JP5451221B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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本発明はインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方法およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット式の記録方法は、操作性の容易さや小型な装置化が可能なことから近年急速に発展している。インクジェット記録装置で用いられるインクは、一般的に溶媒として水を用いている。そのためインク中の水が蒸発した場合、インクの粘度が増加して不吐出になることがあり高品位記録を行えないことがある。また、ノズル内に生じた気泡やインクを吐出する吐出口に異物が付着することでも記録品位が低下することがある。
そこでインクジェット記録装置では、吐出状態を回復させるために吸引ポンプや加圧ポンプなどを用いて、記録ヘッドのノズルからインクを排出させてノズル内の異物や気泡を除去している。あるいは、吐出口が設けられた吐出口面をワイパで清掃するなどして吐出口近傍のインク固着物を除去することも行なわれている。また、記録動作中のインク吐出によって、次第に吐出口面にインクが付着して吐出不良となることもあるので、所定の間隔で記録ヘッドの吐出口面のインクふき取りを行っている。さらに、ノズルから粘度の増したインクを除去するために、記録とは別にインク吐出を行う予備吐出を所定のタイミングで行っている。これによって、常に新鮮なインクをノズル内に供給し、安定した記録を行うことができる。
特許文献1には、記録媒体に対する予備吐出動作によってインク詰まりを解消することを目的とした技術がが記載されている。また特許文献2には、記録装置筐体内全体を湿潤環境にするため、廃インク吸収体からの湿潤雰囲気を記録装置筐体内に流す機構を設ける技術が記載されている。また特許文献3には、記録ヘッド近傍を加湿するために、記録前に記録媒体を加湿し、記録ヘッドでの記録直前で加熱することによって記録媒体中の水分を気化させて記録ヘッド周囲を加湿する技術が記載されている。また特許文献4には、記録紙のなみうちを低減するために記録後に定着乾燥を行う技術が記載されている。
特開平10−337881号公報 特開2000−190528号公報 特開昭64−071756号公報 特開平05−338126号公報
しかし特許文献1に記載の記録媒体への予備吐出では、予備吐出したインク滴は、本来の記録画像には不要なインク滴であるため目立たなくする必要があり、通常、少量のインクを吐出することで行われる。そのため、多量のインクを吐出して行うような充分な予備吐出を行うことはできない。さらに、記録条件によって予備吐出するノズルが決まってしまうので、適切なノズル回復が出来ないだけでなく、インクの無駄な消費にも繋がる。
また、特許文献2に記載の技術では、記録装置の筐体内は密閉空間ではないために、十分な湿潤が得られないことがある。十分な湿潤を得ようとした場合、紙自体が吸湿してしまい、記録後のにじみ等が発生しやすく、高品位記録には向かない。また、記録装置を使い始めたばかりの時は、廃インクの水分のみでは廃インク吸収体に水分が少なく十分な加湿効果が望めない。さらに、暫く使用していない場合には、廃インク吸収体から水分が蒸発してしまうので、このときも十分な加湿効果が望めない可能性がある。
また、特許文献3の技術では、記録媒体を一度加湿してから加熱した場合、記録媒体が波打ってしまうことが知られている。最近のインクジェット記録装置では記録媒体と記録ヘッドとの間の距離は1mm以下であり、湿った記録媒体を乾燥した場合に起きる記録媒体の波打ちが記録ヘッドに接触することがある。
さらに特許文献4の技術では、インクの定着乾燥は可能であるが、そのとき発生する蒸気は記録装置筐体内に逃がす構造となっているので、筐体内で結露が生じてしまい、電装部品等に問題を生じる可能性がある。
よって本発明はインクジェット記録装置において、記録中における乾燥による吐出不良を抑制するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を実現することを目的とする。
