JP2002282687A - 吸水剤及びその製造法 - Google Patents

吸水剤及びその製造法

Info

Publication number
JP2002282687A
JP2002282687A JP2001092020A JP2001092020A JP2002282687A JP 2002282687 A JP2002282687 A JP 2002282687A JP 2001092020 A JP2001092020 A JP 2001092020A JP 2001092020 A JP2001092020 A JP 2001092020A JP 2002282687 A JP2002282687 A JP 2002282687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
absorbing agent
acid
monomer
agent according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001092020A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Ota
義久 太田
Yota Nomura
陽太 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001092020A priority Critical patent/JP2002282687A/ja
Publication of JP2002282687A publication Critical patent/JP2002282687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の粒子径のままで瞬間吸収速度のみなら
ず樹脂内部への拡散吸収特性が優れた吸水剤を提供す
る。 【解決手段】 カルボキシル基含有単量体、燐酸基含有
単量体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以
上の水溶性単量体(a)及び架橋剤(b)を必須構成単
位とする架橋重合体(A)と吸熱剤(B)からなり、
(B)が(A)に内蔵された吸水剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水剤に関する。更
に詳しくは、特定の吸熱剤が架橋重合体に内蔵された吸
水剤及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】吸水性を有する架橋共重合体(吸水性樹
脂)の吸収特性を改良するために種々の方法が提案され
ており、その中の一つの方法に、下記の樹脂の表面積を
広げ接触面積を大きくすることにより瞬間的な吸収量を
大きくする方法がある。 a.吸水性樹脂の製造プロセスにおける重合原液中に低
沸点の揮発性溶剤を添加し、重合熱によって揮発性溶剤
を気化させることによって樹脂を多孔質化させる方法
(特開昭59−18712号公報)、 b.カルボキシル基含有の吸水性樹脂とグリシジル基含
有ポリオレフィン樹脂に架橋剤と熱分解型の発泡剤を混
合し、加熱発泡させ、フォーム状とする方法(特開昭6
3−251437号公報)、 c.不飽和単量体と架橋剤とを含む単量体水溶液にアミ
ノ基含有アゾ化合物からなる発泡剤を分散させて重合
し、多孔質の吸水性樹脂を得る方法(再公表特許WO9
6−17884) d.微粒子を水や熱溶融性樹脂バインダーを用いて造粒
する方法 e.吸水性樹脂粒子に多孔性無機粒子を混合する方法
で、吸水性樹脂粒子の表面を無機粒子で数十重量%程度
覆う方法(特開平8−10616号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法においても下記の様に製造面及び品質面において
必ずしも満足のいくものではなかった。aの多孔質化さ
せる方法では吸収速度の向上はある程度認められるもの
の、低沸点の揮発性溶剤を使用することから防爆型等の
特殊な製造設備を使用しなければならないという問題が
ある。bの熱分解型の発泡剤を用いる方法では、原料の
吸水性樹脂やポリオレフィン樹脂は硬くて可撓性のない
樹脂であるため、ある程度の高いガス圧になった時点で
ガスを一気に放出することから、発泡径が大きく、不均
一な気泡となり、吸収性能が安定しないと言う問題があ
る。cの方法ではアミノ基含有アゾ化合物が分解して窒
素ガスを発生する際にラジカルも同時に生成するため、
吸水性樹脂の分子量低下による吸収性能の低下や水可溶
性成分量の増加という問題がある。dの微粒子をバイン
ダーを用いて造粒させる方法では、バインダーの接着力
を強くすると吸収速度の改善効果が不十分となり、反対
にバインダーの接着力を弱くすると造粒物の機械的強度
が弱くなり、スクリューフィーダーや空送工程における
機械的剪断力によって造粒が壊れて元の微粒子に戻って
しまうという問題がある。
【0004】eの吸水性樹脂粒子に多孔性無機粒子を覆
う方法では樹脂粒子表面の空間が拡大され見かけの表面
積が広がり瞬間的な吸収性は改善されるものの、樹脂内
部への液の浸透性は改良されていないため、液の拡散吸
収速度は改善されていない。これらa〜eの方法では、
表面積を広げ瞬間吸収性のみを向上させるものであり、
吸水性樹脂の集合体になった場合いわゆるままこ現象が
発生しやすく、意図した性能を発揮できないことがあ
る。加えて、吸水性樹脂への被吸収溶液の内部浸透性を
改良するに至っていないことから、表面状態の変化によ
り一定の品質のものができにくい。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を鑑みて鋭意検討を重ねた結果、架橋重合体に吸熱剤を
含有させることにより、通常の粒子径のままで瞬間吸収
速度のみならず樹脂内部への拡散吸収特性が向上するこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、カルボキシル基含有単量
体、燐酸基含有単量体、及びそれらの塩からなる群より
選ばれる1種以上の水溶性単量体(a)及び架橋剤
(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と吸熱剤
(B)からなり、(B)が(A)に内蔵された吸水剤及
びその製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において架橋重合体(A)
としては、カルボキシル基含有単量体、燐酸基含有単量
体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる水溶性単量
体(a)及び架橋剤(b)を必須構成単位としたもので
あれば特に限定はなく例えば、デンプン−(メタ)アク
リル酸塩共重合体架橋物、ポリ(メタアクリル酸塩架橋
物、自己架橋したポリアクリル酸塩、ポリ燐酸塩架橋
物、ポリ(メタ)アクリル酸塩/ポリリン酸塩共重合体
架橋物、ポリ(メタ)アクリル酸/ポリアクリルアミド
共重合体架橋物等が挙げられる。好ましくは、イオン浸
透圧により多量の液を吸収・保持することができ、荷重
や外力が加わっても離水の少ないカルボン酸塩及び/又
はカルボン酸を含有する重合性単量体を主構成成分とす
る吸水性樹脂であり、更に好ましくは、デンプン−アク
リル酸塩共重合体架橋物およびポリアクリル酸塩架橋物
である。
【0008】(A)が中和塩の形態の樹脂である場合の
塩の種類および中和度については特に限定はないが、塩
の種類としては下記のものが挙げられるが、通常アルカ
リ金属塩、好ましくはナトリウム塩およびカリウム塩で
あり、酸基に対する中和度は通常50〜90モル%、好
ましくは60〜80モル%である。
【0009】水溶性単量体(a)としては、カルボキシ
ル基、燐酸基含有水溶性単量体及びそれらの塩であれば
特に限定はない。カルボン酸基を有するラジカル重合性
水溶性単量体としては炭素数3〜30のもの、例えば不
飽和モノカルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、クロ
トン酸、ソルビン酸、イタコン酸、桂皮酸等;不飽和ジ
カルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン
酸、イタコン酸等;不飽和ジカルボン酸(上記)のモノ
アルキル(炭素数1〜8)エステル、例えばマレイン酸
モノブチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マ
レイン酸のエチルカルビトールモノエステル、フマル酸
のエチルカルビトールモノエステル、シトラコン酸モノ
ブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエステル等
のカルボキシル基含有ビニル系モノマー、それらの無水
物[無水マレイン酸等]等、及びこれらの2種以上の併
用等が挙げられる。
【0010】燐酸基を有するラジカル重合性水溶性単量
体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
ルキル(炭素数2〜6)の燐酸モノエステル[例えば、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのモノホスフェー
ト等]、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素
数2〜6)の燐酸ジエステル[例えばフェニル−2−ア
クリロイロキシエチルホスフェート等]、(メタ)アク
リル酸アルキル(炭素数2〜6)ホスホン酸類[例え
ば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等]等が
挙げられる。及びこれらの塩が挙げられる。塩としては
