用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素のsp三重結合)を有する、2個〜12個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の一価炭化水素基をいう。例としては、エチニル(−C≡CH)、プロピニル(プロパルギル、−CH2C≡CH)などが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「炭素環」、「カルボシクリル」、「炭素環式環」および「シクロアルキル」とは、単環式環としては3個〜12個の炭素原子、または二環式環としては7個〜12個の炭素原子を有する、一価の非芳香族の飽和または部分不飽和環をいう。7個〜12個の原子を有する二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]系、ビシクロ[5,5]系、ビシクロ[5,6]系またはビシクロ[6,6]系として配置され得、そして9個または10個の環原子を有する二環式炭素環は、ビシクロ[5,6]系またはビシクロ[6,6]系として、あるいは橋架け系(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンおよびビシクロ[3.2.2]ノナン)として配置され得る。単環式炭素環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリール」とは、親芳香族環系の1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導される、6個〜18個の炭素原子の一価の芳香族炭化水素基を意味する。いくつかのアリール基は、例示的な構造において、「Ar」と表わされる。アリールは、飽和環、部分不飽和環、または芳香族の炭素環式環もしくは複素環式環に縮合した芳香族環を含む、二環式の基を含む。代表的なアリール基としては、ベンゼン(フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデニル、インダニル、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「複素環」、「ヘテロシクリル」および「複素環式環」は、本明細書中で交換可能に使用され、そして飽和または部分不飽和(すなわち、環内に1つ以上の二重結合および/または三重結合を有する)の、3個〜18個の環原子(このうちの少なくとも1つの環原子は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、Cであり、1つ以上の環原子は、以下に記載される1つ以上の置換基で必要に応じて独立して置換されている)の炭素環式基をいう。複素環は、3個〜7個の環員(2個〜6個の炭素原子、ならびにN、O、P、およびSから選択される1個〜4個のヘテロ原子)を有する単環であっても、7個〜10個の環員(4個〜9個の炭素原子、ならびにN、O、P、およびSから選択される1個〜6個のヘテロ原子)を有する二環(例えば、ビシクロ[4,5]系、ビシクロ[5,5]系、ビシクロ[5,6]系、またはビシクロ[6,6]系)であってもよい。複素環は、Paquette,Leo A.;「Principles of Modern Heterocyclic Chemistry」(W.A.Benjamin,New York,1968)(特に、第1章、第3章、第4章、第6章、第7章、および第9章);「The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs」(John Wiley & Sons,New York,1950年〜現在)(特に、第13巻、第14巻、第16巻、第19巻、および第28巻);ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載されている。「ヘテロシクリル」はまた、複素環基が、飽和環、部分不飽和環、または芳香族の炭素環式環または複素環式環に縮合している基を含む。複素環式環の例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、およびアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニルが挙げられるが、これらに限定されない。スピロ部分もまた、この定義の範囲内に含まれる。環原子がオキソ(=O)部分で置換されている複素環式基の例は、ピリミジノニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。
用語「ヘテロアリール」とは、5〜18原子(窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含む)の、5員環または6員環の一価の芳香族基をいい、そして縮合環系(これらの環のうちの少なくとも1つが芳香族である)を含む。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル(例えば、2−ヒドロキシピリジニルが挙げられる)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば、4−ヒドロキシピリミジニルが挙げられる)、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、チアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルである。
複素環基またはヘテロアリール基は、可能である場合、炭素で結合(炭素結合)しても窒素で結合(窒素結合)してもよい。例えば、限定ではなく、炭素結合した複素環またはヘテロアリールは、ピリジンの2位、3位、4位、5位、または6位、ピリダジンの3位、4位、5位、または6、ピリミジンの2位、4位、5位、または6、ピラジンの2位、3位、5位、または6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールのの2位、3位、4位、または5位、オキサゾール、イミダゾールまたはチアゾールの2位、4位、または5位、イソオキサゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3位、4位、または5位、アジリジンの2位または3位、アゼチジンの2位、3位、または4位、キノリンの2位、3位、4位、5位、6位、7位、または8位、あるいはイソキノリンの1位、3位、4位、5位、6位、7位、または8位で結合する。
例えば、限定ではなく、窒素結合した複素環またはヘテロアリールは、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾールまたはβ−カルボリンの9位で結合する。
用語「処置する」および「処置」とは、治療処置と予防処置または予防的処置との両方をいい、その目的は、望ましくない生理学的変化または障害(例えば、癌の発生または広がり)を予防するかまたは遅くする(減らす)ことである。本発明の目的で、有利または望ましい臨床結果としては、検出可能であれ検出不可能であれ、症状の軽減、疾患の程度の減少、疾患の安定化された(すなわち、悪化しない)状態、疾患の進行の遅延または減速、疾患状態の軽減または緩和、および寛解(部分的であれ全体的であれ)が挙げられるが、これらに限定されない。「処置」はまた、処置を受けない場合に予測される生存と比較される場合に、生存を延長することを意味し得る。処置を必要とするものとしては、その状態または障害をすでに有するもの、およびその状態または障害を有しやすいもの、あるいはその状態または障害が予防されるべきであるものが挙げられる。
語句「治療有効量」とは、(i)本明細書中に記載される特定の疾患、状態、または障害を処置または予防するか、(ii)特定の疾患、状態または障害の1つ以上の症状を減衰、軽減または排除するか、あるいは(iii)特定の疾患、状態、または障害の1つ以上の症状の発生を予防または遅延させる、本発明の化合物の量を意味する。癌の場合、薬物の治療有効量は、癌細胞の数を減少させ得;腫瘍のサイズを減少させ得;周辺器官への癌細胞の浸潤を阻害し得(すなわち、ある程度まで遅くし得、そして好ましくは停止させ得);腫瘍の転移を阻害し得(すなわち、ある程度まで遅くし得、そして好ましくは停止させ得);腫瘍の成長をある程度まで阻害し得;そして/または癌に関連する症状のうちの1つ以上をある程度まで緩和し得る。薬物が、存在する癌細胞の成長を防止し得、そして/または殺傷し得る場合、この薬物は、細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性であり得る。癌治療のためには、効力は、例えば、疾患の進行までの時間(TTP)を評価すること、および/または応答速度(RR)を決定することによって測定され得る。
用語「異常な細胞増殖」および「過剰増殖性障害」は、本願において交換可能に使用される。「異常な細胞増殖」とは、本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、正常な調節機構に無関係な細胞の増殖(例えば、接触阻止の損失)をいう。これには、例えば、(1)変異したチロシンキナーゼの発現、またはレセプターチロシンキナーゼの過剰発現により増殖する、腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なチロシンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性細胞および悪性細胞;(3)レセプターチロシンキナーゼにより増殖する任意の腫瘍;(4)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化により増殖する任意の腫瘍;ならびに(5)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性細胞および悪性細胞の、異常な増殖が挙げられる。
用語「癌」および「癌性」とは、調節されない細胞増殖により代表的に特徴付けられる、哺乳動物における生理学的状態をいうか、または記載する。「腫瘍」は、1つ以上の癌性細胞を含む。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはリンパ悪性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。このような癌のより具体的な例としては、扁平上皮癌(例えば、上皮扁平上皮癌(epithelial squamous cell cancer))、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌および肺の鱗状癌腫が挙げられる)、腹膜の癌、肝細胞癌、胃癌(gastric or stomach cancer)(胃腸癌が挙げられる)、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、頚部癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、ヘパトーム、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮の癌腫、唾液腺癌腫、腎臓癌または腎性癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌、肝性癌腫、肛門癌腫、陰茎癌腫、急性白血病、ならびに頭部/脳および首の癌が挙げられる。
「化学療法剤」とは、癌の処置において有用な化合物である。化学療法剤の例としては、エルロチニブ(Erlotinib)(TARCEVA(登録商標),Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(Bortezomib)(VELCADE(登録商標),Millennium Pharm.)、フルベストラント(Fulvestrant)(FASLODEX(登録商標),AstraZeneca)、ステント(Sutent)(SU11248,Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標),Novartis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標),Sanofi)、5−FU(5−フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(Rapamycin)(シロリムス(Sirolimus)、RAPAMUNE(登録商標),Wyeth)、ラパチニブ(Lapatinib)(TYKERB(登録商標),GSK572016,Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(Lonafarnib)(SCH 66336)、ソラフェニブ(Sorafenib)(BAY43−9006,Bayer Labs)、およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標),AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU 5271;Sugen)、アルキル化剤(例えば、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド);スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン、イムプロスルファンおよびピポスルファン);アジリジン(例えば、ベンゾデパ(benzodopa)、カルボコン、メツレデパ(meturedopa)、およびウレデパ(uredopa));エチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine)(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロメラミンが挙げられる);アセトゲニン(acetogenin)(特に、ブラタシン(bullatacin)およびブラタシノン(bullatacinone));カンプトテシン(合成アナログのトポテカンが挙げられる);ブリオスタチン(bryostatin);カリスタチン(callystatin);CC−1065(そのアドゼレシン(adozelesin)、カルゼレシン(carzelesin)およびビゼレシン(bizelesin)合成アナログが挙げられる);クリプトフィシン(cryptophycin)(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン(dolastatin);ドゥオカルマイシン(duocarmycin)(合成アナログのKW−2189およびCB1−TM1が挙げられる);エレウセロビン(eleutherobin);パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコジクチイン(sarcodictyin);スポンジスタチン(spongistatin);ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタード);ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン(ranimnustine));抗生物質(例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン(calicheamicin)であり、特に、カリケアマイシンγ1IおよびカリケアマイシンωI1(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183−186));ディネマイシン(dynemicin)(ディネマイシンAが挙げられる);ビスホスホネート(例えば、クロドロネート);エスペラマイシン(esperamicin);ならびにネオカルチノスタチン発色団および関連する色素タンパクエンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン(carminomycin)、カルチノフィリン、クロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、プロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン);代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU));葉酸アナログ(例えば、デノプテリン(denopterin)、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート);プリンアナログ(例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン);ピリミジンアナログ(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン);アンドロゲン(例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン);抗副腎剤(anti−adrenal)(例えば、アミノグルテチミド、ミトーテン、トリロスタン);葉酸補充剤(例えば、葉酸);アセグラトン;アルドホスファミド(aldophosphamide)グリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル(eniluracil);アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン;エダトレキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジコン(diaziquone);エルフオルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン(epothilone);エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン(lonidainine);マイタンシノイド(maytansinoid)(例えば、マイタンシン(maytansine)およびアンサミトシン(ansamitocin));ミトグアゾン;ミトザントロン;モピダモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメト(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン(losoxantrone);ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2−エチルヒドラジン;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン(rhizoxin);シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecene)(特に、T−2トキシン、ベラクリンA(verracurin A)、ロリジンA(roridin A)およびアングイジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド(taxoid)(例えば、TAXOL(登録商標)(パクリタキセル;Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANETM(Cremophorを含まない)、パクリタキセルのアルブミン処理されたナノ粒子処方物(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Illinois)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル(doxetaxel);Rho^ne−Poulenc Rorer,Antony,France));クロラムブシル(chloranmbucil);GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン);ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトザントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロネート(ibandronate);CPT−11;トポイソメラーゼインヒビターRFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド(例えば、レチン酸);ならびに上記の任意のものの薬学的に受容可能な塩、酸および誘導体が挙げられる。
「化学療法剤」の定義に含まれるものはまた、(i)腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように働く抗ホルモン剤(例えば、抗エストロゲンおよび選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(SERM)(例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェン)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン(onapristone)、およびFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミフェン(toremifine citrate))が挙げられる));(ii)副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素であるアロマターゼを阻害する、アロマターゼインヒビター(例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、フォルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール(vorozole))、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca));(iii)抗男性ホルモン(例えば、フルタミド、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン;ならびにトロキサシタビン(troxacitabine)(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ));(iv)プロテインキナーゼインヒビター;(v)脂質キナーゼインヒビター;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド(特に、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するものであり、例えば、PKC−α、RalfおよびH−Ras);(vii)リボザイム(例えば、VEGF発現インヒビター(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現インヒビター);(viii)ワクチン(例えば、遺伝子治療ワクチンであり、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標));PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;トポイソメラーゼ1インヒビター(例えば、LURTOTECAN(登録商標));ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)抗脈管形成剤(例えば、ベバシツマブ(bevacizumab)(AVASTIN(登録商標),Genentech));ならびに(x)上記のもののいずれかの薬学的に受容可能な塩、酸および誘導体である。他の抗脈管形成剤としては、MMP−2(マトリックスメタロプロテアーゼ2)インヒビター、MMP−9(マトリックスメタロプロテアーゼ9)インヒビター、COX−II(シクロオキシゲナーゼII)インヒビター、およびVEGFレセプターチロシンキナーゼインヒビターが挙げられる。本発明の化合物/組成物と組み合わせて使用され得るような有用なマトリックスメタロプロテアーゼインヒビターの例は、WO 96/33172、WO 96/27583、EP 818442、EP 1004578、WO 98/07697、WO 98/03516、WO 98/34918、WO 98/34915、WO 98/33768、WO 98/30566、EP 606,046、EP 931,788、WO 90/05719、WO 99/52910、WO 99/52889、WO 99/29667、WO 99/07675、EP 945864、米国特許第5,863,949号、米国特許第5,861,510号、およびEP 780,386に記載されており、これらの全ては、その全体が本明細書中に参考として援用される。VEGFレセプターチロシンキナーゼインヒビターの例としては、4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO 01/32651の実施例2)、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−キナゾリン(AZD2171;WO 00/47212の実施例240)、バタラニブ(vatalanib)(PTK787;WO 98/35985)およびSU11248(スニチニブ(sunitinib);WO 01/60814)、ならびにPCT公開番号WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856、およびWO 98/13354に開示されるもののような化合物が挙げられる。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る化学療法剤の他の例としては、PI3K(ホスホイノシチド−3キナーゼ)のインヒビター(例えば、Yaguchiら、(2006)Jour.of the Nat.Cancer Inst.98(8):545−556;US 7173029;US 7037915;US 6608056;US 6608053;US 6838457;US 6770641;US 6653320;US 6403588;WO 2006/046031;WO 2006/046035;WO 2006/046040;WO 2007/042806;WO 2007/042810;WO 2004/017950;US 2004/092561;WO 2004/007491;WO 2004/006916;WO 2003/037886;US 2003/149074;WO 2003/035618;WO 2003/034997;US 2003/158212;EP 1417976;US 2004/053946;JP 2001247477;JP 08175990;JP 08176070;US 6703414;およびWO 97/15658に報告されているものであり、これらの全ては、その全体が本明細書中に参考として援用される)が挙げられる。このようなPI3Kインヒビターの具体的な例としては、SF−1126(PI3Kインヒビター,Semafore Pharmaceuticals)、BEZ−235(PI3Kインヒビター,Novartis)、XL−147(PI3Kインヒビター,Exelixis,Inc.)が挙げられる。
用語「炎症性疾患」とは、本願において使用される場合、慢性関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎が挙げられるが、これらに限定されない)、肺における慢性閉塞性肺疾患、肝臓および腎臓における線維性疾患、クローン病、皮膚疾患(例えば、乾癬、湿疹および強皮症)、変形性関節症、多発性硬化症、喘息、糖尿病合併症に関連する疾患および障害、肺、肝臓、腎臓などの器官における線維症性器官不全、ならびに心血管系の炎症性合併症(例えば、急性冠状血管症候群)が挙げられるが、これらに限定されない。
「抗炎症剤」とは、炎症の処置において有用な化合物である。抗炎症剤の例としては、注射可能なタンパク質治療剤(例えば、Enbrel(登録商標)、Remicade(登録商標)、Humira(登録商標)およびKineret(登録商標))が挙げられる。抗炎症剤の他の例としては、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)(例えば、イブプロフェンまたはアスピリン(膨潤を減少させ、そして疼痛を軽減する));疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)(例えば、メトトレキサート);5−アミノサリチレート(スルファサラジンおよび硫黄を含まない薬剤);コルチコステロイド;免疫調節剤(例えば、6−メルカプトプリン(「6−MP」)、アザチオプリン(「AZA」)、シクロスポリン、ならびに生物学的応答調節剤(例えば、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)およびEnbrel(登録商標)(エタネルセプト)));線維芽細胞増殖因子;血小板由来増殖因子;酵素遮断薬(例えば、Arava(登録商標)(レフルノミド));ならびに/または軟骨保護薬剤(例えば、ヒアルロン酸、グルコサミン、およびコンドロイチン)が挙げられる。
用語「プロドラッグ」とは、本願において使用される場合、酵素または加水分解により、活性化し得るかまたはより活性な親化合物の形態に変換され得る、本発明の化合物の前駆体または誘導体の形態をいう。例えば、Wilman,「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」Biochemical Society Transactions,14,375−382頁,615th Meeting Belfast(1986)およびStellaら,「Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery」,Directed Drug Delivery,Borchardtら(編),247−267頁,Humana Press(1985)を参照のこと。本発明のプロドラッグとしては、エステル含有プロドラッグ、ホスフェート含有プロドラッグ、チオホスフェート含有プロドラッグ、スルフェート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、必要に応じて置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、必要に応じて置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、より活性な細胞傷害性の遊離薬物に転換され得る5−フルオロシトシンプロドラッグおよび他の5−フルオロウリジンプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用するためのプロドラッグ形態に誘導体化され得る細胞傷害性薬物の例としては、本発明の化合物、および上に記載されたような化学療法剤が挙げられるが、これらに限定されない。
「代謝産物」とは、身体内で代謝により生成される、特定の化合物またはその塩の生成物である。化合物の代謝産物は、当該分野において公知である慣用的な技術、および本明細書中に記載されるもののような試験を使用して決定されたそれらの活性を使用して、同定され得る。このようなプロドラッグは、例えば、投与される化合物の、酸化、ヒドロキシル化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素切断などから生じ得る。従って、本発明は、本発明の化合物の代謝産物(本発明の化合物と哺乳動物との、この化合物の代謝産物を得るために充分な時間にわたる接触を包含するプロセスにより生成する化合物が挙げられる)を包含する。
「リポソーム」とは、薬物(例えば、本明細書中に開示されるMEKキナーゼインヒビター、および必要に応じて、化学療法剤)を哺乳動物に送達するために有用な、種々の型の脂質、リン脂質および/または界面活性剤からなる小胞である。リポソームの成分は、生物学的膜の脂質配置と同様に、二重層の形成で通常配置される。
用語「パッケージインサート」は、治療製品の指示、使用、投薬量、投与、禁忌および/または使用に関する警告についての情報を含む、このような治療製品の市販パッケージ内に慣例的に含まれる指示書をいうために使用される。
用語「立体異性体」とは、同一の化学構成および結合を有するが、端結合の周りでの回転によっては相互に交換され得ない、空間中で異なる原子の配向を有する化合物をいう。
「ジアステレオマー」とは、2つ以上の不斉中心を有し、そして分子が互いの鏡像ではない、立体異性体をいう。ジアステレオマーは、異なる物理特性(例えば、融点、沸点、スペクトル特性、および反応性)を有する。ジアステレオマーの混合物は、高分解分析手順(例えば、結晶化、電気泳動およびクロマトグラフィー)のもとで分離され得る。
本明細書中で使用される立体化学の定義および規則は、一般に、S.P.Parker編,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York;ならびにEliel,E.およびWilen,S.,「Stereochemistry of Organic Compounds」,John Wiley & Sons,Inc.,New York,1994に従う。本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含み得、従って、異なる立体異性体形態で存在し得る。本発明の化合物の全ての立体異性体形態(ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体を含むが、これらに限定されない)、ならびにこれらの混合物(例えば、ラセミ混合物)は、本発明の一部を形成することが意図される。多くの有機化合物は、光学活性な形態で存在する。すなわち、これらの化合物は、面偏光された光の面を回転させる能力を有する。光学的に活性な化合物を記載する際に、接頭語DおよびL、またはRおよびSが使用されて、キラル中心の周りでのその分子の絶対配置を表す。接頭語dおよびl、または(+)および(−)は、面偏光された光の、その化合物による回転の符号を表すために使用され、(−)または1は、その化合物が左旋性であることを意味する。接頭語(+)またはdを有する化合物は、右旋性である。所定の化学構造に関して、これらの立体異性体は、互いに鏡像であることを除いて、同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと称され得、そしてこのような異性体の混合物は、しばしば、エナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50の混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称され、これは、キラル反応またはプロセスにおいて、立体選択も立体特異性も存在しない場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」および「ラセミ体」とは、2つのエナンチオマー種の等モル混合物であり、光学活性がないものをいう。
用語「互変異性体」または「互変異性形態」とは、低いエネルギー障壁を介して相互変換可能な、異なるエネルギーの構造異性体をいう。例えば、プロトン互変異性体(プロトン移動互変異性体としてもまた公知)は、プロトンの移動を介する相互変換(例えば、ケト−エノール異性およびイミン−エナミン異性)を包含する。原子価互変異性体は、結合電子のうちのいくつかの再編成による相互変換を包含する。
語句「薬学的に受容可能な塩」とは、本明細書中で使用される場合、本発明の化合物の薬学的に受容可能な有機塩または無機塩をいう。例示的な塩としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、「メシレート」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩)、ならびにアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に受容可能な塩は、別の分子(例えば、酢酸イオン、コハク酸イオンまたは他の対イオン)の包含を含み得る。この対イオンは、親化合物の電荷を安定化する、任意の有機部分または無機部分であり得る。さらに、薬学的に受容可能な塩は、その構造中に1より多い荷電原子を有し得る。多重に荷電した原子が薬学的に受容可能な塩の一部分である例は、複数の対イオンを有し得る。従って、薬学的に受容可能な塩は、1つ以上の荷電原子および/または1つ以上の対イオンを有し得る。
本発明の化合物が塩基である場合、望ましい薬学的に受容可能な塩は、当該分野において利用可能である任意の適切な方法(例えば、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸など)または有機酸(例えば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(例えば、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸)、αヒドロキシ酸(例えば、クエン酸もしくは酒石酸)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸)、芳香族酸(例えば、安息香酸もしくはケイ皮酸)、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸)などでの、遊離塩基の処理)によって調製され得る。
本発明の化合物が酸である場合、望ましい薬学的に受容可能な塩は、任意の適切な方法(例えば、無機塩基または有機塩基(例えば、アミン(第一級、第二級もしくは第三級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物など)での、遊離酸の処理)によって調製され得る。適切な塩の例示的な例としては、アミノ酸(例えば、グリシンおよびアルギニン)、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、および環状アミン(例えば、ピペリジン、モルホリンおよびピペラジン)から誘導される有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから誘導される無機塩が挙げられるが、これらに限定されない。
語句「薬学的に受容可能な」とは、その物質または組成物が、その処方物を構成する他の成分、および/またはこの処方物で処置される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合性でなければならないことを示す。
「溶媒和物」とは、1つ以上の溶媒分子と、本発明の化合物との、会合体または複合体をいう。溶媒和物を形成する溶媒の例としては、水、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、およびエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。用語「水和物」とは、溶媒分子が水である複合体をいう。
用語「保護基」とは、化合物上の他の官能基が反応している間に、この化合物の特定の官能基をブロックまたは保護するために通常使用される置換基をいう。例えば、「アミノ保護基」とは、この化合物中のアミノ官能基をブロックまたは保護する、アミノ基に結合した置換基である。適切なアミノ保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。同様に、「ヒドロキシ保護基」とは、ヒドロキシ官能基をブロックまたは保護する、ヒドロキシ基の置換基をいう。適切な保護基としては、アセチルおよびシリルが挙げられる。「カルボキシ保護基」とは、カルボキシ官能基をブロックまたは保護する、カルボキシ基の置換基をいう。通常のカルボキシ保護基としては、フェニルスルホニルエチル、シアノエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、2−(p−トルエンスルホニル)エチル、2−(p−ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2−(ジフェニルホスフィノ)−エチル、ニトロエチルなどが挙げられる。保護基およびこれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991を参照のこと。
用語「本発明の化合物(compound of this invention)」および「本発明の化合物(compounds of the present invention)」および「式Iの化合物」は、他に示されない限り、式Iの化合物ならびにその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、塩(例えば、薬学的に受容可能な塩)およびプロドラッグを包含する。
本発明は、キナーゼインヒビターとして有用な、特に、MEKキナーゼインヒビターとして有用な、上に記載されたような式Iのアザベンゾフラニル化合物を提供する。本発明は、式I−a、I−b、I−c、I−d、I−e、I−f、I−g、I−h、I−i、II−a、II−b、II−c、II−d、II−e、II−f、II−g、II−h、II−i、III−a、III−b、III−c、III−d、III−e、III−f、III−g、III−h、およびIII−iの化合物を包含し、そして他の全ての可変物は、式Iにおいて定義されたとおりである。
本発明の化合物は、スキームおよび実施例において以下に記載される手順に従って、または当該分野において公知である方法によって、調製される。出発物質および種々の中間体は、市販供給源から得られ得るか、市販の化合物から調製され得るか、または周知の合成方法(例えば、WO02/06213、WO 03/077855およびWO03/077914に記載される方法)を使用して調製され得る。
式(VI)の化合物は、ハロゲン化剤(例えば、オキシ臭化リン)との、ニートでかまたは適切な溶媒(例えば、トルエン)中で、室温〜140℃の温度での反応によって、式(VII)の化合物に変換され得る。あるいは、式(VI)の化合物は、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリドと、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)および触媒(例えば、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン)の存在下で、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、室温で反応し得、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドと、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、適切な溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン)中で、室温〜その溶媒の還流温度の温度で反応し得る。さらに、式(VI)の化合物は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物で、塩基(例えば、ピリジン)の存在下で、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、−20℃〜周囲温度までの温度で処理され得る。
式(VIII)の化合物は、式(VII)の化合物から、アニリン(適切な置換基R1を組み込む)との、触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または酢酸パラジウム)、塩基(例えば、リン酸カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.1]ウンデカ−7−エンまたは炭酸セシウム)、配位子(例えば、9,9’−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−(ジメトキシ)ビフェニルまたはトリ−ブチル−ホスフィン)の存在下での、適切な溶媒(例えば、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはジオキサン)中での、室温〜その溶媒の還流温度の温度、または70℃〜150℃の温度でのマイクロ波照射下での反応により、得られ得る。
あるいは、式(VIII)の化合物は、式(VI)の化合物から、式(IX)の化合物(文献中に記載される公開された方法を使用して調製される)との、適切な溶媒(例えば、トルエンまたは1,2−ジメトキシエタン)中での、室温〜その溶媒の還流温度の温度、またはマイクロ波照射下で100℃〜180℃の温度での反応により、得られ得る。
式(X)の化合物は、式(VIII)の化合物から、塩基(例えば、水酸化ナトリウム)との、プロトン性溶媒(例えば、エタノールまたはメタノール)中での、室温〜還流温度までの温度での反応により、得られ得る。
