHCl塩をスラリー状とすることにより得られる。ある実施態様において、H体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
ある実施態様において、H体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてH体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、H体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、H体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、H体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のH体の代表的なXRPDパターンを、図35に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のH体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されるXRPDピークで特徴付けられる:4.24、5.66、8.81、9.23、9.85、11.55、12.49、13.28、14.01、15.88、16.23、16.64、16.95、17.2、17.78、18.13、18.72、19.03、19.34、19.76、20.38、21.32、22.39、23.15、23.53、24.12、24.71、25.12、26.06、26.58、26.85、27.58、28.17、29.66、30.55、32.18、34.7°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のH体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.24、5.66、8.81、9.23、11.55、12.49、13.28、14.01、15.88、16.23、16.95、17.78、18.72、19.03、19.34、19.76、21.32、23.53、24.12、24.71、25.12、26.06、26.58、26.85、27.58、29.66°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のH体は、1、2、3、4、5又は6の以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.66、8.81、9.23、14.01、24.12、29.66°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のH体は、図35で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
化合物B1のHCl塩のH体の代表的な熱特性を、図36及び図37に示す。代表的なDSCサーモグラムが、図36で示され、およそ86、178、248及び273℃で最大の熱事象が見られる。ある実施態様において、H体は、以下の概算の最大温度での一以上の熱事象を含むDSCサーモグラムで特徴付けられる:86、178、248及び273℃。代表的なTGAサーモグラムが図37に示され、外気温から約150℃までの加熱で試料の総質量の約2.7%の質量の減少が見られる。ある実施態様において、上記の質量の減少は、溶媒の減少(例、イソプロパノール、水、メタノール、アセトン又は2以上のそれらの混合溶媒の減少)を含む。ある実施態様において、H体は、溶媒和物(例、水和物又は溶媒和物又は水和物/溶媒和物の混合物)である。ある実施態様において、H体は、化合物B1のHCl塩 1モルあたり、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5又は3.0モル当量の溶媒(例、イソプロパノール(ispropanol)、水、メタノール、アセトン)を含む。
(5.2.12 化合物B1のHCl塩のI体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のI体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のI体は、メタノール、酢酸エチル又はそれらの混合溶媒中で、化合物B1のHCl塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、I体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)から結晶化することにより得ることができる。
ある実施態様において、I体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてI体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、I体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、I体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHCl相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、I体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のI体の代表的なXRPDパターンを、図38に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のI体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されるXRPDピークで特徴付けられる:3.96、4.82、5.79、9.81、10.29、11.74、13.41、13.72、14.72、15.8、16.21、17.39、18.25、18.88、19.64、19.99、20.92、21.79、23.42、24.53、25.53、26.36、27.06、27.47、27.96、28.89、29.83、30.94、32.43、35.31、37.87、39.4°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のI体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されるXRPDピークで特徴付けられる:3.96、4.82、9.81、10.29、14.72、15.8、16.21、17.39、18.25、19.64、21.79、26.36、27.06°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のI体は、1又はその両方の以下の概算の位置に配置されるXRPDピークで特徴付けられる:9.81、14.72°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のI体は、図38で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.13 化合物B1のHCl塩のJ体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のJ体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のJ体は、メタノール、水又はそれらの混合溶液中で、化合物B1のHCl塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、J体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。具体的な実施態様において、J体は、メタノール及び化合物B1のHCl塩を含む溶液の急速蒸発又はクラッシュ冷却により得ることができる。
ある実施態様において、J体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてJ体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、J体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、J体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、J体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のJ体の代表的なXRPDパターンを、図39に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のJ体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.71、4.82、5.24、9.36、11.19、12.89、15.55、16.07、16.7、17.6、19.88、20.47、21.68、22.24、23.21、23.83、24.66、25.01、25.81、26.4、28.58、28.89°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のJ体は、1、2、3、4、5、6、7又は8の以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.82、5.24、11.19、12.89、15.55、17.6、20.47、22.24°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のJ体は、図39で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.14 化合物B1のHCl塩のK体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のK体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のK体は、2,2,2,−トリフルオロエタノール(TFE)、p−ジオキサン、水又は2以上のそれらの混合溶媒中、化合物B1のHCl塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、K体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。具体的な実施態様において、K体は、TFE、p−ジオキサン及び化合物B1のHCl塩を含む溶液からのクラッシュ沈殿により得ることができる。
ある実施態様において、K体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてK体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、K体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、K体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、K体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のK体の代表的なXRPDパターンを、図40に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のK体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.71、6.86、7.52、7.94、10.36、15.0、15.9、16.52、17.11、17.63、17.84、18.95、20.06、20.89、22.58、23.83、25.95、26.5、27.3、27.71°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のK体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.71、7.52、7.94、10.36、16.52、17.11、17.63、17.84、25.95、27.3、27.71°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のK体は、およそ7.94°2θのXRPDピークで特徴付けられる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のK体は、図40で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.15 化合物B1のHCl塩のL体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のL体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のL体は、エタノール、2,2,2,−トリフルオロエタノール(TFE)、水又は2以上のそれらの混合溶媒中で、化合物B1のHCl塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、L体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。具体的な実施態様において、L体は、エタノール、TFE及び化合物B1のHCl塩を含む溶液の徐速蒸発により得ることができる。
ある実施態様において、L体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてL体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、L体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、L体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、L体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のL体の代表的なXRPDパターンを、図41に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のL体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.2、4.82、8.46、9.88、11.5、12.37、13.23、14.76、15.97、16.8、17.77、18.15、18.53、19.05、19.43、19.85、20.47、21.23、21.51、22.45、23.0、24.66、25.32、26.05、28.1、28.51°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のL体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.2、4.82、12.37、13.23、15.97、17.77、18.15、18.53、19.05、19.43、19.85、21.51、24.66、25.32、26.05°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のL体は、図41で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.16 化合物B1のHCl塩のM体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のM体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のM体は、メタノール、水又は2以上のそれらの混合物中で、化合物B1のHCl塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、M体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化することにより得ることができる。具体的な実施態様において、M体は、メタノール及び化合物B1のHCl塩を含む溶液のクラッシュ冷却により得ることができる。
ある実施態様において、M体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてM体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、M体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、M体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、M体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のM体の代表的なXRPDパターンを、図42に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のM体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.06、5.2、8.49、11.05、11.4、12.92、14.13、14.96、16.07、16.7、17.74、19.02、19.81、20.96、22.17、23.0、24.39、25.15、25.91、27.06、28.2、28.65、29.41、29.9、31.42、34.65、35.34°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のM体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.06、5.2、11.05、11.4、12.92、16.07、17.74、19.81、22.17、23.0、24.39、25.15、28.2、28.65°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のM体は、1又はその両方の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:28.2、28.65°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のM体は、図42で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.17 化合物B1のHCl塩のN体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のN体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のN体は、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ニトロメタン、水又は2以上のそれらの混合溶媒中で、化合物B1のHCl塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、N体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。具体的な実施態様において、N体は、4:1 エタノール:2,2,2,−トリフルオロエタノール及び化合物B1のHCl塩を含む溶液の徐速蒸発により得ることができる。具体的な実施態様において、N体は、4:1 ニトロメタン:2,2,2,−トリフルオロエタノール及び化合物B1のHCl塩を含む溶液の徐速蒸発により得ることができる。具体的な実施態様において、N体は、THFを2,2,2,−トリフルオロエタノール及び化合物B1のHCl塩を含む溶液と混合してクラッシュ沈殿することにより、得ることができる。具体的な実施態様において、N体は、2,2,2,−トリフルオロエタノール及び化合物B1のHCl塩を含む溶液へ、p−ジオキサンを蒸気拡散することにより得ることができる。
ある実施態様において、N体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてN体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、N体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、N体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、N体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のN体の代表的なXRPDパターンを、図43に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のN体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.47、3.92、4.41、5.0、6.66、6.97、7.97、10.6、11.99、12.37、13.27、14.45、15.93、16.49、18.32、19.74、22.24、23.14、24.39、25.88、26.29、26.95°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のN体は、1、2、3、4、5、6又は7の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.47、3.92、10.6、15.93、18.32、25.88、26.29°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のN体は、図43で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.18 化合物B1のHCl塩のO体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩のO体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のO体は、メタノール、水又はそれらの混合溶媒中、化合物B1のHCl塩を含む溶液から沈殿させることにより、得ることができる。ある実施態様において、O体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。具体的な実施態様において、O体は、メタノール及び化合物B1のHCl塩を含む溶液をクラッシュ冷却することにより、得ることができる。
ある実施態様において、O体HCl塩の塩素含有量は、塩素含有量についてO体の試料を分析すること、例えば、元素分析、塩素滴定及び/又はイオンクロマトグラフィーに供することにより決定される。ある実施態様において、O体は、化合物B1 1モルあたり、約0.5から約1.0、約1.0から約1.5、約1.5から約2.0又は約2.0から約2.5モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、O体は、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量のHClに相当する塩素含有量を有する。ある実施態様において、O体は、化合物B1のビス−HCl塩である。
化合物B1のHCl塩のO体の代表的なXRPDパターンを、図44に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のO体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:2.95、4.06、6.41、8.59、9.53、11.05、11.5、11.78、12.89、14.27、14.79、15.21、16.25、16.66、17.46、18.19、19.4、19.88、20.54、21.68、22.17、24.53、25.25、25.67、27.12、27.75、28.68、29.62、31.56°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のO体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:2.95、4.06、6.41、8.59、9.53、11.05、12.89、14.27、15.21、16.25、18.19、19.88、21.68、22.17、25.25、25.67、27.12°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のO体は、1、2、3、4又は5の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:2.95、8.59、9.53、14.27、15.21°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のO体は、図44で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.19 化合物B1のHCl塩のアモルファス形態)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHCl塩を含むアモルファス形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩を含むアモルファス形態を、適切な溶媒(例えば、水であるが、これに限定されない)中で、化合物B1のHCl塩を含む結晶形態を凍結乾燥(freeze drying)することにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩を含むアモルファス形態は、化合物B1のHCl塩を含む結晶形態を粉砕することにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩を含むアモルファス形態は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩を含むアモルファス形態は、イソプロパノール中で化合物B1のHCl塩をスラリー状とすることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩を含むアモルファス形態は、化合物B1のHCl塩及び水を含む溶液を蒸発させることにより得ることができる。
