JP5452722B2 - 収差補正装置およびそれを用いた荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転対称レンズである対物レンズの球面収差を補正するための収差補正装置及びそれを用いた荷電粒子線装置に関する。
走査型電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)や走査型透過電子顕微鏡(STEM)など電子顕微鏡においては、電子線を収束するために電場あるいは磁場を用いた電子レンズが不可欠である。電子レンズとして最も良く用いられるのは、回転対称な電磁界を用いた球面レンズとして作用するレンズである。このような回転対称電子レンズでは正の球面収差が不可避であることが知られている。したがって、回転対称電子レンズを組み合わせても負の球面収差を作ることは不可能であるため、光学における凹/凸組レンズによる球面収差補正はできず、従来の電子顕微鏡装置においては球面収差が実質的な分解能を決める主要因となっている。
一方、この電子レンズの球面収差は非回転対称な多極子レンズの組み合わせにより、原理的に補正可能であることが指摘されているが、これら多極子補正器は多段の4極、6極、8極子などを用いるため構造が複雑である。
収差補正装置の1つに、多極子レンズで6極場を発生させて回転対称レンズの球面収差を補正するものがある。球面収差補正の原理は以下の通りである。一般的に対物レンズの正の球面収差に対して、多極子レンズにより6極場を発生させることで、負の球面収差を作り出し、対物レンズの球面収差を打ち消す。また6極場の強度を変化させることで、負の球面収差を制御することができるので、電子顕微鏡に搭載されているレンズ、すなわち対物レンズや照射レンズ、投影レンズなどを含めた光学系全体の球面収差を任意の量に制御することができる。ただし、6極場は2次の収差を発生させるため、2つの多極子レンズの間に2つの回転対称レンズである転写レンズを配置し、多極子レンズ間の電子ビームの軌道を反転させることにより、6極場の2次の収差を打ち消すことができる。
例えば、特許文献1には、このような電子顕微鏡の回転対称レンズの球面収差を補正する装置に関して開示されており、図1はその概略図である。図1において、各電子レンズは光学レンズのように図示されているが、これは図示を簡略化するためであり、実際には磁界を用いる電子レンズとなっている。
収差補正装置1には、多極子レンズ2及び3の間に回転対称レンズである転写レンズ4及び5が配置され、多極子レンズ2と対物レンズ6の間には2つの回転対称レンズである転写レンズ7及び8が配置される。回転対称レンズである転写レンズの焦点距離は全て同じfであり、回転対称レンズである転写レンズ7及び8間の距離は2f、多極子レンズ2と回転対称レンズである転写レンズ4及び8間の距離はどちらもf、回転対称レンズである転写レンズ4及び5間の距離は2f、多極子レンズ3と回転対称レンズである転写レンズ5間の距離はfとなっている。従来、電子顕微鏡で高分解能観察を行う際、試料位置9は回転対称レンズである対物レンズ6内に存在し、回転対称レンズである対物レンズ6の焦点距離は数mmと非常に強励磁で使用する。軸上軌道10は試料と光軸の交点を通り、光軸に対してある角度を持った電子線の軌道であり、多極子レンズ2に対して光軸と平行に入射させる。その後、回転対称レンズである転写レンズ4及び5によって軌道を反転させ、多極子レンズ3に対しても光軸と平行に入射させる(球面収差補正条件)。上記のように多極子レンズ2及び3と回転対称レンズである転写レンズ4及び5を配置することで、この球面収差補正条件を満たすことができる。また、多極子レンズ2及び3の励磁を同じにすることで、2次の収差を打ち消すことができる。すなわち、回転対称レンズである対物レンズ6の球面収差と逆符号で半分の量の球面収差を2つの多極子レンズ2及び3の6極場でそれぞれ与えることにより、2次の収差を打ち消しつつ、回転対称レンズである対物レンズの球面収差を補正することができる。
また、図1の収差補正装置は軸上コマ収差を補正する構成となっている。回転対称レンズには軸上コマ収差がない面があり、これをコマフリー面と呼ぶ。このコマフリー面は通常、回転対称レンズの後ろ焦点面付近に存在するため、試料位置9を回転対称レンズである対物レンズ6内に配置し、回転対称レンズである対物レンズ6を強励磁で使用する高分解能観察を行う場合、回転対称レンズである対物レンズ6のコマフリー面11は回転対称レンズである対物レンズ6の数mm後ろに存在することになる。このとき回転対称レンズである対物レンズ6のコマフリー面11と回転対称レンズである転写レンズ7の距離をfとすることで、コマフリー面11を回転対称レンズである転写レンズ7のコマフリー面に転写することができる。
