<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本第1の実施形態によるオーダーエントリーシステムの構成の例を示した概略構成図である。なお、図1に示したオーダーエントリーシステム1は、飲食店に導入されているものとして説明する。
図1(a)において、オーダーエントリーシステム1は、注文入力用の移動端末装置である複数のハンディーターミナル装置10、オーダリングコントローラ装置20、無線プリンタ装置30から構成される。図1(a)において、各ハンディーターミナル装置10と、オーダリングコントローラ装置20と、無線プリンタ装置30とは、無線通信によって互いに接続されている。
また、図1(b)に示すように、オーダーエントリーシステム1においては、従業員の識別情報などを含む従業員の情報が記憶された非接触ICタグ(以下、「ICタグ」という)40が含まれている。このICタグ40は、例えば、紙またはシールに内蔵され、飲食店の従業員のそれぞれを特定する、例えば、従業員証やネームバッジなどに貼り付けられている。また、例えば、ICカードなど、カード形式の従業員証などに埋め込まれている。なお、以下の説明においては、ICタグ40がカード形式の従業員証(以下、「従業員カード」という)に埋め込まれているものとして説明する。
なお、オーダーエントリーシステムでは、ハンディーターミナル装置10から無線通信によって送信された情報を、無線ステーション装置が受信し、受信した情報を無線ステーション装置からオーダリングコントローラ装置20に転送する構成も考えられる。この構成における無線ステーション装置は、本発明と直接関係しないため、本第1の実施形態においては、図1(a)に示したように、無線ステーション装置を含まないオーダーエントリーシステムの構成を例として説明する。
また、図1(a)においては、ハンディーターミナル装置10を3台備えた例を示している。本発明においては、オーダーエントリーシステム1を構成するハンディーターミナル装置10、オーダリングコントローラ装置20、無線プリンタ装置30のそれぞれの台数に関しての規定はなく、例えば、ハンディーターミナル装置10は、2台以下であっても4台以上であってもよい。
ハンディーターミナル装置10は、例えば、電池などの電源によって駆動される装置である。ハンディーターミナル装置10は、例えば、飲食店の従業員(ユーザ)に携帯され、ユーザによるオーダー入力の操作を受けて、その操作により検出したオーダーの情報を取り込む。また、ハンディーターミナル装置10は、取り込んだオーダーの情報を、無線通信によってオーダリングコントローラ装置20に送信する。なお、ハンディーターミナル装置10におけるオーダー入力の操作は、従来のハンディーターミナル装置と同等の操作であるため、説明を省略する。
また、初期状態のハンディーターミナル装置10には、標準のオーダー入力画面を表示するアプリケーションプログラムが搭載されている。なお、オーダーエントリーシステム1では、ハンディーターミナル装置10に表示するオーダー入力画面を変更可能とするため、例えば、熟練者向け、年配者向け、初心者向け、など、ユーザのレベル(習熟度)に応じたオーダー入力画面を表示することができるアプリケーションプログラムが事前に準備されている。そして、習熟度に応じたアプリケーションプログラムを、例えば、無線通信によってオーダリングコントローラ装置20から取得(ダウンロード)することができる。
また、ハンディーターミナル装置10は、ユーザによる従業員カードの読み込み動作を受けて、ICタグ40に記憶されている従業員の情報を、近距離無線通信によってICタグ40から受信し、受信した従業員の情報を取り込む。そして、取り込んだ従業員の情報に基づいて、それぞれのユーザに応じた動作を行う。
また、ハンディーターミナル装置10は、ユーザによる自ハンディーターミナル装置10の設定変更の操作を受けて、自ハンディーターミナル装置10の設定を変更する。例えば、ユーザのレベル(習熟度)に応じたオーダー入力画面の選択や、オーダー入力画面の画面設定などを変更することができる。そして、ハンディーターミナル装置10は、ユーザによる従業員カードへの書き込み動作を受けて、変更された自ハンディーターミナル装置10の設定の情報を、近距離無線通信によってICタグ40に送信し、ICタグ40に記憶させる。なお、ハンディーターミナル装置10におけるICタグ40が埋め込まれた従業員カードの読み込み動作および従業員カードへの書き込み動作に関しては、後述する。
オーダリングコントローラ装置20は、従来のオーダリングコントローラ装置と同等の機能をもつ、オーダーエントリーシステム1におけるコントローラ装置である。オーダリングコントローラ装置20は、例えば、飲食店の厨房等に設置され、無線通信によってハンディーターミナル装置10から送信されてきたオーダーの情報を受信し、記憶する。オーダリングコントローラ装置20は、例えば、オーダーの情報を厨房の料理人に知らせるための調理指示情報や配膳指示情報を作成し、作成した調理指示情報や配膳指示情報を無線通信によって厨房や配膳場所に設置された無線プリンタ装置30に送信して印刷させたり、図示しないディスプレイ装置に送信して表示させたりする。また、オーダリングコントローラ装置20は、例えば、オーダーの情報に基づいて客から支払いを受ける金額の情報などの会計情報を作成し、作成した会計情報を無線通信によって会計伝票を出力する無線プリンタ装置30や会計などを行う図示しないレジスターに送信する。
また、オーダリングコントローラ装置20は、ハンディーターミナル装置10に表示するオーダー入力画面のアプリケーションプログラムを記憶している。このオーダリングコントローラ装置20に記憶しているアプリケーションプログラムは、例えば、熟練者向け、年配者向け、初心者向け、など、ユーザのレベル(習熟度)に応じたオーダー入力画面を表示するアプリケーションプログラムである。そして、ハンディーターミナル装置10からのアプリケーションプログラムの送信要求に応じて、要求されたアプリケーションプログラムを、無線通信によってハンディーターミナル装置10に送信する。
無線プリンタ装置30は、従来の無線プリンタ装置と同等の機能をもつ、オーダーエントリーシステム1におけるプリンタ装置である。無線プリンタ装置30は、例えば、飲食店の会計エリアに設置され、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきた会計情報を受信し、その受信した会計情報を紙媒体などに出力する。また、無線プリンタ装置30は、例えば、飲食店の厨房内に設置され、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきた調理指示情報を受信し、その受信した調理指示情報を紙媒体などに出力する。なお、オーダリングコントローラ装置20と有線で接続する図示しない有線プリンタを使用することも可能である。
ICタグ40は、上述のように、例えば、紙またはシールによって、またはカードに埋め込まれることによって、それぞれの従業員に付与されている。そして、ICタグ40には、従業員の情報として、ICタグ40が付与されている従業員を特定するために予め設定された識別番号(以下、「従業員コード」という)が記憶されている。この従業員コードが、従業員を識別するための識別情報となる。
また、ICタグ40は、ハンディーターミナル装置10を操作することによってユーザが設定した、ハンディーターミナル装置10の設定情報を記憶している。ICタグ40が記憶しているハンディーターミナル装置10の設定情報には、例えば、標準のオーダー入力画面、または熟練者向け、年配者向け、初心者向けなど、事前に用意されているオーダー入力画面のいずれを使用するかというような、画面選択情報が含まれる。また、例えば、ハンディーターミナル装置10に表示されるオーダー入力画面の画面設定の変更に伴う、以下に示すような項目の画面設定情報が含まれている。
(1):メニューボタンの大きさ(例えば、大/小など)。
(2):メニュー文字の大きさ(例えば、大フォント/小フォントなど)。
(3):メニュー名称(例えば、正式名称/略称など)。
(4):メニュー画像の表示の有無(例えば、画像有り/画像なしなど)。
(5):メニューボタンの配置(例えば、テンキー形式/短冊形式など)。
(6):オーダー入力画面の配色(例えば、標準/青系/赤系など)。
なお、画面設定情報に基づいた、ハンディーターミナル装置10に表示されるオーダー入力画面の表示例に関しては、後述する。
また、ICタグ40は、近距離無線通信によってハンディーターミナル装置10と通信し、記憶している従業員コードなどの従業員の情報、およびハンディーターミナル装置10の設定情報を、ユーザが使用するハンディーターミナル装置10に送信する。また、ICタグ40は、近距離無線通信によってユーザが使用しているハンディーターミナル装置10から送信されてきたハンディーターミナル装置10の設定情報を記憶する。
