JP3950769B2 - 荷電粒子ビーム装置における収差補正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査電子顕微鏡などの電子ビーム装置やイオンマイクロプローブなどのイオンビーム装置における色収差と球面収差を補正するための荷電粒子ビーム装置における収差補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡において、高分解能の像を観察したりプローブ電流密度を上げることを目的として、電子光学系の中に収差補正装置が組み込まれている。この収差補正装置として、色収差を静電型4極子と磁場型4極子の組合せで補正し、球面収差を4段の8極子で補正する(原理)方式が提案されている(非特許文献1〜3参照)。
【0003】
ここで、上記した収差補正装置の原理の概略を、図1に基づいて説明する。図1において、対物レンズ7の前段に収差補正装置Cが配置されている。収差補正装置Cは、4段の静電型4極子1、2、3、4と、静電型4極子の2段目と3段目が作り出す電位分布と相似な磁位分布を作り出し、電界と重畳した磁界を形成する2段の磁場型4極子5、6と、4段の静電型4極子が形成する電界と重畳した電界を形成する4段の静電型8極子11,12,13,14とより構成されている。
【0004】
なお、実際の装置では、これら4極子や8極子の電界に、更に4段の2極子(軸合せ用の偏向装置として動作する)と4段の6極子(2次の開口収差補正用として働く)が重畳するように成されているが、本発明とは直接関係は小さいので、詳しくは説明しない。
【0005】
このような構成において、図の左側から入射した荷電粒子ビームは、4段の静電型4極子1、2、3、4と対物レンズ7によって、基準となる荷電粒子ビームの軌道が作られ、試料面20に荷電粒子ビームがフォーカスされる。この図1では、粒子線のX方向の軌道RxとY方向の軌道Ryを平面上に模式的に描いている。
【0006】
基準軌道とは、近軸軌道(収差が無いときの軌道と考えてよい)として、4極子1によってY方向の軌道Ryが4極子2の中心を通り、4極子2によってX方向の軌道Rxが4極子3の中心を通り、最後に4極子3、4と対物レンズ7によって荷電粒子ビームが試料面20にフォーカスされる軌道をいう。実際には完全なフォーカスのために、これらの相互調整が必要になる。
【0007】
なお、このとき、前記の4段の2極子は軸合わせのため用いられる。
【0008】
次に、収差補正装置Cによる色収差補正について説明する。図1に示したような系で先ず色収差を補正するには、上記の基準軌道を変えないように静電型4極子2の電位φq2[V]と磁場型4極子5の励磁J2[AT](あるいは磁位)が調整され、レンズ系全体としてX方向の色収差が0に補正される。同様に基準軌道を変えないように静電型4極子3の電位φq3[V]と磁場型4極子6の励磁J3[AT]が調整され、レンズ系全体としてY方向の色収差が0に補正される。
【0009】
次に、球面収差補正(3次の開口収差補正)について説明する。球面収差を補正する場合には、X,Y方向の色収差の補正を行った後に、静電型8極子12の電位φO2[V]によってレンズ系全体としてX方向の球面収差を0に補正し、静電型8極子13の電位φO3によってY方向の球面収差を0に補正する。
【0010】
次に、XYが合成された方向の球面型収差を静電型8極子11、14で0に補正する。実際は交互の繰返し調整が必要になる。なお、4極子や8極子の電位や励磁の重畳は、1個の12極子を用いて、12極の各極子に印加する電位や励磁を変化させ2極子、4極子、6極子、8極子などの合成が行われ、実用化されている。
【0011】
ところで、色収差補正が終わった後、球面収差補正を行う前に、4段の6極子による2次の開口収差を補正する必要が生じる場合がある。その補正法は、前記の球面収差の補正法と同様の手順で行う。この2次の開口収差は収差補正装置の機械的精度に依存して発生するものであるが、通常は補正量も小さく本発明における範囲では高次収差への影響も小さい。また、この2次の開口収差は収差補正装置内部で補正されるものであり、本発明において重要であるところの「収差補正装置と対物レンズとによる合成倍率(後述する)」を変化させても、それによる影響を受けにくい。よって、本発明では2次の開口収差は収差補正に関しては説明を省く。
【0012】
以下の説明で、静電型の多極子で電位φ(あるいは電圧)という表現を用いた場合には、図2a、2bに示すような標準配列をした多極子の+側の値を表すものとする。同様に、磁場型の励磁Jという表現を用いた場合には、+側の励磁[AT]を表すものとする。
【0013】
次に、加速電圧を変更したときの収差補正装置Cの従来の標準的な調整方法について説明する。従来の標準的な考え方に従えば、加速電圧Vaを変更しても、基準軌道は変更しないようにする方法がある。この場合には、第1に4段の静電型4極子1〜4のフォーカス電位φqf1〜φqf4を加速電圧Vaに比例させる。
【0014】
