JP2007012544A - 収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 収差補正装置の操作性、耐圧、補正範囲などの問題を解決し、安定かつ最適な収差補正を行うことができる収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置を実現する。
【解決手段】 試料20に減速電圧VRを印加すると、試料20の表面付近にレンズが形成され、ビームは開き角を増す。従って、試料20の表面の位置を固定したまま(作動距離を一定に保ったまま)粒子プローブをフォーカスさせるためには、操作表示部9から対物レンズのレンズ強さを弱める(焦点距離を長くする)必要がある。このとき、実際には、減速電圧VRと共に対物レンズの収差係数も変化する。従って、物面側に換算した色収差係数CCO、球面収差係数CSO、も、減速電圧VRと共とに変化する。この結果、収差補正ユニットのフォーカス条件を一定に保っておくと、色収差および球面収差の補正条件を変更する必要がある。
【選択図】 図7

Description

本発明は、走査電子顕微鏡などの電子ビーム装置やイオンマイクロプローブなどのイオンビーム装置における色収差と球面収差を補正するための装置を備えた荷電粒子ビーム装置に関する。
走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡において、高分解能の像を観察したりプローブ電流密度を上げることを目的として、電子光学系の中に収差補正装置が組み込まれている。この収差補正装置として、色収差を静電型4極子と磁場型4極子の組合せで補正し、球面収差を4段の8極子で補正する方式が提案されている。その原理については、非特許文献1〜3に詳しく紹介されている。
ここで、上記した収差補正装置の原理の概略を、図1に基づいて説明する。図1において、対物レンズ7の前段に収差補正装置Cが配置されている。収差補正装置Cは、4段の静電型多極子1、2、3、4と、静電型多極子の2段目と3段目が作り出す電位分布と相似な磁位分布を作り出し、電界と重畳した磁界を形成する2段の磁場型4極子5、6と、4段の静電型4極子が形成する電界と重畳した電界を形成する4段の静電型8極子11,12,13,14とより構成されている。
次に、多極子1〜4の具体的な構成について、図2,図3を用いて説明する。静電型の場合には図2に示すように、12個の電極Un(n=1, 2, …, 12)に対して、独立に電圧を供給できる最終段電源An(n=1, 2, …, 12)が接続され、4極子場を作る場合には、理想的な4極子場に近い場が得られるように4極子電源10からの出力電圧が各最終段電源Anに供給される。最終段電源Anの出力電圧が4極子電源10の出力電圧に比例すると仮定すれば、4極子電源10の出力電圧の比は上記の非特許文献4に示された値になる。また、この4極子場に重ねて8極子場を作る場合には、理想的な8極子場に近い場が得られるように、8極子電源18からの出力電圧が前記4極子電源10の出力電圧と加算されて各最終段電源Anに供給される。以下同様の考え方で、1個の12極子で2n極子(n=1、2、…6)の多極子場を重ねた場が得られる。
次に磁場型の場合には図3に示すように、12個のマグネットWn(n=1, 2, …, 12)のコイルに対して、独立に励磁電流を供給できる最終段電源Bn(n=1, 2, …, 12)が接続され、磁場型4極子場を作る場合には、理想的な磁場型の4極子場に近い場が得られるように磁場型4極子電源15からの出力電圧が各電源Bnに供給される。最終段電源Bnの出力電流が磁場型4極子電源15の出力電圧に比例すると仮定すれば、この出力電圧の比は上記の非特許文献4に示されている励磁力の比になる。本発明では、磁場型の4極子場以外の多極子場の重畳は説明されていないが、最終段電源Bnの入力電圧に多極子場の電圧を加算することによって、静電型と同様に磁場型の多極子場の重畳が可能になる。なお、ここで、図3では各マグネットWnの外側を磁気的につなぐヨークは省略されている。
次に、静電型と磁場型を重ねる場合には、マグネットWnが電極Unを兼ねることができるように導電性の磁性体を用いれば良い。この場合、マグネットのコイルは電極とは電気的に絶縁して配置される。
以下の説明では、説明を簡単にするために、あたかも2n極子を互いに重ねたかのように記述しているが、実際には1つの12極子に対し複数の多極子場の重畳は上記のように電圧信号の加算によって行っている。
さて、X軸方向に基準となる電極がある構造と等価な機能を有する多極子は、通常、標準2n極子(n=1、2、…6)と呼ぶ。この標準2n極子を電極のピッチ角度の1/2(=2π/4n=π/2n[md]、あるいは、90/n[deg])だけ回転した構造と等価な機能を有する多極子は、斜め2n極子と呼ばれる。同様にして、磁場型の場合は、静電型の斜め2n極子の電極と等価な機能を有する多極子は標準2n極子、静電型の標準2n極子の電極を磁極とした構造と等価な機能を有する多極子は、斜め2n極子と呼ばれる。静電型と磁場型で、標準多極子(または斜め多極子)の電極と磁極の配置が異なるのは、これらの場によって荷電粒子が力を受ける方向を同じ直線上に選んでいるからである。なお、以下の説明で、これらの電極と磁極を特に区別する必要がない場合には、極子と呼ぶ場合がある。