なお、図1(a)に示したオーダーエントリーシステム1においては、オーダリングコントローラ装置20と、無線プリンタ装置30とをそれぞれ異なる装置として表しているが、図1(a)に示したオーダリングコントローラ装置20と無線プリンタ装置30とを合わせて1つの装置とする構成とすることもできる。
次に、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステムにおけるハンディーターミナル装置および非接触ICタグの構成について説明する。図2は、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1におけるハンディーターミナル装置10およびICタグ40の概略構成を示したブロック図である。また、図3は、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1におけるハンディーターミナル装置10の外観の一例を示した外観図である。
図2(a)に示すように、ハンディーターミナル装置10は、制御部110、無線通信部120、アンテナ121、ICタグリーダライタ130、入力インタフェース部140、メモリ部150、LCD表示部160、LED表示部170を備えている。また、図2(b)に示すように、ICタグ40は、制御部410、近距離無線通信部420、アンテナ421、メモリ部430を備えている。
制御部110は、後述するメモリ部150に記憶しているアプリケーションプログラムに基づいて、ハンディーターミナル装置10の全体を制御する。
入力インタフェース部140は、例えば、図3に示すようなキーボードやスイッチなどのインタフェースであり、ユーザの操作を受けて取り込んだオーダーの情報および自ハンディーターミナル装置10の設定情報を出力する。
無線通信部120は、アンテナ121を介してオーダリングコントローラ装置20との間で無線通信を行って、ハンディーターミナル装置10に取り込んだオーダーの情報を送信する。
ICタグリーダライタ130は、例えば、NFC(Near Field Communication)インタフェースなどの近距離無線インタフェースによって、従業員カードに埋め込まれたICタグ40のアンテナ421を介して近距離無線通信部420と通信し、ICタグ40のメモリ部430に記憶しているデータの読み出しおよびICタグ40のメモリ部430へのデータの書き込みを行う。
メモリ部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリであり、予め登録したメニューの情報、入力インタフェース部140から出力されたオーダーの情報、ICタグリーダライタ130を介してICタグ40のメモリ部430から読み出した従業員の情報や、ハンディーターミナル装置10の設定情報などのデータを記憶する。また、メモリ部150は、ハンディーターミナル装置10の設定情報に含まれる画面選択情報に応じたオーダー入力画面を表示するアプリケーションプログラムを記憶する。
LCD表示部160は、LCD(液晶ディスプレイ:Liquid Crystal Display)を備えており、メモリ部150に記憶している情報やデータを表示する。図3では、LCD表示部160にメモリ部150が記憶しているメニューの情報を標準のオーダー入力画面に表示したときの表示画面の一例を示している。
LED表示部170は、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)であり(図3参照)、LEDの点灯状態によって、例えば、無線通信部120による無線通信の状態や、ICタグリーダライタ130による近距離無線通信の状態など、ハンディーターミナル装置10の動作状態をユーザに通知する。
制御部410は、ICタグ40の全体を制御する。近距離無線通信部420は、アンテナ421を介したNFCインタフェースなどの近距離無線インタフェースによって、ハンディーターミナル装置10のICタグリーダライタ130との間で通信する。メモリ部430は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリであり、予め登録したテーブル番号などを含むテーブルの情報、近距離無線通信部420を介してICタグリーダライタ130から送信されてきたデータを記憶する。
ICタグ40からのデータの読み出し動作は、まず、制御部410が、メモリ部430に記憶されているデータを読み出して近距離無線通信部420に転送する。そして、近距離無線通信部420が、制御部410によって転送されたメモリ部430のデータを近距離無線通信によってICタグリーダライタ130に送信する。
また、ICタグ40へのデータの書き込み動作は、まず、近距離無線通信部420がICタグリーダライタ130から送信されたデータを受信する。そして、制御部410が、近距離無線通信部420が受信したデータをメモリ部430に書き込む。
このように、ICタグ40内のそれぞれの構成要素が動作することによって、ICタグ40の読み出し動作および書き込み動作が行われるが、ICタグ40の動作は、従来のICタグと同様であるため、以下の説明においては、ICタグ40内の各構成要素の詳細な動作を省略する。
次に、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステムにおけるハンディーターミナル装置の起動方法について説明する。図4は、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1におけるハンディーターミナル装置10の起動処理の処理手順を示したフローチャートである。
本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1におけるハンディーターミナル装置10の起動は、ハンディーターミナル装置10のユーザがハンディーターミナル装置10の電源をオンした後に、ユーザがICタグ40の読み込み動作を行う。これにより、ハンディーターミナル装置10は、ICタグ40に記憶されている従業員の情報と設定情報とに応じた動作モードで起動する。なお、以下の説明においては、ICタグ40に記憶されている従業員の情報として従業員コードが記憶され、設定情報としてハンディーターミナル装置10に備えたLCD表示部160に表示するオーダー入力画面を選択する画面選択情報およびオーダー入力画面の画面設定を変更する画面設定情報が記憶されているものとして説明する。
まず、ユーザがハンディーターミナル装置10の電源をオンすると、ステップS100において、ユーザによってICタグ40の読み込み動作が行われる。このICタグ40の読み込み動作では、例えば、ユーザが従業員カードをハンディーターミナル装置10に近づけることによって、ハンディーターミナル装置10内のICタグリーダライタ130とICタグ40との間で近距離無線通信が行われる。そして、ハンディーターミナル装置10内の制御部110は、ICタグリーダライタ130を介して、ICタグ40に記憶されている従業員の情報と設定情報とを読み出し、ICタグ40から読み出した従業員の情報と設定情報とをメモリ部150に一時記憶する。これにより、ハンディーターミナル装置10は、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員の情報と設定情報とを取得(読み込み)する。
なお、ICタグ40の読み込み動作によるICタグ40に記憶されている従業員の情報と設定情報との取得は、ユーザがハンディーターミナル装置10を起動するときの最初に1回だけ行う処理である。ただし、ユーザが替わった場合には、その都度ICタグ40の読み込み動作が行われることが想定される。この場合には、一旦、ハンディーターミナル装置10の電源をオフし、再びハンディーターミナル装置10の電源をオンすることによって、再度ICタグ40の読み込み動作を行うようにすることもできるが、ハンディーターミナル装置10が起動している(すでに電源がオンして動作している)状態で、再度ICタグ40の読み込み動作を行うようにすることもできる。例えば、予め定められた操作手順でハンディーターミナル装置10を操作することによって、再度ICタグ40の読み込み動作を行うことができる状態とすることが考えられる。本発明では、ハンディーターミナル装置10が起動している状態でのICタグ40の再読み込み動作の操作手順に関して規定しないため、説明を省略する。
続いて、ステップS200において、制御部110は、メモリ部150に一時記憶した従業員の情報に含まれる従業員コードを確認する。この従業員コードの確認は、例えば、自ハンディーターミナル装置10を使用しているユーザが、正規のユーザであるか否かを確認する目的で行われる。このように、ユーザが正規のユーザであるか否かを確認することによって、例えば、ハンディーターミナル装置10のアプリケーションプログラムの起動に制限を設けることが可能となる。