第2に、2段目と3段目の静電型4極子3,4の色収差補正電位φqc2とφqc3を加速電圧Vaに比例させる。第3に、2段目と3段目の磁場型4極子5,6の色収差補正励磁J2とJ3を加速電圧Vaの平方根に比例させる。なお、この場合、相対論効果が無視できる範囲で比例させる。
【0015】
このような調整によって、2段目と3段目の静電型4極子3,4の電位は次のようになる。
【0016】
φqf2+φqc2、φqf3+φqc3
となる。これによって、加速電圧が変化しても、粒子光学系の幾何光学的な性質(焦点距離、基準軌道、収差係数など)は一定に保たれる。
【0017】
【非特許文献1】
V. H. Rose, Optik 33, Heft1, 1 (1971)
【非特許文献2】
J. Zach, Optik 83, No1, 30 (1989)
【非特許文献3】
J. Zach and M. Haider, Nucl. Instr. and Meth. In Pyhs. Res. A 363, 316 (1995)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
前記した収差補正の理論や、実際に行われた実験に基づく結果では、色収差と球面収差がほぼ完全に補正され、前記収差補正系の優秀性が認められたが、実用化の観点からは、収差補正系の安定度や印加電圧の範囲、さらには最適条件等に関しては、十分な配慮がなされていなかった。例えば、次に示すような問題点が生じている。
【0019】
第1に、従来例のように加速電圧に比例した収差補正電位を用いる場合には、加速電圧が低い値に設定された場合、収差補正装置で用いる電圧または電流のノイズ成分の影響が大きくなる。
【0020】
第2に、従来例のように加速電圧に比例した収差補正電位を用いる場合には、低加速電圧で大きな補正電位を用いるようにすると、高加速電圧側で収差補正装置の耐圧電圧が問題になる。
【0021】
第3に、従来例のように加速電圧に比例した収差補正電位を用いる場合には、低加速電圧でノイズ成分の影響を受けないようにするには、電源の電圧または電流のノイズ成分の量を比現実的な値まで減らす必要があり、これを実現しようとすれば、装置は高価なものになってしまう。
【0022】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、ノイズの問題を解決し、長時間に渡って安定なそして最適な収差補正を行うことができる荷電粒子ビーム装置の収差補正装置を実現するにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧を変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位を加速電圧の1未満の冪乗に比例させて、色収差または色収差と球面収差とを補正可能にしたことを特徴としている。
【0024】
請求項1記載の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、加速電圧を変更したとき、前記4段の静電型4極子のうちの中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位を加速電圧の1未満の冪乗に比例させることにより、色収差または色収差と球面収差を補正することが可能になる。
【0025】
また、請求項2の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位または該色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位が一定となるように制御するようにしたことを特徴としている。
【0026】
請求項3記載の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値、または前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値が一定となるように制御するようにしたことを特徴としている。
【0027】
また、請求項4の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値を、前記中央の2段の静電型4極子、8極子各々の耐圧電圧または電源電圧の上限付近で用いることを特徴としている。
【0028】
また、請求項5の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、加速電圧を変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位を加速電圧の1未満の冪乗に比例させて、色収差または色収差と球面収差とを補正可能にしたことを特徴としている。
【0029】
また、請求項6記載の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位または該色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位が一定となるように制御するようにしたことを特徴としている。
