JP5448699B2 - 吸収性樹脂粒子、この製造方法、これを含む吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

吸収性樹脂粒子、この製造方法、これを含む吸収体及び吸収性物品 Download PDF

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本発明は、吸収性樹脂粒子、この製造方法、これを含む吸収体及び吸収性物品に関する。
吸収速度に優れた吸収性樹脂粒子として、架橋重合体の内部に疎水性物質の一部又は全部を含んでなる構造を有してなる吸収性樹脂粒子が知られている(特許文献1)。
特開2005−097569号公報
従来の吸収性樹脂粒子や吸水剤では吸収させる液体と接触した以後の時間経過に対する吸収速度(以下、吸収速度パターンと記載する)が適切でない。具体的には、従来の吸収性樹脂粒子は、吸収速度パターンが、(i)初期速く、中期普通、後期遅い、(ii)初期遅く、中期普通、後期速い(上記、特許文献1の吸収性樹脂粒子)の吸収性樹脂粒子がある。
これらの吸収性樹脂粒子を吸収性物品(紙おむつ等)に適用したとき吸収性物品に使用されている吸収体において、吸収体の部位により吸収性樹脂の吸収率に偏りが起こり吸収体物品を有効に活用することができず、吸収させる液体の残存している部位ではカブレ等の問題を生じやすい、又は、吸収体の全体において吸収されなかった液体が留まる時間が長くなる。
具体的には前記(i)の吸収性樹脂粒子を使用した場合は、吸収させる液体が接触した部位において液体は吸収性樹脂粒子に接触後初期急激に吸収されるが、液体を吸収した吸収性樹脂粒子は膨潤しゲル状となり吸収されない液体が吸収体において拡散し吸収されることを妨げ、その結果、吸収される液体が接触した部位は吸収性樹脂粒子の吸収率が高く、その他の部位は吸収性樹脂粒子の吸収率が低いという吸収率の偏りが起こる。そして、吸収される液体が接触した部位に、吸収されなかった液体が留まる時間が長くなる。
一方、前記(ii)の吸収性樹脂粒子を使用した場合は、吸収させる液体が接触した部位において液体は吸収性樹脂粒子に接触後、徐々にしか吸収されず、吸収されない液体が吸収性物品において拡散していき、その結果、吸収される液体が接触した部位とその他の部位で吸収性樹脂粒子の吸収率が同等となりやすい。しかし、全体的に吸収速度が遅く、吸収体の全体において吸収されなかった液体が留まる時間が長くなる。
そして、吸収されなかった液体が留まる時間が長い部位において、その部位に接触する着用者の皮膚がカブレ等の問題を生じやすい。
したがって、このようなカブレ等の問題がない吸収性物品、これに使用し得る吸収性樹脂粒子が強く望まれている。
すなわち、本発明の目的は、特定の吸収速度パターンを有する吸収性樹脂粒子を提供することである。
本発明の吸収性樹脂粒子は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)を含んでなる吸収性樹脂粒子であって、吸収性樹脂粒子の内部に、ポリオレフィン樹脂、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール並びに変性シリコーンからなる群から選ばれる疎水性物質(C)の一部又は全部を含有し、(C)の含有量が、架橋重合体(A1)の重量に基づいて、0.001〜5.0重量%であり、吸収性樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)が400〜650であり、吸収性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)が0.56〜0.62であり、(A1)のDW(Demand Wettability)法による1分後の吸収量(M1)が14〜19ml/gであり、2分後の吸収量(M2)が26〜33ml/gであり、5分後の吸収量(M3)が42〜50ml/gであり、10分後の吸収量(M4)が52〜59ml/gであることを要旨とする。
本発明の吸収体は、上記の吸収性樹脂粒子と繊維状物とを含有してなる点を要旨とする。
本発明の吸収性物品は、上記の吸収体を備えてなる点を要旨とする。
本発明の吸収性樹脂粒子の製造方法は、疎水性物質(C)と、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)の含水ゲルとを混合又は混練する工程;及び/又は
疎水性物質(C)の存在下、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位として重合させて架橋重合体(A1)の含水ゲルを得る工程を含む吸収性樹脂粒子の製造方法であって、
吸収性樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)が400〜650であり、吸収性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)が0.56〜0.62であり、吸収性樹脂粒子のDW(Demand Wettability)法による1分後の吸収量(M1)が14〜19ml/gであり、2分後の吸収量(M2)が26〜33ml/gであり、5分後の吸収量(M3)が42〜50ml/gであり、10分後の吸収量(M4)が52〜59ml/gであることを要旨とする。
本発明の吸収性樹脂粒子及び本発明の製造方法により得られる吸収性樹脂粒子は、特定の吸収速度パターンを有する。
したがって、本発明の吸収性樹脂粒子を吸収性物品(紙おむつ及び生理用ナプキン等)に適用したとき、吸収率の偏りが無く、優れた吸収性能(吸収量及び吸収速度)を発揮し、カブレが生じにくい。
DW法による吸収量を測定するための装置を模式的に表した図である。
水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく公知{たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報}のビニルモノマー等が使用できる。
加水分解性ビニルモノマー(a2)は、加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマーを意味し、特に限定はなく公知{たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報}のビニルモノマー等が使用できる。なお、水溶性ビニルモノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つビニルモノマーを意味する。また、加水分解性とは、50℃の水及び必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により加水分解され水溶性になる性質を意味する。加水分解性ビニルモノマーの加水分解は、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれでもよいが、得られる吸収性樹脂粒子の分子量の観点等から重合後が好ましい。
これらのうち、吸収特性の観点等から、水溶性ビニルモノマー(a1)が好ましく、さらに好ましくはアニオン性ビニルモノマー、次に好ましくはカルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ−、ジ−若しくはトリ−アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー、次に好ましくはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー、特に好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド、次に特に好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)、最も好ましくはアクリル酸(塩)である。
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩又はアンモニウム(NH)塩等が含まれる。これらの塩のうち、吸収特性の観点等から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)のいずれかを構成単位とする場合、それぞれ単独で構成単位としてもよく、また、必要により2種以上を構成単位としてもよい。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合も同様である。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合、これらの含有モル比(a1/a2)は、75/25〜99/1が好ましく、さらに好ましくは85/15〜95/5、特に好ましくは90/10〜93/7、最も好ましくは91/9〜92/8である。この範囲であると、吸収性能がさらに良好となる。
吸収性樹脂粒子の構成単位として、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)を構成単位とすることができる。
共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)としては特に限定はなく公知{たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報}の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレンモノマー
アルケン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等];並びにアルカジエン[ブタジエン及びイソプレン等]等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレンモノマー
モノエチレン性不飽和モノマー[ピネン、リモネン及びインデン等];並びにポリエチレン性ビニル重合性モノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
その他のビニルモノマー(a3)を構成単位とする場合、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位のモル数に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、次に好ましくは0.08〜2、特に好ましくは0.1〜1.5である。なお、吸収特性の観点等から、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
架橋剤(b)としては特に限定はなく公知{たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報}の架橋剤等が使用できる。
これらのうち、吸収特性の観点等から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、特に好ましくはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル、最も好ましくはペンタエリスリトールトリアリルエーテルである。
架橋剤(b)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位のモル数に基づいて、0.001〜5が好ましく、さらに好ましくは0.005〜3、特に好ましくは0.01〜1である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。
架橋重合体(A1)は1種でもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
架橋重合体(A1)は、公知の水溶液重合{断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55−133413号公報等}や、公知の逆相懸濁重合{特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報及び特開平1−5808号公報等}と同様にして製造することができる。重合方法のうち、好ましくは溶液重合法であり、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、特に好ましくは水溶液重合法である。
重合によって得られる含水ゲル{架橋重合体と水とからなる。}は、必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は50μm〜10cmが好ましく、さらに好ましくは100μm〜2cm、特に好ましくは1mm〜1cmである。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性がさらに良好となる。
細断は、公知の方法で行うことができ、通常の細断装置{たとえば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機}等を使用して細断できる。