次に、多極子の粒子線装置への取り付け状態を便宜的に区別するため、図2において、U1とU7の電位を印可する極子を結ぶ直線がX軸方向と一致する場合には、極子が標準配列の多極子(12極子)と呼ぶ。また、これらの極子と隣接する極子との中間を結ぶ直線がX軸方向と一致する場合には、極子が斜め配列の多極子(12極子)と呼ぶ。斜め配列の多極子であっても、極子への印加法を変えれば、標準多極子として用いることができる(非特許文献4を参照)。
次に、上記した多極子1〜4を用いた実際の動作を図1を用いて説明する。なお、標準2極子は、X方向の偏向装置、斜め2極子はY方向への偏向装置で、これらは軸合わせに用いられるが、その詳細については省略する。
まず、荷電粒子ビームのフォーカス調整(基準軌道の形成)について説明する。図1の構成において、図の左側から入射した荷電粒子ビームは、4段の静電型4極子1、2、3、4と対物レンズ7によって、基準となる荷電粒子ビームの軌道が作られ、試料面20に荷電粒子ビームがフォーカスされる。この図1では、粒子線のX方向の軌道RxとY方向の軌道Ryとを同じ平面上にまとめて模式的に描いている。
基準軌道とは、近軸軌道(収差が無いときの軌道と考えてよい)として、4極子1によってY方向の軌道Ryが4極子2の中心を通り、4極子2によってX方向の軌道Rxが4極子3の中心を通り、最後に4極子3、4と対物レンズ7によって荷電粒子ビームが試料面にフォーカスされる軌道をいう。実際には完全なフォーカスのために、これらの相互調整が必要になる。なお、このとき、前記の4段の2極子は軸合せのため用いられる。
更に詳細に図1を説明すると、X方向の軌道Rxの荷電粒子ビームは4極子1によって拡散(凹レンズと同様な作用)され、次いで4極子2によって集束(凸レンズと同様な作用)されて4極子3の中心を通るようになされ、4極子3の中心を通過した後、4極子4によって集束されて、対物レンズ7に向かう。一方、Y方向の軌道Ryの荷電粒子ビームは4極子1によって集束されて4極子2の中心を通るようになされ、4極子2の中心を通過した後、4極子3によって集束され、最後に4極子4によって拡散された後、対物レンズ7に向かう。このようにX方向の軌道Rxに作用する4極子1の拡散作用と、Y方向の軌道Ryに作用する4極子4の拡散作用とを合成することによって、一個の凹レンズの如くに働かせることができる。
次に、収差補正装置Cによる色収差補正について説明する。図1に示したような系で先ず色収差を補正するには、上記の基準軌道を変えないように静電型4極子2の電位φq2[V]と磁場型4極子5の励磁J2[AT](あるいは磁位)が調整され、レンズ系全体としてX方向の色収差が0に補正される。同様に基準軌道を変えないように静電型4極子3の電位φq3[V]と磁場型4極子6の励磁J3[AT]が調整され、レンズ系全体としてY方向の色収差が0に補正される。
次に、6極子を用いた2次の開口収差の補正について説明する。2次の開口収差は理想的には発生しないはずであるが、機械的な精度の限界によって、現実には収差補正装置に寄生して発生する。まず、2段目の多極子2の静電型6極子の電位φS2[V]によってレンズ系全体としてX方向の2次の開口収差を0に補正し、静電型8極子13の電位φS3[V]によってY方向の球面収差を0に補正する。その後、XYが合成された方向(例えば、X軸に対して30°方向、60°方向など)の2次の開口収差を1段目の多極子1と4段目の多極子4の各々の静電型多極子で0に補正する。
次に、球面収差補正(3次の開口収差補正)について説明する。球面収差を補正する場合には、X,Y方向の色収差の補正を行った後に、静電型8極子12の電位φO2[V]によってレンズ系全体としてX方向の球面収差を0に補正し、静電型8極子13の電位φO3[V]によってY方向の球面収差を0に補正する。その後、XYが合成された45°方向の球面型収差を、1段目の多極子1と4段目の多極子4の各々の静電型8極子で0に補正する。実際は交互の繰返し調整が必要になる。
次に、減速電圧の印加について説明する。まず、試料20に照射する荷電粒子プローブのエネルギーを小さくし、粒子による試料20のダメージを防ぎながら、プローブ径の増大を極力減らす目的で、試料面20に加速電圧VRを印加する方法が知られている。例えば、非特許文献5にその原理と応用について詳しく述べられている。これによれば、減速電圧を印加することによって、試料20の表面のごく近くにレンズ作用が形成され、全体として収差係数の著しく小さなレンズが実現できる。このとき、粒子ビームのフォーカスを試料面に合わせるため、対物レンズ7の焦点距離を少し長くする(対物レンズの強さを少し弱める)。このとき、像面側の収差係数は減少するが、物面側に換算した収差係数が変化しなければ、収差補正装置Cの補正条件を一定に保つことができる。
以下の説明で、静電型の多極子で電位φ(あるいは電圧)という表現を用いた場合には、図4(a)、(b)に示すような標準配列をした多極子の+側の値を表すものとする。同様に、磁場型の励磁Jという表現を用いた場合には、+側の励磁[AT]を表すものとする。
