JP5444311B2 - 連結部保持構造 - Google Patents
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Description
ウェビングL1は、乗員Pの腰まわりに延設可能な帯形状のベルトである。ウェビングL1は、例えば、ポリエステル製である。ウェビングL1の先端には、バックルL3と連結するタングL11が接続されている。
リトラクタL2は、ウェビングL1を巻き取って収納する。リトラクタL2は、車両Vの車体内部右下に位置している。
バックルL3は、ウェビングL1のタングL11と着脱可能に連結する。バックルL3は、車両Vの車体内部左下に位置している。
ウェビングS1は、乗員Pの腰から肩にかけて延設可能な帯形状のベルトである。ウェビングS1は、例えば、ポリエステル製である。ウェビングS1の先端には、バックルS3と連結するタングS11が接続されている。
リトラクタS2は、ウェビングS1を巻き取って収納する。リトラクタS2は、車両Vの車体内部左下に位置している。
バックルS3は、ウェビングS1のタングS11と着脱可能に連結する。バックルS3は、車室後部の右上隅領域またはその付近領域に位置している。バックルS3は、リンクベルトBを介して、車室後部の右上隅領域において、車両Vのルーフを構成する車体パネルの車室側に取り付けられている位置設定部Mと繋がっている。位置設定部Mは、バックルS3の位置を車室後部の右上隅領域またはその付近領域に設定する。バックルS3と、リンクベルトBと、位置設定部Mとにより、本実施形態の連結部保持構造が実現される。
図2は、連結部保持構造の斜視図であり、特に、シートベルト使用時の状態を示している。図3は、連結部保持構造の斜視図であり、特に、シートベルト未使用時の状態を示している。なお、「シートベルト使用時」とは、ショルダベルト装置SのウェビングS1を延設し、タングS11がバックルS3と連結することで、少なくとも乗員Pの上半身を拘束している時を意味する。「シートベルト未使用時」とは、前記した「シートベルト使用時」以外の時を意味する。
ボルト1は、いわゆる六角ボルトであり、ワッシャ2と、第一カラー3と、ベルト4と、小判型プレート5と、回転防止部6と、カバー7の上面部と、第二カラー8と、第三カラー9と、ベアリング10と、固定プレート11にに挿通している。ボルト1の軸部1aは、車体パネルRに対して、例えば溶接で固定されている雌ねじR1と螺合している。雌ねじR1は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈し、内周面にはボルト1と螺合するためのねじ溝が形成されている。また、雌ねじR1は、車体パネルRへの溶接箇所となるフランジ部を備えている。ボルト1が雌ねじR1に螺合することにより、位置設定部Mの少なくともカバー7が、車室側、つまり車両Vの内装を構成する内装パネルI(図4参照)の下側に取り付けられる。なお、ボルト1の頭部1b(図4参照)は、カバー7の内部にある。ボルト1は、例えば、金属製である。
第二軸部1a2は、軸部1aの根元部を形成しており、ベアリング10に内嵌している。第二軸部1a2の直径は、第一軸部1a1の直径よりも大きい。第二軸部1a2に形成されている上面部は、ベアリング10の上フランジ部10aの上面部と面一となっている。
フランジ部1cは、第二軸部1a2と、頭部1bとの間に位置し、円盤形状を呈している。フランジ部1cの上面は、ベアリング10の下フランジ部10bの下面に当接している。フランジ部1cの直径は、ベアリング10の下フランジ部10bの外径と同一である。
ワッシャ2は、内周側がボルト1と螺合するように等間隔に切り欠かれて形成された凸形状部を有している。ワッシャ2は、第一カラー3の上面に、つまり、第一カラー3よりも車体側に配設されており、ボルト1が挿通している。また、位置設定部Mが車体パネルRに取り付けられているとき、ワッシャ2は、雌ねじR1の下端に当接している。つまり、位置設定部Mを取り付ける際、ワッシャ2が雌ねじR1の下端に当接するまでボルト1を締め付ける。ワッシャ2は、ボルト1と螺合するため、所定の条件を満たせば、ボルト1が挿通している構成要素を上方から押さえることができる。よって、ワッシャ2は、ボルト1に挿通している構成要素、特に、ベルト4がボルト1から抜けるのを防止することができる。ワッシャ2は、例えば、金属製である。
第一カラー3は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している。第一カラー3は、ベルト4よりも上方に配設されており、ボルト1が挿通している。第一カラー3の外径は、ワッシャ2の外径よりも大きい。第一カラー3は、ボルト1の軸方向(上下方向)におけるワッシャ2の位置を所定の位置に定めることで、位置設定部Mを取り付けるときに、回転防止部6の第一壁部6bが車体パネルRに接触することを防止することができる。また、第一カラー3は、位置設定部Mを取り付けるときに、小判型プレート5が内装パネルIに当接することを回避できる程度の上下方向の厚さを有している(例えば、図4参照)。第一カラー3は、例えば、金属製である。
