JP5444787B2 - 熱電発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電変換モジュールを用いて、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電発電装置に関し、特に輻射熱を発する各種熱源に適用して、放散されてきた熱を有効に利用し、省エネルギー、環境対策に資する熱電発電装置に関する。
従来、省エネルギーの観点から、自動車や工場や焼却炉等から排出される廃熱エネルギーを有効利用するため、様々な技術が開発されてきた。更に近年では、世界規模で地球温暖化に対する危機意識が高まり、その対策として、原因となる温暖化ガスの排出削減をうたった京都議定書の実質的履行が大きな課題となっている。
このような情勢の中で、従来利用されることのなかった、或いは利用できなかった上述のような廃熱エネルギーを有効に利用することが喫緊の課題となっている。その課題解決の有効な手段の一つとして、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電発電技術が注目されている。
熱電発電技術は、ゼーベック効果として知られる熱電効果を利用する技術で、高い変換効率を得るために、1対以上のp型及びn型の熱電半導体を組み合わせて構成される熱電変換モジュールが一般に用いられる。熱電変換モジュールは、構造が簡単で、振動、騒音、摩耗等を生じる可動部がなく、取り扱いが安易且つ安定に特性を維持できることから、広範囲にわたる利用が期待されている。
熱電発電技術を用いて、未利用のエネルギーを有効利用する試みは、これまでも種々行われている(例えば非特許文献1参照)。しかしながら、未利用の輻射熱を、この熱電発電技術により回収及び利用することについては、その多くは太陽光からの熱を熱源とするものが大半で(例えば非特許文献1、533ページ、特許文献1及び2参照)、その他の事例では、抵抗加熱式工業炉の廃熱回収に用いた例があるものの(例非特許文献1、612ページ参照)、非特許文献2に述べられているように、廃熱量として大きな割合を占める、鉄鋼生産ラインにおいて放散される熱に対しては、わずかに特許文献3及び4に、その概念が、またより具体的構造について、特許文献5に述べられているものの、これまで実用に供された事例はない。
特開昭62−67888号公報 特開2001−153470号公報 特開平59−198883号公報 特開昭60−34084号公報 特開2008−91453公報
「熱電変換技術ハンドブック」515ページから668ページ、梶川武信監修、リアライズ社発行(2008年) 「平成12年度工場群の排熱実態調査研究」省エネルギーセンタ ー(http://www.eccj.or.jp/wasteheat/index.html) 阿部光範:キッチン・バス工業会会報No.55(平成11年4月)(http://www.kitchen-bath.jp/public/40nenshi/4.4sutenresukiso.pdf)
熱電発電装置の最も一般的な形態は、発電装置の本体である、通常板状に作られた熱電変換モジュールの一方の面を、高温に熱せられた物体に、他方の面を水等で冷却された物体に接触させて、熱電変換モジュールに温度差を生じさせることにより、熱電発電装置を構成する、熱電変換材料における、ゼーベック効果により、直流電圧を発生させるものである。このようにして、発生した電力を直流のまま、或いは、直流から交流に変換して利用する。
これまで開発されてきた熱電発電装置では、前記熱電発電装置の構成について、適用する種々の熱源毎に、最適化された個々の部材や接触の方法、構造等が考案されてきた。広く輻射熱源への適用を目的とした熱電発電装置としては、特許文献5にその一例が記載されている。具体的には、高温媒体の熱エネルギーを伝導する高温部材、内部に低温媒体流路を有する低温部材、高温媒体と低温媒体流路に供給される低温媒体との温度差による熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換モジュールとからなり、低温部材の高温媒体とは反対の側に配置されたフレーム、このフレームと高温部材との間を締結する複数本のタイロッドとを備える、基本構造としては一般的な構造の熱電発電装置が記載されている。