特開2003−203593公報 特開2004−103305公報 特開2004−363045公報 V. H. Rose, Optik 33, Heft 1, 1-24 (1971) J. Zach, Optik 83, No.1, 30-40 (1989) J. Zach and M. Haider, Nucl. Instr. and Meth. In Phys. Res.A 363, 316-325 (1995) M. Haider et al., Optik 63, No.1, 9-23 (1982) E. Munro, J. Vac.Sci. Technol. B6(6), Nov/Dec(1988)1971
前記した収差補正の理論や、実際に行われた実験に基づく結果では、収差補正系の優秀性が認められたが、実用化の観点からは、減速電圧の印加に伴う物面側に換算される収差係数の変化、収差補正電圧(電流)などの範囲、最適開き角の設定、操作性などに関しては、必ずしも十分な検証がなされていなかった。例えば、次に示すような問題点が生じている。
第1には、試料面に減速電圧を印加したとき、フォーカス調整のために対物レンズの強さを変更しても、理想的にはこの変更による像面側(試料面側)または物面側に換算した収差係数の変化はないはずであるが、実際には必ずしも変化がないわけではなく、収差補正量の再調整が必要であった。この再調整は、収差補正装置の操作性を著しく低下させるものである。
第2には、特に、減速電圧の変化の度合いが大きい場合、収差補正電圧(または電流)が極端に変化し、補正電圧として適正な範囲に入らない場合があった。
第3には、試料面に減速電圧を印加すると、試料面に入射する粒子プローブの開き角は増大するが、一方、試料面側で収差補正後に残る高次の収差係数も減少するため、この開き角の変化の方向は、最適開き角が維持される方向に変化している。しかし、必ずしも理想的にプローブ径を最小にするような開き角になるとは限らないため、最小プローブ径を得るためには、開き角の再調整が必要であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、収差補正装置の操作性、耐圧、補正範囲などの問題を解決し、安定かつ最適な収差補正を行うことができる収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置を実現するにある。
請求項1に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および作動距離に応じて、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成したことを特徴としている。
請求項2に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および対物レンズのレンズ強度に応じて、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成したことを特徴としている。
請求項3に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報に応じて、収差補正装置と対物レンズの間の合成倍率を調整し、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成したことを特徴としている。
請求項4に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項3の発明において、試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報は、対物レンズと試料面との間の作動距離であることを特徴としている。
請求項5に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項3の発明において、試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報は、対物レンズと試料面との間の作動距離に応じて自動的に変化する対物レンズのレンズ強度であることを特徴としている。
請求項6に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項3〜5の発明において、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の一方は一定の値に保たれていることを特徴としている。
請求項7に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項1〜6の発明において、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報に応じて、収差補正装置の前段に配置された開き角制御レンズのレンズ強度も併せて再設定するように構成したことを特徴としている。
