JP5028181B2 - 収差補正器およびそれを用いた荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線装置に用いられる収差補正器の構造および、前記収差補正器を備えた荷電粒子線装置に関する。
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)、走査透過電子顕微鏡、透過電子顕微鏡や収束イオンビーム加工装置(Focused Ion Beam:FIB)などの荷電粒子装置において、偏向器、非点補正器には多極子(2極子、4極子、8極子など)が使われてきた。近年、軸回転対称な対物レンズの球面収差や色収差を補正するために4極子、6極子、8極子等を多段に組み合わせた収差補正器が提案、開発され、実際に1995年にはHaiderらによりTEMにおいて球面収差補正、ZachらによりSEMにおいて色及び球面収差補正が可能なことが示された(例えば、非特許文献1、2参照)。これらの収差補正器においては、高精度に重畳された多極子場を荷電粒子線が通過する領域内に形成することが要求されている。そのような多極子場を現実的に実現する手段としては、目下、多極子場を形成するための多極子を同軸上に多段配置する他なく、現時点で製造されている収差補正器は、全て多極子が多段配置された構成を有している。
従来の多極子については主としてTEM、STEM用の球面収差補正器、EELS装置などでの使用を念頭に置いた磁界型多極子、SEMや描画装置などでの静電偏向、色球面収差補正器に使用される静電型多極子、静電磁界重畳型多極子がある。磁界型多極子は荷電粒子線の真空通路内に磁極が露出する必要がないのに対し、静電型あるいは静電磁界重畳型多極子は露出している必要があるため極子表面の汚れや突起に敏感である。また静電磁界重畳型多極子では電気的には極子は他極と独立しており、磁気的にはヨークで他極とつながって磁気回路を構成するなど複雑な構造が必要とされる。これらに共通して要求されるのは、多極子の組立て精度がよく、対称性よく多極子場を発生できること。多段にした場合に上下の多極子と機械軸および軸周りの位相が高精度に合うこと。量産性の観点から部品点数、調整箇所が少なく、調整作業が単純であることなどが挙げられるが、量産性、組立精度の両方を満足する収差補正器の製造方法はまだ確立されていないのが現状である。
特許文献1には、極子と極子をつなぐヨークをワイヤー放電加工で一体形成した磁界型多極子が開示されている。また、当該特許文献1には、従来技術として、1)複数ピンによる極子位置決め固定法、2)高精度な円柱を使った極子位置決め固定法が開示されている。また、特許文献2には、極子の形に切り込みを設けかつ外縁部に未切断部分を残した円状部材を、当該未切断部分を残したまま極子固定用ベースにネジで固定し、その後、当該外縁部の未切断部分を切断して多極子を製造する方法が開示されている。
特開2004−234961号 特開2004−241190号 H.Rose, Optik 33 (1971) 1〜24ページ J.Zach and M.Haider, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A363 (1995) 316〜325ページ
収差補正器の製造工程においては、多極子を1段毎に高精度に製造することのみならず、複数の多極子を高精度に多段に組み立てることも要求される。上述した各特許文献には、多極子1段のみを高精度に加工する技術は開示されているものの、作製した多極子を段方向に高精度に組み立てるための技術は開示されていない。
例えば、特許文献1に開示される放電加工法は、多極子1段だけの製造を考えれば非常に高精度な製造が可能である。しかしながら、多極子の多段一括形成に放電加工法を適用した場合、段数が多く(即ち光軸方向に長尺に)なるにつれて、加工途中でワイヤーが光軸に対して斜めになる可能性が大きくなり、極子の凹凸を必要な加工精度(典型的には光軸に平行に±5ミクロン程度)を維持するのが困難である。±5ミクロン程度の加工精度が維持できない場合、不要な寄生収差が発生して収差補正器の性能が劣化する。
また、特許文献2に開示された方法では、極子を構成する円状部材を固定部材にネジで固定する際に材料に力がかかり極子先端部が歪むため、未切断部分の切断後に極子先端部の再加工が必要となる。再加工自体は、例えばワイヤー放電加工などにより実現できると考えられるが、放電加工液の洗浄などに多大な手間がかかる。また磁気焼鈍後の極子切断整形は、磁極の磁気特性に変化を与える恐れがあり、極子の形成する磁界に不要な非対称性をもたらす可能性がある。
更にまた、特許文献1、2に開示されるような多極子の一括形成方法では、万が一、加工不良などが発生した際の修正加工が面倒であるという問題がある。再加工により極子先端部の形状が変化した場合、その変化に併せて極子の間隔や位置を微調整する必要がある。しかしながら、多極子を一括形成する製造方法では、極子先端部の間隔や位置の微調整を極子毎に実行するのは不可能であり、修正加工が必要になった場合、結局、多極子の加工を最初からやり直さざるを得ない。