化合物B1のHCl塩のアモルファス形態の代表的なXRPDパターンを、図45に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のアモルファス形態は、図45で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のアモルファス形態は、ストレス条件下のその挙動で特徴付けられる。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のアモルファス形態は、75%RH、外気温で3日間の曝露後は、XRPDで示されるように、変化がないままである。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のアモルファス形態は、75%RH、外気温で3日間の曝露時には、約4.3モル当量の水に相当する約12.3%の重量増加を示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のアモルファス形態は、40℃、8日間の曝露後は、XRPDで示されるように、変化がないままである。
粉砕により得られた化合物B1のHCl塩のアモルファス形態の代表的な変調DSCサーモグラムを、図46に示す。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のアモルファス形態の変調DSCサーモグラムでは、ガラス転移事象が観察されない。ある実施態様において、化合物B1のHCl塩のアモルファス形態は、図46で示されるサーモグラムと一致する変調DSCサーモグラムで特徴付けられる。
(5.2.20 化合物B1のHBr塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のHBr塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体は、様々な溶媒(メタノール、水及びそれらの混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中で化合物B1をHBrと反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、HBrは、溶液として(例、濃水溶液として)反応にチャージされ得る。ある実施態様において、HBrを、化合物B1と、化学量論的にA体HBr塩を生成させるのに適切な量で反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のHBrを添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のHBrを添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、約2.5モル当量のHBrを添加する。
ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体は、溶媒系(溶媒(例えば、メタノール、水又はそれらの混合溶媒等の溶媒が挙げられるが、これらに限られない)を含む)中で、化合物B1のHBr塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体は、メタノール、水又はそれらの混合溶媒中で、化合物B1のHBr塩をスラリー状とすることにより、得ることができる。ある実施態様において、HBr塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のHBr塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図47に示す。ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:6.84、9.16、9.4、10.44、11.34、12.83、13.14、14.91、15.39、15.84、16.47、16.95、17.23、18.34、19.83、20.28、20.66、21.8、22.22、22.53、23.05、23.57、24.15、25.85、26.61、26.96、27.44、28.27、28.72、29.07、30.21、30.9、32.08、32.42、34.36、35.53、37.57、38.82°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:6.84、9.16、9.4、10.44、11.34、14.91、18.34、20.28、20.66、22.22、22.53、26.96、27.44、28.27°2θ。ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体は、図47で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したA体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図48に示す。
ある実施態様において、化合物B1のHBr塩のA体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、A体の試料を75%RHで4日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、HBr塩のA体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.21 化合物B1の硫酸塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1の硫酸塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のA体は、化合物B1を硫酸と様々な溶媒(水、アセトニトリル、ジオキサン及び2以上のそれらの混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、硫酸を、化合物B1と、A体硫酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量の硫酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量の硫酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のA体は、適切な溶媒系(例えば、水、アセトニトリル、ジオキサン又は2以上のそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)中で、化合物B1の硫酸塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のA体は、水、アセトニトリル及びジオキサンを含む溶媒系中で、化合物B1の硫酸塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1の硫酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図49に示す。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のA体は、図49で示されるA体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.22 化合物B1の硫酸塩のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1の硫酸塩のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のB体は、化合物B1を硫酸と様々な溶媒(水が挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、硫酸を、B体硫酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量の硫酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、1.5モル当量の硫酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量の硫酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のB体は、適切な溶媒系(例えば、水を含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1の硫酸塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のB体は、化合物B1の硫酸塩を、水を含む溶媒系中で、適切な温度(例、約60℃)で、適切な時間(例、約30分間)スラリー状とすることから得ることができる。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のB体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1の硫酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを、図49に示す。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のB体は、図49で示されるB体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.23 化合物B1の硫酸塩のC体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1の硫酸塩のC体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、化合物B1を硫酸と様々な溶媒(メタノール、アセトニトリル、アセトン、水及び2以上のそれらの混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、硫酸を化合物B1と、C体硫酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量の硫酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量の硫酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、適切な溶媒系(例えば、メタノール、アセトニトリル、アセトン、水又は2以上のそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)中で、化合物B1の硫酸塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、メタノール、アセトニトリル、アセトン、水又は2以上のそれらの混合溶媒を含む溶媒系中で、化合物B1の硫酸塩をスラリー状とすることから得ることができる。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1の硫酸塩のC体の代表的なXRPDパターンを、図49に示す。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.2、4.79、5.87、6.73、7.81、8.92、9.89、11.48、12.59、14.74、16.19、23.46、26.33°2θ。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、1、2、3、4、5又は6の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.2、4.79、9.89、11.48、16.19、26.33°2θ。ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、図49で示されるC体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したC体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図50で示す。
ある実施態様において、化合物B1の硫酸塩のC体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられる。例えば、ある実施態様において、C体の試料を75%RHで7日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、硫酸塩のC体は湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.24 化合物B1のメシル酸塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のメシル酸塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、化合物B1をメタンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、メタンスルホン酸を、A体メシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のメタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、約1.2モル当量のメタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のメタンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中、化合物B1のメシル酸塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、メタノールを含む溶媒系から、化合物B1のメシル酸塩を含む溶液をクラッシュ冷却することから得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のメシル酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図51に示す。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、1、2、3又は4の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.28、7.74、9.02、26.2°2θ。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、図51で示されるA体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したA体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図52に示す。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、およそ1:1 メタンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、A体の試料を75%RH及び外気温で5日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のA体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.25 化合物B1のメシル酸塩のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のメシル酸塩のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、化合物B1をメタンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、メタンスルホン酸を、B体メシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のメタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のメタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、約2.2モル当量のメタンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のメシル酸塩を含む溶液から沈殿させることにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、メタノールを含む溶媒系から、化合物B1のメシル酸塩を含む溶液をクラッシュ冷却することから得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のメシル酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを、図51に示す。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、1、2、3、4、5又は6の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.69、5.18、8.95、19.34、21.59、26.3°2θ。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、図51で示されるB体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したB体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図53に示す。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、およそ1.5:1 メタンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、B体の試料を、75%RH及び外気温で4日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のメシル酸塩のB体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.26 化合物B1のエシル酸塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のエシル酸塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のA体は、様々な溶媒(メタノール、エーテル及びそれらの混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中で、エタンスルホン酸と化合物B1を反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、エタンスルホン酸を、A体エシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のエタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のエタンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のA体は、沈殿させること、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノール、エーテル又はそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)中で、化合物B1のエシル酸塩を含む溶液からクラッシュ沈殿させることにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)から結晶化することにより得ることができる。
化合物B1のエシル酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図54に示す。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のA体は、図54で示されるA体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.27 化合物B1のエシル酸塩のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のエシル酸塩のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、化合物B1をエタンスルホン酸と様々な溶媒(メタノール、エーテル及びそれらの混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、エタンスルホン酸を、B体エシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のエタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のエタンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノール、エーテル又はそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)中で、化合物B1のエシル酸塩を含む溶液から急速蒸発させることにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のエシル酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを、図54に示す。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.38、6.91、7.57、9.16、9.47、10.65、12.94、13.25、13.73、15.05、15.78、15.95、16.36、17.71、18.3、20.07、22.6、26.09°2θ。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、図54で示されるB体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したB体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図55に示す。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、およそ1:1 エタンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、B体の試料を75%RH及び外気温で7日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のB体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.28 化合物B1のエシル酸塩のC体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のエシル酸塩のC体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のC体は、化合物B1をエタンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、エタンスルホン酸を、C体エシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のエタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のエタンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、約2.5モル当量の エタンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のC体は、沈殿させること、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のエシル酸塩を含む溶液からクラッシュ冷却することにより得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のC体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)から結晶化することにより得ることができる。