式(X)の化合物は、式(XII)の官能基化ヒドロキシルアミン(市販されているか、またはスキーム8に従って調製される)またはアミン、および適切なカップリング剤(例えば、O−(7−アザ−ベンゾ−トリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ−メチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩またはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)と、N−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾールの存在下で、適切な塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはジクロロメタン)中で、およそ室温である温度で反応させられて、式(XI)の化合物を与え得る。あるいは、式(XI)の化合物は、式(VIII)の化合物から、アミンまたはヒドロキシルアミンDNHRとの、ルイス酸(例えば、トリメチルアルミニウム)の存在下での、溶媒(例えば、DCM)中での、室温〜還流温度までの温度での反応により、直接得られ得る。
式(VIII)の化合物は、式(XIV)の化合物から、式(VI)の化合物からの式(VIII)の化合物の調製について上に記載された方法を使用して、式(XV)の化合物(適切な置換基R1を組み込む)との反応により得られ得る。あるいは、式(VIII)の化合物は、式(XIV)の化合物から、式(XVI)の化合物(適切な置換基R1を組み込む)との、塩基(例えば、水素化ナトリウムまたはヘキサメチルジシラザンリチウム)の存在下での、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミド)中での、室温〜150℃の温度での反応により得られ得る。
式(XVII)の化合物は、式(X)の化合物からの式(XI)の化合物の調製について上に記載された方法を使用して、アミン(例えば、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール)とカップリングされ、続いて試薬(例えば、塩化チオニルまたはオキシ塩化リン)と、ニートでかまたは適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルムまたはジエチルエーテル)中で、室温〜その溶媒の還流の温度で反応して式(XVIII)の化合物を与え得る。
式(XIX)の化合物は、式(XVIII)の化合物から、アニリン(適切な置換基R1を組み込む)との、触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または酢酸パラジウム)、塩基(例えば、リン酸カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.1]ウンデカ−7−エンまたは炭酸セシウム)、配位子(例えば、9,9’−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−(ジメトキシ)ビフェニルまたはトリ−ブチル−ホスフィン)の存在下での、適切な溶媒(例えば、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはジオキサン)中での、室温〜その溶媒の還流温度の温度、または70℃〜150℃の温度でのマイクロ波照射下での反応により、得られ得る。
あるいは、式(XIX)の化合物は、式(XVIII)の化合物から、アニリン(適切な置換基R1を組み込む)との、塩基(例えば、水素化ナトリウムまたはヘキサメチルジシラザンリチウム)の存在下での、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミド)中での、室温〜150℃の温度での反応により、得られ得る。
式(X)の化合物は、式(XIX)の化合物から、酸(例えば、塩酸または酢酸)との、適切な溶媒(例えば、水)中での、室温〜その溶媒の還流の温度での反応により得られ得る。
式(XXI)の化合物は、塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下で、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドまたは1,2−ジメトキシエタン)中で、−50℃〜室温の温度で反応して、式(XXII)の化合物を与え得る。
式(XXII)の化合物は、ハロゲン化剤(例えば、オキシ臭化リン)との、ニートでかまたは適切な溶媒(例えば、トルエン)中での、室温〜140℃の温度での反応により、式(XXIII)の化合物に変換され得る。あるいは、式(XXII)の化合物は、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリドと、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)および触媒(例えば、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン)の存在下で、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で室温で反応し得、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドと、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、適切な溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン)中で、室温〜その溶媒の還流温度までの温度で反応し得る。さらに、式(VI)の化合物は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物で、塩基(例えば、ピリジン)の存在下で、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、−20℃〜周囲温度である温度で処理され得る。
式(XXIV)の化合物は、式(XXIII)の化合物から、アニリン(適切な置換基R1を組み込む)との、触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または酢酸パラジウム)、塩基(例えば、リン酸カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.1]ウンデカ−7−エンまたは炭酸セシウム)、配位子(例えば、9,9’−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−(ジメトキシ)ビフェニルまたはトリ−ブチル−ホスフィン)の存在下での、適切な溶媒(例えば、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはジオキサン)中での、室温からその溶媒の還流温度までの温度、または70℃〜150℃の温度でのマイクロ波照射下での反応により得られ得る。
あるいは、式(XXIV)の化合物は、式(XXII)の化合物から、式(IX)の化合物(文献中に記載される公開された方法を使用して調製される)との、適切な溶媒(例えば、トルエンまたは1,2−ジメトキシエタン)中での、室温からその溶媒の還流温度までの温度、またはマイクロ波照射下で100℃〜180℃の温度での反応により得られ得る。
式(XXVI)の化合物は、式(XXIV)の化合物から、塩基(例えば、水酸化ナトリウム)との、プロトン性溶媒(例えば、エタノールまたはメタノール)中での、室温から還流温度までの温度での反応により得られ得る。
式(XXVI)の化合物は、式(XII)の官能基化ヒドロキシルアミン(市販されているか、またはスキーム8に従って調製される)またはアミン、および適切なカップリング剤(例えば、O−(7−アザ−ベンゾ−トリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ−メチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩またはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)と、N−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾールの存在下で、適切な塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはジクロロメタン)中で、およそ室温である温度で反応して、式(XXVII)の化合物を与え得る。あるいは、式(XXVI)の化合物は、式(XXIV)の化合物から、アミンまたはヒドロキシルアミンDNHRとの、ルイス酸(例えば、トリメチルアルミニウム)の存在下での、溶媒(例えば、DCM)中での、室温〜還流温度までの温度での反応により、直接得られ得る。
式(XXXVI)の化合物は、式(XXIX)の化合物から、式(IV)の化合物からの式(XI)の化合物の調製について記載された方法と類似の方法を使用して、スキーム1に示されるように、得られ得る。
式I−h、II−hおよびII−hのフロ[2,3−d]ピリダジン、ならびに式I−g、II−g、およびIII−gのフロ[3,2−c]ピリダジンは、スキーム6中に概説される合成経路を使用して調製され得る。
上に記載されたクロスカップリング反応において使用される、一般式(XXXIX)のアニリンは、文献に記載される方法を使用することによってか、またはスキーム9に従って、調製され得る。
上に記載されたクロスカップリング反応において使用される、一般式(XL)のトリフルオロメタンスルホニルエステルは、文献に記載される方法を使用することによってか、またはスキーム10に従って調製され得る。
適切な官能基が存在する場合、式(I)、(II)、(III)の化合物、またはこれらの調製において使用される任意の中間体は、置換反応、酸化反応、還元反応、または切断反応を使用して、1以上の標準的な合成方法によってさらに誘導体化され得ることが理解される。特定の置換アプローチとしては、従来のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化およびカップリングの手順が挙げられる。
例えば、アリールブロミド基またはアリールクロリド基は、ヨウ素供給源(例えば、ヨウ化ナトリウム)、触媒(例えば、ヨウ化銅)および配位子(例えば、トランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン)を用いて、溶媒(例えば、1,4−ジオキサン)中で、この反応混合物を還流温度で加熱するFinkelstein反応を使用して、アリールヨージドに変換され得る。アリールトリアルキルシランは、このシランを、ヨウ素供給源(例えば、一塩化ヨウ素)で、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、ルイス酸(例えば、テトラフルオロホウ酸銀)を用いてかまたは用いずに、−40℃〜還流までの温度で処理することによって、アリールヨージドに変換され得る。
さらなる例において、第一級アミン基または第二級アミン基は、アシル化により、アミド基(−NHCOR’または−NRCOR’)に変換され得る。アシル化は、適切な酸塩化物との、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下での、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中での反応によってか、または適切なカルボン酸との、適切なカップリング剤(例えば、HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート))の存在下での、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中での反応によって、達成され得る。同様に、アミン基は、適切な塩化スルホニルとの、適切な塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下での、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中での反応により、スルホンアミド(−NHSO2R’または−NR”SO2R’)基に変換され得る。第一級アミン基または第二級アミン基は、適切なイソシアネートとの、適切な塩基(例えば、トリエチルアミンの存在下での、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中での反応によって、ウレア基(−NHCONR’R”または−NRCONR’R”)に変換され得る。
アルデヒド基(−CHO)は、アミンおよびボロヒドリド(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム)を使用する、溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン)またはアルコール(例えば、エタノール))中での、必要であれば酸(例えば、酢酸)の存在下での、およそ周囲温度での還元的アミノ化によって、アミン基(−CH2NR’R”)に変換され得る。
さらなる例において、アルデヒド基は、適切なホスホランまたはホスホネートを使用して、当業者に公知である標準的な条件下での、Wittig反応またはWadsworth−Emmons反応の使用によって、アルケニル基(−CH=CHR’)に変換され得る。
アルコール基は、当業者に公知である条件を使用して、脱離基(例えば、ハロゲン原子またはスルホニルオキシ基(例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基)またはアリールスルホニルオキシ基(例えば、p−トルエンスルホニルオキシ基))に変換され得る。例えば、アルコールは、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン)中で塩化チオニルと反応して、対応する塩化物を与え得る。塩基(例えば、トリエチルアミン)がまた、この反応において使用され得る。
別の例において、アルコール基、フェノール基またはアミド基は、フェノールまたはアミドを、アルコールと、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)および活性化剤(例えば、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、またはアゾジカルボン酸ジメチル)の存在下でカップリングすることによって、アルキル化され得る。あるいは、アルキル化は、適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム)を使用する脱保護、引き続くアルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキル)の添加によって、達成され得る。
化合物中の芳香族ハロゲン置換基は、塩基(例えば、リチウム塩基(例えば、n−ブチルリチウムまたはt−ブチルリチウム))を用いて、必要に応じて低温(例えば、約−78℃)で、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で処理することによるハロゲン−金属交換に供され、次いで求電子試薬でクエンチされて、所望の置換基を導入され得る。従って、例えば、ホルミル基は、N,N−ジメチルホルムアミドを求電子試薬として使用することによって、導入され得る。あるいは、芳香族ハロゲン置換基は、金属(例えば、パラジウムまたは銅)により触媒される反応に供されて、例えば、酸置換基、エステル置換基、シアノ置換基、アミド置換基、アリール置換基、ヘテロアリール置換基、アルケニル置換基、アルキニル置換基、チオ置換基、またはアミノ置換基を導入され得る。使用され得る適切な手順としては、Heck、Suzuki、Stille、BuchwaldまたはHartwigにより記載された手順が挙げられる。
芳香族ハロゲン置換基はまた、適切な求核試薬(例えば、アミンまたはアルコール)との反応後に、求核置換を受け得る。有利には、このような反応は、高温で、マイクロ波照射の存在下で行われ得る。
本発明の化合物は、これらの化合物がMEKの活性および活性化を阻害する能力について(一次アッセイ)、ならびに増殖する細胞に対するこれらの化合物の生物学的効果について(二次アッセイ)、以下に記載されるように試験される。実施例1aまたは1bのMEK活性アッセイにおいて10μM未満(より好ましくは5μM未満、なおより好ましくは1μM未満、最も好ましくは0.5μM未満)のIC50を有する化合物、実施例2のMEK活性化アッセイにおいて5μM未満(より好ましくは0.1μM未満、最も好ましくは0.01μM未満)のIC50を有する化合物、実施例3の細胞増殖アッセイにおいて10μM未満(より好ましくは5μM未満、最も好ましくは0.5μM未満)のEC50を有する化合物および/または実施例4のERKリン酸化アッセイにおいて10μM未満(より好ましくは1μM未満、最も好ましくは0.1μM未満)のEC50を有する化合物は、MEKインヒビターとして有用である。
本発明は、式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)およびキャリア(薬学的に受容可能なキャリア)を含有する、組成物(例えば、薬学的組成物)を包含する。本発明はまた、式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)およびキャリア(薬学的に受容可能なキャリア)を含有し、さらに第二の化学療法剤および/または第二の抗炎症剤(例えば、本明細書中に記載されるもの)を含有する、組成物(例えば、薬学的組成物)を包含する。本発明の組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)において、異常な細胞増殖を阻害するため、または過剰増殖障害を処置するために有用である。本発明の組成物はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)において炎症性疾患を処置するために有用である。
本発明の化合物および組成物はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)において、自己免疫疾患、破壊的骨障害、増殖性障害、感染症、ウイルス性疾患、線維性疾患または神経変性疾患を処置するために有用である。このような疾患/障害の例としては、糖尿病および糖尿病合併症、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性、血管腫、突発性肺線維症、鼻炎およびアトピー性皮膚炎、腎臓疾患および腎不全、多発性嚢胞腎疾患、うっ血性心不全、神経線維腫症、器官移植拒絶、悪質液、脳卒中、敗血症性ショック、心不全、器官移植拒絶、アルツハイマー病、慢性疼痛またはニューロパシー性疼痛、ならびにウイルス感染(例えば、HIV、B型肝炎ウイルス(HBV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、およびエプスタイン−バーウイルス(EBV))が挙げられるが、これらに限定されない。慢性疼痛としては、本発明の目的で、突発性の疼痛、および慢性アルコール症、ビタミン欠損、尿毒症、甲状腺機能低下症、炎症、関節炎に関連する疼痛、ならびに手術後疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。ニューロパシー性疼痛は、炎症、手術後疼痛、幻想肢痛、火傷の疼痛、通風、三叉神経痛、急性のヘルペス性疼痛およびヘルペス後疼痛、カウザルギー、糖尿病性ニューロパシー、叢捻除、神経腫、脈管炎、ウイルス感染、挫傷損傷、絞窄損傷、組織損傷、肢切断、関節炎疼痛、ならびに末梢神経系と中枢神経系との間の神経損傷が挙げられるがこれらに限定されない多数の状態に関連する。
本発明の化合物および組成物はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)において、膵臓炎または腎臓疾患(増殖性糸球体腎炎および糖尿病により誘導される腎疾患が挙げられる)を処置するために有用である。
本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)において、異常な細胞増殖を阻害するかまたは過剰増殖障害を処置する方法を包含し、この方法は、この哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)またはその組成物を投与する工程を包含する。本発明にはまた、哺乳動物(例えば、ヒト)において炎症性疾患を処置する方法が包含され、この方法は、この哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物(ならびに/あるいはその溶媒和物および/または塩)またはその組成物を投与する工程を包含する。
本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)において、異常な細胞増殖を阻害するかまたは過剰増殖障害を処置する方法を包含し、この方法は、この哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)またはその組成物を、第二の化学療法剤(例えば、本明細書中に記載されるもの)と組み合わせて投与する工程を包含する。本発明はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)において炎症性疾患を処置する方法を包含し、この方法は、この哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物(ならびに/あるいはその溶媒和物および/または塩)またはその組成物を、第二の抗炎症剤(例えば、本明細書中に記載されるもの)と組み合わせて投与する工程を包含する。
本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)において自己免疫疾患、破壊的骨障害、増殖性障害、感染症、ウイルス性疾患、線維性疾患または神経変性疾患を処置する方法を包含し、この方法は、この哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)またはその組成物(必要に応じて、第二の治療剤をさらに含有する)を投与する工程を包含する。このような疾患/障害の例としては、糖尿病および糖尿病合併症、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性、血管腫、突発性肺線維症、鼻炎およびアトピー性皮膚炎、腎臓疾患および腎不全、多発性嚢胞腎疾患、うっ血性心不全、神経線維腫症、器官移植拒絶、悪質液、脳卒中、敗血症性ショック、心不全、器官移植拒絶、アルツハイマー病、慢性疼痛またはニューロパシー性疼痛ならびにウイルス感染(例えば、HIV、B型肝炎ウイルス(HBV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、およびエプスタイン−バーウイルス(EBV))が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)において膵臓炎または腎臓疾患(増殖性糸球体腎炎および糖尿病により誘導される腎疾患が挙げられる)を処置する方法を包含し、この方法は、この哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)またはその組成物(必要に応じて、第二の治療剤をさらに含有する)を投与する工程を包含する。
本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)において未分化胚芽細胞の着床を予防する方法を包含し、この方法は、この哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)またはその組成物(必要に応じて、第二の治療剤をさらに含有する)を投与する工程を包含する。
本発明は、本発明の化合物を、哺乳動物細胞、生物、または関連する病理学的状態の、インビトロ、インサイチュ、およびインビボでの診断または処置のために使用する方法を包含する。
本発明の化合物は、異常な細胞を、このような細胞の殺傷および/または増殖の阻害の目的で、放射線を用いる処置に対してより感受性にし得ることがまた考えられる。従って、本発明はさらに、哺乳動物(例えば、ヒト)において、放射線を用いる処置に対して異常な細胞を感作するための方法に関し、この方法は、この哺乳動物に、ある量の式Iの化合物(ならびに/またはその溶媒和物および塩)またはその組成物を投与する工程を包含し、この量は、放射線を用いる処置に対して異常な細胞を感作する際に効果的である。
本発明の化合物(本明細書中以下で、「活性化合物」)の投与は、作用の部位への化合物の送達を可能にする、任意の方法によって行われ得る。これらの方法としては、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、脈管内または注入が挙げられる)、局所投与、吸入投与および直腸投与が挙げられる。
投与される活性化合物の量は、処置される被験体、障害または状態の重篤度、投与の割合、化合物の性質、および処方する医師の判断に依存する。しかし、有効な投薬量は、単回用量または分割用量で、1日あたり体重1kgあたり約0.001mg〜約100mg、好ましくは約1mg/kg/日〜約35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトについては、この量は、約0.05g/日〜7g/日、好ましくは約0.05g/日〜約2.5g/日の量である。いくつかの例において、上記範囲の下限より低い投薬レベルが充分であり得、一方で、他の場合においては、いかなる危険な副作用も引き起こすことなく、さらに大きい用量が使用され得る。ただし、このようなより大きい用量は、最初に、1日にわたる投与のために、数個の小さい用量に分割される。
活性化合物は、単独の治療剤として、または1種以上の化学療法剤(例えば、本明細書中に記載されるもの)と組み合わせて、適用され得る。このような組み合わせの処置は、処置の個々の成分の同時の投薬、連続的な投薬または別々の投薬によって、達成され得る。
薬学的組成物は、例えば、経口投与のために適切な形態(例えば、錠剤、カプセル、丸剤、散剤、徐放処方物、溶液、懸濁物)、非経口注射のために適切な形態(例えば、滅菌された溶液、懸濁液またはエマルジョン)、局所投与のために適切な形態(例えば、軟膏またはクリーム)、あるいは直腸投与のために適切な形態(例えば、坐剤)であり得る。薬学的組成物は、正確な投薬量の1回の投与のために適切な、単位投薬形態であり得る。薬学的組成物は、従来の薬学的キャリアまたは賦形剤、および活性成分として本発明による化合物を含有する。さらに、この組成物は、他の医薬品または薬学的薬剤、キャリア、アジュバントなどを含有し得る。
例示的な非経口投与形態としては、滅菌水溶液(例えば、プロピレングリコールまたはブドウ糖の水溶液)中の、活性化合物の溶液または懸濁物が挙げられる。このような投薬形態は、所望であれば、適切に緩衝され得る。
適切な薬学的キャリアとしては、不活性な希釈剤または充填剤、水および種々の有機溶媒が挙げられる。薬学的組成物は、所望であれば、さらなる成分(例えば、矯味矯臭剤、結合剤、賦形剤など)を含有し得る。従って、経口投与のために、種々の賦形剤(例えば、クエン酸)を含有する錠剤は、種々の崩壊剤(例えば、デンプン、アルギン酸および特定の複合シリケート)、ならびに結合剤(例えば、スクロース、ゼラチンおよびアカシア)と一緒に使用され得る。さらに、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよび滑石)が、しばしば、打錠プロセスのために有用である。類似の型の固体組成物はまた、軟質または硬質の充填ゼラチンカプセルにおいて使用され得る。従って、好ましい材料としては、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。経口投与のために水性の懸濁物またはエリキシルが望ましい場合、その中の活性化合物は、希釈剤(例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはこれらの組み合わせ)と一緒に、種々の甘味剤または矯味矯臭剤、着色物質または色素、および所望であれば、乳化剤または懸濁剤と組み合わせられ得る。
特定の量の活性化合物をもちいて種々の薬学的組成物を調製する方法は、当業者に公知であるか、または明らかになる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Ester,Pa.,第15版(1975)を参照のこと。
(略語)
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM ジクロロメタン
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
EDCI 1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩酸
HM−N Isolute(登録商標)HM−Nは、水性サンプルを効率的に吸収し得る、ケイ藻土の改変形態である
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IMS 産業用メチル化スピリッツ
ICl 一塩化ヨウ素
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MeOH メタノール
NaHCO3 重炭酸ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
Pd(PPh3)4 テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Pd2dba3 トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Si−SPE 予め充填されたIsolute(登録商標)シリカフラッシュクロマトグラフィーカートリッジ
Si−ISCO 予め充填されたISCO(登録商標)シリカフラッシュクロマトグラフィーカートリッジ
THF テトラヒドロフラン
Xantphos 9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン
(一般的な実験条件)
1H NMRスペクトルを、周囲温度で、三重共鳴5mmプローブを備えるVarian Unity Inova(400MHz)分光計を使用して記録した。化学シフトは、テトラメチルシランに対するppmで表される。以下の略語が使用されている:br=幅広信号、s=一重線、d=二重線、dd=二重二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線。
保持時間(RT)および関連する質量イオンを決定するための高圧液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)実験を、以下の方法を使用して実施した。
方法A:ダイオードアレイ検出器を備えるHewlett Packard HP1100 LCシステムに接続されたWaters Micromass ZQ四重極質量分析計で実施された実験。このシステムは、Higgins Clipeus 5ミクロンC18 100×3.0mmカラムおよび1ml/分の流量を使用する。最初の溶媒系は、最初の1分間については0.1%のギ酸を含む95%の水(溶媒A)および0.1%のギ酸を含む5%のアセトニトリル(溶媒B)であり、続いて次の14分間にわたって5%の溶媒Aおよび95%の溶媒Bまでの勾配であった。最終溶媒系を、さらに5分間にわたって一定に維持した。
方法B:ダイオードアレイ検出器および100位置オートサンプラーを備えるHewlett Packard HP1100 LCシステムに接続されたWaters Platform LC四重極質量分析計で、Phenomenex Luna C18(2) 30×4.6mmカラムおよび2ml/分の流量を使用して実施された実験。溶媒系は、最初の0.50分間については0.1%のギ酸を含む95%の水(溶媒A)および0.1%のギ酸を含む5%のアセトニトリル(溶媒B)であり、続いて次の4分間にわたって5%の溶媒Aおよび95%の溶媒Bまでの勾配であった。最終溶媒系を、さらに0.50分間にわたって一定に維持した。
方法C:ダイオードアレイ検出器および225位置オートサンプラーを備えるShimadzu LC−10AD LCシステムに接続されたPE Sciex API 150 EX四重極質量分析計で、Kromasil C18 50×4.6mmカラムおよび3ml/分の流量を使用して実施された実験。溶媒系は、0.05%のTFAを含む100%の水(溶媒A)および0.0375%のTFAを含む0%のアセトニトリル(溶媒B)から開始して、10%の溶媒Aおよび90%の溶媒Bまで4分間にわたって傾斜する勾配であった。最終溶媒系を、さらに0.50分間にわたって一定に維持した。
方法D:ダイオードアレイ検出器を備えるShimadzu LC−10AD VP LCシステムに結合されたShimadzu LCMS−2010A液体クロマトグラフィー−質量分析計で実施された実験。Kromasil 100 5ミクロンC18 50×4.6mmカラムおよび2.5ml/分の流量を使用する。最初の溶媒系は、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む100%の水(溶媒A)および0.05%のトリフルオロ酢酸を含む0%のアセトニトリル(溶媒B)であり、続いて8分間にわたって、10%の溶媒Aおよび90%の溶媒Bまでの勾配であった。最終溶媒系を、さらに2分間にわたって一定に維持した。
方法E:ダイオードアレイ検出器を備えるAgilent Technologies Series 1100 LCシステムに接続されたAgilent Technologies液体クロマトグラフィー−質量分析計で実施された実験。Zorbax 3.5ミクロンSB−C18 30×2.6mmカラムおよび0.5ml/分の流量を使用する。最初の溶媒系は、0.05%のトリフルオロ酢酸を含む95%の水(溶媒A)および0.0375%のトリフルオロ酢酸を含む5%のアセトニトリル(溶媒B)であり、続いて9分間にわたって、5%の溶媒Aおよび95%の溶媒Bまでの勾配であった。最終溶媒系を、さらに1分間にわたって一定に維持した。
マイクロ波実験を、Personal Chemistry Emrys IniatiatorTMまたはOptimizerTMを使用して実施した。これは、単一モードの共振子および動的磁場調整を使用し、これらの両方が、再現性および制御を与える。40℃〜250℃の温度が達成され得、そして20barまでの圧力が達成され得る。
(実施例1a MEKアッセイ(MEK活性アッセイ))
昆虫細胞中で発現した、構成的に活性化したヒト変異体MEK1を、酵素活性の供給源として、キナーゼアッセイにおける、62.5nMの最終濃度で使用する。
このアッセイを、50μMのATPの存在下で、基質としてE.Coli中で産生された組換えGST−ERK1を使用して、30分間実施する。この基質のリン酸化を検出し、そしてCisbioにより供給されるHTRF試薬を使用して定量する。これらは、アロフィコシアニン(XL665)に結合した抗GST抗体およびユーロピウムクリプテートに結合した抗ホスホ(Thr202/Tyr204)ERK抗体からなる。抗ホスホ抗体は、Thr202およびTyr204で二重にリン酸化されたERK1を認識する。両方の抗体がERK1に結合する場合(すなわち、基質がリン酸化される場合)、クリプテートからアロフィコシアニンへのエネルギー移動が起こり、続いて340nmで励起し、その結果、蛍光が発し、この蛍光は、産生したリン酸化基質の量に比例する。蛍光を、マルチウェル蛍光計を使用して検出する。
化合物をDMSOで希釈し、その後、アッセイ緩衝液に添加し、このアッセイにおける最終DMSO濃度は、1%になる。
IC50は、所定の化合物がコントロールの50%阻害を達成する濃度として定義される。IC50値は、XLfitソフトウェアパッケージ(バージョン2.0.5)を使用して計算される。
(実施例1b MEKアッセイ(MEK活性アッセイ))
昆虫細胞中で発現した、構成的に活性化したヒト変異体MEK1を、酵素活性の供給源として、キナーゼアッセイにおける、15nMの最終濃度で使用する。
このアッセイを、50μMのATPの存在下で、基質としてE.Coli中で産生された組換えGST−ERK1を使用して、30分間実施する。この基質のリン酸化を検出し、そしてCisbioにより供給されるHTRF試薬を使用して定量する。これらは、アロフィコシアニン(XL665)に結合した抗GST抗体およびユーロピウムクリプテートに結合した抗ホスホ(Thr202/Tyr204)ERK抗体からなる。これらを、それぞれ4μg/mlおよび0.84μg/mlの最終濃度で使用する。抗ホスホ抗体は、Thr202およびTyr204で二重にリン酸化されたERK1を認識する。両方の抗体がERK1に結合する場合(すなわち、基質がリン酸化される場合)、クリプテートからアロフィコシアニンへのエネルギー移動が起こり、続いて340nmで励起し、その結果、蛍光が発し、この蛍光は、産生したリン酸化基質の量に比例する。蛍光を、マルチウェル蛍光計を使用して検出する。
化合物をDMSOで希釈し、その後、アッセイ緩衝液に添加し、このアッセイにおける最終DMSO濃度は、1%になる。
IC50は、所定の化合物がコントロールの50%阻害を達成する濃度として定義される。IC50値は、XLfitソフトウェアパッケージ(バージョン2.0.5)を使用して計算される。
実施例5〜18、20〜102、105〜109、111〜118、120〜133、136〜149および151〜160の化合物は、実施例1aまたは1bのいずれかに記載されるアッセイにおいて、10μM未満のIC50を示し、これらの化合物のほとんどは、5μM未満のIC50を示した。
(実施例2 bRafアッセイ(MEK活性化アッセイ))
昆虫細胞中で発現した、構成的に活性化したbRaf変異体を、酵素活性の供給源として使用する。
このアッセイを、200μMのATPの存在下で、E.Coli中で発現した組換えGST−MEK1を基質として使用して、30分間実施する。基質のリン酸化を検出し、そしてHTRF(試薬は、Cisbioにより供給される)を使用して定量する。これらは、アロフィコシアニン(XL665)に結合した抗GST抗体およびユーロピウムクリプテートに結合した抗ホスホ(Ser217/Ser221)MEK抗体からなる。抗ホスホ抗体は、Ser217およびSer221において二重にリン酸化されたMEK、またはSer217で1箇所でリン酸化されたMEKを認識する。両方の抗体がMEKに結合する場合(すなわち、基質がリン酸化される場合)、クリプテートからアロフィコシアニンへのエネルギー移動が起こり、続いて340nmで励起し、その結果、蛍光が発し、この蛍光は、産生したリン酸化基質の量に比例する。蛍光を、マルチウェル蛍光計を使用して検出する。
化合物をDMSOで希釈し、その後、アッセイ緩衝液に添加し、このアッセイにおける最終DMSO濃度は、1%になる。
IC50は、所定の化合物がコントロールの50%阻害を達成する濃度として定義される。IC50値は、XLfitソフトウェアパッケージ(バージョン2.0.5)を使用して計算される。
このアッセイにおいて、実施例5〜19の化合物は、5μM未満のIC50を示した。
(実施例3 細胞増殖アッセイ)
化合物を、以下の細胞株を使用して、細胞増殖アッセイにおいて試験する:
HCT116 ヒト結腸直腸癌腫(ATCC)
A375 ヒト悪性黒色腫(ATCC)。
両方の細胞株を、10% FCSを補充したDMEM/F12(1:1)培地(Gibco)中に、37℃の5% CO2加湿インキューベーター内で維持する。
細胞を、96ウェルプレートに2,000細胞/ウェルで播種し、そして24時間後、これらの細胞を、0.83% DMSO中の様々な濃度の化合物に曝露する。細胞をさらに72時間増殖させ、そして等体積のCellTiter−Glo試薬(Promega)を各ウェルに添加する。これにより細胞を溶解し、そして放出されたATPの量に比例する(従って、ウェル内の細胞の数に比例する)発光信号を生成する。この発光信号を、マルチウェル発光計を使用して検出し得る。
EC50は、所定の化合物がコントロールの50%阻害を達成する濃度として定義される。EC50値は、XLfitソフトウェアパッケージ(バージョン2.0.5)を使用して計算される。
このアッセイにおいて、実施例5〜13、15〜16、18、20〜22、24〜25、28、31、35、38〜39、41、109、133〜134、138、140〜141および160の化合物は、これらの細胞株のうちのいずれか一方において、10μM未満のEC50を示した。
(実施例4 ホスホ−ERK細胞ベースアッセイ)
化合物を、細胞ベースのホスホ−ERK ELISAにおいて、以下の細胞株を使用して試験する:
HCT116 ヒト結腸直腸癌腫(ATCC)
A375 ヒト悪性黒色腫(ATCC)。
両方の細胞株を、10% FCSを補充したDMEM/F12(1:1)培地(Gibco)中に、37℃の5% CO2加湿インキューベーター内で維持する。
細胞を、96ウェルプレートに2,000細胞/ウェルで播種し、そして24時間後、これらの細胞を、0.83% DMSO中の様々な濃度の化合物に曝露する。細胞をさらに2時間または24時間増殖させ、ホルムアルデヒド(最終2%)で固定し、そしてメタノールを用いて透過化する。TBST−3% BSAでブロックした後に、固定した細胞を一次抗体(ウサギ由来の抗ホスホERK)と一緒に4℃で一晩インキュベートする。細胞をヨウ化プロピジウム(DNA蛍光色素)と一緒にインキュベートし、そして細胞p−ERKの検出を、蛍光性Alexa Fluor 488色素(Molecular probes)に結合した抗ウサギ二次抗体を使用して実施する。蛍光を、Acumen Explorer(TTP Labtech)(レーザー走査マイクロプレートサイトメーター)を使用して分析し、そしてAlexa Fluor 488信号をPI信号(細胞数に比例する)に対して標準化する。
EC50は、所定の化合物がベースラインと最大応答との間の半分の信号を達成する濃度として定義される。EC50値は、XLfitソフトウェアパッケージ(バージョン2.0.5)を使用して計算される。
このアッセイにおいて、実施例5〜13、15〜16、18、20〜26、28〜29、31、35、38〜39、41〜48、50、55、59〜61、68、70、73〜74、76、79、81〜84、87、91、95、99、109、111、113、117、118、120、122〜124、126〜127、131、133、134、138〜141、144、147、152、および155〜160の化合物は、これらの細胞株のうちのいずれか一方において、10μM未満のEC50を示した。
(アザベンゾフラニルコアの合成)
(3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
Guillierら(1995)J.Org.Chem.60(2):292−6の手順に従って、無水THF(70ml)中LDA(21ml,ヘキサン中1.6M,33.3mmol)の冷(−78℃)溶液に、4−クロロピリジン(5.0g,33.3mmol)を窒素雰囲気下で添加した。−78℃で1時間後、この溶液を、250mlのコニカルフラスコに含まれる固体CO
2の床に急速に注いだ。周囲温度まで温めた後に、この溶液を水(30ml)でクエンチした。揮発性有機溶媒を減圧中で除去し、そして残った水性懸濁物をジエチルエーテル(3×100ml)で抽出した。その水相を0℃まで冷却し、次いで濃塩酸の添加によりpH4に調整した。得られた沈殿物を30分間成長させ、次いで濾過により収集した。その固体を冷ジエチルエーテル(10ml)で洗浄して、表題化合物を白色固体として得た(3.2g,61%)。
(工程2:4−クロロ−ニコチン酸エチル)
4−クロロ−ニコチン酸(3.0g,19.0mmol)の、塩化チオニル(50ml)中の懸濁物を、90分間加熱還流した。周囲温度まで冷却した後に、この溶液を濃縮乾固させ、次いでトルエン(2×50ml)と共沸して、固体を得た。得られた固体をエタノール(25ml)およびDIPEA(15ml)の冷(0℃)溶液に少しずつ添加した。この反応物を室温で4時間攪拌し、次いで減圧中で濃縮した後に、水(75ml)を添加した。この溶液を酢酸エチル(2×75ml)で抽出し、次いで合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮して、表題化合物を褐色油状物として得た(3.3g,94%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.03(s,1H),7.58(d,J=5.4Hz,1H),7.41(dd,J=5.4Hz,0.5Hz,1H),4.45(q,J=7.3Hz,2H),1.43(t,J=7.3Hz,3H)。