重合に溶媒(有機溶媒、水等)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、吸収性樹脂粒子の重量に基づいて、0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。この範囲であると、吸収性樹脂粒子の吸収性能(特に保水量)がさらに良好となる。
溶媒に水を含む場合、留去後の水分(重量%)は、架橋重合体の重量に基づいて、0〜20が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜9、最も好ましくは3〜8である。この範囲であると、吸収性能及び乾燥後の吸収性樹脂粒子の壊れ性がさらに良好となる。
なお、有機溶媒の含有量及び水分は、赤外水分測定器{(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W}により加熱したときの加熱前後の測定試料の重量減量から求められる。
溶媒(水を含む。)を留去する方法としては、80〜230℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。
架橋重合体は、乾燥後に粉砕することができる。粉砕方法については、特に限定はなく、通常の粉砕装置{たとえば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機}等が使用できる。粉砕された架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
必要によりふるい分けした場合の架橋重合体(A1)の重量平均粒子径(μm)は、400〜650が好ましく、特に好ましくは450〜600、最も好ましくは500〜540である。この範囲であると、吸収性能がさらに良好となる。
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿の順等に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙{横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率}にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
また、微粒子の含有量は少ない方が吸収性能が良好となるため、全粒子に占める106μm以下(好ましくは150μm以下)の微粒子の含有量が3重量%以下が好ましく、さらに好ましくは1重量%以下である。微粒子の含有量は、上記の重量平均粒径を求める際に作成するプロットを用いて求めることができる。
架橋重合体(A1)の見掛け密度(g/ml)は、0.56〜0.62が好ましく、さらに好ましくは0.57〜0.61、特に好ましくは0.58〜0.60である。この範囲であると、吸収性能がさらに良好となる。
なお、見掛け密度は、JIS K7365:1999に準拠して、25℃で測定される。
架橋重合体(A1)の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
架橋重合体(A1)は、必要に応じて、表面架橋剤により表面架橋処理を行うことができる。表面架橋剤としては、公知{特開昭59−189103号公報、特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報、特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭51−136588号公報及び特開昭61−257235号公報等}の表面架橋剤{多価グリシジル、多価アルコール、多価アミン、多価アジリジン、多価イソシアネート、シランカップリング剤及び多価金属等}等が使用できる。これらの表面架橋剤のうち、経済性及び吸収特性の観点から、多価グリシジル、多価アルコール及び多価アミンが好ましく、さらに好ましくは多価グリシジル及び多価アルコール、特に好ましくは多価グリシジル、最も好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
表面架橋処理をする場合、表面架橋剤の使用量(重量%)は、表面架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸収特性の観点等から、水溶性ビニルモノマー(a1)、加水分解性ビニルモノマー(a2)及び架橋剤(b)の重量に基づいて、0.001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.005〜2、特に好ましくは0.01〜1である。
表面架橋処理をする場合、表面架橋処理の方法は、公知{たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報}の方法が適用できる。
疎水性物質(C)としては、炭化水素基を含有する疎水性物質(C1)、フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(C2)及びポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(C3)等が含まれる。
炭化水素基を含有する疎水性物質(C1)としては、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂誘導体、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂誘導体、ワックス、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
ポリオレフィン樹脂としては、炭素数2〜4のオレフィン{エチレン、プロピレン、イソブチレン及びイソプレン等}を必須構成単量体(オレフィンの含有量はポリオレフィン樹脂の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(エチレン−イソブチレン)及びイソプレン等}が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂誘導体としては、ポリオレフィン樹脂にカルボキシ基(−COOH)や1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−COOCO−)等を導入した重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、ポリエチレン熱減成体、ポリプロピレン熱減成体、マレイン酸変性ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、マレイン化ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体のマレイン化物等}が挙げられる。
ポリスチレン樹脂としては、重量平均分子量1000〜100万の重合体等が使用できる。
ポリスチレン樹脂誘導体としては、スチレンを必須構成単量体(スチレンの含有量は、ポリスチレン誘導体の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体及びスチレン−イソブチレン共重合体等}が挙げられる。
ワックスとしては、融点50〜200℃のワックス{たとえば、パラフィンワックス、ミツロウ、カルバナワックス及び牛脂等}が挙げられる。
長鎖脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜25の脂肪酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル{たとえば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、グリセリンラウリン酸モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンオレイン酸モノエステル、ペンタエリスリットラウリン酸モノエステル、ペンタエリスリットステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリットオレイン酸モノエステル、ソルビットラウリン酸モノエステル、ソルビットステアリン酸モノエステル、ソルビットオレイン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸ジエステル、ショ糖パルミチン酸トリエステル、ショ糖ステアリン酸モノエステル、ショ糖ステアリン酸ジエステル、ショ糖ステアリン酸トリエステル及び牛脂等}が挙げられる。これらのうち、吸収性物品の耐モレ性の観点等から、ショ糖ステアリン酸モノエステル、ショ糖ステアリン酸ジエステル、ショ糖ステアリン酸トリエステルが好ましく、さらに好ましくはショ糖ステアリン酸モノエステル及びショ糖ステアリン酸ジエステルである。
長鎖脂肪酸及びその塩としては、炭素数8〜25の脂肪酸{たとえば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ダイマー酸及びベヘニン酸等}が挙げられる。塩としてはカルシウム、マグネシウム又はアルミニウム(以下、Ca、Mg、Alと略す)との塩{たとえば、パルミチン酸Ca、パルミチン酸Al、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Al等}が挙げられる。吸収性物品の耐モレ性の観点等から、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Alが好ましく、さらに好ましくはステアリン酸Mgである。
長鎖脂肪族アルコールとしては、炭素数8〜25の脂肪族アルコール{たとえば、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等}が挙げられる。吸収性物品の耐モレ性の観点等から、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールが好ましく、さらに好ましくはステアリルアルコールである。
これらの2種以上の混合物としては、長鎖脂肪酸エステルと長鎖脂肪族アルコールとの混合物{たとえば、ショ糖ステアリン酸ジエステルとステアリルアルコールとの混合物等}が挙げられる。
フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(C2)としては、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロアリール、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルアルコール及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
パーフルオロアルカンとしては、フッ素原子数4〜42、炭素数1〜20のアルカン{たとえば、トリフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、ペンタフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパン、ヘプタフルオロブタン、ノナフルフルオロヘキサン、トリデカフルオロオクタン及びヘプタデカフルオロドデカン等}が挙げられる。
パーフルオロアルケンとしては、フッ素原子数4〜42、炭素数2〜20のアルケン{たとえば、トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロプロペン、ヘプタフルオロブテン、ノナフルフルオロヘキセン、トリデカフルオロオクテン及びヘプタデカフルオロドデセン等}が挙げられる。
パーフルオロアリールとしては、フッ素原子数4〜42、炭素数6〜20のアリール{たとえば、トリフルオロベンゼン、ペンタフルオロトルエン、トリフルオロナフタレン、ヘプタフルオロベンゼン、ノナフルフルオロキシレン、トリデカフルオロオクチルベンゼン及びヘプタデカフルオロドデシルベンゼン等}が挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテルとしては、フッ素原子数2〜82、炭素数2〜40のエーテル{たとえば、ジトリフルオロメチルエーテル、ジペンタフルオロエチルエーテル、ジペンタフルオロプロピルエーテル、ジヘプタフルオロプロピルエーテル、ジヘプタフルオロブチルエーテル、ジノナフルフルオロヘキシルエーテル、ジトリデカフルオロオクチルエーテル及びジヘプタデカフルオロドデシルエーテル等}が挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸としては、フッ素原子数3〜41 、炭素数1〜21のカルボン酸{たとえば、ペンタフルオロエタン酸、ペンタフルオロプロパン酸、ヘプタフルオロプロパン酸、ヘプタフルオロブタン酸、ノナフルフルオロヘキサン酸、トリデカフルオロオクタン酸、ヘプタデカフルオロドデカン酸及びこれらの金属(アルカリ金属及びアルカリ土類金属等)塩等}が挙げられる。