例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩
等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウ
ム塩等)、アンモニウム塩[アンモニウム、テトラアル
キル(炭素数1〜8)アンモニウム例えばテトラオクチ
ルアンモニウム等]、有機アミン塩[炭素数2〜8のア
ルカノールアミン、ポリアルキレン(炭素数1〜8)ポ
リアミン(アミノ基数2〜10)若しくはその誘導体
[炭素数1〜8のアルキル化物、炭素数2〜12のアル
キレンオキサイド付加物(1〜30モル)等]、炭素数
1〜4の低級アルキルアミン等]等が挙げられる。
【0011】これらは2種以上併用してもよい。これら
の内で好ましい水溶性単量体は、カルボキシル基を有す
るラジカル重合性水溶性単量体およびその塩であり、更
に好ましく(メタ)アクリル酸およびその塩であり、特
にアクリル酸及びそのナトリウムが好ましい。又、重合
制御の観点、安全性の観点から単量体中に不純物として
含有されるダイマー酸は、少ない方が望ましく、好まし
くはダイマー酸含有量が20,000ppm以下であ
り、更に好ましくは10,000ppm以下である。
【0012】また、前記(a)と共重合可能なその他の
ビニル系モノマーを併用して重合することが出来る。共
重合可能なその他のビニル系モノマー(a2)として
は、酸性を示す単量体以外の単量体が挙げられる。具体
的には下記の単量体が挙げられる。 (i)非イオン性単量体 (i-1)水酸基を有する単量体;例えば、モノエチレン性
不飽和アルコール[例えば、(メタ)アリルアルコール
等];2価〜6価又はそれ以上のポリオール(例えば、
炭素数2〜20のアルキレングリコール、グリセリン、
ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(分子量1
06〜2000)等)のモノエチレン性不飽和エステル
またはエーテル[例えば、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポ
リ−オキシエチレン−オキシプロピレン(ランダムまた
はブロック)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル
(末端の水酸基はエーテル化またはエステル化されてい
てもよい)等]等;
【0013】(i-2)アミド基を有する単量体;例えば、
(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜
8)(メタ)アクリルアミド[例えば、N−メチルアク
リルアミド等]、N,N−ジアルキル(炭素数1〜8)
アクリルアミド[例えば、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N,N−ジ−n−又はi−プロピルアクリルアミ
ド等]、N−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)(メ
タ)アクリルアミド[例えば、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
ルアミド等];N,N−ジヒドロキシアルキル(炭素数
1〜8)(メタ)アクリルアミド[例えば、N,N−ジ
ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等]、ビニル
ラクタム類[例えば、N−ビニルピロリドン等]等;
【0014】(ii)第4級アンモニウム基を有する単量
体;3級アミノ基含有ビニル重合性モノマーの4級化物
(前記3級アミノ基含有ビニル重合性モノマーを炭素数
1〜8のアルキル化剤例えばメチルクロライド、ジメチ
ル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等
の4級化剤を用いて4級化したもの)、例えば、トリメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート・クロライド、
メチルジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート・メ
トサルフェート、トリメチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド・クロライド、ジエチルベンジルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド・クロライド等;
【0015】(iii)加水分解により水溶性となる単量
体;例えば、少なくとも1個の加水分解性基[酸無水物
基、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル基、ニトリ
ル基等]を有するビニル系モノマーが挙げられる。酸無
水物基を有するビニル系モノマーとしては例えば、無水
マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の炭
素数4〜20のビニル系モノマー、エステル基を有する
系重合性モノマーとしては、例えば、モノエチレン性不
飽和カルボン酸の低級アルキル(C1〜C3)エステル
[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル等]、モノエチレン性不飽和アルコールのエ
ステル[例えば、酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等]
等が挙げられる。ニトリル基を有するビニル系モノマー
としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げ
られる。これらの(a2)の加水分解は重合時であって
も重合後であってもよく、通常加水分解によって塩を形
成し水溶性となる。塩としては前記の塩形成基に記載し
た塩と同じものがあげられる。
【0016】(iv)炭素数8〜30の芳香族系単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ヒド
ロキシスチレン等のスチレン類、ビニルナフタレン類、
ジクロルスチレン等のスチレン類のハロゲン置換体等; (v)炭素数2〜20の脂肪族系単量体;アルケン[エ
チレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテ
ン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、
オクタデセン等];アルカジエン[ブタジエン、イソプ
レン等]等; (vi)炭素数5〜15の脂環式単量体;モノエチレン性
不飽和単量体[ピネン、リモネン、インデン等];ポリ
エチレン性単量体[シクロペンタジエン、ビシクロペン
タジエン、エチリデンノルボルネン等]等;
【0017】(vii)炭素数4〜50のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸エステル:n−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メ
タ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレー
ト、エイコシル(メタ)アクリレート等;(a2)の単
量体の配合量は(a)のモノマーに対して好ましくは0
〜50重量%であり、さらに好ましくは0〜25重量%
である。
【0018】架橋剤(b)としては、例えばエチレン性
不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基
と反応性官能基を有する架橋剤、反応性官能基を2個以
上有する架橋剤等が挙げられる。エチレン性不飽和基を
2個以上有する化合物の具体例としては、N,N’−メ
チレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、グリセリン(ジまたはトリ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエ
リスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。エチ
レン性不飽和基と単量体(a)の官能基(例えばカルボ
キシル基)と反応し得る官能基を有する化合物の具体例
としては、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0019】単量体(a)の官能基と反応し得る官能基
を少なくともを2個以上有する架橋剤としては、例えば
1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジ
ルエーテル化合物[エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コール(重合度2〜100)ジグリシジルエーテル、ポ
リグリセロール(重合度2〜100)ポリグリシジルエ
ーテル等];2価〜20価のポリオール化合物[グリセ
リン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール
(重合度2〜100)等];2価〜20価のポリアミン
化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等);分子量200〜500,000のポリアミン系樹
脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポ
リアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、アルキレンカー
ボネイト[エチレンカーボネイト等]、アジリジン化合
物、ポリイミン化合物等が挙げられる。これらの架橋剤
