JP5443947B2 - 熱電発電装置 - Google Patents

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本発明は、熱電変換素子を用いて温度差による熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電発電装置に係り、特に熱源を流体とする熱電発電装置に関する。
近年、人類のエネルギ消費量は、産業や科学技術の発達に伴い、歴史的に例を見ないほど加速された。その結果、CO2等の温室効果ガスによる地球温暖化の問題が浮上している。温室効果ガスの発生をできるだけ抑制するため従来では、ガス焼却炉や火力プラント等の各種産業を始めとして、自動車等の内燃機関から未利用のまま廃棄されている高温の熱エネルギを、可能な限り電気エネルギとして回収する発電装置の製品化が期待されている。
熱エネルギを電気エネルギとして回収する発電装置として、熱電発電素子を用いた発電技術がよく知られている。この熱電発電素子は、金属あるいは半導体の両端に温度差を与え、高温部と低温部との間に電位差を生じさせるというゼーベック効果を利用したものであり、温度差が大きいほど発電量も大きくなるという特徴がある。通常、熱電発電素子は複数の熱電発電素子を組込んだ熱電モジュールという形態で使用されることが多い。
従来では、このような熱電モジュールを利用した熱電発電装置として、例えば、熱源である内燃機関の排気熱エネルギを電気エネルギに変換することを目的として、熱電モジュールをバンド等で締付けることにより押圧状態とし、熱電モジュールの高温側の面と低温の面とに、高温媒体流路と、冷却媒体流路としての低温媒体流路とを、それぞれ接触させて熱エネルギを電気エネルギに変換する構成としたものが種々提案されている。
特開2005−183863号公報 特開2006−48845号公報
(公知技術の問題点と本発明の目的)
上述した熱電発電装置を始めとして、従来提案されている熱電発電装置においては、熱源である高温流体を装置の中心部に備えた伝熱管に流通させ、その周囲から複数の熱電モジュールをバンド等で纏めて締付けることにより、伝熱管表面に押圧状態で固定する構成に関するものが殆どである。しかし、熱電モジュール等の設置位置やバンドの締付け状態によっては、高温熱源と熱電モジュールと低温媒体流路の接触面に不均一な面圧を生じ、性能に影響を及ぼすことが多い。
また、熱電モジュールを伝熱管の周囲に配置させることにより、装置全体寸法に対する熱交換量、すなわち熱交換密度を大きくすることが困難であり、組立作業も容易でなく量産化に適さない等の課題がある。
そのため、例えば自動車エンジン等の内燃機関の排気管への適用については、設置場所の制限を受け、要求される出力を満足する十分な数の熱電モジュールを、適正な性能を満足する状態で設置することが難しく、また製作費の低減が困難である等の課題もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、熱電モジュールを高密度かつ適正な押圧状態で設置することで、熱エネルギから電気エネルギへの効率よい変換を実現し、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性および取付け、メンテナンス等の作業性にも優れた熱電発電装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明では、高温媒体と低温媒体との温度差による熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換素子を組込み、モジュール内部の空間がモジュール外部の雰囲気と隔離される気密封止タイプの熱電モジュールと、前記高温媒体の熱エネルギを回収して前記熱電モジュールを加熱する高温媒体流路と、この高温媒体流路の前記熱電モジュールと相対する側に配置され、前記低温媒体で除熱し前記熱電モジュールを冷却する低温媒体流路と、前記熱電モジュールが前記高温媒体流路と前記低温媒体流路との間に挟持されるように交互に積層配置した積層体と、この積層体を内部に収容するフレームと、このフレームと前記積層体との熱膨張差を吸収するばね部材と、このばね部材と前記フレームとにより前記積層体を締付ける押圧部材と、この押圧部材を保持し、前記フレームに固定される上部プレートとを備え、前記熱電モジュールの電極がこの熱電モジュールの前記低温媒体流路側の面から側面方向に引き出され、前記熱電モジュールの前記積層方向の両外面がそれぞれ前記高温媒体流路と低温媒体流路とに当接することを特徴とする熱電発電装置を提供する。
