JP6979759B2 - 水性液体吸収性樹脂粒子並びにこれを用いた吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

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本発明は水性液体吸収性樹脂粒子並びにこれを用いた吸収体及び吸収性物品に関するものである。
現在、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料には、パルプ等の親水性繊維とアクリル酸(塩)等とを主原料とする水性液体吸収性樹脂が吸収体として幅広く利用されている。近年のQOL(Quality Of Life)向上の観点からこれら衛生材料はより軽量かつ薄型のものへと需要が遷移しており、これに伴って親水性繊維の使用量低減が望まれるようになってきた。そのため、これまで親水性繊維が担ってきた吸収体中での液拡散性や初期吸収の役割を水性液体吸収性樹脂それ自体に求められるようになり、加重下での吸液性及び膨潤したゲル間の通液性の高い水性液体吸収性樹脂が必要とされてきた。
膨潤ゲル間の通液性を向上させる手法として、SAP(Super Absorbent Polymer)表面を特異的に架橋することにより水性液体吸収性樹脂表面の架橋密度を高め、膨潤ゲル表面の変形を抑制し、ゲル間隙を効率的に形成する方法が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら従来の表面架橋だけでは膨潤ゲル間の通液性は十分満足いくものではなかった。
膨潤ゲル間の通液性を向上させる手法として(1)シリカ及びタルク等の無機化合物を添加することにより物理的なスペースを形成させる方法、(2)変性シリコーン等の表面自由エネルギーの小さい疎水性高分子で表面処理することにより、膨潤ゲル同士の合着を抑制してゲル間隙を形成させる方法及び(3)硫酸アルミニウムや乳酸アルミニウム等を添加する方法が既に知られている(例えば、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。しかしこれらの方法では、膨潤したゲル間の通液性を向上させることができるものの、輸送やオムツ製造工程を経た後での荷重下での吸収量が低下するという問題や、輸送やオムツ製造工程の際に樹脂粒子が壊れてしまい、通液性が低下してしまうという問題があった。
国際公開第00/053664号パンフレット 特開2012−161788号公報 特開2013−133399号公報 特開2014−512440号公報
本発明の目的は、輸送やオムツ製造工程を経た後でも、膨潤したゲル間の通液性及び荷重下での吸収性能の両立が可能な水性液体吸収性樹脂粒子を提供することである。
本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と、炭素数4以下の多価アルコール(c)及び多価金属塩(d)を含有し、多価アルコール(c)と多価金属塩(d)の含有重量比(c)/(d)が0.95〜5.5であり、エネルギー分散型X線分析法を用いた元素マッピングにより求められる多価金属塩(d)による表面被覆率が50〜100%である水性液体吸収性樹脂粒子(以下、水性液体吸収性樹脂粒子(P)とも表記する);前記水性液体吸収性樹脂粒子(P)を含む吸収体;前記吸収体を用いた吸収性物品である。
本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)は、その表面の少なくとも一部が多価金属塩で被覆されていることにより輸送やオムツ製造工程の際に樹脂粒子が壊れることが抑制され(以下、壊れにくさを耐壊れ性という)、輸送やオムツ製造工程を経た後での加重下での、吸収性及び膨潤ゲル間の通液性が非常に優れており、さまざまの使用状況においても安定して優れた吸収性能(例えば液拡散性、吸収速度及び吸収量)を発揮し、カブレが生じにくい。
ゲル通液速度を測定するための濾過円筒管を模式的に表した断面図である。 ゲル通液速度を測定するための加圧軸及びおもりを模式的に表した斜視図である。
本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と、炭素数4以下の多価アルコール(c)、及び多価金属塩(d)を含有し、多価アルコール(c)と多価金属塩(d)の含有重量比[(c)/(d)]が0.95〜5.5である。
本発明における水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく、公知のモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0007〜0023段落に開示されている少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するビニルモノマー(例えばアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー)、特開2003−165883号公報の0009〜0024段落に開示されているアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー並びに特開2005−75982号公報の0041〜0051段落に開示されているカルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するビニルモノマーが使用できる。
加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)[以下、加水分解性ビニルモノマー(a2)ともいう。]は特に限定はなく、公知{例えば、特許第3648553号公報の0024〜0025段落に開示されている加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するビニルモノマー、特開2005−75982号公報の0052〜0055段落に開示されている少なくとも1個の加水分解性置換基[1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−CO−O−CO−)基、アシル基及びシアノ基等]を有するビニルモノマー}のビニルモノマー等が使用できる。なお、水溶性ビニルモノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解するビニルモノマーを意味する。また、加水分解性ビニルモノマー(a2)における加水分解性とは、水及び必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により加水分解され、水溶性になる性質を意味する。加水分解性ビニルモノマー(a2)の加水分解は、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれで行っても良いが、得られる水性液体吸収性樹脂粒子(P)の吸収性能の観点から、重合後が好ましい。
これらの内、吸収性能等の観点から好ましいのは水溶性ビニルモノマー(a1)、より好ましいのはアニオン性ビニルモノマー、カルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ−、ジ−若しくはトリ−アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー、更に好ましいのはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド、とりわけ好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)、最も好ましいのはアクリル酸(塩)である。
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH)塩等が挙げられる。これらの塩の内、吸収性能等の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、更に好ましいのはアルカリ金属塩、特に好ましいのはナトリウム塩である。
水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)のいずれかを構成単位とする場合、それぞれ1種を単独で構成単位としてもよく、また、必要により2種以上を構成単位としても良い。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合も同様である。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合、これらの含有モル比[(a1)/(a2)]は、75/25〜99/1が好ましく、更に好ましくは85/15〜95/5、特に好ましくは90/10〜93/7、最も好ましくは91/9〜92/8である。この範囲内であると、吸収性能が更に良好となる。