従って、本発明では
1)多段多極子において、多極子の機械軸および軸周りの位相を上下方向に高精度に合わせることができること。
2)従来よりも部品点数および調整箇所が少なく、組立作業が単純であり、量産に適すること。
以上のような特徴を持つ多段多極子をもちいた収差補正器および当該収差補正器を用いた荷電粒子線装置を実現することを課題とした。
多段多極子を用いた収差補正器において、多極子を構成する極子を積層し、収差補正器の組み立てを当該積層された極子単位で行うことにより、収差補正器を製造する。以降の説明では、そのような積層された極子を「極子組」と呼ぶことにする。本発明では、複数の極子組を所定の固定用部材に組み付けることにより、極子が荷電粒子線の光軸回りに配置された構成を実現する。極子組の製造に際しては、複数の極子を絶縁材料を介して上下方向に接合することにより一体化する。多段多極子を構成する多極子は、段方向に互いに絶縁されている必要があるためである。絶縁材料としては、アルミナやジルコニアなどのセラミック材料が好適である。上下の極子の接合方法としては、ロウ付け、接着、機械的接合、拡散圧着などの手法があるが、研削に耐えられる強度が得られ、真空中での使用に適しているなどの理由からロウ付けによる接合が適している。なお、磁界型多極子のみを使用するTEM、STEM用球面収差補正器では原理的には絶縁の必要はないが、接合強度を得る目的から、セラミック支柱を介したロウ付けを行うことが好ましい。極子同士をネジ止めする場合、支柱としてセラミックは使えないので金属を用いることになるが、異種金属のネジ止めではカジリによる金属異物発生、接着剤による接着では強度不足のほか真空中での接着剤からの脱ガスなどの問題が発生するためである。
本発明によれば、極子組を単位として多段多極子を組み立てるので、極子単位で多段多極子を組み立てる従来技術に比べて、組立に必要な部品点数および組立工程の回数が減少する。また、多極子全体を一体形成せずに極子組単位で多極子の組立を行っているので、面内方向の極子組の配置を自由に調整することができる。すなわち、極子を再加工した際の、極子先端部の位置調整や極子間間隔の微調整が非常に実行しやすいという利点がある。更に、研削により、多極子の段方向の間隔を非常に精度良く決めることができる。
本発明によれば、高い精度で簡単に多段多極子を組み立てられるので、量産に適した収差補正器およびその応用装置を提供することができる。
図1を用いて、本発明の最も基本的な構成と作用効果について説明する。多段多極子により構成された収差補正器の一例として、図1(A)に4段多極子の断面の模式図を示す。この4段多極子を本発明の極子組を用いて構成するとする。単純化のため、極子組の段数は2段であるとする。当該2段極子組を用いて図1(A)に示す4段多極子を構成した場合、最も単純な構成は、図1(B)に示すような2段の積層多極子11、12を1つの固定用部材13の両面に組み付けたような構成になる。比較のため、極子組を用いない従来の組立方法により4段多極子を構成した場合の断面の模式図を図1(C)に示す。ここで、図1(B)および図1(C)に示す4段多極子の組立工程における固定用部材13〜15への多極子の組み付け回数を考えると、図1(B)の場合は、組み付け回数は、固定用部材13の表面、裏面へ各1回ずつの計2回である。一方、図1(C)の場合には、固定用部材を13、14、15の3つ使用するため、多極子の組み付け回数は、各固定用部材の表面、裏面へ各2回ずつの計6回である。多極子を固定用部材に組み付ける際には、必ず極子間の位置調整を伴うため、図1(B)に示す構造の多段多極子の方が図1(C)に示す構造の多段多極子に比べて極子間の位置調整の回数が1/3回ですむ。
以上の通り、極子組という単位で多段多極子を構成することにより、多極子面内および段方向での極子の位置調整の回数を大幅に削減することができる。
図1(D)には、極子組を4段にした場合の、4段多極子の断面構造を示す模式図を示した。この場合、4段積層多極子16の固定用部材への組み付け回数は1回であり、従来技術である図1(C)に比べて固定用部材への組み付け回数が1/6回に減少し、図1(B)と比較しても1/2回に減少する。図1(E)には、4段多極子の中央の多極子2段のみを極子組として構成した場合の、4段多極子の断面模式図を示す。この場合は、組み付け回数4回と、図1(B)、図1(D)の構成よりは組み付け回数は増えるが、従来技術による構成よりは、組み付け回数を低減することができる。
以上述べたように、本発明の最も基本的な構成は、多段多極子を構成する際に、少なくともそのうちの2段を極子組を用いて構成する点にある。このような構成を取ることにより、固定用部材への組み付け回数が従来よりも低減され、複数段化が容易である。従って、極子の位置調整回数を従来よりも低減することができ、量産性に優れた多段多極子を実現することが可能となる。