【0030】
また、請求項7の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値または前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値が一定となるように制御するようにしたことを特徴としている。
【0031】
また、請求項8の発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値を、前記中央の2段の静電型4極子、8極子各々の耐圧電圧または電源電圧の上限付近で用いることを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図3は本発明の基本構成を示しており、荷電粒子ビームの一部をプローブとして試料に照射する装置において、色収差を補正するために、4段の静電型4極子1、2、3、4と中央の2段の静電型4極子2、3の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子5、6と、対物レンズ7と、光路の一部に設けられた対物絞り8と、加速電圧や作動距離を変更する操作表示部9と、4段の静電4極子1〜4に電圧を供給する電源10と、2段の磁場型4極子5、6を励磁する電源15と、対物レンズの電源17と、操作表示部9の操作または設定に基づいて前記電源10、15を制御する制御部19が備えられている。
【0033】
なお、対物レンズ7は、対物レンズ7が磁場型の場合は電源17から供給される電流を変えることによって、対物レンズ7が静電型の場合は電源17から供給される電圧を変えることによって、あるいは対物レンズ7が電場・磁場重畳型の場合は電源17から供給される電流および電圧を調節することによって、レンズの強度が調節される。更に、荷電粒子が高速のイオンの場合には、荷電粒子の質量に関係なく同じ屈折力が得られる静電型の対物レンズ7が用いられる。
【0034】
また、球面収差を補正するために、前記した各構成要素に加えて4段の静電型4極子1、2、3、4の電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子11、12、13、14と、4段の静電型8極子に電圧を供給する電源18と、操作表示部9の操作または設定に基づいて前記電源18を制御する制御部19が備えられている。
【0035】
以下において、上記4段の静電型4極子1、2、3、4と2段の磁場型4極子5、6と、これに各電源10、15を含めたもの、あるいはこれらに更に4段の静電型8極子11、12、13、14と電源18を含めたものを収差補正装置Cと呼ぶことにする。
【0036】
このような収差補正装置Cは、例えば図8に示す如くに走査電子顕微鏡などに組み込まれる。100は内部が真空雰囲気にされた鏡筒である。鏡筒100内には、電子ビームを発生し、加速電圧によって電子にエネルギーを与える電子銃101、電子銃101で発生した電子ビームを集束し、かつ電子ビーム電流を適当な値に制限するためのコンデンサレンズ102と対物絞り103、収差補正装置C、電子ビームを二次元的に偏向して走査するための偏向器104、電子ビームをフォーカスして試料106に照射する対物レンズ105、試料106を載置して所望の場所で電子ビーム照射・走査されるように試料106を任意に駆動できる試料ステージ107、電子ビームの照射・走査に伴って試料106から発生する二次電子などの信号を検出する検出器108等が備えられている。なお、電子銃101から対物レンズ105までを電子ビームの光学系と呼ぶことがある。更に、試料106近傍で電子ビーム減速させるために試料106に減速電位を印加した場合には、電子銃101から試料106までが電子ビームの光学系となる。
【0037】
本発明の第1の特徴は、操作表示部9で加速電圧や作動距離を変更した場合、より安定な収差補正の動作を行うために、制御部19が以下のような処理を行うことにある。
【0038】
これからの説明を簡単化するために、以下の説明では、基準軌道のX方向を例にとって動作原理を説明するが、Y方向も全く同様に動作する。収差補正装置Cにおいて静電型4極子の色収差補正電位φqc2、φqc3及び磁場型4極子の色収差補正励磁J2、J3が一定でも、第4段目の静電型4極子4と対物レンズ7とによる合成倍率M4MOLを変化させ、収差補正装置で発生した負の収差係数を調整し、粒子光学系の全体の色収差係数を試料面において実質的に0にすることができる。
【0039】
この方法については、先願である特願2001−328776号明細書中に詳細に記載されている。本発明の原理を説明するためにこの内容を要約すると、第3段目の静電型4極子3と磁場型4極子6の中央に作られる収差補正のための色収差係数Coxは、後段の光学系の収差の影響がなければ試料面20では
Cox・(M4MOL)2
という色収差係数になる。
【0040】
従って、色収差補正を行う前の粒子光学系全体によって試料面に形成される色収差係数をCxとすると、
