JP2006217756A - 熱電発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 得られる発電量を増大させることができる熱電発電装置を提供する。
【解決手段】 熱電発電装置1は、排気通路2を通る排気ガスの熱を回収する熱交換フィン部11を有する高温側熱交換器6と、熱交換フィン部11で回収された熱を電気に変換する熱電変換素子モジュール8と、熱電変換素子モジュール8の低温側端面を冷却するための低温側熱交換器9とを備えている。高温側熱交換器6と熱電変換素子モジュール8との間には、繊維状金属を主材料とした熱伝導シート7が配置されている。高温側熱交換器6の下流側に位置する排気管4の内部には、多孔質体17が配置されている。多孔質体17は、高温側熱交換器6を通り抜けた排気ガスを通過させると共に、当該排気ガスの熱を吸収し、これを輻射熱(放射熱)Aとして高温側熱交換器6側に返す熱放射部材である。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱電発電装置1は、排気通路2を通る排気ガスの熱を回収する熱交換フィン部11を有する高温側熱交換器6と、熱交換フィン部11で回収された熱を電気に変換する熱電変換素子モジュール8と、熱電変換素子モジュール8の低温側端面を冷却するための低温側熱交換器9とを備えている。高温側熱交換器6と熱電変換素子モジュール8との間には、繊維状金属を主材料とした熱伝導シート7が配置されている。高温側熱交換器6の下流側に位置する排気管4の内部には、多孔質体17が配置されている。多孔質体17は、高温側熱交換器6を通り抜けた排気ガスを通過させると共に、当該排気ガスの熱を吸収し、これを輻射熱(放射熱)Aとして高温側熱交換器6側に返す熱放射部材である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば車両のエンジン等から排出される排気ガスの熱を利用して発電を行う熱電発電装置に関するものである。
従来の熱電発電装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行うものが知られている。この文献に記載の熱電発電装置は、熱電変換モジュールと、この熱電変換モジュールの一面側に配置され、排気ガスの熱を回収する熱交換部と、熱電変換モジュールの他面側に配置され、熱電変換モジュールを冷却する冷却部とを有し、熱電変換モジュールの一面側(高温側)と他面側(低温側)との温度差に応じた熱電効果によって発電を行う。
特開2004−208476号公報
上記のような熱電発電装置において、発電量を増やして高い発電効率を確保するためには、高温の排気ガスの熱エネルギーをどれだけ得られるかが重要である。しかし、熱交換部のフィンの大きさ、コスト、圧力損失等の制約があるため、受熱量には限界がある。
本発明の目的は、得られる発電量を増大させることができる熱電発電装置を提供することである。
本発明は、熱源からの熱媒体の熱を利用して発電を行う熱電発電装置において、熱源からの熱媒体が通る通路と、通路を通る熱媒体の熱を回収する熱交換部と、熱交換部で回収された熱を電気に変換する熱電変換部と、通路内における熱交換部よりも下流側に配置され、熱交換部を通り抜けた熱媒体を通過させると共に熱交換部側に熱を放射する熱放射部材とを備えることを特徴とするものである。
このような熱電発電装置においては、通路を通る熱媒体の熱が熱交換部に回収され、その回収熱が熱交換部から熱電変換部に伝導され、熱電変換部により発電がなされる。熱交換部を通り抜けた熱媒体は、熱放射部材を通過して流れていく。このとき、熱放射部材から熱交換部側に熱が放射され、その熱も熱交換部に回収される。このため、熱交換部による熱回収量が多くなるので、その分だけ熱交換部から熱電変換部への熱伝導量も多くなる。これにより、熱電変換部で得られる発電量が増大する。
また、熱電変換部が熱媒体の流れ方向に沿って複数配置されている場合には、熱交換部は上流側から熱媒体の熱を回収していくので、熱交換部の上流側領域の温度が熱交換部の下流側領域の温度に対して高くなる。しかし、熱放射部材は通路内における熱交換部よりも下流側に配置されているので、熱放射部材からの放射熱は熱交換部の下流側領域で多く回収されることになる。そのため、熱交換部の上流側領域と下流側領域との温度差が小さくなるので、通路上流側の熱電変換部で得られる発電量と通路下流側の熱電変換部で得られる発電量との差が小さくなる。また、熱交換部の上流側領域と下流側領域との熱膨張差が小さくなるので、熱交換部の熱変形が抑えられる。