本発明によれば、熱電変換素子を組込んだ熱電モジュールと相対する側に高温媒体を配置し、高温媒体流路と低温媒体流路との間に挟持されるように交互に積層配置した積層体をフレーム内に収容し、ばね部材と押圧部材とにより積層体を締付けることにより、熱電モジュールを高密度かつ適正な押圧状態で設置することで、熱エネルギから電気エネルギへの効率よい変換を実現し、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性および取付け、メンテナンス等の作業性にも優れたものとすることができる。
本発明の第1実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図。 図1のA−A線断面図。 図1のB−B線断面図。 図3の右側面図。 図1のC−C線断面図。 図1のD−D線断面図。 図1のE−E線断面図。 本発明の第2実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図。 本発明の第3実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図。 図9のF−F線断面図。
以下、本発明に係る熱電発電装置の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態(図1〜図4)]
図1は本発明の第1実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は図1に示した熱電発電装置を中央部で切断した構成を示す縦断面図(図1のA−A線断面図)である。
これらの図1および図2に示すように、本実施形態の熱電発電装置1は、複数の平坦な熱電モジュール2を上下方向に積層し、筐体101内に収納した構成とされている。熱電モジュール2は、高温媒体流路3と、冷却媒体流路としての低温媒体流路4とを備えており、低温媒体との温度差による熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換素子を組込んだ構成としてある。
具体的には、熱電発電装置1は例えば四角枠状の筐体101を備えており、この筐体101の内部に熱電モジュール2を収納した構成とされている。筐体101は水平板状の底板101aと、この底板101aの両側部から一体に立上って互いに対向する1対の側板101b,101bとを備えており、上面が開口するコ字形状のものとして強固に構成されている。
フレーム7の各側板101a,101bの上端には、平板状の上部プレート8が水平に架設され、これらの上部プレート8がピン9により連結されており、各側板101b,101bの板幅方向中央位置にはスリット7aがそれぞれ形成されている。これにより、フレーム7は全体として四角枠状に構成されている。
上部プレート8の中央位置には、ねじ孔8aが形成してあり、このねじ孔8aに円形蓋状の押圧部材5が螺挿され、この押圧部材5を回転操作することにより上下方向に移動させることができるようにしてある。そして、押圧部材5の着脱により、筐体101の上部を開閉可能としてある。これにより、押圧部材5を下方に移動させて熱電モジュール2を押圧固定できるとともに、上方移動により熱電モジュール2を開放状態とすることができるようになっている。
さらに具体的には、筐体101の内部に熱電モジュール2が配置されており、この熱電モジュール2は筐体101の開口する方向(図示水平方向)に沿って挿入支持されている。すなわち、フレーム7の両側板101b、101bの板幅方向中央位置には、それぞれ縦長なスリット7aが互いに対象配置で形成してあり、各スリット7aの上端はフレーム7の上端部で開口し、またスリット7aの下端はフレーム7の下端部より若干高い部位で閉じている。
このように、フレーム7は側板7b,7bと底板7cとから構成され、フレーム7と上部プレート8はピン9によって固定されている。なお、これらの固定方法はピン9等の機械要素に代えて、溶接により固定してもよい。
また、上述のように、側板7bには熱電モジュール2の端子2aを装置外部に取出すためのスリット7aが設けられており、底板7cの上面には、この底板7cの上面周辺部より一段高い棚状の凸部7dが形成されている。この凸部7dにより、底板7cの上面と熱電モジュール下部との接触状態を良くし、低温媒体流路4への荷重伝達効果を高めることができる。
押圧部材5の外周面に形成されたねじ部5aは、上部プレート8に設けられたねじ孔8aにねじ込むことで、押圧部材5の回転を積層体に対して直角方向の運動に変換することができるため、押圧力を精度よく調整することができる。