化合物B1のエシル酸塩のC体の代表的なXRPDパターンを、図54に示す。ある実施態様において、化合物B1のエシル酸塩のC体は、図54で示されるC体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.29 化合物B1のエジシル酸塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のエジシル酸塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、化合物B1を1,2−エタンジスルホン酸と様々な溶媒(メタノール、エーテル及びそれらの混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、1,2−エタンジスルホン酸を、A体エジシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量の1,2−エタンジスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、1.5モル当量の1,2−エタンジスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量の1,2−エタンジスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系中で、化合物B1のエジシル酸塩を含む溶液(例えば、メタノール、エーテル又はそれらの混合溶媒を含む溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない)からクラッシュ冷却させることにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のエジシル酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図56に示す。ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.28、9.09、10.37、12.07、14.15、15.98、16.75、17.85、19.62、21.63、22.11、25.37、26.26°2θ。ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、1、2、3、4、5又は6の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.28、9.09、14.15、15.98、25.37、26.26°2θ。ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、図56で示されるパターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したA体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図57に示す。ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、およそ1:1 エタンジスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、A体の試料を、75%RH及び外気温で7日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のエジシル酸塩のA体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.30 化合物B1のベシル酸塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のベシル酸塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、化合物B1をベンゼンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、ベンゼンスルホン酸を、A体ベシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のベンゼンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、1モル当量のベンゼンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のベンゼンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のベシル酸塩を含む溶液からクラッシュ冷却することにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のベシル酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図58に示す。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置で配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.04、7.08、8.02、8.43、10.06、10.41、13.49、15.08、16.88、18.82、21.94、25.92、26.44、27.1、28.34°2θ。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、1、2、3、4、5、6、7、8又は9の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.04、8.02、8.43、13.49、15.08、16.88、25.92、26.44、27.1°2θ。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、図58で示されるA体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したA体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図59で示す。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、およそ1:1 ベンゼンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、A体の試料を75%RH及び外気温で3日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のA体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.31 化合物B1のベシル酸塩のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のベシル酸塩のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、化合物B1をベンゼンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、ベンゼンスルホン酸を、B体ベシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のベンゼンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のベンゼンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、2.5モル当量のベンゼンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のベシル酸塩を含む溶液からクラッシュ冷却させることにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のベシル酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを、図58に示す。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.14、6.25、8.78、10.37、13.21、13.66、15.01、15.22、16.92、17.68、18.62、18.89、19.31、26.61、27.06、27.54、28.51°2θ。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、1、2、3又は4の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:5.14、6.25、16.92、26.61°2θ。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、図58で示されるB体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したB体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図60に示す。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、およそ1.6:1 ベンゼンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、B体の試料を75%RH及び外気温で7日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のベシル酸塩のB体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.32 化合物B1のトシル酸塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のトシル酸塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のA体は、化合物B1をトルエンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより、得ることができる。ある実施態様において、トルエンスルホン酸を、A体トシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、1モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のA体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のトシル酸塩を含む溶液から、クラッシュ冷却することにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のトシル酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図61に示す。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のA体は、図61で示されるA体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.33 化合物B1のトシル酸塩のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のトシル酸塩のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、化合物B1をトルエンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、トルエンスルホン酸を、B体トシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、1.5モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のトシル酸塩を含む溶液からクラッシュ冷却することにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のトシル酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを、図61に示す。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.93、6.77、7.95、9.89、10.79、12.45、12.8、13.77、14.91、15.33、16.75、21.77、22.6、26.02、26.92°2θ。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、1、2、3、4、5又は6の、以下の概算の位置に配置されるXRPDピークで特徴付けられる:4.93、7.95、14.91、16.75、26.02、26.92°2θ。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、図61で示されるB体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したB体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図62に示す。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、およそ1:1 トルエンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、B体の試料を75%RH及び外気温で5日間保持した場合でも、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のB体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.34 化合物B1のトシル酸塩のC体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のトシル酸塩のC体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のC体は、化合物B1をトルエンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、トルエンスルホン酸を、C体トシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、2.5モル当量のトルエンスルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のC体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のトシル酸塩を含む溶液からクラッシュ冷却することにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のC体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のトシル酸塩のC体の代表的なXRPDパターンを、図61に示す。ある実施態様において、化合物B1のトシル酸塩のC体は、図61で示されるC体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
(5.2.35 化合物B1のナプシル酸塩のA体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のナプシル酸塩のA体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、化合物B1をナフタレンスルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、ナフタレン−2−スルホン酸を、A体ナプシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のナフタレン−2−スルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のナフタレン−2−スルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、1.5モル当量のナフタレン−2−スルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のナプシル酸塩を含む溶液からクラッシュ冷却することにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のナプシル酸塩のA体の代表的なXRPDパターンを、図63に示す。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、以下の概算の位置に配置されるXRPDピークで特徴付けられる:3.03、4.76、5.28、7.74、10.34、11.06、13.46、14.39、15.5、16.71、17.2、17.68、18.79、21.87、24.08、24.88、25.71°2θ。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、1、2、3、4又は5の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:3.03、4.76、5.28、7.74、25.71°2θ。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、図63で示されるA体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したA体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図64に示す。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、およそ1:1 ナフタレンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、A体の試料を75%RH及び外気温で7日間保持した場合、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のA体は、湿度の点で物理的に安定である。
(5.2.36 化合物B1のナプシル酸塩のB体)
本明細書中のある実施態様は、化合物B1のナプシル酸塩のB体結晶形態を提供する。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、化合物B1をナフタレン−2−スルホン酸と様々な溶媒(メタノールが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させることにより得ることができる。ある実施態様において、ナフタレン−2−スルホン酸を、B体ナプシル酸塩を化学量論で生成させるのに適切な量で、化合物B1と反応させる。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約1モル当量のナフタレン−2−スルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、少なくとも約2モル当量のナフタレン−2−スルホン酸を添加する。ある実施態様において、化合物B1 1モルあたり、2.5モル当量のナフタレン−2−スルホン酸を添加する。
ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、沈殿させることにより、例えば、適切な溶媒系(例えば、メタノールを含む溶媒系が挙げられるが、これに限定されない)中で、化合物B1のナプシル酸塩を含む溶液からクラッシュ冷却することにより、得ることができる。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、溶媒、水又は溶媒/水混合溶媒(一般的な実験用の有機溶媒が挙げられるが、これに限定されない)からの結晶化により得ることができる。
化合物B1のナプシル酸塩のB体の代表的なXRPDパターンを、図63に示す。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、1、2、3、4又は5の、以下の概算の位置に配置されたXRPDピークで特徴付けられる:4.76、7.77、15.46、21.94、25.68°2θ。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、図63で示されるB体パターンと一致するXRPDパターンで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体の試料の化学的プロファイルは、液体(solution)NMR分析で特徴付けられ得る。DMSO−d6に溶解したB体の試料の代表的な1H NMRスペクトルを、図65に示す。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、およそ2:1 ナフタレンスルホン酸:化合物B1の比を示すプロトン積分値を有する1H NMRスペクトルで特徴付けられる。
ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、ストレス条件下での保存時のその挙動で特徴付けられ得る。例えば、ある実施態様において、B体の試料を75%RH及び外気温で7日間保持した場合、得られた材料は潮解しない。ある実施態様において、化合物B1のナプシル酸塩のB体は、湿度の点で物理的に安定である。
5.3 使用方法
本明細書はまた、プロテインキナーゼ活性を媒介する又は介して作用する疾患又は障害、或いはプロテインキナーゼ活性を媒介する又は介して作用する疾患又は障害の一以上の症状の、治療、予防又は改善のための、化合物B1を含む固形の使用方法を提供する(Krause and Van Etten, N Engl J Med (2005) 353(2):172-187、Blume-Jensen and Hunter, Nature (2001) 411(17): 355-365及びPlowman et al., DN&P, 7:334-339 (1994)参照)。そのような疾患又は障害としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
1)Kit媒介上皮性悪性腫瘍、腺癌、扁平上皮癌、腺扁平上皮癌、奇形癌、頭頸部癌、口腔癌、咽喉癌、食道癌、気管支癌、咽頭(pharyx)癌、胸部癌、直腸癌、子宮癌、脳腫瘍、頭蓋内上皮性悪性腫瘍、神経膠芽腫(PDGFR媒介神経膠芽腫を含む)、多形性膠芽腫(PDGFR媒介多形性膠芽腫を含む)、神経芽細胞腫、喉頭癌、多発性内分泌腫瘍症2A及び2B(MENS 2A及びMENS 2B)(RET媒介MENSを含む)、甲状腺癌(散発性及び家族性甲状腺髄様癌を含む)、甲状腺乳頭癌、副甲状腺癌(いずれかのRET媒介甲状腺癌を含む)、濾胞性甲状腺癌、組織非形成性甲状腺癌、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、肺癌、小細胞肺癌(flt−3及び/又はKit媒介小細胞肺癌を含む)、胃癌(stomach/gastric癌)、消化管癌、消化管間葉性腫瘍(GIST)(Kit媒介GIST及びPDGFRα媒介GISTを含む)、結腸癌、結腸直腸癌、膵癌、膵島細胞腫、肝臓癌(hepatic/liver癌)、肝臓への転移、膀胱癌、腎臓癌、腎細胞癌(PDGFR媒介腎細胞癌を含む)、尿生殖路の癌、卵巣癌(Kit媒介及び/又はPDGFR媒介卵巣癌を含む)、子宮内膜癌(CSF−1R媒介子宮内膜癌を含む)、子宮頸癌、乳癌(Flt−3媒介及び/又はPDGFR媒介乳癌を含む)、前立腺癌(Kit媒介前立腺癌を含む)、精巣の癌、胚細胞性腫瘍(Kit媒介胚細胞性腫瘍を含む)、セミノーマ(Kit媒介セミノーマを含む)、未分化胚細胞腫(Kit媒介未分化胚細胞腫を含む)、メラノーマ(PDGFR媒介メラノーマを含む)、骨への転移(CSF−1R媒介骨転移性の乳癌、前立腺癌及びその他の癌を含む)、転移性腫瘍(VEGFR媒介腫瘍を含む)、間質性腫瘍、神経内分泌腫瘍、腫瘍血管新生(VEGFR媒介腫瘍血管新生を含む)、中胚葉性混合腫瘍、VEGFR2媒介頭蓋内腫瘍(多形性膠芽腫を含む)、並びに散発性及びフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)症候群に関する毛細血管芽細胞腫を含む、上皮性悪性腫瘍;
2)PDGFR媒介非上皮性悪性腫瘍、骨肉腫、骨原性肉腫、骨癌、神経膠腫(PDGFR媒介及び/又はCSF−1R媒介神経膠腫を含む)、星状細胞腫、血管腫瘍(VEGFR媒介血管腫瘍を含む)、カポジ肉腫、癌肉腫、血管肉腫(VEGFR3媒介血管肉腫を含む)、リンパ管肉腫(VEGFR3媒介リンパ管肉腫を含む)、VEGFR3媒介リンパ脈管新生を含む、非上皮性悪性腫瘍;
3)骨髄腫、白血病、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)(flt−3媒介及び/又はKIT媒介及び/又はCSF1R媒介急性骨髄性白血病を含む)、慢性骨髄性白血病(CML)(Flt−3媒介及び/又はPDGFR媒介慢性骨髄性白血病を含む)、骨髄異形成白血病(Flt−3媒介骨髄異形成白血病を含む)、骨髄異形成症候群(Flt−3媒介及び/又はKit媒介骨髄異形成症候群を含む)、特発性好酸球増多症候群(HES)(PDGFR媒介HESを含む)、慢性好酸球性白血病(CEL)(PDGFR媒介CELを含む)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、マスト細胞白血病(Kit媒介マスト細胞白血病を含む)又は全身性肥満細胞症(Kit媒介全身性肥満細胞症を含む);
c)リンパ腫、リンパ球増殖性疾患、急性リンパ性白血病(ALL)、B−細胞急性リンパ性白血病、T−細胞急性リンパ性白血病、ナチュラルキラー(NK)細胞白血病、B−細胞リンパ腫、T−細胞リンパ腫及びナチュラルキラー(NK)細胞リンパ腫(これらのいずれもFlt−3媒介及び/又はPDGFR媒介であってよい)、ランゲルハンス細胞組織球増加症(CSF−1R媒介及びflt−3媒介ランゲルハンス細胞組織球増加症を含む)、マスト細胞腫瘍及びマスト細胞症;
4)良性増殖疾患;アテローム性動脈硬化(PDGFR媒介アテローム性動脈硬化を含む)、血管形成後の再狭窄(PDGFR媒介再狭窄を含む)及び線維増殖性障害(例えば、閉塞性細気管支炎及び特発性骨髄線維症であり、それらの両方はPDGFR媒介であってもよい);
5)免疫機能障害、免疫不全症、免疫調節、自己免疫性疾患、組織移植片拒絶反応、移植片対宿主拒絶反応、創傷治癒、腎臓疾患、多発性硬化症、甲状腺炎、I型糖尿病、サルコイドーシス、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患(クローン病を含む)及び潰瘍性大腸炎(UC)に関連する、炎症性疾患又は障害、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節症、リウマチ様関節炎、骨粗鬆症、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)(flt−3媒介及び/又はCSF−1R媒介性の上記の任意の疾患を含む);及び
6)ウイルス又は細菌性病原体のどちらかに媒介された感染症及び敗血症(KIT媒介敗血症を含む)。
また、本明細書中で提供される化合物及び組成物、又はその医薬上許容される誘導体を用いた、細胞、組織又は生物全体中のキナーゼの、活性又は細胞内分布を調節する方法も提供する。
高い興味を引くキナーゼ、即ち、一以上の上記の疾患又は障害を媒介するキナーゼとしては、以下のようなクラスIIIレセプターチロシンキナーゼ(RTKs)が挙げられるが、これらに限定されない:
1)PDGFRα、PDGFRβ、CSF−1R/FMS、Kit及びFlt3を含む、血小板由来増殖因子レセプター(PDGFR)サブファミリー;
2)VEGFR1(Flt1)、VEGFR2(KDR又はFlk1)及びVEGFR3(Flt4)を含む、血管内皮増殖因子(VEGF)レセプターサブファミリー;
3)インスリン様成長因子Iレセプター(IGF−1R)を含む、インスリンレセプター(IR)サブファミリー;
4)Ret;
5)HER(EGFR)サブファミリー;
6)FGFRサブファミリー;
7)HGFR(Met)サブファミリー;
8)Ablプロテインチロシンサブファミリー;
9)Src、Yes1、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、Fgr及びYrkを含む、Srcサブファミリー;