特許文献5においては、輻射熱源にも適用する熱電発電装置として種々特徴が述べられているが、前記高温部材については、特許文献5の段落〔0012〕において、「その一側面に形成したねじ穴」に「それぞれタイロッド」が「取り付けられている」。更に特許文献5の段落〔0033〕において、前記高温部材は、「温度も400℃以上の高温になることが想定されるため」、「高温強度が要求される。また、溶接や加工も必要であり」その「材質は、クロムモリブデン鋼、フェライト系ステンレス鋼、又はオーステナイト系ステンレス鋼であることが望ましい。」とされている。特許文献5においては、タイロッドによる押し付け圧を高温まで維持できるよう、種々の工夫を行っており、タイロッドを取り付けた、前記高温部材の強度が高いことが必須条件である。
一方、熱電発電装置の性能としては、熱電変換モジュールに熱エネルギーを効率よく供給することが必要で、そのためには熱源と熱電変換モジュールとの間の熱伝達係数をできるだけ大きくすることが望ましい。従って、熱源と熱電変換モジュールとの間に設置する材料の熱伝導率は、大きいことが望ましいのは自明である。
然るに、特許文献5に記載の熱電発電装置においては、熱源と熱電変換モジュールとの間に設置する、前記高温部材として選択した材料は、高温強度のあるものであり、その熱伝導率は、比較的高い値を示すフェライト系ステンレス鋼でも、高々26.1W/m・Kである(非特許文献3参照)。そのため、特許文献5に記載の熱電発電装置では、熱エネルギーの流れが阻害される構造であることから、十分な発電性能を発揮できないという問題がある。
本発明者らは、特許文献5に記載の熱電発電装置に相当する熱電発電装置を試作し、これを輻射熱源に対して適用し、その性能を評価したところ、前述の問題に加え、さらなる問題があることが明らかになった。即ち、試作した高温部材の材質として、熱伝導率の大きくない高温部材を用いると、輻射熱源に対した面(受熱面)と、その裏面との間に大きな温度差が生じ、そのため、熱電変換モジュールの接している部分付近を中心に、熱源側に凸状に変形してしまい、そのため、前記高温部材と熱電変換モジュールの間に隙間が生じ、熱伝達が著しく損なわれるのである。前記凸状の変形は、タイロッドにより、熱電変換モジュールの両側を締め付けることにより、更に大きくなるものと推定される。
上述したように、高温輻射体を熱源とする熱電発電装置は、概念としては報告されているものの他、具体的構造の発電装置としても、高い性能の発電装置とはいえず、これまで実用に供されてこなかった。
従って、本発明の目的は、高温輻射体を熱源とする熱電発電装置であって、実用に供するに十分な性能を有する熱電発電装置を提供することにある。
即ち、本発明は、以下の1)〜4)の熱電発電装置に関する。
1)輻射体が放射する熱を受ける金属製の輻射受熱板と、冷却板と、該金属製の輻射受熱板と該冷却板との間に挟持される熱電変換モジュールとからなる熱電発電装置において、
該金属製の輻射受熱板、該熱電変換モジュール及び該冷却板を互いに圧接し、支持するための押圧機構を有する支持枠を設け、該支持枠は、該輻射受熱板の該輻射体に対する面を露出させるための穴を設けたものである、輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置であって、
前記輻射受熱板が、前記熱電変換モジュールとの熱的接触が維持できる程度の熱伝導率の高い受熱板であることを特徴とする、輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置。
)前記受熱板が、熱伝導率が100W/m・K以上である材料からなることを特徴とする、前記)に記載の輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置。
)前記熱伝導率が100W/m・K以上である材料が、銅若しくはアルミニウム又はこれらを含む合金であることを特徴とする、前記)に記載の輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置。
本発明によれば、高温輻射体を熱源とする熱電発電装置であって、実用に供するに十分な性能を有する熱電発電装置を提供できる。
