JP4988216B2 - 収差補正装置を搭載した荷電粒子線装置 - Google Patents

収差補正装置を搭載した荷電粒子線装置 Download PDF

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Description

本発明は電子線装置のビームスポットを最小化する技術に関するもので、特に走査形電子顕微鏡(SEM)、測長SEM(CD−SEM)、電子線描画装置等に関する。
半導体デバイスのパターン寸法を高精度で計測する測長SEMなどの装置では、近年のデバイスパターンの微細化により、3〜1nm程度の分解能を、試料を破壊しないよう加速電圧1kV以下の電子ビームで達成することが必要になっている。このためには試料面上における電子ビームの径(スポットサイズ)をに所望の分解能以下の大きさに小さくする必要がある。
これを実現する方法として、収差補正器による収差低減の方法が注目されている。SEMや透過型電子顕微鏡(TEM)などの電子顕微鏡をはじめとする荷電粒子光学装置においては、荷電粒子線を集束するため電場もしくは磁場を用いたレンズが必ず使用される。電場もしくは磁場レンズとして一般に用いられる回転対称なレンズでは、色収差や球面収差などの開口収差が不可避的に発生する。従って、レンズの分解能を大きくして荷電粒子線のスポット径を小さく絞っても、荷電粒子線の収差が大きくては良好な画質の画像は得られない。従って、現状では荷電粒子線の実質的な分解能限界は、収差により定まっている。
荷電粒子線の収差を除去する手段として収差補正器がある。収差補正器は、通常、多段に対置された複数の多極子レンズにより構成され、多極子レンズ内に電場ないし磁場を発生することにより、内部を通過する荷電粒子線に含まれる収差を除去する。
非特許文献1には、4段の12極子レンズを用いたシステムによるSEM用収差補正装置が開示されている。また、特許文献1には、収差補正器を同じくSEM用の光学系に用いた構成が開示されている。特許文献1に記載の収差補正器においては、8極子レンズ、10極子レンズないし12極子レンズを多段配置した構成の収差補正器が使用されている。上記の非特許文献1および特許文献1には、1段目と4段目に静電型多極子レンズを、中央の2段目と3段目に静電・静磁複合型多極子レンズを用いた構成の収差補正器が記載されている。これらの文献においては、以下の手法により収差の除去された電子線を得ている。
(1)1段目の静電型多極子レンズにより、入射電子線を所定の基準軌道(xとy軌道)に分離する。
(2)2段目と3段目の複合型多極子レンズによりx軌道、y軌道に分離された電子線の収差を各々除去する。
(3)4段目の静電型多極子レンズにより、x軌道、y軌道に分離された電子線を一つに合成する。
非特許文献1に代表されるこれらの収差補正器では主に静電型多極子レンズを用いて軌道形成,収差補正が行われており静磁型レンズは補助的に使われている。これは静磁型にくらべて静電型では,多極子場の軸や強度について調整を行なうと設定値を変え再びもとに戻した場合でも,同じ条件で像を結ぶなどの再現性が高く制御が容易であるからである。
特開2004−265864号公報
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research, A363 (1995),第316〜325頁
収差補正器を動作させるためには、多極子レンズを構成する複数の極子またはコイルに電圧または電流を印加する必要がある。従来、収差補正器を動作させるための駆動電源は、複数の極子各々に対して設けられるのが常識であった。即ち、従来、収差補正器を動作させるための駆動電源は、極子の数に応じて必要であった。一方、収差補正器用の電源(電圧源ないし電流源)は、安定度が非常に高いことが要求される。SEMや反射電子顕微鏡で使用される荷電粒子線の加速電圧は、現状、数10kVから100kVと、かなり大きい。このような高エネルギーの荷電粒子線の収差を除去し得る程度の電磁場を、要求される安定度で供給でき得る電源は、現状では非常に高価である。よって、極子の数に応じて駆動電源数を設けた場合、SEMや反射電子顕微鏡を実用的な価格内では製造することが不可能となる。従って、収差補正の性能を落とすことなく、電源数を低減できる技術が求められていた。
特許文献1の図7(b)には、電源と極子の間に、電流供給用のアンプを複数設け、極子に対して電流源ではなくアンプから電流を供給することにより、電流源の数を低減する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1の図7(b)の構造の場合、今度はアンプの安定度が問題となる。大電流を安定度よく供給できるアンプは、非常に高価であるから、特許文献1の図7(b)に開示された構造では、結局、問題は解決できないことになる。
また、軌道分離用の多極子レンズとして静電型レンズを用いた場合、収差補正器がノイズに弱くなるという実験事実も判明した。
本発明は、収差補正の性能を落とすことなく、収差補正器を用いた荷電粒子線装置を安価に提供できうる技術を提供することを目的とする。
従来、静磁場型の多極子レンズは、発生する磁場のヒステリシスの問題から、軌道分離および合成のために使用するレンズとしては不適と考えられていた。一方、SEMや反射電子顕微鏡においては、1次電子の侵入深さと二次電子の発生領域との関係上、実用上使用される加速電圧は約1kVから100kV程度である。本発明の発明者は、検討の結果、1kV〜100kV程度の範囲内であれば、軌道分離・合成用の多極子レンズとして静磁場型レンズを使用しても問題無いという実験事実を見いだした。