は単独で使用してもよく、又は、2種以上を併用しても
よい。
【0020】これらの架橋剤は2種類以上を併用しても
良い。これらのうち好ましいものは、エチレン性不飽和
基を2個以上有する水溶性単量体と共重合性の架橋剤で
あり、更に好ましくはN,N’−メチレンビスアクリル
アミド、エチレングリコールジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、テトラアリロキシエ
タン、ペンタエリスルトールトリアリルエーテル、トリ
アリルアミンである。架橋剤の使用量は、水溶性単量体
と架橋剤の合計質量に基づいて、通常0.0001〜5
%であり、好ましくは0.01〜2%、特に好ましくは
0.05〜1%である。架橋剤の量が0.0001%よ
り少ない場合は、吸水時にゾル状になり、吸水性樹脂の
機能である吸水・保水能力が小さくなる。また、乾燥性
が非常に悪く、生産性が非効率的である。一方5%を超
える場合は、逆に架橋が強くなりすぎ、十分な吸水・保
水能力を発揮しない。これらの重合系に、必要により各
種添加剤、連鎖移動剤(例えば、チオール化合物な
ど)、界面活性剤等を添加しても差し支えない。
【0021】本発明おける重合方法は、従来から知られ
ている方法でよく、例えば開始剤を使用した溶液重合
法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重
合法、噴霧重合法等が挙げられる。重合制御の方法では
断熱重合法、温度制御重合法、等温重合法等が挙げられ
る。重合方法として懸濁重合法または逆相懸濁重合法を
とる場合は、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面
活性剤の存在下に重合を行う。また、逆相懸濁重合法の
場合、従来から公知のシクロヘキサン、ノルマルヘキサ
ン、ノルマルヘプタン、キシレン等の溶媒を使用して重
合を行う。好ましくは重合開始剤を使用した溶液重合法
であり、特に好ましくは、有機溶媒等を使用する必要が
なく、生産コスト面で有利なことから水溶液重合法であ
る。
【0022】重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸
化物系開始剤、レドックス系開始剤及び有機ハロゲン化
合物開始剤であれば特に限定はなく従来公知のものが使
用できる。具体的には下記のものが挙げられる。 (i)アゾ系開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、
2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド等; (ii)過酸化物系開始剤としては無機過酸化物[過酸化水
素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム等]、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチ
ル)パーオキシジカーボネート等]; (iii)レドック
ス系開始剤としては、アルカリ金属の亜硫酸塩若しくは
重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウ
ム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、アスコルビン酸等の還元
剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過
酸化水素、有機過酸化物など酸化剤との組合せよりなる
もの等が挙げられる。
【0023】(iv)有機ハロゲン化合物開始剤のハロゲン
としては、弗素、塩素、臭素、沃素である。有機ハロゲ
ン化合物としては特に限定はないが、重合性の観点から
好ましくはハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルキルフ
ェニルケトン、ハロゲン化アルキルカルボン酸、ハロゲ
ン化アルキルカルボン酸アルキルエステルからなる群か
ら選ばれるハロゲン数1〜10又はそれ以上、炭素数1
〜15又はそれ以上の有機ハロゲン化合物である。さら
に好ましくは、テトラクロロメタン、トリクロロブロモ
メタン、トリクロロヨードメタン、ジクロロメチルフェ
ニルケトン、1−ブロモ−1−メチルエチルカルボン
酸、アルキル基の炭素数1〜8の1−ブロモ−1−メチ
ルエチルカルボン酸アルキルエステル(例えば1−ブロ
モ−1−メチルエチルカルボン酸メチル、1−ブロモ−
1−メチルエチルカルボン酸エチル、1−ブロモ−1−
メチルエチルカルボン酸オクチル、1−ブロモ−1−メ
チルエチルカルボン酸ラウリル)である。特に好ましく
は、ジクロロメチルフェニルケトン、アルキル基炭素数
1〜8の1−ブロモ−1−メチルエチルカルボン酸アル
キルエステルである。これらの開始剤は、単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくはアゾ
系開始剤、レドックス系開始剤及びその併用である。
【0024】重合開始剤の使用量は、(a)及び(b)
の合計質量又は(a)、(a2)及び(b)の合計質量
に基づいて、0.005〜0.5質量%が好ましく、さ
らに好ましくは0.007〜0.4質量%であり、特に
好ましくは0.009〜0.3質量%である。
【0025】本発明において(B)は吸熱剤であり、一
般には吸熱剤となる物質の溶解、凝固などの相変化に伴
う吸熱反応を利用したのもがあげられる。好ましくは、
水へ溶解する際に吸熱反応するものである。
【0026】水へ溶解する際に吸熱反応する吸熱剤の具
体例としては下記のものが挙げられる。 (i)無機酸の塩及びその水和物;塩化カリウム、塩化ア
ンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アン
モニウム等の強酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、
アンモニウム塩及びその水和物;炭酸ナトリウム、炭酸
水素アンモニウム、炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、
ホウ酸アンモニウム等の弱酸のアルカリ金属、アルカリ
土類金属、アンモニウム塩;燐酸3ナトリウム、燐酸水
素2ナトリウム、燐酸2水素ナトリウム、燐酸3アンモ
ニウム、燐酸水素2アンモニウム、燐酸2水素アンモニ
ウム、メタリン酸ナトリウム等の燐酸類のアルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩及びその水和
物;
【0027】(ii)水酸基含有有機酸の塩;酒石酸ナトリ
ウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウ
ム等及びその水和物; (iii)ホウ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸等の酸化
合物; (iv)アミノ酸及びその水和物、そのアルカリ金属、アル
カリ土類金属、塩酸等の塩;;グルタミン酸、グルタミ
ン、グルタチオン、グリシルグリシン、アラニン、β−
アラニン、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸、ア
スパラギン酸、チトロリン、トリプトファン、スレオニ
ン、アルギニン、シスチン、システイン、ヒスチジン、
オキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メ
チオニン、オルニチン、フェニルアラニン、フェニルグ
リシン、プロリン、セリン、チロリン、バリン、グリシ
ン等及びその水和物、更にそのアルカリ金属、アルカリ
土類金属、塩酸等の塩;上記化合物中の光学異性構造を
有す化合物はD体でも、L体でも、ラセミ体でもかまわ
ない。 (v)その他;尿素等;
【0028】これらのうち好ましくは効果、及び安全性
の観点から、硝酸カリウム、ホウ酸、炭酸水素アンモニ
ウム、燐酸3ナトリウム、燐酸水素2ナトリウム、燐酸
2水素ナトリウム、燐酸3アンモニウム、燐酸水素2ア
ンモニウム、燐酸2水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸アンモニウム、グルタミン酸ナトリウム1水
和物、アラニン、トリプトファン、システイン塩酸塩1
水和物、ヒスチジン塩酸塩1水和物、イソロイシン、リ
ジン塩酸塩、メチオニン、フェニルアラニン、グリシ
ン、システイン塩酸塩、尿素である。 更に好ましくは
添加効果の観点から硝酸カリウム、炭酸水素アンモニウ
ム、ホウ酸、アラニン、グリシン、尿素である。
【0029】このときの吸熱剤の水に対する吸熱は、水
への溶解エントロピー(△H1)で表すことができる。
この(△H1)は高いほど効果があり、好ましくは(△
H1)は15KJ/mol以上である。本発明の(△H
1)は、化学便覧・基礎編II■(改訂4版)[社団法人
日本化学会編 丸善株式会社発行]記載の値等を用いる
ことができる。又、添加効果の観点からは、吸熱剤1g
当たりの溶解エントロピー[(△H1)/(M)]は、下
記一般式(1)を満たすのが好ましい。 (△H1)/(M)≧0.15 (1)
【0030】一般にイオン交換膜を用いた熱浸透流速
は、カルボン酸や燐酸等の弱酸系の陽イオン膜では、高
温域から低温域への流速を生じる。本発明の吸収剤は、
吸熱剤を内蔵するため、吸水時に吸収剤内部は外部より
も低温となる。また吸水性樹脂は弱酸である単量体を必
須構成単位とするため、弱酸系の陽イオン膜と同様に、
水は外部の高温域から内部の低温域へ浸透しやすくな
り、吸水速度が改善できるものと考えられる。
【0031】架橋重合体(A)に対する吸熱剤(B)の
配合量は、通常0.1〜30質量%である。好ましくは
0.5〜25%、特に1〜20%である。添加量が0.