図1は、本発明の熱電発電装置の1ユニットの構成を示す斜視図である。 図2は、図1に示す熱電発電装置の1ユニットの断面模式図である。 図3は、図1に示す熱電発電装置の1ユニットの上面模式図である。 図4(a)は、熱電変換モジュールの一例を示す模式図であり、図4(b)は、図4(a)に示す熱電変換モジュールの断面模式図である。 図5は、本発明の熱電発電装置の9ユニットの構成を示す上面模式図である。 図6は、本発明の熱電発電装置による、発電試験の典型的データである。 図7は、試験例の熱電発電装置による、発電試験の典型的データである。 図8は、図7に示す典型的データを部分拡大した図である。 図9(a)は、熱による受熱板の表裏の温度差による変形の状態を示す模式図であり、図9(b)は、受熱板の表裏の温度差がなくなり変形が正常に復したときの状態を示す模式図である。
以下、本発明の熱電発電装置の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1には、本発明の熱電発電装置1の1ユニットの斜視図が示されている。図2は、図1に示す熱電発電装置1の1ユニットの断面図(図3のA−A‘線断面)であり、図3は、図1に示す熱電発電装置1の1ユニットの上面図である。
図1乃至3に示すように、本実施形態の熱電発電装置1は、熱源(輻射体)から供給される熱エネルギーを輻射により受熱する受熱板3と、この受熱板3に一方の面を当接して受熱する熱電変換モジュール2と、冷却設備から供給される水等の低温媒体を内部に流通させて熱電変換モジュール2の他方の面を冷却する冷却板4とを備えている。
受熱板3は、例えば平板状であり、輻射体に対する面には、輻射熱を効率よく吸収できるよう、輻射率の高い炭素系や炭化珪素系の黒色塗料が塗布されている。受熱板3の熱電変換モジュール2が接触していない部分については、熱エネルギーの損失を抑制するために、断熱材(図示せず)が設置されている。
熱電変換モジュール2は、所定厚さの矩形板状をなしており、熱電変換モジュール2の一方の面が、受熱板3に当接配置され、受熱板3との接触により加熱される。
冷却板4は、例えば小型化を図るために、エッチングで加工された複数枚の板を積層させて拡散接合された矩形状をなすものや、板状の金属ブロックの側面よりドリル等で穴を開け、貫通孔の一端を塞ぐ等により、水等の低温媒体の流路を形成したものであり、熱電変換モジュール2の他方の面に当接配置される。
図2及び3に示すように、冷却板4の内部には、冷却設備から供給される低温媒体を供給する流路、例えば蛇行流路としての低温媒体の流路4a(図中、破線で示されている)が形成されている。この冷却板4に熱電変換モジュール2の他方の面が接触することにより、熱電変換モジュール2の他方の面が冷却される。
図1及び2に示すように、冷却板4の熱電変換モジュール2が当接しない面(図1の上面)には凹部4cが形成され、押圧機構5の角柱棒状押圧部材5aが嵌合されている。また、図1乃至3に示すように、冷却板4の側面には、低温媒体の流路4aの入口及び出口4bが設けられている。この流路4aの入口及び出口4bは、図5に示すように、配管9接続用の継手8がねじ込んで取付けられるようなねじ穴として形成されている。
而して、本実施形態の熱電発電装置1は、受熱板3、熱電変換モジュール2及び冷却板4を互いに圧接し、支持するための押圧機構を有する支持枠7を設けた点に特徴の一つを有している。
支持枠7は、受熱板3を輻射体に対する面を露出させるための穴7aが設けられた額縁状であり、複数のボルト挿通孔7b(図示の例では両側に2個ずつ)が設けられている。各ボルト挿通口7bには、それぞれ締め付けボルト5cが取付けられる。尚、締め付けボルト5cの支持枠7への取付けは、ボルト締結又は溶接等を適用してもよい。
受熱板3を輻射体に対する面を露出させるための穴7aの大きさは、受熱板が下方に落下しない程度の大きさであればよい。
支持枠7は、押圧機構5を備え、この押圧機構5は冷却板4を受熱板3側に向けて押圧する機能を有している。押圧機構5は、ボルトを通す挿通孔を両端に有する角柱棒状押圧部材5aと、締め付けナット5b及びボルト5cと、角柱棒状押圧部材5aと締め付けナット5bの間に介在される、複数枚の積層構造とされた弾性部材であるスプリングワッシャ5dとを有する構成となっている。
押圧機構5は、これを構成する角柱棒状押圧部材5aが、冷却板4に形成された凹部4cに嵌合状態で当接すると共に、支持枠7に設けられたボルト挿通口7bから、角柱棒状押圧部材5aに設けられたボルトを通す挿通孔へ締め付けボルト5cを挿入し、締め付けナット5bで締め付けることにより、冷却板4を受熱板3側に向けて押圧する。この構成において、ナット5bのねじ込み量を調整することにより、受熱板3、熱電変換モジュール2及び冷却板4の挟持強さを調整することができる。
