JP5460226B2 - ワイヤーソー装置およびこれを用いた半導体基板の製造方法 - Google Patents

ワイヤーソー装置およびこれを用いた半導体基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体材料等からなる被加工物に対し、ワイヤーを用いて切断等の加工が可能なワイヤーソー装置およびこれを用いた半導体基板の製造方法に関する。
例えば太陽電池素子などの半導体基板を作製する場合、まず、インゴットを所定の寸法に切断してブロックにする。そして、このブロックを接着剤にてスライス台に接着した後、ワイヤーソー装置などを用いて複数枚に切断して半導体基板を得る。
ワイヤーソー装置によるスライス方法には、砥粒を含む切削液を供給することによってワイヤーのラッピング作用で切断する方法(遊離砥粒タイプ)と、初めから砥粒をワイヤーに固着させた砥粒固着ワイヤーで切断する方法(固着砥粒タイプ)がある。固着砥粒タイプにおいては、ワイヤーまたは被加工物の冷却不足に伴うワイヤーの断線が多く発生し、シリコン等の半導体基板を作製する方法には不向きであった。
このため、ワイヤー表面に砥粒が固着された砥粒固着ワイヤーにより被加工物を切断する方法において、被加工物の切断部分とその近傍に水または水溶性の加工液を噴射しながら切断加工を行うワイヤーソー装置が提案されている(下記の特許文献1を参照)。
特開2000−296455号公報
しかしながら、固着砥粒タイプにおいてワイヤーの断線が発生することがあった。そこで、確実にワイヤーの断線率を低減することのできるワイヤーソー装置および半導体基板の製造方法が望まれてきた。
本発明の一形態に係るワイヤーソー装置は、表面に砥粒が固着されたワイヤーと、
前記ワイヤーの上に設置される被加工物を接着するスライス台と、
前記スライス台を保持するベースプレートと、
前記ベースプレートを固定する装置固定体と、
前記被加工物の切断部分に加工液を供給する供給ノズルと、を備え、
前記ワイヤーの走行方向において、前記被加工物の端部より外側に、前記スライス台、前記ベースプレートまたは前記装置固定体の一部を位置させた突出部を有し、前記被加工物と前記スライス台との界面から前記突出部までの距離が、前記加工液の跳ねを受けない距離に設定されていることを特徴とする。
また、本発明の一形態に係るワイヤー装置は、表面に砥粒が固着された複数の列をなすワイヤーと、
前記ワイヤーの上に設置される被加工物の切断部分に加工液を供給する供給ノズルと、
前記被加工物と前記供給ノズルとの間に位置して、かつ前記ワイヤーの上方に前記被加工物に対して間隔をとって位置する加工液受け部材と、を備え
前記加工液受け部材と前記被加工物との間隔が10mm以上50mm以下であることを特徴とする。
さらに、本発明の一形態に係る半導体基板の製造方法は、上記のいずれかのワイヤーソー装置を用いて、半導体からなる被加工物を切断して半導体基板を得ることを特徴とする。
上述のワイヤーソー装置および半導体基板の製造方法により、切断領域に入り込まない加工液が被加工物の壁面にぶつかり、その後、ワイヤー進行方向の反対かつ上方に跳ね返った加工液がワイヤー走行面に落下した際に、加工液の整流作用および供給量の悪化を低減することができる。これにより、加工液の供給量不足によるワイヤーの断線を十分に低減することができる。
本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に示す概略斜視図である。 本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に説明する概略断面図である。 本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に説明する概略断面図である。 本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に説明する概略断面図である。 本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に説明する図であり、(a)は概略断面図であり、(b)は(a)におけるJ−J線断面図である。 本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に説明する図であり、(a)は概略断面図であり、(b)および(c)はそれぞれ部分拡大断面図である。 本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に説明する部分拡大平面図である。 本発明に係るワイヤーソー装置の一実施形態を模式的に説明する部分拡大断面図である。