1%以上であると、吸収速度の向上効果がみられ、一方
30%以下の場合は、拡散吸収速度の向上は図れ、得ら
れる吸水剤粒子の機械的強度が弱くならず、かつ得られ
る吸水剤の加圧下における吸収速度の向上効果も良好と
なる。ここでいう吸水性樹脂(A)とは乾燥状態の吸水
性樹脂であり、含水ゲル中の固形分としての吸水性樹脂
である。
【0032】(B)は、(A)の含水ゲル状態で配合さ
れ、(A)を製造する際の重合工程前から乾燥工程前ま
でのいずれかの段階において配合される。より好ましく
は、(A)の重合後から乾燥工程前までの段階の含水ゲ
ル状重合体に添加して混練する方法である。乾燥工程後
に吸熱剤(B)を配合すると(B)が粒子表面を覆うか
単なる樹脂粒子と離れて混在してしまい、樹脂粒子内部
に入らず樹脂内部への拡散吸収速度は向上しない。含水
ゲル状態で(B)が配合され、徐々に含水ゲル中の水分
が蒸発することにより、微少フィラーが樹脂内部に含有
される(内蔵される)ため樹脂内部への液の拡散吸収速
度が向上するものである。
【0033】(B)は粉末、水液液のいずれの形態にし
ても添加可能である。また、(A)の含水ゲルと(B)
の配合物における含水率は、(A)の固形分に対し、2
〜10倍であることが好ましい。2倍以上であると混練
時における均一性が高くなり、得られる吸水剤の拡散吸
収速度の向上効果が良好となる。10倍以下であると乾
燥に要する時間が長くならず経済的である。
【0034】含水ゲル状態の(A)に(B)を配合し、
均一分散させるための混練装置としては、従来から公知
の装置を使用することが出来る。具体的な装置の例とし
て、双腕型ニーダー、インターナルミキサー(バンバリ
ーミキサー)、セルフクリーニング型ミキサー、ギアコ
ンパウンダー、スクリュー型押し出し機、スクリュー型
ニーダー、ミンチ機などが挙げられる。これらは複数個
を組み合わせて使用することもできる。
【0035】(B)を添加した含水ゲル状配合物の乾燥
温度は、好ましくは60〜230℃、さらに好ましくは
100〜200℃、特に105〜180℃である。乾燥
温度が60℃未満の場合、乾燥に非常に長くの時間を必
要とし経済的ではなく、一方、230℃を超える場合
は、副反応や樹脂の分解等が起こることがあり、吸収性
能と吸収速度の低下を招く。
【0036】含水ゲル状態の(A)と(B)との配合物
を乾燥する装置は通常の装置でよく、例えば、ドラムド
ライヤー、平行流バンド乾燥機(トンネル乾燥機)、通
気バンド乾燥機、噴出流(ノズルジェット)乾燥機、箱
型熱風乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。特に熱源
は限定されない。これらの乾燥機は複数個を組み合わせ
て使用することもできる。
【0037】乾燥後、粉砕及び粒度調整して得られる吸
水剤粒子の表面近傍を、カルボキシル基等の酸基及び/
又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有す
る表面架橋剤(c)で表面架橋して本発明の吸水剤とす
ることができる。このような表面架橋型の吸水剤は、常
圧下だけでなく荷重下においても吸収性能と吸収速度に
優れ、かつゲル強度も大きくなるので、本発明に好適で
ある。表面架橋に使用する架橋剤(c)としては、上記
の従来から使用されているものが適用でき、前記の単量
体(a)の官能基と反応し得る官能基を少なくともを2
個以上有する架橋剤が挙げられる。これらのうち好まし
くはポリグリシジル化合物である。
【0038】表面架橋における架橋剤の量は、架橋剤の
種類、架橋させる条件、目標とする性能などにより種々
変化させることができるため特に限定はないが、架橋重
合体(A)に対して好ましくは常0.001〜3重量
%、さらに好ましくは0.01〜2重量%、特に好まし
くは0.05〜1重量%である。架橋剤の量が0.00
1重量%以上であると表面架橋の効果が顕われ、3重量
%以下であると、吸収性能も低下せず好ましい。
【0039】含水ゲル状態の(A)と(B)の配合物中
に、必要により添加剤や増量剤として、残存単量体低減
剤(例えば、亜硫酸ナトリウム、過酸化水素など)、抗
菌剤(例えば、第4級アンモニウム塩化合物、クロルヘ
キシジン化合物、金属塩系抗菌剤など)、防腐剤、芳香
剤、消臭剤、着色剤、酸化防止剤、シリカ、ゼオライト
等を添加することが出来る。これらの添加剤は含水ゲル
状配合物の乾燥工程中または乾燥後に添加することもで
きる。
【0040】本発明の吸水剤の平均粒径は好ましくは1
00μm〜400μmであり、特に好ましくは200μ
m〜385μmである。平均粒径が400μm以下であ
ると、吸収速度が低下せず、また平均粒径が100μm
以上であると、粉塵が発生したりせず粉体ハンドリング
性の低下や作業環境の悪化という問題が生じない。更に
本発明の吸水剤の粒度分布は、吸収速度の観点から好ま
しくは850μm以上の粒子が5重量%以下であり、特
に好ましくは710μm以上の粒子が5重量%以下であ
る。
【0041】本発明の吸水剤の0.9質量%生理食塩水
に対する拡散吸収速度を17〜75ml/g、好ましく
は20〜70ml/g、更に好ましくは25〜60ml
/gとすることにより、紙おむつなどの衛生用品に使用
した場合、ドライ感の向上や漏れの低減に効果的であ
る。
【0042】本発明の吸水剤には、架橋重合体(A)の
必須構成単位である、カルボキシル基含有単量体、燐酸
基含有単量体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる
水溶性単量体(a)がごく微量ではあるが残存する。吸
水体中に残存する単量体(a)の量は好ましくは400
ppm以下であり、さらに好ましくは220ppm以
下、特に好ましくは180ppm以下である。尚、不対
電子対を有す(B)を使用した場合、(a)の残存量が
低減する傾向があり有効である。残存する単量体の量が
500ppmを越えると、安全性の面で好ましくない。
特に吸水性樹脂を紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性
物品に適用する場合、500ppm以下の残存モノマー
量とすることが強く望まれており、本発明の実施により
達成される。
【0043】本発明の吸水剤は、好ましくは、生理食塩
水に対する保水量が25g/g以上、であり、さらに好
ましくは下記の要件を満たす吸水剤である。 生理食塩水に対する保水量が30g/g以上、 20g/cm2の荷重下における生理食塩水に対する
吸収量が25g/g以上 40g/cm2の荷重下における生理食塩水に対する
吸収量が15g/g以上 60g/cm2の荷重下における生理食塩水に対する
吸収量が10g/g以上 尚、更に好ましくは下記の要件を満たす吸水剤である。 ‘生理食塩水に対する保水量が35g/g以上 ‘20g/cm2の荷重下における生理食塩水に対す
る吸収量が30g/g以上 ‘40g/cm2の荷重下における生理食塩水に対す
る吸収量が18g/g以上 ‘60g/cm2の荷重下における生理食塩水に対す
る吸収量が12g/g以上
【0044】本発明において、必要により任意の段階
(重合前、重合中、重合後)で、界面活性剤、防腐剤
(サリチル酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、メチルナフ
トキノン等の保存料、クロラミンB、ニトロフラゾン等
の殺菌料)、防かび剤(ソルビン酸、デヒドロ酢酸、p
−オキシ安息香酸ブチル等)、抗菌剤(塩化ベンザルコ
ニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン等)、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤(酸化チタン、フェライト等
の無機顔料、アゾレーキ系、ベンジイミダゾロン系、フ
タロシアニン系等の有機顔料、ニグロシン系、アニリン
系等の染料)、芳香剤(じゃ香、アビエス油、テレピン
油等の天然香料、メントール、シトラール、p−メチル
アセトフェノン、フローラル等の合成香料)、消臭剤
(ゼオライト、シリカ、フラボノイド、シクロデキスト
リン等)、無機質粉末、有機質繊維状物等を添加するこ
とができる。その量は用途によって異なるが、(A)の
質量に基づいて、好ましくは0〜20質量%であり、さ
らに好ましくは0〜18質量%である。また、本発明の
吸水剤を更に造粒や成型してもよい。
【0045】界面活性剤としてはアニオン活性剤、非イ
オン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、例えばUS
P4331447号明細書に記載のものが挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上を併用してもよい。アニオン性
界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素系エー
テルカルボン酸またはその塩、[ポリオキシエチレン
(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリ
ルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24の
炭化水素系硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、
ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫
酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度=1〜10
0)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエ
チレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノ
ールアミド硫酸ナトリウム、]、炭素数8〜24の炭化
水素系スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム等]及び炭素数8〜24の炭化水素系リン酸エス
テル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナト
リウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩
[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪
酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリ
エタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グル
タミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシ
ル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−
β−アラニンナトリウム等]、その他[スルホコハク酸
ポリオキシエチレン(重合度=1〜100)ラウロイル
エタノールアミド2ナトリウム等]等が挙げられる。
【0046】ノニオン性界面活性剤としては、具体的に
は例えば脂肪族系アルコール(炭素数8〜24)アルキ
レンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜
100)[ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加
(重合度=20)物、オレイルアルコールエチレンオキ
サイド付加(重合度=10)物、マッコーアルコールエ
チレンオキサイド付加(重合度=35)物等]、ポリオ
キシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)
高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリ
ン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)、ジステ
アリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)
等]、多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール
脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸
グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、ソ
ルビタンラウリン酸(モノ/ジ)エステル、ソルビタン
パルミチン酸(モノ/ジ)エステル、ソルビタンステア
リン酸(モノ/ジ)エステル、ソルビタンオレイン酸
(モノ/ジ)エステル、ソルビタンヤシ油(モノ/ジ)
エステル等]、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8,
重合度=1〜100)多価(2価〜10価またはそれ以
上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル
[ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタンラウ
リン酸(モノ/ジ)エステル、ポリオキシエチレン(重
合度=20)ソルビタンパルミチン酸(モノ/ジ)エス
テル、ポリオキシエチレン(重合度=15)ソルビタン
ステアリン酸(モノ/ジ)エステル、ポリオキシエチレ
ン(重合度=10)ソルビタンオレイン酸(モノ/ジ)
エステル、ポリオキシエチレン(重合度=25)ラウリ
ン酸(モノ/ジ)エステル、ポリオキシエチレン(重合
度=50)ステアリン酸(モノ/ジ)エステル、ポリオ
キシエチレン(重合度=18)オレイン酸(モノ/ジ)
エステル、ソルビタン、ポリオキシエチレン(重合度=
50)ジオレイン酸メチルグルコシド等]、脂肪酸アル
カノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールア
ミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、ポ
リオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜10
0)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル(ポ
リオキシエチレン(重合度=20)ノニルフェニルエー
テル等)、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜8、重合
度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノエ
ーテルおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル
(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルア
ミンオキシド等]、ポリジメチルシロキサンポリオキシ
エチレン付加物、ポリオキエチレン・ポリオキシプロピ
レンブロックポリマー(重量平均分子量=150〜10
000)等が挙げられる。
【0047】カチオン性界面活性剤としては、第4級ア
ンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪
酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、ア
ミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳
酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩
等]等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイ
ン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメ
チルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸
ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリル
ヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒ
ドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプ
ロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性
剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]等
が挙げられる。
【0048】酸化防止剤としては、トリエチレングリコ
ール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘ
キサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタ
デシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドトキ
シフェニルプロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエ
ステル等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;n−ブ
チルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノメチル
メタクリレート等のアミン系酸化防止剤等、及びこれら
の2種以上の併用が挙げられる。
【0049】紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−
2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤;2−(4,6−ジフェニル−1,3,