そのため、本発明のインクジェット記録装置は、所定方向に沿って吐出口がライン状に形成されたライン記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に吐出した前記インクの気化した溶媒成分を回収する回収機構と、前記回収機構で回収した前記溶媒成分を凝縮して液化する凝縮機構と、前記ライン記録ヘッドの前記吐出口の周囲に、前記凝集機構で液化した前記溶媒成分が含まれた気体を供給する供給機構と、を備え、前記供給機構は、前記吐出口の近傍で前記記録媒体に面するように前記ライン記録ヘッドに設けられた長尺の供給部と供給パイプとを有し、前記供給パイプは前記供給部の前記所定方向に沿った複数の異なる位置に前記溶媒成分を供給する複数のパイプからなり、前記凝縮機構は、前記回収機構で回収した前記インクの気化した溶媒成分の温度をインクジェット記録装置の置かれている環境温度まで下げる手段を有し、前記凝集機構で凝集した前記溶媒成分は前記供給パイプを介して前記供給部に供給されて前記複数の異なる位置からそれぞれ前記吐出口の周囲に供給されることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、所定方向に沿って吐出口がライン状に形成されたライン記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方法であって、前記記録媒体に吐出した前記インクの気化した溶媒成分を回収する回収工程と、前記回収工程で回収した気化した前記インクの溶媒成分を凝縮して液化する凝縮工程と、前記ライン記録ヘッドの前記吐出口の周囲に、前記凝集工程で液化した前記溶媒成分が含まれた気体を供給する供給工程と、を有し、前記供給工程では、前記吐出口の近傍で前記記録媒体に面するように前記ライン記録ヘッドに設けられた長尺の供給部に対して、前記供給部の前記所定方向に沿った複数の異なる位置にそれぞれ複数のパイプを介して前記溶媒成分を供給するものであり、前記凝縮工程では、前記回収工程で回収した前記インクの気化した溶媒成分の温度を周囲の環境温度まで下げるものであり、前記凝集工程で凝集した前記溶媒成分は前記供給パイプを介して前記供給部に供給されて前記複数の異なる位置からそれぞれ前記吐出口の周囲に供給されることを特徴とする。
本発明によればインクジェット記録装置は、記録媒体に吐出したインクの気化した溶媒成分を回収する回収機構と、記録ヘッドの吐出口の周囲にインク溶媒成分が含まれた気体を供給する供給機構とを備える。さらにまたインクジェット記録装置は、回収機構で回収した気化したインク溶媒成分を凝縮して液化することが可能な凝縮機構とを備える。これによって、記録中における乾燥による吐出不良を抑制するインクジェット記録装置を実現することができた。
第1の実施形態のインクジェット記録装置の要部の構成を示した図である。 図1における記録装置の記録ヘッドを模式的に示した図である。 図1における凝縮器の内部がわかるように示した模式図である。 第2の実施形態のインクジェット記録装置の要部の構成を示した図である。 第2の実施形態の記録装置の記録ヘッドを模式的に示した図である。 第2の実施形態の凝縮器の内部がわかるように示した模式図である。 第3の実施形態の記録装置の記録ヘッドを模式的に示した図である。 第3の実施形態の加湿空気供給口と加湿空気供給パイプとの構成を示した図である。 第4の実施形態の記録ヘッドと記録媒体搬送装置を示した模式図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)の要部の構成を模式的に示した図である。本実施形態のインクジェット記録装置は、記録ヘッド1、インク溶媒成分含有空気供給口(以下、加湿空気供給口ともいう)2、記録媒体3、加熱定着機4、蒸気回収口(回収機構)5、凝縮器(凝縮機構)6、蒸気搬送装置(ファン)7を備えている。本実施形態の記録装置は図には示していないがこの他に、記録装置筐体や記録信号処理装置、記録媒体搬送系、記録ヘッド回復系など一般的なインクジェット記録装置を構成するのに必要な機器を装備している。記録ヘッド1は、熱エネルギを利用してインク液滴を吐出するいわゆるバブルジェット(登録商標)方式や、ピエゾ素子を利用して機械エネルギを用いたピエゾジェットタイプのものを用いることが可能である。
図2は、本実施形態の記録装置の記録ヘッド1を模式的に示した図である。加湿空気供給口(供給機構)2は、記録ヘッド1に設けられたインクを吐出する吐出口の周囲に加湿空気を送ることが可能になるように設けられている。このように本実施形態では、この加湿空気供給口2から加湿された空気を局所的に吐出口周囲に供給して吐出口におけるインクの溶媒成分が蒸発することを防ぐ。このような構成では、記録時に加湿空気供給口2から加湿空気が供給されると、吐出されたインク滴に加湿空気が当たることになる。その場合、インク滴に強い加湿空気が当たると、インク滴が加湿空気による横風の影響を受けて方向が変り、所定の位置に着弾しない恐れがある。そこで、インク滴が真っ直ぐ飛ぶように加湿空気の流量を計算すると、層流条件を適用して加湿空気供給口2からの流量が最大0.5L/minとなる。
