JP2004265864A - 荷電粒子光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最適な収差補正を実現し、最小プローブ径を得る。
【解決手段】 荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料面20に照射するものであって、荷電粒子ビームの光軸LOに沿って配置された4段の多極子1,2,3,4と、4段の多極子1,2,3,4のうち少なくとも3個以上の多極子には標準8極子の電位または磁位を独立に与え、少なくとも2個以上の多極子には斜め8極子の電位または磁位を独立に与える、5個以上の独立な8極子電位または磁位を供給できる電源11,12,13,14,21,22,23,24と、前記独立な5個以上の8極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、3次開口収差を補正する制御部19と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、走査電子顕微鏡などの電子ビーム装置やイオンマイクロプローブなどのイオンビーム装置のような荷電粒子ビーム装置に用い、試料に荷電粒子ビームをフォーカスさせて照射する荷電粒子光学装置に関する。
走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡のような荷電粒子光学装置において、高分解能の像を観察したりプローブ電流密度を上げることを目的として、荷電粒子光学系の中に収差補正装置が組み込まれている。この収差補正装置として、色収差を静電4極子と磁場型4極子の組み合わせで補正し、球面収差を4段の8極子で補正する方式が提案されている。その原理については、非特許文献1〜3に詳しく紹介されている。
ここで、上記した収差補正装置の原理の概略を、図6に基づいて説明する。図6において、対物レンズ7の前段に収差補正装置10が配置されている。収差補正装置10は、4段の多極子1,2,3,4を有している。また、収差補正装置10の前段には、絞り8が設けられている。図中の符号PPは、対物レンズ7の主面を示している。
このような構成において、光軸LOに沿って図の左側から入射した荷電粒子ビームは、4段の多極子1〜4を静電型の4極子として用い、これらと対物レンズ7によって、基準となる荷電粒子ビームの軌道が作られ、試料面20に荷電粒子ビームがフォーカスされる。この図6では、荷電粒子ビームが進行する光軸LO方向をZ方向として、このZ方向に直行する粒子線のX方向の軌道RとY方向の軌道Rとを同じ平面上にまとめて模式的に描いている。
次に、多極子1〜4の具体的な構成について説明する。
図7は、12極子を用いた多極子1〜4の例を示す図である。
図7Aは、静電型の12極子で構成した多極子1〜4を示す図である。
この場合、12極を構成する各電極U〜U12の各々に対して独立に電圧を供給可能にする。すなわち、この図の例では、標準用および斜め用2極子電源101、標準用および斜め用4極子電源102、標準用および斜め用6極子電源103、標準用8極子電源104から供給された電位に基づいて、供給部105における増幅器A〜A12が対応する各電極U〜U12に電位を供給する。
なお、2極子の場合、一般的な言い方をすれば、標準用の2極子がX軸の偏向用であり斜め用の2極子がY軸の偏向用に相当する。
図7Bは、電場・磁場重畳型の12極子で構成した多極子1〜4を示す図である。
この場合には、磁性材料で作られた12個の電極兼磁極W〜W12にそれぞれ励磁電流を供給するコイルを装着する。そして、電極兼磁極W〜W12ごとに電位および励磁を制御できるようにする。
前記供給部105は、各電極兼磁極W〜W12に電位を供給する。また、この図の例では標準用の4極子電源111に基づいて、供給部112における増幅器B〜B12が対応する各電極兼磁極W〜W12に装着したコイルに励磁電流を供給する。
このように、多極子として電場・磁場重畳型の12極子を用い、これらを電場および磁場型の2極子〜12極子として用いる方法は、非特許文献4に示されている。
図7Bの例では、各多極子の電極の電圧や、磁極の励磁電流を独立に制御するように構成されているが、これは12極子を複数の多極子として用いるための構成であり、例えば、4極子と8極子だけというように使用する多極子が限定されていれば、これに応じて電源の数を減らすことができる。
図8は、12極子を用いて実現する様々な多極子を示す図である。図8には静電型の多極子の電極配列の例を示す。
通常、X軸方向に基準となる電極がある構造と等価な機能を持つ多極子は標準(normal)2n極子(n=1,2,・・・)と呼ばれ、この標準2n極子を電極のピッチ角度の1/2(=2π/4n=π/2n[rad]、あるいは90/n[deg])だけ回転した構造と等価な機能を持つ多極子は斜め(skew)2n極子と呼ばれる。
同様にして磁場型の場合には、静電型の斜め2n極子の電極を磁極とした構造と等価な機能を持つ多極子は標準2n極子、静電型の標準2n極子の電極を磁極とした構造と等価な機能を持つ多極子は斜め2n極子と呼ばれる。
静電型と磁場型で、標準多極子(または斜め多極子)の電極と磁極の配置が異なるのは、これらの場によって荷電粒子が力を受ける方向を同じ直線上に選んでいるからである。なお、以下の説明でこれらの電極と磁極を特に区別する必要がない場合には、極子と呼ぶ場合がある。
次に、これらの多極子1〜4を用いた実際の動作を図6を用いて説明する。なお、標準2極子はX方向の偏向装置、斜め2極子はY方向への偏向装置で、これらは軸合わせに持ちいれられるが、その詳細については省略する。
先ず、フォーカス調整について説明する。このフォーカス調整は、基準軌道の形成の問題として把握することができる。
基準軌道とは、近軸軌道として、1段目の多極子1による4極子の作用でY方向の軌道Rが2段目の多極子2による4極子の中心を通り、2段目の多極子2による4極子の作用でX方向の軌道Rが3段目の多極子3による4極子の中心を通り、最後に、3段目の多極子3と4段目の多極子4とによる4極子の作用と対物レンズ7によって粒子線が試料面20にフォーカスされる軌道を言う。実際には完全にフォーカスさせるために、これらの相互調整が必要になる。
また、X,Y方向のフォーカス調整だけでは像が鮮明にならない場合には、斜め方向の4極子電位を利用する場合がある。
次に、色収差調整について説明する。
このような系で先ず色収差を補正するには、上記の基準軌道を変えないように2段目の多極子2の静電型4極子の電位φq2[V]と磁場型4極子の励磁J[AT](あるいは磁位)が調整され、レンズ系全体としてX方向の色収差が0に補正される。同様に基準軌道を変えないように3段目の多極子3の静電型4極子の電位φq3[V]と磁場型4極子の励磁J[AT]が調整される。粒子光学系全体としてY方向に色収差が0に補正される。
次に、2次の開口収差の補正について説明する。
ここでは、6極子を用いた2次の開口補正について説明する。2次の開口収差は理想的には発生しないはずであるが、機械的な精度の限界によって現実には収差補正装置10に寄生して発生する。X,Y方向の色収差の補正を行った後に、2段目の多極子2の静電型6極子の電位ψs2[V]によってレンズ系全体としてX方向の2次の開口収差を0に補正し、3段目の多極子3の静電型6極子の電位ψs3[V]によってY方向の2次の開口収差を0に補正する。次にX,Y方向が合成される方向(例えばX軸に対して30°方向、60°方向など)の2次の開口収差を1段目の多極子1と4段目の多極子4の各々の静電型6極子で0に補正する。
次に、球面収差補正について説明する。球面収差補正は、3次の開口収差補正の問題として把握することができる。
球面収差を補正する場合には、2段目の多極子2の静電型8極子の電位ψO2[V]によってレンズ系全体としてX方向の3次開口収差を0に補正し、3段目の多極子3の静電型8極子の電位ψO3[V]によってY方向の3次開口収差を0に補正する。次に、X,Y方向が合成された45°方向の3次開口型収差を1段目の多極子1と4段目の多極子4の各々の静電型8極子で0に補正する。実際は交互の繰り返し調整が必要になる。
次に、高次の開口収差補正について説明する。ここでは、5次の開口収差補正について検討する。
5次の収差の寄与を最小にする場合には、5次の収差を12極子によって補正する(非特許文献5を参照)方法、3次の開口収差の符号と量を調整して5次の収差の寄与を最小にする(非特許文献3を参照。)方法、などがある。ここでは、これらの方法は詳しくは説明しない。
H. Rose, Optik 33, Heft 1, 1-23 (1971) J. Zach, Optik 83, No. 1, 30-40 (1989) J. Zach and M. Haider, Nucl. Instr. and Meth. In Phys. Res. A 363, 316-325 (1995) M. Haider, W. Bernhardt and H. Rose, Optik 63, No. 1, 9-23 (1982),特にTable1 H. Rose, Optik 34, Heft 3, 285-311 (1971)
前記の理論や実験に基づく結果、例えば図6〜7に示した従来の技術にはすばらしいものがあるが、さらに微小プローブを目指すには、必ずしも十分な配慮がなされていなかった。以下には、従来方式の不具合について示す。
第1には、機械精度の不完全さにより収差コレクタ内に6極子成分が発生している場合には、6極子による2次の開口収差補正が必要になるだけでなく、この6極子成分は4次の開口収差にも影響している。従って、更に高分解能を目指す場合には、5次の開口収差の前に、寄与が大きい4次の開口収差を補正しなければならない。すなわち、10極子による4次の開口収差補正が必要になる。