そこで、本発明の荷電粒子線装置においては、多段構成の多極子レンズを備えた収差補正器において、分離軌道の形成に用いる第1段目の多極子レンズと、分離軌道の合成に用いる最終段目の多極子レンズに静磁型多極子レンズを使用する。これにより、かつ多極子の各々に備えられたコイル間に共通電流を流すことにより、電流源の数を低減する。
静電型多極子で複数の多極子場の重畳を行う場合、多極子レンズに対して供給すべき電圧は複数の多極子電圧の和である。しかしながら、個々の極子に印加する電圧値は、12極子全てそれぞれ異なっている。従って、極子へ印加する電圧値は、極子毎に別の電源を設けるかアンプを用いて加算減算反転などの方法により、設定する必要がある。
これに対し、静磁型多極子で複数の多極子場の重畳を行う場合,極子に巻くコイルを発生する場の種類に応じて分けるだけでよい。通常、コイルは絶縁されており、複数の極子に配置したコイル間で励磁電流が混ざりあうことも無い。従って、静磁気型多極子レンズの場合は、電圧印加の場合と異なり、必要な電流源は、発生する多極子場の数ないし種類に応じた数(又はアンプによる分配)だけで済む。なお、多極子レンズの個々の極子に違うコイルを配置する場合(極子1つに対して用途の違うコイルを配置する場合)には、静電型と同数の電源が必要となる。
極子に巻くコイルは、多極子レンズ内に重畳させる磁場の数(例えば、2極子場、4極子場など)に応じて種類を増やすことができる。この場合、電流源の安定度の問題から、異なる種類のコイルに流す電流は、各々異なる電流源から供給することが好ましい。
初段目と最終段目の多極子レンズに挟まれた領域には、x軌道とy軌道の収差を除去するための静電・静磁複合型多極子レンズを配置する。この領域に配置する複合型レンズにも、発生する磁場の種類に応じた共通電流源を接続することにより、電流源の数を低減する。この際に、電場を発生させるために極子に印加する電圧の電圧源も共通化することができる。
これにより、各段の多極子レンズにおいて、静磁型レンズの場合は接続電源を電流源1つに、複合型多極子レンズの場合は接続電源を電流源と電圧源2つに、原理的には低減することが可能となる。電流源と電圧源は、電流源・電圧源を両方備えた複合型電源から供給することにより、実効的に電源数を低減することも可能である。
本発明によれば、荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射させる荷電粒子光学装置において、色収差と球面収差を補正しビームスポットの最小化を行う。
収差補正装置の静磁型多極子場は2、4、6、8極子場それぞれに専用の電源で駆動するため、高安定で操作性を向上させることができる。
以下図をもって、実施の形態を説明する。
図1には、色収差を補正可能な走査電子顕微鏡(SEM)についての実施例を示す。図1には、SEMの電子光学系の主要要素を含めて表している。電子源1から射出された電子線は、集束レンズ6と7でビーム電流量を調整した後、対物レンズ17に対し適切な位置にクロスオーバーを結ぶ。これをさらに対物レンズ17で試料表面18に縮小投影しビームプローブとする。ビームプローブを偏向コイル15、16によって試料表面で走査することで、電子線照射によって発生する二次電子量を、試料表面各々位置毎に配列し画像化して所謂“走査電子顕微鏡像(SEM像)”を得ることができる。二次電子検出器と試料を保持する試料ステージ、またビーム開き角度を制限するための絞り装置など本発明の説明に主要ではない装置を図1では省略した。
上述の光学系において収差補正装置10は、主に対物レンズ17の収差を補償すべく、下段収束レンズ7と対物レンズ17の間に設置される。本実施例の収差補正装置10は多段多極子レンズを基本構造とし、少なくとも第1と第4は静磁場、第2と第3は電磁複合で4極子場が発生可能な4段多極子レンズである。図1の構成では、第1〜第4の4段の多極子レンズ11、12、13、14がある。原理的には、4極子場を発生させるためには4つの極子があれば十分であるが、極子の配置関係を変えて極子の数を増やすことにより複数の電磁場を重畳することも可能である。
収差補正装置10を含む上記核装置は、筐体19によって支持される。また筐体19は真空気密も同時に保持するもので、装置に付加される真空排気装置によって電子線行路を真空に保つ。原理的に電子源1ならびに試料18はこの真空内に配置され、また収差補正器10の多極子レンズ11、12、13、14の電極子先端は真空内に露出するものでなければならない。多極子レンズ11、12、13、14を機能させるために電源26が用意される。電源26は当該多極子レンズが形成する多極子場の数に応じて複数の電源から成る。例えば1つの12極子レンズで4極子場をつくるには1台の電流源が必要であり、8極子場をつくるにはさらにもう1台の電流源が必要となる。
さらに球面収差や寄生収差、高次収差を補正するため2、6、8極子場を重畳しようとすれば、重畳される多極子場の数と等しい数の電流源が必要となる。なお、2、6極子場についてはそれぞれ直交する2成分があり、直行する2成分は別々の多極子場として計算される。電源26は筐体19の外部に配置され筐体内部の極子と上記多極子場対称性に基づく関係によって各電極子と接続される。さらに本実施例でそれぞれ電圧源/電流源は制御器30を介して、パーソナルコンピュータ等の計算機34を用いて制御される。荷電粒子線装置の操作者が計算機34に付属するキーボード等入力装置から必要に応じて光学設定条件を入力すると、計算機34は前述の基準軌道設定条件と収差補正条件からこれらを満たす各電極子の電位、と磁極子の励磁を計算し、制御器30を介して電源26ならびに所定の電流、電圧を発生させる。これら制御過程は計算機34によってモニタされ付属のCRT等表示装置に表示されるので、操作者はこれをみて装置の状態を確認できる。