本発明で用いられる支持枠7や締め付けボルト5cは、熱源となる使用設備により、例えば温度が400℃以上の高温になることが想定されるため、材質にはクリープ疲労損傷に対する強度を有する材料が求められる。そこで、締め付けボルト5cの材質としては、例えばSUS316、SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼、又はNCF600等の高ニッケル合金を適用することが望ましい。
本発明で用いられる受熱板3としては、前記熱電変換モジュール2との熱的接触が維持できる程度の熱伝導率の高い材料、具体的には、熱伝導率が100W/m・K以上、特に150W/m・K以上である材料が好ましい。熱伝導率が100W/m・K未満であると、受熱面とその裏面間の温度差に起因する変形により、熱電変換モジュールと受熱体との密着を阻害し得る。
このような材料としては、銅若しくはアルミニウム又はそれらを含む合金等が挙げられる。具体的には、銅、アルミニウムに加え、タングステン、モリブデンを夫々含む銅合金や、銅と炭素材料の複合材料(島根県産業技術センター、ホームページ:http://www.pref.shimane.lg.jp/sangyo/kouhou/shinsozaikaihatsu.html参照)、アルミニウム合金では、シリコンを含むもの、シリコンと銅、シリコンとマグネシウム、シリコンと銅とマグネシウムを含むもの(科学技術振興機構報 第566号参照)、また最近の研究により開発された、アルミニウムにカーボンナノチューブを分散して熱伝導率を大幅に高めたアルミ複合材料(産業技術総合研究所 鋳造データベース より、鋳造工学便覧、p450(http://unit.aist.go.jp/dmrc/db-dmrc/casting/gairon/text#07.htm)参照)や、最近開発された、ヒートレーンプレートと呼ばれる高熱伝導板(「ヒートレーン技術を用いた素子用放熱器」熱設計・対策技術シンポジウムに於ける発表論文(2002年4月18日 幕張メッセ)参照)等が挙げられる。
前記構成とすることにより、高温領域であっても、十分な強度を有する支持枠と押圧機構により、冷却板および受熱板各々と熱電変換モジュールとの間に十分大きい熱伝達係数を保つことが可能であり、支持枠に穴を設け、熱伝導率の高い受熱板に直接熱源からの輻射熱を受熱することで、同じく受熱板の受熱面から熱電変換モジュールへ高い熱伝達を保つことができる。加えて、受熱板の受熱面とその対面との温度差が小さいことから、温度差による熱歪みを防止でき、受熱板と熱電変換モジュールの熱接触を確実に維持できる効果を発揮するものである。
本発明で用いられる熱電変換モジュール2は、一般に特殊な半導体材料である熱電変換材料のp型とn型のそれぞれの材料からなる素子を、交互に電気的に直列接続してなるもので、たとえば、非特許文献1のp367からp468にその例が多数記載されており、適用する熱源に対応して、熱電変換材料を適宜選択して利用するものである。
熱電変換材料としては、室温から250℃程度の低温側の熱回収には、Bi-Te系材料が最も高い性能を示すことから、一般に利用される。
ここでは、このBi-Te系材料を組成制御し、p型、n型の円柱形素子に加工し、珪酸カルシウムの型枠に埋め込んで、アルミニウムの溶射厚膜により素子間を電気的に接続してなる、特許第4056129号公報に記載の熱電変換モジュールを図4に例示する。
250℃から500℃程度の中温領域では、従来はPb-Te系材料が一般に用いられてきたが、近年開発が進み、スクッテルダイト型及び結晶の特定箇所に原子を含有した、充填スクッテルダイト型材料、Zn-Sb系材料、ホイスラー型材料、ハーフホイスラー型材料、マグネシウムシリサイド、マンガンシリサイドに代表される、シリサイド材料、コバルトを含む層状酸化物、複雑系カルコゲナイド材料、500℃以上の高温領域では、Ge-SiやSiC等が利用できる。
本発明で用いられる冷却板4としては、金属板の側面から、流路となる穴を形成した構造の冷却板においては、基本的には、やはり熱伝導率の大きな材料が好ましいことから、上記高温部の受熱板3に用いる材料群を用いることになる。即ち、銅、アルミニウムに加え、タングステン、モリブデンを夫々含む銅合金や、銅と炭素材料の複合材料、アルミニウム合金では、シリコンを含むもの、シリコンと銅、シリコンとマグネシウム、シリコンと銅とマグネシウムを含むもの、また最近の研究により開発された、アルミニウムにカーボンナノチューブを分散して熱伝導率を大幅に高めたアルミ複合材料等が挙げられる。エッチングで加工された複数枚の板を積層させて拡散接合された矩形状をなす構造の冷却板4では、板厚を薄くできることから、実効的に大きな熱伝達係数が得られることから、上述の材料の他、ステンレスやニッケルなども利用できる。