5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキ
シ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−
ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等
のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−エトキシ−2'
−エチルオキサリック酸ビスアニリド等の蓚酸アニリド
系紫外線吸収剤等、及びこれらの2種以上の併用がが挙
げられる。
【0050】無機質粉末としては、炭酸カルシウム、カ
オリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリ
サイト、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラス
粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、金属粉
末、セラミック粉末、シリカ、ゼオライト、スレート粉
等が挙げられる。形態は任意でよく、平均粒子径は好ま
しくは0.1ミクロンから1mmである。顔料として
は、例えばカーボンブラック、酸化チタン、赤色酸化
鉄、鉛丹、パラレッド、紺青等が挙げられる。
【0051】有機質繊維状物としては、天然繊維〔セル
ロース系のもの(木綿、オガクズ、ワラ等)及びその
他、草炭、羊毛、ミクロフィブリル、バクテリアセルロ
ース等〕、人造繊維(レーヨン、アセテート等のセルロ
ース系等)、合成繊維(ポリアミド、ポリエステル、ア
クリル等)、パルプ〔メカニカルパルプ(丸太からの砕
木パルプ、アスプルンド法砕木パルプ等)、ケミカルパ
ルプ(亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、硫酸塩パルプ、硝
酸パルプ、塩素パルプ等)、セミケミカルパルプ、再生
パルプ(たとえばパルプを一旦製紙して作った紙の機械
的破砕又は粉砕物、又は故紙の機械的破砕または粉砕物
である再生故紙パルプ等)等が挙げられる。
【0052】本発明の吸水剤は、使い捨て紙おむつ(子
供用および大人用紙おむつ)、生理用ナプキン、失禁者
用パッド、母乳パッド、手術用アンダーパッド、産褥マ
ット、創傷保護用ドレッシング材、ペットシートなどの
衛生用品や医療用品に特に好適である。また、各種の吸
収シート類(例えば、ペット尿吸収シート、鮮度保持シ
ート、ドリップ吸収シート、水稲育苗シート、コンクリ
ート養生シート、ケーブル類の水走り防止シートなど)
にも好適に使用することができる。更に、吸水剤の粉末
を応用する用途(例えば、土壌保水剤、ヘドロ固化剤、
廃血液や水性廃液等の固形化剤、尿ゲル化剤、電池の電
解液ゲル化剤など)にも好適に使用できる。
【0053】また、吸収性物品に本発明の吸水剤を適用
する方法としては、例えば吸水剤と繊維状物とのマトリ
ックスから構成されたものであり、例えば、 (1)層状に配置されたパルプ、熱融着性繊維等からな
る繊維状物の層の間に架橋重合体を散粒した物品; (2)パルプ、熱融着性繊維等からなる繊維状物と架橋
重合体を混合した物品; (3)二枚以上の吸水紙や不織布で、必要により繊維状
物と共に架橋重合体をサンドイッチした物品等が挙げら
れる。
【0054】繊維状物としては、例えば各種フラッフパ
ルプや綿状パルプ等、従来から吸収性物品に使用されて
いる繊維状物が挙げられ、原料(針葉樹、広葉樹等)、
製造方法〔ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、ケミ
サーモメカニカルパルプ(CTMP)等〕、漂白方法等
については特に限定されない。また、繊維状物としては
前記の有機質繊維状物の他に、必要により水に膨潤しな
い合成繊維も単独あるいは上記のフラッフパルプや綿状
パルプ等と併用して使用できる。合成繊維の例として
は、ポリオレフィン系繊維(例えば、ポリエチレン系繊
維、ポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート繊維)、ポリオレフィ
ン・ポリエステル複合繊維、ポリアミド系繊維、ポリア
クリロニトリル系繊維等が挙げられる。繊維状物の長
さ、太さについては特に限定されず通常、長さは1〜2
00mm、太さは0.1〜100デニールの範囲が好適
である。形状についても繊維状であれば特に限定され
ず、ウェブ状、細い円筒状、裁断されたスプリットヤー
ン状、ステープル状、フィラメント状等が例示される。
【0055】吸収性物品に対する本発明の吸水剤の添加
量は吸収性物品の種類やサイズ、目標とする吸収性能に
応じて種々変化させることができるが、好ましくは吸水
剤の量が吸収体物品全体の量に対して好ましくは30〜
95重量%であり、さらに好ましくは吸水剤の量が吸収
体物品全体の量に対して40〜95重量%である。
【0056】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。水溶性単量体(a)残存量、生理食塩水に対する拡
散吸収速度、保水量、20g/cm2、40g/cm
2、60g/cm2の荷重下における吸収量、水可溶性
成分量は下記の方法により測定される値である。以下、
特に定めない限り、%は質量%を示す。
【0057】<水溶性単量体(a)残存量量>架橋重合
体1gを生理食塩水249g中に分散し、攪拌下で3時
間残存モノマーの抽出を行なう。この溶液をろ過し、公
知の方法に従って、濾液を液体クロマトグラフィーで分
析する。測定した濾液中のモノマー含有量を架橋重合体
1g当たりに換算することにより残存モノマー量を求め
た。
【0058】<拡散吸収速度の測定法>JIS標準フル
イで30〜60メッシュの粒度に調整した吸水剤0.1
0gを試料として用意する。最上部、最下部、および下
方部に横穴をあけ、そこから空気が入るような細管を取
り付けた管に各々コックを取り付けた、25ml(0.
1mlまで測定可能)のビュレットを用意する。平板に
直径3mmの穴をあけ、この穴から液が供給されるよう
に管をつなげる。さらにこの管とビュレット底部を管で
つなげた測定装置を準備する。ビュレット最下部と横穴
のコックを閉じ、0.9質量%の食塩水をビュレット上
部から入れる。次にビュレット最上部のコックを閉じ、
最下部および横穴のコックを開き、ビュレットの目盛り
を読んでおく。平板の3mmの穴上に63μm目開きの
平織りナイロンメッシュを敷き、秤りとった吸水性樹脂
0.1gその上にのせ、2分後の吸収量を測定する。
【0059】<保水量>250メッシュのナイロン網で
作成したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に吸
水剤1.000gを入れ、生理食塩水(NaCl濃度
0.90%のイオン交換水溶液)中に60分間浸漬した
後、15分間吊るして水切りしてから、ティーバッグご
と遠心脱水機に入れて、150Gで90秒間遠心脱水を
行い、余剰水を取り除く。遠心脱水後の増加質量を測定
し、保水量とした。 <荷重下吸収量>250メッシュのナイロン網を底面に
貼ったプラスチック製円筒(内径25mm、高さ30m
m)内に吸水剤0.16gを入れて均一に均し、この吸
水剤の上に外径25mmでスムーズに円筒内を上下する
100gの分銅を乗せる。この時の荷重は約20g/c
m2に相当する。生理食塩水60mlの入ったシャーレ
ー(直径:12cm)の中に吸水剤と分銅の入ったプラ
スチック円筒をナイロン網側を下面にして浸し、放置す
る。吸水剤が生理食塩水を吸収して増加した質量を60
分後に測定し、その値を吸水剤1g当たりの値に換算し
て20g/cm2の荷重下における吸収量とした。40
g/cm2、60g/cm2の荷重下における吸収量
は、各々同じ外径の200g、300gの分銅を使用し
て同様の測定を行うことによって求める。
【0060】実施例1 容量1リットルのガラス製反応容器にアクリル酸ナトリ
ウム77g、アクリル酸22.7g、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド0.3gおよび脱イオン水295
gを仕込み、攪拌、混合しながら内容物の温度を3℃に
保った。内容物に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm
以下とした後、過酸化水素の1%水溶液1g、アスコル
ビン酸の0.2%水溶液1.2gおよび2,2’−アゾ
ビスアミジノプロパンジハイドロクロライドの2%水溶
液2.8gを添加・混合して重合を開始させ、約5時間
重合することにより含水ゲル状重合体(A1)を得た。
得られた(A1)の含水ゲルをインターナルミキサーで
3〜7mmの大きさに細断後に、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル0.1gとパウダー状のグリシン
(B1)を3g添加し、さらにインターナルミキサーで
均一に混合した後、150℃、風速2.0m/秒の条件
の通気型バンド乾燥機(井上金属工業製)で乾燥した。
尚、グリシンの(△H1)は58.3KJ/molであ