なお、ねじ部5aがない場合でも、図示省略の冶具を使用して所定の反力が得られるまで押し込んだ後、押圧部材5または上部プレート8の一部を例えばかしめ等の手段を用いて位置決めしてもよい。
さらに、図2に示すように、押圧部材5の一部、例えば中央部には円板状のガイド5bが設けられており、複数枚のばね部材6がこのガイド5bと低温媒体流路4との間に介挿される。ばね部材6は、例えば上下1対のリング状の皿ばねであり、低温媒体流路4に対して下向きの押圧力を付与しており、押圧部材5を介して予め所定の力が生じるように圧縮される。
この押圧力により、熱電モジュール2と高温媒体流路3と低温媒体流路4の密着性が高められ、特に熱交換性能に影響を及ぼす高温媒体流路3と熱電モジュール2との接触熱抵抗の軽減が図られる。
このように、本実施形態の熱電発電装置1は、図示省略の熱源から供給される熱エネルギを伝導により受熱する高温媒体流路3と、この高温媒体流路3に一方の面を当接して受熱する熱電モジュール2と、図示省略の冷却設備から供給される低温媒体11を内部に流通させて熱電モジュール2の他方の面を冷却する低温媒体流路4とを備えている。
そして、熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4は交互に複数積層され、熱電モジュール2の両外面がそれぞれ高温媒体流路3と低温媒体流路4に当接するように配置されている。
図3は、熱電発電装置1を媒体流路方向と直交する方向で切断した斜視断面図(図1のB−B線断面図)であり、図4は熱電発電装置の高温媒体流路断面図(図3のE矢示図)である。
図3および図4に示すように、熱電発電装置1は、図示省略の熱源から供給される熱エネルギを伝導により受熱する高温媒体流路3と、この高温媒体流路3に一方の面を当接して受熱する熱電モジュール2と、図示省略の冷却設備から供給される低温媒体11を内部に流通させて熱電モジュール2の他方の面を冷却する低温媒体流路4とを備えている。
熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4は交互に複数積層されており、熱電モジュール2の両外面がそれぞれ高温媒体流路3と低温媒体流路4に当接するように配置される。
なお、図1および図2においては、熱電モジュール2を4対配設した構成を示しているが、熱電モジュール2の設置数は4対より少なくてもよく、逆に多くしてもよい。
また、熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4は、プレス加工または機械加工等により、図示省略の嵌合部が備えられており、嵌合部により位置決めされて安定な状態に積層保持される。
また、図4に示すように、熱電モジュール2は所定厚さを有する矩形板状をなす構成とされており、この熱電モジュール2の一面となる外面を高温媒体流路3に当接配置され、高温媒体流路3との接触により加熱される。
また、熱電モジュール2の他方の外面は低温媒体流路4に当接配置され、低温媒体流路4との接触により冷却されるようにしてある。
このように、高温媒体流路3と低温媒体流路4により、熱電モジュール2の二面間には温度差が発生し、熱エネルギが電気エネルギに変換される。
なお、熱電モジュール2は、板状であればよく、外形については、図4に示した矩形状に限られない。
また、熱電モジュール2は、この熱電モジュール2に組込まれている図示されていない熱電変換素子を内包するモジュール内部の空間がモジュール外部の雰囲気と隔離されるように、気密封止される構成としてもよい。このような気密封止タイプのモジュールとして、出願人による提供済のモジュール、例えば「gigatopazTMモジュール」等を適用することもできる。
本実施形態において、熱電モジュール2に組込まれている図示省略の熱電変換素子は、熱−電気直接変換半導体、例えば希土類元素、トリウム、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウム、アンチモン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、錫、コバルト、シリコン、マンガン、亜鉛、ボロン、炭素、窒素、酸素、ガリウム、バナジウム、バリウム、マグネシウム、クロム、タンタル、モリブデン、アルミニウム、ビスマスのうち少なくも3つ以上の元素から構成される熱−電気直接変換半導体が好適である。