以上説明した本発明の熱電発電装置1は、冷却板4、熱電モジュール2、受熱板3及び押圧機構5を1ユニットとし、このユニットを、図5に示すように、たとえば3×3複数配列した複数ユニットとして、該ユニットの数に対応して、複数の額縁状の穴7aを有した、支持枠7に設置し、所望の発電量を得るシステムを構成できる。更に必要に応じて多数のユニットを配設することができ、これにより発電量の大容量化を図ることができる。
図5においては低温媒体の継手8が冷却板4の側面に取付けられた構成を示しているが、この継手8は冷却板4の上面に設けてもよい。継手8には、配管9として例えば鋼管、銅管、又はフッ素樹脂チューブが接続され、複数の冷却板4に跨って、或いは独立に、低温媒体が流通するように接続されている。
低温媒体は、図示しない入口ヘッダを介して各ユニットの冷却板4に配管9を介して供給され、低温媒体は各ユニットに複数の冷却板4に跨って流通し、発電作用中に温められた低温媒体は、配管9を介して図示しない出口ヘッダヘと戻される。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
尚、本発明については、実施例に先行して、本試験例を実施し、その結果をもとに、改良を行ったものであることから、実施例に先立って、試験例を先に説明する。
[試験例]
試験用熱電発電装置として、上述の最良の形態に示した部材のうち、支持枠7として、額縁状の穴7aを設置しない形態のものを用い、支持枠7そのものを受熱面とする装置を用いた。受熱面には、輻射エネルギーを効率よく吸収できるよう、炭化ケイ素系の塗料を塗布した。支持枠7には、材質としてSUS304の厚さ30mmの板を用いた。支持枠7には温度分布データ収集のため、熱電変換モジュール2の設置箇所表面とその裏面に溝を形成し、細いシース熱電対を各々に取り付けた。
熱電変換モジュール2は、特許文献6に記載の技術により作製した、Bi−Te系材料の直径12mm、長さ5mmのp型、n型素子を200個、100対、直列に、1mm厚さのアルミニウムの直接溶射膜により、直列接続してなるものを用いた。外形寸法は、略150mm×300mmである。
試験に用いた、上述の熱電変換モジュール2は、電極面がむき出しの、スケルトン型モジュールであることから、金属部材への装着には、50μm厚さのポリイミドフィルムの両面に、熱伝導性グリスを塗布して、電気絶縁性を保持するとともに、熱伝導性を付与する方法を採用した。
冷却板4としては、材質銅、寸法150mm×300mm×50mmの板に、上述の最良の形態に示すように、直径14mmの蛇行状の流路7aを形成し、側面に流体の出入り口4bを設置してなるものを用いた。また、冷却板4の温度を測定できるように、冷却板4の側面から、熱電変換モジュール2との接触面側に、細い穴を設け、シース熱電対を挿入した。
角柱棒状押圧部材5aとしては、材質SUS304、寸法30mm×30mm×280mmの2本の角材に、M20の締め付けボルト5cを通す挿通孔を、それぞれ両端付近に各2個設置したものを、上述の最良の形態に示すように用いた。締め付けにはトルクレンチを用い、面圧2.5kgW/cm2となるように締め付けた。
試験は、約900℃の高温に加熱された平均幅1000mmの板状の高温輻射体が断続的に移動する、プラントにおいて実施した。前記試験用発電装置は、水平に可動するアームに取り付け、該輻射体の上方1000mmに水平に保持できる位置を稼動位置とし、水平に移動して、輻射熱を無視できる離れた位置を退避位置として、必要に応じ稼動位置に移動させて試験を実施した。低温媒体としては、約30℃の水を10リットル/分の流量で定常的に流した。発電量は熱電変換モジュール2の出力端に、電子負荷装置を接続し、熱電変換モジュール2の内部抵抗と同じ負荷となるように自動制御し、最大出力電力を測定できるシステムを構成し、試験装置の各部の温度とともに、自動的に測定し、データを得た。
