JP4705812B2 - 収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置 - Google Patents
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第3には、試料面に減速電圧を印加すると、試料面に入射する粒子プローブの開き角は増大するが、一方、試料面側で収差補正後に残る高次の収差係数も減少するため、この開き角の変化の方向は、最適開き角が維持される方向に変化している。しかし、必ずしも理想的にプローブ径を最小にするような開き角になるとは限らないため、最小プローブ径を得るためには、開き角の再調整が必要であった。
φqf、1、φqf、2、φqf、3、φqf、4
と、色収差補正電圧〔V〕
0, φqc、2、 φqc、3、 0
が各々加算され、静電型4極子成分として、
φq、n=φqf、n+φqc、n 〔V〕 (n=1〜4)
が印加されるように電源11〜14を制御する。また、制御部19は収差補正ユニットの第2および第3の多極子2および3に対して、色収差補正のための励磁〔AT=コイルの励磁電流とコイル巻数の積〕
Jc、2、 Jc、3
が磁場型4極子成分として与えられるように、電源22,23を制御する。
φO1、φO2、φO3、φO4
で与えられるように、電源11〜14を制御する。これらの制御によって、減速電圧VR=0の場合に、色収差および球面収差が補正される。
VSP=Va+VR (<Va)
となる。以降の説明では、「減速電圧を印加する操作」などと表現するが、グラフなどの図では、試料に入射する粒子の実際のエネルギーに対応する値がわかりやすいように、VSPで表す。
ところで、減速電圧VRを印加すると、試料20の表面付近にレンズが形成され、ビームは開き角を増す。従って、試料20の表面の位置を固定したまま(作動距離を一定に保ったまま)粒子プローブをフォーカスさせるためには、操作表示部9から対物レンズのレンズ強さを図7に示すように弱める(焦点距離を長くする)必要がある。このとき、実際には、減速電圧VRと共に対物レンズの収差係数も変化する。従って、物面側に換算した色収差係数CCO、球面収差係数CSO、も、減速電圧VRと共に変化する。この結果、図8に示すように、収差補正ユニットのフォーカス条件を一定に保っておくと、色収差および球面収差の補正条件を変更する必要がある。減速電圧VRを印加する前に計算上の補正電圧が印加するようになっていたとすれば、減速電圧VRを印加したときは、この図のような関係式に従って、色収差補正φqc、2およびφqc、3、色収差補正励磁Jc、2、およびJc、3、球面収差補正電圧φOn(n=1〜4)が印加されるように、制御部19が電源11〜14,22,23を制御すればよい。
Jc、2、Jc、3
のいずれかを一定に保つか(特開2003−203593公報参照)、あるいは色収差補正電圧
φqc、2、φqc、3
のいずれかを一定に保つか(特開2004−103305公報参照)、あるいは球面収差補正電圧
φO1、φO2、φO3、φO4
のいずれかを一定に保つような制御(特開2004−363045号公報参照)が望ましい。このような制御が原理的に可能なことは、ここでは詳しく述べないが、前述したこれらの先願の発明から導くことができる。
R1=α(VSP)/α(Va)
と、色収差係数Ccと球面収差係数Csが0に補正された後に残る高次の収差係数によるプローブ径dpに対し、これが最小となるような開き角αoptの変化
R2=αopt(VSP)/αopt(Va)
が示されている。図からわかるように、両者は一致していない。すなわち、減速電圧を印加する前の状態で開き角が最適開き角であったとすると、
α(Va)=αopt(Va)
であるが、VSP=Va以外では、α=αopt(VSP)の関係が成立しなくなることを意味している。従って、操作表示部9で、加速電圧Va、作動距離WD、減速電圧VRを設定したとき、この条件下でプローブ径dpを最小にするため、制御部19は開き角制御レンズ31によって開き角αがαoptに一致するように(R1がR2に一致するように)、開き角制御レンズの電源32を制御する。なお、減速電圧VRを設定したとき、焦点深度Lを最大にするような制御についても同様に考えることができる。
1,2,3,4 静電型4極子
7 対物レンズ
8 対物絞り
9 操作表示部
11,12,13,14,17,22,23 電源
19 制御部
20 試料面
30 減速電圧電源
Claims (7)
- 少なくとも静電型4極子成分及び静電型8極子成分を含む収差補正電位が印加される4段の静電型多極子並びに該4段の静電型多極子の中央の2段の静電型多極子の4極子成分電位分布と相似な磁位分布を重畳させるための励磁電流が供給される2段の磁場型多極子を有する収差補正装置と、加速された荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、前記各多極子を制御する制御部とを備えた荷電粒子ビーム装置において、試料に印加される減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、荷電粒子ビームの加速電圧V a 及び試料に印加される減速電圧V R から求められる粒子プローブの加速電圧V SP に応じて、前記静電型4極子成分の収差補正電位及び前記磁位分布重畳用の励磁電流からなる色収差補正条件、もしくは、前記静電型8極子成分の収差補正電位からなる球面収差補正条件の少なくとも一方を再設定するように構成したことを特徴とする収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
- 前記色収差補正条件及び前記球面収差補正条件は、さらに前記対物レンズと試料面との間の距離である作動距離又は前記対物レンズのレンズ強度に応じて設定されることを特徴とする請求項1記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
- 少なくとも静電型4極子成分及び静電型8極子成分を含む収差補正電位が印加される4段の静電型多極子並びに該4段の静電型多極子の中央の2段の静電型多極子の4極子成分電位分布と相似な磁位分布を重畳させるための励磁電流が供給される2段の磁場型多極子を有する収差補正装置と、加速された荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、前記各多極子を制御する制御部とを備えた荷電粒子ビーム装置において、試料に印加される減速電圧を変更して試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、荷電粒子ビームの加速電圧V a 及び試料に印加される減速電圧V R から求められる粒子プローブの加速電圧V SP に応じて、前記収差補正装置と前記対物レンズの間の合成倍率を調整するとともに、前記静電型4極子成分の収差補正電位及び前記磁位分布重畳用の励磁電流からなる色収差補正条件、もしくは、前記静電型8極子成分の収差補正電位からなる球面収差補正条件の少なくとも一方を再設定するように構成したことを特徴とする収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
- 前記合成倍率と、前記色収差補正条件及び前記球面収差補正条件は、さらに前記対物レンズと試料面との間の距離である作動距離に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
- 前記合成倍率と、前記色収差補正条件及び前記球面収差補正条件は、さらに前記対物レンズのレンズ強度に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
- 前記色収差補正条件、もしくは、前記球面収差補正条件の一方は一定の値に保たれていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
- 前記粒子プローブの加速電圧V SP に応じて、前記収差補正装置の前段に配置された開き角制御レンズのレンズ強度も併せて再設定するように構成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
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