10)Frk、Btk、Csk、Abl、Fes、Fps、Fak、Jak及びAck(及びそれらの各々のサブファミリー);
11)前立腺由来無精子症20、無精子症11及び無精子症7からなる群から選択されるキナーゼ;
12)camキナーゼサブファミリー(カルモジュリン調節キナーゼ及び関連キナーゼ);
13)AGCサブファミリー;及び
14)CMGCサブファミリー(cdk、mapキナーゼ、グリコーゲン合成酵素キナーゼ及びclk)。
(併用療法)
また、医薬組成物及びその製剤を含む本明細書中で提供される固形は、上記の症状及び疾患を治療するための多岐に渡る併用療法において使用され得ることが、当業者に理解されるであろう。従って、本明細書では、本明細書に記載の疾患/症状の治療に活性のある他の医薬と併用して、本明細書中で提供される固形を使用することも意図している。ある併用が、具体的なタイプの疾患又は障害、及び症状、並びにそのような疾患又は障害に関連する症状の治療に相乗的に作用し得ると考えられる。化合物B1を含む固形は、ある第二の有効剤に関連する副作用を軽減する働きもし得るし、その逆の場合も同様である。
一実施態様において、そのような追加の医薬としては、抗癌剤及び抗炎症剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で提供される固形又は組成物は、一以上の上記の剤の投与と同時に、投与前に又は投与後に、投与し得る。
固形及び一以上の上記の剤を含む医薬組成物もまた、提供される。
5.4 医薬組成物および投与経路
本明細書中、化合物B1又はその医薬上許容される塩を活性成分として含む固形を、一以上の医薬上許容される賦形剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物が提供される。一実施態様において、医薬組成物は、少なくとも1つの非放出制御性の賦形剤又は担体を含む。別の実施態様において、医薬組成物は、少なくとも1つの放出制御性及び少なくとも1つの非放出制御性の賦形剤又は担体を含む。
化合物B1を含む固形は、単独で又は一以上の他の活性成分(即ち、他の治療剤)と併用して、投与され得る。本明細書中で提供される医薬組成物は、経口、非経口及び局所投与のための様々な剤形に製剤化され得る。医薬組成物は、遅延放出性、徐放性(extended−)、持続放出性、徐放性(sustained−)、脈放出性、制御放出性、加速放出性及び速放性、標的放出性、プログラム放出性を含む、放出調節剤形、並びに胃貯留剤形としても製剤化され得る。これらの剤形は、当業者に公知の常法及び技術(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, supra; Modified-Release Drug Deliver Technology, Rathbone et al., Eds., Drugs and the Pharmaceutical Science, Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2003; Vol. 126参照)に従って、調製し得る。
一実施態様において、医薬組成物は、経口投与用の剤形で提供される。別の実施態様において、医薬組成物は、非経口投与用の剤形で提供される。なお別の実施態様において、医薬組成物は、局所投与用剤形で提供される。
本明細書中で提供される医薬組成物は、単剤剤形又は多剤剤形で提供され得る。本明細書中で用いられる場合、単剤剤形とは、ヒト及び動物の対象に対して投与するのに適しており、当該技術分野で公知のように個々に包装された物理的に分離した単位をいう。各々の単位用量は、必要な医薬上許容される担体又は賦形剤に関連して、所望の治療効果を生じさせるのに十分な所定量の活性成分を含む。単剤剤形の例としては、アンプル、シリンジ、並びに個包装された錠剤及びカプセルが挙げられる。単剤剤形は、その部分又は複数で投与され得る。多剤剤形は、分離された単剤剤形で投与されるために単一容器に包装された多数の同一の単剤剤形である。多剤剤形の例としては、バイアル、錠剤又はカプセルの瓶或いはパイント又はガロンの瓶が挙げられる。
本明細書中で提供される医薬組成物は、一回又は多数回、時間の間隔をあけて投与され得る。正確な投与量及び治療の継続は、年齢、体重及び治療される患者の症状によって様々であり得、公知の試験手順を用いて実験的に、或いはインビボ若しくはインビトロの試験又は診断データからの推定により、決定され得ることが理解される。更に、具体的な個体に対する具体的な投与計画は、個体の必要性、及び製剤の投与を管理又は指導する者の専門的な判断に従って、時間をかけて調整すべきことが理解される。
(A.経口投与)
本明細書中で提供される医薬組成物は、固体、半固体又は液体の経口投与用剤形で提供され得る。また、本明細書中で用いられる場合、経口投与としては、口腔、舌側及び舌下投与が挙げられる。適切な経口剤形としては、錠剤、カプセル(capsuls)、ピル、トローチ(troches)、ロゼンジ、トローチ(pastilles)、カプセル(cachets)、ペレット、医療用チューインガム、顆粒剤、原末剤、発泡又は非発泡の散剤又は顆粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、液剤、ウエハース剤、粉砂糖剤、エリキシル剤及びシロップ剤が挙げられるが、これらに限られない。活性成分に加えて、医薬組成物は一以上の医薬上許容される担体又は賦形剤を含んでいてもよく、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色移り阻害剤、甘味料及び香料が挙げられるが、これらに限定されない。
適切な充填剤及び希釈剤としては、タルク、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、スターチ、プレゼラチン化スターチ、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、イノシトール、塩化ナトリウム、ドライスターチ及び粉砂糖、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限られない。ある希釈剤(例、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース及びイノシトール)は、十分な量で存在する場合、いくつかの圧縮錠剤に噛むことで口内で崩壊する特性を与えることができる。そのような圧縮錠剤は、チュアブル錠として用いることができる。充填剤及び/又は希釈剤は、本明細書中で提供される医薬組成物中に、約20から約99重量%で存在し得る。
結合剤又は造粒剤は、錠剤に密着性を与え、圧縮後も錠剤を完全なままで保持することができる。適切な結合剤又は造粒剤としては、スターチ(例、コーンスターチ、ポテトスターチ及びプレゼラチン化スターチ(例、STARCH 1500));ゼラチン;糖(例、スクロース、グルコース、デキストロース、糖液及びラクトース);天然及び合成ガム(例、アカシア、アルギニン酸、アルギン酸、アイリッシュ・モス抽出物、パンワールガム、ガッチガム、イサゴール(isabgol)皮のゴム糊、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム(Veegum)、カラマツ−アラボガラクタン、トラガカント抹及びグアーガム);セルロース(例、エチルセルロース、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC));微結晶セルロース(例、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC社、マーカスフック、ペンシルベニア));及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限られない。結合剤又は造粒剤は、本明細書中で提供される医薬組成物中に、約0.5から約20重量%存在し得る。
適切な崩壊剤としては、寒天;ベントナイト;セルロース(例、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース);木製品;天然海綿;カチオン交換樹脂;アルギニン酸;ガム(例、グアーガム及びビーガム(Veegum)HV);シトラスパルプ;架橋セルロース(例、クロスカルメロース);架橋高分子(例、クロスポビドン);架橋スターチ;炭酸カルシウム;微結晶セルロース(例、スターチグリコール酸ナトリウム);ポラクリリンカリウム;スターチ(例、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ及びプレゼラチン化スターチ);クレイ;アライン(aligns);及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限られない。本明細書中で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤のタイプによって様々であり、当業者に容易に認識できる。本明細書中で提供される医薬組成物は、約0.5から約15重量%又は約1から約5重量%の崩壊剤を含み得る。
適切な滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール(例、グリセロールベヘネート及びポリエチレングリコール(PEG);ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;水素添加植物油(ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油を含む);ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリル酸エチル;寒天;スターチ;ヒカゲノカズラ属(lycopodium);シリカ又はシリカゲル(例、AEROSIL(登録商標)200(W.R.Grace社、ボルティモア、メリーランド州)及びCAB−O−SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、マサチューセッツ州);及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限られない。本明細書中で提供される医薬組成物は、約0.1から約5重量%の潤滑剤を含み得る。適切な流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、マサチューセッツ州)、及びアスベストフリータルクが挙げられる。着色剤としては、任意の承認され認可された水溶性FD&C色素、及びアルミナ水和物に懸濁した水不溶性FD&C色素、及びレーキ顔料、並びにそれらの混合物が挙げられる。レーキ顔料は、水溶性色素を重金属の水和酸化物に吸着させることにより組み合わせて得られた、色素の不溶性形態である。香料としては、植物(例、果実)から抽出された天然香料及びおいしい感覚を引き起こす化合物の合成ブレンド(例、ペパーミント及びサリチル酸メチル)が挙げられる。甘味料としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ剤、グリセリン及び人工甘味料(例、サッカリン及びアスパルテーム)が挙げられる。適切な乳化剤としては、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト及び界面活性剤(例、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)及びトリエタノールアミンオレエートが挙げられる。懸濁剤及び分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム(Veegum)、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが挙げられる。保存料としては、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウム及びアルコールが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール及びシロップが挙げられる。乳剤において利用される非水液体の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられる。有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の発生源としては、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。
多くの担体及び賦形剤が、同一の製剤内でさえも、いくつかの機能を果たし得ることが理解されるべきである。
本明細書中で提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、倍散錠剤、チューアブルロゼンジ、速溶性錠剤、多剤圧縮錠剤又は腸溶性コーティング錠、糖衣錠又はフィルムコーティング錠として提供され得る。腸溶性コーティング錠は、胃酸の作用に対抗するが、腸内で可溶性又は崩壊性があり、そして胃の酸性環境から活性成分を保護する物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティング剤としては、脂肪酸、脂質、サリチル酸フェニル、ワックス、セラックニス、アンモニア処理セラックニス及びセルロースアセテートフタレートが挙げられるが、これらに限られない。糖衣錠は、好ましくない味又は臭いを隠し、酸化から錠剤を保護するのに有益であり得る糖衣で覆われた、圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、水溶性材料の薄層又はフィルムで覆われた、圧縮錠剤である。フィルムコーティング剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及びセルロースアセテートフタレートが挙げられるが、これらに限られない。フィルムコーティング剤は、糖衣と同様の一般的特徴を与える。多剤圧縮錠剤は、層状錠剤、及び圧縮コーティング又はドライコーティング錠を含む、二以上の圧縮サイクルで製造された圧縮錠剤である。
錠剤剤形は、粉状、結晶性又は顆粒状の形態の活性成分から、単独で、又は本明細書に記載の一以上の担体又は賦形剤(結合剤、崩壊剤、制御放出高分子、滑沢剤、希釈剤及び/又は着色剤を含む)と組み合わせて、調製し得る。香料及び甘味料は、特にチュアブル錠及びロゼンジの形態で特に有用である。
本明細書中で提供される医薬組成物は、ソフト又はハードカプセルとして提供され得、それはゼラチン、メチルセルロース、スターチ又はアルギン酸カルシウムから製造することができる。乾燥充填カプセル(DFC)としても公知のハードゼラチンカプセルは、一方が他方の上に滑り落ち、そして活性成分を完全に包み込む、二層からなる。ソフト腸溶性カプセル(SEC)は、グリセリン、ソルビトール又は同様のポリオールを添加することにより、可塑化する、軟らかく、球状の殻(例、ゼラチン殻)である。ソフトゼラチン殻は、微生物の成長を防ぐ保存料を含んでいてもよい。適切な保存料は、本明細書に記載のものであり、メチル及びプロピル−パラベン、並びにソルビン酸が挙げられる。本明細書中で提供される液体、半固体及び固体剤形は、カプセル中に封入され得る。適切な液体及び半固体剤形としては、プロピレンカーボネート、植物油又はトリグリセリドの、液剤及び懸濁剤が挙げられる。そのような液剤を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に記載のように調製することができる。また、カプセルは、活性成分の溶解性を変更し又は維持するために、当業者に公知なようにコーティングし得る。
本明細書中で提供される医薬組成物は、乳剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤及びシロップ剤を含む、液体及び半固体剤形で提供され得る。乳剤は、一つの液体が別の液体を通して細球形態で分散し、水中の油又は油中の水となり得る、二相系である。乳剤としては、医薬上許容される非水液体又は溶媒、乳化剤及び保存料が挙げられる。懸濁剤は、医薬上許容される懸濁化剤及び保存料を含んでいてもよい。水溶性アルコール液剤としては、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(例、アセトアルデヒドジエチルアセタール)等の医薬上許容されるアセタール;並びに、プロピレングリコール及びエタノール等の一以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒が挙げられ得る。エリキシル剤は、透明で甘みがある、含水アルコール液剤である。シロップ剤は、糖の濃縮水溶性液剤であり、例えば、スクロースが挙げられ、保存料を含んでいてもよい。液剤の剤形として、例えば、ポリエチレングリコール液剤は、十分な量の医薬上許容される液体の担体(例、水)で希釈され、投与に都合が良いように調整され得る。
他の有用な液剤及び半固体剤形としては、本明細書中で提供される活性成分、並びに、1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(350、550及び750は、ポリエチレングリコールの概算の平均分子量を示す)を含む、ジアルキル化モノ又はポリアルキレングリコールを含むものが挙げられるが、これらに限られない。これらの製剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレート、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル類、並びにジチオカルバミン酸塩等の、一以上の酸化防止剤を更に含んでもいてもよい。
また、本明細書中で提供される経口投与用医薬組成物は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア又はナノシステムの形態で提供され得る。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載のように調製することができる。
本明細書中で提供される医薬組成物は、非発泡性又は発泡性の、顆粒剤及び散剤として提供され得、液体剤形に再構成し得る。非発泡性の顆粒剤又は散剤で用いられる医薬上許容される担体及び賦形剤としては、希釈剤、甘味料及び湿潤剤が挙げられ得る。発泡性の顆粒剤又は散剤で用いられる、医薬上許容される担体及び賦形剤としては、有機酸及び二酸化炭素の発生源が挙げられ得る。
着色剤及び香料は、全ての上記の剤形で用いることができる。本明細書中で提供される医薬組成物は、遅延放出性、徐放性、脈放出性、制限放出性、標的放出性及びプログラム放出性形態を含む、即時放出又は放出調節剤形として製剤化され得る。
本明細書中で提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の活性成分、又は所望の作用を補う物質と共に製剤化され得る。
(B.非経口投与)
本明細書中で提供される医薬組成物は、局所又は全身投与のために、注射、点滴又はインプランテーションにより非経口的に投与され得る。本明細書中で用いられる場合、非経口投与としては、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内及び皮下投与が挙げられる。
本明細書中で提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、ミセル、リポソーム、マイクロスフェア、ナノシステム及び注射の前の液体における液剤又は懸濁剤に適切な固形を含む、非経口投与に適切ないずれかの剤形で製剤化され得る。そのような剤形は、薬学の当業者に公知の常法に従って調製することができる(上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacy参照)。
非経口投与を意図した医薬組成物としては、一以上の医薬上許容される担体及び賦形剤が挙げられ、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗菌剤又は保存料、安定化剤、溶解エンハンサー、等張剤、緩衝剤、酸化防止剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、封鎖剤又はキレート剤、抗凍結剤、リオプロテクタント(lyoprotectants)、増粘剤、pH調整剤及び不活性ガスが挙げられ得るが、これらに限定されない。
適切な水性ビヒクルとしては、水、食塩水(saline)、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、塩化ナトリウム液、リンガー液、等張デキストロース液、滅菌水液、デキストロース及び乳酸化リンガー液が挙げられるが、これらに限られない。非水性ビヒクルとしては、植物由来の固定油、ヒマシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、水素添加植物油、水素添加大豆油、ココナッツ油の中鎖脂肪酸トリグリセリド及びヤシ種油が挙げられるが、これらに限られない。水混和性ビヒクルとしては、エタノール、1,3−ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限られない。
適切な抗菌剤又は保存料としては、フェノール類、クレゾール類、水銀類、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピル、チメロサール、ベンザルコニウムクロライド(例、ベンゼトニウムクロライド)、メチル及びプロピル−パラベン、並びにソルビン酸が挙げられるが、これらに限られない。適切な等張剤は、塩化ナトリウム、グリセリン及びデキストロースが挙げられるが、これらに限られない。適切な緩衝剤としては、リン酸及びクエン酸が挙げられるが、これらに限られない。適切な酸化防止剤としては、本明細書に記載のものが挙げられ、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。適切な局所麻酔薬としては、プロカイン塩酸塩が挙げられるが、これらに限られない。適切な懸濁化剤及び分散剤としては、本明細書に記載のものが挙げられ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが挙げられる。適切な乳化剤としては、本明細書に記載のものが挙げられ、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80及びトリエタノールアミンオレエートが挙げられる。適切な封鎖剤又はキレート剤としては、EDTAが挙げられるが、これらに限られない。適切なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸及び乳酸が挙げられるが、これらに限られない。適切な錯化剤としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン及びスルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex、Lenexa社、カンザス州)を含む、シクロデキストリンが挙げられるが、これらに限られない。
本明細書中で提供される医薬組成物は、単剤又は多剤投与用に製剤化され得る。単剤剤形は、アンプル、バイアル又はシリンジに包装される。多剤非経口製剤は、静菌性又は静真菌性の濃度で抗菌剤を含まなければならない。あらゆる非経口製剤は、当該技術分野に公知で実用されているように、無菌でなければならない。
一実施態様において、医薬組成物は、使用準備された無菌液剤として提供される。別の実施態様において、医薬組成物は、無菌乾燥可溶性製品(凍結乾燥散剤及び皮下注射用錠剤が挙げられる)として提供され、使用前にビヒクルで再構成される。なお別の実施態様において、医薬組成物は、使用準備された無菌液剤として提供される。なお別の実施態様において、医薬組成物は、無菌乾燥不溶性製品として提供され、使用前にビヒクルで再構成される。また別の実施態様において、医薬組成物は、使用準備された無菌乳剤として提供される。
本明細書中で提供される医薬組成物は、即時放出又は放出調節製剤(遅延放出性、徐放性、脈放出性、制限放出性、標的放出性及びプログラム放出性製剤を含む)として製剤化され得る。
医薬組成物は、埋め込み型持続性製剤としての投与用の、懸濁剤、固形剤、半固形剤又はチキソトロピック液剤として製剤化され得る。一実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物は、体液に不溶であるがそれを通して医薬組成物中の活性成分が拡散される外部高分子膜に覆われた、固体の内部基質中に分散される。
適切な内部基質としては、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑性又は非可塑性ポリ塩化ビニル、可塑性ナイロン、可塑性ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテートコポリマー類、シリコンゴム類、ポリジメチルシロキサン類、シリコンカーボネートコポリマー類、親水性ポリマー類(例、アクリル酸及びメタクリル酸エステル類のハイドロゲル)、コラーゲン、架橋型ポリビニルアルコール及び架橋型部分水素化ポリビニルアセテートが挙げられる。
適切な外部高分子膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー類、エチレン/エチルアクリレートコポリマー類、エチレン/ビニルアセテートコポリマー類、シリコンゴム類、ポリジメチルシロキサン類、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ビニルアセテートとの塩化ビニルコポリマー類、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム類、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが挙げられる。
(C.局所投与)
本明細書中で提供される医薬組成物は、皮膚、開口部又は粘膜に局所的に投与され得る。局所投与としては、本明細書中で用いられる場合、経(内)真皮、結膜、角膜内、眼内、点眼、耳介、経皮、鼻腔内、膣内、尿道内、呼吸器及び直腸内投与が挙げられる。