Cx+Cox・(M4MOL)2=0
となるように、M4MOLを調整すれば良い。前記した先願の発明においては、加速電圧や作動距離を変えた場合、磁場型4極子の色収差補正励磁J2、J3を一定に保ったままで、φqc2、φqc3の値を調整して基準軌道を保ち、倍率調整のために基準軌道を変えるときは主に4段目の静電型4極子4と対物レンズ7によって調整可能であり、これによって色収差が補正できることを示した。
【0041】
また、この倍率調整の考え方は、収差補正電位を異常に高く設定するのを防ぐことに利用できることも示した。更に、球面収差は、この色収差補正の後に4段の静電型8極子11、12、13、14の調整によって補正可能であることを示した。
【0042】
なお、上記の「粒子光学系全体」とは、単純にいえば、図3においては、収差補正装置Cと対物レンズ7とから成る系であり、図7においては、収差補正装置Cと追加レンズ27と対物レンズ7とから成る系である。しかし、もし、図3や図7に描かれた系の前に、例えば、コンデンサレンズや荷電粒子ビームの発生源に構成される引出し電極等のレンズ作用を行うものがある場合(大抵の装置はそのようになっている)には、これらも含めて「粒子光学系全体」と呼ぶ方がより正確である。例えば、図8に示した電子銃101から対物レンズ105までの電子ビーム光学系がそれに相当する。また、試料106近傍で電子ビームを減速させるために試料106に減速電位を印加した場合には、電子銃101から試料106までが電子ビームの光学系となる。
【0043】
さて、収差補正装置Cの各電源10,15,17は、供給する電位φに対してゆらぎ成分Δφや励磁電流IのゆらぎΔIを持っている。ΔφやΔIは小さい方が望ましいが完全に0にすることはできない。本発明ではこの4段目の静電型4極子4と対物レンズ7による倍率調整の考え方を、電源10、15、18のノイズの影響を軽減するために応用したものである。以下ではΔφを例に説明するが、ΔIについても同様に考えることができる。図4を用いて以下に説明する。
【0044】
加速電圧Vaが小さい場合でも、許容できる範囲で収差補正電位φqc2、φqc3を十分大きな値に設定して固定したとする。このとき、収差補正装置で発生する収差補正のための収差係数は必要量よりも大きな値になるので、適性に収差補正を行うためには、加速電圧が高いときよりも4段目の静電型4極子4と対物レンズ7の合成倍率M(M=M4・MOL)を小さく設定する必要がある。
【0045】
一方、2段目の静電型4極子2の電位変動Δφで軌道が角度δだけずれたとき、静電型4極子2のX方向の像面である3段目の静電型4極子3の中心では、Lδだけ位置ずれが起こる。この位置ずれは4段目の静電型4極子4と対物レンズ7の合成倍率により、試料面でM・Lδのずれになる。一方、Δφによる角度のずれδが加速電圧Vaに反比例すると仮定すると、δ∝1/Vaとなるので、加速電圧Vaが小さい場合には、このゆらぎΔφの影響を軽減するためにはMを小さく設定すべきであることがわかる。従って、この設定は低加速電圧では収差補正のために高加速電圧よりもMを低下させるのと矛盾しないことがわかる。
【0046】
低加速電圧で収差補正電位を高く保つことは、上記のような位置ずれの問題だけでなく、Δφによる収差補正量の変化も軽減できる。静電型4極子2、3の色収差補正電位がφqc2、φqc3の場合には
Δφ/φqc2、 Δφ/φqc3
だけ色収差係数のゆらぎが発生し、静電型8極子11、12、13、14の球面収差補正電位がφO1、φO2、φO3、φO4の場合には、
Δφ/φO1、 Δφ/φO2、 Δφ/φO3、 Δφ/φO4
だけ球面収差係数のゆらぎが発生する。
【0047】
以上のように、収差係数のゆらぎを軽減する観点からも、加速電圧が低い場合には収差補正の電位を加速電圧に比例して低下させずに高く設定し、合成倍率Mを高加速電圧の場合よりも小さく設定すべきであることがわかる。
【0048】
次に、図5に基づき、低加速電圧で高加速電圧よりも合成倍率Mを小さく設定する例を、さらに一般的に説明する。加速電圧Vaに対して、静電型4極子2、3の色収差補正電位φqc2、φqc3を加速電圧の1未満の冪乗に比例させて色収差を補正する方法がある。すなわち、相対論効果が無視できる領域において、冪指数n<1(1未満の実数)に対して
φqc2=kΦ2・Van、φqc3=kΦ3・Van (kΦ2、kΦ3は定数)
である。
【0049】
また、対応する磁場型4極子5、6の励磁J2、J3を
J2=kJ2・Van-1/2、J3=kJ3・Van-1/2 (kJ2、kJ3は定数)
とする。このようにすれば、加速電圧が低い場合に、主に第4段目の静電型4極子4と対物レンズ7とによる合成倍率M=M4MOLを減少させて色収差補正が可能になり、収差補正電位のゆらぎΔφの影響を受けにくくなる。
【0050】
また、静電4極子に印加する電位を適性値から高くすると高次の収差係数が増大するため、使用している収差補正装置や粒子光学系に合せて、nを適切に選べば試料面におけるプローブを最小かつ安定に保つことが可能になる。なお、この式で特にn=1/2の場合が先の出願である特願2001−328776の一部で説明した内容である。