架橋重合体(A)の構成単位として、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)を構成単位とすることができる。その他のビニルモノマー(a3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)としては特に限定はなく、公知(例えば、特許第3648553号公報の0028〜0029段落に開示されている疎水性ビニルモノマー、特開2003−165883号公報の0025段落及び特開2005−75982号公報の0058段落に開示されているビニルモノマー等)の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、具体的には例えば下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);並びにアルカジエン(ブタジエン及びイソプレン等)等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー(ピネン、リモネン及びインデン等);並びにポリエチレン性ビニルモノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量(モル%)は、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の合計モル数に基づいて、0〜5が好ましく、更に好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜2、とりわけ好ましくは0〜1.5であり、吸収性能等の観点から、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
架橋剤(b)としては特に限定はなく公知(例えば、特許第3648553号公報の0031〜0034段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有してかつ少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋剤及び水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個有する架橋剤、特開2003−165883号公報の0028〜0031段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤及び反応性置換基を2個以上有する架橋剤、特開2005−75982号公報の0059段落に開示されている架橋性ビニルモノマー並びに特開2005−95759号公報の0015〜0016段落に開示されている架橋性ビニルモノマー)の架橋剤等が使用できる。これらの内、吸収性能等の観点から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、更に好ましいのはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及び炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、特に好ましいのはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル、最も好ましいのはペンタエリスリトールトリアリルエーテルである。架橋剤(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
架橋剤(b)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の、合計モル数に基づいて、0.001〜5が好ましく、更に好ましくは0.005〜3、特に好ましくは0.01〜1である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
架橋重合体(A)の製造方法としては、公知の溶液重合(断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55−133413号公報等)や、公知の懸濁重合法や逆相懸濁重合(特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報及び特開平1−5808号公報等)によって得られる含水ゲル重合体(架橋重合体と水とからなる。)を必要により加熱乾燥、粉砕することで得ることができる。架橋重合体(A)は、1種単独でも良いし、2種以上の混合物であっても良い。
重合方法の内、好ましいのは溶液重合法であり、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、特に好ましいのは水溶液重合法であり、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない水性液体吸収性樹脂が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が最も好ましい。
水溶液重合を行う場合、水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用することができ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの2種以上の混合物を挙げられる。
水溶液重合を行う場合、有機溶媒の使用量(重量%)は、水の重量を基準として40以下が好ましく、更に好ましくは30以下である。
重合に触媒を用いる場合、従来公知のラジカル重合用触媒が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合触媒の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の、合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、更に好ましくは0.001〜2である。
重合方法として懸濁重合法又は逆相懸濁重合法をとる場合は、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行っても良い。また、逆相懸濁重合法の場合、従来公知のキシレン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタン等の炭化水素系溶媒を使用して重合を行うことができる。
重合開始温度は、使用する触媒の種類によって適宜調整することができるが、0〜100℃が好ましく、更に好ましくは5〜80℃である。
重合に溶媒(有機溶媒及び水等)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜10が好ましく、更に好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。この範囲であると、水性液体吸収性樹脂粒子(P)の吸収性能が更に良好となる。
溶媒に水を含む場合、留去後の水分(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜20が好ましく、更に好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜9、最も好ましくは3〜8である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
重合によって得られる含水ゲル重合体は、必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は50μm〜10cmが好ましく、更に好ましくは100μm〜2cm、特に好ましくは1mm〜1cmである。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性が更に良好となる。
細断は、公知の方法で行うことができ、細断装置(例えば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機)等を使用して細断できる。また、必要に応じて、上記のようにして得られる含水ゲル重合体にアルカリを混合して中和することもできる。