第2には、前記の6極子成分が発生している場合には、標準6極子の成分だけでなく、斜め6極子の成分も存在すると考えられる。前記の従来技術で説明した2次の開口収差の補正では、この標準6極子によるX方向の2次の開口収差補正と、斜め6極子によるY方向の2次の開口収差補正が行われている。この斜め成分があると、球面収差(3次の開口収差)を補正する標準8極子だけでは球面収差を完全に0にすることはできない。すなわち、斜め8極子による球面収差補正が必要になる。
第3には、前記第2の斜め6極子成分があると、標準10極子だけでは4次の開口収差を完全に0にすることはできなくなる。すなわち斜め10極子による4次の開口収差補正が必要になる。
同様にして、斜め6極子成分があると、標準12極子だけでは5次の開口収差を完全に0にすることはできなくなる。すなわち斜め12極子による5の開口収差補正が必要になる。
本発明は、従来は配慮されていなかったこれらの問題を解決し、最適な収差補正を実現し、最小プローブ径を得ることができるような荷電粒子光学装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明に係る荷電粒子光学装置は、荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射するものであって、(1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された4段の多極子と、(2)前記4段の多極子のうち少なくとも3個の多極子には標準8極子の電位または磁位を独立に与え、少なくとも2個の多極子には斜め8極子の電位または磁位を独立に与える、5個以上の独立な8極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、(3)前記4段の多極子のうち少なくとも1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の標準または斜め8極子の電位または磁位を与える、1個以上の8極子電位または磁位を供給できる非独立可変電源と、(4)前記5個以上の独立可変電源の8極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、3次開口収差を補正する制御手段と、を有する。
前記制御手段は、所定のプログラムに基づいて一連の補正の手順を実行するコンピュータであることが望ましい。
前記3個以上の独立な標準8極子の電位または磁位のうち少なくとも2個は中央の2段目と3段目の前記多極子に供給され、前記2個以上の独立な斜め8極子の電位または磁位のうち少なくとも2個は1段目と4段目の前記多極子に供給されることが望ましい。
また、本発明に係る荷電粒子光学装置は、荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射するものであって、(1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された4段の多極子と、(2)前記4段の多極子のうち少なくとも3個の多極子には標準10極子の電位または磁位を独立に与え、少なくとも3個の多極子には斜め10極子の電位または磁位を独立に与える、6個以上の独立な10極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、(3)前記4段の多極子のうち少なくとも1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の標準または斜め10極子の電位または磁位を与える、1個以上の10極子電位または磁位を供給できる非独立可変電源と、(4)前記6個以上の独立可変電源の10極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、4次の開口収差を補正する制御手段と、を有することが望ましい。
前記3個以上の独立な標準10極子の電位または磁位のうち少なくとも1個は2段目の前記多極子に供給され、前記2個以上の独立な斜め10極子の電位または磁位のうち少なくとも1個は3段目の前記多極子に供給されることが望ましい。
前記3個以上の独立な標準10極子の電位または磁位のうち少なくとも3個は1段目、2段目、4段目の前記多極子に供給され、前記3個以上の独立な斜め10極子の電位または磁位のうち少なくとも3個は1段目、3段目、4段目の前記多極子に供給されることが望ましい。
さらに、本発明に係る荷電粒子光学装置は、荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射するものであって、(1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された4段の多極子と、(2)前記4段の多極子の全てに標準12極子の電位または磁位を独立に与え、3個の前記多極子には斜め12極子の電位または磁位を独立に与える、7個の独立な12極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、(3)前記4段の多極子のうち1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の標準または斜め12極子の電位または磁位を与える、1個の12極子電位または磁位を供給できる非独立可変電源と、(4)前記7個の独立可変電源の12極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段と、を有することが望ましい。
前記独立な3個の斜め12極子の電位または磁位は1段目、2段目、4段目の前記多極子に供給されることが望ましい。
あるいは、本発明に係る荷電粒子光学装置は、荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射するものであって、(1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された、電場・磁場重畳型の標準配列の12極子を用いた4段の多極子と、(2)前記4段の多極子の全てに標準12極子の電位を独立に与え、3個の多極子に斜め12極子の磁位を独立に与える電源と、(3)前記4段の多極子のうち1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の斜め12極子の磁位を与える、1個の12極子の磁位を供給できる非独立可変電源と、(4)前記4個の独立な12極子電位および前記3個の独立な12極子磁位を調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段と、を有することもできる。
あるいはまた、本発明に係る荷電粒子光学装置は、試料に荷電粒子ビームをフォーカスさせて照射するものであって、(1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された、電場・磁場重畳型の斜め配列の12極子を用いた4段の多極子と、(2)前記4段の多極子の全てに標準12極子の磁位を独立に与え、3個の多極子に斜め12極子の電位を独立に与える電源と、(3)前記4段の多極子のうち1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の斜め12極子の電位を与える、1個の12極子電位を供給できる非独立可変電源と、(4)前記4個の独立な12極子磁位および前記3個の独立な12極子電位を調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段と、を有することもできる。
本発明に係る荷電粒子光学装置は、前記4段の多極子は12極子であって、かつ前記4段の12極子のうち少なくとも中央の2段が電場・磁場重畳型であって、前記4段の12極子に4個の独立な4極子電位を供給するとともに、前記電場・磁場重畳型の多極子に少なくとも2個の独立な4極子磁位を供給する電源と、を有することが望ましい。
前記制御手段は6極子成分の収差を合わせて補正するように成すことが望ましい。
以上のごとく、本発明の荷電粒子光学装置は、(1)4段の多極子と、(2)5個以上の独立な8極子電位(または磁位)を供給できる独立可変電源を有して、4段のうち少なくとも3個の多極子には標準8極子の電位(または磁位)を独立に与え、少なくとも2個の多極子には斜め8極子の電位(または磁位)を独立に与え、(3)1個以上の一定の値の8極子電位(または磁位)または前記独立可変電源の何れかに従属させた値の8極子電位(または磁位)を供給できる非独立可変電源を有して、4段のうち少なくとも1個の多極子には標準8極子の電位(または磁位)または斜め8極子の電位(または磁位)を与え、(4)前記5個以上の8極子電位(または磁位)を互いに独立に調整して得られた画像の変化から、球面収差(3次の開口収差)を補正する収差補正装置を備えたことより、標準および斜め6極子成分を収差補正装置内で補正するような場合でも、球面収差(3次開口収差)を実質的に0に補正できるようになり、4次以上の高次開口収差を補正した場合に、球面収差の残り成分がプローブ径を悪化させることがなくなった。
また、本発明の荷電粒子光学装置は、(1)4段の多極子と、(2)6個以上の独立な10極子電位(または磁位)を供給できる独立可変電源を有して、4段のうち少なくとも3個の多極子には標準10極子の電位(または磁位)を独立に与え、少なくとも3個の多極子には斜め10極子の電位(または磁位)を独立に与え、(3)1個以上の一定の値の10極子電位(または磁位)または前記独立可変電源の何れかに従属させた値の10極子電位(または磁位)を供給できる非独立可変電源を有して、4段のうち少なくとも1個の多極子には標準10極子の電位(または磁位)または斜め10極子の電位(または磁位)を与え、(4)前記6個以上の10極子電位(または磁位)を互いに独立に調整して得られた画像の変化から、4次の開口収差を補正する収差補正装置を備えたことにより、標準および斜め6極子成分を収差補正装置内で補正するような場合でも、4次の開口収差を実質的に0に補正できるようになり、5次の開口収差を補正した場合に、4次の開口収差がプローブ径を制限することがなくなった。