【0051】
なお、Mを変化させることによるX、Y方向の倍率のずれや、X、Y方向の色収差補正の不完全性を防ぐために、静電4極子2、3のいずれか一方と、対応する磁場型4極子2、3の何れか一方を上記の式で制御するように制御部19を構成することも可能である。
【0052】
なお、上記X、Y方向の色収差補正の不完全性とは、収差補正装置と他のレンズ系によるX方向とY方向の総合倍率をそれぞれMx、Myとするとき、収差補正装置でMxを変化させると、Mx、Myの比k(k=Mx/My)が変化する。この結果、M4を変化させる前では、X、Y方向の収差係数が完璧に0に補正されていたとすると、M4を変えたことにより、X、Y方向共にフォーカスさせる必要があるため、本発明の式に合わせて収差補正電圧を変化させると、X、Y方向のどちらか一方は、完全には0にできなくなることを意味している。すなわち、例えば、X方向のみ色収差が補正されても、Y方向に色収差が10%残っていれば、これが最終プローブ径を制限して、分解能を劣化させることになる。
【0053】
更に、X、Y方向の色収差補正の不完全性を防ぐために、静電4極子2、3のいずれか一方と、対応する磁場型4極子2、3の何れか一方を上記の式で制御するようにしたが、一方だけを制御したのは、X、Y方向の色収差係数を同時に完全に0にするためである。
【0054】
すなわち、前記した式に基づいて、例えば、X方向の色収差係数を完全に0にし、その上で、Y方向についても前記の式に基づいて制御すると、上記の理由によって、Y方向の収差係数は完全には0にならなくなる。そこで、Y方向については前記のしきからはわずかにずれた収差補正電圧となるように制御して、Y方向の収差係数も完全に0にするように、収差補正電圧を設定するためである。
【0055】
上記した第2の実施の形態において、特にn=0とすると、収差補正電位は一定になり、制御が単純になる。すなわち、
φqc2=kΦ2、φqc3=kΦ3 (kΦ2、kΦ3は定数)
である。また、対応する磁場型4極子12、13の励磁J2、J3は
J2=kJ2・Va-1/2、 J3=kJ3・Va-1/2 (kJ2、kJ3は定数)
となる。
【0056】
この場合にも、また、Mを変化させることによるX、Y方向の倍率のずれや、X、Y方向の色収差補正の不完全性を防ぐために、静電型4極子2、3のいずれか一方と、対応する磁場型4極子5、6の何れか一方を上記の式で制御するように制御部19を構成することも可能である。
【0057】
ここで、収差補正装置の静電型4極子用電源10で供給できる最大電圧、または静電型4極子に印加できる最大電圧の絶対値をφmとする。この電圧を有効に使用する観点から、静電型4極子2、3に印加されるフォーカス電位と色収差補正の合成電位を
|φqf2+φqc2|≒φm または |φqf3+φqc3|≒φm
を満たすように制御する。このようにすれば、加速電圧が低い場合に、主に第4段目の静電型4極子4と対物レンズ7とによる合成倍率M=M4MOLを減少させて色収差補正が可能になり、電源電圧のゆらぎΔφの影響を最も受けにくい構成となる。
【0058】
前記の実施の形態では、静電型4極子2、3のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値についての実施例を示したが、静電4極子と静電8極子の機能を兼ね備えた静電型12極子を用いる場合などでは、球面収差の補正電位も考慮する必要がある。この場合には、
|φqf2+φqc2+φO2|≒φm または |φqf3+φqc3+φO3|≒φm
を満たすように制御する。このようにすれば、加速電圧が低い場合に、主に第4段目の静電型4極子4と対物レンズ7とによる合成倍率M=M4MOLを減少させて色収差補正が可能になり、電源電圧のゆらぎΔφの影響を最も受けにくい構成となる。
【0059】
なお、ここでの「総合倍率Mt」とは、図3の場合においては、収差補正装置C全体と対物レンズ7とを含めた倍率である。先に「静電4極子4と対物レンズ7の合成倍率」の説明において、静電型4極子4の倍率M4が定義されていたが、一般の多極子においても、例えばX方向とY方向に分けて考えれば、通常のレンズと同様に「倍率」が定義できる。従って、収差補正装置Cの各多極子についても同様に倍率が定義できるし、収差補正装置C全体の倍率も定義できる。実は、先の図4を用いた説明における「静電4極子4と対物レンズ7の合成倍率」という考え方は、本発明の動作を分かり易く説明するために動作をできるだけ単純化したことによるものである。しかし実際の動作においては、「静電4極子4と対物レンズ7の合成倍率」を調整すると、他の4極子もわずかに影響を受けるため、わずかな再調整が必要になる。従って、実際の動作を厳密にいえば、「静電4極子と対物レンズ7の合成倍率」の調整だけでなく、収差補正装置Cと対物レンズ7とを含めた「総合倍率Mt」の調整が必要になる。そのような意味では、「静電4極子4と対物レンズ7の合成倍率を調整する」は、厳密には、「総合倍率Mtを