以下に、本発明に係るワイヤーソー装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各種実施形態間において、同一部材については同一符号を付し、説明を省略するものとする。
<実施形態1>
図1に示すように、ワイヤーソー装置S1は、表面に砥粒が固着され平均直径Dのワイヤー3が、複数の溝を表面に有するメインローラ5に巻きつけられてなり、ワイヤー3の上部には加工液を供給する供給ノズル4を備えている。
このようなワイヤーソー装置S1により、複数のメインローラ5間を走行するワイヤー3に切断対象である被加工物1を押し当て切断することによって、基板を製造する。
被加工物1は、例えば、単結晶シリコンまたは多結晶シリコン等からなるインゴットまたはインゴットの端部等を切断して形成されるブロックが用いられる。ここで、単結晶シリコンのインゴットを用いる場合、そのインゴットは例えば円柱状であり、そのサイズは、例えば直径8インチ,長さ1m〜1.5mである。また、多結晶シリコンのインゴットを用いる場合、そのインゴットは例えば直方体状であり、複数本のシリコンブロックを取り出すことができる大きさを有しており、シリコンブロックは断面形状が矩形(正方形状を含む)であって、そのサイズは、例えば156mm×156mm×300mmである。
このような被加工物1は、カーボン材、ガラスまたは樹脂等の材質からなるスライス台2上に接着剤などによって接着される。この接着剤としては、熱硬化型二液性のエポキシ系、アクリル系、アクリレート系またはワックスなどを用いる。スライス後、基板をスライス台2から剥離しやすくするために、温度を上げることで接着力が低下する接着剤を用いる。そして、スライス台2とベースプレート10とを接着またはクランプ等で保持し、ベースプレート10はネジまたはクランプにより装置固定体11に固定され、被加工物1を装置内に1本または複数本配置する。一般的にスライス台2は10〜30mmの厚さを有し、ベースプレート10は10〜30mmの厚さを有している。
ワイヤー3は、供給リール7から供給され、巻取リール8に巻き取られる。ワイヤー3は、供給リール7と巻取リール8との間において、複数のメインローラ5に巻かれ、メインローラ5間に複数本に張られ、複数の列を形成している。また、ワイヤー3は、例えば鉄または鉄合金を主成分とするピアノ線からなり、線径は100μm以上150μm以下、より好ましくは100μm以上130μm以下である。本実施形態において、ワイヤー3は、周囲にダイヤモンドもしくは炭化珪素からなる砥粒がニッケルまたは銅・クロムによるメッキにて固着された砥粒固着ワイヤーである。この場合、砥粒の平均粒径は5μm以上30μm以下とした方がよく、砥粒を含めたワイヤー3の平均直径Dは110μm以上210μm以下となり、より好ましくは110μm以上170μm以下である。
ワイヤー3には、供給ノズル4の複数の開口部からワイヤー3および被加工物1を冷却するクーラント液の役割を果たす加工液が供給される。加工液は、例えばグリコール等の水溶性溶剤または油性溶剤からなり、水で上記溶剤を希釈してもよい。供給ノズル4に供給する加工液の供給流量は、被加工物1の大きさおよび本数によって適宜設定される。また、加工液を循環させて使用してもよく、その際に加工液中に含まれる砥粒および切屑等を除去して使用される。供給ノズル4より供給された加工液は被加工物1の切断部分とその近傍に供給される。