図1の構成の装置では、SEM本来の光学要素である電子源1、集束レンズ6、7、対物レンズ17はそれぞれを駆動する為の電源装置20、23、24、28が接続され、各々電源は制御器30によって制御される。
図2に、本実施例のの静磁型多極子レンズの構成図を示す。図2に示される静磁型多極子レンズは、図1の多極子レンズ11および14に相当する。図2の多極子レンズは環状に配置された複数の極子39〜極子50により構成される。色収差を補正するためには4極子場を発生する必要があるが、4極子場を発生するためには、原理的には4つの極子があれば良い。例えば、図2の極子39,42,45および48のように4回回転対称な位置に配置された極子があれば、4極子場は発生可能である。しかしながら、極子配置の機械的な誤差などの理由により、発生する場には何らかの補正磁場を印加する必要がある。そこで、図2に示す静磁型レンズでは、極子40,41,43,44,46,47,49,50、即ち12回回転対称な位置に配置された極子を用いて、補正磁場を印加している。なお、以下の説明において「多極子場」とは、多極子レンズにより発生する電場または磁場あるいは電磁場を意味し、特に断らない限り、静磁場型レンズの説明に現れる「多極子場」とは多極子磁場を意味し、複合型レンズの説明に現れる「多極子場」とは多極子による電磁場を意味するものとする。
極子39〜極子50はパーマロイや鉄などの磁性材料から形成され、極子を励磁するためにコイル51〜コイル62が配置されている。図2では省略したが、極子39は、コイルの励磁電流を供給するための電流導入端子を備えている。また、極子39〜極子50間には備えられるコイルは電気配線を備えており、これにより電流導入端子から供給される電流を各コイルに共通電流として流すことができる。なお、本実施例においては、極子39に電流導入端子が設けられているとしたが、原理的には極子39〜極子50のどの極子が電流導入端子を備えていても良い。また、図2では図示されてはいないが、極子の外周には磁路を連結するためのパーマロイや鉄などの磁性材料からなるリングが配置されている。図2中の点線19は、図1の筐体19を意味し、図2では図示されていないフィードスルーにより、極子の先端部が筐体19内に挿入される。従って、極子39〜極子50に関しては、電場ないし磁場を発生する部位のみが、筐体19内部の真空領域内に配置されていることになる。コイルが真空領域外に配置された本実施例の収差補正器の構造は、コイルが真空領域内に配置された構造の収差補正器に比べてメンテナンスが楽であり、かつ励磁電流によるコイルの発熱を冷却する上でも有利である。
図3には、図2に示す多極子レンズを構成する極子一つの断面図を示す。極子の先端部は磁極63を構成し、筐体19内部の真空領域内に配置される。極子の根本には励磁により発生する磁束の磁路となる磁路リング65が配置される。磁極63の構成部と磁路リングに挟まれた領域には励磁用コイル64が巻かれており、重畳させる場の数または種類に応じて複数のコイルが配置される。コイル64の構成材料は導線であり、極子本体とは保持部材66により絶縁されている。コイル64は、隣接する極子に配置されたコイルと電気配線により接続される。このような電気配線は全極子39〜50間に設けられており、最終的に、極子39に備えられた電流導入端子に接続される。これにより、電流源(ないし電源)から供給される電流を各コイルに共通に供給することが可能となる。
次に、静磁型・静電型の複合型多極子レンズの構成について説明する。図4には、図1の収差補正器10の2段目、3段目を構成する複合型多極子レンズの断面図を示す。極子の配置や多極子レンズの全体構造は、図2に示した静磁型多極子レンズと大凡同じであるため説明を省略する。。
図5には、図4に示す複合型多極子レンズを構成する極子の縦方向の断面図を示す。極子の構成も、静磁場型多極子レンズ用のそれとほぼ同じであるが、電圧導入端子を備えている点で相違する。以下、図5に沿って説明すると、極子の先端部63が磁極を構成し、筐体19内部の真空領域内に配置される点、磁路リング65が配置される点、励磁用コイル64が巻かれる点、重畳させる場の数または種類に応じて複数のコイルが配置される点は、図3で説明した極子の構造と同じである。一方、複合型多極子レンズ用の極子63は、電圧導入端子67を備える。磁場の他に電場を発生する必要があるためである。電圧導入端子には電圧源が接続され、電圧源により供給される電圧により極子の先端部63から電場が放出される。従って、図5に示す極子の先端部63は、電界放出部および磁極を兼ねることになる。よって、本実施例の複合型多極子レンズにおいては、電界放出部および磁極が真空領域内に配置されている。電圧導入端子67および極子63は、絶縁材68によって磁路リング65からは絶縁され、更にコイルの保持部材66により、コイル66を流れる電流からも絶縁されている。
なお、4極子場を発生するために図5に示す多極子レンズの各極子に印加される電圧は以下の通りである。極子40の電圧をz[V]とおいたとき極子40、極子41、極子46、極子47は電圧z[V]、極子39、極子42、極子45、極子48は0[V]、極子43、極子44、極子49、極子50は電圧-z[V]となる。