図1の構成によれば、同様の原理でコマフリー面11を回転対称レンズである転写レンズ8、4及び5のコマフリー面に転写することができる。多極子レンズのコマ収差は多極子レンズの中心を通る軌道で、かつ2つの多極子レンズ2及び3の間の中心で軌道が対称になることで打ち消すことができる(コマフリー面転写条件)。図1においては対物レンズ6のコマフリー面11を通る軸外軌道12は多極子レンズ2及び3の中心を通り、2つの多極子レンズ2及び3の間の中心で軌道を対称にすることで、コマフリー面を転写し、軸上コマ収差を補正している。
以上のように図1の構成では、収差補正装置1の後半部分である多極子レンズ2及び3の間において軸上軌道10によって球面収差補正条件を満たし、収差補正装置1の前半部分である対物レンズ6から多極子レンズ2の間において軸外軌道12によってコマフリー面転写条件を満たす球面収差補正装置となっている。
特許文献2には別の構成によって球面収差を補正することが開示されており、図2はその概略図である。収差補正装置1の後半部分である多極子レンズ2及び3間の構成は前述の図1と同じであるが、収差補正装置1の前半部分である回転対称レンズである対物レンズ6と多極子レンズ2の間の構成が図1とは異なる。
図2においては、回転対称レンズである転写レンズ7及び8の焦点距離をそれぞれf、fとし、回転対称レンズである対物レンズ6のコマフリー面11と回転対称レンズである転写レンズ7間の距離をf、回転対称レンズである転写レンズ7及び8間の距離をf+f、回転対称レンズである転写レンズ8と多極子レンズ2間の距離をfとしている。軸上軌道10は収差補正装置1の後半部分が前述の図1と同じ構成なので、同じ原理により球面収差補正条件を満たしている。また、収差補正装置1の前半部分は前述の図1と構成は異なるが、回転対称レンズである転写レンズ7及び8を焦点距離の位置に配置することにより、軸外軌道12はコマフリー面転写条件を満たしている。
図2の収差補正装置の特徴としては、球面収差の微調整のしやすさが挙げられる。焦点合わせなどで回転対称レンズである対物レンズ6の焦点距離を変化させたとき、回転対称レンズである対物レンズ6の球面収差とコマフリー面11が微小変化するため、図1の構成では全ての回転対称レンズの焦点距離fを調整しなければならない。しかし、図2の構成で回転対称レンズである対物レンズ6の球面収差補正を微調整する場合、回転対称レンズである転写レンズ7及び8の焦点距離f、fを微調整することで、多極子レンズ2を通る軸上軌道10の位置は変化しないため、回転対称レンズである転写レンズ4及び5の焦点距離f及び多極子レンズ2及び3の励磁を変化させずに球面収差を補正することができる。よって、図2の構成によれば、回転対称レンズである転写レンズ7及び8の位置と焦点距離f、fを微調整することで球面収差補正条件とコマフリー面転写条件を満たすことができ、球面収差補正の微調整がしやすくなるという効果が期待できる。
図1及び2はTEM観察時の光学系であり、電子線は対物レンズ6側から入射し、多極子レンズ3側から投影レンズへ出射する。STEM観察の場合、TEM観察の場合とは電子線の入射方向を逆に考え、電子線は多極子レンズ3側から入射し、対物レンズ6から投影レンズへ出射するが、球面収差補正条件及びコマフリー面転写条件は上記TEM観察の場合と同じであるため、軸上軌道10及び軸外軌道12は図1及び2と同じである。
特開平3−295140号公報 特表2002−510431号公報
上述のように、従来の球面収差補正装置は電子線の入射方向に対して、TEM観察時は対物レンズ、収差補正装置の順で、STEM観察時は収差補正装置、対物レンズの順で配置しなければならない。すなわちTEM/STEM装置においては、電子線の入射方向に対して、STEM用収差補正装置、対物レンズ、TEM用収差補正装置の順で配置する必要がある。
しかしながら、上述の図1及び図2のように、TEM用収差補正装置とSTEM用収差補正装置の構成は全く同じであり、同じ構成で向きを変えた2つの収差補正装置の間に1つのTEM/STEM用対物レンズを配置することで、TEM/STEMそれぞれの収差補正を行っている。
また、収差補正装置は図1及び2のように、2つの多極子レンズと4つの回転対称レンズである転写レンズを使用しているため、制御が複雑である。TEM/STEMの収差補正を行う場合は、制御するレンズの数は倍となり、レンズ電源の数も増える。収差補正装置はTEM/STEMでそれぞれ独立に制御するものの複雑である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、TEM/STEMで共用可能な収差補正装置およびそれを用いた荷電粒子線装置の提供を目的とする。