パーフルオロアルキルアルコールとしては、フッ素原子数3〜41、炭素数1〜20のアルコール{たとえば、ペンタフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘプタフルオロプロパノール、ヘプタフルオロブタノール、ノナフルフルオロヘキサノール、トリデカフルオロオクタノール及びヘプタデカフルオロドデカノール等}及びこのアルコールのエチレンオキサイド(アルコール1モルに対して1〜20モル)付加体等が挙げられる。
これらの2種以上の混合物としては、パーフルオロアルキルカルボン酸とパーフルオロアルキルアルコールとの混合物{たとえば、ペンタフルオロエタン酸とペンタフルオロエタノールとの混合物等}が挙げられる。
ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(C3)としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン{ポリオキシエチレン変性ポリシロキサン及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)変性ポリシロキサン等}、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等及びこれらの混合物等が含まれる。
変性シリコーン{ポリエーテル変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン及びアミノ変性ポリシロキサン等}の有機基(変性基)の位置としては特に限定はしないが、ポリシロキサンの側鎖、ポリシロキサンの両末端、ポリシロキサンの片末端、ポリシロキサンの側鎖と両末端との両方のいずれでもよい。これらのうち、吸収特性の観点等から、ポリシロキサンの側鎖及びポリシロキサンの側鎖と両末端との両方が好ましく、さらに好ましくはポリシロキサンの側鎖と両末端との両方である。
ポリエーテル変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としては、ポリオキシエチレン基又はポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)基を含有する基等が含まれる。ポリエーテル変性ポリシロキサンに含まれるオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基の含有量(個)は、ポリエーテル変性ポリシロキサン1分子あたり、2〜40が好ましく、さらに好ましくは5〜30、特に好ましくは7〜20、最も好ましくは10〜15である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。また、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基を含む場合、オキシエチレン基の含有量(重量%)は、ポリシロキサンの重量に基づいて、1〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜25、特に好ましくは5〜20である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、オキシアルキレンの種類}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
KF−945{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、KF−6020{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−6191{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−4952{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−4272{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−6266{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−2110{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2122{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−7006{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2166{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2164{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2154{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2203{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}及びFZ−2207{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}
カルボキシ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはカルボキシ基を含有する基等が含まれ、エポキシ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはエポキシ基を含有する基等が含まれ、アミノ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはアミノ基(1、2,3級アミノ基)を含有する基等が含まれる。これらの変性シリコーン の有機基(変性基)の含有量(g/mol)は、カルボキシ当量、エポキシ当量又はアミノ当量として、200〜11000が好ましく、さらに好ましくは600〜8000、特に好ましくは1000〜4000である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。なお、カルボキシ当量は、JIS C2101:1999の「16.全酸価試験」に準拠して測定される。また、エポキシ当量は、JIS K7236:2001に準拠して求められる。また、アミノ当量は、JIS K2501:2003の「8.電位差滴定法(塩基価・塩酸法)」に準拠して測定される。
カルボキシ変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、カルボキシ当量(g/mol)}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
X−22−3701E{側鎖、4000}、X−22−162C{両末端、2300}、X−22−3710{片末端、1450}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
BY 16−880{側鎖、3500}、BY 16−750{両末端、750}、BY 16−840{側鎖、3500}、SF8418{側鎖、3500}
エポキシ変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、エポキシ当量}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
X−22−343{側鎖、525}、KF−101{側鎖、350}、KF−1001{側鎖、3500}、X−22−2000{側鎖、620}、X−22−2046{側鎖、600}、KF−102{側鎖、3600}、X−22−4741{側鎖、2500}、KF−1002{側鎖、4300}、X−22−3000T{側鎖、250}、X−22−163{両末端、200}、KF−105{両末端、490}、X−22−163A{両末端、1000}、X−22−163B{両末端、1750}、X−22−163C{両末端、2700}、X−22−169AS{両末端、500}、X−22−169B{両末端、1700}、X−22−173DX{片末端、4500}、X−22−9002{側鎖・両末端、5000}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−3720{側鎖、1200}、BY 16−839{側鎖、3700}、SF 8411{側鎖、3200}、SF 8413{側鎖、3800}、SF 8421{側鎖、11000}、BY 16−876{側鎖、2800}、FZ−3736{側鎖、5000}、BY 16−855D{側鎖、180}、BY 16−8{側鎖、3700}
アミノ変性シリコーンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、アミノ当量}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
KF−865{側鎖、5000}、KF−864{側鎖、3800}、KF−859{側鎖、6000}、KF−393{側鎖、350}、KF−860{側鎖、7600}、KF−880{側鎖、1800}、KF−8004{側鎖、1500}、KF−8002{側鎖、1700}、KF−8005{側鎖、11000}、KF−867{側鎖、1700}、X−22−3820W{側鎖、55000}、KF−869{側鎖、8800}、KF−861{側鎖、2000}、X−22−3939A{側鎖、1500}、KF−877{側鎖、5200}、PAM−E{両末端、130}、KF−8010{両末端、430}、X−22−161A{両末端、800}、X−22−161B{両末端、1500}、KF−8012{両末端、2200}、KF−8008{両末端、5700}、X−22−1660B−3{両末端、2200}、KF−857{側鎖、2200}、KF−8001{側鎖、1900}、KF−862{側鎖、1900}、X−22−9192{側鎖、6500}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−3707{側鎖、1500}、FZ−3504{側鎖、1000}、BY 16−205{側鎖、4000}、FZ−3760{側鎖、1500}、FZ−3705{側鎖、4000}、BY 16−209{側鎖、1800}、FZ−3710{側鎖、1800}、SF 8417{側鎖、1800}、BY 16−849{側鎖、600}、BY 16−850{側鎖、3300}、BY 16−879B{側鎖、8000}、BY 16−892{側鎖、2000}、FZ−3501{側鎖、3000}、FZ−3785{側鎖、6000}、BY 16−872{側鎖、1800}、BY 16−213{側鎖、2700}、BY 16−203{側鎖、1900}、BY 16−898{側鎖、2900}、BY 16−890{側鎖、1900}、BY 16−893{側鎖、4000}、FZ−3789{側鎖、1900}、BY 16−871{両末端、130}、BY 16−853C{両末端、360}、BY 16−853U{両末端、450}
これらの混合物としては、ポリジメチルシロキサンとカルボキシル変性ポリシロキサンとの混合物、及びポリエーテル変性ポリシロキサンとアミノ変性ポリシロキサンとの混合物等が挙げられる。
ポリシロキサン構造を持つ疎水性物質の粘度(mPa・s、25℃)は、10〜5000が好ましく、さらに好ましくは15〜3000、特に好ましくは20〜1500である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。なお、粘度は、JIS Z8803−1991「液体の粘度」9.円すい及び円すい−平板形回転粘度計による粘度測定法に準拠して測定される{たとえば、25.0±0.5℃に温度調節したE型粘度計(東機産業株式会社製RE80L、半径7mm、角度5.24×10−2radの円すい型コーン)を用いて測定される。}
疎水性物質(C)のHLB値は、1〜10が好ましく、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは5〜7である。この範囲であると、吸収性物品の耐モレ性がさらに良好となる。
なお、HLB値は、親水性−疎水性バランス(HLB)値を意味し、小田法(新・界面活性剤入門、197頁、藤本武彦、三洋化成工業株式会社発行、1981年発行)により求められる。
これらの疎水性物質(C)のうち、吸収性物品の耐モレ性の観点等から、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸族アルコール、ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質が好ましく、さらに好ましくはショ糖ステアリン酸エステル、ステアリン酸Mg、ステアリルアルコール、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、特に好ましくはショ糖ステアリン酸モノエステル、ショ糖ステアリン酸ジエステル、ステアリン酸Mg、ステアリルアルコール、アミノ変性ポリシロキサンである。