続いて、ステップS300において、制御部110は、メモリ部150に一時記憶した設定情報に含まれる画面選択情報に対応するオーダー入力画面を表示するためのアプリケーションプログラムが、自ハンディーターミナル装置10内のメモリ部150にすでに記憶されているか否かを確認する。アプリケーションプログラムがすでにメモリ部150に記憶されている場合は、ステップS400に進んで、画面選択情報に対応したアプリケーションプログラムを起動する。
また、ステップS300において、アプリケーションプログラムがメモリ部150に記憶されていない場合は、ステップS310に進む。このアプリケーションプログラムがメモリ部150に記憶されていない場合とは、例えば、前回使用していたオーダー入力画面と今回使用するオーダー入力画面とが異なる場合などである。より具体的には、ハンディーターミナル装置10内のメモリ部150に、1つのアプリケーションプログラムを記憶する記憶領域のみを準備し、新たなアプリケーションプログラムを取得(ダウンロード)したときには、すでに記憶しているアプリケーションプログラムを消去する構成とした場合である。この場合には、例えば、自ハンディーターミナル装置10の前回のユーザ(他のユーザ)が標準のオーダー入力画面をしており、今回のユーザが熟練者向けのオーダー入力画面を使用するときには、以前熟練者向けのオーダー入力画面を使用したことがあるハンディーターミナル装置10であっても、熟練者向けのオーダー入力画面を表示するアプリケーションプログラムを記憶していないこととなる。
そして、ステップS310において、制御部110は、オーダリングコントローラ装置20に、画面選択情報に対応したアプリケーションプログラムの送信を要求する。そして、制御部110は、無線通信部120を介してオーダリングコントローラ装置20から送信された画面選択情報に対応したアプリケーションプログラムを取得し、メモリ部150に記憶する。その後、ステップS400に進んで、画面選択情報に対応したアプリケーションプログラムを起動する。
続いて、ステップS500において、制御部110は、メモリ部150に一時記憶した設定情報に画面設定情報が記憶されているか否かを確認する。メモリ部150に画面設定情報が記憶されている場合、ステップS600において、制御部110は、記憶されている画面設定情報に基づいて、LCD表示部160に表示するオーダー入力画面を作成し、作成したオーダー入力画面をLCD表示部160に表示させる。また、メモリ部150に画面設定情報が記憶されていない場合、ステップS650において、制御部110は、オーダー入力画面を表示するアプリケーションプログラムにおける初期設定のオーダー入力画面をLCD表示部160に表示させる。
続いて、ステップS700において、制御部110は、自ハンディーターミナル装置10のユーザによって、オーダー入力画面の設定変更の指示(操作)がされたか否かを確認する。オーダー入力画面の設定変更の指示(操作)がされていない場合は、起動処理を完了する。また、オーダー入力画面の設定変更の指示(操作)がされた場合は、ステップS800に進んで、自ハンディーターミナル装置10の画面設定変更の処理を行い、起動処理を完了する。
次に、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステムにおける画面設定変更処理について説明する。図5は、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1におけるハンディーターミナル装置10に表示するオーダー入力画面の画面設定処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、図5に示したオーダー入力画面の画面設定処理は、図4に示したステップS800における処理であるが、例えば、客からのオーダー入力を行っている途中など、ユーザの操作によってハンディーターミナル装置10内の処理が行われているとき以外であれば、いかなるタイミングでもオーダー入力画面の画面設定処理を行うことができる。
なお、以下の説明において変更するオーダー入力画面の設定は、上述したオーダー入力画面における6項目の画面設定の例に従った画面設定処理を行う場合について説明する。
まず、ユーザによってオーダー入力画面の設定変更の指示(操作)がされると、ステップS810において、制御部110は、メニューボタンの大きさを変更するためのボタンサイズ設定画面をLCD表示部160に表示させる。このボタンサイズ設定画面は、例えば、客によってオーダーされたメニューを選択するメニューボタンの大きさを選択する「大ボタン」と「小ボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「大ボタン」または「小ボタン」のいずれかを選択することによって、メニューボタンの大きさが設定される。そして、制御部110は、設定されたメニューボタンの大きさの情報を、メモリ部150に一時記憶する。
続いて、ステップS820において、制御部110は、メニューボタンに表示するメニュー文字の大きさを変更するための文字サイズ設定画面をLCD表示部160に表示させる。この文字サイズ設定画面は、例えば、メニューボタン内に表示される文字の大きさを選択する「大フォントボタン」と「小フォントボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「大フォントボタン」または「小フォントボタン」のいずれかを選択することによって、メニューボタンに表示するメニュー文字の大きさが設定される。そして、制御部110は、設定されたメニューボタン内の文字の大きさの情報を、メモリ部150に一時記憶する。
続いて、ステップS830において、制御部110は、メニューボタンに表示するメニューの名称を変更するためのメニュー名称設定画面をLCD表示部160に表示させる。このメニュー名称設定画面は、例えば、メニューボタン内に表示されるメニュー名称を選択する「正式名称ボタン」と「略称ボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「正式名称ボタン」または「略称ボタン」のいずれかを選択することによって、メニューボタンに表示するメニューの名称が設定される。そして、制御部110は、設定されたメニューボタン内のメニューの名称の情報を、メモリ部150に一時記憶する。なお、メニューの名称における略称とは、例えば、飲食店内の従業員同士で使用される、メニューの名称を短い名称に置き換えたメニューの名称である。
続いて、ステップS840において、制御部110は、メニューボタンの画像表示を変更するための画像設定画面をLCD表示部160に表示させる。この画像設定画面は、例えば、メニューボタンに画像を表示するか否かを選択する「画像有りボタン」と「画像なしボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「画像有りボタン」または「画像なしボタン」のいずれかを選択することによって、メニューボタンに画像を表示するか否かが設定される。そして、制御部110は、設定されたメニューボタン内の画像表示の情報を、メモリ部150に一時記憶する。
続いて、ステップS850において、制御部110は、メニューボタンの配置を変更するためのボタン配置設定画面をLCD表示部160に表示させる。このボタン配置設定画面は、例えば、メニューボタンの表示形式を選択する「テンキー形式ボタン」と「短冊形式ボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「テンキー形式ボタン」または「短冊形式ボタン」のいずれかを選択することによって、メニューボタンの表示形式が設定される。また、ボタン配置設定画面は、例えば、メニューボタンの並び順(例えば、五十音順、値段順、など)や、メニューの数が多く複数のオーダー入力画面(例えば、メニューを表示するページ、など)に分かれる場合に、同一のページ内に表示するメニューボタンなどを選択するボタンが表示された画面である。そして、制御部110は、設定されたメニューボタンの表示形式の情報を、メモリ部150に一時記憶する。
続いて、ステップS860において、制御部110は、メニューボタンの配色を変更するためのボタン配色設定画面をLCD表示部160に表示させる。このボタン配色設定画面は、例えば、メニューボタンの配色を選択する「標準配色ボタン」と、「青系配色ボタン」と、「赤系配色ボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「標準配色ボタン」、「青系配色ボタン」または「赤系配色ボタン」のいずれかを選択することによって、メニューボタンの配色が設定される。そして、制御部110は、設定されたメニューボタンの配色の情報を、メモリ部150に一時記憶する。