なお、本実施形態ではパイプダクト状の加湿空気供給パイプ23を記録ヘッド1と別体で設けているが、記録ヘッド1の吐出口と連通するノズルを形成しているノズル材質とともに一体成型してもよい。
このようにして記録ヘッドからインクが吐出され記録が行われた後の記録媒体は、加熱定着機4によって加熱される。記録媒体が加熱されると、記録に用いられたインクも同様に加熱されて、インクの溶媒成分が蒸発する。加熱定着機4と対向する位置には蒸気回収口5が設けられており、蒸発によって気化したインク溶媒を回収することができる。
この構成では、加湿された空気が当たるのは記録ヘッド1の吐出口周囲であり直接記録媒体3に当たるわけではないので、記録媒体3が吸湿して記録後のにじみ等が発生しやすくなることはない。また、同様の理由に加え、記録ヘッド1による記録の後に加熱定着機4による加熱が行われるので、記録時に記録媒体3が波打つことも無く記録ヘッド1に接触することも無い。
加熱定着機4としては、ハロゲンヒータやシーズヒータなどを用いることが可能である。蒸気回収口5としては、温度の低下により回収した蒸気が結露してしまわないように、熱伝導率の低いポリプロピレンやポリカーボネイトなどの樹脂や、ステンレススチールなどが使用できる。また、場合によっては蒸気回収機構に石綿やフエルトのような断熱素材を周囲に設けたり、二重構造の間に気体を注入したり、真空にしたりする断熱技術を用いてもよい。蒸気回収口5と凝縮器6との間に補助ファンを設け、加熱定着機4によって気化した溶媒蒸気成分を凝縮器6へと送る構造としてもよい。蒸気回収口5から凝縮器6までのパイプには傾斜をつけ、パイプ内で結露した液体が凝縮器6側へ流れる構成とする。
図3は、凝縮器6の内部がわかるように示した模式図である。凝縮器6内には予め100cc程度のインク溶媒と同じ液体(本実施形態の場合は水)が入っている。この液体は、記録装置を最初に動かした際に記録された部分が存在せず、その部分における加湿空気供給のために必要である。凝縮器6の容量は加湿空気の流量による。空気の加湿を効率よく行うために、凝縮器6内部の液体部分に攪拌装置を設けてもよい。凝縮器6の上下には外気に通じた熱伝導率の良い金属にてフィン30が数本設置されている。フィン30の素材としてはアルミや銅の合金が一般的に用いられる。フィン30の本数に関しては図示したもので7本であるが、実際にはさらに本数を増やしてもよい。
このフィン30には、蒸気回収口5によって回収された高温の加熱蒸気がぶつけられる。これによって、回収後の加熱蒸気は室温まで蒸気温度を低下させるだけでなく、凝縮器6内の気体の湿度を飽和状態まで下げ、残りの溶媒蒸気が液化される。凝縮器6内には蒸気回収口5に繋がる蒸気導入パイプ31と、加湿空気供給口2に繋がる加湿空気供給パイプ23が設けられている。また凝縮器6が満杯になった場合に余分な水分を、通常、インクジェット記録装置に設置されている廃インク吸収体へ排出する排水パイプ33が所定の液面位置に設置されている。また、凝縮器6内の溶媒成分が全て無くなってしまわないように、フロート式の水位センサ34が設けられており、凝縮器6内の溶媒液体が少なくなった場合には溶媒を供給できる溶媒供給口35も存在する。凝縮器6から記録ヘッド1への加湿空気輸送は、加湿空気供給パイプ23とファン7(図1参照)とによって行われる。ファン7の能力に関しては、前述のインクジェットノズル周囲の空気量0.5L/minを満たすように設定される。
本実施形態のインクジェット記録装置の動作について説明する。ホストコンピュータより送られてきた記録データおよび記録指令によって記録が開始される。記録媒体への最初の記録の際には記録媒体の記録された部分が加熱定着器4の上に無いが、予め凝縮器6の中に入れられていた溶媒(水)によって、湿度を含んだ空気が記録ヘッド1の吐出口周囲へ送られる。これによって、記録ヘッド1の吐出口が乾燥し、保持されているインクの溶媒成分が蒸発することによる吐出不良や、記録の途中で所望の位置にインク滴が着弾しなくなることを防ぐことができる。また、記録が終了した記録媒体3は、溶媒成分を多く含んでいる。この溶媒成分を加熱定着器4にて加熱して溶媒成分を気化させ、この蒸気を蒸気回収口5にて回収する。回収された蒸気は凝縮器6にて再度液体に戻される。このとき、凝縮器6は装置温度におかれているので加湿蒸気は記録装置内温度と等しくなり、記録ヘッド1の吐出口周囲や供給口付近で結露することがない。インクジェット記録装置では記録ヘッド1がホームポジションにあるときは、吐出口にキャップを施して吐出口の乾燥を防いでいる。また、ホームポジションでは、インク回復動作として、記録ヘッド1の吐出口から吸引ポンプを用いて乾燥によって増粘したインクを吸い取る動作も行われる。本実施形態の記録装置も必要に応じて記録ヘッド回復動作を行う。凝縮器6からはファン7と加湿空気供給パイプ23を用いて室温に応じた加湿空気が記録ヘッド1の吐出口周囲に供給される。