さらに、本発明の荷電粒子光学装置は、(1)4段の多極子と、(2)7個の独立な12極子電位(または磁位)を供給できる独立可変電源を有して、4個の全ての多極子に標準12極子の電位(または磁位)を独立に与え、3個の多極子には斜め12極子の電位(または磁位)を独立に与え、(3)1個の一定の値の12極子電位(または磁位)または前記独立可変電源の何れかに従属させた値の12極子電位(または磁位)を供給できる非独立可変電源を有して、4段のうち1個の多極子には斜め12極子の電位(または磁位)を与え、(4)前記7個の12極子電位(または磁位)を互いに独立に調整して得られた画像の変化から、5次の開口収差を補正する収差補正装置を備えたので、標準および斜め6極子成分を収差補正装置内で補正するような場合でも、5次の開口収差を実質的に0に補正できるようになり、5次までの開口収差が全て0にでき、プローブ径を著しく向上できた。
さらにまた、4段の多極子を電場重畳型の標準配列の12極子で構成したとき、電位によって標準12極子の場を作り、磁位によって斜め12極子の場を作り、4個の全ての多極子の標準12極子の電位を独立に与え、3個の多極子には斜め12極子の磁位を独立に与え、これら4個の独立な電位と3個以上の独立な磁位を調整して得られた画像の変化から、5次の開口収差を補正する収差補正装置を備えたことにより、12極子による5次までの補正が可能になった。また更に極数を増やした補正が不要になり、低価格・高性能の補正が可能になった。
あるいは、4段の多極子を電場・磁場重畳方の斜め配列の12極子で構成したとき、磁位によって標準12極子の場を作り、電位によって斜め12極子の場を作り、4個の全ての多極子に標準12極子の磁位を独立に与え、3個の多極子には斜め12極子の電位を独立に与え、これらの4個の独立な12極子磁位と3個の独立な電位を調整して得られた画像の変化から、5次の開口収差を補正する収差補正装置を備えたことにより、12極子による5次までの補正が可能になり、更に極数を増やした補正が不要になり、低価格・高性能の補正が可能になった。
以上のごとく、本発明によると、最適な収差補正を実現し、最小プローブ径を得るような荷電粒子光学装置を提供することができる。
以下、本発明に係る荷電粒子光学装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、荷電粒子光学装置の第1の実施の形態を示す図である。以下の実施の形態においても、特に断る場合を除いて荷電粒子光学装置は同様の構造を有することを前提とする。
第1の実施の形態の荷電粒子光学装置は、荷電粒子ビームの一部をプローブとして試料にフォーカスさせて照射するものであって、光軸LOに沿って、絞り8、4段の多極子1,2,3,4、および荷電粒子ビームを試料面20にフォーカスさせる対物レンズ7を有する。
また、この荷電粒子光学装置は、多極子1を駆動する電源11,21、多極子2を駆動する電源12,22、多極子3を駆動する電源13,23、多極子4を駆動する電源14,24、対物レンズ7を駆動する電源17、ユーザとのインターフェースを行って加速電圧や作動距離等を制御する操作表示部9、および操作表示部9の操作に基づいて前記電源11〜14,17,21〜24を制御する制御部19を有している。
なお、便宜上、図中には5次の収差まで補正できるように4段の多極子1〜4に電位または磁位を供給する8個の電源11〜14,21〜24を示している。これらの電源の役割については、後に詳細に説明する。
制御部19は、ユーザであるオペレータによる操作表示部9への操作に基づいて、内蔵したソフトウェアを用いて、収差を補正する一連の手順を実行する。そして、この手順の結果に基づいて、前記電源11〜14,17,21〜24を制御して、多極子1,2,3,4および対物レンズ7における電場および磁場を制御する。
このような制御部19は、例えばコンピュータによって構成することができる。また、操作表示部9も一体として、コンソールとディスプレイと有するたとえばパーソナルコンピュータで構成することもできる。前記制御手段には、制御部19または制御部19および操作表示部9が相当する。
多極子1〜4は、色収差補正または斜め多極子成分を含む5次開口収差補正を考慮しなければ、静電型、磁場型、電場・磁場重畳型のいずれの形態をとることもできる。磁場型の場合は電源21〜24から供給される電流によって、静電型の場合には電源11〜14から供給される電位によって、あるいは電場・磁場重畳型の場合は電源11〜14、21〜24から供給される電位および電流によって制御される。
以下において、上記4段の多極子1,2,3,4とこれに各電源11〜14,21〜24を含めたものを収差補正装置と呼ぶことにする。
このような収差補正装置10は、例えば図2に示す如くに走査電子顕微鏡などに組み込まれる。この場合、荷電粒子には電子が相当することになる。
内部が真空雰囲気にされた鏡筒50内には、電子ビームを発生し、加速電圧によって電子にエネルギーを与える電子銃51、電子銃51で発生した電子ビームを収束し、かつ電子ビーム電流を適当な値に制限するためのコンデンサレンズ52と対物絞り53、収差補正装置54(図1の収差補正装置10に相当)、試料59上で電子ビームを二次元的に偏向して走査するための偏向器55、電子ビームをフォーカスして試料59に照射する対物レンズ57、試料59を保持しかつ少なくともX−Y平面内で試料59を自在に駆動するステージ58、電子ビームの照射・走査に伴って試料59から発生する二次電子などの信号を検出する検出器60が備えられている。
図3は、本実施の形態の多極子の駆動に使用する電源11〜14の構成を示す図である。
なお、以下では静電型の多極子について説明するが、以下の説明は同様に、電場・磁場重畳型の場合にも該当する。
これらの電源11〜14は、電位を発生する電源部31と、前記電源部31に基づいて多極子1〜4に電位を供給する供給部32とを有している。
電源部31は、標準2極子電源31、斜め2極子電源31、標準4極子電源31、斜め4極子電源31、標準6極子電源31、斜め6極子電源31、標準8極子電源31、斜め8極子電源31、標準10極子電源31、斜め10極子電源3110、標準12極子電源3111、および斜め12極子電源3112を有している。
供給部32は、多極子1〜4の12極子の各極子に対応する12個の増幅器A〜A12を有している。これらの各増幅器A〜A12は、電源部31の電源31〜3112の電位に基づいて12極にそれぞれ電位を供給する。
すなわち、これら電源部31の電源31〜3112の電位に基づいて増幅器A〜A12で加算して供給することにより、それぞれの多極子電位による5次までの開口収差補正が独立して行える。図には示していないが、磁場型の場合も同様に構成できる。
次に、多極子1〜4の電極(または磁極)の電位(または磁位)と電位分布(または磁位分布)について説明する。
多極子1〜4の中心からの半径をr、光軸をz軸、z軸のまわりのx軸からの回転角をθと置くと、座標(r,θ,z)における2n極子の電位および磁位の分布は、
標準2n極子の電位:
ΨN2n(r,θ,z)=VN2nψ2n(z)(r/a)cos(nθ)
斜め2n極子の電位:
ΨS2n(r,θ,z)=VS2nψ2n(z)(r/a)sin(nθ)
標準2n極子の磁位:
ΦN2n(r,θ,z)=μN2nφ2n(z)(r/a)sin(nθ)
斜め2n極子の磁位:
ΦS2n(r,θ,z)=−μS2nφ2n(z)(r/a)cos(nθ)
で与えられる。
ここで、VN2nおよびVS2nは標準2n多極子および斜め2n極子の電極に与える電位、IN2nおよびIS2nは標準2n多極子および斜め2n極子の磁極のコイル電流(正確には電流と巻き数との積)、ψ2n(z)およびφ2n(z)は2n極子の光軸LO方向(z方向)の電位および磁位分布を表す関数である。また、式中のaは多極子の内径、μは真空中の透磁率を表している。
なお、後述する表1〜6では、表の数を少なくして分かり易くするために、斜め2n極子の磁位の符号を反転している。また、実際の収差計算では、磁位(磁気ポテンシャル)はベクトルポテンシャルとして計算されることも多いが、説明を分かり易くするために、ここでは、スカラーポテンシャルを用いている。
これらの式を直交座標(x,y,z)で表す場合には、
x=rcosθ
y=rsinθ
を用いて上式を書き直せばよい。
また、標準多極子と斜め多極子の電位または磁位の合成は、多極子を回転することに対応する。すなわち、標準多極子を基準と考えたとき、標準多極子の強さAおよび斜め多極子の強さBに対して、
Acosα+Bsinα=Ccos(α−δ)
ここで、A=Ccosδ、B=Csinδであるから、
C=(A+B1/2
δ=tan−1(B/A)
である。
実際の装置でも、AとBを指定する代わりに、合成後の標準多極子の強さCと標準位置からの回転角δを指定することができる。本実施の形態においては、実際の電極に与える電位または実際の磁極に与える磁位の関係が明確になるように、前記A,Bを指定する形で説明する。
次に、具体的な例として、多極子1〜4に12極子を採用したとき、電位(または磁位)の振幅を1としたときの12極子の各電極(または磁極)に与えるべき電位(または磁位)の値を表1〜表4に示す。
表1は、標準配列12極子による標準多極子電位と斜め多極子磁位を示す表である。
Figure 2004265864