以上、本実施例により、色収差が除去可能な走査電子顕微鏡を従来よりも少ない電源数で実現することができる。なお、色収差を除去することにより、従来よりもビームスポット径を10%程度小さくすることが可能となる。また、以上の構成は、走査電子顕微鏡だけではなく、反射電子顕微鏡や露光装置においても適用可能である。
実施例1においては、色収差を補正可能な走査電子顕微鏡について説明したが、電子光学系で発生する荷電粒子線には、色収差の他に球面収差も含まれており、ビーム径をより集束するためには、球面収差も除去する必要がある。
また、荷電粒子線において支配的となる収差の種類は、加速電圧によって異なる。SEMや反射電子顕微鏡において、実用的に使用される加速電圧は約1kVから100kV程度であるが、便宜的に、加速電圧が数100V〜10kV程度の範囲は低加速領域、加速電圧が10kV〜100kV程度の範囲は高加速領域と称されている。ここで、低加速領域においては、荷電粒子線には色収差と球面収差の両方がほぼ同じ割合で含まれる。一方、高加速領域では、加速電圧が大きくなるに伴い色収差の寄与が減少し、球面収差が支配的となる。現状、収差補正器の調整には非常に手間がかかり、色収差と球面収差では調整方法も異なる。従って、除去できる収差の種類を低加速領域と高加速領域とで切り替えることができると、収差補正器の調整上、有利である。
図6は、本実施例の走査荷電粒子線装置の構造を示す概要図である。図6に示す走査荷電粒子線装置は、色収差と球面収差の両方を除去する機能を備えており、更に回路パターンの測長機能や検査機能を備えている。図6に示した走査荷電粒子線装置は、大まかに、電子光学系、試料室、試料交換室71,電源ユニット100、電子光学系制御ユニット30,画像処理装置102,管理端末103等により構成される。管理端末103は、キーボードやマウス等の情報入力手段およびモニタなどの画像表示手段により構成される。以下、大まかな構成ユニット別に、装置の各部分の説明を行う。
電子光学系は、大まかに、電子銃部、レンズ系、収差補正部、走査偏向部、対物レンズ、結像光学系などの構成要素に分けることができる。電子銃部は、電子源1、サプレッサ電極2、引き出し電極3、第1陽極4、第2陽極5等により構成される。ショットキー電子源1bはタングステンの単結晶に、酸素とジルコニウムなどを拡散させショットキー効果を利用する電子源で、その近傍にサプレッサー電極2、引き出し電極3が設けられる。ショットキー電子源1を加熱し、引き出し電極3との間に+2kV程度の電圧を印加することにより、ショットキー電子源1よりショットキー電子を放出させることができる。サプレッサー電極2には負電圧が印加されショットキー電子源1の先端以外から放出される電子を抑制する。引き出し電極3の穴を出た電子は第1陽極4、第2陽極5で形成される静電レンズにより加速、収束される。
レンズ系は、第1コンデンサーレンズ6、第2コンデンサーレンズ7、上偏向コイル8、下偏向コイル9、コンデンサー絞り31、非点補正コイル36等により構成される。レンズ系を通過した荷電粒子線は、第1コンデンサーレンズ6、コンデンサー絞り31によりビーム径が制限され、第2コンデンサーレンズ7、および上偏向コイル8、下偏向コイル9を通り、所望の角度で収差補正器10に入射する。
収差補正部は、収差補正器10とフィードスルー101により構成される。本実施例の収差補正器においては、多極子レンズを構成する極子の先端部が真空筐体19内に挿入され、極子の励磁部(コイルを備える)は真空筐体19の外部に配置される。フィードスルー101は、極子を筐体19内外に導通させるために使用される部材である。詳細は後述する。収差補正器10は、荷電粒子ビームに対し、後段のレンズ系で発生する収差とは逆の収差を付与することにより、最終的に試料に到達する荷電粒子線から収差を除去する装置である。構造的には、多極子レンズ11、複合型多極子レンズ12、複合型多極子レンズ13および多極子レンズ14が、光軸を共通軸として配置されている。
色収差を補正する場合、多極子レンズ11および14により、光軸に垂直な面内に4極子磁場が、複合型多極子レンズ12および13により、4極子電場および4極子磁場が形成される。4極子磁場は、4極子電場に対して、x−y面内で光軸を中心として45°回転した場を形成するように分布する。4極子電場および4極子磁場は、4極、8極、あるいは12極の電極(磁極を兼ねてもよい)を用いて形成する。
色収差だけでなく球面収差まで補正する場合、4極子場の他に8極子場が必要であり、4極子場と8極子場が、上記電極により形成され重畳される。この場合は多極子レンズは8極子や12極子が必要である。収差補正器10により対物レンズ17と相殺する色収差や球面収差を与えられた電子ビームは、走査偏向部を形成する上走査コイル15、下走査コイル16を経て、対物レンズ17により試料18上に収束、走査される。対物アライナ38は、対物レンズに入射される荷電粒子線の位置を微調整するために使用される。
対物レンズ17は、磁界型または電界型あるいは電界磁界複合型の回転対称のレンズが用いられる。電子ビームによる試料破壊を防ぎ、収差を減らすために、試料18と対物レンズ17の間で電子が減速されるようにリターディング電源29にて試料18に電圧をかける場合もある。