本明細書中で提供される医薬組成物は、局所又は全身に効果をもたらす局所投与に適切ないずれかの剤形で製剤化され得、乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム、ゲル、ハイドロゲル、軟膏、散布剤、包帯剤(dressings)、エリキシル剤、ローション、懸濁剤、チンキ剤、ペースト、泡、フィルム、エアロゾル、灌注剤、スプレー、坐剤、包帯剤(bandages)、経皮パッチが挙げられる。また、本明細書中で提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、ナノシステム及びそれらの混合物を含んでいてもよい。
本明細書中に提供される局所製剤に用いられるのに適切な、医薬上許容される担体及び賦形剤としては、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗菌剤又は保存料、安定化剤、溶解エンハンサー、等張剤、緩衝剤、酸化防止剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、封鎖剤又はキレート剤、浸透促進剤、抗凍結剤、リオプロテクタント(lyoprotectants)、増粘剤及び不活性ガスが挙げられるが、これらに限られない。
また、医薬組成物は、エレクトロポレーション、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシス、或いは、微小針又は無針注射(例、POWDERJECT(商標)(Chiron社、エメリービル、カリフォルニア州)及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies社、テュアラティン、オレゴン州))により、局所的に投与され得る。
本明細書中で提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム及びゲルの形態で提供され得る。適切な軟膏のビヒクルとしては、油脂性又は炭化水素のビヒクル(ラード、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油及び他の油、白色ワセリンを含む);乳化又は吸着ビヒクル(例、親水性ワセリン、ヒドロキシステアリンサルフェート及びラノリン無水物);水除去ビヒクル(例、親水性軟膏);様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏のビヒクル;乳化ビヒクル(油中の水(W/O)乳液又は水中の油(O/W)乳液のどちらかで、エチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン及びステアリン酸を含む)が挙げられる(上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacy参照)。これらのビヒクルは、皮膚軟化薬であるが、一般的に酸化防止剤及び保存料を添加する必要がある。
適切なクリーム基剤は、水中の油又は油中の水であり得る。クリームのビヒクルは、水で落ちるものであり得、油相、乳化相及び水相を含み得る。また、油相は、「内」相とも称され、一般的に、ワセリン及び脂肪酸アルコール(例、セチル又はステアリルアルコール)から成る。水相は、通常、体積で油相を超えるけれども必ずしもその必要はなく、湿潤剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤であり得る。
ゲルは、半固体、懸濁液型系である。単相ゲルは、液体の担体を通して、実質的に均一に分布する有機高分子を含む。適切なゲル化剤としては、架橋型アクリル酸高分子(例、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、CARBOPOL(登録商標));親水性高分子(例、ポリエチレンオキサイド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー類及びポリビニルアルコール);セルロース高分子(例、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びメチルセルロース);ガム(例、トラガカント及びキサンタンガム);アルギン酸ナトリウム;及びゼラチンが挙げられる。均一のゲルを調製するために、アルコール又はグリセリン等の分散剤が添加されてもよく又はゲル化剤が粉砕、機械的な混合及び/又は撹拌により分散されてもよい。
本明細書中で提供される医薬組成物は、直腸内、尿道内、膣内又は膣周囲に、坐剤、腟坐剤、ブージー剤、湿布剤又はパップ剤、ペースト、散剤、包帯剤(dressings)、クリーム、硬膏、避妊薬、軟膏、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン、ゲル、泡、スプレー又は浣腸の形態で投与され得る。これらの剤形は、上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacyに記載の常法を用いて製造することができる。
直腸内、尿道内及び膣内の坐剤は、身体の開口部に挿入するために固形体であり、常温で固体であるが、体温で溶解又は軟化し、開口部内に活性成分を放出する。直腸内及び膣内坐剤で用いられる医薬上許容される担体としては、本明細書中で提供される医薬組成物とともに製剤化された場合に体温近くで融点を生じさせる硬化剤を含む、基剤又はビヒクル;及び、亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素ナトリウムを含む、本明細書に記載のような酸化防止剤が挙げられる。適切なビヒクルとしては、ココアバター(カカオ油)、グリセリンゼラチン、カルボワックス(ポリエチレングリコール)、鯨ろう、パラフィン、白及び黄ろう、並びに脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリドの適切な混合物、ポリビニルアルコール等のハイドロゲル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸;グリセリン化ゼラチンが挙げられるが、これらに限られない。種々のビヒクルが併用されてもよい。直腸内及び膣内坐剤は、圧縮法又は鋳造により調製され得る。直腸内及び膣内坐剤の典型的な重量は、約2から約3gである。
本明細書中で提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏、乳剤、ゲル形成液剤、液剤用の散剤、ゲル、点眼及び埋め込みの形態で、眼に投与され得る。
本明細書中で提供される医薬組成物は、鼻腔内又は呼吸器経路への吸入により、投与され得る。医薬組成物は、エアロゾール又は圧縮容器を用いた送達用の液剤、ポンプ、スプレー、噴霧器(例、霧状ミストを生成するための電気流体力学を用いた噴霧器)又はネブライザーの形態で、単独で又は適切な高圧ガス(例、1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフロオロプロパン)と組み合わせて、提供され得る。また、医薬組成物は、単独で又は不活性担体(例、ラクトース又はリン脂質)と併用して、吹送用の及び点鼻薬用の乾燥粉末剤として提供され得る。鼻腔内で用いるために、粉末剤は、生体接着剤(例、キトサン又はシクロデキストリン)を含んでいてもよい。
圧縮容器、ポンプ、スプレー、噴霧器又はネブライザーに用いるための、液剤又は懸濁剤は、エタノール、水性エタノール又は本明細書中で提供される活性成分の分散、可溶化又は拡張放出のための、適切な代替の剤、溶媒としての高圧ガス;及び/又は界面活性剤(例、ソルビタントリオレエート、オレイン酸又はオリゴ乳酸)を含んで製剤化され得る。
本明細書中で提供される医薬組成物は、吸入による送達に適切な大きさ(例、約50マイクロメーター以下又は約10マイクロメーター以下)に微粒子化され得る。そのような大きさの粒子は、スパイラルジェットミル、流動ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ法又はスプレードライ等の、当業者に公知の粉末化方法を用いて調製され得る。
吸入器(inhaler)又は吸入器(insufflator)に用いるための、カプセル、ブリスター及びカートリッジは、本明細書中で提供される医薬組成物の散剤混合物;ラクトース又はスターチ等の、適切な散剤の基剤;及びl−ロイシン、マンニトール又はステアリン酸マグネシウム等の、特性改良剤(performance modifier)を含んで、製剤化され得る。ラクトースは、無水物又モノ水和物の形態であり得る。他の適切な賦形剤又は担体としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース及びトレハロースが挙げられる。吸入/鼻腔内投与用の本明細書中で提供される医薬組成物は、適切な香料(例、メントール及びレボメントール)又は甘味料(例、サッカリン又はサッカリンナトリウム)を更に含んでいてもよい。
局所投与用の本明細書中で提供される医薬組成物は、即時放出性、又は遅延放出性、徐放性、脈放出性、制御放出性、標的放出性及びプログラム放出性を含む、放出調節性として製剤化され得る。
(D.放出調節)
本明細書中で提供される医薬組成物は、放出調節剤形として製剤化され得る。本明細書中で用いられる場合、用語「放出調節」とは、活性成分の放出速度又は場所が、同様の経路で投与された場合に、即時放出剤形のそれとは異なる剤形をいう。放出調節剤形としては、遅延放出性、拡張放出性、持続放出性、徐放性、脈放出性、制御放出性、加速放出性及び速放性、標的放出性、プログラム放出性、並びに胃貯留剤形が挙げられる。放出調節剤形における医薬組成物は、当業者に公知の種々の放出調節装置及び方法を用いて調製され得、マトリックス制限放出装置、浸透圧制限放出装置、多粒子性制限放出装置、イオン交換樹脂、腸内コーティング、多層状コーティング、マイクロスフェア、リポソーム及びそれらの併用が挙げられるが、これらに限定されない。また、活性成分の放出速度は、活性成分の粒子径及び多形度を変更することにより、変えることができる。
放出調節の例としては、米国特許:第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号;及び第6,699,500号に記載のものが挙げられるが、これらに限られない。
(1.マトリックス制限放出装置)
放出調節製剤において本明細書中で提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス制限放出装置を用いて製作し得る(Takada et al in “Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,” Vol. 2, Mathiowitz Ed., Wiley, 1999参照)。
一実施態様において、放出調節剤形において本明細書中で提供される医薬組成物は、侵食性マトリックス装置を用いて製剤化され得、それは水膨潤性、侵食性又は可溶性高分子であり、合成高分子及び天然由来高分子並びに誘導体(例、ポリサッカライド及びタンパク質)が挙げられる。
侵食性マトリックスを形成するのに有用な材料としては、キチン、キトサン、デキストラン及びプルラン;寒天ガム、アラビアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラギーナン、ガッチガム、グアーガム、キサンタンガム及びスクレログルカン(scleroglucan);デキストリン及びマルトデキストリン等の、スターチ;ペクチン等の、親水性コロイド;レシチン等の、リン脂質;アルギン酸;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;並びに、エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、セルロースアセテート(CA)、セルロースプロピオネート(CP)、セルロースブチレート(CB)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)等の、セルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセテート;グリセリン脂肪酸エステル類;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー類(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州);ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート);ポリラクチド;L−グルタミン酸及びエチル−L−グルタミン酸塩のコポリマー類;分解性乳酸−グリコール酸コポリマー類;ポリ−D−(−)−3−ヒドロキシブタン酸;及びブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート及び(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロライドのホモポリマー類及びコポリマー類等の、他のアクリル酸誘導体が挙げられるが、これらに限られない。
更なる実施態様としては、医薬組成物は、非侵食性マトリックス装置とともに製剤化される。活性成分は、不活性マトリックスに溶解又は分散され、一旦投与された後、不活性マトリックスを通って拡散することにより、初めて放出される。非侵食性マトリックス装置として用いられるのに適切な材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、メチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー類、エチレン−ビニルアセテートコポリマー類、エチレン/プロピレンコポリマー類、エチレン/エチルアクリレートコポリマー類、ビニルアセテートとの塩化ビニルコポリマー類、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑性ナイロン、可塑性ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコンゴム、ポリジメチルシロキサン類、シリコンカーボネートコポリマー類等の、不溶性プラスチック;並びに、エチルセルロース、セルロースアセテート、クロスポビドン及び架橋型部分水素化ポリビニルアセテート等の、親水性高分子;並びに、カルナバワックス、微結晶性のワックス及びトリグリセリド等の、脂肪酸化合物が挙げられるが、これらに限られない。
マトリックス制限放出性システムにおいて、所望の放出速度論は、例えば、適用されるポリマーの種類、ポリマーの粘度、ポリマー及び/又は活性成分の粒子径、ポリマーに対する活性成分の比、並びに、組成物中の他の賦形剤又は担体を介して、コントロールされる。
放出調節剤形における本明細書中で提供される医薬組成物は、当業者に公知の方法で調製され得、直接圧縮、乾燥又は湿潤造粒に続いての圧縮、溶融造粒に続いての圧縮が挙げられる。
(2.浸透圧制限放出装置)
放出調節剤形における本明細書中で提供される医薬組成物は、浸透圧制限放出装置を用いて製作され得、1室系、2室系、非対称膜技術(AMT)及び押出加工核システム(ECS)が挙げられる。一般的に、そのような装置は、少なくとも2成分:(a)活性成分を含む核;及び(b)核を被包する少なくとも1の送達極を有する半透性の膜、を有する。半透性の膜は、送達極を通して放出されることにより、剤の放出が引き起こされるように、使用される水性の環境から、核への水の流入をコントロールする。
活性成分に加えて、浸透圧装置の核は、浸透圧性薬剤を含んでいてもよく、それは、使用される環境からの水を装置の核へ輸送するための原動力を創出する。浸透圧性薬剤の一つの種類は、「浸透圧性高分子」及び「ハイドロゲル」とも称される、水膨潤性、親水性高分子であり、親水性ビニル及びアクリル系ポリマー、アルギン酸カルシウム等のポリサッカライド、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋型PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー類、疎水性モノマー(例、メチルメタクリレート及びビニルアセテート)とのPVA/PVPコポリマー類、巨大PEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシエチル、セルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム及びスターチグリコール酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
浸透圧性薬剤の他の種類は、水を吸収し、被覆のバリアを超えて浸透圧の上昇にに作用し得る浸透圧性薬剤である。適切な浸透圧性薬剤としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム及び硫酸ナトリウム等の、無機塩;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース及びキシリトール等の、糖;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸及び酒石酸等の、有機酸;ウレア;及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限られない。
異なる溶解速度の浸透圧性薬剤は、どのくらい迅速に、活性成分が剤形からはじめに送達されるかについて影響を与えるために用いられ得る。例えば、MANNOGEM(商標)EZ(SPI Pharma社、ルイス、デラウェア州)等の、アモルファス糖を用いることができ、それにより、はじめの数時間は急速に送達して、迅速に所望の治療効果を生じさせ、残りの量を徐々に継続的に放出して、長時間所望の程度の治療又は予防効果を維持することができる。この場合、活性成分は、そのような速度で放出され、代謝され排出される活性成分の量に置き換わる。
また、核には、剤形の性能を向上させ、或いは、安定性又は処理を促進させるために、本明細書に記載の多岐に渡る他の賦形剤及び担体が含まれていてもよい。
半透性膜を形成するのに有用な材料としては、様々なグレードのアクリル類、ビニル類、エーテル類、ポリアミド類、ポリエステル類及びセルロース誘導体が挙げられ、それは、生理的に適切なpHで水透過性及び水不溶性であるか、又は架橋等の化学的な変化により水不溶性の状態にされやすい。コーティングを形成するのに有用な、適切な高分子の例としては、可塑性、非可塑性及び強化セルロースアセテート(CA)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、CAプロピオネート、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、CAエチルカルバメート、CAP、CAメチルカルバメート、CAスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカーボネート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサレート、CAメチルスルホネート、CAブチルスルホネート、CAp−トルエンスルホネート、アガーアセテート、アミローストリアセテート、βグルカンアセテート、βグルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセテート、水酸化エチレン−ビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー類、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸及びエステル類、並びにポリ(メタクリル)酸及びエステル類、並びにそれらのコポリマー類、スターチ、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン類、ポリエーテル類、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリスチレン類、ポリビニルハライド類、ポリビニルエステル及びエーテル類、天然ワックス、並びに合成ワックスが挙げられる。
また、半透過膜は、疎水性微多孔膜であり得、その孔は実質的に気体で満たされており、水溶性媒体で湿潤していないが、水蒸気透過性であり、米国特許第5,798,119号に開示されたようなものである。そのような疎水性であるが水蒸気透過性の膜は、典型的に、ポリアルケン類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル類、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリスチレン類、ポリビニルハライド類、フッ化ポリビニリデン、ポリビニルエステル類及びエーテル類、天然ワックス並びに合成ワックス等の、疎水性高分子からなる。
半透膜の送達極は、機械的又はレーザー掘削により、コーティング後に形成し得る。また、送達極は、in situで、水溶性材料のプラグの侵食により、又は核の凹みのより薄い部分の膜の破裂により、形成されてもよい。更に、送達極は、米国特許第5,612,059号及び第5,698,220号に記載の種類の非対称膜コーティングの場合のような、コーティング方法により形成することもできる。
放出される活性成分の総量及び放出速度は、半透膜の厚さ及び多孔率、核の組成物、並びに、送達極の数、大きさ及び位置を介して、実質的に変更することができる。
浸透圧制限放出剤形における医薬組成物は、製剤の性能又は処理を促進させるために、更に、本明細書に記載の更なる慣用の賦形剤又は担体を含み得る。
浸透圧制限放出性剤形は、常法及び当業者に公知の技術に従って調製することができる(上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Santus and Baker, J. Controlled Release 1995, 35, 1-21; Verma et al., Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695-708; Verma et al., J. Controlled Release 2002, 79, 7-27参照)。
ある実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物は、AMT制限放出性剤形として製剤化され、それは、活性成分及び他の医薬上許容される賦形剤又は担体を含む核を覆う、非対称浸透膜を含む。米国特許第5,612,059号及びWO2002/17918号参照。AMT制限放出性剤形は、常法及び当業者に公知の技術に従って調製することができ、直接圧縮、乾燥造粒、湿潤造粒及び浸漬被覆法が挙げられる。
ある実施態様において、本明細書中で提供される医薬組成物は、ESC制限放出性剤形として製剤化され、それは、活性成分、ヒドロキシルエチルセルロース及び他の医薬上許容される賦形剤又は担体を含む核を覆う、浸透膜を含む。
(3.多粒子性制限放出装置)
放出調節剤形における本明細書中で提供される医薬組成物は、多粒子性制限放出装置を製作し得、それは、直径約10μmから約3mm、約50μmから約2.5mm又は約100μmから約1mmの範囲の、多数の粒子、顆粒又はペレットを含む。そのような多粒子は、当業者に公知の方法により製造し得、湿潤及び乾燥造粒、押出し/球形化、ローラー圧縮、溶融−凝固及び種核のスプレーコーティングが挙げられる。例えば、Multiparticulate Oral Drug Delivery; Marcel Dekker: 1994; 及び Pharmaceutical Pelletization Technology; Marcel Dekker: 1989参照。
本明細書に記載の他の賦形剤又は担体は、医薬組成物とともに混合して、多粒子を処理及び形成するのに役立ち得る。得られた粒子は、それ自身が多粒子性装置を構成してもよく、又は腸内高分子、水膨潤性及び水溶性高分子等の、種々のフィルム形成材料でコーティングされてもよい。多粒子は、更にカプセル又は錠剤として加工することができる。
(4.標的送達)
また、本明細書中で提供される医薬組成物は、具体的な組織、レセプター又は治療の対象となる身体の他の部分を標的とするために、製剤化され得、リポソーム、放出された赤血球及び抗体ベースの送達システムが挙げられる。例としては、米国特許第6,316,652号;第6,274,552号;第6,271,359号;第6,253,872号;第6,139,865号;第6,131,570号;第6,120,751号;第6,071,495号;第6,060,082号;第6,048,736号;第6,039,975号;第6,004,534号;第5,985,307号;第5,972,366号;第5,900,252号;第5,840,674号;第5,759,542号;及び第5,709,874号が挙げられるが、これらに限られない。
(参考文献の援用)
2008年9月19日に米国特許庁に出願された米国仮特許出願(発明の名称:「増殖性疾患を治療するために、N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}ウレアを投与する方法」。そこには、とりわけ、化合物B1を含む医薬組成物及び化合物B1を投与する方法が開示されている。)の全体が、参照することにより本願に援用される。
6.実施例
以下に実施例を示して説明するが、これらに限定されるものではない。
[6.1 実施例1.N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}ウレア(「化合物B1」)の合成]
A.中間体2−アミノ−1,3−ベンゾチアゾール−6−オールは、Lau and Gompf: J. Org. Chem. 1970, 35, 4103-4108に記載の手順を少し改変した手順により調製した。チオウレア(7.6g、0.10mol)の200mLエタノール及び9mL濃塩酸混合物中の溶液に、撹拌しながら、1,4−ベンゾキノン(21.6g、0.20mol)の400mL熱エタノール溶液を加えた。反応物を24時間室温で撹拌し、次いで、濃縮乾固した。残渣を熱アセトニトリルで粉砕し、得られた固体を濾過し、乾燥した。
遊離塩基は、水に塩酸塩を溶解し、酢酸ナトリウムで中和し、固体を濾取することにより得た。LCMS(M+H=167)及びNMRで精製し、製品(2−アミノ−1,3−ベンゾチアゾール−6−オール)を暗色固体として得た。収率: 13.0 g (78 %). NMR(DMSO-d6) δ 7.6(m, 2H), 6.6(d, 1H).