続いて、ステップS870において、制御部110は、ステップS810〜ステップS860において設定した画面設定を再度設定し直すか否かを確認するための再設定選択画面をLCD表示部160に表示させる。この再設定選択画面は、例えば、画面設定を再設定する「再設定ボタン」と、画面設定を確定する「設定確定ボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「再設定ボタン」または「設定確定ボタン」のいずれかを選択する。そして、制御部110は、ユーザによって「再設定ボタン」が選択されたか、または「設定確定ボタン」が選択されたかによって、ステップS810〜ステップS860において設定した画面設定を再度設定し直すか否かを判断する。そして、「再設定ボタン」が選択された場合は、ステップS810に戻って、画面設定を再度行う。また、「設定確定ボタン」が選択された場合は、ステップS880に進む。
続いて、ステップS880において、制御部110は、ステップS810〜ステップS860において設定した画面設定を確定するか否かを確認するための確定選択画面をLCD表示部160に表示させる。この確定選択画面は、例えば、画面設定を確定する「確定ボタン」と、画面設定をキャンセルする「キャンセルボタン」とが表示された画面である。そして、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して、「確定ボタン」または「キャンセルボタン」のいずれかを選択する。そして、制御部110は、ユーザによって「確定ボタン」が選択されたか、または「キャンセルボタン」が選択されたかによって、ステップS810〜ステップS860において設定した画面設定を確定するか否かを判断する。そして、「キャンセルボタン」が選択された場合は、メモリ部150に一時記憶しているステップS810〜ステップS860において設定した各画面設定の情報を消去し、処理を完了する。
ステップS880において、「確定ボタン」が選択された場合は、ICタグ40から読み出してメモリ部150に一時記憶している画面設定情報を、ステップS810〜ステップS860において設定した各画面設定の情報に基づいて変更する。これにより、ハンディーターミナル装置10に備えたLCD表示部160に表示するオーダー入力画面を設定する画面設定情報が更新される。
続いて、ステップS890において、制御部110は、更新した画面設定情報の従業員カードに埋め込まれたICタグ40への書き込みを、自ハンディーターミナル装置10を使用しているユーザに促す画面を表示する。そして、制御部110は、ユーザによる従業員カードへの書き込み動作を受けて、更新した画面設定情報を、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶させる。このICタグ40の書き込み動作では、例えば、ユーザが従業員カードをハンディーターミナル装置10に近づけることによって、ハンディーターミナル装置10内のICタグリーダライタ130とICタグ40との間での近距離無線通信によって行われる。そして、制御部110は、メモリ部150に一時記憶されている更新した画面設定情報を、ICタグリーダライタ130を介して、ICタグ40に送信する。これにより、ICタグ40に記憶されている画面設定情報が更新され、処理を完了する。
上記に述べたとおり、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1のハンディーターミナル装置10では、画面設定変更処理(画面設定の機能)によって、オーダー入力画面に表示されるメニューボタンの大きさ、メニュー文字の大きさ、メニュー名称、メニュー画像の表示の有無、オーダー入力画面の配色をユーザの好みや、ユーザが使いやすい設定に変更することができる。
また、ハンディーターミナル装置10は大きさが限られるため、全てのメニューを1つの画面内に表示できない。このため、ハンディーターミナル装置10のユーザは、オーダー入力画面上でページを切り替えて、客によってオーダーされたメニューを探し、選択する必要がある。このような場合においても、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1のハンディーターミナル装置10では、どのメニューを1ページ目に表示するかなど、メニューボタンの配置の設定を行うこともできる。このような構成とすることによって、例えば、ユーザが昼の時間帯のみのアルバイト店員であれば、ランチメニューを1ページ目に表示する。また、夕方からのアルバイト店員であれば、ディナーメニューを1ページ目に表示するといったように、頻繁に使われるメニューボタンを1ページ目に表示するように設定することができる。これにより、従業員がメニューを探す手間を軽減することができる。
また、画面設定の機能による設定が終了した後に、オーダー入力画面の設定内容を従業員カード内のICタグ40に記憶することによって、画面設定情報を保持することができる。これにより、次にハンディーターミナル装置10を起動したときに、ICタグ40に保持している画面設定情報に基づいてオーダー入力画面を作成することができるため、常に同じ設定のオーダー入力画面でハンディーターミナル装置10が起動することができる。
また、ICタグ40に保持している画面設定情報は、同じ系列の飲食店に導入されているハンディーターミナル装置10であれば、異なるハンディーターミナル装置10でも同じハンディーターミナル装置10であるかのように使用することができる。例えば、使用していたハンディーターミナル装置10の電源がなくなった、故障した、などの理由でハンディーターミナル装置10を交換する場合、新たなハンディーターミナル装置10を起動する際に、ユーザが従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている画面設定情報を読み込ませることによって、以前使用していたハンディーターミナル装置10と同様に使用することができる。また、異なる従業員がハンディーターミナル装置10を使用する場合でも、ハンディーターミナル装置10を起動する際に、ユーザが従業員カードを読み込ませることによって、そのユーザが設定したオーダー入力画面で起動することができる。また、従業員が他の店舗へ応援に行く場合でも、応援に行った店舗に備えてあるハンディーターミナル装置10に従業員カードを読み込ませることによって、応援に行った従業員が設定したオーダー入力画面で起動することができる。このように、ユーザが従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている画面設定情報を読み込ませることによって、ハンディーターミナル装置10の設定を新たに行う必要がなく、すぐにハンディーターミナル装置10を使い始めることができる。
ここで、画面設定情報に基づいた、ハンディーターミナル装置10に表示されるオーダー入力画面の表示について、いくつかの例を示す。図6〜図8は、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1におけるハンディーターミナル装置10のオーダー入力画面の表示例を示した図である。図6は、熟練者向けのオーダー入力画面の表示例を示している。また、図7は、年配者向けのオーダー入力画面の表示例を示している。また、図8は、初心者向けのオーダー入力画面の表示例を示している。
まず、図6に示した熟練者向けのオーダー入力画面について説明する。熟練者向けのハンディーターミナル装置10におけるオーダー入力画面の画面設定は、以下のようなポイントに着目して設定されることが想定される。
(ポイント1):従来のハンディーターミナル装置の操作感を踏襲。
(ポイント2):オーダー入力機能のみに重点を置いた画面レイアウト。
(ポイント3):入力したオーダーの確認および変更、取消の操作性の向上。
上述のようなポイントに基づいて画面設定を行うことにより、図6に示すように、メニュー名称を略称にし、メニューボタンの大きさをなるべく小さくすることによって、1ページにより多くのメニューボタンを表示する。これにより、従来のハンディーターミナル装置で採用されていた圧力バッド形式のキーボード(メンブレンキーボード)と同様な形式のメニューボタンをLCD表示部160に表示することができる。そして、ユーザは、より少ない操作でオーダーの入力を行うことができる。
次に、図7に示した年配者向けのオーダー入力画面について説明する。年配者向けのハンディーターミナル装置10におけるオーダー入力画面の画面設定は、以下のようなポイントに着目して設定されることが想定される。
(ポイント1):メニュー文字のサイズを大きく。
(ポイント2):メニューボタンのサイズを大きく。
(ポイント3):メニューの検索を容易にするため、メニューを五十音順または同一ページ内に同じ種類のメニューをまとめて表示。