また、前記熱−電気直接変換半導体としては、スクッテルダイト型結晶構造を有するコバルトアンチモナイド化合物を主相とする熱電変換材料、充填スクッテルダイト型結晶構造を有するコバルトアンチモナイド化合物を主相とする熱電変換材料、クラスレート化合物を主相とする熱電変換材料、ハーフホイスラー化合物を主相とする熱電変換材料のうちの少なくともひとつ、もしくはこれらの化合物あるいは混合物もしくは固溶体等を用いることもできる。
また、図3、図4、および図5に示すように、高温媒体流路3は、例えば複数枚の板と高温媒体11からの熱を効率よく回収するためのフィン3bを積層させ、ろう付けあるいは溶接等により接合された、もしくはカシメ等により成型された矩形状をなすものであり、熱電モジュール2の一つの外面に当接配置される。
なお、図4に示すフィン3bは一例であり、高温媒体10の種類や流動条件に応じて、例えばオフセットフィン等より熱交換性能の高いものを適用することができる。図示省略の熱源から供給される高温媒体10は、高温媒体流路3の端部に設けられたノズル3aから矩形流路の内部に流入し、フィン3bを通過する際に熱電モジュール2を加熱し、もう一方の端部のノズル3aから排出される。
この排出された高温媒体10は、例えば内燃機関の場合は再循環させるため図示省略の熱源に戻されるか、排気管等を通じて外気に放出される。また、ノズル3aを排気管等に接続する際には、熱電発電装置1に作用する熱応力を緩和するために、入口側あるは出口側のいずれか一方にベローズ等の熱膨張吸収手段を取り付けてもよい。
低温媒体流路4は、図3、図4、および図4に示すように、例えば複数枚の板とフィン4bを積層させて、ろう付けあるいは溶接等により接合された、もしくはカシメ等あるいは押し出しにより成型された矩形状をなすものであり、熱電モジュール2の外面に当接配置される。
また、図示省略の冷却設備から供給される低温媒体11は、低温媒体流路4の端部に設けられたノズル4aから矩形流路の内部に流入し、フィン4bを通過する際に熱電モジュール2を冷却し、他方の端部のノズル4aから流出し、図示省略の冷却設備に戻される。 ここで、図4に示すフィン4bは一例であり、低温媒体11の種類や流動条件に応じて、例えば蛇行流路等より熱交換性能の高いものを適用することができる。
そして、図3および図4に示すように、熱電発電装置1は押圧部材5を備え、この押圧部材5はばね部材6を介して、熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4からなる積層体を押圧する機能を有し、その反力はフレーム7と上部プレート8で受ける構成となっている。フレーム7は、側板7bと底板7cから構成され、フレーム7と上部プレート8はピン9で固定されている。なお、これらの固定方法はピン9等機械要素を用いず溶接でもよい。
また、フレーム7の側板7bの幅方向中央位置には、熱電モジュール2の端子2aを装置外部に取出すための縦長で上端が開放するスリット7aが設けてあり、また底板7cには、底板7cとの接触状態を良くし、低温媒体流路4への荷重伝達効果を上げるための凸部7dが形成されている。
そして、押圧部材5にはねじ部5aが形成されており、上部プレート8に設けられた穴にねじ込むことにより、押圧部材5の回転を積層体に対して直角方向の運動に変換することができるようにしてあり、これにより押圧力を精度よく調整することができる。
また、押圧部材5にねじ部5aを設けない場合でも、図示省略の冶具を使用して所定の反力が得られるまで押し込んだ後、押圧部材5または上部プレート8の一部を、例えばかしめ等の手段を用いて位置決めしてもよい。
さらに、押圧部材5の一部にはガイド5bが設けられており、複数枚のばね部材6がこのガイド5bと低温媒体流路4との間に介挿される。ばね部材6は、押圧部材5を使用して予め所定の力が生じるように圧縮される。この押圧力により、熱電モジュール2と高温媒体流路3と低温媒体流路4の密着性が高められ、特に熱交換性能に影響を及ぼす高温媒体流路3と熱電モジュール2との接触熱抵抗の軽減が図られる。
この構成において、高温運転時には熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4からなる積層体とフレーム7との間に、熱膨張係数と温度分布の違いにより熱膨張差が発生するが、ばね部材6はこの熱膨張差を吸収し、過度の押圧力の増加を緩和する機能を有する。
さらに、積層体は、押圧部材5、ばね部材6およびフレーム7を使用して1次元的に押圧されるため、各構成要素に均等に押圧力を作用させることができる。このような構成によれば、複数の熱電モジュール2を高い設置密度で複数設置することが可能となる。