荷電粒子線の照射により試料から放出された二次電子や反射電子は、ExBフィルター78にて偏向され、一次荷電粒子線の軌道から分離される。ExBフィルター78を通過した二次電子または反射電子は、反射板77にて反射され、検出器69に到達する。検出器の検出信号は、制御部30を経由してコンピュータ102に送信され、画像化される。
試料交換時には試料18は可動ステージ70によって試料交換室71まで運ばれる。筐体19と試料交換室71は、ゲートバルブ72によって接続されており、筐体19の真空を保ったまま試料18の交換を可能にしている。
電子光学系の各部品は、すべて真空容器19に格納される。また、電子光学系の各部品の駆動電圧または駆動電流は、各種の電流源や電圧源(20〜29)を備えた電源ユニット101により供給される。電源ユニット101と電子光学系の各部品とは、コネクターを通じて電気的に接続されている。簡単のため、真空容器19内の各部品の支持法については図示を省略した。上記電源ユニット101は、電子光学系制御部30により制御され、更に、制御に必要な情報や制御手順は、コンピュータ102および情報入力手段103を介して設定される。
次に、本実施例で使用される収差補正器の構造について詳述する。本実施例の収差補正器の全体構成は、一対の複合型多極子レンズを一対の静磁場型多極子レンズで挟んだ4段構成となっている。本実施例の静磁型多極子レンズおよび複合型多極子レンズの構造自体は、図2および図4で説明した構造のレンズとほぼ同じである。但し、異なる種類の極子場を重畳する必要上、多極子レンズを構成する極子の構造が異なる。
図7には、本実施例の静磁場型多極子レンズを構成する極子一つの断面図を示す。極子の先端部は磁極63を構成し、筐体19内部の真空領域内に配置される。極子の根本には励磁により発生する磁束の磁路となる磁路リング65が配置される。図7中の点線は、真空容器の筐体19を意味し、極子先端部は、フィードスルー101を介して筐体19内に挿入される。磁極63の構成部と磁路リングに挟まれた領域には励磁用コイル64が巻かれており、重畳させる場の数または種類に応じて複数のコイルが配置される。図7に示す極子を用いた多極子レンズにおいては、2極子場、4極子場、6極子場の3種類の磁場の重畳が可能であり、4極子用コイル64a、8極子用コイル64b、2極子用コイル64c、2極子用コイル64d、6極子用コイル64e、および6極子用コイル64fの6つのコイルが配置されている。各コイル64a〜64fの構成材料は導線で、各々保持部材66により絶縁されている。各コイルが64a〜64fが絶縁材料により絶縁された本実施例の構成は、従来の収差補正器に比べてメンテナンス性が高く、コイルが断線した場合など、故障のあったコイルのみを交換できるので、調整時間が短くなる。また、コイルが真空領域外に配置された本実施例の収差補正器の構造は、励磁電流によるコイルの発熱を冷却する上でも有利である。なお、2極,6極子場を重畳するのは、収差補正の補助的役割として,4極子や8極子のレンズの軸に対する電子ビームのずれなどを補正することが目的である。4極子や8極子レンズの軸に対する電子ビームのずれを補正するためには、軸に対して垂直なレンズ面上に2方向修正する必要がある。ただし,2,3段目の多極子レンズの補正については、ラインフォーカスのため必ずしも2方向必要ではない。
各コイル64は、隣接する同種の多極子用コイルとのみ直列に接続される。このため、上記同種コイル間を接続するための電気配線が、極子に配置するコイルの数ないし種類に応じて設けられる。例えば、図2のコイル51(極子39に備えられたコイル)中の4極子用コイル64aは、極子40のコイル52中のコイル64aと直列に接続される。このような接続関係を実現する電気配線が、極子39〜50間に設けられ、最終的に、極子39に備えられた電流導入端子に接続される。これにより、電流源(ないし電源)から供給される電流を各コイルに共通に供給することが可能となる。
多極子場を発生させるために、コイル64a〜64cは極子毎に異なる巻き数と方向をもつ。巻き数と方向の関係は例えば、極子39を基準に位相x=0としてコイル64aをm巻きした場合、極子y(39〜50)の位相をx(x=1〜12)とおいたときのコイル64aの巻き数は
Figure 0004988216
巻きとなるよう調整される。同様に8極子用コイル64bで、極子39を基準にm巻きした場合の巻き数は
Figure 0004988216
同様に2極子用コイル64cで、極子39を基準にm巻きした場合の巻き数は
Figure 0004988216
2極子用コイル64dで、極子42を基準にm巻きした場合の巻き数は
Figure 0004988216
6極子用コイル64eで、極子39を基準にm5巻きした場合の巻き数は
Figure 0004988216
6極子用コイル64fで、極子42を基準にm6巻きした場合の巻き数は
Figure 0004988216
となるように設定される。なお符号が逆のとき基準に対して巻き方向が逆である。また、巻き数の小数点以下は近似する。
次に、本実施例で使用される静磁型・静電型の複合型多極子レンズ用の構成について説明する。上述の通り、本実施例の複合型多極子レンズにおける極子の配置や構造自体は、図4で説明した構造のレンズとほぼ同じである。