メインローラ5は、例えば、エステル系、エーテル系もしくは尿素系のウレタンゴム、またはニューライト等の樹脂からなり、その直径は150mm以上500mm以下程度、長さが200mm以上1000mm以下程度である。メインローラ5の表面には、供給リール7から供給されたワイヤー3を所定間隔に配列させるための複数の溝が設けられている。これら溝の間隔とワイヤー3の直径との関係によって、基板の厚みが定まり、基板の厚みは250μm以下に形成される。
ワイヤー3の下方には、切断時に発生する被加工物の切屑や加工液の回収を目的としてディップ槽6が設けられる。
供給リール7および巻取リール8は、スチール等からなるボビン形状の表面に砥粒固着ワイヤー3が巻きつけられている。また、ワイヤーソー装置S1は、供給リール7および巻取リール8を所定の速度で回転させるためのモーターと、ワイヤー3を所定の位置に巻きつけるために案内するトラバーサとを有する。
複数のガイドローラ9は、ワイヤー3を供給リール7からメインローラ5へ、さらにメインローラ5から巻取リール8へと案内する役割を有する。それぞれのガイドローラ9は、ワイヤー3が走行する溝を有する。このようなガイドローラ9は、例えば、エステル系、エーテル系または尿素系のウレタンゴムからなり、特にエーテル系のウレタンゴムを使用することにより、同様の硬度を用いたエステル系のものよりもガイドローラ9の磨耗を低減することができる。
また、ワイヤーソー装置S1は、供給リール7および巻取リール8に巻きつけるワイヤー3の張力を調整する手段とワイヤー3に加えられている張力を検出するセンサとを備えている。
また、図2に示すように、ワイヤーソー装置S1は、ワイヤー3の走行方向において、被加工物1の端部1aより外側にあるスライス台2またはベースプレート10または装置固定体11の突出部の下面が、被加工物1とスライス台2との界面eから上に50mm以上離れている。すなわち、図2に示すワイヤーソー装置S1の場合、界面eと装置固定体11の突出部11aの下面との距離dが加工液の跳ねを受けない距離の50mm以上に設定されている。
通常、砥粒固着ワイヤーに用いられる加工液は粘度が低い。このため、被加工物1の切断領域に入り込まない加工液が被加工物1の壁面にぶつかり、その後、上方に高く跳ね返って装置部材にぶつかり、そして、加工液がまとまった状態でワイヤー走行面に落下した衝撃によりワイヤー3表面の加工液が失われ、加工液の整流作用および供給量が阻害される。その結果、ワイヤー3および被加工物1の冷却不足となりワイヤー3が断線することが分かった。また、供給ノズル4から供給される加工液は、場所によって、噴出圧力や供給量に若干のばらつきが存在するため、被加工物1の一部でより顕著に跳ね返りが発生する。
しかし、上記構成により、上方に跳ね返った加工液が被加工物1よりも上部に存在する装置部材と接触することが回避される。このため、上方に跳ね返った加工液がまとまってワイヤー走行面に落下することが低減され、上方に跳ね返った加工液は周囲に散って落下する。このことから、加工液の整流作用及び供給量の悪化を低減することができ、加工液の供給量不足によるワイヤーの断線の悪化(特に跳ね返った加工液が装置部材と接触する可能性の高い切断後半時における悪化)を十分に低減することができる。
また、図2に示すように、スライス台2においてワイヤー3の走行方向において被加工物1の端部1aがスライス台2の端部2aと面一の端面に位置するようにするとよい。これにより、上方に跳ね返った加工液がスライス台2に接触することがないため、加工液の整流作用及び供給量の悪化を低減することができる。
また図2に示すように、ベースプレート10も、ワイヤー3の走行方向において被加工物1の端部1aをベースプレート10の端部10aと面一に位置させてもよい。この構成により、上方に跳ね返った加工液がベースプレート10に接触することがないため、加工液の整流作用および供給量の悪化を低減することができる。