まず、TEM/STEMで共用可能な収差補正装置を実現するために、収差補正装置をTEM用、STEM用と分けるのではなく、回転対称レンズである対物レンズを2つ配置しTEM用、STEM用と分ける。すなわち、電子線の入射方向に対して、TEM用対物レンズ、収差補正装置、STEM用対物レンズという配置にする。本TEM/STEM共用収差補正装置の構成は、2つの多極子レンズの間に2つの回転対称レンズである転写レンズを配置し、TEM用対物レンズと多極子レンズの間に2つの回転対称レンズである転写レンズを配置するという構成までは従来の収差補正装置と同じだが、さらに多極子レンズとSTEM用対物レンズの間に1つの回転対称レンズである転写レンズを追加する。
従来の収差補正装置の構成と同じにする場合、多極子レンズとSTEM用対物レンズの間に追加する回転対称レンズである転写レンズは2つだが、本収差補正装置では1つとする。多極子レンズと回転対称レンズである対物レンズの間の回転対称レンズである転写レンズはコマフリー面を転写するものだが、STEM観察の場合、軸上軌道のみを考えれば良いため、軸外軌道を考慮したコマフリー面の転写は必要なく、追加した1つの回転対称レンズである転写レンズは5次の球面収差補正条件に配置する。
TEM観察時は、TEM用対物レンズからSTEM用対物レンズ側の多極子レンズまでのレンズをTEM用収差補正装置として使用し、収差を補正する。このとき、多極子レンズとSTEM用対物レンズの間の1つの回転対称レンズである転写レンズは投影レンズとして使用し、STEM用対物レンズは不使用、あるいは投影レンズとして使用する。
STEM観察時は、STEM用対物レンズからTEM用対物レンズ側の多極子レンズまでのレンズをSTEM用収差補正装置として使用し、収差を補正する。このとき、多極子レンズとTEM用対物レンズの間の2つの回転対称レンズである転写レンズは照射レンズとして使用し、TEM用対物レンズは不使用、あるいは照射レンズとして使用する。
すなわち、本収差補正装置は、TEM用対物レンズとSTEM用対物レンズの2つの対物レンズの間に配置され、TEM用対物レンズあるいはSTEM用対物レンズの収差を補正するための収差補正装置であって、TEM用対物レンズ側に配置された第1の多極子レンズと、STEM用対物レンズ側に配置された第2の多極子レンズと、第1及び第2の多極子レンズ間に配置され、TEM用対物レンズのコマフリー面を第2の多極子レンズに転写するための第1の転写レンズ群と、第1の多極子レンズとTEM用対物レンズの間に配置され、TEM用対物レンズのコマフリー面を第1の多極子レンズに転写するための第2の転写レンズ群と、第2の多極子レンズとSTEM用対物レンズの間に配置され、5次の球面収差を補正するための第3の転写レンズを備える。そして、TEM観察時は、第2の転写レンズ群、第1の多極子レンズ、第1の転写レンズ群、第2の多極子レンズを使用してTEM用対物レンズの収差を補正し、STEM観察時は、第1の多極子レンズ、第1の転写レンズ群、第2の多極子レンズ、第3の転写レンズを使用してSTEM用対物レンズの収差を補正することで、TEM/STEMそれぞれの収差補正を可能としている。
TEM観察の場合、試料はTEM用対物レンズ近傍のTEM用試料ステージに配置し、TEM用対物レンズを強励磁にして観察する。収差補正に使用しない第3の転写レンズは投影レンズとして使用する。また、STEM用対物レンズは不使用、あるいは弱励磁にして投影レンズとして使用する。
STEM観察の場合、試料はSTEM用対物レンズ近傍のSTEM用試料ステージに配置し、STEM用対物レンズを強励磁にして観察する。収差補正に使用しない第2の転写レンズ群は照射レンズ系として使用する。また、TEM用対物レンズは不使用、あるいは弱励磁にして照射レンズとして使用する。
また、上述の構成を含む収差補正装置を備える荷電粒子線装置をも提供する。
さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための形態及び添付図面によって明らかになるものである。
従来はTEM用、STEM用の2つの収差補正装置を使用して収差を補正していたが、本発明によれば、TEM用対物レンズとSTEM用対物レンズの間にTEM/STEMで共用可能な収差補正装置を配置することで、1つの収差補正装置でTEMとSTEMのそれぞれの収差補正を行うことができる。対物レンズを1つ増やし、収差補正装置を1つ削減できるため、制御の複雑さが緩和され、コストも削減できる。
従来の多極子レンズと回転対称レンズである転写レンズを用いた収差補正装置のレンズ配置と電子線の軌道を示す模式図である。 従来の多極子レンズと回転対称レンズである転写レンズを用いた他の収差補正装置のレンズ配置と電子線の軌道を示す模式図である。 第1の実施例に係る収差補正装置の全体のレンズ配置を示す模式図である。 第1の実施例に係る収差補正装置を用いてTEM観察を行う場合のレンズ配置と電子線の軌道を示す模式図である。 第1の実施例に係る収差補正装置を用いてSTEM観察を行う場合のレンズ配置と電子線の軌道を示す模式図である。 第1の実施例に係る収差補正装置を含む透過電子顕微鏡(TEM/STEM)の構成図である。 第1の実施例に係る収差補正装置の各レンズを制御するための構成を示す図である。