ベルト4は、帯形状を呈しており、面的に着脱できるファスナを備えている。本実施形態のベルト4は、例えば、樹脂製でであり、その一端領域の上面側にのみ、フック状に起毛された領域(フック)が形成されており、その他端領域の下面側にのみ、ループ状に密集して起毛された領域(ループ)とが形成されている(図5参照)。このフックとループとを押し付けるだけで貼り付けることができ、その後剥がしたり、再度貼り付けたりすることが自在にできる。また、ベルト4は、小判型プレート5の上面に、つまり、小判型プレート5よりも車体側に配設されており、ボルト1が挿通するための円形柱状の挿通孔4aを有する(図5参照)。
なお、本実施形態では、第一カラー3を用い、ベルト4の挿通孔4aの直径よりも大きな外径となるワッシャ2を用いる。
小判型プレート5は、水平方向に延びている小判型の板形状を呈している。小判型プレート5は、ボルト1と、回転防止部6の第一壁部6bとがそれぞれ挿通するための挿通孔5a、5b(図5など参照)を有している。小判型プレート5は、例えば、金属製である。小判型プレート5に関する詳細は後記する。
回転防止部6は、位置設定部M全体と、位置設定部Mの各構成要素と、リンクベルトBと、バックルS3とがボルト1の軸周りに回転することを防止する。回転防止部6は、例えば、金属製である。なお、ベルト4をボルト1の軸周りに回転させようとしても、ベルト4は、回転防止部6の第一壁部6bに当接する。よって、第一壁部6bは、ベルト4がボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
結果的に、第一壁部6bと、第二壁部6c、6cとを備える回転防止部6は、車体パネルRに対して、位置設定部Mを含む連結部保持構造全体がボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
カバー7は、車両Vの利用者が見ることができる位置設定部Mの外観を構成する。カバー7は、リンクベルトBと係止する箇所は開口している。カバー7は、位置設定部Mの構成要素の一部を保護するとともに、利用者から隠蔽することができる。カバー7は、例えば樹脂製であり、互いに嵌合できるように2つの部分から構成するとよい。例えば、使用前の位置設定部Mを車体パネルRに取り付けた後、位置設定部Mの構成要素の一部を保護できる位置で、カバー7を構成する前記2つの部分を嵌合させるとよい。
第二カラー8は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している。第二カラー8は、第一カラー3と小判型プレート5との間に配設されており、ボルト1が挿通している。つまり、第一カラー3は、第二カラー8の上面に配設されており、第二カラー8は、小判型プレート5の上面、つまり、小判型プレート5よりも車体側にに配設されている。さらに、第二カラー8の外径は、ベルト4の挿通孔4aの直径よりも小さい。よって、第二カラー8は、ベルト4の挿通孔4aを挿通している。さらに、上下方向において、第二カラー8の厚さは、ベルト4の厚さよりも厚い。よって、第二カラー8がベルト4の挿通孔4aを挿通することで、第一カラー3と小判型プレート5と間に相当量の隙間Gが形成される。
第三カラー9は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している。図4に示すとおり、第三カラー9は、ベアリング10の上フランジ部10aの上面、かつ、ボルト1の第二軸部1a2の上面に、つまり、車体側に配設されており、ボルト1が挿通している。ボルト1の軸方向における第三カラー9の厚さは、例えば、カバー7上部と、回転防止部6との当接、特に、平板部6aとの当接を防止できる程度の厚さである。したがって、第三カラー9の下部は、カバー7の内部にある。第三カラー9は、例えば、金属製である。
ベアリング10は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している(図5など参照)。ベアリング10の上端には、上フランジ部10aが水平方向に延びている。ベアリング10の下端には、下フランジ部10bが水平方向に延びている。このような形状を呈するベアリング10は、固定プレート11に外嵌している。ベアリング10は、カバー7の内部にある。ベアリング10は、例えば、金属製である。
固定プレート11は、図4に示すように、水平方向に延びている矩形状の平板であって、その平板がカバー7の上部の形状におよそ沿うように折り曲げられた形状を呈している。固定プレート11には、ボルト1が挿通するとともに、ベアリング10に内嵌する挿通孔11aが形成されている。また、固定プレート11の左端には、リンクベルトBが係止している。固定プレート11、例えば、金属製である。
ここで、シートベルトの使用に関する本実施形態の動作例について説明する。