表2は、標準配列12極子による斜め多極子電位と標準多極子磁位を示す表である。
Figure 2004265864

表3は、斜め配列12極子による標準多極子電位と斜め多極子磁位を示す表である。ここで、θ´=θ+15 [deg]、または、θ´=θ+π/12 [rad] である。
Figure 2004265864

表4は、斜め配列12極子による斜め多極子電位と標準多極子磁位を示す表である。
Figure 2004265864

次に、斜め配列12極子による前記の表3、表4において、第1番目の極子の電位(または磁位)を基準にして各極子の電位(または磁位)を規格化したものを表5、表6に示す。
Figure 2004265864
Figure 2004265864

なお多極子1〜4が12極子で構成される場合、これを構成する電極(または磁極)が標準配列か斜め配列かによって、実現可能な12極子は、標準12極子かまたは斜め12極子の何れか一方に制限される。すなわち、実現不能な場合では、電極(または磁極)に与えられるべき電位(または磁位)が0になってしまうためである。
さて、本願の課題は、高次の開口収差を補正してより高い分解能を目指す場合には、機械精度の不完全さ等により収差コレクタ内に発生する6極子成分の影響を取り除くことにある。その方策の一つとして上述の如き標準多極子による4個の多極子場と斜め多極子による4個の多極子場とを組み合わせた合計8個の多極子場から成る収差コレクタ装置が考えられる。
そこで本願発明者がその様な装置について研究したところ、単純に8個の多極子場を独立に制御すると新たな問題が発生することが分かった。例えば、ある収差の補正に対して複数の解が出てきてしまうとか、ある収差の補正に際して感度の低い多極子では、補正に際して過度に高い印加電圧になってしまうとか、あるいはその高い電圧の印加に伴って新たな収差が発生するなどである。この様な研究の成果から、本願発明者は、以下に詳しく説明するように独立に制御する多極子の数を減らして上記のような新たに発生する問題を回避すると共に装置の取り扱いを容易にしている。
以下、収差補正装置10における補正の原理について説明する。
本願発明者が収差補正装置10の補正電位(または補正磁位、あるいはコイル電流)と試料面20に現れるX方向およびY方向の収差係数を調べた結果、補正電位(または補正磁位)の単位変化ΔVに対するX方向とY方向の収差係数は互いに関係のあることがわかった。すなわち、このΔVの変化に対して、X方向のn番目とY方向のm番目の、ビームの回転効果を含めた収差係数Cnx,Cmyの変化をΔCnx,ΔCmyとおくと、これらの変化率
nx=ΔCnx/(Cnx・ΔV)
my=ΔCmy/(Cmy・ΔV)
の間に、互いに関係のある番号のn,mがあることがわかった(詳しくは述べないが、CnxとCmyは比例関係にある)。以下にこれを簡単に説明する。ここで、試料に入射するビームのX,Y方向の開き角をα,αとする。なお、ここでは、前記α,αは、それぞれ近似的には、sinα=α、sinα=αと見なせるような、十分小さな値であるものとする。
まず、3次の開口収差係数の場合を例にして、表7に示す具体的な数値を用いて考え方を説明する。表7は、4段の各多極子に標準8極場と斜め8極場とを与え、それをそれぞれ一定量変化させたとき、3次の開口収差係数(3次の場合は8個ある)の変化率を調べたものである。なお、表の左側の4列がX方向、右側の4列がY方向を表している。また、変化率が誤差の範囲でゼロとなるような欄は空欄として表して見易くした。更に補足すると、斜め8極場による各変化率の値は標準8極場の変化率よりも比較的大きな値になっているが、これは変化率の分母(C・ΔV)中の補正前の収差Cが斜め6極子成分に起因しており、これによる収差係数が小さな値になっているからである。
Figure 2004265864