B.中間体2−(4−ニトロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−7−オールを調製するために、2−アミノ−1,3−ベンゾチアゾール−6−オール(20.0g、0.12mol)及び2−ブロモ−4’−ニトロアセトフェノン(29.3g、0.12mol)を600mLエタノールに溶解し、終夜加熱還流した。次いで、溶液を0℃まで氷水浴中で冷却し、製品を減圧濾取した。減圧下P2O5で乾燥後、中間体(2−(4−ニトロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−7−オール)を、黄色固体として単離した。収率: 17.0g(46 %) NMR(DMSO-d6) δ 10(s, 1H), 8.9(s, 1H), 8.3(d, 2H), 8.1(d, 2H), 7.8(d, 1H), 7.4(s, 1H), 6.9(d, 1H).
C.中間体7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−2−(4−ニトロ−フェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾールを製造するために:2−(4−ニトロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−7−オール(3.00g、9.6mmol)を、100mL乾燥DMFに懸濁させた。この混合物に、炭酸カリウム(4.15g、30mmol、3当量)、クロロエチルモルホリンハイドロクロライド(4.65g、25mmol、2.5当量)及び任意でヨウ化テトラブチルアンモニウム(7.39g、2mmol)を加えた。次いで、懸濁液を、90℃まで5時間又はLCMSで反応の終了が確認されるまで加熱した。混合物を室温まで冷却し、800mLの水に注ぎ込み、1時間放置した。得られた沈殿物を、減圧濾取し、減圧下乾燥した。中間体(7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−2−(4−ニトロ−フェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール)を、更に精製することなく、次に供した。収率: 3.87g(95 %) NMR(DMSO-d6) δ 8.97(s, 1H), 8.30(d, 2H), 8.0(d, 2H), 7.9(d, 1H), 7.7(s, 1H), 7.2(d, 1H), 4.1(t, 2H), 5.6(m, 4H), 2.7(t, 2H).
D.中間体7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−2−(4−アミノ−フェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾールを製造するために:7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−2−(4−ニトロ−フェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール(3.87g、9.1mmol)の100mLイソプロピルアルコール/水(3:1)懸濁液に、アンモニウムクロライド(2.00g、36.4mmol)及び鉄粉末(5.04g、90.1mmol)を加えた。懸濁液を、勢いよく撹拌しながら終夜加熱還流し、反応の終了をLCMSで確認した。混合物をセライト濾過し、フィルターケーキを熱イソプロピルアルコール(150mL)で洗浄した。濾液を元の体積のおよそ1/3まで濃縮し、飽和重炭酸ナトリウムに注ぎ込み、3回ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、濃縮して、少量(4〜6%)の原料を含む製品を橙色固体として得た(収率:2.75g、54%)。80%エタノール/水が、イソプロピルアルコール/水の代わりに用いられてもよく、その場合、反応は3.5時間後に実質的に完了し、原料の痕跡だけが得られた製品に観察された。NMR(DMSO-d6) δ 8.4(s, 1H), 7.8(d, 1H), 7.65(d, 1H), 7.5(d, 2H), 7.1(d, 1H), 6.6(d, 2H), 4.1(t, 2H), 3.6(m, 4H), 2.7(t, 2H).
E.7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−2−(4−アミノ−フェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール(4.06g、10.3mmol)及び5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イソシアネート(1.994g、12mmol)のトルエン懸濁液を、120℃で終夜加熱した。反応物を、1リットルのメタノールを含む塩化メチレン及び水の混合物に注ぎ込むことによりクエンチし、飽和NaHCO3水溶液で中和した。水相を二回塩化メチレンで抽出し、合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過した。濾液を体積約20mLまで濃縮し、エチルエーテルを加え、その結果固体が形成した。沈殿物を濾取し、エチルエーテルで洗浄し、減圧下乾燥して、化合物B1の遊離塩基を得た。収率: 2.342g(41 %) NMR(DMSO-d6) δ 9.6(br, 1H), 8.9(br, 1H), 8.61(s, 1H), 7.86(d, 1H), 7.76(d, 2H), 7.69(d, 1H), 7.51(d, 2H), 7.18(dd, 1H), 6.52(s, 1H), 4.16(t, 2H), 3.59(t, 4H), 3.36(overlapping, 4H), 2.72(t, 2H), 1.30(s, 9H). NMR(CDCl3) δ 9.3(br, 1H), 7.84(m, 4H), 7.59(d, 2H), 7.49(d, 1H), 7.22(d, 1H), 7.03(dd, 1H), 5.88(s, 1H), 4.16(t, 2H), 3.76(t, 4H), 2.84(t, 2H), 2.61(t, 4H), 1.37(s, 9H).
[6.2 実施例2.N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}ウレア(「化合物B1」)の代替の合成]
A.実施例1B(2.24g、7.2mmol)からの、中間体2−(4−ニトロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−7−オールのエタノール(40mL)懸濁液に、SnCl2・H2O(7.90g、35mmol)を加え、加熱還流した。濃HClを反応混合物に加え、沈殿物を徐々に形成させた。反応混合物を20時間加熱還流し、次いで、室温まで冷却させた。溶液を氷中に注ぎ込み、10%NaOHで中和し、およそpH6まで調整した。有機相を三回酢酸エチル(80mLx3)で抽出した。抽出物をMgSO4で乾燥し、濃縮して、黄色固体(1.621g、80%)を得た。固体をメタノールから再結晶して、純粋な製品(1.355g、67%)を得た。
B.工程2Aで得られた中間体(0.563g、2mmol)のトルエン(30mL)懸濁液に、5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イソシアネート(0.332g、2mmol)を加え、終夜加熱還流した。LC−MS分析によれば、中間体の存在が示され、5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イソシアネートの痕跡はなかった。0.166gのイソシアネートを加えた。反応物を再度終夜加熱還流した。反応の終了をLC−MSにより確認した。溶媒を除去し、得られた混合物をメタノールに溶解し、メタノールを除去して、第二の中間体を固体として得た。
混合物を、CH2Cl2(150mL)に溶解し、飽和NaHCO3で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで三回精製(一回目はメタノール/CH2Cl2グラジエントを用い、二回目はヘキサン/酢酸エチルグラジエント、その後メタノール/酢酸エチルグラジエントを用い、三回目はメタノール/CH2Cl2グラジエントを用いた)した。
C.工程2Bから得られた中間体(0.110g、0.25mmol)のTHF(5mL)懸濁液に、Ph3P(0.079g、0.3mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.061g、0.3mmol)及び4−モルホリノエタノール(0.039g、0.3mmol)を加えた。反応混合物を、室温で終夜撹拌した。反応の終了をLC−MSで確認した。溶媒を除去し、最終製品を、シリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2中のメタノール(0.030g、21%))を用いて精製した。
[6.3 実施例3.N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}ウレア(「化合物B1」)のバルク合成]
化合物B1のバルク量を調製するために用いた多工程反応スキームを、図66a及び図66bに記載し、更に以下に記載する。
工程1:2−アミノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール(中間体1)の調製。2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾールを、熱HBr水溶液と約3時間反応させ、次いで、透明な溶液を外気温まで終夜冷却した。沈殿した固体を採取し、熱水に溶解し、pHを4.5〜5.5に調整した。得られた固体を採取し、乾燥し、イソプロパノールから再結晶した。第二の採取材料を採取した。固体を減圧乾燥し、中間体1を得た。
工程2:2−(4−ニトロフェニル)イミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール−7−オール(中間体2)の調製。2−アミノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−ブロモ−4−ニトロアセトフェノン及び無水エタノールを共に加え、およそ24時間加熱還流した。ヨウ化テトラブチルアンモニウムを加え、反応物を更に12時間還流した。得られた黄色懸濁液を冷却し、固体を採取し、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄した。固体を減圧下乾燥し、中間体2を得た。
工程3:7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−2−(4−ニトロフェニル)イミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール(中間体3)の調製。中間体2,4−(2−クロロエチル)モルホリンハイドロクロライド、炭酸カリウム及びヨウ化テトラブチルアンモニウムを、N,N−ジメチルホルムアミドに加え、黄色懸濁液を形成し、3時間かけて加熱した。反応物を冷却し、固体を採取し、水でスラリー状とし、濾過し、アセトンでスラリー状とし、濾過し、アセトンで洗浄して、黄色固体を得、それを減圧下乾燥して、中間体3を得た。
工程4:7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−2−(4−アミノフェニル)イミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール(中間体4)の調製。中間体3をメタノール及びTHFに溶解し、水素化器に入れた。ラネーニッケルを添加し、容器を水素で加圧し、24時間より長く撹拌した。反応混合物を厚いペーストになるまで濃縮し、メチルtert−ブチルエーテルで希釈した。得られた固体を濾過し、メチルtert−ブチルエーテルで洗浄し、減圧下乾燥して、中間体4を得た。
工程5:{[5−(tert−ブチル)イソオキサゾール−3−イル]アミノ}−N−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)(4−ヒドロイミダゾロ[2,1−b]ベンゾチアゾール−2−イル)]フェニル}カルボキサミド(化合物B1)の調製。塩化メチレン中の3−アミノ−5−tert−ブチルイソオキサゾールを、およそ0℃まで冷却したトルエンを含む容器に加えた。次いで、トリホスゲンを加え、反応混合物を−15℃以下まで冷却した。トリエチルアミンを、次いで中間体4を加えた。混合物を加熱し、塩化メチレンを留去し、次いで、60℃以上で12時間以上かけて加熱し、50〜60℃まで冷却した。得られた固体を濾過し、ヘプタンで洗浄し、4%水酸化ナトリウム溶液でスラリー状とし、濾過した。次いで、固体をメチルtert−ブチルエーテル、次いでアセトンで洗浄し、減圧下乾燥して、化合物B1を得た。
[6.4 実施例4.化合物B1のHCl塩の調製の例]
実施例A:化合物B1の塩酸塩である、N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}ウレア塩酸塩を調製するために、遊離塩基を20mL塩化メチレン及び1mLメタノールの混合物に溶解した。1.0M HClのエチルエーテル(1.1当量)溶液を滴下し、次いで、エチルエーテルを加えた。沈殿物を濾取又は遠心分離で採取し、エチルエーテルで洗浄して、化合物B1の塩酸塩を得た。収率: 2.44 g (98 %). NMR(DMSO-d6) δ 11.0(br, 1H), 9.68(s, 1H), 9.26(s, 1H), 8.66(s, 1H), 7.93(d, 1H), 7.78(m, 3H), 7.53(d, 2H), 7.26(dd, 1H), 6.53(s, 1H), 4.50(t, 2H), 3.97(m, 2H), 3.81(t, 2H), 3.6(overlapping, 4H), 3.23(m, 2H), 1.30(s, 9H).
実施例B:濃HClを、化合物B1の温メタノール懸濁液に加え、ゆっくり沈殿し始める溶液を形成した。反応混合物を2時間以上かけて還流し、次いで、終夜外気温で撹拌した。HCl塩を採取し、減圧下乾燥した。
実施例C:材料:{[5−(tert−ブチル)イソオキサゾール−3−イル]アミノ}−N−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)(4−ヒドロイミダゾロ[2,1−b]ベンゾチアゾール−2−イル)]フェニル}カルボキサミド(775g、1.38mol、1.0当量);HCl37%水(288mL、3.46mol、2.5当量);メタノール(MeOH、AR)(40L)。手順:(工程1)50L三頚丸底フラスコに、撹拌機械、熱電対プローブ、窒素注入口、乾燥チューブ、還流コンデンサー、付加漏斗及び加熱マントルを設置した。(工程2)フラスコに{[5−(tert−ブチル)イソオキサゾール−3−イル]アミノ}−N−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)(4−ヒドロイミダゾロ[2,1−b]ベンゾチアゾール−2−イル)]フェニル}カルボキサミド(775g)及びMeOH、AR(40L)を充填した。得られたオフホワイト色の懸濁液を加熱還流した(68℃)。透明な溶液は形成しなかった。(工程3)HCl(37%水溶液)(228mL)を5分間かけて68℃で加えた。反応混合物が透明な溶液に変わった後、およそ3分間以内に新たな沈殿物が生じた。およそ5時間加熱還流を続けた。反応混合物を外気温まで終夜冷却した。(工程4)オフホワイト色の固体をポリプロピレンフィルターで濾取し、固体をMeOH、AR(2x1L)で洗浄した。(工程5)この方法で調製した2ロットの材料(740g及び820g)を合わせた。合わせた固体をメタノール(30L)中で、30分間かけて還流しながらスラリー状にし、室温まで冷却した。(工程6)固体をポリプロピレンフィルターで濾取し、メタノール(2x1.5L)でリンスした。(工程7)固体を減圧乾燥機(<10mmHg)で40℃で乾燥した。収率: 1598 g (84 %)、オフホワイト色固体; HPLC: 98.2%(area); MS: 561.2(M+1); 1H NMR: 一致(300 MHz, DMSO-d6); 元素分析(EA):理論値 = 54.97 %C; 5.41 %H; 13.26 %N; 5.06 %S; 11.19 %Cl; 実測値 = 54.45 %C; 5.46 %H; 13.09 %N; 4.99 %S; 10.91 %Cl.