(実施例1)
本実施例では、電極子と磁極子とを上下2段に接合した極子組をつくり、当該電磁極子組を用いて2段多極子を構成し、当該2段多極子を用いて収差補正器を構成した実施例について説明する。図2には、2段の12極子からなる極子組を用いて構成された2段多極子の構成例を示す。図2に示す構造の2段多極子は、図1(B)の極子組11または12を固定用部材13に固定した状態での多段多極子に相当する。
熱膨張率が比較的小さい非磁性金属(チタン材など)を所定の形に切り出して得られる極子1を、軟磁性金属(パーマロイなど)を所定の形に切り出して得られる極子3は、アルミナ支柱2を介して銀ロウによりロウ付けされており、1、2、3で一体の極子組4を形成している。アルミナ支柱は強度が十分あり、接合手法もロウ付けで接合強度が十分とれるため、多極子が重みで光軸に向かってたわむことがない。本実施例の場合、極子1が電極子、極子3が磁極子に相当し、極子組4をベースブロック5に固定することで、電磁界重畳型の2段多極子レンズを形成することができる。色球面収差補正器を構成するためには、図2に示す2段多極子の他、ベースブロック5の裏面にさらに2段の12極子を組み付ける必要がある。
極子組4を形成した後、極子組の側面および上面・下面に研磨加工を施し傾斜面101、傾斜面102の角度を揃える。上下の極子を極子組として一体仕上げ加工できるため、極子1、3間の垂直度や極子先端形状などを、ミクロン精度で仕上ることができる。また、極子組単位で仕上げ加工を実施するため、極子1つ1つ毎に仕上げ加工を実施していた従来の多極子製造方法に比べて、仕上げ加工の工程数が減少し、加工に要する総時間が短縮化される。
仕上げ加工後、12個の極子組をベースブロック5に固定することにより、極子組を荷電粒子線光軸0の周りに対称になるように配置する。ベースブロック5には極子3をガイドするよう12個の溝6が形成されており、このうち溝の片側の側壁を極子の角度の基準面7として、光軸に垂直方向の回転角度を正確に出して加工しておく。極子の位置決めは、この基準面7にそって極子組4をベースブロック中心に向かって押し付け、固定ネジ9で固定する。引出番号8は、固定ネジ9を回し込むためのネジ穴である。ベースブロック5の上面には偏心ネジ10が設けられる。偏心ネジ10により極子3は基準面7へ押し付けられ、同時に溝底面から浮き上がらないように押し付けられる。この作用により、円周方向へのガタが防止される。以上のように、ベースブロック上面または下面に溝加工を施し、押し付け基準面を設けることにより、従来よりも光軸回りへの極子の組み付けが簡単でかつ極子先端の配置精度も高い2段多極子を実現することができる。4段多極子を形成する場合には、ベースブロック5の裏面に上面と同じ溝加工をして、2段多極子を組み付ける。
4段以上の多段化は、複数のベースブロックを組み合わせるか、または極子組の上下方向の極数を3つ以上に増やしたものを組み合わせて実現できる。
複数の位置決めピンを用いた従来の極子の固定方法(例えば、特許文献1の従来技術欄に開示されているような方法)では、ミクロンオーダーの精度を出すために、電気マイクロメータや3次元計測器などで極子先端の位置を計測しながら、位置決めピンの偏心の微調整を繰り返す必要があった。従って、その組立には名人芸的な熟練技量が必要であり、到底、量産性のある製造手法とはなり得なかった。ベースブロック表面に固定溝と押し付け基準面を設ける本実施例の製造手法では、組立て精度は、極子の加工精度およびベースブロックの加工精度で決まり、組立て者が計測しながら調整すべき箇所がない。従って、多極子の組み立てが、ネジを正確に締めるだけで容易にでき、組立て再現性のよい多極子を構成できる。また、極子毎に位置決めピンや固定ネジが必要であった従来の多極子に比べて部品点数が少なく、多極子の組み立て工程自体も簡略化される。更に、ピン止め方式などに比べて極子にあける穴が少なくてすむので、極子を磁極子として使う場合に、磁極子内部での磁場の乱れが少なく、磁極子の断面積も多くとれるため磁気飽和しにくくなる。
寄生収差補正などの目的で、12極子で2、4、6、8極子場を形成したい場合がある。その場合には、12極子のうちの各多極子を構成するために必要な極子に対し、極子毎に独立な電源を接続することにより、任意の極子場を発生させる。例えば、本実施例の12極子の場合、2極子(偏向器)、4極子、6極子、8極子、12極子の各極子の形成場、およびその重畳場(電場または磁場)を形成することができる。特に、12極磁極子で2、4、6、8極子場を形成する場合、極子の形は12個同型の矢型にすると、開口径が小さく、強い多極子磁場を形成できる。しかし、矢型の斜面部分で隣の磁極との間隔が狭いと、磁場は中心に集中せず隣に抜けてしまう。6極場の場合、シミュレーションの結果からは、矢型の先端角度を15度にすると30度の約2倍の強さの6極場が発生することがわかった。矢型角度が鋭角過ぎても加工が難しくなるので実用上は12極磁極子の先端角度は15度から25度がよい。