(ポイント4):入力したオーダーを一覧表示で確認できる。
上述のようなポイントに基づいて画面設定を行うことにより、図7に示すように、メニューボタンのサイズやメニュー文字のサイズを大きくする。これにより、オーダー入力画面を見やすくすることができる。
次に、図8に示した初心者向けのオーダー入力画面について説明する。初心者向けのハンディーターミナル装置10におけるオーダー入力画面の画面設定は、以下のようなポイントに着目して設定されることが想定される。
(ポイント1):メニューブック風またはメニュー分類などのカテゴリ分けによって容易に入力できる。
(ポイント2):メニューボタンに表示するメニュー名称がメニューブックの正式名称と同一。
(ポイント3):メニューの説明に必要な商品情報を示した商品説明ガイドを表示。
(ポイント4):必要最小限の機能のみをオーダー入力画面に表示(使わない機能はオーダー入力画面に割り付けない)。
上述のようなポイントに基づいて画面設定を行うことにより、図8に示すように、客に提示するメニューブックと同じメニュー名称を使い、メニューの画像を表示することにより、メニューブックと同等な表現とする。これにより、メニュー名称を覚えていない場合でも、容易にメニューを確認しながら客のオーダーを入力することができる。
なお、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1のハンディーターミナル装置10では、オーダー入力画面を設定する場合について説明したが、ハンディーターミナル装置10の設定情報は、LCD表示部160の画面設定情報以外にも、ハンディーターミナル装置に備えている様々な機能の設定情報を含むことができる。
例えば、飲食店の店長やエリア店舗管理者が使用するハンディーターミナル装置10の設定情報は、以下のようなポイントに着目して設定されることが想定される。
(ポイント1):1つの画面で飲食店内のテーブルの情報など、様々な情報を確認できる。
(ポイント2):従業員が使用しているハンディーターミナル装置に作業指示を行うためのメッセージ送信機能が割り付けられる。
(ポイント3):入力されたオーダーの取消や品切れのメニューの設定など、操作の制限がある機能(店長、管理者の業務機能)が割り付けられる。
このように、飲食店の店長やエリア店舗管理者が使用するハンディーターミナル装置には、客のオーダーを入力する以外にも必要な機能が設定され、設定された機能を使用する際のボタンをLCD表示部160に表示することによって、使用したい機能をすぐに使うことができる。
また、本第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1のハンディーターミナル装置10では、ハンディーターミナル装置10の設定情報に応じて、LCD表示部160に表示するオーダー入力画面の画面設定を変更する場合について説明したが、LCD表示部160以外の設定を変更することもできる。
例えば、ハンディーターミナル装置10の形状が、図3に示したような蓋を開閉する形状であり、ハンディーターミナル装置10の蓋部分にメンブレンキーボード145を備えた構成である場合、このメンブレンキーボード145に割り付ける機能を変更することもできる。メンブレンキーボード145では、ボタンの大きさを変更することはできないが、メンブレンキーボード145のボタンに割り付けられた機能を、例えば、紙媒体などに印刷したメニューシートとして貼り付けることによって、メンブレンキーボード145に割り付けられた機能をユーザが認識できるようにすることができる。
より具体的には、メンブレンキーボード145に設定するメニューの数、表示するメニュー名称、メニュー配置などのメニュー配置情報を、ハンディーターミナル装置10の設定情報として設定し、設定したメニュー配置情報を、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に、ハンディーターミナル装置10の設定情報として保持させる。そして、ハンディーターミナル装置10の起動処理において、ハンディーターミナル装置10がICタグ40から取得したメニュー配置情報を、無線通信によってオーダリングコントローラ装置20を介して、または無線プリンタ装置30に直接送信する。そして、無線プリンタ装置30が受信したメニュー配置情報を紙媒体などに出力することによって、メニューシートを準備することができる。
また、赤外線通信によって、ハンディーターミナル装置10から無線プリンタ装置30にメニュー配置情報を送信し、メニューシートを出力する構成とすることもできる。また、無線プリンタ装置30にICタグリーダライタの機能を搭載した場合には、従業員カードを無線プリンタ装置30に近づけることによって、無線プリンタ装置30内のICタグリーダライタとICタグ40との間で近距離無線通信が行われ、ICタグ40に記憶されているメニュー配置情報を無線プリンタ装置30に送信することができる。これにより、ハンディーターミナル装置10の起動処理の時間中に、無線プリンタ装置30からメニューシートを出力することで、事前準備を行うことができる。
また、例えば、ハンディーターミナル装置10の蓋部分が、メンブレンキーボード145ではなく、液晶画面や電子ペーパーを採用している場合においては、この液晶画面や電子ペーパーに表示される画面の設定も、ハンディーターミナル装置10の設定情報とし、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に保持させることもできる。この場合、メンブレンキーボード145の場合のようなメニューの配置のみではなく、入力したメニューの一覧、入力したメニューの画像、アレルギーなどの情報や、オーダーをしている客の情報など、表示する画面を自由に設定することもできる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態のオーダーエントリーシステムは、ハンディーターミナル装置10に飲食店の売り上げ情報などの機密情報をオーダリングコントローラ装置20から取得し、表示する場合の実施形態である。なお、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステムは、図1に示した第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1と同様の構成であるが、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員の情報に、従業員のセキュリティ情報も含まれていることのみ異なる。従って、本第2の実施形態の説明においては、図1に示した第1実施形態によるオーダーエントリーシステム1と同様の説明を省略する。
ICタグ40に記憶されている従業員の情報に含まれるセキュリティ情報は、例えば、従業員が社員であるか、契約社員であるか、アルバイト店員であるかなど、雇用形態によって予め設定されたセキュリティレベルの情報である。また、セキュリティ情報には、例えば、従業員がその店舗の店長であるか、営業範囲の複数の店舗を管理するエリア店舗管理者であるかなど、役割によって予め設定された管理レベルの情報も含んでいる。
そして、ICタグ40は、近距離無線通信によってハンディーターミナル装置10と通信し、記憶している従業員コード、セキュリティ情報などの従業員の情報、およびハンディーターミナル装置10の設定情報を、ユーザが使用するハンディーターミナル装置10に送信する。
また、ハンディーターミナル装置10の起動処理において、ユーザによってICタグ40の読み込み動作が行われたときに、ハンディーターミナル装置10は、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員の情報に含まれるセキュリティ情報も取得(読み込み)し、メモリ部150に一時記憶しておく(図4のステップS100参照)。
次に、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステムにおいて、ハンディーターミナル装置10が機密情報を表示する場合について説明する。図9は、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステム1において、アルバイト店員が使用するハンディーターミナル装置10が、個人の売り上げ情報を参照する処理の流れの一例を示したシーケンス図である。なお、アルバイト店員が飲食店全体の売り上げ情報を参照できることは、飲食店の機密上適切ではないが、アルバイト店員自体の売り上げ情報を確認(参照)することができるようにすることによって、アルバイト店員の仕事に対する動機付けを行うことができるため、有用である。従って、アルバイト店員が使用するハンディーターミナル装置10には、アルバイト店員自体の売り上げ情報のみを表示させる。