好ましくは、熱放射部材は、熱交換部を通り抜けた熱媒体の熱を吸収して放射熱を発する多孔質体である。このような構成では、熱交換部で回収しきれなかった熱媒体の熱が熱放射部材により熱交換部に戻される事になるので、熱媒体の熱を有効利用することができる。また、多孔質体は熱媒体を通過させるための多くの孔を有しているので、多孔質体の表面積が全体的に大きくなる。このため、熱交換部を通り抜けた熱媒体の熱が多孔質体に十分に吸収されるので、熱交換部に戻される熱放射量を多くすることができる。
このとき、多孔質体の熱交換部側の端面が凹状または凸状を有していることが好ましい。これにより、多孔質体の熱放射面積が拡大するため、熱交換部に戻される熱放射量を更に多くすることができる。
熱放射部材は、熱媒体が通るための貫通孔を有し、熱交換部からの放射熱を熱交換部に向けて反射させる部材であっても良い。この場合には、熱放射部材の小型化を図りつつ、熱交換部からの放射熱を利用して、確実に熱交換部側に熱を放射することができる。
また、好ましくは、熱交換部と熱電変換部との間には、繊維状金属を主材料とする熱伝導シートが配置されている。熱伝導シートは、繊維状金属を主材料としているため弾性を有している。この熱伝導シートの弾性特性によって、熱伝導シートは熱交換部及び熱電変換部の変形に追従して密着するようになるため、熱交換部と熱電変換部との間に隙間が発生しにくくなる。このため、熱交換部と熱電変換部との間の熱抵抗が低減されるので、熱交換部で回収された熱媒体の熱が熱伝導シートを介して熱電変換部に効率良く熱伝導される。これにより、熱電変換部で得られる発電量が更に増大する。
このとき、熱伝導シートは、繊維状金属よりも融点の低い液体金属を含んでいることが好ましい。この場合、熱交換部で回収された高温の熱が熱伝導シートに加わると、液体金属が固体から液体になるため、熱伝導シートが熱交換部及び熱電変換部の表面に追従・密着しやすくなる。このため、熱交換部と熱電変換部との間に隙間が一層発生しにくくなるので、熱交換部から熱電変換部への熱伝導が更に効率良く行われる。
また、本発明は、熱源からの熱媒体の熱を利用して発電を行う熱電発電装置において、熱源からの熱媒体が通る通路と、通路を通る熱媒体の熱を回収する熱交換部と、熱交換部で回収された熱を電気に変換する熱電変換部とを備え、熱交換部と熱電変換部との間には、繊維状金属を主材料とする熱伝導シートが配置されていることを特徴とするものである。
このような熱電発電装置においては、通路を通る熱媒体の熱が熱交換部に回収され、その回収熱が熱交換部から熱伝導シートを介して熱電変換部に伝導され、熱電変換部により発電がなされる。ここで、熱伝導シートは、繊維状金属を主材料としているため弾性を有している。この熱伝導シートの弾性特性によって、熱伝導シートは熱交換部及び熱電変換部の変形に追従して密着するようになるため、熱交換部と熱電変換部との間に隙間が発生しにくくなる。このため、熱交換部と熱電変換部との間の熱抵抗が低減されるので、熱交換部で回収された熱媒体の熱が熱電変換部に効率良く熱伝導される。これにより、熱電変換部で得られる発電量が増大する。
本発明によれば、熱電変換部で得られる発電量が増大するので、熱電発電装置の発電効率を向上させることができる。
以下、本発明に係わる熱電発電装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる熱電発電装置の一実施形態を示す断面図であり、図2は、図1のII−II線部分断面図である。各図において、本実施形態の熱電発電装置1は、自動車等の車両におけるエンジンの排気系の任意箇所、例えば排気浄化触媒の上流側部分に配設されるものである。
熱電発電装置1は、図示しないエンジン(熱源)からの排気ガス(熱媒体)が通る排気通路2を形成する排気管3,4と、これらの排気管3,4間に配置され、排気ガスの熱を利用して発電を行う熱電ユニット5とを備えている。
熱電ユニット5は、高温側熱交換器6と、この高温側熱交換器6の外側に熱伝導シート7を介して配置された複数の熱電変換素子モジュール8と、これらの熱電変換素子モジュール8の外側に配置された複数の低温側熱交換器9とを有している。