請求項1に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および作動距離に応じて、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成したことを特徴としている。この結果、減速電圧を任意に与えても、常に収差が補正された状態を維持できるようになり、与えられた条件下で常に最良の分解能が得られるようになった。
請求項2に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および対物レンズのレンズ強度に応じて、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成しことを特徴としている。この結果、減速電圧を任意に与えても、フォーカス調整を行うだけで常に収差が補正された状態を維持できるようになり、与えられた条件下で常に最良の分解能が得られるようになった。
請求項3に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報に応じて、収差補正装置と対物レンズの間の合成倍率を調整し、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成したことを特徴としている。この結果、減速電圧を任意に与えても、収差補正ユニットの動作に必要な電圧および電流を、許容範囲内に入れることが可能になった。
請求項4に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項3の発明において、試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報は、対物レンズと試料面との間の作動距離であることを特徴としている。この結果、減速電圧を任意に与えても、常に収差が補正された状態を維持できるようになり、与えられた条件下で常に最良の分解能が得られるようになった。
請求項5に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項3の発明において、試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報は、対物レンズと試料面との間の作動距離に応じて自動的に変化する対物レンズのレンズ強度であることを特徴としている。この結果、減速電圧を任意に与えても、フォーカス調整を行うだけで常に収差が補正された状態を維持できるようになり、与えられた条件下で常に最良の分解能が得られるようになった。
請求項6に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項3〜5の発明において、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の一方は一定の値に保たれていることを特徴としている。この結果、減速電圧を任意に与えても、収差補正ユニットの動作に必要な電圧または電流の目標値が定まり、収差補正の操作性が向上した。このことにより、収差補正に必要な電圧およびで電流の範囲が制限されるため、収差補正を自動的に実施するプログラムなどにおいて、収差補正の適正値を探査する時間が著しく短縮された。
請求項7に基づく収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置は、請求項1〜6の発明において、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報に応じて、収差補正装置の前段に配置された開き角制御レンズのレンズ強度も併せて再設定するように構成したことを特徴としている。減速電圧を任意に与えても、プローブ径を最小にする開き角や、与えられた観察倍率に対し、焦点深度とを最大にする開き角を設定できるようになり、性能および操作性が向上した。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図5は本発明の基本構成を示しており、図6は収差補正装置が設けられる走査電子ビーム装置の一例を示しており、図7は本発明の動作原理を示す図、図8は試料に減速電圧を印加する効果を示す図である。荷電粒子ビームの一部をプローブとして試料に照射する装置において、色収差を補正するために、従来と同様に,収差補正装置として動作する4段の静電型多極子1、2、3、4が設けられている。4段の静電型多極子の内,中央の2段の多極子は,静電型多極子2、3の電位分布と相似な磁位分布を重畳させることが可能な磁場型の多極子としての機能を有するように構成されている。
収差補正装置として動作する4段の静電型多極子1、2、3、4の出力側には,対物レンズ7が配置され,対物レンズ7の後段には試料面20が配置される。また,収差補正装置として動作する4段の静電型多極子1、2、3、4の入力側の光路の一部には対物絞り8が設けられている。
上記した電子光学系の構成要素の他に,加速電圧や作動距離を変更する操作表示部9と、1段目の多極子の電極に電圧を供給する電源11,2段目の多極子の電極に電圧を供給する電源12,3段目の多極子の電極に電圧を供給する電源13,4段目の多極子の電極に電圧を供給する電源14が設けられている。また、2段目,3段目の多極子2,3の磁極のコイルに電流を供給するための励磁用電源22,23とが設けられている。更に、試料20に減速電圧を印加するための電源30が設けられている。