以上のように、本実施形態のワイヤーソー装置S1は、表面に砥粒が固着されたワイヤー3と、ワイヤー3の上に設置される被加工物1を接着するスライス台2と、スライス台2を保持するベースプレート10と、ベースプレート10を固定する装置固定体11と、被加工物1の切断部分に加工液を供給する供給ノズル4と、を備え、ワイヤー3の走行方向において、被加工物1の端部1aより外側に、スライス台2、ベースプレート10または装置固定体11の一部を位置させた突出部を有し、被加工物1とスライス台2との界面eから突出部11aまでの距離dが、加工液の跳ねを受けない距離に設定されている。
なお、被加工物1をスライス台2に設置する際に、またはスライス台2をベースプレート10に設置する際に、位置ズレ等を生じる場合があるが、スライス台2および/またはベースプレート10の端部が被加工物1の端部1aよりも若干外側に位置しても本発明の効果に影響はない。例えば、外側に位置する長さが5mm以下であればスライス台2および/またはベースプレート10の端部と被加工物1の端部1aはほぼ同じとみなすことができる。
<実施形態2>
図3に示すワイヤーソー装置S2のように、被加工物1の端部1aがスライス台2の端部2aよりも外側に位置するように構成してもよい。これにより、上方に跳ね返った加工液がスライス台2に接触することがないため、加工液の整流作用及び供給量の悪化を低減することができる。
さらに、ベースプレート10の端部10aよりも外側に位置させるようにしてもよい。このような構成により、上方に跳ね返った加工液がベースプレート10に接触することがないため、加工液の整流作用および供給量の悪化を低減することができる。
なお、図3において、被加工物1の端部1aと、スライス台の端部2aまたはベースプレート10の端部10aのいずれか一方とが面一であってもよい。また、実施形態1と同様に、スライス台2の端部2aまたはベースプレート10の端部10aが被加工物1の端部1aよりも若干外側に位置しても本発明の効果に影響はない。例えば、外側に位置する長さが5mm以下であれば、スライス台2の端部2aおよび/またはベースプレート10の端部10aと被加工物1の端部1aは、ほぼ面一とみなすことができる。
<実施形態3>
図4に示すワイヤーソー装置S3のように、スライス台2およびベースプレート10におけるワイヤー3の列方向の幅を、被加工物1の幅よりも広く設計することにより、ワイヤー3の走行方向の幅を被加工物1と同じかそれより狭くしてもよい。これにより、被加工物1が位置しない部分にスライス台2をベースプレート10に取り付ける機構、および/またはベースプレート10を装置固定体11に取り付ける機構を設けることができるため、被加工物1を容易に装置内に固定することができる。
<実施形態4>
ワイヤー3の列幅は被加工物1の幅とほぼ同じに形成されるが、図5(a)に示すワイヤーソー装置S4のように、ワイヤー3の列幅を被加工物1の幅よりも狭くしてもよい。これにより、ワイヤー3の部分的なたわみおよび断線を防止できる。また、ワイヤー3の列幅よりも外側に位置する部分Aにおいては、図5(b)に示すように、スライス台2やベースプレート10の端部(2a、10a)が被加工物1の端部1aよりも外側に位置しても構わない。
<実施形態5>
図6(a)に示すワイヤーソー装置S5のように、被加工物1と供給ノズル4との間のワイヤー3の上方に、被加工物1と、間隔をとって加工液受け部材12とを、有する構成としてもよい。上記構成により、上方に跳ね返った加工液の多くは加工液受け部材12の上に落下することになるため、上方に跳ね返った加工液がまとまってワイヤー走行面に落下することが低減され、加工液の整流作用及び供給量の悪化を低減することができ、加工液の供給量不足によるワイヤーの断線の悪化、特に切断後半時における悪化を十分に低減することができる。
ここで、加工液受け部材12で回収した加工液はディップ槽6に送るようにしてもよく、また、別途回収機構を設けて再度利用するようにしても構わない。また、加工液受け部材12の上に落下した加工液を回収する回収溝12aは、図6(b)に示すように、被加工物1側に設けてもよく、図6(c)に示すように、供給ノズル4側に設けても構わない。
また、図7に示すように、加工液受け部材12のワイヤー3の列方向の幅gは、ワイヤー3の列幅h以上を有することによって、上方に跳ね返った加工液がまとまってワイヤー3の走行面に落下することがより低減されるとともに、加工液の装置内への飛散を低減することができる。