(工程3:3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
4−クロロ−ニコチン酸エチル(910mg,4.9mmol)およびグリコール酸エチル(0.48mL,5.1mmol)の、無水DMF(17ml)中の冷(0℃)溶液に、窒素雰囲気下で、水素化ナトリウム(9.8mmol,60%,392mg)を添加した。この反応混合物を16時間攪拌し(0℃〜室温)、次いで酢酸(1.2ml)の添加により酸性化し、引き続いて濃縮して、残渣を得た。水(23ml)を添加し、そしてこの混合物を5分間攪拌し、この時点で、得られた褐色沈殿物を濾過により収集し、そして水(3×30mL)で洗浄して、表題化合物を淡褐色固体として得た(875mg,86%)。1H NMR(DMSO−D
6,400MHz)9.18(d,J=1.2Hz,1H),8.60(d,J=6.0Hz,1H),7.66(dd,J=6.0Hz,0.8Hz,1H),4.32(q,J=7.2Hz,2H),1.32(t,J=7.2Hz,3H)。LCMS(方法B):R
T=1.42分,M+H
+=208。
(工程4:3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(3.15g,15.204mmol)、N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アニリン(10.08g,28.24mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(11.35mL,65.16mmol)の、ジメトキシエタン(50ml)中の攪拌溶液を、95℃で35分間加熱した。次いで、この反応物を室温まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。次いで、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ,120gカラム,ISCO,45mL/分,ヘキサン中0%〜60%酢酸エチル、20分間)により精製して、表題化合物を淡黄色油状物/白色蝋状固体として得た(4.11g,79.7%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.07(s,1H),8.75(d,1H),7.59(d,1H),4.54(q,2H),1.47(t,3H)。LCMS(5分,方法2):R
T=2.93分,M+H
+=339.6。
(工程5:3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(4.11g,12.11mmol)、4−ブロモ−2−フルオロアニリン(3.76g,19.38mmol)、Pd2dba3(925mg,1.01mmol)、Xantphos(591mg,1.02mmol)およびK3PO4(4.95g,22.61mmol)の、トルエン(60ml)中の懸濁物を、窒素のバブリングにより10分間脱気し、次いで105℃で24時間加熱した。次いで、この反応混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチル(100ml)で希釈した。次いで、得られた混合物をセライト545で濾過し、そしてこのセライトをさらに50mlの酢酸エチルで洗浄した。次いで、その濾液を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカ,120gカラム,ISCO,45mL/分,ヘキサン中0%〜70%の酢酸エチル、40分間)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(2.96g,64.5%)。1H NMR(CDCl3,400MHz)8.60(m,2H),7.66(s,1H),7.50(d,m,1H),7.39(d,d,1H),7.30(d,m,1H),7.16(t,1H),4.49(q,2H),1.47(t,3H)。LCMS(5分,方法2):RT=2.47分,M+H+=378.9。
(3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
Zhouら(2001)Bioorg.Med.Chem.Lett.9(8):2061−2071の手順に従って、臭素(1.22mL,23.9mmol)をNaOH(60mL,150mmol)の2.5Nの冷(5℃)溶液にゆっくりと添加し、そして5分間攪拌した後に、ピロロ[3,4−c]ピリジン−1,3−ジオン(3.5g,23.6mmol)を添加した。その温度は80℃まで上昇し、そしてこの混合物を1時間攪拌し、その後、周囲温度まで冷却した。酢酸(5.9mL,98.3mmol)を注意深く添加し(N.B.:気体の発生)、そしてその溶液を10分間攪拌し、これにより沈殿物が形成され、これを濾過により収集した。この固体を水(20ml)およびMeOH(20ml)で洗浄し、次いで乾燥させて、表題化合物を黄色固体として得た(2.1g,64%)。
(工程2:3−ヒドロキシ−イソニコチン酸)
3−アミノ−イソニコチン酸(2.1g,15.2mmol)の水(35ml)中の懸濁物に、濃硫酸(1.5ml)を添加した。この溶液を5℃まで冷却し、そして激しく攪拌し、その後、水(10ml)中亜硝酸ナトリウム(1.05g,15.2mmol)の溶液を添加した。この懸濁物を80℃までゆっくりと加熱し、そしてこの温度で15分間維持し、次いで65℃まで冷却し、そして酢酸(1.5ml)を添加した。濃アンモニア溶液(約3.5ml)の添加により、この溶液のpHをpH4.5に調整し、次いでこの混合物を一晩冷蔵庫に入れた。得られた沈殿物を濾過により収集し、水(20ml)で洗浄し、そして減圧下で乾燥させて、表題化合物を黄色固体として得た(1.85g,88%)。1H NMR(d
4−MeOH,400MHz)8.37(s,1H),8.09(d,J=5.5Hz,1H),7.81(d,J=5.5Hz,1H)。
(工程3:3−ヒドロキシ−イソニコチン酸エチル)
3−ヒドロキシ−イソニコチン酸(1.83g,13.2mmol)を、エタノール(40ml)および濃硫酸(1.0ml)の混合物中で、48時間加熱還流した。この混合物を室温まで冷却し、そして濃縮して、残渣を得た。この残渣を水(10ml)に溶解し、そしてNaHCO
3(約2g)の添加により中和した。その有機成分をDCM(3×20ml)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物を黄色油状物として得、これは、静置すると固化した(1.87g,85%)。1H NMR(d
4−MeOH,400MHz)10.40(s,1H),8.49(s,1H),8.21(d,J=5.20Hz,1H),7.62(d,J=5.20Hz,1H),4.47(q,J=6.44Hz,2H),1.45(t,J=6.44Hz,3H)。
(工程4:3−エトキシカルボニルメトキシ−イソニコチン酸エチル)
3−ヒドロキシ−イソニコチン酸エチル(1.67g,1.0mmol)、グリコール酸エチル(1.15mL,12.0mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.93g,15.0mmol)の、無水THF(50ml)中のの冷(5℃)溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(2.94mL,15.0mmol)を滴下した。この反応混合物を周囲温度まで次第に温め、次いで、さらに1時間攪拌した。この溶液を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,50:50から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(2.15g,85%)。LCMS(方法B):R
T=2.69分,M+H
+=254。
(工程5:3−ヒドロキシ−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−エトキシカルボニルメトキシ−イソニコチン酸エチル(2.1g.8.3mmol)の、THF(50ml)中の溶液を、カリウムtert−ブトキシド(966mg,8.6mmol)の、THF(20ml)中の冷(0℃)溶液に注意深く添加した。30分後、この反応混合物を、酢酸(10ml)の添加によりクエンチした。溶媒のエバポレーションによりガム状物質を得、これを酢酸エチル(50ml)に溶解し、そして水(2×10ml)で洗浄した。その有機層を単離し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。この溶液を濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た(1.60g,94%)。LCMS(方法B):R
T=1.89分,M+H
+=208。
(工程6:3−(ノナフルオロブタン−1−スルホニルオキシ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−ヒドロキシ−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(1.16g,5.60mmol)の、DCM(15ml)中の攪拌懸濁物に、0℃で、DIPEA(1.32mL,7.5mmol)を添加し、続いてノナフルオロブチルスルホニルフルオリド(1.25mL,6.9mmol)を添加した。10分後、この反応物を室温まで温め、そしてさらに20時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、その残渣をDCM(100ml)に溶解し、そして水(50ml)、続いて1N NaOH溶液(20ml)で洗浄した。合わせた有機層を単離し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,80:20から50:50までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(895mg,33%)。LCMS(方法B):R
T=4.34分,M+H
+=490。
(工程7:3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(ノナフルオロブタン−1−スルホニルオキシ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(838mg,1.71mmol)、4−ブロモ−2−フルオロアニリン(423mg,2.23mmol)、Pd
2dba
3(78mg,0.09mmol)、Xantphos(99mg,0.17mmol)およびDBU(651μl,4.28mmol)の、トルエン(3.3ml)中の脱気溶液を、150℃で20分間、マイクロ波照射に供した。この反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をHM−Nに吸収させ、その後、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,80:20から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(369mg,57%)。LCMS(方法B):R
T=3.77分,M+H
+=380/382。
(工程8:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(311mg,0.82mmol)、ヨウ化銅(I)(8mg,0.04mmol)、ヨウ化ナトリウム(246mg,1.64mmol)およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(13μl,0.08mmol)の、1,4−ジオキサン(0.8ml)中の混合物を、115℃で26時間、窒素雰囲気下で加熱した。一旦、この反応混合物を室温まで冷却し、この混合物を濃縮し、次いでフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,EtOAc)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(220mg,63%)。LCMS(方法B):RT=3.91分,M+H+=427。
(3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
(工程1:2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミン)
4−クロロ−2−フルオロニトロベンゼン(6.0g,34.2mmol)を100mLの丸底フラスコに添加し、続いてヘキサメチルジシラン(18.9g,129.0mmol,26.4mL)およびキシレン(13mL)を添加した。この混合物を磁気攪拌し、この間、窒素を、この溶液にガラスピペットを介して10分間、または全ての固体が溶解するまで、バブリングした。
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.0g,0.9mmol)を添加し、このフラスコに還流冷却器を取り付け、そしてこの反応物を、24時間〜48時間加熱還流し、この間、窒素のゆっくりした気流を、この冷却器の頂部に配置したゴムセプタムに通した。室温まで冷却した後に、この反応混合物をエチルエーテル(40mL)で希釈し、そしてシリカゲルのプラグ(60mLのガラス漏斗に充填した、30mLのSiO2/エチルエーテルスラリー)で濾過した。そのフィルターケーキをエチルエーテル(60mL)で洗浄し、そして合わせた有機物を減圧中で濃縮して、橙色油状物にし、これをフラッシュクロマトグラフィー(250mlシリカゲル,98:1:1ヘキサン−CH2Cl2−エチルエーテル)により精製して、2−フルオロ−4−トリメチルシリルニトロベンゼン(5.45g,75%)を橙黄色油状物として得た。
次いで、2−フルオロ−4−トリメチルシリルニトロベンゼン(5.45g,25.6mmol)をエタノール(100mL)に溶解し、Parrシェーカーボトルに移し、窒素でフラッシュし、次いで10% Pd−C(0.4g)を入れた。この反応混合物を1時間、Parr装置(45psi H2)で水素化し、次いで、Celiteのプラグで濾過した。そのフィルターケーキをエタノールで洗浄し、そして合わせた濾液を濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(250mlシリカゲル,95:5ヘキサン−エチルエーテル)により精製して、表題化合物を黄褐色油状物として得た(4.31g,92%)。
(工程2:3−(4−トリメチルシリル−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(17.5g,51.58mmol)、2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミン(10g,54.26mmol)、Pd
2dba
3(2.98g,3.26mmol)、Xantphos(1.94mg,3.26mmol)およびK
3PO
4(15.83g,72.34mmol)の、トルエン(100ml)中の懸濁物を、窒素を10分間、300mLの耐圧瓶中でバブリングすることにより脱気し、次いで、105℃で24時間加熱した。次いで、この反応混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチル(200ml)で希釈した。次いで、得られた混合物をセライト545で濾過し、そしてこのセライトを、さらに100mlの酢酸エチルで洗浄した。次いで、その濾液を濃縮し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ,ヘキサン中0%〜55%酢酸エチル)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(17.9g,93.2%)。LCMS(方法C):R
T=2.47分,M+H
+=373。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.66(d,1H),8.57(d,1H),7.52(s,1H),7.45(d,d,1H),7.30(m,2H),4.50(q,2H),1.49(t,3H)。
(工程3:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
16.0g(72.49mmol)のAgBF4を、1000mLの丸底フラスコ内に素早く量り取り、次いで、ゴムセプタムでキャップした。次いで、このフラスコを乾燥N2ガスで10分間パージし、その後、このフラスコを、不活性雰囲気を維持しながら−50℃まで冷却した。これに、300mlの乾燥ジクロロメタンを添加し、次いで、得られた混合物を、窒素下−50℃で15分間攪拌した。次いで、この反応混合物に、75mlの乾燥ジクロロメタン中の9.0g(24.16mmol)3−(4−トリメチルシリル−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルを添加し、そしてこの混合物を、窒素下−50℃で30分間攪拌した。この反応物の色は、透明な黄色であった。次いで、この反応物を、攪拌しながら30分間、25mlのICl(CH2Cl2中1.0M,25mmol)の滴下により処理した。IClの添加により、沈殿物が生じた(白色/褐色。この反応物の色は、IClがこの反応混合物と接触すると黄色がかった赤色になり、これが、白色沈殿物を伴う黄色に変化した)。この反応物を、窒素下−50℃で30分間攪拌した。LC/MSは、この反応が完了したことを示した。次いで、この反応を、200mlの飽和Na2S2O3溶液、続いて100mlの水の添加により、−50℃でクエンチした。次いで、この混合物を分液漏斗に移し、そして振盪した。次いで、この混合物を濾紙で濾過した。この濾紙上の黒色固体をジクロロメタンでさらにすすぎ、次いで、廃棄した。次いで、その濾液を分液漏斗に移した。これをジクロロメタン(3×100ml)で迅速に抽出した。次いで、合わせたジクロロメタン層を、170mLの4M NH4OH溶液で、分液漏斗内で洗浄した。次いで、このジクロロメタン層を分離し、そして窒素をバブリングしてアンモニアを除去した。次いで、これを硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、黄色固体を得た。次いで、この固体を粉末にし、そしてエーテル(2×30ml)で粉砕し、次いで減圧下で乾燥させて、8.90gの表題生成物(黄色固体、86.4%)を得た。LCMS(方法C):RT=2.47分,M+H+=427。1H NMR(CDCl3,400MHz)8.64(d,1H),8.9(d,1H),7.66(s,1H),7.54(d,d,1H),7.46(d,d,m,2H),7.13(t,1H),4.49(q,2H),1.49(t,3H)。
(3−(4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
(工程1:3−アミノ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物,6.0g,150mmol)のDMF(160ml)中の攪拌混合物に、−10℃窒素雰囲気下で、グリコール酸エチル(14.5mL,150mmol)を5分間にわたって添加した。35分後、この反応混合物を−35℃までさらに冷却し、そして4−クロロニコチノニトリル(6.9g,50mmol)のDMF(40ml)中の溶液を5分間にわたって添加した。次いで、この反応混合物を、1.5時間かけて−5℃まで次第に温め、その後、酢酸:水(45ml:400ml)の溶液でクエンチし、次いで、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。分離した水相を、固体重炭酸ナトリウムの添加により塩基性化し、そして酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を重炭酸ナトリウム溶液(100ml)および水(2×100ml)で洗浄し、次いでその有機相を単離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして減圧中でエバポレートした。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,60:40から0:100までの勾配、次いで酢酸エチル:メタノール,90:10)による精製により、表題化合物を淡黄色固体として得た(6.25g,61%)。LCMS(方法B):R
T=1.45分,M+H
+=207。
(工程2:3−(4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−アミノ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(206mg,1.0mmol)、1,4−ジヨードベンゼン(3.3g,10.0mmol)、Pd2dba3(24mg,26μmol)、Xantphos(30mg,52μmol)およびリン酸カリウム(424mg,2.0mmol)の、トルエン(10ml)中の脱気溶液を攪拌し、そして窒素雰囲気下105℃で42時間加熱した。冷却した反応混合物を水性塩化アンモニウム溶液に注ぎ、そして酢酸エチル(3×70ml)で抽出した。合わせた抽出物を水(2×100ml)、続いてブライン(50ml)で洗浄し、その後、有機相を単離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして減圧中でエバポレートした。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から60:40までの勾配)による精製により、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(100mg,24%)。LCMS(方法B):RT=3.16分,M+H+=409。
(3−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
(工程1:3−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(ノナフルオロブタン−1−スルホニルオキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(500mg,1.02mmol)、4−ブロモ−2−クロロアニリン(275mg,1.33mmol)、Pd
2dba
3(47mg,0.05mmol)、Xantphos(59mg,0.10mmol)およびDBU(388μl,2.56mmol)の、トルエン(2.0ml)中の脱気溶液を、150℃で10分間のマイクロ波照射に供した。この反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をHM−Nに吸収させ、その後、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(183mg,47%)。LCMS(方法B):R
T=3.54分,M+H
+=395/397。
(工程2:3−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(183mg,0.46mmol)、ヨウ化銅(I)(4mg,0.02mmol)、ヨウ化ナトリウム(139mg,0.93mmol)およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(7μl,0.04mmol)の、1,4−ジオキサン(0.5ml)中の混合物を、窒素雰囲気下115℃で44時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、次いでさらなるヨウ化銅(I)(4mg,0.02mmol)およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(7μl,0.04mmol)を添加し、窒素雰囲気下115℃で18時間、加熱を再開した。次いで、この反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、そして水中10%のアンモニア溶液、水、次いでブラインで洗浄した。その有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮して、残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(115mg,57%)。LCMS(方法B):RT=3.97分,M+H+=443。
(3−(2,6−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
(工程1:3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(ノナフルオロブタン−1−スルホニルオキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(500mg,1.02mmol)、4−ブロモ−2,6−ジフルオロアニリン(277mg,1.33mmol)、Pd
2dba
3(47mg,0.05mmol)、Xantphos(59mg,0.10mmol)およびDBU(388μl,2.56mmol)の、トルエン(2.0ml)中の脱気溶液を、150℃で10分間のマイクロ波照射に供した。この反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をHM−Nに吸収させ、その後、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(89mg,22%)。LCMS(方法B):R
T=3.38分,M+H
+=397/399。
(工程2:3−(2,6−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(165mg,0.42mmol)、ヨウ化銅(I)(4mg,0.02mmol)、ヨウ化ナトリウム(125mg,0.83mmol)およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(7μl,0.04mmol)の、1,4−ジオキサン(0.5ml)中の混合物を、180℃で15分間のマイクロ波照射に供した。さらなるヨウ化銅(I)(4mg,0.02mmol)、ヨウ化ナトリウム(60mg,0.40mmol)およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(7μl,0.04mmol)をこの反応混合物に添加し、これを180℃で15分間のマイクロ波照射に再度供した。この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、そして水中10%のアンモニア溶液、水、次いでブラインで洗浄した。その有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(137mg,74%)。LCMS(方法B):RT=3.48分,M+H+=445。
(3−(2,5−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
(工程1:3−(4−ブロモ−2,5−ジフルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(ノナフルオロブタン−1−スルホニルオキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(500mg,1.02mmol)、4−ブロモ−2,5−ジフルオロアニリン(277mg,1.33mmol)、Pd
2dba
3(47mg,0.05mmol)、Xantphos(59mg,0.10mmol)およびDBU(388μl,2.56mmol)の、トルエン(2.0ml)中の脱気溶液を、150℃で10分間のマイクロ波照射に供した。この反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をHM−Nに吸収させ、その後、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(231mg,57%)。LCMS(方法B):R
T=3.22分,M+H
+=397/399。
(工程2:3−(2,5−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(4−ブロモ−2,5−ジフルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(222mg,0.56mmol)、ヨウ化銅(I)(5mg,0.03mmol)、ヨウ化ナトリウム(168mg,1.12mmol)およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(10μl,0.06mmol)の、1,4−ジオキサン(0.5ml)中の混合物を、110℃で18時間加熱した。さらなるヨウ化銅(I)(5mg,0.03mmol)、およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(10μl,0.06mmol)をこの反応混合物に添加し、これを110℃で6時間、再度加熱した。この反応混合物を冷却し、ジクロロメタンで希釈し、そして水中10%のアンモニア溶液、水、次いでブラインで洗浄した。その有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(170mg,68%)。LCMS(方法B):RT=3.30分,M+H+=445。
(7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸)
(工程1:7−ブロモ−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
4,5−ジブロモニコチン酸エチル(2.68g,8.67mmol)およびグリコール酸エチル(0.90g,8.67mmol)の、DMF(25ml)中の溶液に、0℃(氷/水)で、水素化ナトリウム(1.04g,26mmol,油中60%分散物)を添加した。この反応混合物を0℃で15分間攪拌し、その後、2時間かけて室温まで温めた。この反応混合物を0℃まで冷却し、その後、1M HCl(18mL,18mmol)を添加した。その沈殿物を濾過し、そして水で洗浄して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(2.35g,95%)。LCMS(方法B):R
T=2.96分,M+H
+=285/287。
(工程2:3,7−ジブロモ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸)
7−ブロモ−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(1.14g,4.0mmol)およびオキシ臭化リン(5.6g,19.5mmol)の混合物を、140℃で2時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、その後、砕いた氷(約30ml)を添加した。この混合物を、固体NaOHの添加により中和し、その後、1M HClを注意深く添加することにより、pH3.0に調整した。生じた沈殿物を濾過し、次いで水、続いてジクロロメタンで洗浄し、表題化合物を白色固体として得た(1.2g,90%)。LCMS(方法B):R
T=2.62分,M+H
+=320/322/324。
(工程3:3,7−ジブロモ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチル)−アミド)
3,7−ジブロモ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(1.2g,3.74mmol)およびカルボニルジイミダゾール(0.85g,5.24mmol)の、アセトニトリル(18ml)中の混合物を、50℃で2時間加熱した。さらなるカルボニルジイミダゾール(0.035g,0.5mmol)をこの反応混合物に添加し、そして50℃での加熱を1時間継続した。周囲温度まで冷却した後に、2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(0.30mL,3.13mmol)をこの溶液に添加した。この反応混合物を室温で19時間静置し、次いで50℃で1時間加熱し、その後、減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,80:20から0:100までの勾配)による精製により、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.53g,72%)。LCMS(方法B):R
T=2.57分,M+H
+=391/393/395。
(工程4:3,7−ジブロモ−2−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−フロ[3,2−c]ピリジン)
3,7−ジブロモ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチル)−アミド(0.53g,1.35mmol)の、ジクロロメタン(10ml)中の溶液に、塩化チオニル(0.25mL,3.43mmol)を添加した。この混合物を室温で1時間攪拌し、次いで2時間加熱還流し、その後、0℃まで冷却した。この混合物を1M NaOH(15ml)で中和し、そしてその水層をジクロロメタン(2×15ml)で抽出した。その有機層を収集し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、残渣を得た。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン、次いで酢酸エチル)による精製により、表題化合物を淡黄色ガム状物質として得た(250mg,50%)。LCMS(方法B):R
T=3.11分,M+H
+=373/375/377。
(工程5:[7−ブロモ−2−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−フロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン)
3,7−ジブロモ−2−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−フロ[3,2−c]ピリジン(250mg,0.67mmol)および4−ヨード−2−フルオロアニリン(474mg,2mmol)の、THF(2ml)中の溶液に、THF中のリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(2ml,1M溶液)を添加した。この反応混合物を、50℃で4時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、そして水(15ml)で希釈した。その水層をジクロロメタン(2×10ml)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、残渣を得た。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:tert−ブチル−メチルエーテル,1:1から1:2までの勾配)による精製により、表題化合物を淡褐色固体として得た(150mg,42%)。LCMS(方法A):R
T=13.97分,M+H
+=530/532。
(工程6:7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸)
[7−ブロモ−2−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−フロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(110mg,0.2mmol)および1M HCl(2mL,2mmol)の混合物を、100℃で4時間加熱し、次いで冷却し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をメタノール(3ml)に溶解し、そしてメタノール中2.5MのNaOH(0.4mL,1mmol)、続いて水(1ml)を添加した。次いで、この混合物を75℃で1時間加熱し、その後、1M水性NaOH(1mL,1mmol)を添加し、そして加熱を2時間継続した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そして残った水層を酢酸エチル(2×2ml)で洗浄した。次いで、この水層を1M HCl(約1.5ml)でpH4まで酸性化し、そして減圧中でおよそ半分の体積まで濃縮し、そして室温で静置した。得られた沈殿物を濾過により収集し、そして水(1ml)、続いて酢酸エチル(1ml)で洗浄して、表題化合物を黄色/褐色固体として得た(66mg,69%)。LCMS(方法B):R
T=3.34分,M+H
+=477/479。
(5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル)
(工程1:4−ヒドロキシ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル)
無水エタノール(300ml)中のナトリウム(1.70g,73.9mmol)の予め形成した溶液に、1,3,5−トリアジン(6.0g,74.1mmol)およびジエチルマロネート(11.3mL,74.1mmol)を添加した。この反応混合物を加熱還流した。3時間加熱した後に、この反応混合物を室温まで冷却し、そして減圧下で濃縮して、残渣を得た。この残渣を水(300ml)に溶解し、次いで5℃まで冷却し、そして塩酸(6ml)の添加により酸性化した。この混合物を5℃で48時間熟成させ、そして濾過した。得られた固体を水で洗浄し、その後、減圧下で乾燥させて、表題化合物をベージュの固体として得た(3.0g,24%)。
1H NMR(d
6−DMSO,400MHz)8.47(s,1H),8.37(d,s,1H),4.22(q,J=7.2Hz,2H),1.26(t,J=7.2Hz,3H)。
(工程2:4−クロロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル)
4−ヒドロキシ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル(3.0g,17.6mmol)の、トルエン(35ml)中の懸濁物に、ジイソプロピルエチルアミン(3.4mL,19.6mmol)およびオキシ塩化リン(1.8mL,19.6mmol)を窒素雰囲気下で滴下した。この反応混合物を70℃まで加熱し、そして2時間攪拌し、次いで5℃まで冷却した。水酸化ナトリウムの1M水溶液(26ml)を添加し、そしてこの混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。この有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、表題化合物を褐色油状物として得た(2.56g,77%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.13(s,1H),9.08(s,1H),4.47(q,J=6.9Hz,2H),1.44(t,J=6.9Hz,3H)。
(工程3:4−エトキシカルボニルメトキシ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル)
水素化ナトリウム(鉱油中60%,602mg,15.1mmol)の、無水THF(55mL)中の懸濁物に、窒素雰囲気下5℃で、グリコール酸エチル(1.6mL,16.5mmol)を添加した。この反応混合物を5℃で30分間攪拌し、4−クロロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル(2.56g,13.8mmol)の無水THF(20ml)中の溶液を滴下した。この反応混合物を5℃で30分間攪拌した。酢酸(3ml)をこの反応混合物に添加し、次いで、これを減圧中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、そして水、次いでブラインで洗浄し、その後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、残渣を得た。この残渣をHM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:00から40:60までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(2.67g,76%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.05(s,1H),8.82(s,1H),5.05(s,2H),4.41(q,J=7.1Hz,2H),4.24(q,J=7.1Hz,2H),1.40(t,J=7.1Hz,3H),1.28(t,J=7.1Hz,3H)。
(工程4:5−ヒドロキシ−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル)
4−エトキシカルボニルメトキシ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル(2.12g,8.3mmol)の、無水THF(80ml)中の溶液に、不活性雰囲気下5℃で、ナトリウムtert−ブトキシド(1.40g)を添加した。この反応混合物を5℃で30分間攪拌し、塩酸の1M溶液を添加した。この混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を分離し、そして水、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(934mg,54%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.22(s,1H),9.14(s,1H),4.51(q,J=7.3Hz,2H),1.47(t,J=7.3Hz,3H)。
(工程5:5−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル)
5−ヒドロキシ−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル(1.2g,5.8mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.5mL,8.7mmol)の、ジメトキシエタン(25ml)中の溶液に、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(2.3g,6.4mmol)を添加した。この反応混合物を加熱還流し、そして1時間攪拌し、次いで、室温まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。この残渣を酢酸エチルに溶解し、次いで水、飽和水性炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、HM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,100:0から50:50までの勾配)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(1.5g,77%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.23(s,2H),4.54(q,J=7.2Hz,2H),1.47(t,J=7.2Hz,3H)。
(工程6:5−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル)
5−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル(1.5g,4.4mmol)、2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミン(888mg,4.8mmol)、Pd
2dba
3(202mg,0.22mmol)、Xantphos(127mg,0.22mmol)およびK
3PO
4(1.9g,8.8mmol)の、トルエン(20ml)中の脱気溶液を加熱還流し、そして窒素雰囲気下で4時間攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてセライトで濾過し、そしてそのフィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した。その有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、HM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,酢酸エチル:シクロヘキサン,0:100から40:60までの勾配)により精製して、表題化合物を油状物として得、これは、静置すると結晶化した(1.2g,75%)。LCMS(方法B):R