アルカリは、公知{特許第3205168号公報等}のものが使用できる。これらのうち、吸水性能の観点から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、さらに好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、特に好ましくは水酸化ナトリウムである。中和率は、通液性の観点から、50〜100%が好ましく、更に好ましくは、60〜80%である。
なお、有機溶媒の含有量及び水分は、赤外水分測定器[(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W]により加熱したときの測定試料の重量減量から求められる。
溶媒(水を含む。)を留去する方法としては、80〜230℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。
架橋重合体(A)は、乾燥後に粉砕することができる。粉砕方法については、特に限定はなく、粉砕装置(例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機)等が使用できる。粉砕された架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
必要によりふるい分けした場合の、架橋重合体(A)は、場合によって、残留溶媒や残存架橋成分等の他の成分を多少含んでも良い。架橋重合体(A)の重量平均粒子径(μm)は、100〜800が好ましく、更に好ましくは200〜700、次に好ましくは250〜600、特に好ましくは300〜500、最も好ましくは350〜450である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿、の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
また、架橋重合体(A)に含まれる微粒子の含有量は少ない方が吸収性能が良好となるため、架橋重合体(A)の合計重量に占める106μm以下(好ましくは150μm以下)の微粒子の含有率(重量%)は3以下が好ましく、更に好ましくは1以下である。微粒子の含有量は、上記の重量平均粒子径を求める際に作成するグラフを用いて求めることができる。
架橋重合体(A)の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらの内、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
架橋重合体(A)は、通液性の観点から疎水性物質(g)を含有することが好ましい。
疎水性物質(g)としては、炭化水素基を含有する疎水性物質(g1)、フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(g2)及びポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(g3)等が含まれる。
炭化水素基を含有する疎水性物質(g1)としては、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂誘導体、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂誘導体、ワックス、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪族アミド及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
ポリオレフィン樹脂としては、炭素数2〜4のオレフィン{エチレン、プロピレン、イソブチレン及びイソプレン等}を必須構成単量体(オレフィンの含有量はポリオレフィン樹脂の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(エチレン−イソブチレン)及びイソプレン等}が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂誘導体としては、ポリオレフィン樹脂にカルボキシ基(−COOH)や1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−COOCO−)等を導入した重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、ポリエチレン熱減成体、ポリプロピレン熱減成体、マレイン酸変性ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、マレイン化ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体のマレイン化物等}が挙げられる。
ポリスチレン樹脂としては、重量平均分子量1000〜100万の重合体等が使用できる。
ポリスチレン樹脂誘導体としては、スチレンを必須構成単量体(スチレンの含有量は、ポリスチレン誘導体の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体及びスチレン−イソブチレン共重合体等}が挙げられる。
ワックスとしては、融点50〜200℃のワックス{たとえば、パラフィンワックス、ミツロウ、カルバナワックス及び牛脂等}が挙げられる。
長鎖脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル{たとえば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、グリセリンラウリン酸モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンオレイン酸モノエステル、ペンタエリスリットラウリン酸モノエステル、ペンタエリスリットステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリットオレイン酸モノエステル、ソルビットラウリン酸モノエステル、ソルビットステアリン酸モノエステル、ソルビットオレイン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸ジエステル、ショ糖パルミチン酸トリエステル、ショ糖ステアリン酸モノエステル、ショ糖ステアリン酸ジエステル、ショ糖ステアリン酸トリエステル及び牛脂等}が挙げられる。
長鎖脂肪酸及びその塩としては、炭素数8〜30の脂肪酸{たとえば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ダイマー酸及びベヘニン酸等}が挙げられ、その塩としては亜鉛、カルシウム、マグネシウム又はアルミニウム(以下、それぞれZn、Ca、Mg、Alと略す)との塩{たとえば、パルミチン酸Ca、パルミチン酸Al、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Al等}が挙げられる。
長鎖脂肪族アルコールとしては、炭素数8〜30の脂肪族アルコール{たとえば、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等}が挙げられる。吸収性物品の耐モレ性の観点等から、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールが好ましく、さらに好ましくはステアリルアルコールである。
長鎖脂肪族アミドとしては、炭素数8〜30の長鎖脂肪族一級アミンと炭素数1〜30の炭化水素基を有するカルボン酸とのアミド化物、アンモニア又は炭素数1〜7の1級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物、炭素数8〜30の脂肪族鎖を少なくとも1つ有する長鎖脂肪族二級アミンと炭素数1〜30のカルボン酸とのアミド化物及び炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基を2個有する二級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物が挙げられる。
炭素数8〜30の長鎖脂肪族一級アミンと炭素数1〜30の炭化水素基を有するカルボン酸とのアミド化物としては、1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応した物と1:2で反応した物に分けられる。1:1で反応した物としては、酢酸N−オクチルアミド、酢酸N−ヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−オクチルアミド及びヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。1:2で反応したものとしては、二酢酸N−オクチルアミド、二酢酸N−ヘキサコシルアミド、ジヘプタコサン酸N−オクチルアミド及びジヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応した物の場合、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