疎水性物質(C)の含有量(重量%)は、架橋重合体(A1)の重量に基づいて、0.001〜5.0が好ましく、さらに好ましくは0.08〜1.0、特に好ましくは0.08〜0.16である。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性に優れるため好ましい。
本発明の吸収性樹脂粒子は、吸収性樹脂粒子の内部に疎水性物質(C)の一部又は全部を含んでなる構造を有すれば、疎水性物質(C)は、どのように含まれていても構わない。しかし、吸収性樹脂粒子の内部に疎水性物質(C)の一部又は全部を含んでなる構造は、吸収性物品の耐モレ性の観点から、吸収性樹脂粒子の内部に(C)からなる連結部(RC)を含んでなる構造が好ましい。
吸収性樹脂粒子の内部に(C)からなる連結部(RC)を含んでなる構造について説明する。
連結部(RC)とは、疎水性物質(C)の全表面積の少なくとも半分の表面が架橋重合体(A1)と接触して形成される(A1)−(C)−(A1)からなるサンドイッチ構造を意味する。
なお、疎水性物質(C)が吸収性樹脂粒子の表面にのみ存在する場合、(A1)−(C)からなる2層構造を形成するが(A1)−(C)−(A1)からなるサンドイッチ構造とはならない。すなわち、このような2層構造は本発明でいう連結部(RC)には含まれない。
したがって、吸収性樹脂粒子の内部に連結部(RC)を含んでなる構造とは、このサンドイッチ構造{(A1)−(C)−(A1)}が吸収性樹脂粒子の内部に存在する構造を意味する。
なお、疎水性物質(C)は、吸収性樹脂粒子の表面の一部にも存在していていることが好ましく、さらに好ましくは吸収性樹脂粒子表面に(C)が存在し、その表面の(C)と吸収性樹脂粒子内部の(C)とが連続的につながっていることである。
なお、表面に存在する疎水性物質(C)の含有量は下記の方法で測定される。内部に存在する疎水性物質(C)の含有量は疎水性物質の合計の仕込み量より算出した含有量から表面の疎水性物質(C)の含有量を引いたものとする。
<疎水性物質(C)の含有量の測定法>
冷却管を備えたガラス製のナスフラスコに吸収性樹脂粒子100重量部と有機溶媒(有機溶媒100重量部に、少なくとも0.01重量部の疎水性物質(D)を25℃〜110℃で溶かすことができる有機溶媒。なおこの溶かすことができる温度を溶解温度とする。)300重量部を加え、溶解温度で24時間放置し、疎水性物質の抽出液を得る。この抽出液を濾紙を用いて濾過し、事前に秤量したガラス製のナスフラスコに採取した後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を蒸発させた後、秤量する。濾過液蒸発後の重量から事前に秤量したナスフラスコの重量を引いて抽出された蒸発乾固物の量を求める。
濾紙上に残った抽出後のサンプルを用いて、同様の操作を2回くり返し、3回の抽出で得られた蒸発乾固物の合計量を疎水性物質(C)の含有量(重量%)とする。
連結部(RC)の形状は特に制限はないが、吸収性物品の耐モレ性等の観点から、層状、面状、棒状、管状、球状、網目状及びこれらの組合せ等が好ましく、さらに好ましくは層状及び球状、さらに好ましくは球状である。連続部(RC)の大きさ(最長部分:単位μm)としては、1〜1000の直線部分を含むことが好ましく、さらに好ましくは50〜800、特に好ましくは100〜700、最も好ましくは200〜600の直線部分を含むことである。この範囲であると、吸収性物品の耐モレ性がさらに良好となる。
連続部(RC)の形状及び大きさは、疎水性物質(C)がフッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(C2)及び/又はポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(C3)の場合、例えば電子線マイクロアナライザー(EPMA)(例えば、日本電子株式会社製:JXA−8621MX)でフッ素原子及び/又はシリコン原子等のマッピングを行うことにより計測できる。また、疎水性物質(C)が炭化水素基を含有する疎水性物質(C1)の場合、本発明の吸収性樹脂粒子をマイクロトームでカットし、ヘキサン及び/又はジメチルエーテル等の非極性溶媒でカット断面を洗浄した後、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察することにより計測できる。
吸収性樹脂粒子がこの内部に疎水性物質(C)の一部又は全部を含んでなる構造は、吸収性樹脂粒子を、(1)疎水性物質(C)と架橋重合体(A1)の含水ゲルと混合・混練する方法、または(2)疎水性物質(C)の存在下、構成単位を重合させて架橋重合体(A1)の含水ゲルを得る方法等により製造され得る。
(1)の方法において、疎水性物質(C)としては、疎水性物質(C)をフィルムの粉砕物、ビーズ、棒状又は繊維状に加工したものを用いることができる。フィルムの粉砕物の体積平均粒径(μm)は5〜50が好ましく、さらに好ましくは7〜30、特に好ましくは10〜20である。ビーズの体積平均粒子径(μm)は、0.5〜100が好ましく、さらに好ましくは1〜30、特に好ましくは2〜20である。棒状の長さ(μm)は、5〜50が好ましく、さらに好ましくは7〜30、特に好ましくは10〜20であり、直径(μm)は、0.5〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜30、特に好ましくは2〜15である。繊維状の長さ(μm)は、5〜50が好ましく、さらに好ましくは7〜30、特に好ましくは10〜20であり、直径(μm)は、0.5〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜30、特に好ましくは2〜15である。これらの範囲であると、吸収性物品の耐モレ性がさらに良好となる。
炭化水素基を含有する疎水性物質(C1)を使用する場合は、ステアリン酸Mgビーズ、ポリスチレンビーズ及びポリエチレンビーズ等のビーズ、並びにポリエチレンフイルム(例えば、タマポリ社製:SE625M、UB−1)及びポリスチレンフィルム(例えば旭化成社製:OPS等)等のフィルムの粉砕品(体積平均粒度20〜50μm)等が挙げられる。ポリシロキサンを含有する疎水性物質(C3)を使用する場合は、シリコーンビーズ{例えば、GE東芝シリコーン社製:トスパール240(不定形シリコーン樹脂微粉末、体積平均粒径4μm)、トスパール3120(真球状シリコーン樹脂微粉末、体積平均粒径12μm)、トスパール145(真球状シリコーン樹脂微粉末、体積平均粒径4.5μm)等}等が挙げられる。フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(C2)を使用する場合は、フッ素フィルム{例えば、旭ガラス社製:FLUON PTFE(ポリテトラフルオロエチレンフィルム)、FLUON PFA(四フッ化エチレンとパーフルオロエチレンとの共重合物のフィルム)、FLUON AFLAS(テトラフルオロエチレンとプロピレンとの共重合物のフィルム)等}の粉砕品(体積平均粒径20〜50μm)等が挙げられる。
これらのうち、吸収性物品の耐モレ性等の観点から、ビーズが好ましく、さらに好ましくはステアリン酸Mgビーズである。
架橋重合体(A1)と疎水性物質(C)との混合方法としては、疎水性物質(C)が架橋重合体(A1)の内部に存在するように{すなわち、架橋重合体(A1)と疎水性物質(C)とがサンドイッチ構造となるように}混合されれば制限がない。
しかし、疎水性物質(C)は、架橋重合体(A1)の乾燥体ではなく、(A1)の含水ゲル又は(A1)の重合液と混合されることが好ましく、さらに好ましくは(A1)の含水ゲルと混合されることである。なお、混合は、練り込むように均一混合することが好ましい。
水溶液重合法により架橋重合体(A1)を得るとき、疎水性物質(C)と(A1)とを混合・混練するタイミングとしては特に制限はないが、重合工程中、重合工程直後、含水ゲルの破砕(ミンチ)中及び含水ゲルの乾燥中等が挙げられる。これらのうち、吸収性物品の耐モレ性等の観点から、重合工程直後及び含水ゲルの破砕(ミンチ)工程中が好ましく、さらに好ましくは含水ゲルの破砕(ミンチ)工程中である。
逆相懸濁重合法又は乳化重合により架橋重合体(A1)を得るとき、疎水性物質(C)と(A1)とを混合するタイミングとしては特に制限はないが、重合工程中{(C)の存在下で、(A1)を製造する}、重合工程直後、脱水工程中(水分10重量%前後まで脱水する工程中)、脱水工程直後、重合に用いた有機溶媒を分離留去する工程中、含水ゲルの乾燥中等が挙げられる。これらのうち、吸収性物品の耐モレ性等の観点から、重合工程中、重合工程直後、脱水工程中、脱水工程直後、重合に用いた有機溶媒を分離留去する工程中が好ましく、さらに好ましくは重合工程中、重合工程直後である。
含水ゲルの乾燥中に混合する場合、混合装置としては、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機等の通常の装置が使用できる。重合液中で混合する場合、ホモミキサー、バイオミキサー等の比較的攪拌力の高い装置を使用できる。また、含水ゲルの乾燥中で混合する場合、SVミキサー等の混練装置も使用できる。
混合温度(℃)は、20〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜80である。この範囲であると、さらに均一混合しやすくなり、吸収特性がさらに良好となる。
また、疎水性物質(C)の存在下で、架橋重合体(A1)を製造する方法において、架橋重合体(A1)の重合液に疎水性物質(C)を溶解又は乳化(分散)させておき、(A1)の重合の進行と共に(C)を析出させながら、連結部を形成することもできる。疎水性物質(C)の存在下で重合を行うこと意外、重合方法は、架橋重合体(A1)の場合と同様である。
疎水性物質(C)は、水及び/又は揮発性溶媒に、溶解及び/又は乳化した形態でも使用できる(ただし、乳化剤は使用しない)。揮発性溶媒としては、除去しやすさの観点等から、20℃での蒸気圧(Pa)が0.13〜5.3のものが好ましく、さらに好ましくは0.15〜4.5、特に好ましくは0.23〜3.8のものである。
揮発性溶媒としては、炭素数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等)、炭素数5〜8の炭化水素(ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びトルエン等)、炭素数2〜4のエーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン等)、炭素数3〜4のケトン(アセトン及びメチルエチルケトン等)、及び炭素数3〜5のエステル(蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及び炭酸ジエチル等)等が挙げられる。水及び/又は揮発性溶媒を使用する場合、これらの使用量(重量%)は、疎水性物質(C)の重量に基づいて、1〜900が好ましく、さらに好ましくは5〜700、特に好ましくは10〜400である。水及び揮発性溶媒を使用する場合、水の使用量(重量%)は、水及び揮発性溶媒の重量に基づいて、50〜98が好ましく、さらに好ましくは60〜95、特に好ましくは70〜90である。
吸収性物品の耐カブレ性の観点から、吸収性樹脂粒子がこの内部に疎水性物質(C)の一部又は全部を含んでなる構造としては、親水性材料粒子(d1)又は疎水性材料粒子(d2)の表面の一部又は全部に疎水性物質(C)をコーティング又は含浸した材料粒子(D)を吸収性樹脂粒子の内部に含んでなる構造であることが好ましい。
材料粒子(D)としては、親水性材料粒子(d1)又は疎水性材料粒子(d2)に疎水性物質(C)をコーティング又は含浸させたもの等が使用できる。
親水性材料粒子(d1)としては、親水性有機ポリマー粒子(d11)及び親水性無機物粒子(d12)等が含まれる。
親水性有機ポリマー粒子(d11)としては、高分子電解質{架橋重合体(A2)等}、セルロース(パルプ、木綿、オガクズ及びワラ等)、羊毛、ミクロフィブリル及びバクテリアセルロース等の粒子が挙げられる。
なお、架橋重合体(A2)とは、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体である。ここで、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体とは、前述した架橋重合体(A1)と同様のものであり、好ましいものも同様である。
親水性無機物粒子(d12)としては、ガラス、シリカゲル、シリカ及びクレー等の粒子が挙げられる。
疎水性材料粒子(d2)としては、疎水性有機ポリマー粒子(d21)及び疎水性無機物粒子(d22)等が含まれる。
疎水性有機ポリマー粒子(d21)としては、重量平均分子量1,000〜1,000,000の合成樹脂等の粒子が使用でき、連結部(RC)に使用できる疎水性物質(C1)や、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂等の粒子が用いられる。