さて、表を詳しく調べると、X方向の斜め8極場を与える斜め1〜4段の3次の項α α の4個の収差係数の変化率が、Y方向の斜め1〜4段による3次の項α α の斜め1〜4段の4個の収差係数の変化率と誤差の範囲でそれぞれ一致していることが分かる。同様に、X方向の標準8極場を与える標準1〜4段の3次の項α α の4個の収差係数の変化率がY方向の標準1〜4段の3次の項α α の4個の収差係数の変化率とそれぞれ誤差の範囲で一致し、X方向の斜め8極場を与える斜め1〜4段の3次の項α α の4個の収差係数の変化率がY方向の斜め1〜4段の3次の項α α の4個の収差係数の変化率とそれぞれ誤差の範囲で一致していることが分かる。これが第1の所見である。
次に、標準の1段目から標準の4段目までの各係数の変化率を比較してみる。ただし比較は絶対値で行う。そうすると、まず、2段目の項α α の収差係数の変化率と3段目の項α α の収差係数の変化率が他に比較して大きな値であることが分かる。つまり、標準の2段目と3段目は、標準の1段目と4段目に比べて、8極場を変化させたときの変化量に対して影響が大きいことを示している。次いで、1段目と4段目を調べてみると、どちらも同程度ということがわかる。これが第2の所見である。
同様にして、1〜4段目の多極子に与える斜め8極場の電位を一定量変化させたときの各係数の変化率を比較してみる。ここでも比較は絶対値で行う。そうすると、1段目と4段目の数値は、2段目と3段目の数値と比べて、明らかに大きいことが分かる。これが第3の所見である。
これらの所見は、8極場を与えるべき多極子の選択の際に適用される。上記は、3次の開口収差係数の場合であるが、他の高次(2次、4次、5次)の場合においても、詳しくは説明しないが、それぞれに同様な3つの所見が得られる。従って、他の高次の場合においても、各多極場(6極場、10極場、12極場)を与える多極子の選択に同様な手法が応用できる。以下、上記の考え方に基づいて、2次から5次の開口収差係数の場合について説明する。
2次の開口収差係数の場合は、次のとおりである。なお、ここでは、X方向の収差の項に対し、従属関係にあるY方向の収差の項を上下に並べて記載する。この様にするのは、上記第1の所見に基づいている。3次以上の場合も同様である。
X方向:α α ,α α ,α α
Y方向: α α ,α α ,α α
に比例する収差の係数の変化率を各々
X方向:t1x,t2x,t3x
Y方向: t1y,t2y,t3y
とおくと、2次の開口収差係数の場合の第1の所見から、
2x=t1y,t3x=t2y
が確認される。従って、独立なパラメータは4個になり、最低4個の独立な電源が必要になる。
3次の開口収差係数の場合は、次のとおりである。
X方向:α α ,α α ,α α ,α α
Y方向: α α ,α α ,α α ,α α
に比例する収差の係数の変化率を各々
X方向:t1x,t2x,t3x,t4x
Y方向: t1y,t2y,t3y,t4y
とおくと、
2x=t1y,t3x=t2y,t4x=t3y
となる。従って、独立なパラメータは5個になり、最低5個の独立な電源が必要になる。
4次の開口収差係数の場合は、次のとおりである。
X方向:α α ,α α ,α α ,α α ,α α
Y方向: α α ,α α ,α α ,α α ,α α
に比例する収差の係数の変化率を各々
X方向:t1x,t2x,t3x,t4x,t5x
Y方向: t1y,t2y,t3y,t4y,t5y
とおくと、
2x=t1y,t3x=t2y,t4x=t3y,t5x=t4y
となる。従って、独立なパラメータは6個になり、最低6個の独立な電源が必要になる。
5次の開口収差係数の場合は、次のとおりである。
X方向:α α ,α α ,α α ,α α ,α α ,α α
Y方向: α α ,α α ,α α ,α α ,α α ,α α
に比例する収差の係数の変化率を各々
X方向:t1x,t2x,t3x,t4x,t5x,t6x
Y方向: t1y,t2y,t3y,t4y,t5y,t6y
とおくと、
2x=t1y,t3x=t2y,t4x=t3y,t5x=t4y,t6x=t5y
となる。従って、独立なパラメータは7個になり、最低7個の独立な電源が必要になる。
以上、本願発明者によって見いだした収差係数間の関係を述べたが、標準多極子と斜め多極子では収差の現れ方が異なるため、どの収差係数に注目して修正するかは、下記の実際の補正手順に述べることにする。その際、どの多極子を選択するかは、前記第2、第3の所見に基づいている。
次に、収差補正装置10における実際の補正手順について説明する。
以下ではフォーカス調整、色収差補正、2次開口収差の補正は終了しているものとして記述する。試料面に入射する荷電粒子ビームの光軸LOに対するx,y方向の開き角をα,αとする。
図4は、多極子1〜4による収差補正を説明する図である。
先ず、図4Aを参照して球面収差(3次開口収差)について説明する。
球面収差(3次開口収差)の補正の場合、上記のように独立なパラメータは5個まで減らすことができるから、4段の標準多極子と4段の斜め多極子との合計8個の多極子の内から5個を選択することができる。選択の基準は多極子に与える8極場の電位あるいは磁位が変化したときにビームの位置に与える影響が大きな多極子を選ぶようにする。本願発明者の研究結果によると、2段目と3段目の標準多極子は影響が大きく重要であり、1段目と4段目の標準多極子は少なくともどちらか一方を選べばよい。従って、ここでは、図4Aに示すように、1段目と2段目と3段目の標準多極子を選ぶこととする。斜め多極子については、2段目と3段目は影響が小さく選択するには好ましくない。よって1段目と4段目の斜め多極子を選ぶこととする。
対物レンズ7が磁界型の場合(または、光学系の途中に少なくとも一つの磁界型のビーム集束用レンズを含む場合)について説明する。この場合には、磁界によってビームが回転するため、収差補正装置10による補正の効果は回転した分を補正しなければ、標準多極子と斜め多極子による補正の影響は区別できなくなる。このため、標準多極子の制御と斜め多極子の制御とは独立にはならず、互いに関係し合うようになる。
補正前の8極子の補正電位について、1段目、2段目、3段目の多極子1,2,3に、標準8極子としての電位V,V,Vを与え、1段目と4段目の多極子1,4に、斜め8極子としての電位V,Vを与える。この補正電位に対する試料面20における補正前の収差係数について、X方向の位置に影響するα ,α α,αα ,α に比例する収差の係数をc,c,c,cとし、Y方向の位置に影響するα に比例する収差の係数をcとする。ここで、上記係数のうち、c,c,cは、Y方向の位置に影響するα ,α α,αα にもそれぞれ比例する。
次に、1段目、2段目、3段目の標準8極子の電位変化量をΔV,ΔV,ΔV、1段目と4段目の斜め8極子の電位変化量をΔV,ΔVとする。
ここで、各ΔV(k=1〜5)の変化による収差係数c(j=1〜5)の変化は、標準多極子と斜め多極子とでは独立とはならず、
Figure 2004265864

で与えられるので、収差係数cを0にするための変化量ΔVは、連立方程式
[ajk][ΔV]=[−c
を解いて求められる。
ここで、[ajk]はj行k列の行列であり、[ΔV]はk行の列ベクトル、[−c]はj行の列ベクトルである。
この結果、補正電位はk=1〜5に対して
+ΔV
となる。このようにすれば、補正前の収差係数cは、収差補正装置10で発生させた収差係数−cで打ち消すことができる。
次に、対物レンズ7が静電型の場合(または、光学系の途中に磁界型のビーム集束用のレンズは含まない場合)について説明する。この場合には、収差補正装置による補正の効果は標準多極子と斜め多極子とで独立に影響する。従って、現在(補正前)の8極子の補正電位について、1段目、2段目、3段目の多極子1,2,3に、極準8極子としての電位V,V,Vを与え、1段目と4段目の多極子1,4に、斜め8極子としての電位V,Vを与え、標準多極子と斜め多極子とではそれぞれ独立に制御される。そして、この補正電位に対する試料面における現在の収差の係数について、X方向の位置に影響するα ,α α,αα ,α に比例する収差の係数をc,c,c,cとし、Y方向の位置に影響するα に比例する収差係数をcとする。ここで、上記係数のうち、c,c,cは、Y方向の位置に影響するα ,α α,αα にもそれぞれ比例する。
次に、1段目、2段目、3段目の標準8極子の電位変化量をΔV,ΔV,ΔVとし、1段目と4段目の斜め8極子の電位変化量をΔV,ΔVとする。
ここで、各ΔV(k=1〜5)の変化による収差係数c(j=1〜5)の変化は、標準多極子と斜め多極子とではそれぞれ独立して、
標準多極子(j,k=1〜3):
Figure 2004265864