アンモニア又は炭素数1〜7の1級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物としては、アンモニア又は1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応した物と1:2で反応した物に分けられる。1:1で反応した物としては、ノナン酸アミド、ノナン酸メチルアミド、ノナン酸N−ヘプチルアミド、ヘプタコサン酸アミド、ヘプタコサン酸N−メチルアミド、ヘプタコサン酸N−ヘプチルアミド及びヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。1:2で反応したものとしては、ジノナン酸アミド、ジノナン酸N−メチルアミド、ジノナン酸N−ヘプチルアミド、ジオクタデカン酸アミド、ジオクタデカン酸N−エチルアミド、ジオクタデカン酸N−ヘプチルアミド、ジヘプタコサン酸アミド、ジヘプタコサン酸N−メチルアミド、ジヘプタコサン酸N−ヘプチルアミド及びジヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、アンモニア又は1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応した物としては、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
炭素数8〜30の脂肪族鎖を少なくとも1つ有する長鎖脂肪族二級アミンと炭素数1〜30のカルボン酸とのアミド化物としては、酢酸N−メチルオクチルアミド、酢酸N−メチルヘキサコシルアミド、酢酸N−オクチルヘキサコシルアミド、酢酸N−ジヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルオクチルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−オクチルヘキサコシルアミド及びヘプタコサン酸N−ジヘキサコシルアミド等が挙げられる。
炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基を2個有する二級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物としては、ノナン酸N−ジメチルアミド、ノナン酸N−メチルヘプチルアミド、ノナン酸N−ジヘプチルアミド、ヘプタコサン酸N−ジメチルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルヘプチルアミド及びヘプタコサン酸N−ジヘプチルアミド等が挙げられる。
フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する疎水性物質(g2)としては、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロアリール、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルアルコール及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質(g3)としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン{ポリオキシエチレン変性ポリシロキサン及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)変性ポリシロキサン等}、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等及びこれらの混合物等が含まれる。
疎水性物質(g)のHLB値は、1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜7である。この範囲であると、吸収性物品の耐モレ性がさらに良好となる。なお、HLB値は、親水性−疎水性バランス(HLB)値を意味し、小田法(新・界面活性剤入門、197頁、藤本武彦、三洋化成工業株式会社発行、1981年発行)により求められる。
疎水性物質(g)のうち、吸収性物品の耐モレ性の観点から、炭化水素基を含有する疎水性物質(g1)が好ましく、より好ましくは長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール並びに長鎖脂肪族アミドであり、さらに好ましくはソルビットステアリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Zn及びステアリン酸Al、特に好ましくはショ糖ステアリン酸エステル及びステアリン酸Mgであり、最も好ましくはショ糖ステアリン酸モノエステルである。
本発明における炭素数4以下の多価アルコール(c)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。これらの内、安全性や入手の容易さの観点から、プロピレングリコール及びグリセリンが好ましく、更に好ましいのはプロピレングリコールである。(c)を用いることにより多価金属塩(d)による樹脂粒子の被覆率が向上し、樹脂粒子の耐壊れ性が向上する。(c)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
炭素数4以下の多価アルコール(c)の使用量(重量%)は、吸収性能及び耐壊れ性の観点から架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.05〜5が好ましく、更に好ましくは0.1〜3、特に好ましくは0.2〜2である。
本発明における多価金属塩(d)としては、ジルコニウム、アルミニウム又はチタニウムの無機酸塩が挙げられ、(d)を形成する無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸及びリン酸等が挙げられる。ジルコニウムの無機酸塩としては、硫酸ジルコニウム及び塩化ジルコニウム等が挙げられ、アルミニウムの無機酸塩としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アンモニムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム及び硫酸ナトリウムアルミニウム等が挙げられ、チタニウムの無機酸塩としては、硫酸チタニウム、塩化チタニウム及び硝酸チタニウム等が挙げられる。
これらの内、樹脂粒子表面への被覆性の観点から、アルミニウムの無機酸塩及びチタニウムの無機酸塩が好ましく、更に好ましいのは硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム及び硫酸ナトリウムアルミニウムである。特に好ましいのは、架橋重合体(A)の表面の少なくとも一部を(d)で被覆されると樹脂粒子の耐壊れ性が向上する観点から、20〜150℃に融点を持つ塩である硫酸カリウムアルミニウム及び硫酸ナトリウムアルミニウムであり、最も好ましいのは硫酸ナトリウムアルミニウムである。(d)は、1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
多価金属塩(d)の使用量(重量%)は、吸収性能及び耐壊れ性の観点から架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.05〜5が好ましく、更に好ましくは0.2〜2.0、特に好ましくは0.35〜1.5である。ここで、多価金属塩(d)が、水和物である場合、水和水を除く質量を基準とする。
炭素数4以下の多価アルコール(c)と多価金属塩(d)の含有重量比(c)/(d)は、吸収性能、通液性の観点から0.95〜5.5であり、好ましくは1.1〜4.5であり、更に好ましくは、1.3〜3.5である。
本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)は、架橋重合体(A)と、炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価金属塩(d)を含有する。本発明においてはこれは、好ましくは、架橋重合体(A)を炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価金属塩(d)及び多価グリシジル化合物(e)を用いて表面処理することにより実現することができる。表面処理の過程で多価グリシジル化合物(e)は反応により消費され、水性液体吸収性樹脂粒子(P)中には残留しないことが好ましい。