ポリスチレン樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−エチレン共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物等が挙げられる。
ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等が挙げられる。
ポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合物等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、炭素数が8〜22の長鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリルエスエル等の重合体が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、ナイロン等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、通常のエポキシ樹脂の硬化物等が挙げられる。
ウレタン樹脂としては、通常のポリオールのイシシアネートの硬化物等が挙げられる。
疎水性無機物粒子(d22)としては、炭素繊維、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、セリサイト、アスベスト及びシラス等の粒子が挙げられる。
これらのうち、親水性材料粒子(d1)が好ましく、さらに好ましくは親水性有機ポリマー粒子(d11)、次にさらに好ましくはセルロース及び高分子電解質の粒子であり、特に好ましくは架橋重合体(A2)の粒子であり、最も好ましくはポリアクリル酸(ナトリウム塩)架橋体の粒子である。
親水性材料粒子(d1)及び疎水性材料粒子(d2)の形状としては、不定形(破砕状)、真球状、フィルム状、棒状及び繊維状等のいずれでもよいが、不定形(破砕状)又は真球状が好ましく、さらに好ましくは真球状である。
親水性材料粒子(d1)及び疎水性材料粒子(d2)の体積平均粒径(μm)は、1〜30が好ましく、さらに好ましくは1.5〜25、特に好ましくは2〜20、より特に好ましくは2.5〜15、最も好ましくは3〜10である。この範囲であると、吸収性物品の耐モレ性がさらに良好となる。
なお、体積平均粒径は、JIS Z8825−1:2001に準拠して、光散乱法(溶媒:シクロヘキサン等)により測定される。
材料粒子(D)が、疎水性材料粒子(d2)に疎水性物質(C)がコーティング又は含浸された材料である場合、コーティング又は含浸させる疎水性物質(C)としては、吸収性物品の耐モレ性等の観点から、炭化水素基を含有する疎水性物質(C1)のうち、ポリオレフィン樹脂、ワックス及び長鎖脂肪酸エステルが好ましく、さらに好ましくはワックス及び長鎖脂肪酸エステル、特に好ましくはワックス、最も好ましくはパラフィンワックスである。また、同様に、フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(C2)のうち、パーフルオロアルカン及びパーフルオロアルキルエーテルが好ましく、さらに好ましくはパーフルオロアルキルエーテル、特に好ましくはジペンタフルオロプロピルエーテル、ジヘプタフルオロプロピルエーテル、ジヘプタフルオロブチルエーテル及びジノナフルオロヘキシルエーテル、最も好ましくはジへプタフルオロプロピルエーテル及びジヘプタフルオロブチルエーテルである。また、同様に、ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(C3)のうち、ポリジメチルシロキサン及びアルコキシ変性ポリシロキサンが好ましく、さらに好ましくはポリジメチルシロキサンである。
これらの疎水性物質のうち、吸収性物品の耐カブレ性の観点から、ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(C3)が好ましい。
材料粒子(D)が、親水性材料粒子(d1)に疎水性物質(C)がコーティング又は含浸された材料である場合、コーティング又は含浸させる疎水性物質(C)としては、吸収性物品の耐モレ性等の観点から、炭化水素基を含有する疎水性物質(C1)のうち、ポリオレフィン樹脂誘導体、ワックス誘導体及び長鎖脂肪酸エステルが好ましく、さらに好ましくはワックス誘導体及び長鎖脂肪酸エスエル、特に好ましくは長鎖脂肪酸エステル、最も好ましくはショ糖ステアリン酸モノエステル及びショ糖ステアリン酸ジエステルである。また、同様に、フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(C2)のうち、パーフルオロアルキルカルボン酸及びパーフルオロアルキルアルコールが好ましく、さらに好ましくはパーフルオロアルキルカルボン酸金属塩及びパーフルオロアルキルアルコール、特に好ましくはパーフルオロアルキルカルボン酸金属塩である。また、同様に、ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(C3)のうち、ポリエーテル変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン及びアミノ変性ポリシロキサンが好ましく、さらに好ましくはカルボキシル変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン及びアミノ変性ポリシロキサン、特に好ましくカルボキシル変性ポリシロキサン及びアミノ変性ポリシロキサン、最も好ましくはアミノ変性ポリシロキサンである。
これらの疎水性物質のうち、吸収特性の観点から、長鎖脂肪酸エステルである疎水性物質(C2)が好ましく、特に好ましくは、ショ糖ステアリン酸エステル、最も好ましくはショ糖ステアリン酸モノエステル及びショ糖ステアリン酸ジエステルである。
材料粒子(D)の体積平均粒径(μm)は、1〜30が好ましく、さらに好ましくは1.5〜25、特に好ましくは2〜20、より特に好ましくは2.5〜15、最も好ましくは3〜10である。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性がさらに良好となる。なお、体積平均粒径は、親水性材料粒子(d1)及び疎水性材料粒子(d2)と同様にして、測定される。
材料粒子(D)中の疎水性物質(C)の含有量(重量%)は、(D)の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.005〜8、特に好ましくは0.07〜7、最も好ましくは0.1〜6である。この範囲であると、吸収性物品の耐モレ性がさらに良好となる。
材料粒子(D)の含有量(重量%)は、架橋重合体(A1)の重量に基づいて、0.01〜20が好ましく、さらに好ましくは0.05〜10、次に好ましくは0.1〜1.0、特に好ましくは0.2〜0.9、最も好ましくは0.3〜0.8である。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性がさらに良好となる。
吸収性樹脂粒子が材料粒子(D)を含んでなる構造である場合、吸収性樹脂粒子は、(1)材料粒子(D)と架橋重合体(A1)の含水ゲルとを混合・混練する方法、または、(2)材料粒子(D)の存在下で重合して架橋重合体(A1)の含水ゲルを得る方法等により製造され得る。
(1)架橋重合体(A1)の含水ゲルと材料粒子(D)との混合・混練方法としては、材料粒子(D)が架橋重合体(A1)の含水ゲルの内部に存在するように{好ましくは架橋重合体(A1)と材料粒子(D)とがサンドイッチ構造となるように}混合・混練されれば制限がない。
しかし、材料粒子(D)は、架橋重合体(A1)の乾燥体ではなく、(A1)の含水ゲル又は(A1)の重合液と混合・混練されることが好ましく、さらに好ましくは(A1)の含水ゲルと混合・混練されることである。なお、混合・混練は、練り込むように均一混合することが好ましい。
材料粒子(D)と(A1)とを混合するタイミングとしては特に制限はないが、前述した疎水性物質(C)を混合する場合と同じである。混合・混練装置としては、疎水性物質(C)を混合するのに用いられるものと同じものが使用できる。
(2)材料粒子(D)の存在下で重合して架橋重合体(A1)を得る方法において、架橋重合体(A1)の重合液に材料粒子(D)を乳化又は分散させておき、重合させることもでき、疎水性物質(C)の存在下で架橋重合体(A1)を重合する場合と同じである。
疎水性物質(C)を親水性材料粒子(d1)又は疎水性材料粒子(d2)の表面の一部又は全部にコーティング又は含浸させる際、疎水性物質(C)は、溶媒に溶解又は乳化・分散するか、または(C)の融点以上に加熱して溶融することにより、液体として用いることができる。
親水性材料粒子(d1)又は疎水性材料粒子(d2)に疎水性物質(C)をコーティング又は含浸するには、(d1)又は(d2)に上記液体を噴霧するか、上記液体に(d1)又は(d2)をディッピングすることにより達成できる。なお、親水性材料粒子(d1)又は疎水性材料粒子(d2)に固体状の疎水性物質(C)又は(C)の乳化分散体を接触させた後、(C)の融点以上に加熱してコーティング又は含浸することもできる。
コーティング又は含浸するのに溶媒を用いた場合、溶媒を留去することが好ましい。また、この場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、材料粒子(D)の重量に基づいて、0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。この範囲であると、吸収性物品の耐モレ性(特に保水量)がさらに良好となる。また、溶媒に水を含む場合、留去後の水分(重量%)は、材料粒子(D)の重量に基づいて、0〜20が好ましく、さらに好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5、最も好ましくは0〜2である。この範囲であると、吸収性物品の耐モレ性(特に保水量)がさらに良好となる。
なお、留去する方法及び溶媒の含有量の測定法は架橋重合体(A1)の場合と同じである。
使用できる溶媒としては、(C)を溶解するものであれば特に限定はしないが、上述の水及び/又は揮発性溶媒が好ましい。
噴霧、ディッピング又は接触に適用できる混合装置としては、ナウターミキサー及びタービュライザー等が挙げられる。
疎水性物質(C)を含有する含水ゲルは、必要に応じて、この含水ゲルを細断することができる。細断後の含水ゲル粒子の大きさ(最長径)は50μm〜10cmが好ましく、さらに好ましくは100μm〜2cm、特に好ましくは1mm〜1cmである。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性がさらに良好となる。
細断方法は、架橋重合体(A1)の場合と同様の方法が採用できる。
吸収性樹脂粒子の製造に溶媒(有機溶媒及び/又は水を含む)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することができる。
溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、吸収性樹脂粒子の重量に基づいて、0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。である。この範囲であると、吸収性樹脂粒子の吸収性能(特に保水量)がさらに良好となる。
また、溶媒に水を含む場合、留去後の水分(重量%)は、吸収性樹脂粒子の重量に基づいて、0〜20が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜9、最も好ましくは3〜8である。この範囲であると、吸収性能(特に保水量)及び乾燥後の吸収性樹脂粒子の壊れ性がさらに良好となる。
なお、有機溶媒の含有量及び水分の測定法、並びに溶媒の留去方法は、架橋重合体(A1)の場合と同様である。
吸収性樹脂粒子は、粉砕することができる。吸収性樹脂粒子が溶媒を含む場合、溶媒を留去(乾燥)してから粉砕することが好ましい。
粉砕する場合、粉砕後の重量平均粒径(μm)は、400〜650が好ましく、特に好ましくは450〜600、最も好ましくは500〜540である。この範囲であると、粉砕後のハンドリング性(吸収性樹脂粒子の粉体流動性等)及び吸収性物品の耐カブレ性がさらに良好となる。なお、重量平均粒径は架橋重合体(A1)の場合と同様にして測定できる。
微粒子の含有量は少ない方が吸収性能がよく、全粒子に占める106μm以下の微粒子の含有量が3重量%以下が好ましく、さらに好ましくは全粒子に占める150μm以下の微粒子の含有量が3重量%以下である。微粒子の含有量は、上記の重量平均粒径を求める際に作成するプロットを用いて求めることができる。
粉砕及び粒度調整は、架橋重合体(A1)の場合と同様の方法が採用できる。