本発明により、記録ヘッド1が記録のために移動中であっても、吐出口が乾燥し吐出不良になる事を抑制することができた。また、吐出口周囲に供給される加湿空気は装置の置かれている環境温度まで低下しているので、加湿空気が吐出口周囲で結露してしまうこともない。
このように、記録された記録媒体を加熱し溶媒成分を蒸発させる。蒸発させた溶媒成分を蒸気回収口5から凝縮器6に集めて、蒸気の湿度を飽和状態まで下げ、残りの溶媒蒸気を液化する。湿度が飽和状態まで下げられた気体を記録ヘッド1の吐出口の周囲へと送り吐出口の乾燥を防止する。これによって、記録中の乾燥による吐出不良を抑制するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を実現することができた。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では、本実施形態の特徴的な構成についてのみ説明する。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)の要部の構成を模式的に示した図であり、図5は、本実施形態の記録装置の記録ヘッドを模式的に示した図である。本実施形態の記録装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様であるが図4、図5に示すように、第1の実施形態におけるファン7が設けられてない点、また記録ヘッド1の吐出口近傍に、加湿空気供給口2の代りにスポンジ52が設けられている点が異なる。溶媒供給の構成はインクを吐出する吐出口周囲を加湿状態にするために、図5の様になっている。本実施形態ではパイプダクト状の溶媒供給パイプ43を記録ヘッド1の吐出口近傍まで延在させている。この溶媒供給パイプ43は吐出口と連通するノズルを形成するノズル材質とともに一体成型してもよい。また溶媒供給パイプ43の先端はスポンジ52に当接されており、常に溶媒(本実施形態では水)が染み出し周囲へ蒸発している状態となっている。スポンジ状の部材としては、フェルト繊維やレーヨン繊維、ポリエステル繊維などの繊維質のもが使用可能である。このスポンジ52からインクの溶媒(水)を蒸発させることで、記録ヘッド1の吐出口が乾燥し、保持されているインクの溶媒成分が蒸発することによる吐出不良や記録の途中で所望の位置にインク滴が着弾しなくなることを防ぐことができる。
図6は、本実施形態の凝縮器の内部がわかるように示した模式図である。凝縮器6から記録ヘッド1への溶媒輸送は、溶媒供給パイプ43によって行われる。溶媒供給パイプ43の一端部である溶媒供給口の先端には吸湿性のスポンジ52が当接されているので、毛管力によって、絶えず凝縮機から溶媒成分がスポンジ52へ供給される。場合によってはポンプによって補助的に溶媒を輸送することも可能である。また、溶媒供給パイプ43の他端部は凝縮器6内の溶媒(水)液面に接している。つまり、溶媒供給パイプ43の内部は常に溶媒で満たされていることになる。
本発明により、記録ヘッドが記録のために移動中であっても、吐出口が乾燥し吐出不良になることを抑制することができる。また、スポンジの毛管力を利用して凝縮器6より溶媒成分が供給されるので、飛翔液滴に余分な気流を与える必要も無く、飛翔方向に影響を与えることもない。
このように、インク溶媒(水)を記録ヘッドの吐出口の周囲へと送り、スポンジ52を介して蒸発せることで吐出口の乾燥を防止する。これによって、記録中の乾燥による吐出不良を抑制するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を実現することができた。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では、本実施形態の特徴的な構成についてのみ説明する。