実施例D:撹拌機械、加熱マントル、コンデンサー及び窒素注入口を備えた50L三頚丸底フラスコに、化合物B1(1052.4g、1.877mol、1.00当量)及びメタノール(21L)を充填した。反応器を加熱し、撹拌した。内部の温度>50℃で、濃HCl(398.63mL、4.693mol、2.5当量)を、5分間かけて付加漏斗から充填した。添加により、反応物が、淡黄色懸濁液から白色懸濁液に変わった。内部温度は、添加終了時に55℃であった。反応物を1時間加熱還流し、次いで、加熱をやめ、反応物を室温まで冷却した。反応物を2つに分けて濾過し、各々のフィルターケーキをメタノール(2x1L)で洗浄し、トレーに移し、減圧乾燥機(45℃)で恒量まで乾燥した。乾燥したトレーを合わせて、1141.9g(収率96%、HPLC純度99.1%、粉砕により10.9%塩化物)を製造した。
[6.5 実施例5.固形合成及び分析のための方法及び技術]
(6.5.1 溶解度測定)
秤量した試料を、一定分量の試験溶媒で、室温又は昇温下で、処理した。試験材料が完全に溶解したことを、目視検査により決定した。溶解度を、完全な溶解を提供するのに用いられた全溶媒に基づいて推定した。実際の溶解度は、多すぎる一定分量の溶媒が用いられたために又は溶解の速度が遅いために、計算値よりも大きくなり得る。実験中に溶解が起こらなかった場合、溶解度は「未満の」として表した。完全な溶解が1回の一定分量の添加だけで達成された場合は、溶解度は「より大きい」として表した。
(6.5.2 結晶形の選別)
熱力学的及び動力学的の両方の結晶化技術が行われた。これらの技術は、以下により詳細に記載している。一度、固体試料が結晶化の試みから得られた場合、それらを、顕微鏡下で複屈折及び形態について調査し、又は肉眼で観察した。いずれの結晶性の形にも留意したが、小さい粒子径のために、固体の形態が不明な場合もあった。固体試料は、次いで、XRPDで分析し、結晶性のパターンを、新規結晶形を同定するために、お互いに比較した。
冷却沈殿(CP):溶液を、様々な溶媒中、昇温(約60℃)下で、調製した。次いで、溶液を、0.2μmナイロンフィルターを通して、貧溶媒中に準外気温で、濾過した。固体が生じない場合、又は固体の量がXRPD分析には少なすぎると判断した場合には、バイアルを冷凍庫に置いた。得られた固体を濾過して単離し、分析した。
クラッシュ冷却(CC):飽和溶液を、様々な溶媒中、昇温(約60℃)下で、調製し、0.2μmナイロンフィルターを通してバイアルへ加温しながら濾過した。次いで、バイアルを、冷蔵庫又はドライアイス/アセトン浴に置いた。得られた固体を濾過して単離し、分析した。
急速蒸発(FE):溶液を、様々な溶媒中で調製し、溶解を助けるために一定分量ずつの添加の間に、超音波処理した。外観観察による判定により、一度混合物を完全に溶解させてから、溶液を0.2μmナイロンフィルターで濾過した。濾過した溶液を、外気温で、封をしないバイアル中で、蒸発させた。形成した固体を、単離し分析した。
凍結乾燥(FD):希釈した水溶液を調製し、0.2μmナイロンフィルターで濾過し、凍結した。凍結試料を、FTSsystems Flexi−Dryを用いて凍結乾燥した。
徐速蒸発(SE):溶液を、様々な溶媒中で調製し、溶解を助けるために一定分量ずつの添加の間に、超音波処理した。外観観察による判定により、一度混合物を完全に溶解させてから、溶液を0.2μmナイロンフィルターで濾過した。濾過した溶液を、外気温で、ピンホールを開けたアルミ箔で覆ったバイアル中で、蒸発させた。形成した固体を、単離し分析した。
粉砕:固体試料を、ステンレス鋼ミルローターに、小さい金属ボールとともに入れた。試料を、30Hzでボールミル上で所定の時間、粉砕した。固体を単離し分析した。
徐速冷却(SC):飽和溶液を、様々な溶媒中、昇温(約60℃)下で調製し、0.2μmナイロンフィルターを通して、開いたバイアルに加温しながら濾過した。バイアルを覆い、室温までゆっくりと冷却した。固体の存在又は非存在に留意した。固体が存在しない場合、又は固体の量がXRPD分析には少なすぎると判断した場合には、バイアルを冷蔵庫に終夜置いた。再度、固体の存在又は非存在に留意し、固体が存在しない場合は、バイアルを冷蔵庫に終夜置いた。形成した固体を濾過して単離し、分析前に乾燥させた。
スラリー実験:溶液を、過剰な固体が存在するくらい十分な固体を、所与の溶媒に加えることにより調製した。次いで、混合物を、密封バイアル中で、外気温又は昇温下のいずれかで、激しく撹拌した。所与の時間の後、固体を減圧濾過して単離した。
ストレス実験:固体に、異なる温度又は相対湿度(RH)の環境下で、測定時間ストレスをかけた。具体的なRH値は、飽和塩溶液を含む密封チャンバー内に、試料を置くことにより達成した。塩溶液は、ASTM標準手順に従って、選択し、調製した。ストレス環境から出した後すみやかに、試料をXRPDで分析した。
(6.5.3 塩の選別)
実験条件としては、様々なゲスト、溶媒、化学量論量及び結晶化技術が挙げられた。これらの技術は、以下により詳細に記載している。一度、固体試料が塩の試みから得られた場合、それらを、顕微鏡下で複屈折及び形態について調査するか、又は肉眼で観察した。いずれの結晶性の形にも留意したが、小さい粒子径のために、固体の形態が不明な場合もあった。次いで、固体試料をXRPDで分析した。
クラッシュ沈殿:遊離塩基及び酸を含む溶液を、昇温(約60℃)下で調製した。次いで、溶液を、0.2μmナイロンフィルターを通して、貧溶媒中に外気温で濾過した。得られた固体を単離し分析した。
クラッシュ冷却(CC):遊離塩基及び酸を含む溶液を、様々な溶媒中で、昇温(約60℃)下で調製し、0.2μmナイロンフィルターを通して濾過してもよく、濾過しなくてもよく、バイアルへ加温しながら注入した。次いで、バイアルを冷蔵庫又は冷蔵庫に置いた。得られた固体を減圧濾過して単離し、XRPDで分析した。
急速蒸発(FE):遊離塩基及び酸を含む溶液を調製し、0.2μmナイロンフィルターで濾過した。濾過した溶液を、外気温で、封をしないバイアル中で、蒸発された。形成した固体を単離し分析した。
徐速冷却:遊離塩基及び酸の溶液を、昇温下で調製した。次いで、混合物を、室温まで冷却した。固体の存在又は非存在に留意した。固体が存在しない場合には、バイアルを冷蔵庫に置いた。固体の存在又は非存在に留意し、得られた固体を単離し分析した。
スラリー:溶液は、酸性溶液を、遊離塩基の溶液に、過剰な固体の存在とともに、加えることにより調製した。次いで、混合物を、密封バイアル中、外気温又は昇温下で、所与の時間激しく撹拌した。固体を単離し分析した。
(6.5.4 計測技術)
6.5.4.1 示差走査熱量測定(DSC)
分析は、TA Instruments differential scanning calorimeter 2920で行った。計測器は、参考材料としてインジウムを用いて計算した。試料は、標準アルミニウムDSCパンに、非圧着又は圧着の蓋を配置してて置き、重量を正確に記録した。試料セルを、約25℃に設置し、窒素パージ下で、速度約10℃/分で最終温度約300℃まで、加熱した。アモルファス材料のガラス転移温度(Tg)を決定するために、試料セルを、数回、約−40及び約70℃の間で、循環させた。Tgは、転移の変曲点から、平均値として、報告される。
6.5.4.2 動的水蒸気吸着/脱着(DVS)
データは、VTI SGA-100 moisture balance systemで収集した。吸着等温線用に、10%RH増加における約5から約95%相対湿度(RH)の吸着範囲及び約95から約5%RHの脱着範囲を分析に用いた。試料は、分析前に乾燥しなかった。分析に用いた平衡基準は、5分間で0.0100重量%未満の変化であり、重量基準と一致しなかった場合、最大平衡時間を3時間とした。データは、試料の初期湿度含有量については補正しなかった。
6.5.4.3 温度変調型示差走査熱量測定(MDSC)
温度変調型示差走査熱量測定データは、冷凍機冷却システム(RCS)付きTA Instruments differential scanning calorimeter 2920で得た。試料をアルミニウムDSCパンに入れ、重量を正確に記録した。パンを蓋で覆い圧着した。MDSCデータを、60秒間で+/−0.8℃の振幅の変調で、約−30から約150℃までの約2℃/分の基本加熱速度を用いて得た。温度及び熱容量を、各々較正基準としてインジウム金属及びサファイアを用いて計算した。報告されたガラス転移温度を、温度曲線に対する可逆の熱流量における、階段状変化の屈曲から得る。
6.5.4.4 核磁気共鳴(NMR)
液相1H NMRスペクトルで収集されたパラメーターを、各々のスペクトルで印刷する。スペクトルは、0.0ppmのテトラメチルシランを内部標準とした。
6.5.4.5 光学顕微鏡法
光学顕微鏡法による観察は、Wolfe偏光光学顕微鏡で倍率4Xで収集した。交差偏光板(CP)を、試料の複屈折を観察するために用いた。
6.5.4.6 熱重量分析(TG)
分析は、TA Instruments 2950 thermogravimetric analyzerで行った。較正基準は、ニッケル及びアルメル(商標)であった。各々の試料をアルミニウム試料パンに置き、TG加熱炉に挿入した。試料を、はじめに約25℃で平衡させてから、又は外気温条件から直接的に開始し、次いで、約10℃/分の加熱速度で、窒素気流下、特に断りのない限り最終温度約300又は約350℃まで加熱した。
6.5.4.7 熱重量赤外分光法(TG−IR)
熱重量赤外分光法(TG−IR)分析は、Ever−Glo mid/far赤外線源、臭化カリウム(KBr)ビームスプリッター及び重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器を設置して、TA Instruments thermogravimetric(TG) analyzer model 2050とMagna 560(登録商標) Fourier transform infrared (FT-IR) spectrophotometer (Thermo Nicolet)を連動して入手した。TG計測器は、パージと平衡のために各々90及び10cc/分のヘリウム流入下で稼動させた。各試料を白金試料パンに置き、TG加熱炉に挿入し、計測器で正確に秤量し、加熱炉を、外気温から約275又は約325℃まで、約20℃/分の速度で加熱した。TG計測器をはじめに開始させ、すみやかに続いてFT−IR計測器を開始させた。各IRスペクトルは、スペクトル分解能4cm−1で収集された、共付加された8スキャンを示す。IRスペクトルは、1秒毎に8分間収集された。バックグラウンドのスキャンは、実験開始前に収集された。波長の較正は、ポリスチレンを用いて行った。TG較正基準は、ニッケル及びアルメル(商標)であった。揮発性物質は、High Resolution Nicolet TGA Vapor Phase spectral library [2345-78]の調査から同定した。
6.5.4.8 粉末X線回折(XRPD)
粉末X線回折分析は、120°の2θ範囲でカーブ位置高感度検出器を設置して、Inel XRG-3000 diffdactometerで行った。Cu Kα放射線を用いて、およそ4°2θから開始して、分解能0.03°2θで、リアルタイムデータを収集した。管電圧及び電流を、40kV及び30mAに各々設定した。パターンを2.5から40°2θまで表示する。試料を、薄壁ガラスキャピラリーにそれらを充填することにより分析するための準備を行った。各キャピラリーを、データを取得する間、キャピラリーをモーターで回転させる、角度計の先端に埋め込んだ。計測器の較正は、シリコン参考標準を用いて日々行った。
XRPDピーク位置のリストを、XRPDパターンの目視検査又はsoftware Pattern Match version 2.3.5(Ivanisevic,Iら、回折パターンを一致させるシステム及び方法、米国特許出願公開公報第20040103130号、2004年5月参照)を用いることのどちらかにより得た。概して、XRPDピークの位置は、約±0.2°2θで変化することが予期される。XRPDパターンが第二のXRPDパターンと一致するかどうかの決定は、2つのXRPDパターンの目視検査又はsoftware Pattern Match version 2.3.5を用いることのどちらかにより、行った。概して、当該技術分野で理解されるように、第一のパターンの特徴的なピークが、第二のパターンの特徴的なピークとおよそ同じ位置に配置される場合、2つのXRPDパターンは互いに一致する。当該技術分野で理解されるように、2つのXRPDパターンが一致するかどうかの決定には、個々の変数及びパラメーターを考慮することが必要となり得、例えば、とりわけ、好適な配向性、相不純物、結晶度、粒子径、設定された回折計測器のバリエーション、XRPDデータ採取のパラメーターのバージョン及びXRPDデータ処理のバリエーションが挙げられるが、これらに限定されない。
6.5.4.9 単一結晶のX線回折法
化合物B1のHCl塩のB体結晶形態の結晶性を、以下に記載の手順に従って、単一結晶X線回折法により解析した。
試料調製:化合物B1のHCl塩を、10mLメタノールに溶解し、0.2mmナイロンフィルターを通して、20mLガラスバイアルに濾過した。バイアルを7つのピンホールをあけたアルミ箔で覆い、外気温で放置して蒸発させた。単一結晶を蒸発が完了する前に観察した。
データ採取:概算の大きさ0.35x0.13x0.04mmを有するC29H34Cl2N6O4Sの無色の針状物を、単離し、ランダムな配向性のガラスファイバー上に埋め込んだ。前試験及びデータ採取を、Mo Kα放射線(λ=0.71073Å)を用いて、Nonius KappaCCD diffractometerで行った。リファインメントを、SHELX97を用いたLINUX PCで行った(以下の参考文献i参照)。データ採取用のセル定数及び配向性マトリックスは、2°<θ<24°の範囲の設定角度の16934の反射を用いた最小二乗法リファインメントから得た。DENZO/SCALEPACKからのリファインされたモザイシティ(mosaicity)は、中程度の結晶品質を示す0.70°であった。空間群は、プログラムXPREPにより決定した(下記参考文献i参照)。系統的に存在する以下の条件:h0l h+l=2n、0k0 k=2nから、及び次に得られる最小二乗法リファインメントから、空間群は、P21/n(no.14)であることが決定された。データは、最大2θ値48.32°まで、温度150±1Kで採取した。
データの整理:全部で16934の反射が採取され、そのうち4937が固有のものであった。フレームを、DENZO-SMN(下記参考文献ii参照)で積分した。ローレンツ及び偏光補正を、データに適用した。線吸収係数は、Mo Kα放射線では0.316mm−1である。SCALEPACKを用いた経験的吸収補正を適用した(下記参考文献ii参照)。透過係数は、0.889から0.988の範囲であった。等価反射の強度を平均化した。平均化のためのファクターの一致は、強度に基づいて7.6%であった。
構造解析及びリファインメント:構造を、SIR2004(下記の参考文献iv参照)を用いた直接的な方法で解析した。続いて、差フーリエ合成を行うことで、残りの原子を配置させた。水素原子は、リファインメントに含まれたが、それらが結合している原子上に拘束された。構造は、式:
[式中、重量wは、
1/[σ2(Fo 2)+(0.0866P)2+(0.0000P)]
(式中、P=(Fo 2+2Fc 2)/3)
で定義される]
を最小限にすることにより、フルマトリックス最小二乗法でリファインメントされた。
散乱ファクターを「International Tables for Crystallography」(下記参考文献v参照)から得た。リファインメントで用いられる4937の反射のなかでも、
を有する反射だけがRの計算に用いられた。全部で3413の反射が計算に用いられた。最終サイクルのリファインメントには、398の変数パラメーターが含まれ、非加重及び加重一致ファクターの:
及び
で収束した(最大パラメーターシフトは、その推定標準偏差の0.01倍未満であった)。
単位重量の観測標準偏差は、1.007であった。最終的な差フーリエにおける最も高いピークは、高さ0.47e/Å3を有していた。最小のネガティブピークは、高さ−0.48e/Å3を有していた。
粉末X線回折(XRPD)パターンシミュレーション:シミュレーションのXRPDパターンを、Powder Cell 2.3(下記参考文献vi参照)を用いたCu放射線、原子座標、空間群及び単一結晶データからの単位格子パラメーターに対して、作成した。
ORTEP及びパッキング略図:ORTEP略図を、ORTEP III(下記参考文献vii参照)を用いて調製した。原子を、50%確立異方性の熱運動楕円体により表す。パッキング略図を、CAMERON modeling software(下記参考文献viii参照)を用いて調製した。水素結合を破線で表す。更なる図を、Mercury version 1.4.1.を用いて、作成した。水素結合を破線で表す。
化合物B1のHCl塩のB体結晶形態の単一結晶性からの結果:単斜晶系の概算のセルパラメーター及び概算の体積計算値は:a=15.6089(11)Å、b=11.9443(6)Å、c=16.9448(12)Å、α=90.00、β=101.249(3)°、γ=90.00、V=3098.5(3)Å3であることが決定された。化合物B1の二HCl塩の式量は、Z=4及び密度計算値1.358gcm−3で633.60g/molであった。空間群は、P21/n(no.14)であることが決定された。結晶データ及び結晶学的データ採取パラメーターを、表1にまとめる。
化合物B1の二HCl塩のORTEP図を、図19に示す。単一結晶性は、構造(I)として上記記載の化合物B1の構造と一致する。示された非対称単位は、1つの二価の化合物B1分子及び2つのクロライドアニオンを含む。塩の形成は、フーリエマップからN1及びN84にプロトンを配置することにより、確認された。標識されたスキームを、任意に帰属した。