その典型的なデータを図7に示す。装置を退避位置から稼動位置に移動すると、受熱板3の温度が順調に上昇し、電力出力も上昇する。稼動位置に固定した後、輻射体の温度の変動等により、受熱板3の温度は少々変動しており、変動に合わせて、電力出力も変化しているが、データを解析すると、状態がほぼ安定した時点での、電力出力は、設計値のほぼ半分と、大きく下回っていた。この試験用発電装置で得られた電力出力の特徴としては、上述の安定領域での設計値を下回る点の他に、試験後、試験用発電装置を待機位置に移動するとき、電力出力が常に一旦急増してから下降するのである。この現象は出力急増の大きさに差はあるものの、全てのランで観察できた。この電力出力が急増する箇所の前後を更に詳細に調査するため、時間軸を拡大したものが、図8である。この図から、出力の急増は受熱板3の表面と内部に温度差がなくなったときに、発生している。以上のことから、以下のように考察した。
出力電力が設計値を下まわっている原因は、接触熱抵抗が大きいためでる。その接触熱抵抗の大きい原因は、受熱板3の熱変形が最大の原因と推定できる。即ち、熱伝導率の低いSUSの厚板のため、受熱面とその対抗面の温度差により大きく熱変形し、熱電変換モジュールとの間で熱接触が保持できなくなる(図9(a)参照)。輻射を除くと、上記温度差はなくなり、SUS板の変形もなくなることから、熱接触が復活して、すでに十分加熱されているSUS板が熱電変換モジュールに接触することで、急激に大きな温度差が生じ、電力出力もそれに伴って、急増する。(図9(b)参照)この段階では、すでに輻射源がないことから、エネルギーの供給がないため、その後は温度差は急激に小さくなり、それに伴い電力出力も低下する。
[実施例]
上記考察をもとに、改良した熱電発電装置1が、本発明である。熱電発電装置本体については、上述の受熱板3の構造を最良の形態においてすでに示したように、熱電変換モジュール2とほぼ同じ大きさの熱伝導率の大きい銅製の板(150mm×300mm×30mm)で作製した。受熱板3には、試験例と同様の位置に、シース熱電対を2本設置した。また、SUS304製の30mm厚の板の中央部に受熱板3が収まる、四角形の孔をあけ、受熱板3が下方に落下しないよう、縁取りを形成した支持枠7を新たに製作した。組みあがりの図面が図1〜3に示すものである。
試験は、試験例と同様の装置、システム、条件により行った。その結果得られた典型的データが図6である。試験例と大きく異なる点は、電力出力が、設計値とほぼ同等であることと、発電装置を稼動位置から、退避位置に移動した際の、電力出力の異常がまったく見られないことである。本発明により、輻射熱源に対する、安定した電力出力が得られる熱電発電装置を実用に供することが可能となった。
1・・・熱電発電装置
2・・・熱電変換モジュール
3・・・受熱板
4・・・冷却板
4a・・・流路
4b・・・継ぎ手8の接続部位(流路出入口)
4c・・・凹部
5・・・押圧機構
5a・・・角柱棒状押圧部材
5b・・・締め付けナット
5c・・・締め付けボルト
5d・・・スプリングワッシャ
7・・・支持枠
7a・・・受熱板3の輻射体に対する面を露出させるための穴
7b・・・ボルト挿通孔
8・・・継ぎ手
9・・・配管

Claims (3)

  1. 輻射体が放射する熱を受ける金属製の輻射受熱板と、冷却板と、該金属製の輻射受熱板と該冷却板との間に挟持される熱電変換モジュールとからなる熱電発電装置において、
    該金属製の輻射受熱板、該熱電変換モジュール及び該冷却板を互いに圧接し、支持するための押圧機構を有する支持枠を設け、該支持枠は、該輻射受熱板の該輻射体に対する面を露出させるための穴を設けたものである、輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置であって、
    前記輻射受熱板が、前記熱電変換モジュールとの熱的接触が維持できる程度の熱伝導率の高い受熱板であることを特徴とする、輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置
  2. 前記受熱板が、熱伝導率が100W/m・K以上である材料からなることを特徴とする、請求項1に記載の輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置。
  3. 前記熱伝導率が100W/m・K以上である材料が、銅若しくはアルミニウム又はこれらを含む合金であることを特徴とする、請求項2に記載の輻射体からの輻射熱を熱源とする熱電発電装置。
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