本発明における多価グリシジル化合物(e)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル等が挙げられ、多価アルコールの価数は吸収性能の観点から2〜8価、更に好ましくは2〜3価であり、1分子当たりのグリシジル基の個数は、吸収性能の観点から好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜4である。(e)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
多価グリシジル化合物(e)の使用量(重量%)は、吸収性能の観点から架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001〜3が好ましく、更に好ましくは0.005〜2、特に好ましくは0.01〜1である。
本発明において、架橋重合体(A)を炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価金属塩(d)及び多価グリシジル化合物(e)を用いて表面処理する方法としては、以下の[I]〜[III]の方法等が好ましい。
・方法[I]:
炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価金属塩(d)、多価グリシジル化合物(e)及び水を含有する混合液(W1)を用いて架橋重合体(A)を表面処理する方法。
・方法[II]:
炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価グリシジル化合物(e)及び水を含有し、多価金属塩(d)を含有しない混合液(W2)と、炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価金属塩(d)及び水を含有し、多価グリシジル化合物(e)を含有しない混合液(W3)とを用いて架橋重合体(A)を表面処理する方法であって、以下の(1)〜(3)の工程のいずれかを含む方法:
(1)混合液(W2)で架橋重合体(A)を表面処理した後、加熱処理を行い又は加熱処理を行わずに、混合液(W3)で更に表面処理する工程;
(2)混合液(W3)で架橋重合体(A)を表面処理した後、加熱処理を行い又は加熱処理を行わずに、混合液(W2)で更に表面処理する工程;
(3)混合液(W2)と混合液(W3)で同時に表面処理する工程。
・方法[III]:
炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価グリシジル化合物(e)及び水を含有し、多価金属塩(d)を含有しない混合液(W2)と、多価金属塩(d)及び水を含有し、炭素数4以下の多価アルコール(c)及び多価グリシジル化合物(e)を含有しない混合液(W4)とを用いて架橋重合体(A)を表面処理する方法であって、以下の(4)〜(6)の工程のいずれかを含む方法:
(4)混合液(W2)で架橋重合体(A)を表面処理した後、加熱処理を行わずに混合液(W4)で更に表面処理する工程;
(5)混合液(W4)で架橋重合体(A)を表面処理した後、加熱処理を行い又は加熱処理を行わずに、混合液(W2)で更に表面処理する工程;
(6)混合液(W2)と混合液(W4)で同時に表面処理する工程。
方法[I]〜[III]の内、生産性の観点から好ましいのは[I]である。
方法[I]の具体例としては、例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等の混合装置を用いて炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価金属塩(d)、多価グリシジル化合物(e)及び水を含有する混合液(W1)と架橋重合体(A)を均一混合する方法が挙げられる。
混合する方法としては、架橋重合体(A)に混合液(W1)を噴霧するか、混合液(W1)に架橋重合体(A)をディッピングする方法等が挙げられ、好ましくは、架橋重合体(A)に混合液(W1)を噴霧して混合する方法である。
方法[I]により表面処理する際の温度は特に限定されないが、10〜150℃が好ましく、更に好ましくは20〜100℃、特に好ましくは25〜80℃である。
方法[I]により表面処理した後、加熱処理を行う。加熱温度は、樹脂粒子の耐壊れ性の観点から好ましくは100〜150℃、更に好ましくは110〜145℃、特に好ましくは125〜140℃である。150℃以下の加熱であれば蒸気を利用した間接加熱が可能であり設備上有利であり、100℃未満の加熱温度では吸収性能が悪くなる場合がある。また、加熱時間は加熱温度により適宜設定することができるが、吸収性能の観点から、好ましくは5〜60分、更に好ましくは10〜40分である。
方法[II]及び[III]において、混合液(W2)〜(W4)で樹脂粒子を表面処理する方法の具体例としては、上記方法[I]における具体例と同様の方法が挙げられる。
なお、方法[II]において混合液(W2)と混合液(W3)で同時に表面処理する方法及び方法[III]において混合液(W2)と混合液(W4)で同時に表面処理する方法としては、上記混合装置に架橋重合体(A)を仕込み、混合液(W2)と混合液(W3)、又は混合液(W2)と混合液(W4)を別々かつ同時に投入して均一混合する方法が挙げられる。
方法[II]の工程(1)及び(2)並びに方法[III]の工程(5)において、異なる混合液での表面処理の間に加熱処理する場合、その加熱温度及び加熱時間は、上記方法[I]の表面処理後の加熱処理における加熱温度及び加熱時間と同様である。
なお、方法[III]の工程(4)においては、混合液(W2)での表面処理と混合液(W4)での表面処理の間で加熱処理を行うと耐壊れ性が低下するため、混合液(W2)での表面処理後、加熱処理を行わずに混合液(W4)で表面処理する必要がある。
方法[II]及び[III]により表面処理した後、加熱処理を行う。その際の加熱温度及び加熱時間は上記方法[I]の表面処理後の加熱処理における加熱温度及び加熱時間と同様である。
本発明においては、無機粒子(f)を用いて樹脂粒子を表面処理する工程を含むことができ、水性液体吸収性樹脂粒子(P)は、無機粒子(f)で樹脂粒子が表面処理されてなるものでもよい。無機粒子(f)で表面処理されることにより、通液性が向上する。
無機粒子(f)としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、クレー及びタルク等が挙げられ、入手の容易性や扱いやすさ、吸収性能の観点から、コロイダルシリカ及びシリカが好ましく、更に好ましいのはコロイダルシリカである。(f)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
無機粒子(f)の使用量(重量%)は、吸収性能の観点から架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、更に好ましくは0.05〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
無機粒子(f)での表面処理は、架橋重合体(A)に対して行ってもよいし、上記方法[II]の工程(1)、工程(2)及び[III]の工程(4)、工程(5)において、1回目の表面処理が終わった後であって更に表面処理を行う前の樹脂粒子に行ってもよいし、あるいは、上記方法[I]〜[III]の表面処理を行った後の樹脂粒子に行ってもよい。
架橋重合体(A)を無機粒子(f)を用いて表面処理する場合、上記方法[I]における混合液(W1)に無機粒子(f)を含有させる方法、上記方法[II]における混合液(W2)及び/又は混合液(W3)に無機粒子(f)を含有させる方法並びに上記方法[III]における混合液(W2)及び/又は混合液(W4)に無機粒子(f)を含有させる方法が好ましい。