(実施例1)
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1の実施例について説明する。ただし、本実施例は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。なお、各図において共通の構成については同一の参照番号が付されている。
図3は、本実施例に係る収差補正装置の概略構成を示している。図3に示されるように、収差補正装置1では、多極子レンズ2及び3の間に回転対称レンズである転写レンズ4及び5が配置され、回転対称レンズであるTEM用対物レンズ6aと多極子レンズ2の間に回転対称レンズである転写レンズ7及び8が配置され、回転対称レンズであるSTEM用対物レンズ6bと多極子レンズ3の間に回転対称レンズである転写レンズ13が配置されている。回転対称レンズである転写レンズ4及び5の焦点距離はどちらもfであり、多極子レンズ2と回転対称レンズである転写レンズ4の距離、及び多極子レンズ3と回転対称レンズである転写レンズ5の距離はf、回転対称レンズである転写レンズ4及び5間の距離は2fである。回転対称レンズである転写レンズ7及び8の焦点距離はそれぞれf、fであり、TEM用対物レンズ6aのコマフリー面11と回転対称レンズである転写レンズ7の距離はf、回転対称レンズである転写レンズ7及び8間の距離はf+f、回転対称レンズである転写レンズ8と多極子レンズ2の距離はfである。多極子レンズ3と回転対称レンズである転写レンズ13の距離、及び回転対称レンズである転写レンズ13とSTEM用対物レンズ6bの距離はそれぞれl、lとする。また、ビームの開き角度を制限するための絞り装置やビームの軌道を調整する偏向子など本実施例の説明に主要ではない装置については、図3ないし5では省略している。
図4は本実施例に係る収差補正装置を用いた場合のTEM観察時の収差補正を実現する構成を示している。TEM用試料ステージ9aに試料を配置し、TEM用対物レンズ6aを強励磁(焦点距離は数mm)で使用し、収差補正装置1aで収差を補正する。回転対称レンズである転写レンズ13は投影レンズとして使用し、STEM用対物レンズ6bは不使用、あるいは弱励磁(焦点距離は数十mm以上)にして投影レンズとして使用する。
図4に示されるように、TEM用試料ステージ9aに配置した試料と光軸の交点から光軸に対してある角度を持った軸上軌道10は、多極子レンズ2及び3に対して光軸と平行に入射し、回転対称レンズである転写レンズ4及び5によってビームの軌道が反転している。このようにビームが多極子レンズ2及び3に入射すれば、前述した球面収差補正条件を満たすことができる。さらに、TEM用対物レンズ6aのコマフリー面11を通る軸外軌道12は多極子レンズ2及び3の中心に投影されるような軌道となっている。このようなビームの軌道の場合、前述したコマフリー面転写条件を満たすことができる。
図5は本実施例に係る収差補正装置を用いた場合のSTEM観察時の収差補正を実現する構成を示している。STEM用試料ステージ9bに試料を配置し、STEM用対物レンズ6bを強励磁(焦点距離は数mm)で使用し、収差補正装置1bで収差を補正する。回転対称レンズである転写レンズ7及び8は照射レンズ系として使用し、TEM用対物レンズ6aは不使用、あるいは弱励磁(焦点距離は数十mm以上)にして照射レンズとして使用する。
STEM観察の場合、ビームを試料面上に集光してビームスポットを作り、そのビームスポットをある領域で走査し、試料を透過した電子を検出することで結像する。すなわち、STEM観察における分解能は試料面上のビームスポットの大きさに依存し、ビームスポットの大きさは収差(通常は対物レンズの球面収差)によって制限される。したがって、対物レンズの球面収差を収差補正装置で補正するという点はTEMと同じだが、STEMの場合はビームスポットに寄与する軌道、すなわち図5の軸上軌道14のみを考えれば良く、図4の軸外軌道12に相当する軌道は考慮しなくても良い。軸上軌道14はSTEM用試料ステージ9bに配置した試料と光軸の交点から光軸に対してある角度を持った軌道であり、前述したTEM観察時の軸上軌道10(図4)と同じ理由で、球面収差補正条件を満たしている。