T=4.39分,M+H
+=374。
(工程7:5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル)
5−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル(1.2g,3.2mmol)の、ジクロロメタン(10ml)中の溶液に、5℃で、一塩化ヨウ素(674mg,4.2mmol)のジクロロメタン(5ml)中の溶液を添加した。この反応混合物を5℃で1時間攪拌し、その後、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液を添加した。その有機層を分離し、そして水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣を熱エタノールで粉砕し、室温で一晩成長させた。得られた沈殿物を濾過により収集し、次いで冷エタノールで洗浄し、その後、減圧下で乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た(864mg,63%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.08(s,1H),8.70(s,1H),7.78(s,1H),7.57(dd,J=9.6Hz,1.9Hz,1H),7.51(ddd,J=8.4Hz,1.7Hz,1.7Hz,1H),7.03(dd,J=8.2Hz,8.2Hz,1H),4.49(q,J=7.4Hz,2H),1.46(t,J=7.4Hz,3H)。
(3−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)メチルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散物,45mg,1.12mmol)を3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(430mg,1.0mmol)およびヨードメタン(310μl,4.98mmol)の、DMF(3mL)中の攪拌溶液に、不活性雰囲気下で滴下した。この混合物を3時間攪拌し、次いでブラインでクエンチし、そして酢酸エチル(3×40mL)で抽出した合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE、40:100から100:100までの勾配のエーテル)を使用して精製して、表題化合物を黄色固体として得た(57mg,13%)。LCMS(方法B):R
T=3.26分;M+H
+440。
(3−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(300mg,0.88mmol)、4−ブロモ−2−フルオロアニリン(201mg,0.97mmol)、Pd
2dba
3(40mg,0.044mmol)、Xantphos(59mg,0.044mmol)および三塩基性リン酸カリウム(373mg,1.76mmol)の、トルエン(5ml)中の脱気溶液を、窒素雰囲気下で16時間加熱還流した。この反応混合物を濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,80:20から50:50までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(177mg,51%)。LCMS(方法B):R-
T=3.76分,M+H
+=395/397。
(3−(4−メチル−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(300mg,1.46mmol)、4−ブロモ−3−フルオロトルエン(277μl,2.19mmol)、Pd
2dba
3(67mg,0.073mmol)、Xantphos(84mg,0.15mmol)および三塩基性リン酸カリウム(620mg,2.92mmol)の、トルエン(10ml)中の脱気溶液を、窒素雰囲気下で16時間加熱還流した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そしてその残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,100:0から75:25までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(252mg,55%)。LCMS(方法B):R-
T=3.14分,M+H
+=315。
(3−(2−フルオロ−4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンチオール)
4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリド(324μl,2.19mmol)を、トリフェニルホスフィン(1.73g,6.58mmol)の、ジメチルホルムアミド(125μl)およびジクロロメタン(5ml)の混合物中の溶液に滴下した。この溶液を室温で16時間攪拌し、次いで1Mの水性塩酸(5ml)を添加し、そしてこれらの層を分離した。その有機層を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣を1Mの水性水酸化ナトリウム(10ml)に入れた。得られた懸濁物をセライト(登録商標)で濾過し、そしてその濾液をエーテル(10ml×3)で洗浄し、次いで、1Mの水性塩酸(10ml)の添加により中和した。この溶液をエーテル(10ml×3)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4-)、次いで減圧中で濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(225mg,50%)。1H NMR(CDCl
3,300MHz)7.47(1H,dd,J=8.4,7.5Hz),7.06(1H,dd,J=8.9,2.2Hz),6.93(1H,ddd,J=8.4,2.1,0.7Hz),3.54(1H,br s)。
(工程2:1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチルスルファニル−ベンゼン)
4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンチオール(225mg,1.09mmol)の、テトラヒドロフラン(3ml)中の溶液を、0℃まで冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散物,52mg,1.31mmol)を添加し、そしてこの混合物を5分間攪拌した。次いで、ヨードメタン(78μl,1.25mmol)を添加し、そしてこの混合物を、攪拌しながら20分間かけて室温に戻した。ジクロロメタン(10ml)を添加し、そしてこの反応を1Mの水性塩酸でクエンチした。これらの層を分離し、そしてその有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、次いで減圧中で濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,100:0から90:10の勾配)により精製して、表題化合物を明黄色油状物として得た(208mg,86%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.43(1H,dd,J=8.4,7.2),7.00(1H,dd,J=9.4,2.3),6.91(1H,ddd,J=8.4,2.1,0.7),2.48(3H,s)。
(工程3:3−(2−フルオロ−4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(121mg,0.59mmol)、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチルスルファニル−ベンゼン(195mg,0.88mmol)、Pd
2dba
3(27mg,0.030mmol)、Xantphos(34mg,0.059mmol)および三塩基性リン酸カリウム(250mg,1.18mmol)の、トルエン(3ml)中の脱気溶液を、窒素雰囲気下で60時間加熱還流した。この反応混合物を濾過し、そしてその濾液を減圧中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,100:0から50:50までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(128mg,63%)。LCMS(方法B):R-
T=3.24分,M+H
+=347。
(7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:4,5−ジクロロピリジン−3−カルバルデヒド)
ジイソプロピルアミン(10.73mL,75.9mmol)のTHF(60ml)中の溶液に、−40℃で、n−ブチルリチウム(47.45mL,75.9mmol,ヘキサン中1.6M)を添加し、そしてこの溶液を−40℃で15分間攪拌し、その後、−70℃まで冷却した。3,4−ジクロロピリジン(10.7g,72.3mmol)のTHF(30mL)中の溶液を滴下し、その温度を−65℃未満に維持した。この反応物を−70℃で2時間攪拌し、その後、DMF(6.74mL,86.8mmol)を添加した。次いで、この反応物を−40℃で1時間攪拌し、次いで、−5℃まで温め、その後、飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)を、急速に攪拌しながら3分間かけて注意深く添加した。次いで、この混合物を飽和塩化アンモニウム(150ml)とジクロロメタン(150ml)との間で分配し、そしてこれらの層を分離した。その水層をジクロロメタン(2×100ml)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで減圧中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル、100:0から94:6までの勾配)により精製して、表題化合物を白色蝋状固体として得た(8.01g,63%)。
(工程2:4,5−ジクロロピリジン−3−カルバルデヒドオキシム)
4,5−ジクロロピリジン−3−カルバルデヒド(8.01g,45.51mmol)のエタノール(50ml)中の溶液を、迅速に攪拌している水(50ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(3.48g,50.06mmol)の溶液に添加した。この反応物を室温で45分間攪拌し、次いで酢酸エチル(100ml)と水(100ml)との間で分配した。その水層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、減圧中で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(8.3g,96%)。
(工程3:4,5−ジクロロニコチノニトリル)
4,5−ジクロロピリジン−3−カルバルデヒドオキシム(7.84g,41.05mmol)のジクロロメタン(150ml)中の懸濁物に、カルボニルジイミダゾール(7.99g,49.26mmol)を添加した。次いで、この混合物を1.5時間加熱還流し、その後冷却し、次いで飽和水性重炭酸ナトリウム(70ml)および水(70ml)で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:ジクロロメタン20:80から0:100までの勾配)による精製により、表題化合物を白色固体として得た(0.53g,72%)。LCMS(方法B):R
T=2.86分,イオンは存在しない。
(工程4:3−アミノ−7−クロロ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
グリコール酸エチル(1.48mL,15.7mmol)の、DMF(15ml)中の溶液に、−10℃で、水素化ナトリウム(0.63g,15.7mmol,油中60%分散物)を添加した。この混合物をこの温度で35分間攪拌し、次いで−40℃まで冷却した。3,4−ジクロロニコチノニトリル(0.906g,5.24mmol)のDMF(5ml)中の溶液を滴下し、その後、この反応物を30分間、−15℃まで温め、次いで1時間、−5℃まで温めた。この混合物を10:1水/酢酸(25ml)に注ぎ、水(25ml)で希釈し、そして酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。この水相を、飽和水性重炭酸ナトリウムでpH8にし、次いで酢酸エチル(2×25ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,酢酸エチル:トリエチルアミン98:2)による精製により、表題化合物を黄色固体として得た(0.60g,48%)。LCMS(方法B):R
T=2.79分,M+H
+=241,243。
(工程5:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−7−クロロ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(4.16g,17.3mmol)のトルエン(100ml)中の溶液に、炭酸セシウム(11.27g,34.6mmol)を添加し、そしてこの混合物を脱気した(アルゴン/減圧)。これに、トリフルオロ−メタンスルホン酸2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルエステル(7.1g,22.5mmol)、Pd
2dba
3(395mg,0.432mmol)およびXantphos(0.5g,0.865mmol)を添加し、そしてこの容器をアルゴンでフラッシュした。この反応混合物を19時間加熱還流し、冷却し、そして飽和塩化アンモニウム(150ml)に注いだ。その水層を酢酸エチル(3×60ml)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:ジクロロメタン、1:0から0:1までの勾配)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(5.13g,73%)。LCMS(方法B):R
T=4.80分,M+H
+=407,409。
(工程6:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)フロ[3,2c]−ピリジン−カルボン酸エチルエステル(250mg,0.615mmol)の、ジクロロメタン(25ml)中の溶液に、0℃で、一塩化ヨウ素(1.23mL,1.23mmol,ジクロロメタン中1M溶液)を添加し、そしてこの溶液をこの温度で1時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウム(5ml)の飽和溶液を添加し、そしてこの混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(25ml)に注いだ。その水層をジクロロメタン(2×25ml)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:ジクロロメタン1:0から0:1までの勾配)による精製により、表題化合物を黄色蝋状固体として得た(0.22g,78%)。LCMS(方法B):R
T=4.30分,M+H
+=461,463。
(7−シアノ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:7−シアノ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)フロ[3,2c]−ピリジン−カルボン酸エチルエステル(0.64g,1.57mmol)の、DMF(15ml)中の溶液に、シアン化亜鉛(II)(0.22g,12.63mmol)を添加し、そしてこの混合物を脱気した(アルゴン/減圧)。次いで、Pd
2dba
3(72mg,0.079mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ジフェニル(S−Phos,65mg,0.158mmol)を添加し、そしてこの容器をアルゴンでフラッシュし、密封し、そしてマイクロ波照射下150℃で30分間加熱した。この反応物を冷却し、その揮発性物質を除去し、そしてその残渣をトルエン(3×15ml)と共沸した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:ジクロロメタン1:0から0:1までの勾配、次いでジクロロメタン中10%酢酸エチル)による精製により、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.46g,74%)。LCMS(方法B):R
T=4.52分,M+H
+=398。
(工程2:7−シアノ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
7−シアノ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)フロ[3,2c]−ピリジン−カルボン酸エチルエステル(0.46g,1.16mmol)の、ジクロロメタン(40ml)中の溶液に、0℃で、一塩化ヨウ素(2.32mL,2.32mmol,ジクロロメタン中1M溶液)を添加し、そして得られた混合物をこの温度で30分間攪拌した。チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(5ml)を添加し、そしてこの混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(35ml)に注いだ。その水層をジクロロメタン(2×25ml)で抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル、10:0から10:1までの勾配)による精製により、表題化合物を黄色蝋状固体として得た(0.36g,69%)。LCMS(方法B):RT=4.10分,M+H+=452。
(3−(2−フルオロ−4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:(4−ブロモ−3−フルオロ−ベンジルオキシ)−トリイソプロピル−シラン)
(4−ブロモ−3−フルオロ−フェニル)−メタノール(410mg,2.0mmol)およびイミダゾール(163mg,2.4mmol)の、DMF(10mL)中の溶液に、トリイソプロピルシリルクロリド(0.472mL,2.2mmol)を添加した。この反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いで酢酸エチルと水との間で分配した。その有機層を単離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(643mg,89%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.48(dd,J=8.1,7.0Hz,1H),7.16(d,J=9.7Hz,1H),6.99(d,J=8.7Hz,1H),4.78(s,2H),1.04−1.24(m,21H)。
(工程2:3−(2−フルオロ−4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(206g,1.0mmol)、(4−ブロモ−3−フルオロ−ベンジルオキシ)−トリイソプロピル−シラン(433mg,1.2mmol)、Pd2dba3(36mg,0.039mmol)、Xantphos(46mg,0.08mmol)およびK3PO4(297mg,1.4mmol)の、トルエン(1ml)中の脱気溶液を、110℃まで加熱し、次いで4時間攪拌した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いでEtOAcで希釈し、そしてセライトのパッドで濾過した。その濾液を減圧中で濃縮して、黒色油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,MeOH:DCM,0:100から5:95までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(166mg,34%)。LCMS(方法B):RT=5.39分,M+H+=487。
(3−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:1−ブロモ−2−フルオロ−4−メトキシ−ベンゼン)
4−ブロモ−3−フルオロ−フェノール(500mg,2.62mmol)の、無水THF(10mL)中の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散物,115mg,2.88mmol)を少しずつ添加した。この反応混合物を20分間攪拌し、その後、ヨードメタン(0.500mL,8.0mmol)を添加した。得られた混合物を室温で16時間攪拌し、その後、EtOAcと水との間で分配した。その有機層を分離し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液、続いてブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮して、表題化合物を淡黄色油状物として得た(518mg,96%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.41(dd,J=8.8,8.0Hz,1H),6.69(dd,J=10.3,2.8Hz,1H),6.61(ddd,J=8.8,2.8,1.0Hz,1H),3.79(s,3H)。
(工程2:3−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(206g,1.0mmol)、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メトキシ−ベンゼン(246mg,1.2mmol)、Pd2dba3(46mg,0.050mmol)、Xantphos(58mg,0.10mmol)およびK3PO4(254mg,1.2mmol)の、トルエン(5ml)中の脱気溶液を、110℃まで加熱し、次いで18時間攪拌した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いでEtOAcで希釈し、そしてセライトのパッドで濾過した。その濾液を減圧中で濃縮して、黒色油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,MeOH:DCM,0:100から10:90までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(130mg,39%)。LCMS(方法B):RT=2.93分,M+H+=331。
(3−(4−ブロモ−2,5−ジフルオロフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル)
3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(678mg,2.00mmol)、4−ブロモ−2,5−ジフルオロアニリン(670mg,3.22mmol)、Pd
2dba
3(147mg,0.160mmol)、Xantphos(97.0mg,0.168mmol)および微細な粉末状のK
3PO
4(793mg,3.74mmol)の、トルエン(7.5ml)中の脱気溶液を、密封管内で105℃で一晩加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いで酢酸エチル(15ml)で希釈し、そしてシリカゲルのプラグ(15ml、エチルエーテルで充填)で濾過した。そのフィルターケーキをさらなる酢酸エチル(20ml)で洗浄した後に、その濾液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、褐色油状物を得た。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,5:3:2ヘキサン−塩化メチレン−エチルエーテルを使用する)により精製して、表題化合物を黄褐色固体として得た(329mg,41%)。
(3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェノキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:3−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(2.70g,13.0mmol)、続いて3,4−ジフルオロニトロベンゼン(2.89mL,26.1mmol)、および18−クラウン−6(3.45g,13.0mmol)を、DMF(30mL)中の水素化カリウム(1.10g,27.4mmol)の懸濁物に室温で添加した。この反応混合物を100℃で2時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、そして水/ブライン混合物に注いだ。その水層をEtOAcで3回抽出し、次いで、合わせた有機物をブラインで1回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30%〜80% EtOAc:Hex)により精製して、表題化合物(442mg,収率10%)を黄色シロップとして得た。LCMS(方法C):R
T=2.07分,M+H
+=347。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.83(d,J=1.2Hz,1H),8.72(d,J=6.0Hz,1H),8.17(dd,J=10.0,2.4Hz,1H),8.03(ddd,J=9.2,2.8,1.6Hz,1H),7.59(dd,J=5.6,0.8Hz,1H),7.08(dd,J=9.2,8.0Hz,1H),4.36(q,J=7.2Hz,2H),1.28(t,J=7.2Hz,3H)。
(工程2:3−(4−アミノ−2−フルオロ−フェノキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
Fe粉末(299mg,5.36mmol)を、3−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(460mg,1.3mmol)の、エタノール(8mL)および2N水性HCl(8mL)中の溶液に添加した。この反応混合物を50℃まで加熱し、次いで室温まで冷却した。未反応の鉄を磁石で除去し、次いでこの反応混合物を減圧中で濃縮した。10mLずつの水およびエタノールを添加し、続いて固体重炭酸ナトリウム(1.5g)を添加した。3.2gのシリカゲルを添加し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(40%〜80% EtOAc:Hex)により精製して、表題化合物(130mg,収率31%)をオフホワイトの泡状物として得た。LCMS(方法C):R
T=1.35分,M+H
+=317。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.54(d,J=3.6Hz,1H),8.16(d,J=0.8Hz,1H),7.45(dd,J=5.6,0.8Hz,1H),7.09(t,J=8.8Hz,1H),6.53(dd,J=12.4,2.8Hz,1H),6.44(ddd,J=8.8,2.8,1.6Hz,1H),4.47(q,J=7.2Hz,2H),3.81(br,2H),1.42(t,J=7.2Hz,3H)。
(工程3:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェノキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
亜硝酸ナトリウム(1.18mLの0.382M水溶液)を、3−(4−アミノ−2−フルオロ−フェノキシ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(130mg,0.41mmol)の2M HCl水溶液(3.5mL)中の懸濁物に、0℃で滴下した。この反応混合物を0℃で45分間攪拌し、次いでヨウ化ナトリウム(1.18mLの1.39M水溶液,1.64mmol)を添加した。この反応混合物を0℃〜室温で一晩攪拌した。水酸化ナトリウム(7mLの1N水溶液)およびNa2S2O3(5mLの飽和水溶液)を添加し、そしてその水層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30%〜70% EtOAc:Hex)により精製して、表題化合物(60mg,収率30%)を白色固体として得た。LCMS(方法C):RT=2.29分,M+H+=428。1H NMR(CDCl3,400MHz)8.63(d,J=6.4Hz,1H),8.53(d,J=1.2Hz,1H),7.58(dd,J=9.6,2.0Hz,1H),7.52(dd,J=6.0,1.2Hz,1H),7.37(dt,J=8.8,1.6Hz,1H),6.86(t,J=8.4Hz,1H),4.41(q,J=7.2Hz,2H),1.34(t,J=7.2Hz,3H)。
(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−7−フェニルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
5−ブロモニコチン酸(25.25g,125mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(500ml)中の溶液として、窒素下で攪拌し、そして−70℃まで冷却した。得られた混合物を、1時間かけて、リチウムジイソプロピルアミド(1.8 M,144mL,260mmol)で滴下しながら処理した。この添加が完了した後に、この溶液を−55℃で2.5時間攪拌し、次いで−70℃まで冷却し、そして30分間にわたって、1,2−ジブロモテトラクロロエタン(50g,154.5mmol)で少しずつ処理した。30分間攪拌した後に、この混合物を2時間かけて−20℃まで温め、その後、水(150ml)を注意深く添加した。次いで、その有機溶媒を減圧中で除去し、そしてその残渣を水(500ml)で希釈し、次いで酢酸エチルで洗浄し、その後、その水層を濃HClでpH3.00まで酸性化した。その沈殿した生成物を濾過により収集し、そして60℃で減圧中で乾燥させて、表題化合物(14.2g)を得た。その濾液を酢酸エチルで抽出し、その抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、さらなる表題化合物を得た(18.6g,総収量32.8g,93%)。
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)8.92(s,1H),8.73(s,1H)。
(工程2: 4,5−ジブロモニコチン酸 エチルエステル)
4,5−ジブロモニコチン酸(32.8g,116.7mmol)を、アセトニトリル(550ml)中の懸濁物として、室温で攪拌し、そして1,1’-カルボニルジイミダゾール(29.87g,180mmol)で10分間にわたって少しずつ処理した。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。この時間の後に、エタノール(78ml)を添加し、そして攪拌をさらに48時間継続した。次いで、この溶液を濾過し、そしてその濾液を減圧中でエバポレートして、淡褐色油状物を得た。この油状物を酢酸エチルに溶解し、そしてその溶液を水、続いてブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中でエバポレートして、褐色油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2 ジクロロメタン溶出液)により精製して、表題化合物(20.6g、57%)を得た。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.80(s,1H),8.75(s,1H),4.45(q,2H J=7.0Hz),1.39(t,3H J= 7.0 Hz)。
(工程3:7−ブロモ−3−ヒドロキシフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
乾燥DMF(50ml)中グリコール酸エチル(6.30mL,66.5mmol)の溶液を、乾燥DMF(80ml)中の水素化ナトリウム(8.00g,60%分散物,200mmol)の攪拌懸濁物に滴下した。この間、冷却して、その温度を10℃未満に維持した。添加後、この混合物を30分間攪拌し、その後、4,5−ジブロモニコチン酸エチルエステル(20.60g,66.5mmol)を、乾燥DMF(50ml)中の溶液として滴下し、この間再度、10℃未満の温度を維持した。得られた暗赤色/褐色の溶液を、1.5時間かけてゆっくりと室温まで温め、その後、クエンチし、そして水性1M HClでpH3.00まで酸性化した。生じた固体沈殿物を濾過により収集し、その残渣を水、次いで冷アセトンで洗浄し、そして45℃で減圧中で乾燥させて、表題化合物を得た(11.98g、63%)。1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)9.13(s,1H),8.76(s,1H),4.35(q,2H J=7.3Hz),1.33(t,3H J=7.3Hz)。LCMS(方法B):R
T=2.82分,M+H
+=286,288。
(工程4:7−ブロモ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
乾燥DCM(70ml)中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(8.32mL,49.66mmol)を、7−ブロモ−3−ヒドロキシフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(12.80g,44.7mmol)およびピリジン(10.88mL,128mmol)の、乾燥DCM(400ml)中の攪拌溶液に5℃〜10℃で滴下した。得られた混合物を5℃〜10℃で1.5時間攪拌し、次いで3時間かけてゆっくりと室温まで温め、その後、16時間静置した。この混合物をDCMで希釈し、1M水性HCl、水、飽和水性NaHCO
3およびブラインで洗浄し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮して、淡褐色油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,ジクロロメタン)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(11.84g 63%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.96(s,1H),8.83(s,1H),4.55(q,2H J=7.2Hz),1.47(t,3H J=7.2Hz)。
(工程5:7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
7−ブロモ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(11.84g,28.3mmol)を、乾燥トルエン(160ml)中で、Pd
2(dba)
3(1.0g,1.20mmol)、Xantphos(0.572g,1.0mmol)および三塩基性リン酸カリウム(11.25g,53.75mmol)と一緒に攪拌した。この混合物を脱気し、その後、2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミン(5.38g,29.54mmol)の乾燥トルエン(10ml)中の溶液を添加した。この混合物を再度脱気し、その後、115℃で4時間加熱した。この反応混合物を、酢酸エチルと水との間で分配し、次いで濾過し、そしてこれらの層を分離した。その有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中でエバポレートして、褐色固体を得た。この固体をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,DCM中30%シクロヘキサン)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(7.1g,55%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.66(s,1H),8.50(s,1H),7.73(s,1H),7.27(m,3H),4.50(q,2H J=7.0Hz),1.47(t,3H J=7.0Hz),0.29(s,9H)。LCMS(方法B):R
T=4.81分,M+H
+=451,453。
(工程6:3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミノ)−7−フェニルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(100mg,0.22mmol)を、室温のエタノール(2ml)中懸濁物として、フェニルボロン酸(30mg,0.242mmol)と一緒に、アルゴン下で攪拌した。20分間攪拌した後に、Pd(OAc)
2(2mg,0.66μmol)、トリフェニルホスフィン(0.5mg,0.002mmol)および2M水性Na
2CO
3(130μl,0.264mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を脱気し、次いでアルゴン下で3時間加熱還流した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして水で希釈し、次いで酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、次いでブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中でエバポレートして、黄色固体を得た。この固体をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2 DCM中30%シクロヘキサン)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(31mg,31%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.73(s,1H),8.61(s,1H),7.87(d,2H J=7.80Hz),7.72(s,1H),7.59−7.44(m,3H),7.35-7.25(m,3H),4.33(q,2H J=7.0Hz),1.43(t,3H J=7.0Hz),0.30(s,9H)。LCMS(方法B):R
T=4.91分,M+H
+=449。
(工程7:3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−7−フェニルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミノ)−7−フェニルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(30mg,0.067mmol)DCM(2ml)中の溶液として、0℃〜5℃で攪拌し、DCM中1MのICl(130μl,0.13mmol)を滴下して処理した。得られた混合物を0℃〜5℃で2時間攪拌し、その後、1M水性Na2S2O3(1ml)を添加した。これらの層を分離し、そしてその有機層を水、続いてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中でエバポレートして、表題化合物を得た(定量的)。1H NMR(CDCl3,400MHz)8.75(s,1H),8.58(s,1H),7.87(d,2H J=7.80Hz),7.67(s,1H),7.59−7.44(m,5H),7.05(t,1H J=8.50Hz),4.47(q,2H J=7.10Hz),1.43(t,3H J=7.10Hz)。LCMS(方法B):RT=4.40分,M+H+=503。
(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−7−メチルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミノ)−7−メチルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.0g,2.2mmol)を、炭酸カリウム(456.5mg,3.3mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(255mg,0.22mmol)およびトリメチルボロキシン(305μl,2.2mmol)と一緒に、乾燥1,4−ジオキサン(5ml)中で攪拌した。この反応混合物を脱気し、その後、110℃、アルゴン下で6時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、そして16時間静置した。この反応混合物をジクロロメタンおよび水で希釈した。その有機層を分離し、水、続いてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで濾過し、そして減圧中でエバポレートして、残渣を得た。この粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,DCM中30%シクロヘキサン、次いでDCM中1%メタノール)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(710mg,83%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.50(s,1H),8.38(s,1H),7.70(s,1H),7.32−7.22(m,3H),4.48(q,2H J=7.0Hz),2.54(s,3H),1.46(t,3H J=7.0Hz),0.29(s 9H)。LCMS(方法B):R
T=4.12分,M+H
+=387。
(工程2:3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−7−メチルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニルフェニルアミノ)−7−メチルフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(710mg,1.84mmol)を、DCM(25ml)中の溶液として、0℃〜5℃で攪拌し、DCM中1MのICl(3.5mL,3.5mmol)を滴下して処理した。得られた混合物を0℃〜5℃で2時間攪拌し、その後、1M水性Na2S2O3(12mL)を添加した。これらの層を分離し、そしてその有機層を水、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中でエバポレートして、残渣を得た。この粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,DCM中0%〜1%のMeOHの勾配)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(448mg,55%)。1H NMR(CDCl3,400MHz)8.47(s,1H),8.39(s,1H),7.65(s,1H),7.52(dd,1H J=9.8,1.9Hz),7.44(dt,1H J=8.4,1.3Hz),7.00(t,1H J=8.5Hz),4.48(q,2H J=7.0Hz),2.53(s,3H),1.46(t,3H J=7.0Hz)。LCMS(方法B):RT=3.39分,M+H+=441。
(2−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシカルバモイル)−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2,7−ジカルボン酸2−ベンジルエステル7−エチルエステル)