更に,対物レンズ7の励磁電源17と,操作表示部9の操作または設定に基づいて,前記電圧電源11〜14,励磁電源22,23,17、減速電圧電源30を制御する制御部19が備えられている。
上記図5に示した装置において、電源11〜14は、4段の多極子1〜4を静電型の2極子,静電型の4極子,静電型の6極子,静電型の8極子として動作させることができるように構成されている。前記した静電型の2極子,4極子,6極子として用いる電源11〜14は,多極子1〜4を標準用と斜め用の2極子,多極子1〜4を標準用と斜め用の4極子,多極子1〜4を標準用と斜め用の6極子として用いる機能を有している。
なお、対物レンズ7は、対物レンズ7が磁場型の場合は電源17から供給される電流を変えることによって、対物レンズ7が静電型の場合は電源17から供給される電圧を変えることによって、あるいは対物レンズ7が電場・磁場重畳型の場合は電源17から供給される電流および電圧を調節することによって、レンズの強度が調節される。更に、荷電粒子が高速のイオンの場合には、荷電粒子の質量に関係なく同じ屈折力が得られる静電型の対物レンズ7が用いられる。以下において、上記4段の多極子1、2、3、4と、これに各電源を含めたものを収差補正装置Cと呼ぶことにする。
このような収差補正装置Cは、例えば図6に示す如く、走査電子顕微鏡などに組み込まれる。100は内部が真空雰囲気にされた鏡筒である。鏡筒100内には、電子ビームを発生し、加速電圧によって電子にエネルギーを与える電子銃101、電子銃101で発生した電子ビームを集束し、かつ電子ビーム電流を適当な値に制限するためのコンデンサレンズ102と対物絞り103、収差補正装置C、電子ビームを二次元的に偏向して走査するための偏向器104、電子ビームをフォーカスして試料106に照射する対物レンズ107、試料106を載置して所望の場所で電子ビーム照射・走査されるように試料106を任意に駆動できる試料ステージ107、電子ビームの照射・走査に伴って試料106から発生する二次電子などの信号を検出する検出器108等が備えられている。なお、電子銃101から対物レンズ107までを電子ビームの光学系と呼ぶことがある。
上記した構成による動作の説明を次に行う。与えられた加速電圧Va、作動距離WDに対して、減速電圧VR=0の時に、これらの値を走査表示部9で指定すると、前記の従来例で述べたように、粒子プローブの試料20の表面へのフォーカス条件、色収差補正条件、球面収差補正条件を満たすように、制御部19は電源11〜14,17,22,23,30の出力を設定して、多極子1〜4と対物レンズ7を制御する。すなわち、制御部19はフォーカス条件を満たすように、電源17の出力を設定して、対物レンズ7を制御する。
また、制御部19は収差補正ユニットの1段目から4段目の多極子1〜4に対して、近軸軌道のフォーカス電圧〔V〕
φqf、1、φqf、2、φqf、3、φqf、4
と、色収差補正電圧〔V〕
0, φqc、2、 φqc、3、 0
が各々加算され、静電型4極子成分として、
φqn=φqfn+φqcn 〔V〕 (n=1〜4)
が印加されるように電源11〜14を制御する。また、制御部19は収差補正ユニットの第2および第3の多極子2および3に対して、色収差補正のための励磁〔AT=コイルの励磁電流とコイル巻数の積〕
c、2、 Jc、3
が磁場型4極子成分として与えられるように、電源22,23を制御する。
ここで、通常、各コイル巻数は一定なので、コイルの励磁電流を調整する。また、完全なフォーカス条件と色収差補正条件が、所定の補正電圧と電流の範囲内で達成されるように、電源11〜14,17,22,23は繰り返し調整されることがある。
次に、制御部19は球面収差補正のために、補正ユニットの1段目から4段目の多極子には、球面収差補正電圧が、静電型8極子成分として、
φO1、φO2、φO3、φO4
で与えられるように、電源11〜14を制御する。これらの制御によって、減速電圧VR=0の場合に、色収差および球面収差が補正される。
次に、操作表示部9で減速電圧VR(<0)を印加する操作を行うと、制御部19は減速電圧を与える電源30を制御して、減速電圧VRを発生させる。これによって試料に入射する粒子プローブの加速電圧VRは、
SP =Va+VR (<Va
となる。以降の説明では、「減速電圧を印加する操作」などと表現するが、グラフなどの図では、試料に入射する粒子の実際のエネルギーに対応する値がわかりやすいように、VSPで表す。
さて、収差補正を行わない場合のレンズ系全体としての試料面における色収差係数をCCi、球面収差係数をCSiとする。これを物面側に換算したときの色収差係数をCCO、球面収差係数をCSOとすると、レンズ系の倍率Mに対して、相対論補正を無視すれば、
Figure 2007012544
となる。理想的には減速電圧を印加しても、これらの物面における収差係数CCOやCSOが変化しなければ、収差補正ユニットにおける補正電圧や電流は変化しないはずである。