図5における回転対称レンズである転写レンズ13は、図4における回転対称レンズである転写レンズ4及び5に相当する。すなわち、図4のTEM観察においては回転対称レンズ4及び5をコマフリー面の転写に使用したが、図5のSTEM観察においては、上述したように、コマフリー面を転写する軸外軌道を考慮しなくても良いため、回転対称レンズである転写レンズ13は別の条件、5次の球面収差補正条件で使用する。理由は以下の通りである。
回転対称レンズである転写レンズ13の焦点距離を変えると、STEM用対物レンズ6bの倍率が変わるため、STEM用対物レンズ6bの物面上の球面収差係数が変化する。物面上の球面収差係数とは、倍率を考慮した球面収差係数のことである。特に対物レンズは強励磁で使用するため、倍率が大きくなり、物面上の球面収差係数が大きくなる。これに対し、照射レンズや投影レンズは低励磁で使用するため、倍率は小さく物面上の球面収差係数は小さい。電子顕微鏡の分解能を制限する主要因が対物レンズの球面収差であるのはこのためである。よって、回転対称レンズである転写レンズ13の焦点距離(励磁)を変化させると、球面収差を制御することができる。球面収差は多極子レンズ2及び3の励磁変化によって制御可能なので、回転対称レンズである転写レンズ13の励磁変化によって制御する球面収差は5次の球面収差が望ましい。通常、対物レンズの球面収差と言う場合、3次の球面収差のことを指す。多極子レンズ2及び3で制御する負の球面収差も3次の球面収差である。3次の球面収差を補正した場合、分解能を制限するのは色収差や5次の収差である。色収差は本実施例の収差補正装置では制御できないが、5次の収差のうち、5次の球面収差は上記の回転対称レンズである転写レンズ13の励磁を変化させることで制御することができる。5次の球面収差補正条件は、回転対称レンズである転写レンズ13の励磁及びその位置によって決まる。回転対称レンズである転写レンズ13の焦点距離をf、多極子レンズ3と回転対称レンズである転写レンズ13の距離をl、回転対称レンズである転写レンズ13とSTEM用対物レンズ6bの距離をlとすると、5次の球面収差補正条件は以下の式を満たす必要がある。
Figure 0005452722
ここで、Tは光軸方向に対する多極子レンズの極子の厚さである。このように5次の球面収差補正条件は、回転対称レンズである転写レンズ13の焦点距離で制限されるため、回転対称レンズである転写レンズ13の位置はある程度自由に選択することができる。しかしながら、回転対称レンズである転写レンズ13の位置は5次の非点収差を制限する。5次の非点収差とは、5次の収差のうちの1つで、5次の球面収差及び3次以下の収差を補正した場合、分解能を制限する要因となる。この5次の非点収差は本実施例に係る収差補正装置では補正できず、収差補正装置の構成によってその大きさが決まる。5次の非点収差係数Aは以下の式で求められる。
Figure 0005452722
ここで、fOBJ、Cはそれぞれ回転対称レンズである対物レンズの焦点距離と対物レンズの球面収差係数である。このように5次の非点収差係数Aは回転対称レンズである転写レンズ13の焦点距離fで制限される。すなわち、(1)式を(2)式に代入すると、5次の非点収差係数は多極子レンズ3と回転対称レンズである転写レンズ13の距離lと、回転対称レンズである転写レンズ13とSTEM用対物レンズ6bの距離lに依存することがわかる。したがって、5次の非点収差係数が小さくなるように回転対称レンズである転写レンズ13の位置を決める必要がある。5次の非点収差を小さくするには、多極子レンズ3と回転対称レンズである転写レンズ13の距離lを大きくし、回転対称レンズである転写レンズ13とSTEM用対物レンズ6bの距離lを小さくすれば良い。多極子レンズ3と回転対称レンズである転写レンズ13の距離lを大きくすると、収差補正装置の全長が長くなり、構造的に不安定になる。また、回転対称レンズである転写レンズ13とSTEM用対物レンズ6bの距離lは機械的な制限を受けるため、小さくするには限界がある。以上を考慮した上で、収差補正装置の構成を決める必要がある。
TEMとSTEMを切り換えて使用する場合、収差補正装置1内の回転対称レンズである転写レンズ4、5、7、8及び13の励磁は変化させなくても良い。これは、図4のTEM観察における軸上軌道10と、図5のSTEM観察における軸上軌道14が、収差補正装置内、すなわち回転対称レンズである転写レンズ7と13の間で同じ軌道を通るためである。
さらに詳細を述べると、TEM、STEMどちらの場合も球面収差補正条件は同じで、その条件とは、試料と光軸の交点から光軸に対してある角度を持った軸上軌道10あるいは14が、多極子レンズ2及び3に対して光軸と平行に入射し、回転対称レンズである転写レンズ4及び5によってビームの軌道が反転することである。図4及び5のように、軸上軌道10及び14は球面収差補正条件を満たしている。