次に、図2に示した多極子を用いた収差補正器の構成例について説明する。図3には、色収差および球面収差が補正可能な4段12極子収差補正器の構成例を示す。本収差補正器は、図2に示した2段12極子を、絶縁材のベースブロックを介して上下に対称に配置した構造になっている。1段目と4段目は電界型多極子であり、多極子を構成する電極子21は、チタン材により構成される。2段目と3段目は電磁界重畳型の多極子であり、多極子を構成する電磁極子22は、パーマロイにより構成される。電磁極子22の材料としては、パーマロイのほか純鉄、パーメンジュール等の軟磁性金属を用いることができる。ベースブロックの材料としてはアルミナ材を用いた。
ベースブロック5およびセラミック支柱2は、絶縁材であることを示すため、図3中に斜線で示した。ベースブロック5の内側にはチャージアップを防止するためにアースされた金属の帯23をはめ込み,ビームができるだけ直接絶縁材を見込まないようにカバーしておく。
電極子21への電圧印加は電圧導入端子29のリード線を極子端の穴に挿入し、止めネジで固定するあるいは押しバネで接触子を押し付けるなどして真空外の収差補正器電源343(図4参照)から電圧を印加する。電磁極子22は、軟磁性材のシャフト25を介して、真空外のコイル28につながり、収差補正器電源343(図4参照)からコイル28に電流を流すことにより、極子先端から磁場を発生する。同時に収差補正器電源343より電圧も印加して、電磁極子として働かせる。磁気回路を形成するためのヨーク26がシャフトの端に絶縁スリーブ27を介してつながる。
色収差補正は1、2、3、4段目に電界4極子場を励起し、同時に2、3段目に電界4極子と45°位相のずれた磁界4極子を励起することによりおこなう。
球面収差補正は1、2、3、4段目に電界8極子を励起することによりおこなう。実際の補正に際しては、各多極子は光軸に対しナノメートルオーダーで機械的に整列させることはできないので、各段に2極子場(偏向器として作用する)を励起し、重畳して各段の電界4極子の中心をビームが通るように電気的に調整する。また、各段に6極子を励起して3回非点収差および軸上コマ収差補正をおこなう。
本補正器では真空内でのコイル発熱によるドリフトを避けるため、コイル13を真空外におく構造にしている。そのため補正器筐体24は非磁性金属である必要があり、外磁場シールドのためパーマロイシールド25を設けて、補正器の上下で磁場シールドが途切れないようにする。図3ではパーマロイシールド25は1重であるが、シールドを2重、3重とすれば外乱磁場ノイズに対しさらに強くすることができる。
以上、ロウ付け極子組で多極子を構成した本実施例の収差補正器は、従来構造の多極子を用いて構成した収差補正器に比べて種々の利点があり、特に、量産に適した収差補正器が実現可能となる。また、磁場が効率的に先端部に集中するために収差補正器の特性自体も向上する。
なお説明の都合上、本実施例では、4段12極子の多段多極子の構成例について説明したが、6極子や8極子など、12極子以外の多極子に対しても本実施例の構成が適用可能であることは言うまでもない。また、多極子を4段よりも多く積層した多段多極子にも本実施例の構成が適用可能である。更にまた、電極子用途と磁極子用途で極子の材料を変えれば、電界型多極子、磁界型多極子、電磁界型多極子と、性質の異なる多極子を自在に構成することが可能である。
(実施例2)
本実施例では、荷電粒子線装置への適用例として、実施例1で示した収差補正器をField Emission−SEM(FE−SEM)に応用した例について説明する。
図4には、ロウ付け多段多極子を用いた収差補正器を備えたFE−SEMの構成例を示す。このSEMは電子線を試料上に照射ないし走査させるSEMカラム301、試料ステージが格納される試料室302、SEMカラム301や試料室302の各構成部品を制御するための制御ユニット303等により構成されている。ここではイオンポンプやターボ分子ポンプと真空配管,真空系制御機構についての図示、説明は省略している。制御ユニット303には、更に、所定の情報を格納するためのデータストレージ376や取得画像を表示するモニタ377、装置と装置ユーザとのマン・マシンインタフェースとなる操作卓378が接続されている。操作卓378は、例えば、キーボードやマウスなどの情報入力手段により構成される。
初めに、SEMカラム301内部の構成要素について説明する。電界放出電子源31はタングステンの単結晶先端を電界研磨して尖らせた電子源で、フラッシング電源32により通電加熱して表面を清浄にした後、10−8Pa台の超高真空中にて引き出し電極34との間に+5kV程度の電圧を引き出し電源33で印加することにより、電界放出電子を放出させる。引き出し電極34と第2陽極35との間で形成される静電レンズにより加速、収束された電子は、光軸0に沿って後段の構成要素へ入射する。第1コンデンサーレンズ320で収束され、可動絞り321にてビーム量を制限され、第2コンデンサーレンズ322および2段偏向器323を通り、収差補正器20に入射する。2段偏向器323は、電界放出電子銃310および,コンデンサーレンズ320、322の軸と収差補正器20の軸が一致するように調節される。収差補正器20を出たビームは、2段偏向器334により調整レンズ324、対物レンズ331の光軸に一致するよう調整される。