本発明の吸収性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)は、0.56〜0.62が好ましく、さらに好ましくは0.57〜0.61、特に好ましくは0.58〜0.60である。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性がさらに良好となる。なお、見掛け密度は架橋重合体(A1)の場合と同様にして測定できる。
吸収性樹脂粒子の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
吸収性樹脂粒子は必要に応じて表面架橋を行うことができる。表面架橋を行うための架橋剤(表面架橋剤)としては、内部架橋剤(b)と同じものが使用できる。表面架橋剤としては、吸収性樹脂粒子の吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)の水溶性置換基及び/又はビニルモノマー(a2)の加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個以上有する架橋剤(b3)が好ましく、さらに好ましくは多価グリシジル、特に好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテル及びグリセリンジグリシジルエーテル、最も好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
表面架橋する場合、表面架橋剤の含有量(重量%)は、ビニルモノマー(a1)及び/又は(a2)、内部架橋剤(b)並びに必要により使用するその他のビニルモノマー(a3)の合計重量に基づいて、0.001〜7が好ましく、さらに好ましくは0.002〜5、特に好ましくは0.003〜4である。すなわち、この場合、表面架橋剤の含有量(重量%)の上限は、(a1)及び/又は(a2)、(b)並びに(a3)の合計重量に基づいて、7が好ましく、さらに好ましくは5、特に好ましくは4であり、同様に下限は0.001が好ましく、さらに好ましくは0.002、特に好ましくは0.003である。この範囲であると、さらに吸収性能が良好となる。表面架橋は表面架橋剤を含む水溶液を吸収性粒子に噴霧又は含浸させた後、加熱処理(100〜200℃)する方法等により達成できる。
本発明の吸収性樹脂粒子には、他の添加剤{たとえば、公知(特開2003−225565号、特開2006−131767号等)の防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、無機質粉末及び有機質繊維状物等}を含むことができる。これらの添加剤を含有させる場合、添加剤の含有量(重量%)は、架橋重合体(A1)の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5、特に好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.5である。
本発明の吸収性樹脂粒子のDW法による吸収量(M)(ml/g)は、吸収性物品の耐モレ性の観点から、1分後の吸収量(M1)は14〜19が好ましく、さらに好ましくは15〜18、特に好ましくは16〜17である。2分後の吸収量(M2)は26〜33が好ましく、さらに好ましくは27〜32、特に好ましくは28〜31である。5分後の吸収量(M3)は42〜50が好ましく、さらに好ましくは43〜49、特に好ましくは44〜48である。10分後の吸収量(M4)は52〜59が好ましく、さらに好ましくは53〜58、特に好ましくは54〜57である。この範囲であると吸収性物品の耐カブレ性がさらに良好になる。DW法による吸収量は、疎水性物質(C)の含有量、吸収性樹脂粒子の見掛け密度、吸収性樹脂粒子の重量平均粒径、材料粒子(D)の体積平均粒径及び含有量等を前記好ましい範囲に調整することで、DW法による吸収量を好ましい範囲に調整できる。また、吸収性樹脂粒子の製造方法としては、架橋重合体(A1)の含水ゲルと材料粒子(D)との混合・混練する製造方法が、DWを好ましい範囲に調整できる観点から好ましい。
DW(Demand Wettability)法は、25℃、湿度50%の室内で、図1に示す装置を用いて行う測定方法である。図1に示した測定装置は、ビュレット部(2){目盛容量50ml、長さ86cm、内径1.05cm、}と導管{内径7mm}、測定台(6)からなっている。ビュレット部(2)は、上部にゴム栓(1)、下部に吸気導入管(9){先端内径3mm}とコック(7)が連結されており、さらに、吸気導入管(9)の上部はコック(8)がある。ビュレット部(2)から測定台(6)までは、導管が取り付けられている。測定台(6)の中央部には、生理食塩水供給部として直径3ミリの穴があいており、導管が連結されている。
この構成の測定装置を使用して、まずビュレット部(2)のコック(7)と空気導入管(9)のコック(8)を閉め、25℃に調節された所定量の生理食塩水(食塩濃度0.9重量%)をビュレット部(2)上部から入れ、ゴム栓(1)でビュレット上部の栓をした後、ビュレット部(2)のコック(7)および空気導入管(9)のコック(8)を開ける。次に、測定台(6)に溢れ出た生理食塩水を拭き取ってから、測定台(6)の上面と、測定台(6)中心部の導管口から出てくる生理食塩水の水面とが同じ高さになるように測定台(6)の高さの調整を行う。生理食塩水供給部から生理食塩水を拭き取りながら、ビュレット部(2)内の生理食塩水の水面をビュレット部(2)目盛の一番上(0mlライン)に調整する。
引き続き、ビュレット部(2)のコック(7)と空気導入管(9)のコック(8)を閉め、測定台(6)上に、生理食塩水供給部が中心になるように平織りナイロンメッシュ(5)(目開き63μm、5cm×5cm)をのせ、さらにこの平織りナイロンメッシュ(5)の上に、測定台(6)の生理食塩水供給部を中心に直径2.7cmの範囲に0.50gの吸収性樹脂粒子(4)を均一に散布する。その後、 ビュレット部(2)のコック(7)および空気導入管(9)のコック(8)を開ける。
吸収性樹脂粒子(4)が吸水し始め、空気導入管(9)から導入された一つ目の泡がビュレット部(2)内の生理食塩水の水面に到達した時点(ビュレット部(2)内の生理食塩水の水面が下がった時点)を測定開始時間とし、継続的に、ビュレット部(2)内の生理食塩水(3)の減少量(吸収性樹脂粒子(4)が吸水した生理食塩水量)M(ml)を読み取る。吸水開始から所定時間経過後における吸収性樹脂粒子(4)の吸収量を、以下の式により求める。
DW法による吸収量(ml/g)=M÷0.50
本発明の吸収性樹脂粒子の保水量(g/g)は、吸収性物品の耐カブレ性の観点から、28〜45が好ましく、さらに好ましくは32〜40、特に好ましくは34〜38である。なお、吸収性樹脂粒子の保水量は以下の方法により測定される。
<吸収性樹脂粒子の保水量の測定法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網で作成したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水(食塩濃度0.9重量%)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後、15分間吊るして水切りした。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバックを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求める。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃とする。
測定試料を用いない以外は上記と同様にして、遠心脱水後のティーバックの重量を測定し(h2)とする。
保水量(g/g)=(h1)−(h2)
本発明の吸収性樹脂粒子の荷重下吸収量(g/g)は、吸収性物品の耐カブレ性の観点から、15〜27が好ましく、さらに好ましくは17〜25、特に好ましくは19〜23である。
なお、荷重下吸収量は以下のようにして測定される。
<吸収性樹脂粒子の荷重下吸収量の測定法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網を底面に貼った円筒型プラスチックチューブ(内径:25mm、高さ:34mm)内に、250〜500μmの粒子径にふるい分けした測定試料0.16gを秤量し、円筒型プラスチックチューブを垂直にしてナイロン網上に測定試料がほぼ均一厚さになるように整えた後、この測定試料の上に分銅(重量:310.6g、外径:24.5mm、)を乗せる。この円筒型プラスチックチューブ全体の重量(W1)を計量した後、生理食塩水(食塩濃度0.9重量%)60mlの入ったシャーレ(直径:12cm)の中に測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブを垂直に立ててナイロン網側を下面にして浸し、60分静置する。60分後に、円筒型プラスチックチューブをシャーレから引き上げ、これを斜めに傾け、垂れた水滴を除去した後、測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブ全体の重量(W2)を計量し、次式から荷重下吸収量を求める。なお、使用する生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃である。
荷重下吸収量(g/g)={(W2)−(W1)}/0.16
本発明の吸収性樹脂粒子は、繊維状物と共に吸収体とすることができる。吸収体の構造及び製造方法等は、公知のもの{特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等}と同様である。また、この吸収体は吸収性物品{紙おむつや生理用ナプキン等}を構成することが好ましい。吸収性物品の製造方法等は、公知のもの{特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等}と同様である。
本発明の吸収性樹脂粒子を、繊維状物と共に吸収体とする場合、吸収性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸収性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は40/60〜95/5が好ましく、さらに好ましくは70/30〜90/10、特に好ましくは75/25〜85/15である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。なお、DW法による吸収量、吸収性樹脂粒子の保水量、吸収性樹脂粒子の荷重下吸収量は前述した方法により測定した。
<製造例1>
水溶性ビニルモノマー(a1−1){アクリル酸、三菱化学株式会社製、純度100%}155部(2.15モル部)、架橋剤(b1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.6225部(0.0024モル部)及び脱イオン水340.27部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.62部、2%アスコルビン酸水溶液1.1625部及び2%の2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]水溶液2.325部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が90℃に達した後、90±2℃で約5時間重合することにより含水ゲル(1)を得た。
次にこの含水ゲル(1)400部をミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液102.27部を添加して混合・中和し、細断ゲル(1)を得た。さらに細断ゲル(1)を通気型バンド乾燥機{140℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、目開き25及び45μmのふるいを用いて25〜45μmの粒度に調整することにより、親水性材料粒子(d1−1)を得た。親水性材料粒子(d1−1)の体積平均粒径は30μmであった。
<製造例2>
親水性材料粒子(d1−1)50部に疎水性物質(C−1){アミノ変性シリコーン(信越化学工業株式会社製品:KF880)}0.5部をメタノール50部に分散させた液50.5部を添加し、25℃で5分間撹拌した後、80℃×2時間蒸発乾燥させて、材料粒子(D−1)を得た。
<製造例3>
「目開き25及び45μmのふるい」を、「目開き15及び25μmのふるい」に変更して15〜25μmの粒度に調整したこと以外、製造例1と同様にして親水性材料粒子(d1−2)を得た。親水性材料粒子(d1−2)の体積平均粒径は20μmであった。
<製造例4>
親水性材料粒子(d1−2)50部に疎水性物質(C−2){ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、リョートーシュガーエステルS−570/S−770の重量比=50/50混合物)}2.5部をシクロヘキサン50部に溶解させた液52.5部を添加し、25℃で5分間撹拌した後、80℃×2時間蒸発乾燥させて、材料粒子(D−2)を得た。