4−クロロ−ピリジン−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステル(250mg,0.971mmol)およびグリコール酸ベンジル(145μl,1.019mmol)の、DMF(5ml)中の溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(97mg,2.43mmol,鉱油中60%の分散物)を添加した。この混合物を室温まで温め、そして3時間攪拌し、次いで酢酸(1ml)の添加によりクエンチした。次いで、この混合物を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣を水中で粉砕し、そして濾過した。得られた固体をメタノール/水から再結晶して、表題化合物を淡黄色固体として得た(120mg,36%)。LCMS(方法B):R
T=3.29分,M+H
+=342。
(工程2:3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2,7−ジカルボン酸2−ベンジルエステル7−エチルエステル)
3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2,7−ジカルボン酸2−ベンジルエステル7−エチルエステル(120mg,0.352mmol)およびピリジン(85μl,1.056mmol)の、ジクロロメタン(1.5ml)中の溶液に、0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(63μl,0.37mmol)を滴下した。この反応物を室温で90分間攪拌し、次いでジクロロメタン(30ml)と0.1M HCl(10ml)との間で分配した。その有機層を単離し、そして飽和重炭酸ナトリウム(10ml)、次いでブライン(10ml)で洗浄した。単離した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、減圧中で濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(88mg,53%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.27(1H,s),9.17(1H,s),7.48(2H,m),7.38(3H,m),5.48(2H,s),4.52(2H,q,J=7.2Hz),1.43(3H,t,J=7.2Hz)。
(工程3:3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2,7−ジカルボン酸2−ベンジルエステル7−エチルエステル)
3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2,7−ジカルボン酸2−ベンジルエステル7−エチルエステル(88mg,0.186mmol)および2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミン(41mg 0.223mmol)の、トルエン(1.5ml)中の溶液に、リン酸カリウム(55mg,0.26mmol)を添加し、その後、この混合物を脱気した。Pd
2dba
3(8.5mg,0.0093mmol)およびXantphos(11mg,0.0186mmol)をこの混合物に添加し、そしてこの容器をアルゴンでフラッシュした。この反応混合物を1.5時間加熱還流し、冷却し、そしてCelite(登録商標)で濾過し、酢酸エチルで洗浄した。その濾液を飽和重炭酸ナトリウム(10ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:t−ブチルメチルエーテル1:0から3:1までの勾配)による精製により、表題化合物を淡黄色固体として得た(48mg,51%)。LCMS(方法B):R
T=4.89分,M+H
+=507。
(工程4:3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2,7−ジカルボン酸7−エチルエステル)
3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2,7ジカルボン酸2−ベンジルエステル7−エチルエステル(48mg,0.0949mmol)の、酢酸エチル(2ml)中の溶液に、窒素下で、炭素担持パラジウム(12mg,10%活性炭担持パラジウム)を添加した。この懸濁物を室温で2時間、水素雰囲気下で攪拌した。この反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、酢酸エチルで洗浄し、そしてその濾液を減圧中で濃縮して、表題生成物を無色油状物として得た(34mg,86%)。LCMS(方法B):R
T=4.31分,M+H
+=417,[M−H]
−=415。
(工程5:2−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシカルバモイル)−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル)
2−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシカルバモイル)−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル(37mg,0.068mmol)の、ジクロロメタン(2ml)中の溶液に、−5℃で、一塩化ヨウ素(136μl,0.136mmol,ジクロロメタン中1M溶液)を添加し、そしてこの溶液をこの温度で1時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(5ml)を添加し、そしてこの混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(15ml)に注いだ。その水層を単離し、そしてジクロロメタン(2×25ml)で抽出し、その後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル1:0から0:1までの勾配、次いでジクロロメタン中15%メタノール)による精製により、表題化合物を黄色蝋状固体として得た(29mg,71%)。LCMS(方法B):RT=3.92分,M+H+=600。
(2−ジメチルカルバモイル−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:2−ジメチルカルバモイル−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル)
4−クロロ−ピリジン−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステル(430mg,1.67mmol)および2−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−アセトアミド(189mg,1.84mmol)の、DMF(7ml)中の溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(200mg,5.01mmol,鉱油中60%の分散物)を添加した。得られた混合物を室温まで温め、そして2.5時間攪拌した。この反応を、酢酸(1ml)の添加によりクエンチした。次いで、この混合物を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣を水中で粉砕し、そして濾過して、表題化合物を淡黄色固体として得た(200mg,43%)。LCMS(方法B):R
T=2.73分,M+H
+=279。
(工程2:2−ジメチルカルバモイル−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル)
2−ジメチルカルバモイル−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル(440mg,1.58mmol)およびピリジン(0.38mL,4.74mmol)の、ジクロロメタン(7ml)中の溶液に、0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.29mL,1.74mmol)を滴下した。この反応物を室温で120分間攪拌し、次いでジクロロメタン(50ml)と0.1M HCl(20ml)との間で分配した。その有機層を飽和重炭酸ナトリウム(20ml)、次いでブライン(20ml)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、減圧中で濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(144mg,22%)。LCMS(方法B):R
T=3.39分,M+H
+=411。
(工程3:2−ジメチルカルバモイル−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル)
2−ジメチルカルバモイル−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル(144mg,0.351mmol)および2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミン(90mg 0.492mmol)の、トルエン(3ml)中の溶液に、リン酸カリウム(149mg,0.70mmol)を添加し、その後、この混合物を脱気した。Pd2dba3(16.1mg,0.0176mmol)およびXantphos(20mg,0.035mmol)をこの反応混合物に添加し、そしてこの容器をアルゴンでフラッシュした。次いで、この反応混合物を3時間加熱還流し、冷却し、そしてHyfloで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。その濾液を飽和重炭酸ナトリウム(30ml)で洗浄し、その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:t−ブチルメチルエーテル3:1から1:1までの勾配)による精製により、表題化合物を淡黄色固体として得た(84mg,54%)。LCMS(方法B):RT=4.58分,M+H+=444。
(7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:4−クロロ−5−フルオロ−ニコチン酸エチルエステル)
4−クロロ−5−フルオロ−ニコチン酸(0.36g,2.06mmol)の、塩化チオニル(3ml)中の懸濁物を、80℃で2時間、ほとんどの固体が溶解するまで加熱した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そしてその残渣をトルエン(2×20ml)と共沸した。得られた残渣をエタノール(5ml)およびジイソプロピルエチルアミン(1.76mL,10.31mmol)に溶解し、そしてこの反応混合物を室温で18時間攪拌した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、そして0.1M HCl、次いで飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル1:0から92:8までの勾配)による精製により、表題化合物を無色油状物として得た(415mg,99%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)1.43(3H,t,J=7.1Hz),4.46(2H,q,J=7.1Hz),8.60(1H,d,J=0.8Hz),8.86(1H,s)。
(工程2:7−フルオロ−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
4−クロロ−5−フルオロ−ニコチン酸エチルエステル(400mg,1.975mmol)およびグリコール酸エチル(196μl,2.074mmol)の、DMF(10ml)中の溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(158mg,3.95mmol,鉱油中60%の分散物)を添加し、そしてこの混合物を室温まで温め、次いで2時間攪拌した。この反応を、酢酸(1.5ml)の添加によりクエンチした。次いで、この混合物を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣を水中で粉砕して、表題化合物を淡黄色固体として得た(460mg,定量的)。LCMS(方法B):R
T=2.59分,M+H
+=226。
(工程3:7−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
7−フルオロ−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(460mg,1.97mmol)およびピリジン(0.48mL,5.91mmol)の、ジクロロメタン(10ml)中の溶液に、0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(612mg,2.17mmol)を滴下した。この反応物を室温で90分間攪拌し、次いでジクロロメタン(50ml)と0.1M HCl(20ml)との間で分配した。その有機層を単離し、そして飽和重炭酸ナトリウム(20ml)、次いでブライン(20ml)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン)による精製により、表題化合物を無色油状物として得た(470mg,67%)。LCMS(方法B):R
T=3.76分,M+H
+=358。
(工程4:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
7−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(470mg,1.32mmol)および2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミン(337mg,1.84mmol)の、トルエン(15ml)中の溶液に、リン酸カリウム(558mg,2.63mmol)を添加し、そしてこの混合物を脱気した。Pd
2dba
3(60.5mg,0.066mmol)およびXantphos(76.5mg,0.132mmol)をこの反応混合物に添加し、そしてこの容器をアルゴンでフラッシュした。この反応混合物を4時間加熱還流し、冷却し、そしてHyfloで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。その濾液を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル1:0から9:1までの勾配)による精製により、表題化合物を淡黄色固体として得た(490mg,95%)。LCMS(方法B):R
T=4.70分,M+H
+=391。
(工程5:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(490mg,1.256mmol)の、ジクロロメタン(8ml)中の溶液に、−10℃で、一塩化ヨウ素(2.51mL,2.51mmol,ジクロロメタン中1M溶液)を添加し、そしてこの溶液を−10℃〜0℃で2時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(5ml)を添加し、そしてこの混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(15ml)に注いだ。その水層を単離し、次いでジクロロメタン(3×25ml)で抽出し、その後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル1:0から3:1までの勾配、次いでジクロロメタン)による精製により、粗製物質を得た。この粗製物質をシクロヘキサン中で粉砕して、表題化合物を黄色蝋状固体として得た(250mg,45%)。LCMS(方法B):RT=4.13分,M+H+=445。
(7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:4−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−カルバルデヒドオキシム)
3−フルオロ−4−クロロ−ピリジン(11.0g,84mmol)の、THF中の冷(−78℃)溶液に、窒素下で、リチウムジイソプロピルアミド(1.8M溶液,47mL,84mmol)を滴下し、そして得られた溶液を−70℃〜−80℃で18時間攪拌した。DMF(7.68g,1.25当量)を滴下し、そして攪拌を−78℃で30分間継続し、その後、この混合物を氷/2M HClに添加した。この溶液をジエチルエーテルで抽出し、そしてその有機層を2M HClで逆抽出し、2つの水溶液を別々に保持した。これらの水性抽出物をそれぞれ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(8.76g,126mmol)で処理し、そして炭酸カリウムでpH5に調整した。1時間攪拌した後に、この混合物を酢酸エチル(×2)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、表題化合物を黄褐色固体として得た(11.07g,76%)。LCMS(方法B):R
T=2.49分,M+H
+ 175。
(工程2:4−クロロ−5−フルオロニコチノニトリル)
4−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−カルバルデヒドオキシム(6.8g,39.0mmol)の、ジクロロメタン(150ml)中の懸濁物に、カルボニルジイミダゾール(9.5g,58.5mmol)を添加した。次いで、この混合物を30分間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、その後、飽和水性重炭酸ナトリウム、続いてで洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮し、次いで得られた残渣をジエチルエーテル/シクロヘキサン中で粉砕して、表題化合物を淡黄色固体として得た(4.05g,79%)。
1H NMR(CDCl
3400MHz)8.71(1H,d,J=0.4Hz),8.70(1H,s)。
(工程3:3−アミノ−7−フルオロ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
4−クロロ−5−フルオロニコチノニトリル(4.0g,25.6mmol)をDMF(50ml)に溶解し、そして炭酸カリウム(17.8g,128mmol)、続いてグリコール酸エチル(3.64mL,38.4mmol)で処理した。得られた反応混合物を80℃で50分間加熱し、次いで、室温まで冷却し、そして酢酸エチルで希釈した。この溶液を水(×2)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた固体をジエチルエーテル中で粉砕して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(3.58g,63%)。LCMS(方法B):R
T=2.65分,M+H
+ 225。
(工程4:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−7−フルオロ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(2.5g,11.1mmol)、トリフルオロ−メタンスルホン酸2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルエステル(4.2g,13.3mmol)、Pd
2dba
3(508mg,0.56mmol)、Xantphos(642mg,1.12mmol)およびCs
2CO
3(7.2g,22.2mmol)の、トルエン(25ml)中の脱気溶液を、1時間加熱還流した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いでCelite(登録商標)のパッドで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。この濾液を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン中0%〜30%の酢酸エチルの勾配)に供して、赤色/橙色の残渣を得た。この残渣をメタノール中で粉砕して、表題化合物を黄色固体として得た(2.5g,58%)。LCMS(方法B):R
T=4.71分,M+H
+ 391。
(工程5:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル)
7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)フロ[3,2c]−ピリジン−カルボン酸エチルエステル(2.5g,6.4mmol)の、ジクロロメタン(60ml)中の溶液に、0℃で、一塩化ヨウ素(2.08g,12.8mmol,ジクロロメタン中の溶液)を添加し、そしてこの溶液を攪拌し、そして45分間温めた。沈殿した固体を濾別し、その残渣を保持し、そしてその濾液を飽和水性チオ硫酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、残渣を得た。濾過および濃縮からの残渣を合わせ、そしてジエチルエーテル中で粉砕して、淡黄褐色固体を得た(2.58g,91%)。LCMS(方法B):RT=4.14分,M+H+=445。
(4−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:2,4−ジクロロ−ニコチン酸エチルエステル)
ジイソプロピルアミン(2.4mL,16.9mmol)の、THF(40ml)中の溶液に、−78℃で、不活性雰囲気下で、n−ブチルリチウム(10.6mL,16.9mmol,ヘキサン中1.6M)を添加し、そしてこの溶液を−78℃で15分間攪拌した。2,4−ジクロロピリジン(1.8mL,16.9mmol)を滴下し、そしてこの反応混合物を−78℃で2時間攪拌し、その後、シアノギ酸エチル(4.0mL,40.4mmol)を添加した。次いで、この反応物を−78℃で1時間攪拌し、次いで、室温まで温めた。次いで、この混合物を水と酢酸エチルの間で分配し、そしてこれらの層を分離した。その有機層を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液、続いてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル1:0から4:1までの勾配)による精製により、表題化合物を無色油状物として得た(1.6g,43%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.34(1H,d,J=5.4Hz),7.33(1H,d,J=5.4Hz),4.49(2H,q,J=7.1Hz),1.43(3H,t,J=7.1Hz)。
(工程2:4−クロロ−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
2,4−ジクロロ−ニコチン酸エチルエステル(1.6g,7.3mmol)およびグリコール酸エチル(0.72mL,7.6mmol)の、DMF中の溶液に、0℃で、不活性雰囲気下で、水素化ナトリウム(鉱油中60%,584mg,14.6mmol)を滴下した。この反応混合物を0℃で3時間攪拌し、酢酸(約5mL)を注意深く添加することによりクエンチし、水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を分離し、水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た(1.75g,100%)。LCMS(方法B):R-
T=2.99分,M+H
+=242。
(工程3:4−クロロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
4−クロロ−3−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.8g,7.5mmol)、N−フェニル−トリフルオロメタンスルホンイミド(5.0g,14.0mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(5.5mL,32.3mmol)の、ジメトキシエタン(30mL)中の混合物を、90℃で48時間攪拌し、室温まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,1:0から1:1までの勾配)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(1.06g,38%)。LCMS(方法B):R-
T=3.94分,M+H
+=374。
(工程4:4−クロロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
4−クロロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(810mg,2.17mmol)、2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミン(306mg,1.67mmol)、Pd
2dba
3(31mg,0.03mmol)、Xantphos(58mg,0.10mmol)および炭酸セシウム(817mg,2.50mmol)の、トルエン(17ml)中の脱気溶液を、窒素雰囲気下で16時間加熱還流した。この反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル,1:0から0:1までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(558mg,82%)。LCMS(方法B):R-
T=4.64分,M+H
+=407。
(工程5:4−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
4−クロロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(265mg,0.65mmol)の、ジクロロメタン(6.5ml)中の溶液に0℃で、一塩化ヨウ素(1.3mL,1.3mmol,ジクロロメタン中1M溶液)を添加し、そしてこの溶液をこの温度で1時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(5ml)を添加し、そしてこの混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(25ml)に注いだ。その水層をジクロロメタン(2×25ml)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た(239mg,80%)。LCMS(方法B):RT=4.22分,M+H+=461。
(3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−4−メチル−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
(工程1:3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−4−メチル−フロ[3,2]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
4−クロロ−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(406mg,1.0mmol)の、ジオキサン(5mL)中の溶液に、トリメチルボロキシン(0.14mL,1.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(115mg,0.1mmol)および炭酸カリウム(207mg,1.5mmol)を添加し、その後、この混合物を脱気し、そして6時間加熱還流した。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてCelite(登録商標)のパッドで濾過し、これを酢酸エチルで洗浄した。その濾液を合わせ、そして減圧中で濃縮して、残渣を得、この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:ジエチルエーテル1:0〜0:1)により精製した。表題化合物を淡黄色油状物として得た(221mg,57%)。LCMS(方法B):R
T=3.53分,M+H
+=387。
(工程2:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−4−メチル−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)−4−メチル−フロ[3,2]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(215mg,0.56mmol)の、ジクロロメタン(5ml)中の溶液に、0℃で、一塩化ヨウ素(1.1mL,1.1mmol,ジクロロメタン中1M溶液)を添加し、そしてこの溶液をこの温度で1時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(5ml)を添加し、そしてこの混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(25ml)に注いだ。その水層をジクロロメタン(2×25ml)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:ジクロロメタン1:0から0:1までの勾配)による精製により、表題化合物を黄色固体として得た(241mg,98%)。LCMS(方法B):RT=2.99分,M+H+=441。
(3−(2−フルオロ−4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.26g,3.71mmol)および2−フルオロ−4−メチルスルファニル−フェニルアミン(816mg,5.20mmol)を、トルエン(25ml)に溶解し、そしてPd
2(dba)
3(170mg,0.19mmol)を添加し、続いてXantphos(214mg,0.37mmol)および三塩基性リン酸カリウム(1.57g,7.42mmol)を添加した。この混合物を徹底的に脱気し、そしてアルゴンでパージし、次いでアルゴン下で120℃で16時間攪拌した。冷却後、この混合物をCelite(登録商標)で濾過し、次いで濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,エーテル:ペンタン1:4から1:0までの勾配)による精製により、表題化合物を黄褐色固体として得た(770mg,60%)。LCMS(方法B):R
T=3.29,M+H
+ 347。
(7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−7−フルオロ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(0.2g,0.89mmol)、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチルスルファニル−ベンゼン(0.34g,1.5mmol)、Pd
2dba
3(0.041g,0.045mmol)、Xantphos(0.052g,0.089mmol)およびK
3PO
4(0.38g,1.8mmol)の、トルエン(5ml)中の脱気溶液を、18時間加熱還流した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いでHyfloのパッドで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。この濾液を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン中0%〜10%酢酸エチルの勾配)に供して、表題化合物を黄色固体として得た(0.18g,55%)。LCMS(方法B):R
T=3.95分,M+H
+ 365。
(7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル)
3−アミノ−7−クロロ−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(0.1g,0.42mmol)、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチルスルファニル−ベンゼン(0.16g,0.71mmol)、Pd
2dba
3(0.019g,0.021mmol)、Xantphos(0.024g,0.042mmol)およびK
3PO
4(0.18g,0.83mmol)の、トルエン(2.5ml)中の脱気溶液を、18時間加熱還流した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いでHyfloのパッドで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。この濾液を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン中0%〜10%酢酸エチルの勾配)に供して、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.087g,54%)。LCMS(方法B):R
T=4.14分,M+H
+ 379。
(代表的なアミンおよびヒドロキシルアミンの合成)
(シクロプロピルメチルヒドロキシルアミン塩酸塩)
Marquezら、(2005)Synth.Comm.35(17):2265−2269に従って合成した。
(O−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン)
Baileyら、(1991)J.Med.Chem.34(1):57−65に従って合成した。
(O−(2−ビニルオキシ−エチル)−ヒドロキシルアミン)
(N−メチル−O−(2−ビニルオキシ−エチル)−ヒドロキシルアミン)
ホルムアルデヒド(水中37% w/w,80μl,1.0mmol)を、エタノール(1mL)中O−(2−ビニルオキシ−エチル)−ヒドロキシルアミン(105mg,1.0mmol)の冷(0℃)溶液に添加した。この混合物を30分間攪拌し、その後、para−トルエンスルホネート(250mg,1.0mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(70mg,1.1mmol)を添加した。得られた懸濁物を周囲温度まで温め、そして20時間攪拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を酢酸エチル(25mL)で希釈し、そしてブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、次いでエバポレートして、所望の生成物を油状物として得た(84mg,71%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)6.44−6.55(m,1H),4.98(s,1H),4.16−4.24(m,1H),3.98−4.06(m,1H),3.82−3.96(m,4H),2.59(s,3H)。
(4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−イソオキサゾリジン)
tert−ブチル−ジメチル−クロロシラン(0.5g,3.21mmol)をイソオキサゾリジン−4−オール塩酸塩(0.40g,3.18mmol)のDMF(3mL)中の攪拌溶液に添加し、そしてこの混合物を周囲温度で2.5時間、攪拌したままにした。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)との間で分配した。その有機相を分離し、水(3×20mL)、次いでブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そしてエバポレートして、所望の生成物を無色油状物として得た(0.62g,96%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)5.52(s,1H),4.60−4.65(m,1H),3.45−3.62(m,1H),3.80−4.05(m,1H),2.80−3.05(m,2H),0.80(s,9H),0.08(s,6H)。
((S)−3−アミノオキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
(工程1:(S)−3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
(R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.37g,7.31mmol)をTHF(20mL)に溶解し、2−ヒドロキシ−イソインドール−1,3−ジオン(1.19g,7.31mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.92g,7.31mmol)を添加し、続いてアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.33mL,8.04mmol)を10分間かけて滴下した。この反応混合物を周囲温度で18時間攪拌し、次いで、その溶媒をエバポレートした。その残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Si−SPE,DCM:EtOAc,100:0から80:20までの勾配)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(1.43g,59%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.86(m,2H),7.77(m,2H),4.94−5.02(m,1H),3.66−3.84(m,2H),3.50−3.65(m,2H),2.24−2.32(m,1H),1.93−2.05(m,1H),1.49(s,9H)。
(工程2:(S)−3−アミノオキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
メチルヒドラジン(0.23mL,4.40mmol)を、5分間かけて、(S)−3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.43g,4.3mmol)のDCM(12mL)中の溶液に滴下した。この混合物を周囲温度で1時間攪拌し、次いでエバポレートした。その残渣をジエチルエーテル(10mL)中に懸濁させ、そしてその固体を濾過した。その濾液を濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(0.86g,99%)。1H NMR(CDCl3,400MHz)4.24−4.26(m,1H),3.60−3.66(m,1H),3.44−3.54(m,1H),3.30−3.42(m,2H),2.03−2.12(m,1H),1.84−1.96(m,1H),1.46(s,9H)。
(2−アミノオキシ−2−メチル−プロパン−1−オール塩酸塩)
(工程1:2−(N−Boc−アミノオキシ)イソ酪酸エチルエステル)
N−Boc−ヒドロキシルアミン(5.2g,39.05mmol)の、エタノール(100mL)中の溶液に、水酸化カリウム(2.6294g,46.86mmol)を添加し、そしてこの水酸化カリウムが溶液に溶解するまで、室温で攪拌した。これに2−ブロモイソ酪酸エチルエステル(6.87mL,46.86mmol)を添加し、そして一晩還流した。1時間後に、白色沈殿物が観察された。反応物を室温まで冷却し、次いで濾過した。その白色固体を廃棄し、そしてその濾液を濃縮した。その油状残渣を水(75mL)とエーテル(3×100mL)との間で分配した。合わせたエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてその濾液を濃縮して、表題化合物を透明油状物として得た(9.543g,99%)。LCMS(方法C):R
T=2.55分,M+H
+=247.9。1H NMR(CDCl
3,400MHz)4.20(q,2H),1.50(s,6H),1.498(s,9H),1.30(t,3H)。
(工程2:2−(N−Boc−アミノオキシ)−2−メチルプロパン−1−オール)
2−(N−Boc−アミノオキシ)イソ酪酸エチルエステル(2.35g,9.5mmol)の、無水エチルエーテル(100mL)中の溶液に、0℃、窒素下で、テトラヒドロフラン(17.106mL,17mmol)中1.0Mのテトラヒドロアルミン酸リチウムを添加し、0℃、窒素下で5時間攪拌した。これに2個のCO
2ペレット(ドライアイス)を添加し、続いて0℃の水(25mL)を添加した。次いで、これを一晩攪拌し、このプロセス中に室温まで温めた。そのエーテル層をデカンテーションにより除去し、とっておいた。その白色固体をエーテルで粉砕し、そしてそのエーテルを、先に得られたエーテル層と合わせた。次いで、この白色固体を廃棄した。合わせたエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(1.94g,99.5%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)3.40(s,2H),1.50(s,9H),1.20(s,6H)。
(工程3:2−アミノオキシ−2−メチル−プロパン−1−オール塩酸塩)
2−(N−Boc−アミノオキシ)−2−メチルプロパン−1−オール(1.94g,9.45mmol)の、無水ジクロロメタン(10mL)中の溶液に、ジオキサン中4MのHCl(47.26mL,200mmol)を室温で添加し、そして1時間攪拌した。この反応物を減圧下で濃縮し、そしてその残渣をエーテル(3×30mL)で粉砕して、表題化合物を油状物/白色固体(HCl塩)として得た。この油状物/白色固体を減圧下で乾燥させ、そしてカップリング工程のためにそのまま使用した(1.10g,82.2%)。1H NMR(DMSO−d6,400MHz)3.58(s,2H),3.48(s,2H),1.34(s,6H)。
(1−アミノオキシ−2−メチルプロパン−2−オール)
(工程1:2−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ)−イソインドール−1,3−ジオン)
N−ヒドロキシフタルイミド(18.3g,112mmol)および1,2−エポキシ−3−メチルプロパン(9.50mL,107mmol)の、無水DMF中の溶液に、窒素下室温で、トリエチルアミン(16.1mL,115mmol)を添加した。この反応物は、黄色から暗赤色に変化した。次いで、この反応物を85℃で一晩加熱した。この反応物を室温まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(100mL)とエーテル(3×75mL)との間で分配した。合わせたエーテル層を水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、黄色油状物を得た(26.8g)。次いで、これをジクロロメタン(35mL)で処理し、これにより、未反応のN−ヒドロキシフタルイミドが白色沈殿物として急激に析出した(crash out)。これを濾別し、そして廃棄した。その濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(120g,シリカ,ISCO,45mL/分,ジクロロメタン中0%〜10%メタノール、50分間)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(13.4g,53.3%)。LCMS(方法C):R
T=1.70分,M+H
+=236.1 1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.84(m,2H),7.78(m,2H),4.15(s,2H),1.39(s,6H)。
(工程2:1−アミノオキシ−2−メチルプロパン−2−オール)
2−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ)−イソインドール−1,3−ジオン(3,70g,15.7mmol)の、無水ジクロロメタン(25mL)中の溶液に、窒素下0℃で、メチルヒドラジン(0.879mL,16.50mmol)を添加し、そして0℃2時間で攪拌した。メチルヒドラジンの添加により、色が淡黄色になり、続いて白色沈殿物が生じた。この反応物を、2時間後に0℃で濾過し、そしてその固体を廃棄した。その濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物を淡黄色油状物として得た(1.65g,100%)。LCMS(方法C):RT=0.34分,M+H+=106.1.1H NMR(DMSO−d6,400MHz)3.60(s,2H),1.22(s,6H)。