図20記載のパッキング略図等のパッキング略図を調製した。水素原子は、図に含まれ、水素結合を破線で表す。構造は、クロライドイオンで分離された化合物B1分子の層として、記載することができる。2つのクロライドイオンは、化合物B1分子の2つのプロトン化された窒素原子に、密接に関連する。1つの塩素イオン(Cl2)は、縮合イミダゾール並びに2つのアミド窒素であるN27及びN29と相互作用し、一方、他のハライドイオンは、最隣接原子のファンデルワールス半径内で更なる相互作用を有してはいないようである。
シミュレーションのXRPDパターン及び実験的なXRPDパターン間の、ピーク配置のわずかなシフトは、実験的な粉末パターンが外気温で採取され、一方、単一結晶データが150Kで採取されたという事実に関係する。低温は、単一結晶分析において、構造品質を改善するために、用いられる。
単一結晶XRDデータ採取用の参考文献及び引用:(i)Sheldrick, G. M. SHELX97, A Program for Crystal Structure Refinement, University of Gottingen, Germany, 1997; (ii) Otwinowski, Z.; Minor, W. Methods Enzymol. 1997, 276, 307; (iii) Bruker, XPREP in SHELXTL v.6.12, Bruker AXS Inc., Madison, WI, USE, 2002; (iv) Burla, M.C., et al., J. Appl. Cryst. 2005, 38, 381; (v) International Tables for Crystallography, Vol. C, Kluwer Academic Publishers: Dordrecht, The Netherlands, 1992, Tables 4.2.6.8 and 6.1.1.4; (vi) PowderCell for Windows v.2.3 Kraus, W.; Nolze, G. Federal Institute for Materials Research and Testing, Berlin Germany, EU, 1999; (vii) Johnson, C. K. ORTEPIII, Report ORNL-6895, Oak Ridge National Laboratory, TN, U.S.A. 1996. ORTEP-3 for Windows v.1.05, Farrugia, L.J., J. Appl. Cryst. 1997, 30, 565; (viii) Watkin, D. J.; et al.CAMERON, Chemical Crystallography Laboratory, University of Oxford, Oxford, 1996.
[6.6 実施例6.化合物B1を含む固形の調製]
(6.6.1 化合物B1の遊離塩基を含む固形)
6.6.1.1 化合物B1の遊離塩基のA体
化合物B1の遊離塩基のA体は、粗化合物B1(160g)を熱ジメチルホルムアミド(DMF;1.3L)に溶解し、次いで熱濾過し、次いで約15℃で撹拌して、白色固体を得ることにより、形成した。別のロットの粗化合物B1(118g)を、熱DMF(0.8L)に溶解し、次いで濾過し、一つ目のロットと合わせた。合わせた材料をDMF中で2時間以上かけて約15℃で撹拌した。白色固体を濾去し、500mLのジエチルエーテル2部分で二回リンスし、風乾した。得られた固体を、XRPDで化合物B1の遊離塩基のA体の結晶形態であると決定した。化合物B1の遊離塩基のA体のXRPDデータを、図2に示す。
6.6.1.2 化合物B1の遊離塩基のB体
化合物B1の遊離塩基のB体は、メタノール及びヘキサン類を含む溶媒系中で、1:1 馬尿酸:化合物B1の混合物を、急速蒸発させることにより形成した。このB体材料の試料は白色固体であり、光学顕微鏡法により、複屈折及び消失を伴うファイバー状であることが示された。また、化合物B1の遊離塩基のB体は、メタノール、テトラヒドロフラン及びヘキサン類を含む溶媒系中で、1:1 マレイン酸:化合物B1の混合物を、クラッシュ沈殿することにより形成した。このB体材料の試料は、オフホワイト色固体であり、光学顕微鏡法により、複屈折及び消失を伴う、小さく薄いブレードであることが示された。B体材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。化合物B1の遊離塩基のB体のXRPDデータを、図5に示す。
6.6.1.3 化合物B1の遊離塩基のメタノール和物
化合物B1の遊離塩基のメタノール和物は、メタノール及びエーテルを含む溶媒系中で、1:1 フマル酸:化合物B1の混合物を、クラッシュ冷却することにより形成した。得られた材料は、白色固体であり、光学顕微鏡法で、複屈折及び消失を伴うファイバー状であることが示された。この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。この化合物B1の遊離塩基のメタノール和物のXRPDデータを、図6に示す。
(6.6.2 化合物B1のHCl塩を含む固形)
6.6.2.1 固形の調製
6.6.2.2 冷却沈殿の実験
6.6.2.3 スラリーの実験
6.6.2.4 化合物B1のHCl塩を含む固形の更なる調製
6.6.2.5 化合物B1のHCl塩を含む結晶形態に関するスケールアップ実験
6.6.2.6 ストレス検証
化合物B1のHCl塩を含む結晶形態に関わる機械的なストレス検証
6.6.2.7 化合物B1のHCl塩のA及びB体の溶解度データ
化合物B1のHCl塩のB体の溶解度データ
6.6.2.8 化合物B1のHCl塩を含む固形の特性データ
(6.6.3 化合物B1のHBr塩の固形)
化合物B1のHBr塩のA体は、2.5:1 臭化水素酸:化合物B1の混合物を、メタノール/水溶媒系中(水は微量の成分である)で、スラリー状とすることにより形成された。反応物を約60℃で約30分間スラリー状とし、HBr塩のA体を単離した。A体HBr塩材料は白色固体であり、光学顕微鏡法で、複屈折及び消失を伴うファイバー状であることが示された。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示さた。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。単離した白色固体は、75%RHで4日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のHBr塩のA体の、XRPD及び1H NMRデータを、図47及び図48に示す。
(6.6.4 化合物B1の硫酸塩の固形)
化合物B1の硫酸塩のA体は、1:1 硫酸:化合物B1の混合物を、水/アセトニトリル/ジオキサン溶媒系中で、クラッシュ沈殿することにより形成された。単離したA体硫酸塩材料は、塊状を含む桃色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。化合物B1の硫酸塩のA体のXRPDデータを、図49に示す。
化合物B1の硫酸塩のB体は、1.5:1 硫酸:化合物B1の混合物を、水中でスラリー状とすることにより形成された。反応物を約60℃で約30分間スラリー状とし、硫酸塩のB体を単離した。単離したB体硫酸塩材料は、いくつかの複屈折を伴う不規則な粒子を含むオフホワイト色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。化合物B1の硫酸塩のB体のXRPDデータを、図49に示す。
化合物B1の硫酸塩のC体は、1:1 硫酸:化合物B1の混合物を、メタノール、アセトニトリル、アセトン及び水を含む溶媒系中(水は微量の成分である)で、スラリー状とすることにより形成された。反応物を、約17日間スラリー状とし、硫酸塩のC体を単離した。単離したC体硫酸塩材料は、いくつかの複屈折を伴う塊状を含む桃色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示された。単離した固体は、75%RHで7日間保存しても潮解しなかった。化合物B1の硫酸塩のC体の、XRPD及び1H NMRデータを、図49及び図50に示す。
(6.6.5 化合物B1のメシル酸塩の固形)
化合物B1のメシル酸塩のA体は、1.2:1 メタンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したA体メシル酸塩の材料は、いくつかの複屈折及び消失を伴う不規則な粒子及び塊状を含むオフホワイト色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、メタンスルホン酸に帰属するおよそ2.34ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1モル当量の酸であることが示された。単離した固体は、75%RHで5日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のメシル酸塩のA体の、XRPD及び1H NMRデータを、図51及び図52に示す。
化合物B1のメシル酸塩のB体は、2.2:1 メタンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したB体メシル酸塩の材料は、いくつかの複屈折及び消失を伴う小さい粒子を含む白色固体であるようだった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、メタンスルホン酸に帰属するおよそ2.34ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1.5モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで4日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のメシル酸塩のB体のXRPD及び1H NMRデータを、図51及び図53に示す。
(6.6.6 化合物B1のエシル酸塩の固形)
化合物B1のエシル酸塩のA体は、1:1 エタンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール/エーテル溶媒系中で、クラッシュ沈殿することにより形成された。単離したA体メシル酸塩の材料は、塊状を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。化合物B1のエシル酸塩のA体のXRPDデータを、図54に示す。
化合物B1のエシル酸塩のB体は、1:1 エタンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール/エーテル溶媒系中で、急速蒸発することにより形成された。単離したB体エシル酸塩の材料は、複屈折及び消失を伴うファイバー状を含む明黄色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、エタンスルホン酸に帰属する約1.07及び約2.41ppmのピーク積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで7日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のエシル酸塩のB体の、XRPD及び1H NMRデータを、図54及び図55に示す。
化合物B1のエシル酸塩のC体は、2.5:1 エタンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール溶媒系中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したC体エシル酸塩の材料は、いくつかの複屈折及び消失を伴うファイバー状及び小さい粒子を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。化合物B1のエシル酸塩のC体のXRPDデータを、図54に示す。
(6.6.7 化合物B1のエジシル酸塩の固形)
化合物B1のエジシル酸塩のA体は、1.5:1 エタンジスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール/エーテル溶媒系中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したA体エジシル酸塩の材料は、いくつかの複屈折を伴う塊状及び不規則な粒子を含むオフホワイト色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、エタンジスルホン酸に帰属する約2.69ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで7日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のエジシル酸塩のA体の、XRPD及び1H NMRデータを、図56及び図57に示す。
(6.6.8 化合物B1のベシル酸塩の固形)
化合物B1のベシル酸塩のA体は、1:1 ベンゼンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したA体ベシル酸塩の材料は、複屈折及び消失を伴う不規則な粒子を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、ベンゼンスルホン酸に帰属する約7.3及び約7.6ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで3日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のベシル酸塩のA体の、XRPD及び1H NMRデータを、図58及び図59に示す。
化合物B1のベシル酸塩のB体は、2.5:1 ベンゼンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したB体ベシル酸塩の材料は、いくつかの複屈折及び消失を伴う不規則な粒子を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、ベンゼンスルホン酸に帰属する約7.3及び7.6ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1.6モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで7日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のベシル酸塩のB体の、XRPD及び1H NMRデータを、図58及び図60に示す。
(6.6.9 化合物B1のトシル酸塩の固形)
化合物B1のトシル酸塩のA体は、1:1 トルエンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したA体トシル酸塩の材料は、塊状を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。化合物B1のトシル酸塩のA体のXRPDデータを、図61に示す。
化合物B1のトシル酸塩のB体は、1.5:1 トルエンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したB体トシル酸塩の材料は、不規則な粒子及び塊状を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、トルエンスルホン酸に帰属する約2.29、7.11及び7.48ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで5日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のトシル酸塩のB体の、XRPD及び1H NMRを、図61及び図62に示す。
化合物B1のトシル酸塩のC体は、2.5:1 トルエンスルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したC体トシル酸塩の材料は、不規則な粒子及び塊状を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。化合物B1のトシル酸塩のC体のXRPDデータを、図61に示す。
(6.6.10 化合物B1のナプシル酸塩の固形)
化合物B1のナプシル酸塩のA体は、1.5:1 ナフタレン−2−スルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したA体ナプシル酸塩の材料は、塊状を含む白色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRにより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、ナフタレン−2−スルホン酸に帰属する約8.14ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約1モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで7日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のナプシル酸塩のA体の、XRPD及び1H NMRを、図63及び図64に示す。
化合物B1のナプシル酸塩のB体は、2.5:1 ナフタレン−2−スルホン酸:化合物B1の混合物を、メタノール中で、クラッシュ冷却することにより形成された。単離したB体ナプシル酸塩の材料は、顆粒状の粒子を含むオフホワイト色固体のようであった。材料は、XRPDで観察されたように、結晶性であった。1H NMRより、親化合物B1の構造が完全なままであることが示され、ナフタレン−2−スルホン酸に帰属する約8.14ppmのピークの積分値から、化合物B1 1モルあたり、約2モル当量の酸であることが示された。単離された固体は、75%RHで7日間保存しても、潮解しなかった。化合物B1のナプシル酸塩のB体の、XRPD及び1H NMRを、図63及び図65に示す。
出願人は、本明細書中で引用された各々の文献の全体を参照することにより、本明細書中に援用する。