ところで、減速電圧VRを印加すると、試料20の表面付近にレンズが形成され、ビームは開き角を増す。従って、試料20の表面の位置を固定したまま(作動距離を一定に保ったまま)粒子プローブをフォーカスさせるためには、操作表示部9から対物レンズのレンズ強さを図7に示すように弱める(焦点距離を長くする)必要がある。このとき、実際には、減速電圧VRと共に対物レンズの収差係数も変化する。従って、物面側に換算した色収差係数CCO、球面収差係数CSO、も、減速電圧VRと共に変化する。この結果、図8に示すように、収差補正ユニットのフォーカス条件を一定に保っておくと、色収差および球面収差の補正条件を変更する必要がある。減速電圧VRを印加する前に計算上の補正電圧が印加するようになっていたとすれば、減速電圧VRを印加したときは、この図のような関係式に従って、色収差補正φqc、2およびφqc、3、色収差補正励磁Jc、2、およびJc、3、球面収差補正電圧φOn(n=1〜4)が印加されるように、制御部19が電源11〜14,22,23を制御すればよい。
このような関係式を各加速電圧Vaと作動距離WDに対して持つことにより、減速電圧VRを任意に印加しても、操作表示部9で対物レンズ7によるフォーカス調整の操作をすれば、適正な色収差補正電圧、色収差補正電流、球面収差補正電圧が、各多極子1〜4に印加できる。なお、操作表示部9で減速電圧VRを調整したとき、減速電圧の電源30と対物レンズ7の電源17が連動して働き、フォーカスずれがないように構成することもできる。
前記した実施の形態では、加速電圧Va、作動距離WDおよび減速電圧VRを指定するよううに構成したが、作動距離WDは、対物レンズ7の物体距離と像距離の関係から、対物レンズ7の焦点距離(あるいは対物レンズのレンズ強さ)にも換算できるので、対物レンズの強さを指定するように構成することもできる。すなわち、加速電圧Va、減速電圧VRを指定し、残りはフォーカス調整を行うだけで、収差が補正された状態を維持することが可能なように構成することができる。
前記した例では、対物レンズ7と収差補正ユニットCの合成倍率を変化させない系について説明したが、減速電圧VRの範囲が広ければ、収差補正電圧(または電流)の範囲が許容範囲を超えてしまう可能性がある。従って、このような場合には、減速電圧VRの変化に対して、対物レンズ7と収差補正ユニットCの合成倍率を変更して、収差補正電圧または電流の範囲が、許容範囲内に入るようにするのが望ましい。このような制御が可能なことは、先願の発明特開2003−205393から導くことができる。なお、合成倍率MRを変更することは、前記した実施の形態の倍率Mの一部を変更することに対応している。
図9には、対物レンズ7と収差補正ユニットCの合成倍率MRを大きく設定する実施の形態が示されている。なお、図には示していないが、対物レンズ7と収差補正ユニットCの間に追加レンズを配置し、追加レンズと対物レンズ7の合成倍率を調整するようにしても良い。
次に説明する実施の形態では、減速電圧VRの変化に対して、対物レンズ7と収差補正ユニットCの間のいずれかの光学要素の調整によって、合成倍率MRを調整する場合、装置を扱う人が最も分かりやすいように、色収差補正電流
c、2、Jc、3
のいずれかを一定に保つか(特開2003−203593公報参照)、あるいは色収差補正電圧
φqc、2、φqc、3
のいずれかを一定に保つか(特開2004−103305公報参照)、あるいは球面収差補正電圧
φO1、φO2、φO3、φO4
のいずれかを一定に保つような制御(特開2004−363045号公報参照)が望ましい。このような制御が原理的に可能なことは、ここでは詳しく述べないが、前述したこれらの先願の発明から導くことができる。
次に、他の実施の形態について、図10と図11を用いて説明する。試料20に減速電圧VRを印加すれば、試料20の表面の近くにレンズの主面が形成されるため、ビームが同じ半径で対物レンズに入射しても、最初の実施の形態で述べたように、試料20に入射するプローブの開き角αは増大する。また、3番目の実施の形態で述べたように、減速電圧VRの調整に対して、対物レンズ7と収差補正ユニットCの合成倍率MRを調整すると、試料面20に入射するプローブの開き角が変化する。従って、減速電圧と連動して、収差補正電圧または電流の変化を小さくして、開き角αが調整できるように、開き角制御レンズ31とこれを駆動する開き角制御レンズ用の電源32を用いることが望ましい(図10参照)。
物面側のビームの開き角をαO、像面側(試料面)のビームの開き角をαとするとき、両者の角度倍率には、次の関係がある。
Figure 2007012544
従って、色収差および球面収差を補正した後に残る高次の収差係数が、減速電圧と共にどのように変化するかを調べておき、これに対してプローブ径dpが最小になるように、最適開き角α=αoptを設定するとか、焦点深度Lを最大にするような開き角α=αLを設定するのが望ましい。以下この点を説明する。
図11には、例としてVSP=Vaを基準としたときの上記の関係式における開き角の変化、
1=α(VSP)/α(Va)
と、色収差係数Ccと球面収差係数Csが0に補正された後に残る高次の収差係数によるプローブ径dpに対し、これが最小となるような開き角αoptの変化
2=αopt(VSP)/αopt(Va)
が示されている。図からわかるように、両者は一致していない。すなわち、減速電圧を印加する前の状態で開き角が最適開き角であったとすると、