また、加工液受け部材12と被加工物1との間隔kを10mm以上50mm以下とすることにより、跳ね返った加工液をより効率よく回収することができる。
また、加工液受け部材12とワイヤー3との間隔は適宜設定すればよいが、ワイヤー3が接触しない程度に近くに設ければよく、例えば、20mm程度の間隔を有する。
さらに、図8に示すように、供給ノズル4の先端にワイヤー方向に延びる延長部材4aを有することにより、加工液が整流された状態でワイヤー3の表面に加工液が保持されやすく、安定して被加工物1の切断領域に加工液が持ち込まれる。
<スライス方法>
次に、本実施形態のワイヤーソー装置を用いたスライス方法について説明する。ワイヤー3は供給リール7から供給され、ガイドローラ9によりメインローラ5に案内され、ワイヤー3をメインローラ5に巻きつけて所定間隔に配列している。メインローラ5を所定の回転速度で回転させることによって、ワイヤー3の長手方向にワイヤー3を走行させることができる。そして、高速に走行しているワイヤー3は、被加工物1を切断し、巻取リール8に巻きつけられる。また、メインローラ15の回転方向を変化させることによりワイヤー3を往復運動させる。このとき、供給リール7からワイヤー3を供給する長さの方が巻取リール8からワイヤー3を供給する長さよりも長くし、新線をメインローラ5に供給するようにする。
被加工物1の切断は、高速に走行しているワイヤー3に向かって供給ノズル4から加工液を供給しながら被加工物1を下降させて、ワイヤー3に被加工物1を相対的に押圧することによりなされる。被加工物1は、例えば厚さ200μm以下の複数枚の基板に分割される。このとき、ワイヤー3の張力、ワイヤー3が走行する速度(走行速度)、被加工物を下降させる速度(フィード速度)は適宜制御されている。例えば、ワイヤー3の最大走行速度は、500m/分以上1000m/分以下に設定し、最大フィード速度は350μm/分以上1100μm/分以下に設定する。このとき、ワイヤー3が往復運動する際に、ワイヤーの走行速度が変化するのに合わせて、フィード速度も変化する。
そして、被加工物1をスライスすると同時に、スライス台2も2mm以上5mm以下程度に切断され、基板はスライス台2に接着された状態で次工程の洗浄工程に投入される。
洗浄工程では、洗浄液としてアルカリ液または中性液を用い、基板に付着した水溶性クーラントや汚れが洗浄され、その後洗剤を水で洗い流す。そして熱風やエアーなどにより、基板の表面を完全に乾燥させて、スライス台2から剥離することで基板が完成する。
このように、上記装置構成により、粘度計を用いて測定した加工液の粘度が10mPa・s以上30mPa・s以下のものを使用しても、加工液の供給量不足によるワイヤー3の断線を低減することができるため、使用できる加工液の種類が多く生産性を向上させることができる。
また、ワイヤー3の走行速度が500m/分以上と高速に設定すると跳ね返る加工液が多くなるが、上記装置構成を有することにより加工液の供給量不足によるワイヤー3の断線を低減することができる。このため、装置の設定条件の幅が広くなり生産性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。例えば、インゴットを切断することなく、そのままスライス工程を行っても構わない。また、ワークは太陽電池素子等の半導体材料に限定されるものではなく、例えばその他の金属またはセラミックス等でもよい。
以下に、より具体的な実施例について説明する。
まず、被加工物であり、サイズが156mm×156mm×300mmの直方体状の多結晶からなるシリコンブロックを2本用意した。そして、ガラス板からなるスライス台にエポキシ系接着剤を塗布し、2本の多結晶シリコンブロックをそれぞれスライス台に設置した状態でエポキシ系接着剤を硬化させて、多結晶シリコンブロックをスライス台に接着固定した。
次に、スライス台に接着したシリコンブロックを、ベースプレートを介して装置固定体に設置した。スライス台とベースプレートの厚みはそれぞれ20mmであり、ワイヤーの走行方向においてスライス台とベースプレートの端部はシリコンブロックの端部と面一とした。