まず、ステップS110のハンディーターミナル装置10の起動処理において、ハンディーターミナル装置10は、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員コードとセキュリティ情報(アルバイト店員)とを取得(読み込み)し、メモリ部150に一時記憶する。
その後、ステップS1000において、ハンディーターミナル装置10は、ユーザによるオーダー入力の操作を受けて、客のオーダーが入力され、入力されたオーダーの情報と従業員コードとを、無線通信によってオーダリングコントローラ装置20に送信する。そして、ステップS1010において、オーダリングコントローラ装置20は、ハンディーターミナル装置10から送信されてきたオーダーの情報を、従業員コード毎に集計し、売り上げ情報として記録する。なお、通常の飲食店の営業においては、ステップS1000とステップS1010とが繰り返される。
続いて、ステップS1020において、ユーザが売り上げ情報の参照を要求する操作を行うと、ステップS1030において、ハンディーターミナル装置10は、メモリ部150に一時記憶している従業員コードと、セキュリティ情報(アルバイト店員)と、ユーザによって要求された売り上げ情報の要求とを、オーダリングコントローラ装置20に送信する。
続いて、ステップS1040において、オーダリングコントローラ装置20は、ハンディーターミナル装置10から送信されてきた従業員コードと、セキュリティ情報(アルバイト店員)とを確認する。オーダリングコントローラ装置20は、図10に示すような従業員情報と権限とのテーブルを有しており、そのテーブルを確認する。ステップS1040における従業員コードと、セキュリティ情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザ(店舗に従事しているアルバイト店員)であることが確認されると、ステップS1050において、オーダリングコントローラ装置20は、セキュリティ情報(アルバイト店員)に対応する個人(ハンディーターミナル装置10を使用しているアルバイト店員)の売り上げ情報を選択する。そして、選択した個人の売り上げ情報を、ハンディーターミナル装置10に送信する。
続いて、ステップS1060において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきた個人の売り上げ情報を、LCD表示部160に表示する。
なお、ステップS1040における従業員コードと、セキュリティ情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザであることが確認されない場合には、ステップS1050において、オーダリングコントローラ装置20は、売り上げ情報を参照する権限がないことを表すメッセージを送信する。そして、ステップS1060において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきたメッセージを、LCD表示部160に表示する。
このように、アルバイト店員が使用するハンディーターミナル装置10では、アルバイト店員個人の売り上げ情報のみを表示することができる。
次に、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステムにおいて、店舗管理者が使用するハンディーターミナル装置10が機密情報を表示する場合について説明する。図11は、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステム1において、店舗管理者が使用するハンディーターミナル装置10が店舗の売り上げ情報を参照する処理の流れの一例を示したシーケンス図である。
まず、ステップS110のハンディーターミナル装置10の起動処理において、ハンディーターミナル装置10は、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員コードとセキュリティ情報(店長)とを取得(読み込み)し、メモリ部150に一時記憶する。
その後、ステップS1100において、ユーザが売り上げ情報の参照を要求する操作を行うと、ステップS1110において、ハンディーターミナル装置10は、メモリ部150に一時記憶している従業員コードと、セキュリティ情報(店長)と、ユーザによって要求された売り上げ情報の要求とを、オーダリングコントローラ装置20に送信する。
続いて、ステップS1120において、オーダリングコントローラ装置20は、ハンディーターミナル装置10から送信されてきた従業員コードと、セキュリティ情報(店長)とを確認する。ステップS1120における従業員コードと、セキュリティ情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザ(オーダリングコントローラ装置20が設置されている店舗の店長)であることが確認されると、ステップS1130において、オーダリングコントローラ装置20は、セキュリティ情報(店長)に対応する店舗(ハンディーターミナル装置10を使用している店長が所属する店舗)の売り上げ情報を選択する。そして、選択した店舗の売り上げ情報を、ハンディーターミナル装置10に送信する。
続いて、ステップS1140において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきた店舗の売り上げ情報を、LCD表示部160に表示する。
なお、ステップS1120における従業員コードと、セキュリティ情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザであることが確認されない場合には、ステップS1130において、オーダリングコントローラ装置20は、売り上げ情報を参照する権限がないことを表すメッセージを送信する。そして、ステップS1140において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきたメッセージを、LCD表示部160に表示する。
このように、店長が使用するハンディーターミナル装置10では、店舗の売り上げ情報を表示することができる。ただし、ハンディーターミナル装置10を使用している店長が所属する店舗以外の売り上げ情報を表示することはできない。
次に、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステムにおいて、営業範囲の複数の店舗を管理するエリア店舗管理者が使用するハンディーターミナル装置10が機密情報を表示する場合について説明する。図12は、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステム1において、エリア店舗管理者が使用するハンディーターミナル装置10がエリア内の全店舗の売り上げ情報を参照する処理の流れの一例を示したシーケンス図である。
まず、ステップS110のハンディーターミナル装置10の起動処理において、ハンディーターミナル装置10は、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員コードとセキュリティ情報(エリア店舗管理者)とを取得(読み込み)し、メモリ部150に一時記憶する。
その後、ステップS1200において、ユーザが売り上げ情報の参照を要求する操作を行うと、ステップS1210において、ハンディーターミナル装置10は、メモリ部150に一時記憶している従業員コードと、セキュリティ情報(エリア店舗管理者)と、ユーザによって要求された売り上げ情報の要求とを、オーダリングコントローラ装置20に送信する。
続いて、ステップS1220において、オーダリングコントローラ装置20は、ハンディーターミナル装置10から送信されてきた従業員コードと、セキュリティ情報(エリア店舗管理者)とを確認する。ステップS1220における従業員コードと、セキュリティ情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザ(オーダリングコントローラ装置20が設置されている店舗のエリア店舗管理者)であることが確認されると、ステップS1230において、オーダリングコントローラ装置20は、従業員コードと、セキュリティ情報(エリア店舗管理者)と、自オーダリングコントローラ装置20が設置されている営業範囲を識別するエリア識別情報と、ユーザによって要求された売り上げ情報の要求とを、飲食店の本部に設置されている本部サーバーに送信する。