TEM観察時、重要となるのは前述したコマフリー面転写条件であり、これは回転対称レンズである転写レンズ7及び8の励磁変化で制御する。回転対称レンズである転写レンズ13は図4のようにTEM用収差補正装置1aの構成要素ではないため、投影レンズとして使用するが、そのレンズ条件に制限はなく、前述したSTEM観察時における5次の球面収差補正条件を満たすレンズ条件でも構わない。
STEM観察時、重要となるのは前述した5次の球面収差補正条件であり、これは回転対称レンズである転写レンズ13の励磁変化で制御する。回転対称レンズである転写レンズ7及び8は図5のようにSTEM用収差補正装置1bの構成要素ではないため、照射レンズ系として使用するが、球面収差補正条件を満たすため、軸上軌道14が多極子レンズ2に対して光軸と平行に入射するように回転対称レンズである転写レンズ7及び8を調整する必要がある。これは、前述したTEM観察時におけるコマフリー面転写条件を満たすレンズ条件でも構わない。
以上のようにTEMとSTEMを切り換えて使用する場合、収差補正装置1内の回転対称レンズである転写レンズ4、5、7、8及び13の励磁は変化させなくても良い。また、球面収差は多極子レンズ2及び3の励磁変化で制御するが、強励磁で使用する際(TEM観察時)のTEM用対物レンズ6aの球面収差と、同じく強励磁で使用する際(STEM観察時)のSTEM用対物レンズ6bの球面収差が同じ量であれば、多極子レンズ2及び3で与える負の球面収差の量が同じになるため、TEMとSTEMで切り換えて使用する際、多極子レンズ2及び3の励磁を変化させる必要がない。したがって、TEMとSTEMを切り換えて使用する場合、収差補正装置1内の各要素(多極子レンズ2、3及び回転対称レンズである転写レンズ4、5、7、8、13)の励磁は変化させる必要がなく、TEM観察時はTEM用対物レンズ6aを強励磁、STEM用対物レンズ6bを低励磁で使用し、STEM観察時はSTEM用対物レンズ6bを強励磁、TEM用対物レンズ6aを低励磁で使用することで、収差補正装置1の制御が簡略化できる。
TEM用対物レンズ6aの球面収差とSTEM用対物レンズ6bの球面収差の量が異なる場合、通常は多極子レンズ2及び3の励磁を変化させて、負の球面収差を制御し補正するが、多極子レンズの制御は非常に難しいため、別の方法で球面収差を制御することも可能である。多極子レンズで発生させる6極場は光軸から離れるほどその影響が強くなる。したがって、軸上軌道10あるいは14を多極子レンズ2及び3に対して光軸と平行に入射させるという球面収差補正条件を維持しつつ、軸上軌道と光軸の距離を制御すれば、球面収差を制御することができる。軸上軌道と光軸の距離は回転対称レンズである転写レンズ7及び8で制御することができる。回転対称レンズである転写レンズ7及び8は、TEM観察時には前述したコマフリー面転写条件で使用するため、球面収差を制御するには向かない。一方、STEM観察時には、回転対称レンズである転写レンズ7及び8の使用方法はある程度自由に選択できる。したがって、多極子レンズ2及び3はTEM観察時の球面収差を補正する励磁にし、STEM観察に切り換える場合は、多極子レンズ2及び3の励磁はそのままにし、回転対称レンズである転写レンズ7及び8の励磁を調整して球面収差を調整することが望ましい。
図6は、本実施例に係る収差補正装置を透過電子顕微鏡(TEM/STEM)に組み込んだ場合の構成を示す図である。通常のTEM/STEM装置とは異なり、TEM用対物レンズ6aとSTEM用対物レンズ6bの2つの回転対称レンズである対物レンズを搭載し、その間に本実施例に係る収差補正装置を配置する構成となっている。
TEM観察を行う場合、電子源15から出射した電子線は、照射レンズ系16によってビーム電流が調整された後、TEM用試料ステージ9aに配置した試料に適切な条件で照射される。電子線は試料を透過し、その透過像はTEM用対物レンズ6aによって拡大され、収差補正装置1によって収差が補正される。その後、透過像は回転対称レンズである転写レンズ13、STEM用対物レンズ、及び投影レンズ系17によってさらに拡大され、蛍光板19に投影される。
STEM観察を行う場合、電子源15から出射した電子線は、照射レンズ系16及びTEM用対物レンズ6aによってビーム電流が調整された後、回転対称レンズである転写レンズ7及び8によって光軸に対して平行な電子線となって多極子レンズ2へ入射する。その後、収差補正装置1によって収差が補正され、STEM用対物レンズ6bでSTEM用試料ステージ9bに配置した試料に集光する。試料のある領域を電子線で走査し、透過した電子線は投影レンズ系17によって適切な条件でSTEM検出器18に入射し結像する。なお、TEM用ステージ9a、STEM用ステージ9b、TEM用蛍光板19、STEM検出器18は可動式であり、未使用時にはそれぞれ退避が可能である。