(3−アミノオキシ−3−メチルブタン−1−オール)
(工程1:2−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブトキシ)−イソインドール−1,3−ジオン)
N−ヒドロキシフタルイミド(3.13g,19.2mmol)および3−ヒドロキシ−3−メチルブタン(2.00g,19.2mmol)の、無水ジクロロメタンの溶液に、窒素下室温で、三フッ化ホウ素エーテレート(2.43mL,19.2mmol)を添加し、そして一晩攪拌した。この反応物は、18時間後に黒色に変化し、白色沈殿物(N−ヒドロキシフタルイミド)が生じた。この反応物に飽和重炭酸ナトリウム溶液(3mL)を添加し、そして室温で5分間攪拌した。次いで、この反応物を濾過し、そしてその白色固体を廃棄した。その濾液を濃縮し、そして得られた黒色残渣を25mLのジクロロメタンに再度溶解し、そして濾過した。その白色固体を廃棄し、そしてその濾液を濃縮して、黒色残渣を得た。これをジクロロメタン(5mL)に溶解し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ,80g,ISCO,30mL/分,ヘキサン中0%〜100%酢酸エチル、45分間)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(228mg,4.75%)。LCMS(方法C):R
T=1.77分,M+H
+=250.2。1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.83(m,2H),7.78(m,2H),3.95(t,2H),2.00(t,2H),1.45(s,6H)。
(工程2:3−アミノオキシ−3−メチルブタン−1−オール)
2−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブトキシ)−イソインドール−1,3−ジオン(228mg,0.91mmol)の、無水ジクロロメタン(2mL)中の溶液に、窒素0℃で、メチルヒドラジン(0.05mL,0.96mmol)を添加し、そして1時間攪拌し、このプロセス中に室温まで温めた。メチルヒドラジンの添加により、色が淡黄色になり、続いて白色沈殿物が生じた。この反応物を2時間後に0℃で濾過し、そしてその固体を廃棄した。その濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物を淡黄色固体として得た(95mg,87%)。LCMS(方法C):RT=0.34分,M+H+=120.1H NMR(DMSO−d6,400MHz)3.75(t,2H),1.83(t,2H),1.24(s,6H)。
(O−ピリジン−2−イルメチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩)
(工程1:N−Boc−アミノオキシメチル(ピリジン−2−イル))
N−Boc−ヒドロキシルアミン(5.0g,37.6mmol)の、エタノール(100mL)中の溶液に、水酸化カリウム(4.63g,82.61mmol)を添加し、そして室温で、この水酸化カリウムが溶液に溶解するまで攪拌した。これに2−ブロモメチルピリジン臭化水素酸塩(11.398g,45.06mmol)を添加し、そして一晩還流した。1時間後に、白色沈殿物が観察された。反応物を室温まで冷却し、次いで濾過した。その白色固体を廃棄し、そしてその濾液を濃縮した。その油状残渣を水(75mL)とエーテル(3×100mL)との間で分配した。合わせたエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてその濾液を濃縮して、生成物を黄色油状物として得た(6.0g)。この油状物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ,120g,ISCO,45mL/分,ヘキサン中0%〜100%酢酸エチル、40分間)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(1.78g,21.2%)。LCMS(方法C):R
T=1.13分,M+H
+=225.2。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.61(d,m,1H),7.73(t,d,1H),7.52(s,1H),7.46(d,t,1H),5.01(s,2H),1.50(s,9H)。
(工程2:O−ピリジン−2−イルメチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩)
N−Boc−アミノオキシメチル(ピリジン−2−イル)(860mg,3.8mmol)の、無水ジクロロメタン(2mL)中の溶液に、ジオキサン中4MのHCl(5.06mL,20mmol)を室温で添加し、そして2時間攪拌した。この反応物にエーテル(25mL)を添加し、そして5分間攪拌した。その溶媒をデカンテーションにより除去し、そしてその残渣をエーテル(25mL)で処理し、続いて攪拌し、次いで再度デカンテーションした。これをさらに1回繰り返し、そしてその残渣(白色固体)を減圧下で乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た(688mg,91%)。LCMS(方法C):RT=0.36分,M+H+=125.0。1H NMR(DMSO−d6,400MHz)8.70(m,1H),8.05(m,1H),7.60(m,2H),5.20(s,2H)。
(O−(1−フェニル−エチル)−ヒドロキシルアミン塩酸塩)
1−(ブロモエチル)ベンゼンから、O−ピリジン−2−イルメチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩を合成するために使用されたプロセスと類似のプロセスに従って、合成した。
LCMS(方法C):RT=0.92分,M+H+=138.2。1H NMR(DMSO−d6,400MHz)10.90(s,2H),7.45(m,5H),5.25(q,1H),1.50(d,3H)。
(O−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロピル]−ヒドロキシルアミン)
(工程1:(2−ベンジルオキシ−1−メチル−エトキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン)
tert−ブチルジメチルシリルクロリド(517mg,3.43mmol)を、1−ベンジルオキシ−プロパン−2−オール(518mg,3.12mmol)、イミダゾール(318mg,4.66mmol)、および4−DMAP(95mg,0.78mmol)の、CH
2Cl
2(3mL)中の溶液に添加した。この反応混合物を室温で16時間攪拌し、次いで2gのシリカゲルを添加し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜5% EtOAc:Hex)により精製して、表題化合物(713mg,収率82%)を透明油状物として得た。
(工程2:2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロパン−1−オール)
(2−ベンジルオキシ−1−メチル−エトキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(640mg,2.3mmol)の、酢酸エチル(10mL)中の溶液に、20%炭素担持Pd(64mg)を添加した。この反応混合物を排気し、そしてH
2でフラッシュし、そしてH
2の雰囲気下で3時間攪拌した。次いで、この反応混合物をセライトで濾過し、そして濃縮して、表題化合物(430mg,収率99%)を透明油状物として得、これをさらに精製せずに次の工程において使用した。
(工程3:2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロポキシ]−イソインドール−1,3−ジオン)
DEAD(0.46mL,2.94mmol)を、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロパン−1−オール(430mg,2.26mmol)、トリフェニルホスフィン(593mg,2.26mmol)、およびN−ヒドロキシフタルイミド(369mg,2.26mmol)の、THF(10mL)中の溶液に、0℃で滴下した。0℃で10分間攪拌した後に、この反応混合物を室温にし、そして攪拌をさらに48時間継続した。この反応混合物を粗いガラス漏斗で濾過し、そして減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜40% EtOAc:Hex)により精製して、表題化合物(139mg,収率18%)を白色固体として得た。
(工程4:O−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロピル]−ヒドロキシルアミン)
N−メチルヒドラジン(23μl,0.43mmol)を、2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロポキシ]−イソインドール−1,3−ジオン(135mg,0.40mmol)の、CH2Cl2(3mL)中の溶液に添加した。室温で1時間攪拌した後に、その白色沈殿物を濾別し、そして反応混合物を減圧中で濃縮して、表題化合物(76mg,収率92%)を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3,400MHz)5.48(br,2H),4.04(m,1H),3.58(dd,1H),3.52(dd,1H),1.13(d,3H),0.89(s,9H),0.09(s,6H)。
(O−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−メチル−エチル]−ヒドロキシルアミン)
(工程1:1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロパン−2−オール)
tert−ブチルジメチルシリルクロリド(4.1g,27mmol)を、プロパン−1,2−ジオール(2.0mL,27mmol)およびトリエチルアミン(4.93mL,35.4mmol)の、CH
2Cl
2中の溶液に添加した。室温で一晩攪拌した後に、この反応混合物を、1N水性HCl溶液、水、および1:1のNaHCO
3の飽和溶液とブラインで、1回ずつ洗浄した。その有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで濾過し、そして濃縮した。その粗製表題化合物を、さらに精製せずに次の工程において使用した。
(工程2:2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−メチル−エトキシ]−イソインドール−1,3−ジオン)
DEAD(1.86mL,11.8mmol)を、1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−プロパン−2−オール(1.73g,9.09mmol)、トリフェニルホスフィン(2.38g,9.09mmol)、およびN−ヒドロキシフタルイミド(1.48g,9.09mmol)の、THF(45mL)中の溶液に、0℃で滴下した。0℃で10分間攪拌した後に、この反応混合物を室温にし、そして攪拌をさらに48時間継続した。この反応混合物を粗いガラス漏斗で濾過し、そして減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜40% EtOAc:Hex)により精製して、表題化合物(1.80g,収率59%)を透明油状物として得た。
(工程3:O−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−メチル−エチル]−ヒドロキシルアミン)
N−メチルヒドラジン(310μl,5.74mmol)を、2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−メチル−エトキシ]−イソインドール−1,3−ジオン(1.80g,5.36mmol)の、CH2Cl2(20mL)中の溶液に添加した。室温で1時間攪拌した後に、その白色沈殿物を濾別し、そして反応混合物を減圧中で濃縮して、表題化合物(682mg,収率62%)を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3,400MHz)5.39(br,2H),3.77-3.68(m,1H),3.67(dd,1H),3.61(dd,1H),1.13(d,3H),0.90(s,9H),0.08(s,6H)。
(O−(2−フェニル−1,3−ジオキシナン−5−イル)−ヒドロキシルアミン)
(工程1:2−(2−フェニル−1,3−ジオキシナン−5−イルオキシ)−イソインドール−1,3−ジオン)
アゾジカルボン酸ジエチル(0.85mL,5.41mmol)を、2−フェニル−1,3−ジオキシナン−5−オール(750mg,4.16mmol)、トリフェニルホスフィン(1.09g,4.16mmol)、およびN−ヒドロキシフタルイミド(0.679g,4.16mmol)の、THF(20mL)中の溶液に、0℃で滴下した。0℃〜室温で一晩攪拌し、次いで減圧中で濃縮した。CH
2Cl
2で希釈し、次いでWhatmanシリンジフィルタで濾過した。4gのシリカゲルを添加し、そして減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30%〜70% EtOAc:Hex、100% EtOAcでフラッシュ)により精製して、表題化合物(495mg,収率37%)を白色固体として得た。
(工程2:O−(2−フェニル−1,3−ジオキシナン−5−イル)−ヒドロキシルアミン)
N−メチルヒドラジン(87μl,5.74mmol)を、2−(2−フェニル−1,3−ジオキシナン−5−イルオキシ)−イソインドール−1,3−ジオン(495mg,1.52mmol)の、CH2Cl2(10mL)中の溶液に添加した。室温で3時間攪拌した後に、その白色沈殿物を濾別し、そして反応混合物を減圧中で濃縮して、表題化合物(272mg,収率92%)を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3,400MHz)7.50-7.46(m,2H),7.40-7.35(m,3H),5.44(br,2H),5.41(s,1H)4.48-4.42(m,2H),4.01-3.93(m,1H),3.66-3.60(m,2H)。
(N−(2−アミノオキシ−エチル)−メタンスルホンアミド)
(工程1:[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルオキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル)
N−(tert−ブトキシカルボニル)エタノールアミン(5.0g,31.0mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド(5.1g,31.0mmol)およびトリフェニルホスフィン(8.5g,32.6mmol)の、テトラヒドロフラン(30ml)中の懸濁物に、0℃で、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(6.3mL,32.6mmol)を滴下した。この反応物を攪拌し、そして16時間かけて室温まで温めた。この反応物を減圧中で濃縮し、そしてその生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,酢酸エチル:シクロヘキサン,20:80から30:70までの勾配)により精製して、表題化合物を油状物として得た(14.2g)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.87−7.85(2H,m),7.79−7.77(2H,m),4.26(2H,t,J=5.5Hz),3.47−3.43(2H,m),1.47(9H,s)。
(工程2:2−(2−アミノ−エトキシ)−イソインドール−1,3−ジオン)
[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルオキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.4g,約8.6mmol)をジオキサン中の塩酸(4N,20ml)に溶解し、そして室温で3時間攪拌した。この反応物を減圧中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(20ml)に溶解し、そしてその溶液を水酸化ナトリウム溶液(20mL,1N)で洗浄した。その水層を単離し、次いで酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(1.96g)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.85(2H,dd,J=5.4,2.9Hz),7.72(2H,dd,J=5.4,3.0Hz),3.99−3.97(2H,m),3.86−3.83(2H,m)。
(工程3:N−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルオキシ)−エチル]−メタンスルホンアミド)
2−(2−アミノ−エトキシ)−イソインドール−1,3−ジオン(1.96g,8.1mmol)の、アセトニトリル(20ml)中の溶液に、0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.63mL,8.1mmol)とトリエチルアミン(2.3mL,16.2mmol)とを同時に添加した。この反応物を、0℃で1時間、次いで室温で1時間攪拌した。この反応物を濾過し、そしてその濾液を減圧中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(20ml)に溶解し、そして水(20ml)で洗浄した。その水層を単離し、次いで酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(1.2g,44%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)7.87(2H,dd,J=5.5,3.1Hz),7.79(2H,dd,J=5.5,3.2Hz),4.36(2H,dd,J=4.82,4.62Hz),3.43−3.47(2H,m),3.05(3H,s)。
(工程4:N−(2−アミノオキシ−エチル)−メタンスルホンアミド)
N−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルオキシ)−エチル]−エタンスルホンアミド(0.55g,1.92mmol)の、ジクロロメタン(15ml)中の懸濁物に、メチルヒドラジン(0.1mL,1.92mmol)を添加した。この反応物を室温で30分間攪拌し、この時間の間に、白色沈殿物が形成された。この反応物を濾過し、そしてその濾液を減圧中で濃縮して、残渣を得た。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ジクロロメタン中1%〜5%のメタノールの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(204mg,68%)。1H NMR(CDCl3,400MHz)3.80(2H,t,J=4.9Hz),3.39(2H,t,J=4.8Hz),3.00(3H,s)。
(N−シクロプロピルメチル−O−(2−ビニルオキシ−エチル)−ヒドロキシルアミン)
O−(2−ビニルオキシ−エチル)−ヒドロキシルアミン(210mg,2.0mmol)およびシクロプロパンカルボキシアルデヒド(140mg,2.0mmol)の、エタノール(2.0ml)中の溶液を、窒素雰囲気下で0℃まで冷却し、次いでピリジニウムp−トルエンスルホン酸(0.5g,2.0mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.15g,2.2mmol)を添加した。得られた混合物を周囲温度で24時間攪拌し、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、無色油状物を得、これを、粗製のままで引き続く工程において使用した。
(O−[1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−イミダゾール−2−イルメチル]−ヒドロキシルアミン)
(工程1:2−[1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−イミダゾール−2−イルメトキシ]−イソインドール−1,3−ジオン)
アゾジカルボン酸ジイソプロピルを、2−(ヒドロキシメチル)−1−(p−トリルスルホニル)イミダゾール(0.60g,2.4mmol)、トリフェニルホスフィン(0.65g,2.5mmol)およびN−ヒドロキシフタルイミド(0.39g,2.4mmol)の、THF(20ml)中の冷(0℃)溶液に滴下した。この反応物を攪拌し、そして40時間かけて室温まで温めた。この反応物を減圧中で濃縮し、そしてその残渣をジクロロメタン(20ml)に溶解し、その生成物を白色固体として沈殿させた。その生成物を濾過により収集し、そしてジクロロメタン(5ml)で洗浄して、表題化合物を白色固体として得た(580mg,61%)。LCMS(方法B):R
T=3.46分,M+H
+=398。
(工程2:O−[1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−イミダゾール−2−イルメチル]−ヒドロキシルアミン)
メチルヒドラジン(40μl,0.75mmol)を、2−[1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−イミダゾール−2−イルメトキシ]−イソインドール−1,3−ジオン(300mg,0.75mmol)の、ジクロロメタン(3ml)中の溶液に添加し、そしてこの反応物を室温で20分間攪拌した。約10分後、白色沈殿物が形成された。この反応物を濾過し、そしてその濾液を減圧中で、およそ半分の体積まで濃縮した。ジエチルエーテル(5ml)を添加して、白色沈殿物を形成させた。この反応物を濾過し、そしてその濾液を減圧中で濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(230mg,114%)。この生成物を、さらに精製せずに使用した。LCMS(方法B):RT=2.46分,M+H+=268。
((3S,4S)−ピロリジン−3,4−ジオール塩酸塩)
(工程1:(3R,4R)−1−ベンジル−3,4−ジヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン)
L−(+)−酒石酸(1.51g,10.06mmol)およびベンジルアミン(1.08g,10.06mmol)を、m−キシレン(50ml)中で加熱還流し、この間に、水をDean−Starkトラップで収集した。一晩攪拌した後に、この反応物を濃縮した。その残渣を最小量のTHF/EtOHに溶解し、そしてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(3:1ヘキサン−酢酸エチル、酢酸エチル、および9:1酢酸エチル−エタノールを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を褐色油状物として得た(0.99g,44%)。
(工程2:(3S,4S)−1−ベンジルピロリジン−3,4−ジオール)
THF(20ml)中の(3R,4R)−1−ベンジル−3,4−ジヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン(0.98g,4.4mmol)を、LiAlH
4(4.75mL,11.87mmolのTHF中2.5M溶液)の、THF中の、−5℃に冷却した攪拌溶液にゆっくりと添加した。添加の完了後、この反応物を室温まで温め、次いで一晩加熱還流した。この反応物を室温まで冷却し、次いで飽和水性NH
4Clで、さらなる添加がさらなる気泡発生を生じなくなるまでクエンチした。この反応物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、濾過し、そしてその固体を酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を濃縮し、そしてその残渣をシリカフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc、および9:1 EtOAc−EtOHを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を黄褐色固体として得た(0.52g,61%)。
(工程3:(3S,4S)−ピロリジン−3,4−ジオール塩酸塩)
(3S,4S)−1−ベンジルピロリジン−3,4−ジオール(0.52g,2.7mmol)をエタノール(15ml)および酢酸(10ml)に溶解し、そして10% Pd−C(100mg)で、Parr装置で6時間水素化(50psi H2)した。Celiteで濾過し、そしてそのフィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した後に、合わせた濾液および洗浄液を濃縮した。その残渣を4N HCl/ジオキサン(2ml)、メタノール(5ml)、次いでトルエン(40ml)で希釈し、そして濃縮した。その残渣をエチルエーテルで粉砕して、表題化合物の塩酸塩を黄褐色固体として得た(0.37g,97%)。1H NMR(D2O,400MHz)4.35(d,J=3.4Hz,2H),3.54(dd,J=12.8Hz,3.4Hz,2H),3.30(d,J=12.8Hz,2H)。
(3−メチルピロリジン−3−オール塩酸塩)
(工程1:3−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル)
3−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.070g,0.38mmol)の、無水THF(2mL)中の溶液を、−78℃まで冷却した。次いで、ブチルエーテル中1Mの臭化メチルマグネシウムの溶液を滴下した。この反応物を−78℃で4時間攪拌し、そして水(2mL)によりクエンチした。この反応物を減圧中で濃縮した後に、その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルでさらに1回抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。その残渣をシリカフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン−酢酸エチルおよび酢酸エチルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を得た(0.054g,70%)。
(工程2:3−メチルピロリジン−3−オール塩酸塩)
3−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.027g,0.13mmol)に、4N HCl/ジオキサン溶液(1ml)を添加し、そしてこの混合物を2時間攪拌した。この溶液を減圧中で濃縮した。その残渣をトルエン(1ml)で希釈し、そして再度濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(0.018g,100%)。
((3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イルカルバミン酸(9H−フルオレン−9−イル)メチル塩酸塩)
(工程1:(3R,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イルカルバミン酸(9H−フルオレン−9−イル)メチル)
(3R,4R)−3−アミノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.05g,0.25mmol)を1,4−ジオキサン(1mL)、水(1mL)、およびトルエン(0.3mL)に溶解した。次いで、クロロギ酸9−フルオレニルメチル(0.077g,0.30mmol)をゆっくりと添加し、続いて重炭酸ナトリウム(0.083g,0.99mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。この反応物を減圧中で濃縮した後に、その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルでさらに1回抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。その残渣をシリカフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン−酢酸エチルおよび酢酸エチルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を得た(0.090g,90%)。
(工程2:(3R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イルカルバミン酸(9H−フルオレン−9−イル)メチル塩酸塩)
4N HCl/ジオキサン溶液(1ml)を(3R,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−3−イルカルバミン酸(9H−フルオレン−9−イル)メチルに添加し、そしてこの混合物を2時間攪拌した。この溶液を減圧中で濃縮した。その残渣をトルエン(1ml)で希釈し、そして再度濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(0.076g,100%)。
((2R,3R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩)
(工程1:(2S,3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸)
(2S,3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(1.76g,7.63mmol)およびNaHCO
3(1.28g,15.3mmol)を、DMF(10ml)中に懸濁させた。ヨウ化メチル(2.37mL,5.41g,38.13mmol)をこの混合物に添加し、次いで、これを50℃で一晩加熱した。この反応物を減圧中で濃縮した後に、その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルでさらに1回抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。その残渣をシリカフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン−酢酸エチルおよび酢酸エチルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(1.66g,89%)。
(工程2:(2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル)
(2S,3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(0.36g,1.47mmol)の、THF(5ml)中の攪拌溶液に、LiCl(0.19g,4.4mmol)を添加し、続いてNaBH
4(0.17g,4.4mmol)を添加した。エタノール(10ml)の添加後、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。その反応フラスコを氷浴に入れ、その冷却された乳白色溶液を、37% HClでpH2〜3に酸性化した。この溶液を濃縮し、そしてその残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。得られた油状物の、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチルを使用する)による精製により、0.30g(95%)の表題化合物を無色油状物として得た。
(工程3:(2R,3R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩)
4N HCl/ジオキサン溶液(5ml)を(2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルに添加し、そしてこの混合物を2時間攪拌した。この溶液を減圧中で濃縮した。その残渣をトルエン(5ml)で希釈し、そして再度濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(0.21g,100%)。
((3R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩)
(工程1:(2R,4R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸)
シス−4−ヒドロキシ−D−プロリン(1.0g,7.63mmol)およびNaHCO
3(1.6g,19.05mmol)をH
2O(16ml)に溶解し、次いでクロロギ酸ベンジル(1.25mL,1.49g,8.76mmol)のトルエン(4ml)中の溶液を、15分間かけて滴下した。室温で16時間攪拌した後に、それらの2つの相を分離した。過剰のクロロギ酸ベンジルを、エーテル(4×5ml)で洗浄することにより、この水相から除去した。濃HClを用いてその水相をpH2まで酸性化すると、油状生成物が沈殿し、これを水相の繰り返しの洗浄(3×5ml)により、酢酸エチルに抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮して、表題化合物を粘性油状物として得た(2.02g,100%)。
(工程2:(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル)
(2R,4R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(2.02g,7.63mmol)およびNaHCO
3(1.28g,15.3mmol)を、DMF(10ml)中に懸濁させた。ヨウ化メチル(2.37mL,5.41g,38.13mmol)をこの混合物に添加し、次いで、これを50℃で一晩、攪拌および加熱した。この反応物を減圧下で濃縮した後に、その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルでさらに1回抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。その残渣をシリカフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン−酢酸エチルおよび酢酸エチルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(1.9g,89%)。
(工程3:(2R,4R)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル)
(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル(0.41g,1.47mmol)の、THF(5ml)中の攪拌溶液に、LiCl(0.19g,4.4mmol)を添加し、続いてNaBH
4(0.17g,4.4mmol)を添加した。エタノール(10ml)の添加後、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。その反応フラスコを氷浴に入れ、この冷却された乳白色溶液を、37% HClでpH2〜3に酸性化した。この溶液を濃縮し、そしてその残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。得られた油状物の、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチルを使用する)による精製により、表題化合物(0.35g,95%)を無色油状物として得た。
(工程4:(3R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩)
(2R,4R)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.35g,1.4mmol)をエタノール(30ml)に溶解し、そしてParrシェーカー瓶に移した。10% Pd−C(0.07g)を添加した後に、この混合物を50psiの水素雰囲気下で0.5時間、Parr装置で振盪した。この触媒を、Celiteでの濾過により除去した。そのフィルターケーキをエタノールで洗浄し、そして合わせた濾液および洗浄液を減圧中で濃縮して、無色油状物を得た。取り扱いを容易にするために、アミンを塩酸塩に転換した。4N HCl/ジオキサン溶液(1ml)を、その残渣を完全に溶解するために充分なメタノール(約1ml)と一緒に、この残渣に添加した。混合の完了後、その溶媒を減圧下でエバポレートした。その固体をトルエン(20ml)で希釈し、そして再度濃縮した。最後に、その固体をエーテルで粉砕し、このエーテルを廃棄し、そしてこの固体を減圧中で乾燥させて、0.186g(87%)の表題化合物を桃色固体として得た。
((3R,5S)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩)
N−Boc−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリノール(0.422g,1.94mmol)に、4N HCl/ジオキサン溶液(5ml)を添加し、そしてこの混合物を1時間攪拌した。この溶液を減圧中で濃縮した。その残渣をトルエン(10ml)で希釈し、そして再度濃縮した。得られた白色固体をエチルエーテルで粉砕し、このエーテルを廃棄し、そしてその固体を減圧下で乾燥させて、0.29g(97%)の表題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(D
2O 400MHz)4.65−4.67(m,1H),3.99−4.06(m,1H),3.93(dd,J=12.5Hz,3.6Hz,1H),3.71(dd,J=12.5Hz,6.9Hz,1H),3.44(dd,J=12.7Hz,3.8Hz,1H),3.32(d,J=12.7Hz,1H),2.11−2.17(m,1H),1.92−1.98(m,1H)。
((3R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル)
(工程1:(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル)
(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル(1.45g,5.2mmol)、トリフェニルホスフィン(4.59g,17.5mmol)、およびp−ニトロ安息香酸(2.6g,15.6mmol)の、乾燥ベンゼン(10ml)中の攪拌溶液に、室温で、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.57mL,17.5mmol)を滴下した。次いで、この溶液を室温で6時間攪拌し、この際に、揮発性成分を減圧中で除去し、そしてその残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン−酢酸エチル1:1、そして再度、ヘキサン−エチルエーテル−塩化メチレン2:1:1を用いる)により精製した。この残渣をメタノール(10ml)に溶解し、K
2CO
3を添加し(0.02g,0.14mmol)、そしてこの混合物を室温で1時間攪拌した。揮発性成分を減圧中で除去した後に、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,エチルエーテルから酢酸エチルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(0.33g,23%)。
(工程2:4−メチルベンゼンスルホン酸(3S,5R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル)
(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル(0.33g,1.18mmol)およびDMAP(0.43g,3.55mmol)をクロロホルムに溶解し、そしてこの混合物を、氷−エタノール浴中で−5℃まで冷却した。p−トルエンスルホニルクロリド(0.45g,2.24mmol)を添加し、そしてこの反応物を2時間攪拌し、この間に、室温まで温めた。水(0.6ml)でクエンチし、そして10分間激しく攪拌した後に、それらの層を分離し、そしてその水層を塩化メチレン(2×)で抽出した。その有機層を乾燥させ(MgSO
4)、シリカゲルのプラグ(エチルエーテルで充填した7ml)で濾過し、エチルエーテルで溶出し、そして濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル1:1からエチルエーテルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(0.49g,95%)。
(工程3:(2R,4R)−4−アジドピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル)
アジ化ナトリウム(0.33g,5.07mmol)を、DMF(8ml)中の4−メチルベンゼンスルホン酸(3S,5R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル(0.49g,1.13mmol)に添加し、そしてこの混合物を50℃で一晩加熱した。減圧中で濃縮した後に、その残渣をエチルエーテルと水との間で分配した。その水層をエチルエーテルで抽出し、そして合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。得られた油状物の、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,エチルエーテルを使用する)による精製により、0.33g(97%)の表題化合物を無色油状物として得た。
(工程4:(3R,5R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバメート)
トリフェニルホスフィン(0.33g,1.15mmol)を、(2R,4R)−4−アジドピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル(0.33g,1.08mmol)の、THF(4ml)および水(2ml)中の溶液に添加した。50℃で一晩攪拌した後に、重炭酸ナトリウム(0.23g,2.71mmol)を添加し、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(0.47g,2.17mmol)を添加し、そして攪拌を50℃でさらに4時間継続した。揮発性物質を減圧下で除去し、そしてその残渣をエチルエーテルと水との間で分配した。その水層をエチルエーテルで抽出し、そして合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。得られた油状物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル1:1〜3:7を使用する勾配溶出)により精製して、0.258g(64%)の表題化合物を無色油状物として得た。
(工程5:(3R,5R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル)
(3R,5R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(0.16g,0.42mmol)の、THF(1.5ml)中の攪拌溶液に、LiCl(0.054g,1.27mmol)およびNaBH
4(0.048g,1.27mmol)を添加した。エタノール(3ml)の添加後、得られた混合物を室温で一晩攪拌し、次いで水(1ml)でクエンチした。この溶液を濃縮し、そしてその残渣を酢酸エチル(20ml)と水(3ml)との間で分配した。その水層を酢酸エチル(2×2ml)で抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。得られた油状物の、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,エチルエーテルを使用する)による精製により、0.11g(74%)の表題化合物を無色油状物として得た。