図8には、図4に示す複合型多極子レンズを構成する極子の縦方向の断面図を示す。極子の構成も、静磁場型多極子レンズ用のそれとほぼ同じであるが、電圧導入端子を備えている点で相違する。以下、図8に沿って説明すると、極子の先端部63が磁極を構成し、筐体19内部の真空領域内に配置される点、磁路リング65が配置される点、励磁用コイル64が巻かれる点、重畳させる場の数または種類に応じて複数のコイルが配置される点は、図7に示す極子の構造と同じである。一方、複合型多極子レンズ用の極子63は、電圧導入端子67を備える。磁場の他に電場を発生する必要があるためである。電圧導入端子には電圧源が接続され、電圧源により供給される電圧により極子の先端部63から電場が放出される。従って、図8に示す極子の先端部63は、電界放出部および磁極を兼ねることになる。よって、本実施例の複合型多極子レンズにおいては、電界放出部および磁極が真空領域内に配置されている。電圧導入端子67および極子63は、絶縁材68によって磁路リング65からは絶縁され、更にコイルの保持部材66により、コイル66を流れる電流からも絶縁されている。
図8に示す極子においては、4極子用コイル64a、8極子用コイル64b、2極子用コイル64c、2極子用コイル64d、6極子用コイル64e、および6極子用コイル64fの6つのコイルが配置されている。各コイル64a〜64fの構成材料は導線で、各々保持部材66により絶縁されている。各コイルが64a〜64fが絶縁材料により絶縁された本実施例の構成は、従来の収差補正器に比べてメンテナンス性が高く、コイルが断線した場合など、故障のあったコイルのみを交換できるので、調整時間が短くなる。
多極子を発生させるためにコイル64a〜64cは極子毎に異なる巻き数と方向をもつ。巻き数と方向の関係は26に順ずる。このときの極子39〜50の電圧配分は4極子電圧のみで極子40の電圧をz[V]とおいたとき極子40、極子41、極子46、極子47は電圧z[V]、極子40、極子41、極子46、極子47は0[V]、極子43、極子44、極子49、極子50は電圧-z[V]となる。以上の構成により、色収差と球面収差を補正可能な走査荷電粒子線装置が実現可能となる。
図9および図10には、複数の多極子場を重畳可能な多極子レンズを構成するための極子の別な構成例について示した。図9に示す極子が静磁気型多極子レンズ用の極子、図10に示す極子が複合型多極子レンズ用の極子に対応する。図7および図8に記載の極子においては、違う種類の磁場を発生するための励磁コイルが横に並んで配置されているが、図9および図10に示される構成の極子においては、複数の励磁コイルが縦に並んで配置される。
次に、低加速領域と高加速領域とで、収差補正器の特性を切り替えるために必要な機能について説明する。上述の通り、低加速領域で発生する収差には、色収差と球面収差の両方が含まれており、低加速領域での収差を補正するためには両方の収差を除去する必要がある。一方、高加速領域での収差は球面収差が支配的であり、球面収差を除去すれば殆どの収差を除去できる。色収差と球面収差を除去するためには、軌道分離された荷電粒子線を複合型多極子レンズに導入して収差を除去することが必要である。一方、球面収差を除去するためには静磁気型多極子レンズを用いれば十分であり、電場を重畳しなくとも収差を除去できる。図2および図4を見れば分かるように、本実施例で使用される静磁気型多極子レンズと複合型多極子レンズの極子の配置はほぼ同じである。従って、複合型多極子レンズの電圧導入端子に供給する電圧をオフにすれば、図4に示す複合型多極子レンズを静磁気型多極子レンズとして動作させることが可能である。
そこで、電源26に、収差補正器への電圧供給をオンオフするスイッチ機能を持たせ、当該スイッチのオンオフを電子光学系制御ユニット30により制御する。荷電粒子線の加速電圧設定値、即ち引き出し電極3への印加電圧設定値は、コンピュータ102または電子光学系制御ユニット30内に設けられたメモリに格納される。また、低加速領域と高加速領域とを切り替えるための閾値が、管理端末103を介して設定され、コンピュータ102または電子光学系制御ユニット30内に設けられたメモリに格納される。コンピュータ102は、メモリ内に格納された切替閾値と引き出し電極への印加電圧設定値とを比較し、印加電圧が閾値よりも大きければ、高加速領域での動作と判断する。また、印加電圧が閾値よりも小さければ、低加速領域での動作と判断する。判断結果は、電子光学系制御ユニット30に送信され、電子光学系制御ユニット30は、判断結果に基づき、電源26による電圧供給のオンオフ制御を実行する。即ち、コンピュータ102から送信された信号が高加速領域での動作を示す情報を含んでいれば、電源26に対して、複合型多極子レンズ12,13の電圧導入端子への電圧供給を停止するよう命令する。コンピュータ102から送信された信号が低加速領域での動作を示す情報を含んでいれば、電源26に対して、複合型多極子レンズ12,13の電圧導入端子への電圧供給を開始または継続するよう命令する。
以上の構成により、低加速領域と高加速領域とで収差補正器の動作を切り替えられる走査荷電粒子線装置が実現される。複合型多極子レンズを静磁場型レンズとして動作させる場合、静磁型レンズと静電型レンズの軸の不一致によるビームのずれの発生を抑止できるという利点がある。また、ビームずれ修正のための余分な作業が減ることから、高加速領域における収差補正器の操作性が増す。また、電圧源を動作させずに済むため、加速電圧に応じて電圧を変化させたときのノイズの発生や放電の危険性もなくなる。更に、高加速領域での収差補正器の消費電力が低減される。なお、本実施例では、多極子レンズ11〜14への電流供給および電圧供給を一つの電源26を用いて実現しているが、各多極子レンズ毎に複数の電流源および電圧源を設けて、電流および電圧を個別に供給しても良い。