次に、収差補正器の動作について説明する。本実施例の収差補正器20は、4極―8極子系収差補正器であり、色収差と球面収差が補正可能である。収差補正器20の各段で4極子、8極子を形成するが、これに12極の電極(磁極を兼ねてもよい)を用いると、4極子、8極子のほか、2極子、6極子、12極子も重畳して形成可能である。電極、磁極の組み立て誤差、磁極材料の不均一性により生じる寄生収差たとえば軸上コマ収差、3回非点収差,4回非点収差などを補正するためにこれらの多極場を使用する。
収差補正器20により主に対物レンズ331の色収差、球面収差を相殺するに相当する離軸に応じた角度を調整された電子ビームは、調整レンズ324により一度ExB偏向器327近辺に集束される。ExB偏向器近傍にクロスオーバを形成するのは、ExB偏向器327の収差の影響を小さくするためである。また、調整レンズ324により、色収差、球面収差補正後の4次の色球面組み合わせ収差や5次球面収差の増大も抑制される。よって、収差補正で高分解能像を得るためには、調整レンズ324が必要である。その後、電子ビームは、対物レンズ331にて試料332上に集束され、走査偏向器329にて試料上を走査される。引出番号328は対物アライナである。
試料室302内部には、試料332を載置する試料載置面を備えた試料ステージ333が格納されている。電子線照射により発生する2次荷電粒子(この場合は2次電子または反射電子)は、対物レンズ331を抜けて、反射板325に当たり副次粒子を発生させる。発生した電子は、2次電子検出器326で検出される。ExB偏向器327は、試料から発生する2次電子の軌道を曲げて2次電子検出器326に直接みちびき、あるいは試料から発生する2次電子が反射板325に当たる位置を調整し検出効率を向上させる。検出された2次電子信号は、走査と同期した輝度信号として制御コンピュータ30に取り込まれる。制御コンピュータ30は、取り込んだ輝度信号情報に対して適当な処理を行い、モニタ377上にSEM画像として表示される。検出器はここでは1つしか図示していないが、反射電子や2次電子のエネルギーや角度分布を選別して画像取得できるように、複数配置することもできる。中心に穴のあいた同軸円板状の2次電子検出器を光軸0上に配置すれば反射板325は必ずしも必要ではない。
制御ユニット303は、フラッシング電源32,引き出し電源33、加速電源36、第1コンデンサーレンズ電源340、第2コンデンサーレンズ電源341、調整レンズ電源351、偏向器電源342、収差補正器電源343、走査コイル電源344、対物レンズ電源345、リターディング電源346、非点補正コイル電源347、対物アライナー電源348、ExB偏向器電源349、2次電子検出器電源350等により構成され、それぞれSEMカラム内の対応する構成要素と、信号伝送路や電気配線等で接続されている。
本発明によれば、従来よりも収差補正器の組立てが簡単で精度が出るため、これを使用したSEMでは、性能において機差が少なくなり、調整が容易になり量産において生産性が上がる。収差補正器自体においては組立て精度が上がることにより、寄生収差の量が減り性能が向上する。磁極先端角度を制限したことにより隣の極子に側面からもれる磁場が減り、極子先端に磁場が集中する。そのため各種多極子場の発生効率が向上するので電流源の容量も少なくてすみ、寄生収差の発生も抑えられることにより補正性能が向上する。
なお、本実施例では、初段目と4段目が電界型多極子で、2段目と3段目が電磁界重畳型多極子である4段12極子の収差補正器を備えた走査電子顕微鏡の構成例について説明したが、初段目と4段目を磁界型多極子で構成しても良い。この場合、磁界型多極子、電磁界重畳型多極子に励磁電流を供給するための電源を共通にできるため、ノイズ源となりやすい電圧源の数を図2に示した構成の収差補正器よりも減らせるという利点がある。
(実施例3)
図5には、ロウ付け多段多極子を用いた収差補正器を備えた測長SEM(CD−SEM)の構成例を示す。図5に示した構成は、図4の構成と共通する部分が多いので、構造の異なる部分のみ説明する。本実施例ではショットキー電子銃40を使用する。ショットキー電子源41はタングステンの単結晶に、酸素とジルコニウムなどを拡散させショットキー効果を利用する電子源で、その近傍にサプレッサー電極42、引き出し電極34が設けられる。ショットキー電子源41を加熱し、引き出し電極34との間に+2kV程度の電圧を印加することにより、ショットキー電子を放出させる。サプレッサー電極42には負電圧が印加されショットキー電子源41の先端以外からの電子放出を抑制する。電界放出電子銃にくらべ,エネルギー幅や光源径は大きくなるが,プローブ電流が多くとれ,フラッシングの必要がなく連続運転に適している。