本発明における水性液体吸収性樹脂粒子(P)は、必要に応じて、更に表面架橋剤により表面架橋処理されていてもよい。表面架橋剤としては、公知(特開昭59−189103号公報に記載の多価グリシジル化合物、多価アミン、多価アジリジン化合物及び多価イソシアネート化合物等、特開昭58−180233号公報及び特開昭61−16903号公報の多価アルコール、特開昭61−211305号公報及び特開昭61−252212号公報に記載のシランカップリング剤、特表平5−508425号公報に記載のアルキレンカーボネート、特開平11−240959号公報に記載の多価オキサゾリン化合物並びに特開昭51−136588号公報及び特開昭61−257235号公報に記載の多価金属等)の表面架橋剤等が使用できる。これらの表面架橋剤の内、経済性及び吸収特性の観点から、多価グリシジル化合物、多価アルコール及び多価アミンが好ましく、更に好ましいのは多価グリシジル化合物及び多価アルコール、特に好ましいのは多価グリシジル化合物、最も好ましいのはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。表面架橋剤は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
表面架橋処理をする場合、表面架橋剤の使用量(重量%)は、表面架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸収特性の観点等から、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001〜3が好ましく、更に好ましくは0.005〜2、特に好ましくは0.01〜1である。
表面架橋処理は、炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価金属塩(d)及び多価グリシジル化合物(e)による架橋重合体(A)の表面処理と同時に行うことも、別々に、上記表面処理の前又は後に、行うこともできる。
表面架橋処理を(c)〜(e)による表面処理工程と同時に行う方法としては、表面架橋剤を上記方法[I]〜[III]における混合液(W1)〜(W4)に添加する方法が挙げられる。
表面架橋処理を(c)〜(e)による表面処理工程とは別に行う場合、表面架橋処理の方法は、公知(たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報)の方法が適用できる。
本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)は、必要に応じて、添加剤(例えば、公知(特開2003−225565号及び特開2006−131767号等に記載)の防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、通液性向上剤及び有機質繊維状物等)を含むこともできる。これらの添加剤を含有させる場合、添加剤の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、更に好ましくは0.01〜5、特に好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.5である。
本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)は、その表面の少なくとも一部が多価金属塩(d)で被覆されている。多価金属塩(d)による樹脂粒子表面の被覆率は、吸水性能の観点から50〜100%であることが好ましく、更に好ましくは60〜100%、特に好ましくは75%〜100%、最も好ましくは90%〜100%である。なお、被覆率はエネルギー分散型X線分析法を用いた元素マッピングにより測定される。
本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)の見掛け密度(g/ml)は、0.54〜0.70が好ましく、更に好ましくは0.56〜0.65、特に好ましくは0.58〜0.60である。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性が更に良好となる。なお、(P)の見掛け密度は、JIS K7365:1999に準拠して、25℃で測定される。
本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)の保水量(g/g)は、後述する方法で測定することができ、オムツの吸収量の観点から好ましくは28以上であり、33以上が更に好ましく、35以上がより更に好ましい。また、上限値は、荷重下での吸収量の観点から、60以下が好ましく、49以下がさらに好ましく、45以下がより更に好ましい。保水量は、炭素数4以下の多価アルコール(c)、多価グリシジル化合物(e)の使用量(重量%)で適宜調整することができる。
水性液体吸収性樹脂粒子(P)のゲル通液速度(ml/分)は、後述する方法で測定することができ、オムツの吸収速度の観点から好ましくは15〜300であり、18〜280が更に好ましく、特に好ましくは、25〜250である。ゲル通液速度は保水量と相反することが経験的に知られており、オムツの構成により高保水量が求められる場合と高ゲル通液速度が求められる場合とがある。
本発明の吸収体は、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P)を含有する。吸収体としては、水性液体吸収性樹脂粒子(P)を単独で用いても良く、他の材料と共に用いて吸収体としても良い。
他の材料としては繊維状物等が挙げられる。繊維状物と共に用いた場合の吸収体の構造及び製造方法等は、公知のもの(特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等)と同様である。
上記繊維状物として好ましいのは、セルロース系繊維、有機系合成繊維及びセルロース系繊維と有機系合成繊維との混合物である。
セルロース系繊維としては、例えばフラッフパルプ等の天然繊維、ビコースレーヨン、アセテート及びキュプラ等のセルロース系化学繊維が挙げられる。このセルロース系天然繊維の原料(針葉樹及び広葉樹等)、製造方法(ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、メカニカルパルプ及びCTMP等)及び漂白方法等は特に限定されない。
有機系合成繊維としては、例えばポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン系繊維及び熱融着性複合繊維(融点の異なる上記繊維の少なくとも2種を鞘芯型、偏芯型、並列型等に複合化された繊維、上記繊維の少なくとも2種をブレンドした繊維及び上記繊維の表層を改質した繊維等)が挙げられる。
これらの繊維状基材の内で好ましいのは、セルロース系天然繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリエステル系繊維、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維であり、更に好ましいのは、得られた吸水剤の吸水後の形状保持性に優れるという点で、フラッフパルプ、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維である。
上記繊維状物の長さ、太さについては特に限定されず、長さは1〜200mm、太さは0.1〜100デニールの範囲であれば好適に使用することができる。形状についても繊維状であれば特に限定されず、細い円筒状、スプリットヤーン状、ステープル状、フィラメント状及びウェブ状等が例示される。
水性液体吸収性樹脂粒子(P)を、繊維状物と共に吸収体とする場合、水性液体吸収性樹脂粒子(P)と繊維の重量比率(水性液体吸収性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は40/60〜90/10が好ましく、更に好ましくは70/30〜80/20である。
本発明の吸収性物品は上記吸収体を用いる。吸収性物品としては、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生用品のみならず、後述する各種水性液体の吸収や保持剤用途、ゲル化剤用途等の各種用途に使用されるものとして適用可能である。吸収性物品の製造方法等は、公知のもの(特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等に記載のもの)と同様である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。なお、水性液体吸収性樹脂粒子の多価金属塩(d)による被覆率、生理食塩水に対する保水量、荷重下吸収量及びゲル通液速度は以下の方法により測定した。
<多価金属塩(d)による被覆率の測定方法>
カーボンテープを貼った試料台に測定試料を10粒以上、粒子同士が重ならないように固定し、Oxford社製エネルギー分散型X線分析(EDS分析)装置を付属した、JEOL社製電界放出型走査電子顕微鏡「JSM−7000」にセットした。倍率を150倍にし、粒子1粒を画面に表示し、元素マッピングモードでEDS分析を行った。多価金属塩(d)の特徴元素(例えば、硫酸アルミニウム又は硫酸ナトリウムアルミニウムならばアルミニウム及び硫黄)の検出面積をS1、水性液体吸収性樹脂粒子(P)の特徴元素(通常はポリアクリル酸ナトリウム塩であるため、ナトリウム)の検出面積をS0とし、次式から被覆率を求めた。