<製造例5>
アクリル酸62.89部を37.02部の水で希釈し、20〜15℃に冷却しつつ35%の水酸化ナトリウム水溶液71.88部を加えて中和した。この溶液に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.252部、次亜リン酸ソーダ1水和物0.018部及び過硫酸カリウム0.192部を添加・溶解し、25℃で撹拌してモノマー水溶液(1)を得た。次に、シクロヘキサン312部に疎水性物質(C−2)1.6部を60℃に加熱しながら溶解させた後、モノマー水溶液(1)を添加して、25℃でバイオミキサー(日本精機株式会社製 ABM−2型)にて10000rpmで5分間撹拌・分散し、窒素を流入して脱酸素を行い、分散液(1)を得た。
次いで、撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、シクロヘキサン312部を入れ、これに、疎水性物質(C−2)1.6部を添加した後、撹拌しつつ窒素置換し、70℃まで昇温して溶解させた。そして、70℃に保ったまま、分散液を8.23部/分で60分間滴下した。その後、75℃で30分間熟成した後、水をシクロヘキサンとの共沸によって樹脂の含水率が約10%(赤外水分計:FD−100型、Kett社製、180℃、20分で測定)となるまで除去した。その後、シクロヘキサンを蒸発除去し材料粒子(D−3)を得た。材料粒子(D−3)の体積平均粒径は3μmであった。
<製造例6>
「疎水性物質(C−2)1.6部」を「疎水性物質(C−2)2.4部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、材料粒子(D−4)を得た。材料粒子(D−4)の体積平均粒径は1μmであった。
<製造例7>
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、シクロヘキサン部を入れ、これに、疎水性物質(C−2)3.2部を添加した後、撹拌しつつ窒素置換し、70℃まで昇温して溶解させた。そして、25℃まで冷却した後、製造例5で得たモノマー水溶液(1)を添加し、撹拌しつつ窒素置換し、そのまま70℃まで昇温して重合を開始させた。その後、75℃で30分間熟成した後、水をシクロヘキサンとの共沸によって樹脂の含水率が約10%(赤外水分計:FD−100型、Kett社製、180℃、20分で測定)となるまで除去した。その後、シクロヘキサンを蒸発除去し材料粒子(D−5)を得た。材料粒子(D−5)の体積平均粒径は10μmであった。
<製造例8>
アクリル酸62.89部を37.02部の水で希釈し、20〜15℃に冷却しつつ35%の水酸化ナトリウム水溶液71.88部を加えて中和した。この溶液に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.252部、次亜リン酸ソーダ1水和物0.018部及び過硫酸カリウム0.031部を添加・溶解し、25℃で撹拌しながら、窒素を流入して脱酸素を行い、モノマー水溶液(2)を得た。次に、シクロヘキサン304部に疎水性物質(C−2)4.0部を60℃に加熱しながら溶解させ、窒素を流入して脱酸素を行い、シクロヘキサン溶液(1)を得た。
次いで、撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、シクロヘキサン312部を入れ、これに、疎水性物質(C−2)0.8部を添加した後、撹拌しつつ窒素置換し、70℃まで昇温して溶解させた。そして、70℃に保ったまま、モノマー水溶液(2)及びシクロヘキサン溶液(1)を同時に滴下開始し、モノマー水溶液(2)を2.91部/分で60分間、シクロヘキサン溶液(1)を4.4部/分で70分間、滴下して重合した。その後、75℃で30分間熟成した後、水をシクロヘキサンとの共沸によって樹脂の含水率が約10%(赤外水分計:FD−100型、Kett社製、180℃、20分で測定)となるまで除去した。その後、シクロヘキサンを蒸発除去し材料粒子(D−6)を得た。材料粒子(D−6)の体積平均粒径は25μmであった。
<実施例1>
製造例1で得た細断ゲル(1)502.27部をミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部を添加して混合し、細断ゲル(2)を得た。さらに細断ゲル(2)を通気型バンド乾燥機{150℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、目開き150及び850μmのふるいを用いて150〜850μmの粒度に調整することにより、乾燥体粒子を得た。この乾燥体粒子100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながらエチレングリコールジグリシジルエーテルの2%水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=70/30)の5部をスプレー噴霧しながら加えて混合し、150℃で30分間静置して表面架橋することにより、本発明の吸収性樹脂粒子(1)を得た。吸収性樹脂粒子(1)の重量平均粒子径は500μmであり、見掛け密度は0.61g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(1)の内部に疎水性物質(C)は0.0002%存在し、吸水性樹脂粒子(2)の表面に疎水性物質(C)は0.0001%存在した。
<実施例2>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「製造例4で得た材料粒子(D−2)0.756部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き125及び710μmのふるい」に変更して125〜710μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(2)を得た。吸収性樹脂粒子(2)の重量平均粒子径は400μmであり、見掛け密度は0.59g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(2)の内部に疎水性物質(C)は0.022%存在し、吸水性樹脂粒子(2)の表面に疎水性物質(C)は0.003%存在した。
<実施例3>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「製造例5で得た材料粒子(D−3)1.513部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き425及び850μmのふるい」に変更して425〜850μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(3)を得た。吸収性樹脂粒子(3)の重量平均粒子径は650μmであり、見掛け密度は0.57g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(3)の内部に疎水性物質(C)は0.037%存在し、吸水性樹脂粒子(3)の表面に疎水性物質(C)は0.004%存在した。
<実施例4>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「製造例6で得た材料粒子(D−4)1.21部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き355及び850μmのふるい」に変更して355〜850μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(4)を得た。吸収性樹脂粒子(4)の重量平均粒子径は600μmであり、見掛け密度は0.58g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(4)の内部に疎水性物質(C)は0.045%存在し、吸水性樹脂粒子(4)の表面に疎水性物質(C)は0.003%存在した。
<実施例5>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「製造例7で得た材料粒子(D−5)0.151部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き125及び710μmのふるい」に変更して125〜710μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(5)を得た。吸収性樹脂粒子(5)の重量平均粒子径は400μmであり、見掛け密度は0.62g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(5)の内部に疎水性物質(C)は0.004%存在し、吸水性樹脂粒子(5)の表面に疎水性物質(C)は0.001%存在した。
<実施例6>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「製造例8で得た材料粒子(D−6)0.454部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き250及び850μmのふるい」に変更して250〜850μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(6)を得た。吸収性樹脂粒子(6)の重量平均粒子径は540μmであり、見掛け密度は0.60g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(6)の内部に疎水性物質(C)は0.015%存在し、吸水性樹脂粒子(6)の表面に疎水性物質(C)は0.003%存在した。
<実施例7>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「疎水性物質(C−3){ステアリルアルコール}0.212部及び疎水性物質(C−4){ステアリン酸Mg、体積平均粒径8μm}0.378部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き150及び710μmのふるい」に変更して150〜710μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(7)を得た。吸収性樹脂粒子(7)の重量平均粒子径は450μmであり、見掛け密度は0.58g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(7)の内部に疎水性物質(C)は0.381%存在し、吸水性樹脂粒子(7)の表面に疎水性物質(C)は0.009%存在した。
<実施例8>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「疎水性物質(C−3){ステアリルアルコール}0.124部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き250及び850μmのふるい」に変更して250〜850μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(8)を得た。吸収性樹脂粒子(8)の重量平均粒子径は540μmであり、見掛け密度は0.57g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(8)の内部に疎水性物質(C)は0.077%存在し、吸水性樹脂粒子(8)の表面に疎水性物質(C)は0.005%存在した。
<実施例9>
「製造例2で得た材料粒子(D−1)0.454部」を「疎水性物質(C−3){ステアリルアルコール}0.248部」に変更したこと、及び「目開き150及び850μmのふるい」を「目開き355及び850μmのふるい」に変更して355〜850μmの粒度に調整したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(9)を得た。吸収性樹脂粒子(9)の重量平均粒子径は600μmであり、見掛け密度は0.56g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(9)の内部に疎水性物質(C)は0.156%存在し、吸水性樹脂粒子(9)の表面に疎水性物質(C)は0.008%存在した。
<実施例10>
「水溶性ビニルモノマー(a1−1)155部(2.15モル部)、架橋剤(b1)0.6225部(0.0024モル部)及び脱イオン水340.27部」を「水溶性ビニルモノマー(a1−1)155部(2.15モル部)、架橋剤(b1)0.6225部(0.0024モル部)、疎水性物質(C−5){低分子量ポリプロピレンエマルション(三井化学株式会社製品:ケミパールWP100、濃度40%:「ケミパール」は同社の登録商標である。)4.728部及び脱イオン水335.541部」に変更したこと、及び「目開き25及び45μmのふるい」を「目開き125及び710μmのふるい」に変更して125〜710μmの粒度に調整したこと以外、製造例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂粒子(10)を得た。吸収性樹脂粒子(10)の重量平均粒子径は400μmであり、見掛け密度は0.59g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(10)の内部に疎水性物質(C)は0.99%存在し、吸水性樹脂粒子(10)の表面に疎水性物質(C)は0.01%存在した。