本実施例のCD−SEMでは半導体ウェハー上のレジストパターンなどを計測するので、試料ダメージの観点から、通常はランディングエネルギーを1keV以下に抑えて使用する。CD−SEMではワーキングディスタンスが一定であり、ランディングエネルギーの異なる2、3の観察モードに対応した収差補正器の動作条件やリターディング電圧値等がデータストレージ376に格納されており,オペレータの選択により制御コンピュータ30が選択された動作条件を呼び出して、各電源を条件設定して観察モードを実行する。試料室302にはウェハーを搬入するための試料準備室401が設けられ、ゲートバルブ403を通ってウェハー試料が試料搬送機構402で試料ステージ333にセットされる。あらかじめ入力された計測箇所について制御コンピュータ30は試料ステージ制御機構404を制御してステージ移動をおこない、対物レンズ331でフォーカスをあわせ、非点補正コイル330で非点収差を補正し、走査偏向器329、2次電子検出器326などを制御して、測長、データ記録、画像取得、データ格納などの動作を自動で行う。
(実施例4)
図1で説明した多段多極子を用いて集束イオンビーム装置(FIB装置)を構成することも可能である。FIB装置用の荷電粒子光学カラムの構成要素は、電子銃の替わりにイオン銃を備えており、コンデンサーレンズ、対物レンズが静電レンズで構成されており、偏向子も電界型である点を除けば、ほぼ電子ビーム用の光学カラムの構成要素と同じである。FIB装置用の荷電粒子光学カラムには、イオンビーム照射により発生する2次電子を検出するための2次電子検出器が設けられる場合もある。但し、FIB用収差補正器に使用する多極子は、イオンの質量が大きく磁場では軌道を曲げにくいこと、質量の異なる同位体がビーム中に含まれるので、磁極子では質量の違いにより軌道が分離してしまうことがあり、全て電極子を使用する必要がある。従って、FIB装置用の収差補正器は、図2に示す極子12、3、4が非磁性金属により構成され、極子の後部には、図3に示す軟磁性材のシャフト25およびヨーク26の替わりに電圧導入端子29が接続された構成を備えており、球面収差のみ補正する。球面収差が補正されるのでビームのフレアが少なくなり高速高精度な加工ができる。本実施例の集束イオンビーム装置により、高精度な加工もしくは像観察が可能な集束イオンビーム装置が実現される。
(実施例5)
図1で説明した多段多極子を用いて走査透過電子顕微鏡(STEM)を構成した例を図7に示す。STEM用の荷電粒子光学カラムは、電子ビームを発生し所定の加速電圧で放出する電子銃310、試料上に電子ビームを走査する走査偏向器329、電子ビームを試料上に収束して照射するための対物レンズ331、試料を透過した電子線を検出するためのアニュラー検出器355、軸上検出器357などにより構成される。透過電子を検出する必要があるためSTEM用の試料は薄片化されている必要があり、メッシュなどに固定された状態で、サイドエントリ試料ホールダなどにより電子線の光軸上に配置される。
高加速電圧のSTEMでは色収差より球面収差で分解能が主に制限されており、球面収差のみを補正する場合には電磁重畳極子を使う必要がなく、すべて磁界型多極子を使用する。STEM用球面収差補正器は、例えば、電子銃と対物レンズの間に配置される。本実施例の収差補正器20は、全て磁界型多極子を用いた4段12極子の多極子により構成した。4極子と8極子を重畳せず独立にした場合は最低7段で構成できる。本構成の収差補正器は、電界型多極子では数Hzの低周波からGHzの高周波までのノイズがビームに影響するが、磁界型多極子ではコイルがそのような速い電気ノイズに対し応答しないため、電源ノイズの影響が電界型多極子にくらべ少ないという利点がある。
(実施例6)
本実施例では、図1(D)に示した構成の4段多極子の実施例について説明する。図6に、4段の極子組を用いた4段電磁重畳型12極子の構成を示す。図6に示す多極子の構成は、図2に示す多極子との共通部分が多いため、共通部分の説明はできる限り省略する。
まず、チタン材のブロックを研削加工して、電極子61〜63を作製する。電極子61〜63の後面には、電圧導入用の穴69を開ける。同様に、パーマロイブロックを研削加工して、電磁極子64を作製する。電磁極子64の後面には、磁気回路を構成するための軟磁性シャフトを嵌合するための穴70を開けておく。これらの極子61〜64を、それぞれアルミナなどのセラミック支柱に接合する。接合は、実施例1同様、銀ロウを用いたロウ付けにより行う。
ロウ付け終了後、4段の極子片を研磨加工し、側面出しを行う。仕上げ加工の終了した極子組を、実施例1と同じ要領でベースブロック71に組み付けて、4段12極子が完成する。図6に示した多極子は既に4段の多極子を備えているため、他に多極子を付加することなく色収差・球面収差補正用の収差補正器として動作可能である。