図11に、収差補正器を搭載した欠陥レビューSEM(DR-SEM)の一構成例を示す。図11は、図10の構成に検出器69bを加えたものである。検出器69bは検出器69と対称な位置などの異なる位置に配置される。試料の構造によって検出器69からと検出器69bから検出される二次電子量が、異なるため、両検出器から得られたデータを比較することで逆にその構造を推定、検査することができる。データの比較動作は、コンピュータ102により実行される。
本発明が適用される収差補正器付電子線装置の一例の構造の概要を示す図。 収差補正装置の静磁型多極子レンズの構成例。 静磁型多極子レンズの極子の構成例。 収差補正装置の静電型、静磁型の複合型多極子レンズの構成例。 静電型、静磁型の複合型多極子レンズの極子の構成例。 実施例2の走査荷電粒子線装置の構成例。 実施例2の静磁型多極子レンズの極子の構成例。 実施例2の静電型、静磁型の複合型多極子レンズの極子の構成例。 静磁型多極子レンズの極子の別の構成例。 静電型、静磁型の複合型多極子レンズの極子の別の構成例。 実施例3の走査荷電粒子線装置の構成例。
符号の説明
1…電子源、1b…ショットキー電子源、2…サプレッサー電極、3…引き出し電極、4…第1陽極、5…第2陽極、6…第1コンデンサーレンズ、7…第2コンデンサーレンズ、8…上偏向コイル、9…下偏向コイル、10…収差補正器、11…多極子レンズ、12…複合型多極子レンズ、13…複合型多極子レンズ、14…多極子レンズ、15…上走査コイル、16…下走査コイル、17…対物レンズ、18…試料、19…真空容器、20…電子銃電源、21…制御電圧源、22…加速電圧源、23…第1コンデンサーレンズ電源、24…第2コンデンサーレンズ電源、25…偏向コイル電源、26…収差補正器電源、27…走査コイル電源、28…対物レンズ電源、29…リターディング電源、30…制御器(コンピュータ)、31…コンデンサー絞り、32…コンデンサーヒーター電源、33…制御電圧源、34…計算機(インターフェイス)、35…非点補正コイル電源、36…非点補正コイル、37…対物アライナー電源、38…対物アライナー、39〜50…極子、51〜62…コイル、63…磁極、64a…4極子用コイル、64b…8極子用コイル、64c…2極子用コイル、64d…2極子用コイル(64cと直交成分用)、64e…6極子用コイル、64f…6極子用コイル(64eと直交成分用)、65…磁路リング、66…保持部材、67…電圧導入端子、68…絶縁材、69…検出器、69b…検出器、70…可動ステージ、71…試料交換室、72…扉、73…光軸、74…収差補正基準軌道x、75…収差補正基準軌道y、76…検出器用電源、77…反射板、78…ExBフィルター、79…ExBフィルター用電源。

Claims (14)

  1. 荷電粒子ビームを試料に対して走査する照射光学系と、当該試料を載置する試料ステージと、前記荷電粒子ビームの照射により前記試料から発生する2次荷電粒子を検出する検出光学系とを備えた走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記照射光学系は、荷電粒子銃と、対物レンズと、前記荷電粒子線銃と対物レンズとの間に配置された収差補正器とを備え、
    当該収差補正器は、一対の静磁型多極子レンズと、該一対の静磁型多極子レンズの間に配置された一対の複合型多極子レンズとを含む多段構造を有し、
    前記静磁型多極子レンズおよび複合型多極子レンズは、環状に配置された複数の極子と、
    当該複数の極子に備えられた第1のコイルと、前記複数の極子に備えられた第1のコイル間に共通電流を供給する第1の電流導入端子とを有し、
    前記第1のコイルは励起する多極子場に応じた巻き数で各々の前記極子に配置され、
    前記複合型多極子レンズは更に、電圧導入端子と、該電圧導入端子に印加された電圧を前記複数の極子間に分配する電気配線とを有し、
    前記第1の電流導入端子に電流を供給し、前記第1のコイルを介して前記複数の極子に前記共通電流を供給する第1の電流源と、前記電圧導入端子に電圧を供給し、前記電気配線を介して前記複数の極子に電圧を分配する電圧源とを備えたことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記第1の電流源および電圧源は、同一の電源により構成されることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  3. 請求項1に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記収差補正器を制御する収差補正器制御手段を備え、
    該収差補正器制御手段は、前記荷電粒子ビームの加速電圧に応じて、前記複合型多極子レンズの動作を、静磁場型多極子レンズの動作に切り替えることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  4. 請求項1に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記電圧源を制御する電圧源制御手段を備え、
    該電圧源制御手段は、前記荷電粒子ビームの加速電圧が所定値以上の場合、前記電圧導入端子への電圧供給を止めることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  5. 請求項1に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記静磁型多極子レンズおよび複合型多極子レンズは、