被覆率(%)=(S1/S0)×100
特徴元素が複数ある場合はそれぞれの元素の被覆率を平均し被覆率とした。1種類の測定試料につき5粒の測定を行い、平均値を測定試料の被覆率とした。なお、検出面積S0及びS1として、それぞれの特徴元素の検出強度の頻度分布をヒストグラムとして出力した値を用いた。
<保水量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水(食塩濃度0.9%)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後引き上げて、15分間吊るして水切りした。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバックを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
保水量(g/g)=(h1)−(h2)
なお、(h2)は、測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測したティーバックの重量である。
<荷重下吸収量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網を底面に貼った円筒型プラスチックチューブ(内径:25mm、高さ:34mm)内に、30メッシュふるいと60メッシュふるいを用いて250〜500μmの範囲にふるい分けした測定試料0.16gを秤量し、円筒型プラスチックチューブを垂直にしてナイロン網上に測定試料がほぼ均一厚さになるように整えた後、この測定試料の上に分銅(重量:210.6g、外径:24.5mm、)を乗せた。この円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M1)を計量した後、生理食塩水(食塩濃度0.9%)60mlの入ったシャーレ(直径:12cm)の中に測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブを垂直に立ててナイロン網側を下面にして浸し、60分静置した。60分後に、円筒型プラスチックチューブをシャーレから引き上げ、これを斜めに傾けて底部に付着した水を一箇所に集めて水滴として垂らすことで余分な水を除去した後、測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M2)を計量し、次式から荷重下吸収量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
荷重下吸収量(g/g)={(M2)−(M1)}/0.16
<ゲル通液速度の測定方法>
図1及び図2で示される器具を用いて以下の操作により測定した。
測定試料0.32gを150ml生理食塩水1(食塩濃度0.9%)に30分間浸漬して膨潤ゲル粒子2を調製した。そして、垂直に立てた円筒3{直径(内径)25.4mm、長さ40cm、底部から60mlの位置及び40mlの位置にそれぞれ目盛り線4及び目盛り線5が設けてある。}の底部に、金網6(目開き106μm、JIS Z8801−1:2006)と、開閉自在のコック7(通液部の内径5mm)とを有する濾過円筒管内に、コック7を閉鎖した状態で、調製した膨潤ゲル粒子2を生理食塩水と共に移した後、この膨潤ゲル粒子2の上に円形金網8(目開き150μm、直径25mm)が金網面に対して垂直に結合する加圧軸9(重さ22g、長さ47cm)を金網と膨潤ゲル粒子とが接触するように載せ、更に加圧軸9におもり10(88.5g)を載せ、1分間静置した。引き続き、コック7を開き、濾過円筒管内の液面が60ml目盛り線4から40ml目盛り線5になるのに要する時間(T1;秒)を計測し、次式よりゲル通液速度(ml/分)を求めた。
ゲル通液速度(ml/分)=20ml×60/(T1−T2)
なお、使用する生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃で行い、T2は測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測した時間である。
<実施例1>
アクリル酸(a1−1){三菱化学株式会社製、純度100%}131部、架橋剤(b−1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.44部及び脱イオン水362部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.5部、2%アスコルビン酸水溶液1部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液0.1部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液108部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体(A−1)を得た。
ついで、得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール1.2部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部及び水3.5部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P−1)を得た。
<実施例2>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール0.6部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部及び水1.1部の混合液と、炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール0.5部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部及び水2.3部を混合した混合液を同時に添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P−2)を得た。
<実施例3>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール0.6部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部、無機粒子(f)としてのKlebosol30cal25(AZマテリアル社製コロイダルシリカ)1部及び水1.1部を混合した混合液と、炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール0.5部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部及び水2.3部を混合した混合液を同時に添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P−3)を得た。
<実施例4>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール1.2部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部及び水3.5部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール0.5部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部及び水2.3部を混合した混合液を同時に添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P−4)を得た。
<実施例5>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール2.0部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.12部及び水4.3部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P−5)を得た。