したがって、従来提案されているような伝熱管の周囲から複数の熱電モジュールをバンド等で纏めて締付ける等の手段構成の装置に比べて、熱電モジュール2をより高密度で、かつ適正な押圧状態で設置することができ、熱エネルギから電気エネルギへの変換効率が高いエネルギ変換を実現することができる。
なお、フレーム7に当接するのは低温媒体流路4となるように構成されており、フレーム7を介して外部への熱の逃げを小さくし、熱エネルギ損失を減らすことができる。また、さらなる熱エネルギ損失の低減を図るためには、底板7cの凸部7dと低温媒体流路4の間、側板7bと積層体との間に、および高温媒体流路3の熱電モジュール2が接触していない部分については、熱エネルギの損失を抑制するために、図示省略の断熱材を設置することが望ましい。
一方、上部プレート8には、低温媒体流路4からばね部材6を介して熱が伝わるが、ばね部材6は低温媒体流路4および押圧部材5と線接触しているため熱の移動が少ない。また、ばね部材6の温度を低く保つことで、ばね定数の低下を防ぐことができる。
ここで、フレーム7は、使用条件により、例えば温度が150℃程度の高温になることが想定されるが、高温クリープは問題とならないため、安価な一般的な構造材を使用できる。ただし、フレーム7、熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4は、ばね部材6による熱膨張吸収量が小さくなるように材質選定することが望ましい。
高温媒体流路3は、腐食性流体等に曝されることが多く、温度も400℃以上の高温になることが想定されるため、材質には耐食性と高温強度が要求される。また、溶接や加工性も必要であり、高温媒体流路3の材質はクロムモリブデン鋼、フェライト系ステンレス鋼、またはオーステナイト系ステンレス鋼であることが望ましい。
低温媒体流路4の材質には150℃程度の温度に対する強度を有し、軽量化を図るため低比重で、低温媒体15に対する耐食性および高熱伝導率を有する材料が求められる。そこで、例えば陽極酸化処理(アルマイト処理)を施したA6061等のアルミニウム合金を適用することが望ましい。軽量化、強度、耐食性が強く要求される場合には材質をチタン合金にすることが有効である。一方、軽量化が要求されない場合にはSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼を使用してもよい。また、基材をアルミニウム合金とし、流路に焼鈍したステンレス製の管材をHIP加工により埋め込むことも耐食性向上と軽量化を図るために効果的である。
また、高温媒体流路3と熱電モジュール2との間で接触熱抵抗低減または温度分布の均一化を図るため、図示省略の熱伝導シートをその間に介在させてもよい。ここで、熱伝導シートの材質は、グラファイト(黒鉛)、銅、銅合金や金等の貴金属、セラミックス系の接着剤やパテ等の塗料等、耐熱性を有し熱伝導率の大きい材料を適用することが望ましい。また、熱電モジュール2と低温媒体流路4との間についても、接触熱抵抗低減または温度分布の均一化を図るため、図示省略のシリコングリース11や熱伝導シートをそれらの間に介在させてもよい。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、複数の低温媒体流路4、熱電モジュール2および高温媒体流路3から積層体が構成され、複数の熱電モジュール2を高い設置密度で複数設置することが可能となる。
この積層体は、押圧荷重を発生させる押圧部材5、熱膨張吸収の機能を有するばね部材6および積層体からの反力を受けるフレーム7を使用して1次元的に押圧されるため、組立方法も単純で、各構成要素に均等に押圧力を作用させることができるコンパクトな装置全体構成が可能となる。
この積層体において、熱電モジュール2の両外面が低温媒体流路4と高温媒体流路3に当接するように所定の力で押圧され、この押圧力により高温媒体流路3と熱電モジュール2との密着性が高められ、高温媒体流路3と熱電モジュール2との接触熱抵抗の軽減が図られる。押圧部材5にはねじ部5aが形成されていて上部プレート8に設けられた穴にねじ込むことで、押圧部材5の回転を積層体に対して直角方向の運動に変換することができるため、押圧力を精度よく調整することができる。
ばね部材6は、高温運転時に熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4からなる積層体とフレーム7との間に、熱膨張係数と温度分布の違いにより発生する熱膨張差を吸収し、過度の押圧力の増加を緩和する機能を有する。高温媒体流路3の材質は耐食性と高温強度を有し、低温媒体流路4の材質は低比重、耐食性および高熱伝導性を有する。