α(Va)=αopt(Va)
であるが、VSP=Va以外では、α=αopt(VSP)の関係が成立しなくなることを意味している。従って、操作表示部9で、加速電圧Va、作動距離WD、減速電圧VRを設定したとき、この条件下でプローブ径dpを最小にするため、制御部19は開き角制御レンズ31によって開き角αがαoptに一致するように(R1がR2に一致するように)、開き角制御レンズの電源32を制御する。なお、減速電圧VRを設定したとき、焦点深度Lを最大にするような制御についても同様に考えることができる。
上記した各実施の形態では、色収差や球面収差(3次の開口収差)を補正する粒子光学系について説明したが、更に高次の収差補正(例えば、5次開口収差補正や7次の開口収差補正)においても、操作表示部9で加速電圧Va、作動距離WD、減速電圧VRを設定したとき、補正できなかった残りの収差係数等によるプローブ径に対して、開き角を適切に調整して、プローブ径を最小にする開き角や、焦点深度Lを最大にする開き角を設定するように構成することができる。
収差補正装置の原理の概略を説明するための図である。 静電型12極子を12以下の静電型多極子として用いる方法を示す図である。 磁場型12極子を12以下の磁場型多極子として用いる方法を示す図である。 静電型多極子の標準配列を示す図である。 本発明の基本構成を示す図である。 収差補正装置Cが組み込まれた走査電子顕微鏡の例を説明する図である。 本発明の動作原理を説明するための図である。 試料に減速電圧を印加したときの効果を示す図である。 対物レンズ7と収差補正ユニットCの合成倍率MRを大きく設定する実施の形態を示す図である。 減速電圧の印加に伴う粒子プローブの開き角を制御する実施の形態を示す図である。 減速電圧を印加した場合の粒子プローブの開き角の変化を示す図である。
符号の説明
C 収差補正装置
1,2,3,4 静電型4極子
7 対物レンズ
8 対物絞り
9 操作表示部
11,12,13,14,17,22,23 電源
19 制御部
20 試料面
30 減速電圧電源

Claims (7)

  1. 4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および作動距離に応じて、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
  2. 4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および対物レンズのレンズ強度に応じて、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
  3. 4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、試料に減速電圧を印加するための手段と、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を有した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置において、試料の減速電圧を変更して、試料に入射する粒子プローブの粒子の運動エネルギーを変更したとき、粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報に応じて、収差補正装置と対物レンズの間の合成倍率を調整し、色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の少なくとも一方を再設定するように構成した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
  4. 試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報は、対物レンズと試料面との間の作動距離である請求項3記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
  5. 試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報は、対物レンズと試料面との間の作動距離に応じて自動的に変化する対物レンズのレンズ強度である請求項3記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
  6. 色収差補正電圧(または色収差補正電流)、もしくは、球面収差補正電圧(または補正電流)の一方は一定の値に保たれている請求項3〜5の何れかに記載の収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
  7. 粒子プローブの加速電圧、試料に印加される減速電圧および試料に照射される粒子プローブのフォーカスに関連した情報に応じて、収差補正装置の前段に配置された開き角制御レンズのレンズ強度も併せて再設定するように構成した収差補正装置を備えた荷電粒子ビーム装置。
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