る。得られた乾燥物を粉砕し、粒度を調整して吸水剤
(1)を得た。この吸水剤(1)の粒度分布及び評価結
果を表1に示す。
【0061】実施例2 実施例1で得られた含水ゲル重合体(A1)にパウダー
状のグリシンを5g添加し、さらにインターナルミキサ
ーで均一に混合した後、150℃、風速2.0m/秒の
条件の通気型バンド乾燥機(井上金属工業製)で乾燥し
た。この吸水剤100gを高速攪拌しながらエチレング
リコールジグリシジルエーテルの10%水/メタノール
混合溶液(水/メタノール=70/30)を2g加えて
混合した後、140℃で30分間加熱架橋することで表
面架橋型の吸水剤(2)を得た。この吸水剤(2)の粒
度分布及び評価結果を表1に示す。 実施例3、4 実施例2において、グリシンの添加量を1g(実施例
3)あるいは10g(実施例4)に代える以外は実施例
1と同様にして得られた30〜60メッシュの粒度の乾
燥物100gを、実施例2と同様に表面架橋して、吸水
剤(3)および吸水剤(4)を得た。これらの評価結果
を表1に示す。
【0062】実施例5、6 実施例2において、グリシンに代えて、下記の尿素(実
施例5)または硝酸カリウム(実施例6)を同量使用す
る以外は実施例2と同様にして吸水剤(5)および吸水
剤(6)を得た。尚、尿素の(△H1)は15.4KJ
/molであり、硝酸カリウムの(△H1)は34.9
KJ/molである。これらの粒度分布及び評価結果を
表1に示す。
【0063】実施例7 容量1リットルのガラス製反応容器にアクリル酸ナトリ
ウム77g、アクリル酸22.7g、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド0.3gおよび脱イオン水293
gを仕込み、攪拌、混合しながらホウ素を5g添加して
内容物の温度を3℃に保った。内容物に窒素を流入して
溶存酸素量を1ppm以下とした後、過酸化水素の1%
水溶液1g、アスコルビン酸の0.2%水溶液1.2g
および2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロ
クロライドの2%水溶液2.8gを添加・混合して重合
を開始させ、約5時間重合することにより含水ゲル状重
合体配合物(AB1)を得た。得られた(AB1)の含
水ゲルをインターナルミキサーで細断した後、150
℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で乾
燥した。得られた乾燥物を粉砕し、30〜60メッシュ
の粒度に調整した後、このもの100gを高速攪拌しな
がらエチレングリコールジグリシジルエーテルの10%
水/メタノール混合溶液(水/メタノール=70/3
0)を2g加えて混合し、140℃で30分間加熱架橋
することで表面架橋型の吸水剤(7)を得た。この吸水
剤(7)の粒度分布及び評価結果を表1に示す。
【0064】実施例8 容量1リットルのガラス製反応容器にアクリル酸81.
7g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.3g
および脱イオン水241gを仕込み、攪拌、混合しなが
ら内容物の温度を3℃に保った。内容物に窒素を流入し
て溶存酸素量を1ppm以下とした後、過酸化水素の1
%水溶液1g、アスコルビン酸の0.2%水溶液1.2
gおよび2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイド
ロクロライドの2%水溶液2.8gを添加・混合して重
合を開始させ、約5時間重合することにより含水ゲル状
重合体を得た。この含水ゲル状重合体をインターナルミ
キサーで細断しながら、30%水酸化ナトリウム水溶液
109.1gを添加して混練することによりカルボン酸
の72モル%が中和された含水ゲル(A2)を得た。実
施例1と同じグリシン5gを含水ゲル(A2)に添加
し、インターナルミキサーで均一に混合した後、150
℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で乾
燥した。得られた乾燥物を粉砕し、30〜60メッシュ
の粒度に調整した後、このもの100gを高速攪拌しな
がらエチレングリコールジグリシジルエーテルの10%
水/メタノール混合溶液(水/メタノール=70/3
0)を2g加えて混合し、140℃で30分間加熱架橋
することで表面架橋型の吸水剤(8)を得た。この吸水
剤(8)の粒度分布及び評価結果を表1に示す。
【0065】比較例1 実施例1で得られた含水ゲル状重合体(A1)をインタ
ーナルミキサーで3〜7mmの大きさに細断後に、エチ
レングリコールジグリシジルエーテルを0.1g添加
し、さらにインターナルミキサーで均一に混合した後、
150℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥
機(井上金属工業製)で乾燥した。得られた乾燥物を粉
砕し、30〜60メッシュの粒度に調整することにより
比較の吸水剤(a)を得た。この比較の吸水剤(a)の
評価結果を表1に示す。
【0066】比較例2 実施例1で得られた含水ゲル状重合体(A1)をインタ
ーナルミキサーで3〜7mmの大きさに細断後に、15
0℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で
乾燥した。 得られた乾燥物を粉砕し、30〜60メッ
シュの粒度に調整して吸水剤を得た。この吸水剤100
gを高速攪拌しながらエチレングリコールジグリシジル
エーテルの10%水/メタノール混合溶液(水/メタノー
ル=70/30)を2g加えて混合した後、140℃で
30分間加熱架橋することで表面架橋型の比較の吸水剤
(b)を得た。この比較の吸水剤(b)の粒度分布及び
評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明の吸水剤及び製造法は次のような
特徴および効果を有する。 樹脂内部への拡散吸収特性が向上することから加圧吸
収量に優れる。 通常の粒子径であることから、粉体のハンドリング性
に優れる。且つ微粒子の造粒物のように、機械的剪断力
や摩擦によって微粒子の発生がほとんどない。 通常の粒子径であることから、パルプ等の繊維状物と
混合して吸収体とした場合、振動などの外力が加わって
も繊維状物からの脱離がほとんどない。 架橋重合体(A)の重合工程前から乾燥工程前までの
いずれかの段階で吸熱剤(B)を配合して乾燥するとい
う簡単な方法で拡散吸収速度の改善を計ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 230/02 C08F 230/02 C08K 3/32 C08K 3/32 3/38 3/38 5/16 5/16 C08L 101/06 C08L 101/06 Fターム(参考) 4G066 AA50D AA56D AB05D AB07A AB07D AB19A AB27D AC17B CA43 DA12 DA13 EA05 FA03 FA08 FA09 FA37 4J002 BG011 BG071 BH021 BQ001 DH036 DH046 DK006 EN116 ET016 EV086 FD206 4J100 AJ01P AJ02P AJ08P AJ09P AK31P AK32P AL08Q AL36P AL62R AL63R AL66R AM24R BA03R BA63Q BA64Q BA66Q CA03 CA04 CA23 DA22 DA36 DA37 FA03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有単量体、燐酸基含有
    単量体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以
    上の水溶性単量体(a)及び架橋剤(b)を必須構成単
    位とする架橋重合体(A)と吸熱剤(B)からなり、
    (B)が(A)に内蔵された吸水剤。
  2. 【請求項2】 該(B)が水溶解時に吸熱するものであ
    る請求項1記載の吸水剤。
  3. 【請求項3】 該(B)の水溶解時の溶解エントロピー
    (△H1)が15KJ/mol以上である請求項1又は
    2記載の吸水剤。
  4. 【請求項4】 該(B)が一般式(1)を満たす請求項
    1〜3記載の吸水剤。一般式 (△H1)/(M)≧0.15 (1) [式中、(M)は吸熱剤の分子量である]
  5. 【請求項5】 該吸水剤が(A)の含水ゲル及び吸熱剤
    (B)の混合物を乾燥したものである請求項1〜4記載
    の吸水剤。
  6. 【請求項6】 該(B)が、ホウ酸、燐酸3ナトリウ
    ム、燐酸水素2ナトリウム、燐酸2水素ナトリウム、燐
    酸3アンモニウム、燐酸水素2アンモニウム、燐酸2水
    素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウ
    ム、グルタミン酸ナトリウム1水和物、アラニン、トリ
    プトファン、システイン塩酸塩1水和物、ヒスチジン塩
    酸塩1水和物、イソロイシン、リジン塩酸塩、メチオニ