従って、熱電モジュールを高密度かつ適正な押圧状態で設置することで、熱エネルギから電気エネルギへの効率よい変換を実現し、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性および取付け、メンテナンス等の作業性にも優れた熱電発電装置を提供することができる。
[第2実施形態(図8)]
図8は本発明の第2実施形態による熱電発電装置の全体構成を示す斜視図である。なお、本実施形態において、基本的な構成は第1実施形態と略同様であり、第1実施形態と同一の構成部品については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の熱電発電装置1では、熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4からなる積層体、押圧部材5およびばね部材6から構成される組立を1ユニットとして、図8に示すように、高温媒体流路3の軸方向に複数のユニット(例えば2ユニット)が連続して配設されている。ただし、これに限らず必要に応じて多数のユニットを配設することができる。
さらに、フレーム7の側板7b間の距離を広げれば、水平方向についても複数のユニットを配設することができ、これにより発電量の大容量化を図ることができる。
また、高温媒体流路3と低温媒体流路4とは、複数のユニットに跨って共用され、高温媒体10と低温媒体11の出入口は、第1実施形態と同様に、熱電発電装置1の両端に設置される。ただし、これら高温媒体流路3と低温媒体流路4は必要に応じてユニット毎に設置してもよい。
本実施形態の構成によれば、複数の低温媒体流路4、熱電モジュール2および高温媒体流路3から積層体が構成され、複数の熱電モジュール2を高い設置密度で複数設置することが可能となる。そして、この積層体に押圧荷重を発生させる押圧部材5、および熱膨張吸収の機能を有するばね部材6から構成されるユニットは、それぞれ独立しているため、押圧部材5を使用して個別に組み立てることができる。
また、積層体への押圧力も均等に作用させることができ、押圧力の精度よい調整も可能である。ばね部材6による熱膨張吸収機能も独立しており、複数のユニット間で異なる熱膨張差も個別に吸収し、熱電発電装置1の健全性を確保することができる。
以上の第2実施形態によっても、熱電モジュール2を高密度かつ適正な押圧状態で設置することで、熱エネルギから電気エネルギへの効率よい変換を実現し、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性および取付け、メンテナンス等の作業性にも優れた熱電発電装置を提供することができる。
[第3実施形態(図9〜図10)]
図9は本発明の第3実施形態による熱電発電装置を示す斜視図であり、図10は同装置の横断面図(図9のF−F線断面図)である。
なお、本実施形態においても、基本的な構成については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同一または対応する構成部分については図1ないし図7を参照し、重複する説明は省略する。
本実施形態の熱電発電装置1では、図9に示すように、第2実施形態における押圧部材5に代えて、上部プレート8をフレーム7に押し込むと同時に、爪掛部101にて相互に固定する構成とすることにより、熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4からなる積層体を押圧する機能を有する構成としてある。
また、図10に示すように、上部プレート8は、爪掛部101を構成する爪部8bを有する構成としてある。一方、フレーム7も、爪掛部101を構成する爪部7eを有しており、各々の爪部が掛合うことにより、熱電モジュール2、高温媒体流路3および低温媒体流路4からなる積層体を押圧することができるようにしてある。
さらに、図10に示すように、ばね部材6が位置する箇所の上部プレートには、ばね部材6が熱電モジュール2の直上に配置されるよう位置決めするためのガイド部8aも有している。この構成により、本実施形態においても押圧部材の削減を図ることができる。
また、図9に示すように、本実施形態では、高温媒体流路3の軸方向に複数のユニット(例えば2ユニット)が連続して配設される。ただし、これに限らず必要に応じてユニットの配設数は増減してもよいことは第2実施例と同様である。