図7は、本実施例に係る収差補正装置を構成する各電子レンズ(回転対称レンズである対物レンズ、回転対称レンズである転写レンズ及び多極子レンズの電流源20乃至28)をパーソナルコンピュータなどの計算機29を用いて制御する構成を示している。
図7において、計算機29は上述の収差補正条件を満たす電流値を計算(公知技術)し、各電流源20乃至28に適切な信号を送ることにより収差を補正する。計算機29は表示部を備えており、操作者はこれを見て装置の状態を確認することができる。
図7に示される構成において、TEM観察とSTEM観察の切り換えは、操作者が指示を入力することによってモードを選択し、使用するレンズを切り換えることができるようになっている。TEM観察、STEM観察どちらの場合も球面収差を補正する方法は同じで、電流源23及び26によって多極子レンズ2及び3の励磁を変化させることによって6極場の強度を調整し、6極場で与える負の球面収差の量を制御する。
TEM観察の場合、TEM用対物レンズ6aの軸上コマ収差を補正するには、電流源21及び22によって回転対称レンズである転写レンズ7及び8の励磁を変化させ、TEM用対物レンズ6aのコマフリー面を多極子レンズ2の中心に転写させることで、軸上コマ収差を制御する。
STEM観察の場合、5次の球面収差を補正するには、電流源27によって回転対称レンズである転写レンズ13の励磁を変化させ、5次の球面収差を制御する。このとき、3次の球面収差も変化するが、前述のように3次の球面収差は電流源23及び26によって多極子レンズ2及び3の励磁を変化させることによって6極場の強度を調整し、6極場で与える負の3次の球面収差の量を制御する。
以上、TEM/STEMを用いて説明したが、電子に限らずイオンなど他の荷電粒子を用いた装置にも適用することができる。
以上述べたように、本実施例によれば、TEM/STEMで共用可能な収差補正装置およびそれを用いた荷電粒子線装置を提供することができる。TEM/STEMで共用可能な収差補正装置により、電源数の低減が図れるとともに制御性が向上する。また、TEM/STEM用対物レンズを個別に備えることにより、より球面収差の改善が可能となる。
以上、本願発明を詳細に説明したが、以下に主な発明の形態を列挙する。
(1) 照射レンズ側に配置された第1の多極子レンズと、
投影レンズ側に配置された第2の多極子レンズと、
前記第1及び第2の多極子レンズの間に配置され、前記照射レンズ側に配置される第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第2の多極子レンズに転写するための第1の転写レンズ群と、
前記第1の多極子レンズに対して前記照射レンズ側に配置され、前記第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第1の多極子レンズに転写するための第2の転写レンズ群と、
前記第2の多極子レンズに対し前記投影レンズ側に配置され、更に前記投影レンズ側に近接して配置される第2の対物レンズの5次の球面収差を補正するための第3の転写レンズと、を備えたことを特徴とする収差補正装置。
(2) 荷電粒子源と、前記荷電粒子源から出射した荷電粒子のビーム量を調整する照射レンズと、試料を透過した前記荷電粒子を検出手段(蛍光板、STEM検出器)に投影する投影レンズとを備えた荷電粒子線装置において、
前記照射系レンズと前記投影レンズとの間に、さらに第1の対物レンズ、収差補正装置、第2の対物レンズが順次配置され、
前記収差補正装置は、
前記照射レンズ側に配置された第1の多極子レンズと、
前記投影レンズ側に配置された第2の多極子レンズと、
前記第1及び第2の多極子レンズの間に配置され、前記第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第2の多極子レンズに転写するための第1の転写レンズ群と、
前記第1の多極子レンズに対して前記照射レンズ側に配置され、前記第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第1の多極子レンズに転写するための第2の転写レンズ群と、
前記第2の多極子レンズに対し前記投影レンズ側に配置され、前記第2の対物レンズの5次の球面収差を補正するための第3の転写レンズと、を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
1:収差補正装置、1a:TEM用収差補正装置、1b:STEM用収差補正装置、2,3:多極子レンズ、4,5:転写レンズ、6:対物レンズ、6a:TEM用対物レンズ、6b:STEM用対物レンズ、7,8:転写レンズ、9:試料位置、9a:TEM用試料ステージ、9b:STEM用試料ステージ、10:TEM観察時の軸上軌道、11:TEM用対物レンズのコマフリー面、12:TEM観察時のコマフリー面を通る軸外軌道、13:新たに追加した転写レンズ、14:STEM観察時の軸上軌道、15:電子源、16:照射レンズ系、17:投影レンズ系、18:STEM検出器、19:蛍光板、20〜28:電流源、29:計算機。