(工程6:(3R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル)
(3R,5R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(0.11g,0.31mmol)をエタノール(20ml)に溶解し、そしてParrシェーカー瓶に移した。10% Pd−C(0.030g)を添加した後に、この混合物を水素雰囲気下50psiで0.5時間、Parr装置で振盪した。この触媒を、Celiteでの濾過により除去した。そのフィルターケーキをエタノールで洗浄し、そして合わせた濾液および洗浄液を減圧中で濃縮して、表題化合物無色油状物として得た(0.07g,100%)。
((2R,3S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩)
(工程1:(2S,3S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸)
トランス−3−ヒドロキシ−L−プロリン(2.62g,20.0mmol)および重炭酸ナトリウム(5.04g,60mmol)を、水(20ml)に溶解した。ジオキサン(20ml)を添加し、続いてジ−tert−ブチル−ジカーボネート(8.72g,40mmol)を添加した。攪拌を室温で一晩継続した。この反応物を濃縮し、そしてその残渣をエチルエーテル(10ml)と水(30ml)との間で分配した。その水層をエーテルでさらに1回洗浄し、そしてその有機層を廃棄した。その水相を濃HClで次第に酸性化させることにより、油状生成物を沈殿させ、そしてこの水層の繰り返しの洗浄(3×10ml)により、酢酸エチルに抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)そして濃縮して、表題化合物を粘性油状物として得た(4.17g,90%)。
(工程2:(2S,3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチル2−メチル)
(2S,3S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(4.2g,18.2mmol)およびNaHCO
3(3.1g,36.3mmol)を、DMF(20ml)中に懸濁させた。ヨウ化メチル(5.7mL,12.9g,91.0mmol)をこの混合物に添加し、次いで、これを50℃で一晩加熱した。この反応物を減圧中で濃縮した後に、その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルでさらに1回抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。その残渣をシリカフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン−酢酸エチル〜エチルエーテルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(3.7g,82%)。
(工程3:(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル)
(2S,3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチル−2−メチル(0.54g,2.20mmol)をTHF(8.0ml)に溶解した。塩化リチウム(0.28g,6.60mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.25g,6.60mmol)を添加し、次いで、エタノール(16.0ml)を添加した。この反応物を一晩攪拌し、次いで水(4mL)でクエンチし、そして濃縮した。その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その水層を酢酸エチルで抽出した。その有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、そして乾燥させた(MgSO
4)。フラッシュクロマトグラフィー(50mlシリカゲル,酢酸エチル〜9:1酢酸エチル−エタノールを使用する勾配溶出)により、0.5グラム(100%)の表題化合物を無色固体として得た。
(工程4:(2R,3S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩)
(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.50g,2.30mmol)に4N HCl/ジオキサン溶液(6ml)を添加し、そしてこの混合物を2時間攪拌した。この溶液を減圧中で濃縮した。その残渣をトルエン(20ml)で希釈し、そして再度濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(0.36g,100%)。
((2R,3R,4S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3,4−ジオール塩酸塩)
(工程1:(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−カルボン酸)
3,4−デヒドロ−L−プロリン(1.0g,8.8mmol)をH
2O(9.0ml)および重炭酸ナトリウム(2.23g,26.5mmol)に溶解した。ジオキサン(9.0ml)を添加し、続いてジ−tert−ブチルジカーボネート(3.86g,17.7mmol)を添加した。この反応物を一晩攪拌し、次いで濃縮した。その残渣をエチルエーテル(20ml)と水(25ml)との間で分配し、そしてこれらの層を分離した。その水層を酢酸エチル(20ml)で希釈し、そしてこの混合物を濃HClでゆっくりと酸性化し、この間に、この混合物を激しく攪拌して、沈殿物を有機層中に抽出した。約pH2に酸性化し、そして酢酸エチルでさらに抽出した後に、その水層を塩で飽和させ、そして酢酸エチルでさらに1回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮して、表題化合物(2.0g,100%)を粘性の無色油状物として得た。
(工程2:(S)−2H−ピロール−1,2(5H)−ジカルボン酸1−tert−ブチル−2−メチル)
(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.85g,4.0mmol)をエチルエーテル(10ml)およびメタノール(10ml)に溶解し、次いで氷/エタノール浴中で−5℃まで冷却した。トリメチルシリルジアゾメタン(4.4mlのヘキサン中2.0M溶液,8.8mmol)を滴下した。一晩攪拌した後に、揮発性物質を減圧下で除去した。その残渣をエチルエーテル(20ml)と水(5ml)との間で分配し、そしてこれらの層を分離した。その有機層を飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、シリカゲルプラグ(7ml)でエチルエーテルを用いて濾過し、そして濃縮して、表題化合物を無色油状物として得た(0.821g,91%)。
(工程3:(2S,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチル2−メチル)
(S)−2H−ピロール−1,2(5H)−ジカルボン酸1−tert−ブチル−2−メチル(0.83g,3.65mmol)を、tert−ブチルアルコール(15ml)、テトラヒドロフラン(4ml)、および水(1.3ml)に溶解した。四酸化オスミウム(0.37mlのtert−ブチルアルコール中100mg/ml溶液,0.15mmol)を添加し、続いてN−メチルモルホリンN−オキシド(0.51g,4.4mmol)を添加した。この反応物を室温で5時間攪拌し、次いで飽和チオ硫酸ナトリウム(5ml)、酢酸エチル(15ml)および水(5ml)で希釈し、層の分離後、その有機層をチオ硫酸ナトリウムでさらに1回、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そしてシリカゲルプラグ(7ml)で、酢酸エチル(75ml)を用いて濾過し、そして濃縮した。この油状物を最小量のエチルエーテル/塩化メチレンに溶解し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル3:7〜酢酸エチルを使用する勾配溶出)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(0.83g,87%)。
(工程4:3aR,4S,6aS)−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピロール−4,5−ジカルボン酸5−tert−ブチル4−メチル)
(2S,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチル2−メチル(0.426g,1.63mmol)を、2,2−ジメトキシプロパン(10ml)に溶解した。ピリジニウムp−トルエンスルホン酸(0.02g,0.08mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温で一晩攪拌した。TLCは、反応がほとんど完了したことを示した。さらなる2,2−ジメトキシプロパン(5ml)を添加し、そしてこの反応物を、この混合物が沸騰して総体積が約1/4減少するまで(約5分間かかった)、熱銃で加熱した。この反応物をエチルエーテル(10ml)で希釈し、そしてこの溶液を飽和NaHCO
3およびブラインで抽出し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして濃縮して、淡黄色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(70mlシリカゲル,ヘキサン−酢酸エチル25:15〜ヘキサン−酢酸エチル1:1を使用する勾配溶出)により、表題化合物(0.402g,82%)を無色油状物として得た。
(工程5:(3aR,4R,6aS)−テトラヒドロ−4−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピロール−5−カルボン酸tert−ブチル)
(3aR,4S,6aS)−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピロール−4,5−ジカルボン酸5−tert−ブチル4−メチル(0.40g,1.3mmol)をTHF(5.0ml)に溶解し、そして塩化リチウム(0.17g,4.0mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(0.15g,4.0mmol)およびエタノール(10ml)で連続的に処理した。この反応物を一晩攪拌し、次いで水(3mL)でクエンチし、そして濃縮した。その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。この水層を酢酸エチルでさらに1回抽出した後に、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして乾燥させた(MgSO
4)。フラッシュクロマトグラフィー(50mlシリカゲル,ヘキサン−酢酸エチル6:4〜エチルエーテルを使用する勾配溶出)により、0.36グラム(99%)の表題化合物を無色油状物として得た。
(工程6:(2R,3R,4S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3,4−ジオール塩酸塩)
(3aR,4R,6aS)−テトラヒドロ−4−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピロール−5−カルボン酸tert−ブチル(0.36g,1.3mmol)を4N HCl/ジオキサン(5mL)および水(0.5ml)に溶解し、そしてこの反応物を室温で2時間攪拌した。次いで、揮発性物質を減圧下で除去して、桃色油状物を得た。この残渣をトルエン(20mL)で希釈し、そして再度濃縮して固体にし、この固体をエチルエーテルで粉砕した。このエーテルを廃棄し、そしてその固体を減圧中で乾燥させた。収率は、200mg(90%)の表題化合物を桃色固体として得た。1H NMR(D2O 400MHz)4.37−4.39(m,1H),4.21(dd,J=8.6Hz,4.1Hz,1H),3.98(dd,J=12.7Hz,3.5Hz,1H),3.83(dd,J=12.5Hz,6.0Hz,1H),3.62(ddd,J=8.6Hz,6.0Hz,3.5Hz,1H),3.50(dd,J=13.0Hz,4.1Hz,1H),3.37(dd,J=13.0Hz,2.0Hz,1H)。
((2R,3S,4S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3,4−ジオール塩酸塩)
2,3,5−トリ−O−ベンジル−β−L−アラビノース(0.5g,1.19mmol)を、加熱しながらエタノール(5ml)に溶解した。水(2.5ml)中の重炭酸ナトリウム(249mg,2.96mmol)を添加し、続いてヒドロキシルアミン塩酸塩(247mg,3.55mmol)を添加した。この不均質な混合物を室温で5時間攪拌した。次いで、さらなるヒドロキシルアミン塩酸塩(100mg,1.44mmol)および重炭酸ナトリウム(100mg,1.19mmol)を添加し、そしてこの反応物を一晩攪拌した。さらなる重炭酸ナトリウム(0.084g,1mmol)を添加し、そしてこの混合物を加熱して、5分間沸騰させた。室温まで冷却した後に、この反応物を濃縮した。得られた油状物を、固体が微細な粉末になるまでTHF(20ml)で粉砕した。その固体を濾別し、そしてその濾液を濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル3:1)により精製して、0.45グラム(87%)の生成物を無色油状物として得た。
(工程2)
2,3,5−トリ−O−ベンジル−β−L−アラビノースのオキシム(0.45g,1.0mmol)の、乾燥エチルエーテル(5ml)中の溶液を、LiAlH
4(0.75mLのTHF中2.5M,1.85mmol)の溶液に滴下した。この添加後に、この混合物を室温でさらに2時間攪拌した。酢酸エチル(1.7ml)をゆっくりと添加して過剰のLiAlH
4を分解し、続いて0.75mLの4N NaOH溶液を添加した。得られた曇った懸濁物をCeliteの床で濾過し、そしてそのCeliteケーキをエーテルおよび酢酸エチルで徹底的に洗浄した。その濾液および洗浄液を濃縮して、粘性油状物を得た。この油状物を酢酸エチル(20ml)に溶解し、そして飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮して、粗製アミンを淡黄色油状物として得た(0.44g,100%)。このアミン(0.44g,1.0mmol)を、THF(3ml)および水(1.5ml)に溶解した。重炭酸ナトリウム(0.22g,2.6mmol)を添加し、続いてジ−tert−ブチルジカーボネート(0.46g,2.1mmol)を添加した。この反応物を一晩攪拌し、次いで濃縮した。その残渣をエチルエーテル(20ml)と水(10ml)との間で分配し、そしてこれらの層を分離した。その水層をエチルエーテルでさらに1回抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン−酢酸エチル1:1)により、0.29g(52%)のBocアミンを無色油状物として得た。
(工程3)
アルコール(0.29g,0.55mmol)およびトリエチルアミン(0.13mL,0.96mmol)を、塩化メチレン(2.0ml)に溶解し、そして氷−エタノール浴中で−5℃まで冷却した。メタンスルホニルクロリド(64μl,0.83mmol)を添加し、そしてこの反応物を2時間攪拌した。水(0.2ml)でクエンチした後に、この混合物を30分間攪拌した。これらの層を分離し、その水層を塩化メチレンで洗浄し、そして合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−エチルエーテル−塩化メチレン2:1:1)により精製して、表題化合物を得た(0.30g,91%)。
(工程4)
N−Boc−O−メシレート化合物(0.247g,0.412mmol)をDMF(2.0mL)に溶解し、次いで水素化ナトリウム(0.023グラムの油中60%分散物)をこの溶液に直接添加し、そしてこの曇った混合物を室温で2.5時間攪拌した。TLCは、この反応が完了したことを示した。この反応物をエチルエーテル(8ml)で希釈し、シリカゲルのプラグ(エチルエーテルで充填した7ml)で直接濾過し、そしてそのフィルターケーキをエーテルで洗浄した。揮発性物質を減圧下で除去した後に、得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−エチルエーテル−塩化メチレン3:1:1)により精製して、0.196g(95%)のピロリジン生成物を無色油状物として得た。
(工程5:(2R,3S,4S)−3,4−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル)
トリ−O−ベンジルピロリジン(0.24g,0.47mmol)をメタノール(50ml)に溶解し、そしてParrシェーカーボトルに添加した。窒素でフラッシュした後に、10% Pd−C(150mg)を添加し、そしてこの混合物をParr装置で、50psiのH
2で4時間水素化した。この反応混合物をCeliteのパッドで濾過し、そのフィルターケーキをメタノールで洗浄し、そしてこの溶液を濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル〜酢酸エチル−エタノール9:1を使用する勾配溶出)により精製して、トリオール生成物(0.103g,95%)を無色油状物として得た。
(工程6:(2R,3S,4S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3,4−ジオール塩酸塩)
N−Boc−ピロリジン(0.103g,0.442mmol)を4N HCl/ジオキサン(3mL)に溶解し、そして室温で1.5時間攪拌した。この反応物を減圧中で濃縮して、無色油状物を得た。その残渣をトルエン(20mL)で希釈し、再度濃縮し、次いでエチルエーテルで粉砕して、結晶化を誘導することを試みた。その残渣が固化し、このエーテルを廃棄し、そしてこの固体を減圧下で乾燥させて、粗製表題化合物を白色固体として得た(75mg,100%)。
1H NMR(D
2O 400MHz)4.39(d,J=4.3Hz,1H),4.32(見かけ上s,1H),3.99−4.05(m,1H),3.87−3.93(m,2H),3.66(dd,J=13.0Hz,4.3Hz,1H),3.30(d,J=13.0Hz,1H)。
(実施例5:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(60mg,0.15mmol)、1N水性水酸化ナトリウム溶液(0.18mL,0.18mmol)およびメタノール(2ml)の混合物を、65℃で30分間加熱した。この反応混合物を濃縮し、次いでトルエン(3×10ml)と共沸して、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(2ml)に溶解し、そしてO−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(35mg,0.23mmol)、EDCI(28mg,0.15mmol)、HOBT(22mg,0.16mmol)およびDIPEA(61μl,0.35mmol)を添加した。40℃で一晩攪拌した後に、その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジエチルエーテル:MeOH,100:0から90:10の勾配)により精製して、表題化合物を黄色泡状物として得た(30mg,48%)。LCMS(方法B):R
T=3.10分,M+H
+=528。
(工程2:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(30mg,0.06mmol)をメタノール(0.5ml)に溶解し、そしてIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(5g)に装填した。次いで、このカートリッジをメタノール(15ml)で洗浄し、そして所望の生成物を、MeOH中2MのNH3を使用して連続的に溶出し、そしてその溶出物を収集し、そして濃縮して、残渣を得た。その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジエチルエーテル:MeOH,100:0から80:20までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(18mg,64%)。LCMS(方法A):RT=5.80分,M+H+=488。1H NMR(d4−MeOH,400MHz)8.53(d,J=5.9Hz,1H),8.49(d,J=1.0Hz,1H),7.62(dd,J=5.9Hz,1.0Hz,1H),7.60(dd,J=10.3Hz,2.0Hz,1H),7.51(dd,J=8.5Hz,2.0Hz,1H),7.06(t,J=8.5Hz,1.0Hz,1H),4.10(m,1H),3.96(m,2H),3.63(m,2H)。
(実施例6:3−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:3−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(400mg,1.06mmol)、1N水性水酸化ナトリウム溶液(1.11mL,1.11mmol)およびメタノール(10ml)の混合物を、65℃で30分間加熱した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、次いでトルエン(3×10ml)と共沸し、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(10ml)に溶解し、そしてO−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(255mg,2.12mmol)、EDCI(254mg,1.32mmol)、HOBT(200mg,1.48mmol)およびDIPEA(556μl,3.18mmol)を添加した。周囲温度で一晩攪拌した後に、この反応混合物を減圧中で濃縮して、黄色残渣を得た。得られた残渣を酢酸エチル(30ml)に溶解し、水(30ml)、続いてブライン(30ml)で洗浄し、その後、その有機層を単離し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、黄色油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ペンタン:酢酸エチル,50:50から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物をオフホワイトの泡状物として得た(370mg,73%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)9.22(s,1H),7.95(s,1H),7.67(m,1H),7.51(m,1H),7.45−7.31(m,3H),7.13(t,J=8.4Hz,1H),4.49(m,1H),4.08−4.26(m,3H),3.89(m,1H),1.49(s,3H),1.40(s,3H)。
(工程2:3−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(50mg,0.10mmol)に、メタノール中4NのHClの溶液(1ml)を添加し、次いでこの反応混合物を周囲温度で30分間攪拌した。水(10ml)および酢酸エチル(10ml)をこの反応混合物に添加し、そしてその有機層を単離した。得られた有機相を飽和NaHCO3溶液(10ml)で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後、減圧中で濃縮して、残渣を生成した。この残渣をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(5g)に装填した。次いで、このカートリッジをメタノール(15ml)で洗浄し、その後、所望の生成物を、MeOH中2Mのアンモニアを使用して溶出し、そしてその溶出物を収集し、次いで濃縮して、残渣を得た。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,DCM:MeOH,100:0から93:7までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(27mg,59%)。LCMS(方法A):RT=5.55分,M+H+=440/442。1H NMR(d4−MeOH,400MHz)8.52(s,1H),8.44(s,1H),7.60(d,J=5.9Hz,1H),7.44(dd,J=8.8Hz,2.2Hz,1H),7.32(m,1H),7.19(m,1H),4.06(m,1H),3.91(m,2H),3.59(m,2H)。
(実施例7:3−(4−エチニル−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(100mg,0.21mmol)、トリメチルシリルアセチレン(288μl,2.08mmol)およびPdCl
2(PPh
3)
2(7.3mg,0.01mmol)の、トリエチルアミン(3.0ml)中の混合物を、150℃で10分間のマイクロ波照射に供した。次いで、この反応混合物を酢酸エチル(5ml)で希釈し、そして得られた溶液を水(10ml)、続いてブライン(5ml)で洗浄し、次いでその有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、残渣を得た。この残渣をメタノール(3ml)に溶解し、そして炭酸カリウム(58mg,0.42mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を、周囲温度で1時間攪拌した。次いで、この反応混合物を乾固するまでエバポレートし、そして得られた残渣を酢酸エチル(20ml)に溶解した。その有機相を水(10ml)、続いてブライン(10ml)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧中で濃縮して、残渣を生成した。得られた残渣をメタノール(0.5ml)に溶解し、そしてIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(5g)に装填した。このカートリッジをメタノール(15ml)で洗浄し、その後、所望の生成物を、MeOH中2Mのトリエチルアミンを使用して溶出し、そしてその溶出物を収集し、次いで濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(19mg,24%)。LCMS(方法A):R
T=5.78分,M+H
+=386。1H NMR(d
4−MeOH,400MHz)8.51(m,2H),7.60(d,J=5.9Hz,1H),7.31(dd,J=11.3Hz,1.8Hz,1H),7.23(dd,J=8.4Hz,1.6Hz,1H),7.06(t,J=8.5Hz,1H),4.07(m,1H),3.92(m,2H),3.55(m,2H),3.49(s,1H)。
(実施例8:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸シクロプロピルメトキシ−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(87mg,0.20mmol)、1N水性水酸化ナトリウム溶液(0.21mL,0.21mmol)およびメタノール(2ml)の混合物を、65℃で60分間加熱した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、次いでトルエン(3×10ml)と共沸し、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(5ml)に溶解し、そしてシクロプロピルメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(49mg,0.40mmol)、EDCI(48mg,0.25mmol)、HOBT(36mg,0.27mmol)およびDIPEA(140μl,0.80mmol)を添加した。40℃で一晩攪拌した後に、その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジエチルエーテル:MeOH,98:2から95:5までの勾配)により精製して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(31mg,33%)。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.84(s,1H),8.62(s,1H),8.59(d,J=5.9Hz,1H),7.99(s,1H),7.51(dd,J=9.7Hz,1.5Hz,1H),7.43(d,J=8.6Hz,1H),7.38(d,J=5.9Hz,1H),6.98(t,J=8.4Hz,1H),3.90(d,J=7.5Hz,2H),1.20(m,1H),0.66(m,2H),0.37(m,2H)。
(実施例9:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(220mg,0.52mmol)、1N水性水酸化ナトリウム(2.0ml)およびメタノール(2.0ml)の混合物を、15分間加熱還流した。この反応混合物を濃縮し、そしてトルエン(3×10ml)と共沸し、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(8ml)に溶解し、そしてO−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(149mg,1.04mmol)、EDCI(123mg,0.64mmol)、HOBT(98mg,0.73mmol)およびDIPEA(274μl,1.54mmol)を添加した。周囲温度で16時間攪拌した後に、その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジエチルエーテル:MeOH,100:0から90:10の勾配)により精製して、表題化合物を褐色油状物として得た(124mg,45%)。LCMS(方法B):R
T=3.39分,M+H
+=528。
(工程2;3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(25mg,0.05mmol)をメタノール(0.5ml)に溶解し、そしてクロマトグラフィー(Isolute(登録商標)SCX−2,MeOH:MeOH中2MのNH3,100:0から50:50までの勾配)に供した。次いで、その残渣をHM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,DCM:MeOH,95:5から80:20までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(19mg,78%)。LCMS(方法A):RT=6.99分,M+H+=488。1H NMR(d4−MeOH,400MHz)8.88(s,1H),8.32(d,J=5.5Hz,1H),7.55(dd,J=10.3Hz,2.0Hz,1H),7.45(ddd,J=8.5Hz,2.0Hz,1.0Hz,1H),7.32(dd,J=5.5Hz,1.0Hz,1H),6.89(t,J=8.5Hz,1H),4.11(dd,J=9.9Hz,3.5Hz,1H),3.97(m,2H),3.63(m,2H)。
(実施例10:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミド)
(工程1:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ビニルオキシ−エトキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(6.50g,15.2mmol)の、THF(92mL)およびメタノール(31mL)中の溶液に、水酸化ナトリウムの1.0M水溶液(31mL,31mmol)を添加した。この反応混合物を65℃で1.5時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をトルエン(3×75mL)と共沸し、次いでTHF(75mL)中に懸濁させた。次いで、O−(2−ビニルオキシ−エチル)−ヒドロキシルアミン(1.86g,18.0mmol)、N−N−ジイソプロピルエチルアミン(10.4mL,60.0mmol)、EDCI(5.75g,30.0mmol)、およびHOBt(4.46g,33.0mmol)を連続的に添加し、そしてこの反応混合物を室温で18時間攪拌した。次いで、18.9gのシリカゲルを添加し、そしてこの混合物を減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜7%メタノール:CH
2Cl
2)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た:4.40g,60%。LCMS(方法C):R
T=2.11分,M+H
+=484。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.97(s,1H),8.63(s,1H),8.60(d,J=5.6Hz,1H),7.98(s,1H),7.52(dd,J=9.6,2.0Hz,1H),7.44(m,1H),7.39(dd,J=6.0,1.2Hz,1H),7.00(t,J=8.8Hz,1H),6.56(dd,J=14.4,6.8Hz,1H),4.34(m,2H),4.28(dd,J=14.0,2.0Hz,1H),4.12(dd,J=6.4,2.0Hz,1H),4.03(m,2H)。
(3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ビニルオキシ−エトキシ)−アミド(4.40g,9.10mmol)の、メタノール(14.3mL)とエタノール(51.9mL)との混合物中の懸濁物に、塩酸の1.0M水溶液(18.2mL,18.2mmol)を0℃で添加した。添加が完了した後に、この反応混合物を室温にし、そして1.5時間攪拌した。次いで、固体重炭酸ナトリウム(4.75g,56.5mmol)を少しずつ添加し、そして攪拌を15分間継続した。シリカゲル(14g)を添加し、そしてこの混合物を減圧中で濃縮した。残留した固体をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜10%メタノール:CH2Cl2)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た:4.12g,91%。LCMS(方法C):RT=1.61分,M+H+=458。1H NMR(CDCl3,400MHz)8.84(s,1H),8.61(s,1H),8.60(s,1H),7.94(s,1H),7.53(dd,J=9.6,2.0Hz,1H),7.43(m,1H),7.38(dd,J=6.0,1.2Hz,1H),7.00(t,J=8.4Hz,1H),4.30(b,1H),4.11(m,2H),3.83(b,2H)。
(実施例11:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ビニルオキシ−エトキシ)−アミド)
(実施例12:3−(4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:3−(4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
3−(4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(100mg,0.24mmol)、1N水性水酸化ナトリウム(260μl)およびエタノール(4ml)の混合物を、65℃で3時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、そしてトルエン(3×20ml)と共沸し、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(7ml)に溶解し、ここに、EDCI(57mg,0.30mmol)およびHOBt(45mg,0.33mmol)を添加し、そしてこの混合物を30分間攪拌し、その後、O−((R)−2,2−ジメチル)−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(71mg,0.48mmol)およびDIPEA(125μl,0.72mmol)を最後に添加した。周囲温度で16時間攪拌した後に、その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,シクロヘキサン:酢酸エチル,50:50から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(103mg,84%)。LCMS(方法B):R
T=2.86分,M+H
+=510。
(工程2:3−(4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(100mg,0.19mmol)をメタノールに溶解し、そしてクロマトグラフィー(Isolute(登録商標)SCX−2,EtOAc、次いでEtOAc:MeOH:Et3N,89:10:1)に供した。得られた残渣をHM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:MeOH,100:0から90:10の勾配)により精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(38mg,42%)。LCMS(方法A):RT=6.16分,M+H+=470。1H NMR(d4−MeOH,400MHz)8.52(d,J=5.9Hz,1H),8.48(s,1H),7.67(d,J=8.8Hz,2H),7.60(dd,J=6.0Hz,0.8Hz,1H),7.00(d,J=8.7Hz,2H),4.09(dd,J=9.9Hz,3.4Hz,1H),3.93-4.00(m,2H),3.61-3.64(m,2H)。
(実施例13:3−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:3−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
3−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(115mg,0.26mmol)、1N水性水酸化ナトリウム溶液(0.27mL,0.27mmol)および産業化メチル化スピリッツ(industrialized methylated spirits)(3.0ml)の混合物を、65℃で60分間加熱した。この反応混合物を濃縮し、次いでトルエン(3×10ml)と共沸して、固体残渣を得た。得られた固体残渣を無水THF(5ml)に溶解し、これにO−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(75mg,0.51mmol)、EDCI(65mg,0.34mmol)、HOBT(49mg,0.36mmol)およびDIPEA(175μl,1.02mmol)を添加した。この反応混合物を48時間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残渣をHM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から95:5までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(119mg,84%)。LCMS(方法B):R
T=3.14分,M+H
+=544。
(工程2:3−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(119mg,0.22mmol)をメタノール(5.0ml)に溶解し、そしてIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(5g)に装填した。次いで、このカートリッジをメタノール(15ml)で洗浄し、そして所望の生成物を、MeOH中2MのNH3を使用して連続的に溶出した。その溶出物を収集し、そして濃縮して、残渣を得た。その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から90:10の勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(20mg,18%)。LCMS(方法A):RT=7.02分,M+H+=504。1H NMR(d4−MeOH,400MHz)8.52(d,J=6.2Hz,1H),8.52(d,J=0.9Hz,1H),7.81(d,J=2.0Hz,1H),7.61(dd,J=6.2Hz,0.9Hz,1H),7.58(dd,J=8.5Hz,2.0Hz,1H),7.01(d,J=8.5Hz,1H),4.09−4.05(m,1H),3.98−3.88(m,2H),3.60−3.58(m,2H)。
(実施例14:3−(2,6−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:3−(2,6−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
3−(2,6−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(137mg,0.31mmol)、1N水性水酸化ナトリウム溶液(0.32mL,0.32mmol)および産業化メチル化スピリッツ(5.0ml)の混合物を、65℃で60分間加熱した。この反応混合物を濃縮し、次いでトルエン(2×10ml)と共沸して、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(5ml)に溶解し、その後、O−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(89mg,0.61mmol)、EDCI(77mg,0.40mmol)、HOBT(58mg,0.43mmol)およびDIPEA(213μl,1.22mmol)を添加した。この反応混合物を16時間攪拌し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から95:5までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(63mg,37%)。LCMS(方法B):R
T=2.87分,M+H
+=546。
(工程2:3−(2,6−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(2,6−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(63mg,0.11mmol)をメタノール(4.0ml)に溶解し、そしてIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(5g)に装填した。次いで、このカートリッジをメタノール(15ml)で洗浄し、そして所望の生成物を、MeOH中2MのNH3を使用して連続的に溶出した。その溶出物を収集し、そして濃縮して、残渣を得た。得られた残渣をHM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から90:10の勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(17mg,31%)。LCMS(方法A):RT=5.97分,M+H+=506。1H NMR(d4−MeOH,400MHz)8.48(d,J=6.0Hz,1H),8.26(s,1H),7.55(d,J=6.0Hz,1H),7.54−7.49(m,2H),4.08−4.05(m,1H),3.96−3.87(m,2H),3.60−3.58(m,2H)。
(実施例15:3−(2,5−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:3−(2,5−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