本実施例の4段極子組を用いた12極子は、実施例1と比較して、ベースブロックへの組み付け回数が少ない。また、極子組の仕上げ加工回数も少なくてすむため、収差補正器の組み立て工程が、実施例1の収差補正器の構造に比べてより簡略化される。また、本実施例の4段極子組は、8段や10段、あるいは19段といった極端に段数の多い多段多極子を構成する際に特に有利である。例えば、ベースブロックの裏面に溝加工をして4段極子組をとりつければ8段多極子の修正補正器を構成可能であり、8段多極子にベースブロックを取り付けて2段多極子を組み付ければ10段多極子を実現可能である。更に、4段多極子を4段積層し、その上に3段極子組からなる3段多極子を積層すれば19段多極子が実現できる。
なお、極子組の段数については、あまり多段にすると十分な接合強度が得られない場合があるため、十分な接合強度が得られる範囲内でできるだけ段数を多くする。得られた最大段数の多極子をベースブロックを介して整数倍積層し、足りない段数分だけ多極子を積層することにより任意の段数の多段多極子を作製する。
本発明は、収差補正器、電子エネルギー損失分光器およびそれらを装備している走査型電子顕微鏡、半導体検査装置、走査透過型電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、集束イオンビーム装置などへ利用可能である。
本発明の極子組の概念を示す模式図。 本発明を応用した2段12極子概略図。 本発明を応用した4段色球面収差補正器概略構成図。 本発明を応用したFE−SEMの概略構成図。 本発明を応用した測長−SEMの概略構成図。 4段極子組を用いた収差補正器の構成図。 本発明を応用したSTEMの概略構成図。
符号の説明
0…光軸、1…極子、2…セラミック支柱、3…極子、4…極子組、5…ベースブロック、6…溝、7…基準面、8…ネジ穴、9…固定ネジ、10…偏心ネジ、11、12…2段極子組、12…シャフト、13…ベースブロック、14…ベースブロック、15…ベースブロック、16…4段極子組、17…2段極子組、101…極子傾斜面、102…極子傾斜面、20…収差補正器、21…チタン電極、22…パーマロイ電磁極、23…金属帯、24…補正器筐体、25…パーマロイシールド、26…ヨーク、27…絶縁スリーブ、28…コイル、29…電圧導入端子、30…制御コンピュータ、31…電界放出電子源、32…フラッシング電源、33…引き出し電源、34…引き出し電極、35…第2陽極、36…加速電源、61,62,63,64…極子、65,66,67…セラミック支柱、69…電流導入端子用穴、70…固定ネジ用ネジ穴、71…ベースブロック、301…SEMカラム、302…試料室、303…制御ユニット、310…電界放出電子銃、320…第1コンデンサーレンズ、321…可動絞り、322…第2コンデンサーレンズ、323…2段偏向器、324…調整レンズ、325…反射板、326…2次電子検出器、327…ExB偏向器、328…対物アライナー、329…走査偏向器、330…非点補正コイル、331…対物レンズ、332…試料、333…試料ステージ、334…2段偏向器、335…偏向器電源、336…サイドエントリ試料ホールダ340…第1コンデンサーレンズ電源、341…第2コンデンサーレンズ電源、342…偏向器電源、343…収差補正器電源、344…走査コイル電源、345…対物レンズ電源、346…リターディング電源、347…非点補正コイル電源、348…対物アライナー電源、349…ExB偏向器電源、350…2次電子検出器電源、351…調整レンズ電源、352…真空容器、353…投射レンズ、354…投射レンズ電源、355…アニュラー検出器、356…アニュラー検出器電源、357…軸上検出器、358…軸上検出器電源、376…データストレージ、377…モニタ、378…操作卓、40…ショットキー電子銃、41…ショットキー電子源、42…サプレッサー電極、44…第一陽極、401…試料準備室、402…試料搬送機構、403…ゲートバルブ、404…試料ステージ制御機構。

Claims (14)

  1. 金属材を用いて構成された第1の極子および第2の極子を、セラミック材を挟んで上下方向にロウ付け一体化した極子組部材と、
    中心部に荷電粒子線が通過し得る開口部を有し、前記複数の極子組部材を固定するためのベースブロックとを備え、
    前記極子組部材を前記開口部の周囲に複数個固定することにより構成された多段多極子を用いたことを特徴とする収差補正器。
  2. 請求項1に記載の収差補正器において、
    前記多段多極子は、前記第1の極子として非磁性金属により構成された電極子を用い、かつ前記第2の極子として軟磁性金属により構成された磁極子を用いることにより構成される電磁界重畳型多極子であることを特徴とする収差補正器。
  3. 請求項1に記載の収差補正器において、