参考例6>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール4.5部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物2.4部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.18部及び水6.1部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、参考例の水性液体吸収性樹脂粒子(P−6)を得た。
<実施例7>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール3.0部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物3.6部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.12部及び水7.9部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P−7)を得た。
参考例8>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール0.6部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.10部及び水3.1部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、150℃で30分間加熱して、参考例の水性液体吸収性樹脂粒子(P−8)を得た。
参考例9>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール1.7部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物0.6部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部及び水2.9部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、参考例の水性液体吸収性樹脂粒子(P−9)を得た。
<実施例10>
アクリル酸(a1−1){三菱化学株式会社製、純度100%}131部、架橋剤(b−1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.44部及び脱イオン水362部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.5部、2%アスコルビン酸水溶液1部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液0.1部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液135部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:90%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体(A−2)を得た。
ついで、得られた架橋重合体(A−2)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール1.4部、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部及び水3.7部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、本発明の水性液体吸収性樹脂粒子(P−10)を得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに、炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール1.2部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部及び水3.5部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部及び水2.3部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、比較用の水性液体吸収性樹脂粒子(R−1)を得た。
<比較例2>
実施例1と同様にして得られた架橋重合体(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに、炭素数4以下の多価アルコール(c)としてのプロピレングリコール0.6部、多価グリシジル化合物(e)としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部及び水1.1部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、130℃で30分間加熱し、室温まで冷却した後、更に高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら無機粒子(f)としてのシリカ(アエロジル社製Aerosil200)を0.2部添加し均一混合した後、130℃で30分間加熱して、比較用の水性液体吸収性樹脂粒子(R−2)を得た。
<比較例3>
実施例1において、多価金属塩(d)としての硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物1.2部を0.3部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−3)を得た。
実施例1〜5、7、10、参考例6、8、9の水性液体吸収性樹脂粒子(P−1)〜(P−10)及び比較例1〜3の水性液体吸収性樹脂粒子(R−1)〜(R−3)についての被覆率及び性能評価結果(保水量、荷重下吸収量及びゲル通液速度)を表1に示す。
Figure 0006979759
表1の結果から、実施例、比較例を通して保水量は良好であり有意な差は見られないが、実施例は荷重下吸収量に優れ、しかも、ゲル通液性が極めて良好であった。一方、比較例はたとえ荷重下吸収量がよくてもゲル通液性は不充分であった。この結果、実施例は荷重下での吸収量とゲル通液性の両立の点で比較例と有意な差があることが判った。
本発明の製造方法により得られる水性液体吸収性樹脂粒子は、膨潤したゲル間の通液性及び荷重下での吸収性能の両立が可能であり、各種の吸収体に適用することにより、吸収量が多く、逆戻り性や表面ドライ感に優れた吸収性物品にすることができることから、紙おむつ(子供用紙おむつ及び大人用紙おむつ等)、ナプキン(生理用ナプキン等)、紙タオル、パッド(失禁者用パッド及び手術用アンダーパッド等)及びペットシート(ペット尿吸収シート)等の衛生用品に好適に用いられ、特に紙おむつに最適である。なお、本発明の製造方法により得られる水性液体吸収性樹脂粒子は衛生用品のみならず、ペット尿吸収剤、携帯トイレの尿ゲル化剤、青果物等の鮮度保持剤、肉類及び魚介類のドリップ吸収剤、保冷剤、使い捨てカイロ、電池用ゲル化剤、植物及び土壌等の保水剤、結露防止剤、止水材やパッキング材並びに人工雪等、種々の用途にも有用である。
1 生理食塩水
2 含水ゲル粒子
3 円筒
4 底部から60mlの位置の目盛り線
5 底部から40mlの位置の目盛り線
6 金網
7 コック
8 円形金網
9 加圧軸
10 おもり

Claims (6)

  1. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と、炭素数4以下の多価アルコール(c)及び多価金属塩(d)を含有し、多価アルコール(c)と多価金属塩(d)の含有重量比(c)/(d)が1.3〜3.5であり、ここで多価金属塩(d)が水和物である場合は水和水を除く質量を基準とし、エネルギー分散型X線分析法を用いた元素マッピングにより求められる多価金属塩(d)による表面被覆率が50〜100%である水性液体吸収性樹脂粒子であって、前記多価金属塩(d)が20〜150℃の融点を有する無機酸塩である水性液体吸収性樹脂粒子
  2. 多価金属塩(d)の含有量が架橋重合体(A)の重量に基づいて0.2〜2.0重量%である請求項1に記載の水性液体吸収性樹脂粒子。
  3. 多価金属塩(d)がジルコニウム、アルミニウム又はチタニウムの無機酸塩である請求項1又は2に記載の水性液体吸収性樹脂粒子。
  4. 更に疎水性物質(g)を含有する請求項1〜のいずれか記載の水性液体吸収性樹脂粒子。
  5. 請求項1〜のいずれか記載の水性液体吸収性樹脂粒子を含む吸収体。
  6. 請求項記載の吸収体を用いた吸収性物品。


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