斜め多極子(j,k=4〜5):
Figure 2004265864

で与えられるので、収差係数cを0にするための変化量ΔVは、連立方程式
標準多極子(j,k=1〜3):[ajk][ΔV]=[−c
斜め多極子(j,k=4〜5):[ajk][ΔV]=[−c
を解いて求められる。この結果、補正電位はk=1〜5に対して
+ΔV
となる。このようにすれば、補正前の収差係数cは、収差補正装置10で発生させた収差係数−cで打ち消すことができる。
2次の開口収差が補正されている状態であれば、上記結果の収差補正電位を各多極子に設定すると、合計8個の3次の係数の内、計算に現れた5個の3次の開口収差係数cを0に打ち消すことができるだけでなく、計算には現れない他の3個の3次の開口収差係数も同時に実質的に0になることが確認できる。すなわち、3次開口収差補正に必要な独立な電位の数は、標準8極子で3個、斜め8極子で2個の合計5個で目的を達することが分かる。
上記で選んだ収差係数や電位を変える多極子は、電位の僅かな変化に対して収差係数の変化が大きくなるような組み合わせを選んでいる。実際の補正において、画像から各種の収差係数またはこれらに対応するボケの量を正確に測定することが困難な場合には、上記の各電位変化ΔVに対して、画像のボケの方向が大きい方向に注目し、この方向の像のボケが最小になるように各Vを調整することを何度か繰り返せばよい。この操作によって、斜め6極子電位による収差補正を必要とするような系であっても、3次の開口収差をすべて0にできる。なお、ボケを観察ないし測定をするには、周知の如くフォーカスの位置を試料面から少しずらしたときの方が画面のボケの変化が見えやすくなるので、これを利用して行うとよい。
次に、独立に電位(または磁位)を可変して印加可能な電源(独立可変電源)以外の電源(非独立可変電源)について補足説明する。図4Aを用いた上記の説明では、使用しなかった残りの4段目の標準8極子と、2段目、3段目の斜め8極子の電位(磁位)は、図4Aに示すように、ゼロとした。しかし、ゼロの代わりに、一定の8極子場の電位(磁位)を供給するようにしてもよい。あるいは他の独立可変な8極子場と一定の割合で従属的に連動するように構成することもできる。この様にするメリットは、低次から高次までの収差の補正のために加算されて最終的に多極子に印加される電位(磁位)が過度の値にならないようにすることができる場合があるからである。例えば、1個の8極子電位(または磁位)が高くなり過ぎないように他の段と分担して電位(または磁位)を印加することができるからである。この意味では、ゼロでない一定の8極子場の電位(磁位)を供給したり、他の独立可変な8極子場と従属的に連動するのは、実用上しばしばメリットがある。また、この従属的な連動の変形として、独立な電源の数を前記の5個より増やしてもメリットがある場合がある。
また、電位(または磁位)を印加するのに相応しくない8極子の段もある(表7参照)。例えば、前記の斜め8極子の2段目、3段目の斜め多極子では、電位(または磁位)を大きく印加しても6極子成分によって発生した3次開口収差を補正出来る量が少ないため、完全な補正をこれらの段で行うと、高次収差が著しく増大してしまう。従って、特に電源の安定度やノイズが問題にならない場合には、電位(または磁位)の変化に対して収差係数の変化が大きい(感度の良い)段が選ばれる。上記で斜め多極子として1段目と4段目が用いられるのはこの理由による。
このようにして更に詳しく調べてみると、上記3個の電位を独立に供給すべき標準8極子のうち、2段目と3段目の2つが変化率が大きく重要であることがわかっている(表7参照)。そして、電位を独立に供給すべき3個目については、上記説明のとおりに1段目としてもよいが、4段目としても、あるいは1段目と4段目とを同じ電位としても実用上問題ないことが理論的・実験的に分かっている。上記の「1段目と4段目とを同じ電位とする」は、1段目を独立と考えれば、4段目は1段目に1対1の割合で従属させたと考えることができる。
この、独立な電源の数の選定と、1段目〜4段目の多極子1〜4の中でどの多極子を独立的に用いるかは、下記の4次開口収差の補正、5次開口収差の補正でも同様の考え方が適用できる。
次に、図4Bを参照して4次開口収差の補正について説明する。
4次開口収差の補正の場合、前記の通り独立なパラメータは6個まで減らすことができるから、4段の標準多極子と4段の斜め多極子との合計8個の多極子の内から6個を選択すればよい。前記の球面収差(3次開口収差)説明と同様に、選択の基準は多極子に与える電位あるいは磁位が変化したときにビームの位置に与える影響が大きな多極子を選ぶようにする。詳細は省くが、本願発明者の研究結果によると、図4Bに示すように、標準多極子は1段目と2段目と4段目、斜め多極子は、1段目と3段目と4段目を選ぶこととする。
前記の球面収差(3次開口収差)と同様に、先ず7が磁界型の対物レンズの場合について説明する。
補正前の10極子の補正電位について、1段目、2段目、4段目の多極子1,2,4に、極準10極子としての電位V,V,Vを与え、1段目、3段目、4段目の多極子1,3,4に、斜め10極子としての電位V,V,V与える。そして、この補正電位に対する試料面における補正前の収差係数について、X方向の位置に影響するα ,α α,α α ,αα ,α に比例する収差の係数をc,c,c,c,cとし、Y方向の位置に影響するα に比例する収差の係数をcとする。ここで、上記係数のうち、c,c,c,cは、Y方向の位置に影響するα ,α α,α α ,αα にもそれぞれ比例する。
次に、1段目、2段目、4段目の標準10極子の電位変化量をΔV,ΔV,ΔVとし、1段目、3段目、4段目の斜め10極子の電位変化量をΔV,ΔV,ΔVとする。
ここで、各ΔV(k=1〜6)の変化による収差係数c(j=1〜6)の変化は、標準多極子と斜め多極子とでは独立とはならず、互いに関係し合って、
Figure 2004265864

で与えられるので、収差係数cを0にするための変化量ΔVは、連立方程式
[ajk][ΔV]=[−c
を解いて求められる。この結果、補正電位はk=1〜6に対して
+ΔV
となる。このようにすれば、補正前の収差係数cは、収差補正装置10で発生させた収差係数−cで打ち消すことができる。
次に、前記球面収差(3次開口収差)と同様に、先ず対物レンズ7が静電型の場合について説明する。
先ず、補正前の10極子の補正電位について、1段目、2段目、4段目の多極子に、標準10極子としての電位V,V,Vを与え、1段目、3段目、4段目の多極子に、斜め10極子としての電位V,V,Vを与える。そして、この補正電位に対する試料面における補正前の収差係数について、X方向の位置に影響するα ,α α,α α ,αα ,α に比例する収差の係数をc,c,c,c,cとし、Y方向の位置に影響するα に比例する収差の係数をcとする。ここで、上記係数のうち、c,c,c,cは、Y方向の位置に影響するα ,α α,α α ,αα にもそれぞれ比例する。
次に、1段目、2段目、4段目の標準10極子の電位変化量をΔV,ΔV,ΔVとし、1段目、3段目、4段目の斜め10極子の電位変化量をΔV,ΔV,ΔVとする。
ここで、各ΔV(k=1〜6)の変化による収差係数c(j=1〜6)の変化は、標準多極子と斜め多極子とではそれぞれ独立して、
標準多極子(j,k=1〜3):
Figure 2004265864

斜め多極子(j,k=4〜6):
Figure 2004265864

で与えられるので、収差係数cjを0にするための変化量ΔVは、連立方程式
標準多極子(j,k=1〜3):[ajk][ΔV]=[−c
斜め多極子(j,k=4〜6):[ajk][ΔV]=[−c
を解いて求められる。この結果、補正電位はk=1〜6に対して
+ΔV
となる。このようにすれば、補正前の収差係数cは、収差補正装置10で発生させた収差係数−cで打ち消すことができる。
3次以下の開口収差が補正されている状態であれば、上記結果の収差補正電位を各多極子に設定すると、合計10個の4次の係数の内、計算に現れた6個の4次の開口収差係数c(j=1〜6)を0に打ち消すことができるだけでなく、他の計算には現れない4個の4次の開口収差係数も同時に実質的に0になることが確認できる。すなわち、4次開口収差補正に必要な独立な電位の数は、標準10極子で3個、斜め10極子で3個の合計6個で目的を達することが分かる。
上記で選んだ収差係数や電位を変える多極子は、電位の僅かな変化に対して収差係数の変化が大きくなるような組み合わせを選んでいる。特に標準10極子では2段目の多極子による変化率が大きく、斜め10極子では3段目の多極子による変化率が大きいので、少なくともこの2つを含めるようにするとよい。実際の補正において、画像から各種の収差係数またはこれらに対応するボケの量を正確に測定することが困難な場合には、上記の各電位変化ΔVに対して、画像のボケの変化が大きい方向に注目し、この方向の像のボケが最小になるように各Vを調整することを何度か繰り返せばよい。この操作によって、斜め6極子電位による収差補正を必要とするような系であっても、4次の開口収差をすべて0にできる。
次に、5次開口収差の補正について図4Cと図1を参照して説明する。
5次開口収差の補正の場合、前記の通り独立なパラメータは7個まで減らすことができるから、4段の標準多極子と4段の斜め多極子との合計8個の多極子の内から7個を選択すればよい。前記の球面収差(3次開口収差)説明と同様に、選択の基準は多極子に与える電位あるいは磁位が変化したときにビームの位置に与える影響が大きな多極子を選ぶようにする。詳細は省くが、本願発明者の研究結果によると、図4Cに示す様に、標準多極子は1〜4段全て、斜め多極子は、3段目を除く1段目と2段目と4段目を選ぶこととする。
先ず、対物レンズ7が磁界型の場合について説明する。
多極子として電位的には標準配列の12極子を用いる場合、斜め6極子成分がある系で5次の開口補正を行うためには、1段目と4段目も電場・磁場重畳型とし、1段目と4段目の多極子コイル用電源21,24が必要になる(図1参照)。
この補正を行うためには、補正前の12極子の補正電位について、1段目、2段目、3段目、4段目の多極子に、極準12極子としての電位V,V,V,Vを与え、1段目、2段目、4段目の多極子に、斜め12極子としての電位V,V,Vに相当する磁位を与える。そして、この補正電位に対する試料面における補正前の収差係数について、X方向の位置に影響するα ,α α,α α ,α α ,αα ,α に比例する収差の係数をc,c,c,c,c,cとし、Y方向の位置に影響するα に比例する収差の係数をcとする。ここで、上記係数のうち、c,c,c,c,cは、Y方向の位置に影響するα ,α α,α α ,α α ,αα にもそれぞれ比例する。
次に、1段目、2段目、3段目、4段目の標準12極子の電位変化量をΔV1,ΔV,ΔV,ΔVとし、1段目、2段目、4段目の斜め12極子の電位変化量ΔV,ΔV,ΔVに相当する磁位とする。
ここで、各ΔV(k=1〜7)の変化による収差係数c(j=1〜7)の変化は、標準多極子と斜め多極子とでは独立とはならず、互いに関係し合って、
Figure 2004265864