続いて、ステップS1240において、本部サーバーは、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきた従業員コードと、セキュリティ情報(エリア店舗管理者)と、エリア識別情報とを確認する。ステップS1240における従業員コードと、セキュリティ情報と、エリア識別情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザ(オーダリングコントローラ装置20が設置されている店舗を含む営業範囲を管理しているエリア店舗管理者)であることが確認されると、ステップS1250において、本部サーバーは、セキュリティ情報(エリア店舗管理者)に対応する営業範囲内の全店舗(ハンディーターミナル装置10を使用しているエリア店舗管理者が管理する全店舗)の売り上げ情報を選択する。そして、選択した営業範囲内の全店舗の売り上げ情報を、オーダリングコントローラ装置20に送信する。
続いて、ステップS1260において、オーダリングコントローラ装置20は、本部サーバーから送信されてきた営業範囲内の全店舗の売り上げ情報を、ハンディーターミナル装置10に送信する。
続いて、ステップS1270において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきた営業範囲内の全店舗の売り上げ情報を、LCD表示部160に表示する。
なお、ステップS1220における従業員コードと、セキュリティ情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザであることが確認されない場合には、ステップS1231において、オーダリングコントローラ装置20は、売り上げ情報を参照する権限がないことを表すメッセージを送信する。そして、ステップS1270において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきたメッセージを、LCD表示部160に表示する。
また、ステップS1240における従業員コードと、セキュリティ情報と、エリア識別情報との確認によって、売り上げ情報を要求したユーザが正規のユーザであることが確認されない場合には、ステップS1250において、本部サーバーは、売り上げ情報を参照する権限がないことを表すメッセージを送信する。そして、ステップS1260において、オーダリングコントローラ装置20は、本部サーバーから送信されてきたメッセージを、ハンディーターミナル装置10に送信する。そして、ステップS1270において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきたメッセージを、LCD表示部160に表示する。
このように、エリア店舗管理者が使用するハンディーターミナル装置10では、管理している営業範囲内の全店舗の売り上げ情報を表示することができる。
上記に述べたとおり、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステム1では、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して売り上げ情報などの機密情報の参照を要求することができる。また、機密情報の参照を要求したときに、ハンディーターミナル装置10が取得している(読み込んでいる)従業員コードとセキュリティ情報とに基づいて、オーダリングコントローラ装置20から取得する機密情報を自動的に制限することができる。これにより、参照する機密情報をユーザが選択することなく、ユーザが関係する機密情報のみを参照することができる。例えば、店長などの店舗の管理者であれば店舗全体の売り上げ情報を参照可能とし、社員やリーダーであれば、メンバー全員の売り上げ情報を参照可能とする。また、アルバイト店員であれば自分の売り上げ情報のみを参照可能とする。
なお、本第2の実施形態のオーダーエントリーシステム1では、売り上げ情報を送信する側の装置が、従業員コードとセキュリティ情報、または従業員コードとセキュリティ情報と、エリア識別情報を確認し、送信する売り上げ情報を制限する場合について説明したが、売り上げ情報を受信する側の装置が表示する売り上げ情報を制限することもできる。この場合、例えば、図9に示したアルバイト店員が使用するハンディーターミナル装置10がアルバイト店員個人の売り上げ情報を表示する場合においては、売り上げ情報を送信するオーダリングコントローラ装置20は、ステップS1050において、記録している全ての売り上げ情報を、ハンディーターミナル装置10に送信する。ハンディーターミナル装置10は、図10に示したような従業員情報と権限とのテーブルを予めオーダリングコントローラ装置20から取得して記憶しており、売り上げ情報を受信した後、ステップS1060において、メモリ部150に一時記憶している従業員コードとセキュリティ情報(アルバイト店員)に基づいて表示可能な権限を確認し、送信されてきた売り上げ情報から自ハンディーターミナル装置10を使用しているアルバイト店員のみの売り上げ情報を選択して表示する。なお、この場合においては、ステップS1030において、ハンディーターミナル装置10がオーダリングコントローラ装置20に送信するセキュリティ情報(アルバイト店員)の送信を省略し、従業員コードと、ユーザによって要求された売り上げ情報の要求とのみをオーダリングコントローラ装置20に送信することもできる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本第3の実施形態のオーダーエントリーシステムは、ハンディーターミナル装置10によって商品の値引きを行う場合の実施形態である。なお、本第3の実施形態のオーダーエントリーシステムは、飲食店に導入されたものではなく、例えは、量販店などの販売店に導入されたものであるが、その構成は、飲食店に導入された図1に示した第1の実施形態のオーダーエントリーシステム1と同様の構成である。また、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員の情報には、第2の実施形態のオーダーエントリーシステム1と同様に、従業員のセキュリティ情報も含まれている。従って、本第3の実施形態の説明においては、図1に示した第1実施形態によるオーダーエントリーシステム1および第2実施形態によるオーダーエントリーシステム1と同様の説明を省略する。
次に、本第3の実施形態のオーダーエントリーシステムにおいて、ハンディーターミナル装置10によって値引き処理を行う場合について説明する。図13は、本第3の実施形態のオーダーエントリーシステム1において、アルバイト店員が使用するハンディーターミナル装置10によって値引き処理を行う処理の流れの一例を示したシーケンス図である。なお、アルバイト店員は、客か値引きの交渉を持ちかけられた場合、その値引き交渉に応じて値引き処理をすることはできない。従って、値引き処理を実行した場合には、店長などの店舗の管理者に連絡する必要がある。
まず、ステップS110のハンディーターミナル装置10の起動処理において、ハンディーターミナル装置10は、従業員カードに埋め込まれたICタグ40に記憶されている従業員コードとセキュリティ情報(アルバイト店員)とを取得(読み込み)し、メモリ部150に一時記憶する。
その後、ステップS2000において、ユーザが値引き処理を要求する操作を行うと、ステップS2010において、ハンディーターミナル装置10は、メモリ部150に一時記憶している従業員コードと、セキュリティ情報(アルバイト店員)と、ユーザによって要求された値引き処理の要求とを、オーダリングコントローラ装置20に送信する。
続いて、ステップS2020において、オーダリングコントローラ装置20は、ハンディーターミナル装置10から送信されてきた従業員コードと、セキュリティ情報(アルバイト店員)とを確認する。ステップS2020における従業員コードと、セキュリティ情報との確認によって、値引き処理を要求したユーザが正規のユーザ(例えば、店舗の管理者である店長)であることが確認されると、ステップS2030において、オーダリングコントローラ装置20は、例えは、値引き可否の情報や値引き提示額の情報などを、ハンディーターミナル装置10に送信する。
続いて、ステップS2040において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきた値引き可否の情報や値引き提示額の情報などを、LCD表示部160に表示する。
なお、図13に示したように、値引き処理を要求したユーザが値引き処理をすることができないユーザである場合には、ステップS2020における従業員コードと、セキュリティ情報との確認において、値引き処理を要求したユーザが正規のユーザでないと判断される。この場合には、図13に示したように、ステップS2030において、オーダリングコントローラ装置20は、値引き処理を行う権限がないことを表す、例えば、「値引き処理はできません。店長を呼んでください。」というメッセージを送信する。そして、ステップS2040において、ハンディーターミナル装置10は、オーダリングコントローラ装置20から送信されてきたメッセージを、LCD表示部160に表示する。
このように、アルバイト店員が使用するハンディーターミナル装置10では、アルバイト店員が行うことができない値引き処理に対応する情報を表示することができる。