    ン、フェニルアラニン、グリシン、システイン塩酸塩、
    尿素の群より選ばれる1種以上である請求項1〜5記載
    の吸水剤。
  7. 【請求項7】 該(A)と(B)の比率が質量基準で1
    00:(0.1〜30)である請求項1〜6記載の吸水
    剤。
  8. 【請求項8】 該(A)が、重合工程前から乾燥工程前
    までのいずれかの段階で(B)を配合したものである請
    求項1〜7のいずれか記載の吸水剤。
  9. 【請求項9】 該(A)の含水ゲルと(B)の混合物を
    乾燥粉砕後、さらに表面架橋剤(c)で表面架橋したも
    のである請求項1〜8吸水剤。
  10. 【請求項10】 (c)がポリグリシジル化合物である
    請求項9記載の吸収剤。
  11. 【請求項11】 0.9%生理食塩水に対する拡散吸収
    速度が17〜75mlである請求項1〜10記載の吸水
    剤。
  12. 【請求項12】 下記の要件を満たす請求項1〜11記
    載の吸水剤。 該(a)の残存単量体量が400ppm以下、 生理食塩水に対する保水量が25g/g以上、
  13. 【請求項13】 下記の要件を満たす請求項1〜12記
    載の吸水剤。 該(a)の残存単量体量が220ppm以下、 生理食塩水に対する保水量が30g/g以上、 20g/cm2の荷重下における生理食塩水に対する
    吸収量が25g/g以上、 40g/cm2の荷重下における生理食塩水に対する
    吸収量が20g/g以上、 60g/cm2の荷重下における生理食塩水に対する
    吸収量が15g/g以上
JP2001092020A 2001-03-28 2001-03-28 吸水剤及びその製造法 Pending JP2002282687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001092020A JP2002282687A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 吸水剤及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001092020A JP2002282687A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 吸水剤及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002282687A true JP2002282687A (ja) 2002-10-02

Family

ID=18946550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001092020A Pending JP2002282687A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 吸水剤及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002282687A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116548A (ja) * 2008-10-14 2010-05-27 San-Dia Polymer Ltd 吸収性樹脂粒子、この製造方法、これを含む吸収体及び吸収性物品
JP2010233544A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Sanyo Chem Ind Ltd 土壌保水剤
EP2814854A1 (de) 2012-02-15 2014-12-24 Basf Se Wasserabsorbierende polymerpartikel mit hoher quellgeschwindigkeit und hoher permeabilität
US9587081B2 (en) 2012-02-15 2017-03-07 Basf Se Water-absorbing polymer particles with high free swell rate and high permeability

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116548A (ja) * 2008-10-14 2010-05-27 San-Dia Polymer Ltd 吸収性樹脂粒子、この製造方法、これを含む吸収体及び吸収性物品
JP2014005472A (ja) * 2008-10-14 2014-01-16 Sdp Global Co Ltd 吸収性樹脂粒子、この製造方法、これを含む吸収体及び吸収性物品
JP2010233544A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Sanyo Chem Ind Ltd 土壌保水剤
EP2814854A1 (de) 2012-02-15 2014-12-24 Basf Se Wasserabsorbierende polymerpartikel mit hoher quellgeschwindigkeit und hoher permeabilität
US9587081B2 (en) 2012-02-15 2017-03-07 Basf Se Water-absorbing polymer particles with high free swell rate and high permeability
US9738769B2 (en) 2012-02-15 2017-08-22 Basf Se Water-absorbing polymer particles with high free swell rate and high permeability
EP2814854B1 (de) * 2012-02-15 2019-01-23 Basf Se Wasserabsorbierende polymerpartikel mit hoher quellgeschwindigkeit und hoher permeabilität

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2584916C (en) Water-absorbent polymers for producing flame-retardant compositions
US4735987A (en) Method for manufacture of high-expansion type absorbent polymer
KR100858387B1 (ko) 입자상 수분흡수제 및 그 제조방법과 수분흡수성 물품
JP5022226B2 (ja) 吸水性樹脂の表面処理方法
JP5889349B2 (ja) ポリアクリル酸系吸水性樹脂粉末及びその製造方法
CN101622065B (zh) 粒子状吸水剂及其制造方法
JP5084513B2 (ja) 改質された吸水性樹脂の製造方法
KR0137347B1 (ko) 흡수수지의 제조방법
JPWO2018062539A1 (ja) 吸水性樹脂組成物
US20050245684A1 (en) Water absorbing agent and method for the production thereof
JP2003206305A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
KR20010012132A (ko) 레질리언스성의 초흡수성 조성물
EP1347790A1 (de) Aborbierende zusammensetzungen
CN101100526A (zh) 具有改善的渗透性和压力下的吸收率的吸水性聚合物结构体
JP2003165883A (ja) 吸水性重合体とこれを用いてなる吸収性物品
KR20190129938A (ko) 라디칼 중합용 분자량 제어제, 그것을 사용한 중합체의 제조 방법 및 중합체
US20220023114A1 (en) Water absorbent resin particles
WO2020122210A1 (ja) 吸水性樹脂粒子の液体漏れ性を評価する方法
JP4717979B2 (ja) 吸水性樹脂の製造法
JP4550256B2 (ja) 吸水性樹脂の製造法
JP2002282687A (ja) 吸水剤及びその製造法
WO1999003577A1 (fr) Composition absorbante, son procede de production, et article absorbant
WO2021132266A1 (ja) 吸水性樹脂粒子、吸収体、吸水シート、吸収性物品、吸水性樹脂粒子の製造方法
JP2019094444A (ja) 吸水性樹脂粒子及びその製造方法
JP7291686B2 (ja) 吸水性樹脂粒子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040210