    前記多段多極子は、前記第1の極子および前記第2の極子として非磁性金属により構成された電極子を用いることにより構成される電界型多極子であることを特徴とする収差補正器。
  4. 請求項1に記載の収差補正器において、
    前記多段多極子は、前記第1の極子および前記第2の極子として軟磁性金属により構成された磁極子を用いることにより構成される磁界型多極子であることを特徴とする収差補正器。
  5. 請求項2または3に記載の収差補正器において、
    前記非磁性金属はチタン材からなることを特徴とする収差補正器。
  6. 請求項2または4に記載の収差補正器において、
    前記軟磁性金属は、パーマロイ、純鉄、パーメンジュールのうちいずれかであることを特徴とする収差補正器。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の収差補正器において、
    前記ベースブロックの表面に、前記極子組部材が嵌合する溝が形成され、当該溝の一方の側壁が前記極子組部材を位置合わせするための基準面をなすことを特徴とする収差補正器。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の収差補正器において、
    前記第1の極子および前記第2の極子の先端形状がくさび形状をなし、当該くさび形状先端部の角度が15度から25度であることを特徴とする収差補正器
  9. 試料を載置する試料台と、
    当該試料に1次荷電粒子線を照射し、当該照射により発生する2次荷電粒子を検出して信号出力する機能を備えた荷電粒子光学系とを有する荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子光学系は、前記荷電粒子線を偏向ないし収束するためのレンズ手段と、
    当該レンズ手段により発生する収差を補正するための収差補正器とを備え、
    当該収差補正器は、
    金属材を用いて構成された第1の極子および第2の極子を、セラミック材を挟んで上下方向にロウ付け一体化せしめた極子組部材と、
    中心部に荷電粒子線が通過し得る開口部を有し、前記複数の極子組部材を固定するためのベースブロックとを備え、
    前記極子組部材を前記開口部の周囲に複数個固定することにより構成された多段多極子を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項9に記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子光学系は、電子線を発生する電子銃と、前記荷電粒子線を前記試料上に走査する走査偏向器とを備え、
    前記収差補正器は、前記極子組部材が前記ベースブロックの両面に複数固定されることにより形成された4段多極子を備え、
    当該4段多極子のうち、前記ベースブロックに近い側の多極子が電磁界重畳型多極子であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    前記4段多極子を構成する複数の多極子のうち、前記電磁界重畳型多極子以外の多極子が全て磁界型多極子であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項9に記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子光学系は、イオンビームを発生するイオン銃を備え、
    前記収差補正器は、前記第1の極子および第2の極子が全て非磁性材により構成された電界型多極子のみにより構成されたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項9に記載の荷電粒子線装置において、
    前記収差補正器は、前記多段多極子が更に複数個積層された構造を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 試料を載置する試料台と、
    当該試料に電子線を照射し、当該照射により発生する2次電子または反射電子を検出して信号出力する機能を備えた電子光学カラムとを有する走査電子顕微鏡において、
    前記電子光学カラムは、前記電子線を偏向ないし収束するためのレンズ手段と、
    当該レンズ手段により発生する収差を補正するための収差補正器とを備え、
    当該収差補正器は、
    金属材を用いて構成された第1の極子および第2の極子を、セラミック材を挟んで上下方向にロウ付け一体化せしめた極子組部材と、
    中心部に電子線が通過し得る開口部を有し、前記複数の極子組部材を固定するためのベースブロックとを備え、
    前記極子組部材を前記開口部の周囲に複数個固定することにより構成された多段多極子を備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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