Claims (8)

  1. 照射レンズ側に配置された第1の多極子レンズと、
    投影レンズ側に配置された第2の多極子レンズと、
    前記第1及び第2の多極子レンズの間に配置され、前記照射レンズ側に配置される第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第2の多極子レンズに転写するための第1の転写レンズ群と、
    前記第1の多極子レンズに対して前記照射レンズ側に配置され、前記第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第1の多極子レンズに転写するための第2の転写レンズ群と、
    前記第2の多極子レンズに対し前記投影レンズ側に配置され、更に前記投影レンズ側に近接して配置される第2の対物レンズの5次の球面収差を補正するための第3の転写レンズと、を備えたことを特徴とする収差補正装置。
  2. 荷電粒子源と、前記荷電粒子源から出射した荷電粒子のビーム量を調整する照射レンズと、試料を透過した前記荷電粒子を検出手段に投影する投影レンズとを備えた荷電粒子線装置において、
    前記照射系レンズと前記投影レンズとの間に、さらに第1の対物レンズ、収差補正装置、第2の対物レンズが順次配置され、
    前記収差補正装置は、
    前記照射レンズ側に配置された第1の多極子レンズと、
    前記投影レンズ側に配置された第2の多極子レンズと、
    前記第1及び第2の多極子レンズの間に配置され、前記第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第2の多極子レンズに転写するための第1の転写レンズ群と、
    前記第1の多極子レンズに対して前記照射レンズ側に配置され、前記第1の対物レンズのコマフリー条件を前記第1の多極子レンズに転写するための第2の転写レンズ群と、
    前記第2の多極子レンズに対し前記投影レンズ側に配置され、前記第2の対物レンズの5次の球面収差を補正するための第3の転写レンズと、を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 前記第1及び第2の対物レンズはそれぞれ透過電子顕微鏡用対物レンズ及び走査型透過電子顕微鏡用対物レンズであり、前記透過電子顕微鏡用対物レンズの近傍にはTEM用試料ステージが、前記走査型透過電子顕微鏡用対物レンズの近傍にはSTEM用試料ステージが配置されていることを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線装置。
  4. TEM観察を行う場合、観察用試料は前記TEM用試料ステージに配置され、前記透過電子顕微鏡用対物レンズは強励磁で使用され、前記走査型透過電子顕微鏡用対物レンズは不使用、あるいは弱励磁で使用され、前記透過電子顕微鏡用対物レンズの収差補正が行われるものであることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  5. STEM観察を行う場合、観察用試料は前記STEM用試料ステージに配置され、前記走査型透過電子顕微鏡用対物レンズは強励磁で使用され、前記透過電子顕微鏡用対物レンズは不使用、あるいは弱励磁で使用され、前記走査型透過電子顕微鏡用対物レンズの収差補正が行われるものであることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  6. STEM観察を行う場合、前記第2の多極子レンズと前記第3の転写レンズとの間の距離は、前記第3の転写レンズと前記第2の対物レンズとの間の距離を超えることを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線装置。
  7. TEM観察およびSTEM観察のいずれの場合においても、前記第1の転写レンズ群、前記第2の転写レンズ群、および前記第3の転写レンズの励磁は変化されないものであることを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線装置。
  8. TEM観察後にSTEM観察を行う場合、前記第1および第2の多極子レンズの励磁は変化されず、前記第2の転写レンズ群の励磁が調整されるものであることを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線装置。
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