    前記複数の極子に備えられる第2のコイルと、該複数の極子に備えられる第2のコイル間に共通電流を供給する第2の電流導入端子とを備えたことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  6. 請求項1に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記静磁型多極子レンズおよび複合型多極子レンズは、
    前記複数の極子に備えられる第3のコイルと、該複数の極子に備えられる第3のコイル間に共通電流を供給する第3の電流導入端子とを備えたことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  7. 請求項6に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記静磁型多極子レンズに備えられた前記第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルが備えられた極子は、各々、2極子レンズ、4極子レンズ及び8極子レンズを構成することを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  8. 請求項6に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
    前記複合型多極子レンズに備えられた前記第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルが備えられた極子は、各々、4極子レンズ、8極子レンズ及び12極子レンズを構成することを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  9. 回路パターンが形成された試料に対して荷電粒子線を照射し、当該照射により発生する二次電子または反射電子を検出器により検出し、該検出器の検出信号を用いて前記回路パターンの測長または検査を行う機能を備えた走査荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射および前記二次電子または反射電子の検出機能を備えた走査荷電粒子顕微鏡と、前記検出信号を用いて前記測長または検査を行う機能を備えた情報処理手段とを備え、
    前記走査荷電粒子顕微鏡は、荷電粒子銃と、対物レンズと、前記荷電粒子線銃と対物レンズとの間に配置された収差補正器とを備え、
    当該収差補正器は、一対の静磁型多極子レンズと、該一対の静磁型多極子レンズの間に配置された一対の複合型多極子レンズとを含む多段構造を有し、
    前記静磁型多極子レンズおよび複合型多極子レンズは、環状に配置された複数の極子と、
    当該複数の極子に備えられた第1のコイルと、前記複数の極子に備えられた第1のコイル間に共通電流を供給する第1の電流導入端子とを有し、
    前記第1のコイルは励起する多極子場に応じた巻き数で各々の前記極子に配置され、
    前記複合型多極子レンズは更に、電圧導入端子と、該電圧導入端子に印加された電圧を前記複数の極子間に分配する電気配線とを有し、
    前記第1の電流導入端子に電流を供給し、前記第1のコイルを介して前記複数の極子に前記共通電流を供給する第1の電流源と、前記電圧導入端子に電圧を供給し、前記電気配線を介して前記複数の極子に電圧を分配する電圧源とを備えたことを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  10. 請求項9に記載の走査荷電粒子線装置において、
    前記第1の電流源および電圧源は、同一の電源により構成されることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  11. 請求項10に記載の走査荷電粒子線装置において、
    前記収差補正器を制御する収差補正器制御手段を備え、
    該収差補正器制御手段は、前記荷電粒子ビームの加速電圧に応じて、前記複合型多極子レンズの動作を、静磁場型多極子レンズの動作に切り替えることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
  12. 請求項10に記載の走査荷電粒子線装置において、
    前記電圧源を制御する電圧源制御手段を備え、
    該電圧源制御手段は、前記荷電粒子ビームの加速電圧が所定値以上の場合、前記電圧導入端子への電圧供給を止めることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  13. 請求項10に記載の走査荷電粒子線装置において、
    前記情報処理手段は、前記荷電粒子ビームの加速電圧が所定値以上の場合、前記電圧導入端子への電圧供給を止めることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  14. 請求項13に記載の走査荷電粒子線装置において、
    前記情報処理手段に対し、前記所定値を入力するのに使用される情報入力手段と、当該情報入力手段による入力の結果が表示される画面表示手段とを有することを特徴とする走査荷電粒子線装置。
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