また、図9に示したフレーム7は、スリット7a部分を除く側上の2辺全体に亘って爪掛部101を有しているが、適正な押圧状態得られ、かつ上部プレートの爪部8b、フレーム7およびフレームの爪部7eの強度が確保される範囲において、フレーム7の側上の2辺のうち一部だけであってもよく、爪掛部101は部分的であってもよい。爪部7eおよび爪部8bの形状については、相互に掛合う機能を有するものであれば図示の形状以外の形状とすることも可能である。
以上の第3実施形態においても、熱電モジュールを高密度かつ適正な押圧状態で設置することで、熱エネルギから電気エネルギへの効率よい変換を実現し、軽量かつ高性能の発電機能を得ることができるとともに、構造健全性および取付け、メンテナンス等の作業性にも優れた熱電発電装置を提供することができる。
なお、以上の実施形態において、また、熱電モジュールは、熱電変換素子を内包するモジュール内部の空間がモジュール外部の雰囲気と隔離されるように、気密封止されていることが望ましい。
また、熱電変換素子については、希土類元素、トリウム、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウム、アンチモン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、錫、コバルト、シリコン、マンガン、亜鉛、ボロン、炭素、窒素、酸素、ガリウム、バナジウム、バリウム、マグネシウム、クロム、タンタル、モリブデン、アルミニウム、ビスマスのうち少なくも3つ以上の元素から構成される熱−電気直接変換半導体であることが望ましい。
また、熱−電気直接変換半導体の結晶構造としては、スクッテルダイト型結晶構造を有するコバルトアンチモナイド化合物を主相とする熱電変換材料、充填スクッテルダイト型結晶構造を有するコバルトアンチモナイド化合物を主相とする熱電変換材料、クラスレート化合物を主相とする熱電変換材料、ハーフホイスラー化合物を主相とする熱電変換材料のうちの少なくともひとつ、もしくはこれらの化合物あるいは混合物もしくは固溶体とすることが望ましい。
1…熱電発電装置、2…熱電モジュール、2a…端子、3…高温媒体流路、3a…ノズル、3b…フィン、4…低温媒体流路、4a…ノズル、4b…フィン、5…押圧部材、5a…ねじ部、5b…ガイド、6…ばね部材、7…フレーム、7a…スリット、7b…側板、7c…底板、7d…凸部、7e…爪部、8…上部プレート、8a…ガイド部、8b…爪部、9…ピン、10…高温媒体、11…低温媒体、101爪掛部。

Claims (7)

  1. 高温媒体と低温媒体との温度差による熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換素子を組込み、モジュール内部の空間がモジュール外部の雰囲気と隔離される気密封止タイプの熱電モジュールと、前記高温媒体の熱エネルギを回収して前記熱電モジュールを加熱する高温媒体流路と、この高温媒体流路の前記熱電モジュールと相対する側に配置され、前記低温媒体で除熱し前記熱電モジュールを冷却する低温媒体流路と、前記熱電モジュールが前記高温媒体流路と前記低温媒体流路との間に挟持されるように交互に積層配置した積層体と、この積層体を内部に収容するフレームと、このフレームと前記積層体との熱膨張差を吸収するばね部材と、このばね部材と前記フレームとにより前記積層体を締付ける押圧部材と、この押圧部材を保持し、前記フレームに固定される上部プレートとを備え、前記熱電モジュールの電極がこの熱電モジュールの前記低温媒体流路側の面から側面方向に引き出され、前記熱電モジュールの前記積層方向の両外面がそれぞれ前記高温媒体流路と低温媒体流路とに当接することを特徴とする熱電発電装置。
  2. 前記積層体の上下端に前記低温媒体流路が配置されている請求項1記載の熱電発電装置。
  3. 前記積層体と前記ばね部材と前記押圧部材とからなる構成要素が、前記高温媒体流路の軸方向または垂直方向に複数配置されている請求項または2記載の熱電発電装置。
  4. 前記熱電モジュールの端子取出し手段として、前記フレームの側板にスリットを備えた請求項1乃至3のいずれか一項記載の熱電発電装置。
  5. 前記積層体が着座する前記フレームの底板に凸部を備えた請求項1乃至3のいずれか一項記載の熱電発電装置。
  6. 前記積層体と前記フレームとの締付手段として、接触部が線接触となる複数のばね部材を備えた請求項1乃至3のいずれか一項記載の熱電発電装置。
  7. 前記ばね部材の位置決め手段として、前記押圧部材にばね部材を熱電モジュールの直上配置にする位置決め用のガイド部を備えた請求項1乃至3のいずれか一項記載の熱電発電装置。
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