次に、ダイヤモンドの砥粒をNiメッキで固着したワイヤー(線径=120μm、砥粒粒径=14μm、平均直径D=148μm)3を双方向に走行させながら、スライス台に接着したシリコンブロックをスライスして、平均厚み200μmのシリコン基板を作製した。
ここで、ワイヤーの走行方向においてシリコンブロックの端部より外側にある装置固定体の突出部が、シリコンブロック1とスライス台2との界面から上に、40mm、50mm、60mm、70mmそれぞれ離れている条件を条件1〜4(ただし、条件1は比較例)とした。
また、条件1に対して、シリコンブロックと供給ノズルとの間に位置して、かつワイヤーの上方に位置する加工液受け部材を設け、シリコンブロックから加工液受け部材までの距離を7、10、30、50、60mmとした条件を条件5〜9とした。
これら条件1〜9において、ワイヤー3の断線率を評価した。ここで、断線率はシリコンブロックの切断加工作業を200回行なって、ワイヤーの断線があった回数をカウントして算出した。
Figure 0005460226
表1に示すように、条件1〜9の結果から、条件2〜9において、ワイヤーの断線率が、比較例である条件1に比べて大きく改善することが判明した。特に、条件4,6,7においては断線率が0%であった。
1 :被加工物
2 :スライス台
3 :ワイヤー
4 :供給ノズル
10 :ベースプレート
11 :装置固定体
12 :加工液受け部材

Claims (8)

  1. 表面に砥粒が固着されたワイヤーと、
    前記ワイヤーの上に設置される被加工物を接着するスライス台と、
    前記スライス台を保持するベースプレートと、
    前記ベースプレートを固定する装置固定体と、
    前記被加工物の切断部分に加工液を供給する供給ノズルと、を備え、
    前記ワイヤーの走行方向において、前記被加工物の端部より外側に、前記スライス台、前記ベースプレートまたは前記装置固定体の一部を位置させた突出部を有し、前記被加工物と前記スライス台との界面から前記突出部までの距離が、前記加工液の跳ねを受けない距離に設定されていることを特徴とするワイヤーソー装置。
  2. 前記被加工物と前記スライス台との界面から前記突出部までの距離が50mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーソー装置。
  3. 前記ワイヤーの走行方向において、前記被加工物の端部が前記スライス台の端部よりも外側に位置するか面一であること特徴とする請求項1または2に記載のワイヤーソー装置。
  4. 前記ワイヤーの走行方向において、前記被加工物の端部が前記ベースプレートの端部よりも外側に位置するか面一であること特徴とする請求項3に記載のワイヤーソー装置。
  5. 表面に砥粒が固着された複数の列をなすワイヤーと、
    前記ワイヤーの上に設置される被加工物の切断部分に加工液を供給する供給ノズルと、
    前記被加工物と前記供給ノズルとの間に位置して、かつ前記ワイヤーの上方に前記被加工物に対して間隔をとって位置する加工液受け部材と、を備え
    前記加工液受け部材と前記被加工物との間隔が10mm以上50mm以下であることを特徴とするワイヤーソー装置。
  6. 前記加工液受け部材の前記ワイヤーの列方向の幅は、前記ワイヤーの列幅以上であることを特徴とする請求項5に記載のワイヤーソー装置。
  7. 前記供給ノズルの先端に前記ワイヤー方向に延びる延長部材を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のワイヤーソー装置。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載のワイヤーソー装置を用いて、半導体からなる被加工物を切断して半導体基板を得ることを特徴とする半導体基板の製造方法。
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