図2に示すように、シートベルト使用時では、タングS11がバックルS3と連結している。このとき、ベルト4のフックとループとは貼り合わされていない状態になっている。よって、ベルト4は、バックルS3を保持していない。
図8は、取付前の位置設定部の後視断面図である。図8の後視断面図における切断面は、図4と同様であり、図2に示すA−A線で切断したときの切断面である。
本実施形態によれば、シートベルトにより乗員を拘束していない場合であっても、バックルS3が車両Vにぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止することができる。バックルS3は、ボルト1によって車体に固定されている固定プレート11と、帯状部を介して繋がれており、車両Vの内装部品(例:内装パネル、装飾品)の近くに位置している。もし、シートベルトが未使用のときは、バックルS3は、ベルト4によって保持されているので、車両Vの揺れなどがあってもバックルS3が車両Vにぶつかることもないからである。
なお、前記実施形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれに限定されるものではない。したがって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、実施形式を種々変形することが可能である。
図9は、(a)が、変形例の連結部保持構造の斜視図であり、(b)が、変形例の連結部保持構造の右面図である。図9は、特に、シートベルト未使用時の状態を示している。図9の連結部保持構造は、図3の連結部保持構造と比較して、ベルト4の代わりに把持部12(保持部)が用いられている点が異なる。
また、把持部12がボルト1の軸周りに回転しようとしても、回転防止部6の第一壁部6bに当接する。よって、第一壁部6bは、把持部12がボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
シートベルト未使用時では、車両Vの利用者は、タングS11から解放されているバックルS3を手に取り、リンクベルトBを畳み、バックルS3を位置設定部Mの下方にまで動かす。続いて、利用者は、アーム板12b、12bの片方を手に取り、前後方向外側に動かし、把持部12を拡げ、バックルS3を把持部12内部に収める。収めた後、利用者が、手にしたアーム板12bを離すと、バネの付勢力により、アーム板12bが定位置に戻る。アーム板12b、12bの下部は、バックルS3を下方から支持することができる(図9(b)参照)。これにより、把持部12は、バックルS3を保持することができる。よって、例えば、走行中に車両Vが揺れたとしても、バックルS3が車両Vにぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止することができる。
その他、本発明に必要となる各種部材の形状、材質、配置など具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
S11 タング
S3 バックル(連結部)
B リンクベルト(帯状部)
M 位置設定部
1 ボルト(挿通部)
2 ワッシャ(抜け防止部)
3 第一カラー(抜け防止部となり得る)
4 ベルト(保持部)
5 小判型プレート(隠蔽部)
6 回転防止部
7 カバー
8 第二カラー(挟み込み防止部)
9 第三カラー
10 ベアリング
11 固定プレート(固定部)
12 把持部(保持部)
Claims (4)
- シートベルトの使用時にタングが連結する連結部と、
一端が前記連結部に繋がれている帯状部と、
前記帯状部の他端に繋がれている固定部と、
前記固定部に挿通しており、前記固定部を車体に固定する挿通部と、
前記挿通部が挿通しており、前記固定部よりも車体側に配設されており、前記シートベルトの未使用時に前記連結部を保持し、ファスナを有する帯形状の保持部と、
前記保持部が前記挿通部の軸周りに回転することを防止する回転防止部と、を備える
ことを特徴とする連結部保持構造。 - 前記挿通部が挿通しており、前記保持部よりも車体側に配設されており、前記保持部が前記挿通部から抜けることを防止する抜け防止部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の連結部保持構造。 - 前記挿通部が挿通しており、前記固定部と前記保持部との間に配設されており、前記挿通部が前記車体に固定されている箇所を含む所定の領域を車室側から隠蔽する隠蔽部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の連結部保持構造。 - 前記挿通部が挿通しており、前記隠蔽部と前記抜け防止部との間に配設されているとともに、前記挿通部が挿通する前記保持部の挿通孔に配設された挟み込み防止部を備えており、
前記挿通部の挿通方向において、前記挟み込み防止部は、前記保持部よりも厚い
ことを特徴とする請求項3に記載の連結部保持構造。
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