上記に述べたとおり、本第3の実施形態のオーダーエントリーシステム1では、ユーザがハンディーターミナル装置10を操作して値引き処理など、店舗の管理者によって判断されるべき処理が要求された場合に、ハンディーターミナル装置10が取得している(読み込んでいる)従業員コードとセキュリティ情報とに基づいて、要求された処理を制限することができる。これにより、ハンディーターミナル装置10を使用するユーザの誤操作などによって、不正な処理がされてしまうことを防止することができる。また、従業員のセキュリティ情報に基づいて、処理可能な範囲の制限や、操作の停止をすることができる。例えば、店長などの店舗の管理者であれば全ての値引き処理を可能とし、社員やリーダーであれば、予め定められた範囲内での値引き処理を可能とする。また、アルバイト店員であれば値引き処理自体を不可能とするということができる。
なお、本第3の実施形態のオーダーエントリーシステム1では、値引き処理を要求したユーザが携帯しているハンディーターミナル装置10に値引き処理を行う権限がないことを表すメッセージを送信する場合について説明したが、同時に予め設定されている他のハンディーターミナル装置10に情報を送信することもできる。例えば、図13のステップS2030においてオーダリングコントローラ装置20が、値引き処理を行う権限がないことを表すメッセージをハンディーターミナル装置10に送信すると同時に、予め設定されている店長や社員が携帯するハンディーターミナル装置10にも権限のないハンディーターミナル装置10から値引き処理の要求があり、その要求が拒否されたことを表すメッセージを送信する。また、この場合、例えば、予め設定されている店長や社員が携帯するハンディーターミナル装置10には、値引き処理を行おうとした従業員のコードや名前を表示するようにしておくことによって、値引き処理を行う権限がないアルバイト店員が、値引き処理を行う権限がある店長や社員を呼びに行く前に、このメッセージを受けた店長が、値引き処理の要求があったことを認識することができる。そして、値引き処理の要求を認識した店長は、即座に客のところに出向くことができる。
上記に述べたとおり、本発明では、ICタグに記憶した情報をハンディーターミナル装置が取得することができる。これにより、ICタグに記憶されている情報に基づいてハンディーターミナル装置の動作を変更することができる。
また、ハンディーターミナル装置のユーザが設定した設定情報を、ICタグに記憶しておくことができる。これにより、ユーザの要望によって設定した設定情報をすぐにハンディーターミナル装置に反映させることができ、常にユーザが設定した状態でハンディーターミナル装置を使用することができる。このことにより、ユーザはストレスなくハンディーターミナル装置を操作することができ、例えば、オーダーを入力する際の誤操作を防止することができる。
また、同じチェーン店の異なる店舗においても、ICタグに記憶しているユーザの設定でハンディーターミナル装置を使用することができる。これにより、例えば、従業員が他の店舗へ応援に行く場合でも、応援に行った店舗に備えてあるハンディーターミナル装置に従業員カードを読み込ませることによって、応援に行った従業員が設定したオーダー入力の操作を行うことができる。
また、ICタグに記憶しているセキュリティ情報に基づいて、ユーザの処理可能な業務の範囲に応じて、ハンディーターミナル装置で行うことができる、例えば、値引きや取消などの操作、店舗売上参照など閲覧可能レベルを制限することができる。これにより、ハンディーターミナル装置の不正使用の防止や、ハンディーターミナル装置内の情報漏えい、個人情報などの保護に活用することができる。また、このとき、ユーザは、セキュリティ情報の設定を意識する必要がない。
なお、本実施形態においては、ICタグ40に従業員の識別情報、ハンディーターミナル装置10の設定情報を記憶する場合について説明したが、その他の情報をICタグに記憶し、記憶した情報に基づいて本実施形態で説明した以外の設定や処理を行うこともできる。
また、本実施形態においては、ハンディーターミナル装置10に標準のオーダー入力画面を表示するアプリケーションプログラムを搭載し、ユーザのレベル(習熟度)に応じたオーダー入力画面を表示することができる複数のアプリケーションプログラムをオーダリングコントローラ装置20内に記憶している場合について説明したが、複数のアプリケーションプログラムをハンディーターミナル装置10内に記憶している構成とすることもできる。この場合、図4に示したハンディーターミナル装置10の起動処理のステップS300において、現在動作しているアプリケーションプログラムが、ICタグ40に記憶しているハンディーターミナル装置10の設定情報に含まれる画面選択情報で選択されているアプリケーションプログラムであるか否かを確認する。そして、現在動作しているアプリケーションプログラムが、画面選択情報で選択されているアプリケーションプログラムでない場合には、ステップS310において、画面選択情報で選択されているアプリケーションプログラムに切り替えることにより、図4に示したハンディーターミナル装置10の起動処理と同等の起動処理を行うことができる。なお、この場合は、図4に示したハンディーターミナル装置10の起動処理のステップS310におけるダウンロード処理は行わない。
また、本実施形態においては、ハンディーターミナル装置10の設定情報を全てICタグ40に記憶する場合について説明したが、ハンディーターミナル装置10の設定情報の一部をオーダリングコントローラ装置20に記憶することもできる。例えば、本実施形態で説明したハンディーターミナル装置10の設定情報の内、画面設定情報をオーダリングコントローラ装置20に記憶する構成とした場合、ICタグ40には、画面設定情報がオーダリングコントローラ装置20に記憶されていることを表す情報を記憶しておく。そして、図4に示したハンディーターミナル装置10の起動処理のステップS500において、制御部110が、メモリ部150に一時記憶した設定情報にオーダリングコントローラ装置20内に画面設定情報が記憶されているか否かを確認する。そして、オーダリングコントローラ装置20内に画面設定情報が記憶されている場合には、図4に示したハンディーターミナル装置10の起動処理のステップS310と同様に、オーダリングコントローラ装置20から、ユーザに対応した画面設定情報を取得し、取得した画面設定情報に基づいたオーダー入力画面をLCD表示部160に表示させる。
このようにすることによって、オーダリングコントローラ装置20は、複数のユーザの画面設定情報を記憶することができるので、例えば、記憶している複数の画面設定情報に共通している設定項目やその設定内容に基づいて、オーダリングコントローラ装置20内に記憶している習熟度に応じたアプリケーションプログラム内の初期設定を変更するなどの対応を行うことができる。このように、アプリケーションプログラム内の初期設定を複数のユーザが同じ設定としている設定内容に変更することにより、例えば、図4に示したハンディーターミナル装置10の起動処理のステップS600において、制御部110が画面設定情報に基づいてLCD表示部160に表示させるオーダー入力画面を作成する際の処理の負荷を軽減することもできる。
また、本実施形態のオーダーエントリーシステム1における画面設定変更処理(図5)では、ステップS810〜ステップS860においてオーダー入力画面における各項目の画面設定を変更した際に、その変更に応じたオーダー入力画面をLCD表示部160に表示することによって、ユーザがより視覚的にオーダー入力画面の変更を認識できるようにすることもできる。
なお、本実施形態においては、ハンディーターミナル装置10の形状に関して特に規定していないが、例えば、ハンディーターミナル装置10が蓋を開閉する形状である場合には、蓋の開閉センサの情報を利用して、蓋が閉じているときのみICタグ40との近距離無線通信を行う構成とすることもできる。これにより、近距離無線通信の誤操作防止することが可能となる。
また、本実施形態においては、飲食店および販売店にオーダーエントリーシステム1を導入した場合について説明したが、本発明は、飲食店および販売店に導入されるオーダーエントリーシステム以外にも、ハンディーターミナル装置とICタグとの構成によって従業員を識別するシステムであれば、いかなるシステムにも適用することができる。また、本実施形態においては、ハンディーターミナル装置に備えた非接触の近距離無線通信手段としてICタグリーダライタ130を備えた構成について説明したが、本発明は、その他の通信手段によって従業員を識別する構成とすることもできる。ただし、従業員の識別情報や、ハンディーターミナル装置の設定情報を高速で読み出し、書き込みが行える通信手段であることが望ましい。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。