上記第1の実施形態および第2の実施形態では、記録ヘッド1が記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に往復移動することで走査して記録が行われる、いわゆるシリアルインクジェット記録装置に対して説明を行った。本発実施形態では記録ヘッドが記録装置に固定されており、一回の記録媒体の送りのみで、ライン状配置された吐出口からインクが吐出され記録が行われる、いわゆるフルラインタイプの記録装置(以下、ラインプリンタともいう)に適用するものである。
図7は、本実施形態の記録装置の記録ヘッド71を模式的に示した図である。本実施形態では、吐出口列73に沿うように加湿空気供給口72が設けられている。加湿空気供給口72は加湿空気供給パイプ74を介して凝縮器6(図1参照)と繋がっている。なお、本実施形態では加湿空気供給パイプ74を記録ヘッド71と別体で設けた構成を示したが、吐出口と連通したノズルを形成するノズル材質とともに一体成型してもよい。
ラインプリンタの場合には、記録ヘッド71に吐出口が一列に記録媒体の幅に相当する長さ分、並んでいるので、加湿空気供給口72の長さも吐出口の並んでいる長さ分必要になる。
図8は、本実施形態の加湿空気供給口72と加湿空気供給パイプ74との構成がわかるように示した図である。凝縮器6から加湿空気を運んでくる加湿空気供給パイプ74の直径は吐出口列並び長さより通常小さいので、加湿空気供給口72はロートのような拡大部分を有することになる。この場合、単純にロートのように加湿空気供給口72を広げた場合には、各吐出口に均等に加湿空気が当たらない。そこで、本実施形態では図8に示すように、距離に応じて加湿空気供給口72の大きさを変更することで流抵抗を変えることで各吐出口に均等に加湿空気が当たるようにした。つまり、加湿空気供給パイプ74との連結部である加湿空気の供給元から近い加湿空気供給口72は流抵抗を大きくするために径を小さくし、逆に加湿空気の供給元から遠い加湿空気供給口72は、流抵抗を小さくするために径を大きくする。このようにすることで、各吐出口付近へ流す流量を一定に保って、各吐出口に加湿空気を当てることが可能である。ここで、加湿空気供給口72の開口部分の面積をSn(nは加湿空気供給口の数)、加湿空気供給パイプ入り口から加湿空気開口72までの長さをLn(nは加湿空気供給口の数)とした場合、層流状態の流れが生じると仮定すると、
Figure 0005451221
という条件が成り立つ。本実施形態の場合、3つに分割した加湿空気供給口を示したが、実際には上記条件を満たすように加湿空気供給口数nを増やしてもよい。
本発明により、ラインインクジェット方式によって記録中であっても、記録ヘッドの吐出口が乾燥し吐出不良になる事を抑制することが出来た。また、吐出口周囲に供給される加湿空気は装置の置かれている環境温度まで低下しているので、加湿空気が吐出口周囲で結露してしまうこともない。さらに記録後の記録媒体から発生する蒸気を回収するので、記録後に発生するインク溶媒蒸気によって記録装置内の汚れ、計器類の不具合の発生を防ぐことができる。
このように、ラインプリンタにおいても、吐出口の周囲に加湿空気を供給することで吐出口の乾燥を防止する。これによって、記録中の乾燥による吐出不良を抑制するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を実現することができた。
(第4の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では、本実施形態の特徴的な構成についてのみ説明する。
第3の実施形態ではラインプリンタに本発明を適用した場合を述べたが、ラインプリンタの場合、記録媒体の搬送を利用して加湿空気を記録ヘッドの吐出口周囲に搬送することも可能である。以下でその方法を説明する。
図9は、本実施形態の記録ヘッド90と記録媒体搬送装置91を示した模式図である。本実施形態では記録ヘッド90における記録媒体3が搬送されてくる側に加湿空気供給口92を設けている。このようにすると、記録媒体3の搬送に伴って、記録媒体3と記録ヘッド90との間に気流が発生する。この発生する気流を利用して加湿空気を記録ヘッド90の吐出口周囲にまで搬送させる。凝縮器の構成や蒸気回収口の構成に関しては、上記第1から第3の実施形態と同様の構成のものが使用できる。
なお、加湿空気供給口92には第2の実施形態で示したようにスポンジ部材を設け、溶媒液体スポンジ部材まで直接供給する形にしてもよい。本発明により、ラインプリンタによって記録中であっても、記録ヘッドの吐出口が乾燥して吐出不良になる事を抑制することが出来る。