調整する」というべきである。
【0060】
前記した各例では、主に第4段目の静電型4極子4と対物レンズ7とによる合成倍率M=M4MOLを減少させて色収差補正を行う例について記載した。しかしながら、4段目の静電型4極子4の倍率M4を変更すると、わずかではあるが基準軌道を得るための各4極子の電圧を変更する必要があり、X方向とY方向の倍率のズレを大きくする原因にもなる。この不具合を軽減するため、4段目の静電型4極子4の倍率M4は変更せずに、4段目の静電型4極子4と対物レンズ7の間に少なくとも1個の軸対称な追加レンズ系27を入れ、この追加レンズ系27の倍率MAと対物レンズ7の倍率MOLとの合成倍率MAMOLを調整するようにすれば、実施例1と同様の効果が得られることは明らかである。この追加レンズ系は、先願である特願2002−189812に記載されたトランスファーレンズとして用いることも可能である。また、合成倍率M4MOLまたはMAMOLを変更することによる開き角の変化は、先願である特願2001−354335に記載された開き角制御レンズを用いることによって最適に保つことができる。
【0061】
前記の各実施の形態では、加速電圧を変更した場合について記述したが、作動距離を変更した場合であっても同様に考えることができる。すなわち、作動距離を長くした場合には色収差係数や球面収差係数が増大するため、これらの係数を限られた収差補正電位で補正するためには、主に第4段目の静電型4極子4と対物レンズ7とによる合成倍率M=M4MOL、または、追加レンズ系27と対物レンズ7の合成倍率M=MAMOLを大きくする必要がある。
【0062】
Mを大きくするとノイズの影響を受け易くなるので、Mの増大をできるだけ軽減するため、収差補正電位は可能な限り大きく設定する必要がある。この意味で、低加速電圧で収差補正電位を高く設定することは有益である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正装置は、加速電圧を低加速側に設定したとき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率、または追加レンズ系と対物レンズ系の合成倍率Mを高加速電圧における値よりも小さく設定するように構成したので、収差補正装置の電位のゆらぎΔφ及び励磁電流のゆらぎΔIの影響を軽減できるようになった。
【0064】
また、加速電圧を変更したとき、収差補正装置の色収差補正電位φcを加速電圧Vaのn=1未満の冪乗に比例させて(φc∝Va)、色収差または色収差と球面収差とを補正可能に構成したので、収差補正装置の性質に合わせて、最適なnを選択することができる。
【0065】
また、低加速電圧における前記合成倍率Mの加速電圧に対する減少の割合を選択できるようになり、プローブ径の最小化や収差補正装置の電位のゆらぎΔφ及び励磁電流のゆらぎΔIの最小化が図れるようになった。
更に、加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置の色収差補正電位または色収差と球面収差の補正電位がほぼ一定になるようにしたので、収差補正電位の制御が単純になり、低加速電圧において前記合成倍率Mを小さく設定できるため、収差補正装置の電位のゆらぎΔφ及び励磁電流のゆらぎΔIの影響が軽減される。
【0066】
更にまた、加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置のフォーカス電位と色収差収補正電位の合計値、または収差補正装置のフォーカス電位と色収差補正電位と球面収差補正電位の合計値を、収差補正装置の耐圧電圧または電源電圧の上限付近で用いるようにしたので、電源電圧を最も有効に使用しつつ、低加速電圧における前記合成倍率Mを小さく設定できるため、収差補正装置の電位のゆらぎΔφ及び励磁電流のゆらぎΔIの影響を軽減できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】収差補正装置の原理の概略を説明するための図である。
【図2】静電型多極子の標準配列を示す図である。
【図3】本発明の基本構成を示す図である。
【図4】本発明の基本の動作原理を説明するための図である。
【図5】加速電圧に対する収差補正電位と色収差補正励磁の変化曲線を示す図である。
【図6】収差補正電位が一定の場合の加速電圧に対する収差補正電位と色収差補正励磁の変化曲線を示す図である。
【図7】追加のレンズ系を用いた実施の形態を示す図である。
【図8】収差補正装置Cが組み込まれた走査電子顕微鏡の例を説明する図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 静電型4極子
5,6 磁場型4極子
7 対物レンズ
8 対物絞り
9 操作表示部
10,15,18,19 電源
20 試料面
Claims (8)