で与えられるので、収差係数cを0にするための変化量ΔVは、連立方程式
[ajk][ΔV]=[−c
を解いて求められる。この結果、補正電位はk=1〜7に対して
+ΔV
となる。このようにすれば、補正前の収差係数cは、収差補正装置10で発生させた収差係数−cで打ち消すことができる。なお、斜め12極子を実現する多極子1から4が12極子を越える場合には、前記の斜め12極子は、磁場型の磁位を利用せずに電位だけで実現可能である。
次に対物レンズ7が静電型の場合について説明する。
1段目、2段目、3段目、4段目の多極子に、極準12極子としての電位V,V,V,Vを与え、1段目、2段目、4段目の多極子に、斜め12極子としての電位V,V,Vに相当する磁位を与える。そして、この補正電位に対する試料面における現在の収差係数について、X方向の位置に影響するα ,α α,α α ,α α ,αα ,α に比例する収差の係数をc,c,c,c,c,cとし、Y方向の位置に影響するα に比例する収差の係数をcとする。ここで、上記係数のうち、c,c,c,c,cは、Y方向の位置に影響するα ,α α,α α ,α α ,αα にもそれぞれ比例する。
次に、1段目、2段目、3段目、4段目の標準12極子の電位変化量をΔV1,ΔV,ΔV,ΔVとし、1段目、2段目、4段目の斜め12極子の電位変化量ΔV,ΔV,ΔVに相当する磁位とする。
ここで、各ΔV(k=1〜7)の変化による収差係数c(j=1〜7)の変化は、標準多極子と斜め多極子とではそれぞれ独立して、
標準多極子(j,k=1〜4):
Figure 2004265864
斜め多極子(j,k=5〜7):
Figure 2004265864
で与えられるので、収差係数cを0にするための変化量ΔVkは、連立方程式
標準多極子(j,k=1〜3):[ajk][ΔV]=[−c
斜め多極子(j,k=5〜7):[ajk][ΔV]=[−c
を解いて求められる。この結果、補正電位はk=1〜7に対して
+ΔV
となる。このようにすれば、補正前の収差係数cは、収差補正装置10で発生させた収差係数−cで打ち消すことができる。
4次までの開口収差が補正されている状態であれば、上記結果の収差補正電位および磁位を各多極子に設定すると、合計12個の5次の係数の内、計算に現れた7個の5次の開口収差係数c(j=1〜7)を0に打ち消すことができるだけでなく、他の計算には現れない5個の5次の開口収差係数も同時に実質的に0になることが確認できる。すなわち、5次開口収差補正に必要な独立な電位および磁位の数は、標準12極子で4個、斜め12極子で3個の合計7個で目的を達することが分かる。
上記で選んだ収差係数や電位および磁位を変える多極子は、電位や磁位の僅かな変化に対して収差係数の変化が大きくなるような組み合わせを選んでいる。実際の補正において、画像から各種の収差係数またはこれらに対応するボケの量を正確に測定することが困難な場合には、上記の各電位および磁位の変化ΔVに対して、画像のボケの変化が大きい方向に注目し、この方向の像のボケが最小になるように各Vを調整することを何度か繰り返せば良い。この操作によって、斜め6極子電位による収差補正を必要とするような系であっても、5次の開口収差を全て0にできる。
図5は、第2の実施の形態を説明する図である。
前記の第1の実施の形態では、多極子として12極子を選び、この電極(または磁極)に印加する電位(または磁位)は、標準2n極子の電位(または磁位)と斜め2n極子の電位(または磁位)とをn=1〜6に対して増幅器A〜A12で加算して供給するように説明した。
しかし、これは考え方としてわかり易いようにしたためであり、図5に示すように、各増幅器A(i=1〜12)の入力に接続されるユニットは1個以上のアナログ・デジタル変換器(DAコンバータ)であり、各標準2n極子の電位(または磁位)と各斜め2n極子の電位(または磁位)を加算したものに対応する信号をこのDAコンバータから出力するようにして良い。また、このDAコンバータは粗調用と微調用に2つ以上に分けて構成しても良い。
次に、表3〜6を参照して、第3の実施の形態について説明する。
前記5次の開口収差の補正では、12極子として電位的に標準配列の12極子を用いた例について説明したが、斜め配列の12極子を用いても同様な効果が得られる。
この場合は、1段目、2段目、3段目、4段目の多極子に、標準12極子としてV,V,V,Vに相当する磁位を与え、1段目、2段目、4段目の多極子に、斜め12極子としての電位V,V,Vを与え,前記5次の開口収差補正と同様な方法で、5次の開口収差を補正出来る。
次に、第4の実施の形態について説明する。
前記の例では6極子成分の内、標準6極子成分と斜め6極子成分が同時に混在する場合を前提に説明してきた。しかし、実際の装置においては、6極子成分の内、斜め6極子成分がない場合もある得る。従って、もし斜め6極子成分がない場合には、球面収差(3次開口収差)補正における斜め8極子、4次開口収差補正における斜め10極子、5次開口収差補正における斜め12極子は不要になる。例えば、収差係数や収差量、あるいは像のボケ量などから計算によって補正電圧を求める場合、もし斜め多極子成分が明らかに存在しないと分かっていれば、連立方程式から斜め多極子の電位を求める式を除いても問題は無いし、式も単純になる。
次に、第5の実施の形態について説明する。
前記の磁場型12極子を用いた例では、12極子の各コイルに独立の電源を接続する例を示した。ところで、2次、3次および4次の開口収差補正と5次の開口収差補正の標準または斜め成分の何れか一方を静電型12極子で行う場合においては、残りの5次開口収差を補正する磁場型12極子について言えば、1段目と4段目の12極子では、磁場型12極子は12極子場発生専用として用いるようにして、12個のコイルは極性を考慮(隣り合った極性が逆転するように)してシリーズに接続し、1個の12極子に対し1個の12極子用電源で済ませることができる。また中央の2段目、3段目の磁場型12極子は、従来の色収差補正を行うための4極子場に、前記の標準(または斜め)12極子場を加えるだけなので、4極子場を発生させる専用のコイルと12極子専用のコイルとを別々に設けて、12極子専用のコイルは極性を考慮(隣り合った極性が逆転するように)してシリーズに接続し、1個の12極子に対し1個の12極子用電源で済ませることができる。実は、この様にすると、単に電源の数が少なくて済むというだけではなく、実験によれば、各電源の微妙な出力のずれに基づく無用な偏向場の発生が軽減できるメリットがある。
更に、以上の考え方を拡張すれば5次を超える開口収差の補正についても同様に行うことができるはずである。例えば、エネルギのより大きな荷電粒子ビームを用いた荷電粒子光学装置の場合には、5次を超える開口収差の補正による効果が期待できる可能性がある。
なお、本発明は、前記図1に示したような形態に限定されず、収差補正装置10と対物レンズ7との間に追加レンズを設ける場合や、収差補正装置10の前段に開き角制御レンズを用いる場合や、収差補正装置10と対物レンズ7の間にトランスファーレンズを設ける場合にも適用できる。
以上、本発明について具体的に述べたが、念のため本発明の骨子を要約すると次の如くである。
元来、2次の開口収差は、機械精度や組立て精度に依存して発生する。従って、従来は、そのような機械精度等を十分に高めることによって、2次の開口収差は無視できるものとしてきた。しかしながら、もし荷電粒子光学装置の収差を極限まで補正しようとすると、機械精度や組立て精度についても極限まで向上させなければならなくなるが、機械精度や組立て精度をどこまでも高めていくことは、技術的にも経済的にも困難である。従って、収差補正装置の性能を高度に発揮させようとすると、2次の開口収差は無視できないということになる。
2次の開口収差が無視できないとすると、当然、2次の開口収差が高次の収差にも影響を与えるから、高次の収差補正においてもそれを考慮しなくてはならない。そしてこのためには、4段の多極子の標準用多極子と斜め用多極子の合計8個の多極子をそれぞれ独立に制御して、収差の最適な補正条件を探し出してその条件に設定することが必要になる。
確かに、原理的にはそうであるが、独立に調整しなければならない因子の数が多いということは、装置の操作が大変に困難になることを意味する。更には、ある収差の補正に対して複数の解が出てしまうとか、実際に多極子に印加する電圧が異常に高い値になるとか、その高い電圧の印加に伴って新たな収差が発生するとかの不都合が起ったりする。そのような観点から、実用的には、独立な因子を適切に選択し、かつその数はできるだけ少ないことが望まれる。
本発明は、独立な因子の数を最小にすると共に合計8個の多極子のうちのどの多極子を独立に調整しなければならない因子として選択すべきかを提案している。すなわち、3次の開口収差(球面収差)の補正での独立な因子の数は5個、4次の開口収差の補正での独立な因子の数は6個、5次の開口収差の補正での独立な因子の数は7個として、それぞれ具体的に独立な因子としての多極子を選択している。そして、これら選択した多極子を用いて調整することによって、容易に収差が補正でき、収差補正装置を組み込んだ荷電粒子光学装置の操作上の実用性を高めることができる。
第1の実施の形態の荷電粒子光学装置を示す図である。 収差補正装置を組み込んだ走査電子顕微鏡を示す図である。 電源の構成を示す図である。 多極子による収差補正を説明する図である。 第2の実施の形態を説明する図である。 従来の荷電粒子光学装置を示す図である。 内半径aを持つ静電型および電場・磁場重畳型の12極子を示す図である。 12極子を用いて実現する多極子電位を示す図である。
符号の説明
1、2、3、4:多極子
7:対物レンズ
8:絞り
10:収差補正装置
20:試料面
PP:対物レンズ7の主面
LO:光軸
9:操作表示部
19:制御部
11〜14、17、21〜24:電源
31:電源部
32:供給部