<比較例1>
クレー(ROCKWOOD ADDITIVES LIMITTED社製:LAPONIPE XLG)40部に、アミノ変性シリコーン(信越化学社製品:KF354)0.004部をメタノール80部に溶解させた液を添加し、25℃で2分間撹拌した後、60℃×1時間乾燥させ、材料粒子(D−7)を得た。材料粒子(D−7)の体積平均粒子径は80μmであった。
次に、ガラス製反応容器に、アクリル酸ナトリウム77部、アクリル酸22.85部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.15部及び脱イオン水293部、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.001部を仕込み、攪拌、混合しながら内容物の温度を3℃に保った。内容物に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、過酸化水素の1%水溶液0.3部、アスコルビン酸の0.2%水溶液0.8部及び2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライドの2%水溶液0.8部を添加・混合して重合を開始させ、反応液が80℃に達した後、重合温度80±2℃で約5時間重合することにより、含水ゲル(2)を得た。
含水ゲル(2)300部に材料粒子(D−7)30部及び界面活性剤(1)(三洋化成工業社製:サンモリンOT70)0.3部を加え、ミンチ機(目皿の穴径:6mm、飯塚工業社製 12VR−400Kにて25℃で5分間混練した後、135℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で乾燥し、重合体乾燥物を得た。
この重合体乾燥物をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕し、目開き250及び600μmのふるいを用いて250〜600μmの粒度に調整した後、この100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながらエチレングリコールジグリシジルエーテルの10%水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=70/30)の2部をスプレー噴霧しながら加えて混合し、140℃で30分間静置して加熱架橋することにより比較用の吸収性樹脂粒子(H1)を得た。吸収性樹脂粒子(H1)の重量平均粒子径は390μmであり、見掛け密度は0.55g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(10)の内部に疎水性物質(C)は0.005%存在し、吸水性樹脂粒子(10)の表面に疎水性物質(C)は存在しなかった。
<比較例2>
「材料粒子(D−7)30部」を「材料粒子(D−8){シリコーンビーズ(東芝シリコーン社製:トスパール平均粒径2μm)}30部」に変更したこと、及び「界面活性剤(1)(三洋化成工業社製:サンモリンOT70)0.3部」を「界面活性剤(2)(三洋化成工業社製:ナロアクティーID50)0.3部」にしたこと以外、比較例1と同様にして、比較用の吸収性樹脂粒子(H2)を得た。吸収性樹脂粒子(H2)の重量平均粒子径は390μmであり、見掛け密度は0.55g/mlであった。また、吸水性樹脂粒子(10)の内部に疎水性物質(C)は39.0%存在し、吸水性樹脂粒子(10)の表面に疎水性物質(C)は0.5%存在した。
実施例1〜10及び比較例1〜2で得た吸収性樹脂粒子について、測定した物理的性質{重量平均粒子径、見掛け密度}及び性能評価結果{DW法による吸収量、保水量、荷重下吸収量}を表1に示す。なお、表1中、M1、M2、M3及びM4は、それぞれDW法による1分後の吸収量、2分後の吸収量、5分後の吸収量及び10分後の吸収量を示し、%は架橋重合体(A1)の重量に基づく、含有量(重量%)を示す。
Figure 0005448699
表1から判るように、本発明の吸収性樹脂粒子(実施例1〜10)は、比較例1〜2の吸収性樹脂粒子に比べ、吸収速度パターンが適切である。
引き続き、吸収速度パターンが適切であると、吸収性物品に適用したとき、どのような吸収特性を示すか評価した。実施例1〜10及び比較例1〜2で得た吸収性樹脂粒子を用いて、以下のようにして、吸収性物品(紙おむつ)を調製し、SDME法による表面ドライネス値を評価し、この結果を表2に示した。
<吸収性物品(紙おむつ)の調製1>
フラッフパルプ60部と評価試料{吸収性樹脂粒子}140部とを気流型混合装置{株式会社オーテック社製パッドフォーマー}で混合して、混合物を得た後、この混合物を坪量約500g/mとなるように均一にアクリル板(厚み4mm)上に積層し、5kg/cmの圧力で30秒間プレスし、吸収体(1)を得た。この吸収体(1)を10cm×40cmの長方形に裁断し、各々の上下に吸収体と同じ大きさの吸水紙(坪量15.5g/m、アドバンテック社製、フィルターペーパー2番)を配置し、さらにポリエチレンシート(タマポリ社製ポリエチレンフィルムUB−1)を裏面に、不織布(坪量20g/m、旭化成社製エルタスガード)を表面に配置することにより紙おむつ(1)を調製した。吸収性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸収性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は70/30であった。
<吸収性物品(紙おむつ)の調製2>
「フラッフパルプ60部と評価試料{吸収性樹脂粒子}140部」を「フラッフパルプ20部と評価試料{吸収性樹脂粒子}180部」に変更したこと以外、吸収性物品(紙おむつ)の調製1と同様にして、紙おむつ(2)を調整した。吸収性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸収性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は90/10であった。
<SDME法による表面ドライネス値>
SDME(Surface Dryness Measurement Equipment)試験器(WK system社製)の検出器を十分に湿らした紙おむつ{人工尿(塩化カリウム0.03重量%、硫酸マグネシウム0.08重量%、塩化ナトリウム0.8重量%及び脱イオン水99.09重量%)の中に紙おむつを浸し、60分放置して調製した。}の上に置き、0%ドライネス値を設定し、次に、SDME試験器の検出器を乾いた紙おむつ{紙おむつを80℃、2時間加熱乾燥して調製した。}の上に置き100%ドライネスを設定し、SDME試験器の校正を行った。次に、測定する紙おむつの中央に金属リング(内径70mm、長さ50mm)をセットし、人工尿80mlを注入し、人工尿を吸収し終えたら{人工尿による光沢が確認できなくなったら}、直ちに金属リングを取り去り、紙おむつの中央及びその左右{紙おむつ40cmの端から10cmの等間隔に3箇所}にSDME検出器を3つ載せて、表面ドライネス値の測定を開始し、測定開始から5分後の値を3つのSDME検出器のうち、中央の検出器のドライネス値を表面ドライネス値(1−1){中央}、残りの2つのSDME検出器のドライネス値を表面ドライネス値(1−2){左}、表面ドライネス値(1−3){右}とした。
なお、人工尿、測定雰囲気及び放置雰囲気は、25±5℃、65±10%RHで行った。
Figure 0005448699
表2から判るように、本発明の吸収性樹脂粒子を使用した吸収性物品は、比較用の吸収性樹脂粒子を使用した吸収性物品に比べ、表面ドライネス値(1−1)、(1−2)、(1−3)に偏りがなく優れていた。すなわち、本発明の吸収性樹脂粒子は、吸収性物品に適用したとき、特定の吸収速度パターンであるため、優れた吸収特性であった。したがって、本発明の吸収性樹脂粒子を適用した吸収性物品を使用しても、カブレ等の心配がないことが容易に予測される。
本発明の吸収性樹脂粒子は、吸収性樹脂粒子と繊維状物とを含有してなる吸収体に適用でき、この吸収体を備えてなる吸収性物品{紙おむつ、生理用ナプキン及び医療用保血剤等}に有用である。また、ペット尿吸収剤、携帯トイレ用尿ゲル化剤、青果物用鮮度保持剤、肉類・魚介類用ドリップ吸収剤、保冷剤、使い捨てカイロ、電池用ゲル化剤、植物・土壌用保水剤、結露防止剤、止水剤、パッキング剤及び人工雪等の種々の用途にも使用できる。
1 ゴム栓
2 ビュレット部
3 生理食塩水
4 吸収性樹脂粒子
5 平織りナイロンメッシュ
6 測定台
7 コック
8 コック
9 吸気導入管

Claims (9)

  1. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)を含んでなる吸収性樹脂粒子であって、吸収性樹脂粒子の内部に、ポリオレフィン樹脂、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール並びに変性シリコーンからなる群から選ばれる疎水性物質(C)の一部又は全部を含有し、(C)の含有量が、架橋重合体(A1)の重量に基づいて、0.001〜5.0重量%であり、
    吸収性樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)が400〜650であり、吸収性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)が0.56〜0.62であり、(A1)のDW(Demand Wettability)法による1分後の吸収量(M1)が14〜19ml/gであり、2分後の吸収量(M2)が26〜33ml/gであり、5分後の吸収量(M3)が42〜50ml/gであり、10分後の吸収量(M4)が52〜59ml/gである吸収性樹脂粒子。
  2. 吸収性樹脂粒子の内部に疎水性物質(C)の一部又は全部を含んでなる構造が、親水性材料粒子(d1)又は疎水性材料粒子(d2)の表面の一部又は全部に疎水性物質(C)をコーティング又は含浸した材料粒子(D)を吸収性樹脂粒子の内部に含んでなる構造である請求項に記載の吸収性樹脂粒子。
  3. 親水性材料粒子(d1)が、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A2)粒子である請求項に記載の吸収性樹脂粒子。
  4. 材料粒子(D)の体積平均粒子径(μm)が1〜30である請求項又はに記載の吸収性樹脂粒子。
  5. 材料粒子(D)の含有量(重量%)が架橋重合体(A1)の重量に基づき、0.1〜1.0である請求項のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子と繊維状物とを含有してなる吸収体。
  7. 吸収性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸収性樹脂粒子の重量/繊維の重量)が70/30〜90/10である請求項に記載の吸収体。
  8. 請求項又はに記載の吸収体を用いた吸収性物品。
  9. ポリオレフィン樹脂、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール並びに変性シリコーンからなる群から選ばれる疎水性物質(C)と、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)の含水ゲルとを混合又は混練する工程;及び/又は
    疎水性物質(C)の存在下、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位として重合させて架橋重合体(A1)の含水ゲルを得る工程を含む吸収性樹脂粒子の製造方法であって、
    吸収性樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)が400〜650であり、吸収性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)が0.56〜0.62であり、吸収性樹脂粒子のDW(Demand Wettability)法による1分後の吸収量(M1)が14〜19ml/gであり、2分後の吸収量(M2)が26〜33ml/gであり、5分後の吸収量(M3)が42〜50ml/gであり、10分後の吸収量(M4)が52〜59ml/gである吸収性樹脂粒子の製造方法。
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