- 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧を変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位を加速電圧の1未満の冪乗に比例させて、色収差または色収差と球面収差とを補正可能にしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。 - 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位または該色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位が一定となるように制御するようにしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。 - 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値、または前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値が一定となるように制御するようにしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。 - 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記4種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、収差補正装置と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値を、前記中央の2段の静電型4極子、8極子各々の耐圧電圧または電源電圧の上限付近で用いることを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。 - 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧を変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位を加速電圧の1未満の冪乗に比例させて、色収差または色収差と球面収差とを補正可能にしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。 - 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子の色収差補正電位または該色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位が一定となるように制御するようにしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。 - 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値または前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値が一定となるように制御するようにしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。 - 荷電粒子ビーム光学系内部に配置された収差補正装置であって、4段の静電型4極子と、該4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、前記4段の静電型4極子電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、収差補正装置の後段に設けられた対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、収差補正装置と前記対物レンズとの間に設けられた少なくとも1段の追加レンズ系と、加速電圧や作動距離を変更する操作部と、前記4段の静電型4極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記2段の磁場型4極子を励磁する電源と、前記4段の静電型8極子のそれぞれに電圧を供給する電源と、前記対物レンズの電源と、前記追加レンズの電源と、前記操作部の操作または設定に基づいて前記5種類の電源を制御する制御部を備え、
加速電圧または作動距離を変更したとき、前記追加レンズ系と前記対物レンズの合成倍率を調整して色収差または色収差と球面収差とを補正可能とした荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、
加速電圧または作動距離の何れかを変更したとき、前記中央の2段の静電型4極子のフォーカス電位と色収差補正電位の合計値と前記中央の2段の静電型8極子の球面収差補正電位の合計値を、前記中央の2段の静電型4極子、8極子各々の耐圧電圧または電源電圧の上限付近で用いることを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正装置。
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