Claims (15)

  1. 荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射する荷電粒子光学装置において、
    (1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された4段の多極子と、
    (2)前記4段の多極子のうち少なくとも3個の多極子には標準8極子の電位または磁位を独立に与え、少なくとも2個の多極子には斜め8極子の電位または磁位を独立に与える、5個以上の独立な8極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、
    (3)前記4段の多極子のうち少なくとも1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の標準または斜め8極子の電位または磁位を与える、1個以上の8極子電位または磁位を供給できる非独立可変電源と、
    (4)前記5個以上の独立可変電源の8極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、3次開口収差を補正する制御手段と、
    を有することを特徴とする荷電粒子光学装置。
  2. 前記独立な標準8極子の電位または磁位のうち少なくとも2個は中央の2段目と3段目の前記多極子に供給され、前記独立な斜め8極子の電位または磁位のうち少なくとも2個は1段目と4段目の前記多極子に供給されることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子光学装置。
  3. 前記4段の多極子のうち少なくとも3個の多極子には標準10極子の電位または磁位を独立に与え、少なくとも3個の多極子には斜め10極子の電位又は磁位を独立に与える、6個以上の独立な10極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、前記6個以上の独立可変電源の10極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、4次の開口収差を補正する制御手段を合わせ備えたことを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の荷電粒子光学装置。
  4. 前記4段の多極子の全てに標準12極子の電位または磁位を独立に与え、3個の多極子には斜め12極子の電位または磁位を独立に与える、7個の独立な12極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、前記7個の12極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段を合わせ備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の荷電粒子光学装置。
  5. 前記4段の多極子は12極子であって、かつ前記4段の12極子のうち少なくとも中央の2段が電場・磁場重畳型であって、
    前記4段の12極子に4個の独立な4極子電位を供給するとともに、前記電場・磁場重畳型の多極子に少なくとも2個以上の独立な4極子磁位を供給する独立可変電源と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の荷電粒子光学装置。
  6. 荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射する荷電粒子光学装置において、
    (1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された4段の多極子と、
    (2)前記4段の多極子のうち少なくとも3個の多極子には標準10極子の電位または磁位を独立に与え、少なくとも3個の多極子には斜め10極子の電位または磁位を独立に与える、6個以上の独立な10極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、
    (3)前記4段の多極子のうち少なくとも1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の標準または斜め10極子の電位または磁位を与える、1個以上の10極子電位または磁位を供給できる非独立可変電源と、
    (4)前記6個以上の独立可変電源の10極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、4次の開口収差を補正する制御手段と、
    を有することを特徴とする荷電粒子光学装置。
  7. 前記独立な標準10極子の電位または磁位のうち少なくとも1個は2段目の前記多極子に供給され、前記独立な斜め10極子の電位または磁位のうち少なくとも1個は3段目の前記多極子に供給されることを特徴とする請求項6に記載の荷電粒子光学装置。
  8. 前記独立な標準10極子の電位または磁位のうち少なくとも3個は1段目、2段目、4段目の前記多極子に供給され、前記独立な斜め10極子の電位または磁位のうち少なくとも3個は1段目、3段目、4段目の前記多極子に供給されることを特徴とする請求項6記載の荷電粒子光学装置。
  9. 前記4段の多極子の全てに標準12極子の電位または磁位を独立に与え、3個の多極子には斜め12極子の電位または磁位を独立に与える、7個の独立な12極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、前記7個の12極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段を合わせ備えたことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の荷電粒子光学装置。
  10. 前記4段の多極子は12極子であって、かつ前記4段の12極子のうち少なくとも中央の2段が電場・磁場重畳型であって、
    前記4段の12極子に4個の独立な4極子電位を供給するとともに、前記電場・磁場重畳型の多極子に少なくとも2個以上の独立な4極子磁位を供給する独立可変電源と、
    を有することを特徴とする請求項4乃至9の何れか1項に記載の荷電粒子光学装置。
  11. 荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射する荷電粒子光学装置において、
    (1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された4段の多極子と、
    (2)前記4段の多極子の全てに標準12極子の電位または磁位を独立に与え、3個の前記多極子には斜め12極子の電位または磁位を独立に与える、7個の独立な12極子電位または磁位を供給できる独立可変電源と、
    (3)前記4段の多極子のうち1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の斜め12極子の電位または磁位を与える、1個の12極子電位または磁位を供給できる非独立可変電源と、
    (4)前記7個の独立可変電源の12極子電位または磁位を互いに独立に調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段と、
    を有することを特徴とする荷電粒子光学装置。
  12. 前記独立な斜め12極子の電位または磁位は1段目、2段目、4段目の前記多極子に供給されることを特徴とする請求項11記載の荷電粒子光学装置。
  13. 前記4段の多極子は12極子であって、かつ前記4段の12極子のうち少なくとも中央の2段が電場・磁場重畳型であって、
    前記4段の12極子に4個の独立な4極子電位を供給するとともに、前記電場・磁場重畳型の多極子に少なくとも2個以上の独立な4極子磁位を供給する独立可変電源と、
    を有することを特徴とする請求項11および12の何れか1項に記載の荷電粒子光学装置。
  14. 試料に荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射する荷電粒子光学装置において、
    (1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された、電場・磁場重畳型の標準配列の12極子を用いた4段の多極子と、
    (2)前記4段の多極子の全てに標準12極子の電位を独立に与え、3個の多極子に斜め12極子の磁位を独立に与える独立可変電源と、
    (3)前記4段の多極子のうち1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の斜め12極子の磁位を与える、1個の12極子磁位を供給できる非独立可変電源と、
    (4)前記4個の独立な12極子電位および前記3個の独立な12極子磁位を調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段と、
    を有することを特徴とする荷電粒子光学装置。
  15. 荷電粒子ビームをフォーカスさせて試料に照射する荷電粒子光学装置において、
    (1)荷電粒子ビームの光軸に沿って配置された、電場・磁場重畳型の斜め配列の12極子場を用いた4段の多極子と、
    (2)前記4段の多極子の全てに標準12極子の磁位を独立に与え、3個の多極子に斜め12極子の電位を独立に与える独立可変電源と、
    (3)前記4段の多極子のうち1個の多極子には一定の値または前記独立可変電源のうちの何れかの値に従属させた値の斜め12極子の電位を与える、1個の12極子電位を供給できる非独立可変電源と、
    (4)前記4個の独立な12極子磁位および前記3個の独立な12極子電位を調整することにより、5次の開口収差を補正する制御手段と、
    を有することを特徴とする荷電粒子光学装置。
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