このように、ラインプリンタにおいて記録媒体の搬送に伴って発生する気流を利用して吐出口の周囲に加湿空気を供給して吐出口の乾燥を防止する。これによって、記録中の乾燥による吐出不良を抑制するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を実現することができた。
1 記録ヘッド
2 加湿空気供給口
3 記録媒体
5 蒸気回収口
6 凝縮器

Claims (9)

  1. 所定方向に沿って吐出口がライン状に形成されたライン記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に吐出した前記インクの気化した溶媒成分を回収する回収機構と、
    前記回収機構で回収した前記溶媒成分を凝縮して液化する凝縮機構と、
    前記ライン記録ヘッドの前記吐出口の周囲に、前記凝集機構で液化した前記溶媒成分が含まれた気体を供給する供給機構と、
    を備え、
    前記供給機構は、前記吐出口の近傍で前記記録媒体に面するように前記ライン記録ヘッドに設けられた長尺の供給部と供給パイプとを有し、前記供給パイプは前記供給部の前記所定方向に沿った複数の異なる位置に前記溶媒成分を供給する複数のパイプからなり、
    前記凝縮機構は、前記回収機構で回収した前記インクの気化した溶媒成分の温度をインクジェット記録装置の置かれている環境温度まで下げる手段を有し、前記凝集機構で凝集した前記溶媒成分は前記供給パイプを介して前記供給部に供給されて前記複数の異なる位置からそれぞれ前記吐出口の周囲に供給される
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記供給部は供給口を備え、前記凝縮機構から前記供給パイプを介して供給された前記溶媒成分を含む気体が前記供給口から吹き出ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記複数のパイプはパイプの長さに応じてパイプ径が異なることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記凝縮機構から前記供給部には、前記インクの溶媒が液体の状態で供給されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記供給部は、前記吐出口に隣接して設けられたスポンジ状の部材を備えており、前記凝集機構から供給された前記溶媒成分の液体を前記スポンジ状の部材で気化することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記回収機構は、記録後の前記記録媒体が加熱されることで気化した前記インクの溶媒成分を回収することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクの溶媒成分は水であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記ライン記録ヘッドは、インクジェット記録装置に固定されており、走査することなく前記記録媒体に記録を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 所定方向に沿って吐出口がライン状に形成されたライン記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体に吐出した前記インクの気化した溶媒成分を回収する回収工程と、
    前記回収工程で回収した気化した前記インクの溶媒成分を凝縮して液化する凝縮工程と、
    前記ライン記録ヘッドの前記吐出口の周囲に、前記凝集工程で液化した前記溶媒成分が含まれた気体を供給する供給工程と、
    を有し、
    前記供給工程では、前記吐出口の近傍で前記記録媒体に面するように前記ライン記録ヘッドに設けられた長尺の供給部に対して、前記供給部の前記所定方向に沿った複数の異なる位置にそれぞれ複数のパイプを介して前記溶媒成分を供給するものであり、
    前記凝縮工程では、前記回収工程で回収した前記インクの気化した溶媒成分の温度を周囲の環境温度まで下げるものであり、前記凝集工程で凝集した前記溶媒成分は前記供給パイプを介して前記供給部に供給されて前記複数の異なる位置からそれぞれ前記吐出口の周囲に供給される
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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