3−(2,5−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル(163mg,0.37mmol)、1N水性水酸化ナトリウム溶液(0.38mL,0.38mmol)および産業化メチル化スピリッツ(4.0ml)の混合物を、65℃で30分間加熱した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、次いでトルエン(2×10ml)と共沸し、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(5ml)に溶解し、その後、O−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(106mg,0.72mmol)、EDCI(91mg,0.470mmol)、HOBT(69mg,0.51mmol)およびDIPEA(250μl,1.45mmol)を添加した。この反応混合物を16時間攪拌し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から95:5までの勾配)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(152mg,76%)。LCMS(方法B):R
T=3.01分,M+H
+=546。
(工程2:3−(2,5−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
3−(2,5−ジフルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(145mg,0.27mmol)をメタノール(5.0ml)に溶解し、そしてIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(5g)に装填した。次いで、このカートリッジをメタノール(15ml)で洗浄し、そして所望の生成物を、MeOH中2MのNH3を使用して連続的に溶出した。その溶出物を収集し、そして濃縮して、残渣を得た。その残渣をHM−Nに吸着させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から90:10の勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(75mg,56%)。LCMS(方法A):RT=6.49分,M+H+=506。1H NMR(d4−MeOH,400MHz)8.61(d,J=0.9Hz,1H),8.52(d,J=6.1Hz,1H),7.61(dd,J=6.1Hz,0.9Hz,1H),7.59(dd,J=10.1Hz,5.7Hz,2H),6.94(dd,J=8.4Hz,7.5Hz,1H),4.07−4.03(m,1H),3.96−3.87(m,2H),3.63−3.55(m,2H)。
(実施例16:4−{[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボニル]アミノオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(398mg,1mmol)、HOBT(190mg,1.4mmol)およびEDCI(240mg,1.25mmol)の、THF(5ml)中の混合物を、1時間攪拌した。この混合物に、DIPEA(530μl,3.0mmol)および4−アミノオキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(432mg,2.0mmol)を添加した。一晩攪拌した後に、この反応混合物を減圧中で濃縮し、酢酸エチル(30ml)で希釈し、そして飽和NaHCO
3溶液(10ml)で洗浄した。その有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100%から95:5までの勾配)による精製により、表題化合物を淡黄色泡状物として得た(285mg,47%)。LCMS(方法A):R
T=10.43分,M+H
+=597。1H NMR(CDCl
3,400MHz)11.86(s,1H),8.15(s,1H),7.66(dd,J=10.8Hz,2.0Hz,1H),7.61(d,J=8.6Hz,1H),7.51(m,1H),7.43(dd,J=8.8Hz,1H),7.32(d,J=7.7Hz,1H),7.27(m,1H),6.86(t,J=8.8Hz,1H),4.88(d(br),J=3.4Hz,1H),4.60(t(br),J=5.5Hz,1H),3.17(ddd,J=13.6,8.8.3.7Hz,2H),1.97−2.03(m,2H),1.7−1.81(m,2H),1.63(s,9H)。
(実施例17:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(199mg,0.5mmol)、HOBT(95mg,0.7mmol)およびEDCI(125mg,0.65mmol)の、THF(2ml)中の混合物を、1時間攪拌した。この混合物に、DIPEA(270μl,1.5mmol)およびO−(2−(テトラヒドロピラン−4−イル)エチル)ヒドロキシルアミン(146mg,1.0mmol)を添加した。一晩攪拌した後に、この溶液を減圧中で濃縮し、酢酸エチル(30ml)で希釈し、そして飽和NaHCO
3溶液(10ml)で洗浄した。その有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から95:5までの勾配)による精製により、表題化合物を泡状物として得、これを、エーテル/ジクロロメタン(75mg,28%)から結晶化させた。LCMS(方法A):R
T=5.67分,M+H
+=527。1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.77(s,1H),8.63(d,J=0.7Hz,1H),8.59(d,J=5.8Hz,1H),7.99(s,1H),7.51(dd,J=9.7Hz,2.0Hz,1H),7.42−7.46(m,1H),7.37(dd,J=6.0,1.2Hz,1H),6.99(t,J=8.5Hz,1H),4.20−4.12(m,2H),3.92−3.80(m,2H),3.17(ddd,J=13.6,8.8,3.7Hz,2H),2.03−1.97(m,2H),1.81−1.7(m,2H),1.68−1.61(m,2H)。
(実施例18:7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)アミド)
(工程1:7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(50mg,0.21mmol)およびカルボニルジイミダゾール(35mg,0.21mmol)の、アセトニトリル(2ml)中の混合物を、50℃で4時間加熱した。次いで、この反応物を、O−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ヒドロキシルアミン(46mg,0.36mmol)のアセトニトリル(1ml)中の溶液で処理し、そして80℃で3.5時間加熱し、その後、冷却し、そして室温で静置した。この反応混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、その後、その濾液を収集し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル,1:0から4:1を経て0:1までの勾配、次いでメタノール)による精製により、表題化合物を淡褐色固体として得た(11mg,20%)。LCMS(方法B):R
T=3.55分,M+H
+=606/608。
(工程2:7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)アミド)
7−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(40mg,0.066mmol)を0.067Mメタノール性HCl(2.79ml,0.198mmol)に溶解し、そして室温で40分間攪拌した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、次いでトルエン(2×15ml)と共沸した。得られた残渣をIMS(4ml)に溶解し、次いで炭酸カリウムを添加し、次いで室温で4分間攪拌した。この反応混合物を濾過し、そしてIMSで洗浄し、その後、その濾液を減圧中でエバポレートして、固体を得た。得られた固体をアセトニトリルで粉砕して、所望の生成物をクリーム色の固体として得た(29mg,77%)。LCMS(方法A):RT=9.06分,M+H+=566/568。1H NMR(CD3OD):8.68(1H,s,br),8.42(1H,s,br),7.61(1H,dd,J=10.2,1.9Hz),7.52(1H,m),7.07(1H,t,J=8.6Hz),4.12(1H,dd,J=10.0,3.4Hz),3.99(1H,dd,J=10.0,6.8Hz),3.96(1H,m),3.63(2H,m)。
(実施例19:5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル(300mg,0.70mmol)、1N水性水酸化ナトリウム溶液(0.75mL,0.75mmol)および産業化メチル化スピリッツ(8.0ml)の混合物を、65℃で30分間加熱した。この反応混合物を濃縮し、次いでトルエン(3×10ml)と共沸して、固体残渣を得た。この固体残渣を無水THF(5ml)に溶解し、そしてO−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)ヒドロキシルアミン(106mg,0.72mmol)、EDCI(91mg,0.47mmol)、HOBT(69mg,0.51mmol)およびDIPEA(250μl,1.45mmol)を添加した。この反応混合物を18時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をHM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から95:5までの勾配)により精製して、表題化合物を得た(124mg,67%)。LCMS(方法B):R
T=3.46分,M+H
+=529。
(工程2:5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(124mg,0.23mmol)の、メタノール(5.0ml)中の懸濁物に、濃塩酸(10滴)を添加し、そしてこの混合物を1時間攪拌した。次いで、この反応混合物を減圧下で濃縮し、メタノール(5ml)に溶解し、そして炭酸ナトリウムカリウム(約200mg)を添加した。この混合物を5分間攪拌し、HM−Nに吸収させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:メタノール,100:0から0:100までの勾配)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(60mg,54%)。LCMS(方法A):RT=7.85分,M+H+=489。1H NMR(d6−DMSO,400MHz)8.96(s,1H),8.77(s,1H),7.64(dd,J=10.7Hz,1.9Hz,1H),7.43(ddd,J=8.5Hz,1.9Hz,0.9Hz,1H),6.91(dd,J=8.5Hz,8.5Hz,1H),3.86−3.71(m,3H),3.40−3.30(m,4H)。
(実施例97:3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(ピペリジン−4−イルオキシ)−アミド(80mg,0.16mmol)、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸(40mg,0.16mmol)およびホルムアルデヒド(0.05mL,10M水溶液,0.48mmol)の混合物を、メタノール(0.5ml)に懸濁させ、そしてアルゴン下で16時間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(30mg,0.47mmol)を添加し、そして得られた溶液を1時間攪拌した。その溶媒をエバポレートし、そして得られた残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウムとの間で分配し、その有機層を単離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na-
2SO
4)、そしてエバポレートした。得られた生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE 2Mメタノール性アンモニア:DCM 0:100から10:100までの勾配)により精製して、生成物を淡黄色固体として得た(50mg,収率61%)。LCMS(方法A):R
T=5.49分;M+H
+ 511;1H NMR(CDCl-
3)1.88(2H,m),2.08(2H,m),2.22(2H,m),2.31(3H,s),2.78(2H,m),4.08(1H,m),6.98(1H,t,J=8.5Hz),7.37(1H,dd,J=5.9,1.0Hz),7.44(1H,m),7.51(1H,dd,J=9.8,1.9Hz),7.99(1H,s),8.59(1H,d,J=5.9Hz),8.63(1H,d,J=1.0Hz)。
(実施例98:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ジメチルアミノエトキシ)アミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−メチルアミノ−エトキシ)−アミド(45mg,99mmol)、ホルムアルデヒド(8μl,107mmol)、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸(25mg,97mmol)の、エタノール(1mL)中の混合物を、0℃〜5℃で30分間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(7mg,106mmol)を添加し、そしてこの溶液を室温で30分間攪拌した。HCl(1M,200μL)を添加し、そしてこの溶液をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジ(2g)に装填し、メタノール性アンモニアで溶出した。適切な画分を合わせ、そして濃縮して、残渣を得、これをさらにフラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE 2Mメタノール性アンモニア:DCM 0:100から10:100までの勾配)により精製して、生成物を白色泡状物として得た(23mg)。LCMS(方法A):R
T=5.12分 M+H
+ 484;1H NMR(CD
3OD)2.70(6H,s),3.11(2H,m),4.15(2H,m),6.80(1H,t,J=8.7Hz),7.42(1H,m),7.53(1H,dd,J=10.6,1.9Hz),7.61(1H,dd,J=5.9,0.9Hz),8.47(1H,d,J=5.9Hz),8.56(1H,d,J=0.9Hz)。
(実施例99:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−tert−ブトキシフロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキサミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(251mg,0.59mmol)、1N水性NaOH溶液(1.77mL,1.77mmol)、メタノール(15ml)およびテトラヒドロフラン(15ml)の混合物を、2時間還流した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、次いで得られた残渣をトルエン(3×15ml)と共沸し、固体残渣を得た。この固体残渣をエーテル(3×10ml)で粉砕し、そしてこのエーテル層を廃棄した。得られた固体残渣を減圧下で乾燥させた。次いで、この固体残渣を無水DMF(5ml)に溶解し、その後、O−tert−ブチルヒドロキシルアミン塩酸塩(58mg,0.56mmol)、HATU(270mg,0.71mmol)およびDIPEA(470μl,2.36mmol)を添加した。周囲温度で18時間攪拌した後に、その溶媒をエバポレートし、そして得られた残渣を分取HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た(80mg,23%)。LCMS(方法E):R
T=2.30分,M+H
+=470。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.82(d,1H),8.69(s,1H),8.39(s,1H),8.15(s,1H),7.73(d,1H),7.59(dd,1H),7.51(d,m,1H),6.85(t,1H),1.4(2,1H)。
(実施例100:(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)(1−オキソチアゾリジン−3−イル)メタノン)
(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)(チアゾリジン−3−イル)メタノンをメタノール(1ml)およびTHF(1ml)に溶解し、そして−5℃まで冷却した。水(0.5ml)中のオキソン(21mg,0.035mmol)を添加し、そしてこの反応物を攪拌し、そして1時間かけて室温まで温めた。この反応物を酢酸エチル(3ml)および水(1ml)で希釈し、そして固体をデカンテーションした。これらの層を分離し、その水層を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3、およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。得られた油状物を逆相HPLCにより精製して、表題化合物のTFA塩を黄色固体として得た(6.8mg)。LCMS(方法D):R
T=2.45分 M+H
+=486。
(実施例101:(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)(1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル)メタノン)
(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)(チオモルホリン−4−イル)メタノン(19mg,0.039mmol)をメタノール(1ml)およびTHF(1ml)に溶解し、そして−5℃まで冷却した。水(0.5ml)中のオキソン(30mg,0.049mmol)を添加し、そしてこの反応物を1時間攪拌し、この間に、室温まで温めた。この反応物を酢酸エチル(3ml)および水(1ml)で希釈し、そして固体をデカンテーションした。これらの層を分離し、その水層を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3、およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、そして濃縮した。得られた油状物を逆相HPLCにより精製して、表題化合物のTFA塩を黄色固体として得た(1.5mg)。LCMS(方法E)R
T=4.17,M+H
+=516。
(実施例102:(3−(2,5−ジフルオロ−4−(4−ピラゾリル)フェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン)
(3−(4−ブロモ−2,5−ジフルオロフェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン(53mg,0.12mmol)、1−Boc−ピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(53mg,0.18mmol)、Pd(PPh
3)
4(7.0mg,0.0061mmol)、およびNa
2CO
3(29mg,0.27mmol)の、ジメトキシエタン(2.0ml)、エタノール(0.7ml)、および水(0.7ml)中の脱気溶液を、一晩加熱還流した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、濾過し、そしてその固体を酢酸エチルで洗浄し、そして乾燥させて、粗製生成物を黄褐色固体として得た(41mg,80%)。LCMS(方法D):R
T=1.44分、M+H
+=426)。
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)8.77−8.82(m,2H),8.66−8.68(m,1H),8.07(見かけ上s,2H),7.91−7.93(m,1H),7.73−7.78(m,1H),7.10−7.15(m,1H),4.32−4.41(m,1H),3.89−4.04(m,2H),3.76−3.80(m,1H),3.45−3.62(m,2H),1.80−2.02(m,2H)。
(実施例104:2−ジメチルカルバモイル−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル)
2−ジメチルカルバモイル−3−(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニルアミノ)フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル(84mg,0.19mmol)の、ジクロロメタン(3ml)中の溶液に、−10℃で、一塩化ヨウ素(0.38mL,0.38mmol,ジクロロメタン中1M溶液)を添加し、そしてこの溶液をこの温度で1時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(5ml)を添加し、そしてこの混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(15ml)に注いだ。その水層を単離し、次いでジクロロメタン(2×25ml)で抽出し、その後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:t−ブチルメチルエーテル1:0から1:3までの勾配)による精製により、表題化合物を黄色蝋状固体として得た(87mg,92%)。LCMS(方法B):R
T=3.97分,M+H
+=498。
(実施例105:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−7−ヒドロキシメチル−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸ジメチルアミド)
2−ジメチルカルバモイル−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸エチルエステル(96mg,0.193mmol)のTHF(4ml)中の溶液に、−40℃で、トリエチル水素化ホウ素リチウム(0.41mL,0.41mmol,THF中1M溶液)を滴下した。得られた混合物を−40℃で30分間攪拌し、その後、飽和塩化アンモニウム(20ml)の添加により、この反応をクエンチした。その水層を単離し、次いでジクロロメタン(3×20ml)で抽出し、その後、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル1:0から0:1までの勾配、次いで酢酸エチル:メタノール85:15)による精製により、粗製物質を得た。この粗製物質をメタノール中で粉砕して、表題化合物を白色固体として得た(34mg,39%)。
1H NMR(DMSO−D
6,400MHz)3.07(6H,s,br),4.83(2H,d,J=5.6Hz),5.47(1H,t,J=5.6Hz),6.87(1H,t,J=8.7Hz),7.43(1H,m),7.66(1H,dd,J=10.8,2.0Hz),8.54(2H,m),8.56(1H,s)。LCMS(方法A):R
T=6.74分,M+H
+=456。
(実施例106:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−7−フェノキシメチル−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸ジメチルアミド)
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−7−ヒドロキシメチル−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸ジメチルアミド(34mg,0.075mmol)およびトリフェニルホスフィン(20mg,0.075mmol)の、THF(3ml)中の溶液に、フェノール(7.75mg,0.083mmol)およびDIAD(18.5μl,0.094mmol)を添加し、そしてこの混合物を室温で21時間攪拌した。この反応混合物を、酢酸エチル(40ml)で希釈し、1M NaOH(15ml)およびブライン(15ml)で洗浄した。その有機層を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣の、フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,ジクロロメタン:酢酸エチル1:0から0:1までの勾配、次いで酢酸エチル:メタノール85:15)による精製により、粗製物質を得た。フラッシュクロマトグラフィー(Si−SPE,酢酸エチル:ジクロロメタン:シクロヘキサン1:4:1)による再精製により、表題化合物を白色固体として得た(12mg,30%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)3.26(6H,s,br),5.37(2H,s),6.94(1H,t,J=8.6Hz),7.02(3H,m),7.33(2H,m),7.41(1H,m),7.49(1H,dd,J=9.9,1.9Hz),8.55(1H,s),8.66(2H,見かけ上s)。LCMS(方法A):R
T=12.30分,M+H
+=532。
(実施例107:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸ナトリウム塩)
7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル(100mg,0.277mmol)のメタノール(7ml)中の懸濁物に、1M NaOH(0.32mL,0.32mmol)を添加し、そしてこの混合物を55℃で3時間攪拌した。得られた懸濁物を室温まで冷却し、そして17時間攪拌し、次いで55℃で2.5時間加熱した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そしてその残渣をトルエン(2×20ml)と共沸した。次いで、得られた残渣を水中で粉砕し、そして濾過して、表題化合物を白色固体として得た(74mg,75%)。
1H NMR(CD
3OD,400MHz)6.95(1H,t,J=8.6Hz),7.44(1H,ddd,J=8.4,1.8,1.2Hz),7.54(1H,dd,J=10.4,1.9Hz),8.48(1H,s),8.49(1H,s)。LCMS(方法A):R
T=10.57分,M+H
+=433。
(実施例108:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド)
7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸ナトリウム塩(60mg,0.110mmol)および塩化アンモニウム(17.5mg,0.33mmol)の、DMF(1.5ml)中の溶液に、HATU(84mg,0.22mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(75μl,0.44mmol)を添加し、そして得られた溶液を室温で3時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水、次いで飽和重炭酸ナトリウム、次いでブラインで洗浄した。その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をアセトニトリルで粉砕して、表題化合物を黄色固体として得た(14mg,30%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)5.69(1H,s,br),6.30(1H,s,br),6.98(1H,t,J=8.4Hz),7.46(1H,m),7.53(1H,dd,J=9.7,1.9Hz),8.03(1H,s),8.46(1H,s),8.56(1H,s)。LCMS(方法A):R
T=10.46分,M+H
+=432。
(実施例109:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−アミド)
N−(2−アミノオキシ−エチル)−メタンスルホンアミド(116mg,0.75mmol)、3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(300mg,0.75mmol)、EDC(159mg,0.83mmol)、HOBT(112mg,0.83mmol)およびDIPEA(0.13mL,0.75mmol)を、THF(5ml)中に懸濁させ、その後、DMF(5滴)を添加した。この反応物を室温で16時間攪拌した。この反応物を減圧中で濃縮し、そしてその残渣を酢酸エチル(20ml)に溶解し、そして水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(20ml)で洗浄した。その水層を酢酸エチル(2×10ml)で洗浄し、そして合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,ジクロロメタン中0%〜10%のメタノールの勾配)に供して、表題化合物を淡黄色固体として得た(120mg,49%)。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)8.95(1H,s),8.61−8.59(2H,m),7.91(1H,s),7.54(1H,dd,J=9.6,1.9Hz),7.48(1H,dt,J=8.4,1.3Hz),7.37(1H,dd,J=5.9,0.8Hz),7.03(1H,t,J=8.4Hz),6.09−6.06(1H,m),4.17−4.15(2H,m),3.47−3.43(2H,m),3.04(3H,s)。LCMS(方法A):R
T=7.34分,M+H
+=535。
(実施例138:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2− カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
(工程1:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸)
7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(150mg,0.33mmol)のIMS(10ml)中の懸濁物を水酸化ナトリウム(1M水溶液,0.832ml)で処理し、そしてこの反応混合物を60℃で3時間加熱した。得られた混合物を冷却し、次いで減圧中で濃縮し、その粗製残渣を水で処理し、そしてこの混合物を、酢酸でpH5に調整した。得られた懸濁物を濾過し、その残渣を収集し、そして減圧中で乾燥させて、表題化合物を黄色固体として得た(105mg,74%)。1H NMR(DMSO−d
6400MHz)8.63(1H,s),8.45(1H,s),7.69(1H,d,J=10.28Hz),7.49(1H,d,J=8.22Hz),7.03(1H,s)。
(工程2:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド)
7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(177mg,0.41mmol)の乾燥ジクロロメタン(6ml)中の懸濁物を、窒素雰囲気下で、0℃まで冷却し、そしてDMF(1滴)および塩化オキサリル(0.102mL,1.16mmol)で処理した。この反応混合物を1時間攪拌し、次いで、その溶媒を減圧中で除去した。得られた残渣をジクロロメタン中に再度懸濁させ、そしてO−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ヒドロキシルアミン(101mg,0.69mmol)およびDIPEA(0.172mL,1.21mmol)の、ジクロロメタン(4ml)中の溶液を滴下して処理し、その後、3時間攪拌した。この反応混合物を洗浄し(水、ブライン)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、表題化合物を黄色泡状物として得た(207mg,90%)。この泡状物を、さらに分析も精製もせずに、引き続く工程において使用した。
(工程3:7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−アミド)
7−クロロ−3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−アミド(280mg,0.49mmol)のメタノール/濃HCl(25mlメタノール中0.14ml濃HCl(aq))中の溶液を、出発物質が残っていないことをTLCが示すまで室温で攪拌した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そしてその残渣をジクロロメタン(11ml)およびトリエチルアミン(0.210ml)で処理し、20分間攪拌し、その後、減圧中で再度濃縮した。得られた固体残渣を逆相HPLC(Phenomenex Luna 5 C18,アセトニトリルを勾配させて、水中0.1% HCO2H)に供して、表題化合物を淡黄色固体として得た(168mg,66%)。LCMS(方法A):RT=8.87分,M+H+=522。(CD3OD400MHz)3.61(1H,dd,J=11.4,5.3Hz),3.65(1H,dd,J=11.4,5.1Hz),3.94(1H,m),3.99(1H,dd,J=10.0,6.8Hz),4.11(1H,dd,J=10.0,3.5Hz),7.07(1H,t,J=8.6Hz),7.52(1H,m),7.61(1H,dd,J=10.2,1.9Hz),8.38(1H,s),8.56(1H,s)。
(実施例139:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシエトキシ)アミド)
(工程1:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸)
7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(4.00g,9.0mmol)を、エタノール(150ml)中の懸濁物として室温で攪拌し、その後、1M NaOHで処理し、そして60℃で2時間加熱した。その溶媒を減圧中で除去し、そしてその残渣を水(50ml)で希釈し、氷酢酸でpH4まで酸性化した。生じた固体沈殿物を濾過により収集し、水で洗浄し、そして40℃で減圧下で乾燥させて(P
2O
5)、表題化合物を得た(3.75g,定量的)。LCMS(方法B)R
T 3.51分 M+H
+ 417。
(工程2:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ビニルオキシエトキシ)アミド)
7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(3.75g,9.0mmol)を、乾燥DCM(100ml)中の懸濁物として、アルゴン下0℃で攪拌し、そしてその温度を5℃未満に維持しながら、塩化オキサリル(2.24mL,25.7mmol)を滴下して処理した。得られた混合物をさらに1時間攪拌し、その後、減圧中で濃縮した。その残渣を、乾燥DCM(100ml)中に、アルゴン下0℃で再度懸濁させ、O−(2−ビニルオキシエチル)ヒドロキシルアミン(1.40g,14.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.70mL,3.48g,27mmol)の、DCM(20ml)中の溶液を滴下して処理した。得られた溶液を攪拌し、そして3時間かけて室温まで温め、その後、水、次いで飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして減圧中でエバポレートして、残渣を得、この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,ジクロロメタン中0%〜10%酢酸エチルの勾配)に供して、表題化合物を黄色固体として得た(2.41g 53%)。LCMS(方法B)R
T 3.82分 M+H
+ 502。
(工程3:7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシエトキシ)アミド)
7−フルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−フロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(2−ビニルオキシエトキシ)アミド(2.41g,4.80mmol)をエタノール(100ml)中に懸濁させ、そして濃塩酸(2.0ml)を添加した。この混合物を室温で1時間攪拌し、その後、飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液の添加により中和した。次いで、その溶媒を減圧中で除去し、そして得られた残渣をDCMに溶解し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして減圧中でエバポレートして、粗製残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ジクロロメタン中0〜2%のメタノールの勾配)、続いて再結晶(水性メタノール)に供して、表題化合物を黄色針状晶として得た(0.837g,36%)。LCMS(方法A):RT 9.15分,M+H+ 476;1H NMR(DMSO−d6,400MHz)3.60(2H,m),3.88−3.93(2H,m),4.70(1H,br s),7.02(1H,t,J=8.68Hz),7.46−7.49(1H,m),7.68(1H,dd,J=10.55,1.92Hz),8.36(1H,s),8.40(1H,s),8.64(1H,d,J=2.58Hz),11.95(1H,s)。
(実施例20〜96および111〜159)
表2、表3、および表4中の化合物を、以下に概説する一般方法により調製した:
アミドおよびヒドロキサメートを、適切な酸から、以下に記載されるカップリングの一般的方法を使用することにより調製した。いくつかの場合において、中間体の酸を単離せず、カップリング反応を、けん化の一般的方法に従うことにより生成した粗製カルボン酸塩に対して実施した。
(けん化の一般的方法)
カルボン酸エステル、1N水性NaOH(1〜2当量)およびEtOHの混合物を、70℃で1時間加熱した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そしてトルエンと共沸して、粗製カルボン酸塩を得た。
(カップリングの一般的方法)
適切なカルボン酸またはカルボン酸塩を無水THF中に懸濁させ、その後、適切なヒドロキシルアミンまたはアミン(1〜4当量)、EDCI(1〜2当量)またはHATU(1〜2当量)、HOBT(1−2当量)およびDIPEA(2−4当量)を添加した。いくつかの場合において、DMFを共溶媒として添加して溶解度を改善した。周囲温度で、その反応が完了するまで(LCMS/TLC)攪拌した後に、この反応混合物を減圧中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、そして水で洗浄し、その後、その有機層を単離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、減圧中で濃縮し、そして以下に記載される一般的な精製方法のうちの1つにより精製した。必要であれば、任意の保護基を、以下に記載される脱保護条件のうちの1つを使用して除去した。
(脱保護の一般的方法)
方法A:水性HCl(1Nまたは2N)を、適切な溶媒中の、保護された基剤の混合物に、周囲温度で添加した。この混合物を、分析(TLC/LCMS)が出発物質の完全な消費を示すまで、攪拌した。この反応混合物を中和し、減圧中で濃縮し、そして精製に供した。
方法B:メタノール中の基剤の溶液を、Isolute(登録商標)SCX−2カートリッジに装填した。次いで、このカートリッジをメタノールで洗浄し、その後、所望の生成物を、MeOH中2Mのアンモニアを使用して溶出し、そしてその溶出物を収集し、次いで濃縮して、残渣を得た。その残渣を精製に供した。
方法C:THF中のTBAFを、シリルエーテルの溶液に添加し、この混合物を、分析(TLC/LCMS)が出発物質の完全な消費を示すまで、周囲温度で攪拌した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そして精製に供した。
方法D:TFAを、ニートまたはDCM中の溶液としての基剤に添加した。この反応混合物を、分析(TLC/LCMS)が出発物質の完全な消費を示すまで、周囲温度で攪拌した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そして精製に供した。
方法E:DME中20%のピペリジンの溶液を基剤に添加した。この反応混合物を、分析(TLC/LCMS)が出発物質の完全な消費を示すまで、周囲温度で攪拌した。次いで、この反応混合物を濃縮した。
方法F:ジオキサン中4NのHCl溶液を基剤に添加した。この反応混合物を、分析(TLC/LCMS)が出発物質の完全な消費を示すまで、周囲温度で攪拌した。次いで、この反応混合物を濃縮した。
方法G:新たに調製した、メタノール中のHCl溶液[メタノール(25ml)中濃HCl(0.14ml)]のアリコート(3mol当量)を、カップリングした基剤に、周囲温度で添加した。この混合物を、分析(TLC/LCMS)が出発物質の完全な消費を示すまで攪拌した。その内容物をエバポレートにより乾固させ、そしてその残渣をジクロロメタンに溶解し、そしてトリエチルアミン(3mol当量)で、室温で10分間処理した。次いで、この混合物を減圧中で濃縮し、そしてその残渣を精製に供した。
(精製の一般的方法)
方法A:Si−SPEまたはSi−ISCO,酢酸エチル/シクロヘキサン勾配
方法B:Si−SPEまたはSi−ISCO,酢酸エチル/DCM勾配
方法C:Si−SPEまたはSi−ISCO,メタノール/DCM勾配
方法D:Si−SPEまたはSi−ISCO,メタノール/酢酸エチル勾配
方法E:逆相HPLC Phenomenex Luna 5 フェニル/ヘキシル、メタノールを勾配させて水中0.1% TFA
方法F:逆相HPLC Phenomenex Luna 5 フェニル/ヘキシル、アセトニトリルを勾配させて水中0.1% TFA
方法G:逆相HPLC Phenomenex Luna 5 フェニル/ヘキシル、メタノールを勾配させて水中0.1% HCO2H
方法H:逆相HPLC Phenomenex Luna 5 フェニル/ヘキシル、アセトニトリルを勾配させて水中0.1% HCO2H
方法I:メタノール中の基剤の溶液をIsolute(登録商標)SCX−2カートリッジに装填した。次いで、このカートリッジをメタノールで洗浄し、その後、所望の生成物を、MeOH中2Mのアンモニアを使用して溶出した。
方法J:Si−SPEまたはSi−ISCO,酢酸エチル/ヘキサン勾配
方法K:逆相HPLC Sunfire C18,アセトニトリルを勾配させて水中0.05% TFA
方法L:Si−SPEまたはSi−ISCO,エタノール/酢酸エチル勾配
方法M:Si−SPE,エーテル/ペンタン勾配、次いでメタノール/エーテル勾配。
(一般的方法からの変更点)
1熱メタノール中で粉砕;2酢酸エチルから再結晶;-3ジエチルエーテル中で粉砕;4ジエチルエーテルから再結晶;5CHCl3中5%のMeOHから再結晶;6Si−SPEエーテル/ペンタン、次いでエーテル中メタノールの溶出液;7酢酸エチル中で粉砕,8水酸化リチウムを用いるエステルけん化,9C18カラムを使用;10反応をDMF中で実施;11クロロホルム/メタノール再結晶;12アセトニトリル中で粉砕;13DMFを反応共溶媒として使用;14メタノール中で再結晶;15酢酸エチル中10%のメタノールを用いて最終溶出;16反応混合物を55℃で加熱;17ジエチルエーテル/DCM中で粉砕。