高温側熱交換器6は、略矩形筒状の基部10と、この基部10と一体的に設けられ、排気通路2を通る排気ガスの熱を回収する複数(例えば4つ)の熱交換フィン部11とからなっている。高温側熱交換器6は、アルミニウム、銅、ステンレス等といった熱伝導率の良い材料で形成されている。熱交換フィン部11を構成する複数のフィン12は、排気ガスの流れ方向(図示矢印方向)に所定の間隔をもって平行に延びるように基部10の内面に固定されている。熱交換フィン部11の各フィン12の高さ(フィン基端からフィン先端までの長さ)は、熱交換フィン部11の中央部から縁部に向かって低くなっている。なお、高温側熱交換器6の内側空間は、排気ガスが通る排気通路2の一部を形成している。
熱電変換素子モジュール8は、高温側熱交換器6の基部10に沿って複数(例えば4つ)ずつ2列に配置されている。熱電変換素子モジュール8は、複数の熱電変換素子(例えばBi2Te3等からなるp型半導体及びn型半導体)を有し、熱交換フィン部11で回収された熱を電気に変換する。具体的には、熱電変換素子モジュール8は、高温側熱交換器6側の端面(高温側端面)と低温側熱交換器9側の端面(低温側端面)との間の温度差に応じて、ゼーベック効果による起電力を発生させる。
低温側熱交換器9は、熱交換フィン部11と同じ数だけある。各低温側熱交換器9は、排気ガスの流れ方向に延びるように熱電変換素子モジュール8上に載置されている。低温側熱交換器9は、例えばアルミニウム等で形成されている。低温側熱交換器9には、熱電変換素子モジュール8の低温側端面を冷却するための冷却水が通る冷却水通路13が設けられている。冷却水通路13には冷却水管14が接続され、この冷却水管14はラジエータ(図示せず)と繋がっている。これにより、各低温側熱交換器9の内部には冷却水が循環するようになる。
各低温側熱交換器9における熱電変換素子モジュール8に対応する部位の上面には、押し付けブロック15が設けられている。そして、各低温側熱交換器9の外側には、押し付けブロック15を介して高温側熱交換器6、熱電変換素子モジュール8及び低温側熱交換器9を押し付けて固定するためのバンド16が配置されている。押し付けブロック15の上面は球面状を有している。このため、バンド16は押し付けブロック15に対して点接触することになるので、バンド16による押し付け力のベクトルは、排気ガスの流れ方向に対して垂直な方向となる。
各熱電変換素子モジュール8の高温側端面と高温側熱交換器6の基部10の外面との間には、上記のように熱伝導シート7が配置されている。熱伝導シート7は、弾力性をもたせるべく、繊維状金属を主材料として形成されている。繊維状金属としては、例えば耐熱性及び耐食性の高いステンレスが用いられる。このような熱伝導シート7の弾性特性によって、熱伝導シート7は高温側熱交換器6及び熱電変換素子モジュール8の変形に追従して両者に密着するようになる。このとき、熱伝導シート7は熱電変換素子モジュール8の高温側端面全面に密着するため、バンド16による高温側熱交換器6及び熱電変換素子モジュール8に対する押し付け力の不均等が抑えられ、両者間に押し付け力不足の部位が生じることは殆ど無い。
熱伝導シート7は、繊維状金属よりも融点の低い液体金属を含んでいることが好ましい。この液体金属としては、例えば融点が230℃程度のスズが用いられる。繊維状金属及び液体金属を含有した熱伝導シート7を作る場合は、シート状の繊維状金属と液体金属とを用意し、温度を上げて液体金属を液体にした状態で、液体金属を繊維状金属に含漬させる。このとき、繊維状金属の毛細管現象によって、液体金属は繊維状金属にしみ込んで吸収されるため、これを冷やした状態では、固体状の液体金属が繊維状金属に十分に保持されるようになる。
また、高温の排気ガスの熱が高温側熱交換器6の熱交換フィン部8に回収されたときには、その回収熱が熱伝導シート7に伝えられ、熱伝導シート7に含まれる液体金属が固体から液体になるため、熱伝導シート7の弾力性が維持される。このとき、繊維状金属には液状の液体金属が満たされた状態となるので、熱伝導シート7は高温側熱交換器6及び熱電変換素子モジュール8の変形に追従して両者に十分密着するようになる。また、液体金属は繊維状金属に閉じこめられた状態となるので、バンド16による押し付け力によっても液状の液体金属は漏れること無く保持される。
このような熱電ユニット5の下流側に位置する排気管4の内部には、多孔質体17が配置されている。多孔質体17は、高温側熱交換器6を通り抜けた排気ガスを通過させると共に、当該排気ガスの熱を吸収し、これを輻射熱(放射熱)Aとして高温側熱交換器6側に返す熱放射部材である。具体的には、多孔質体17が排気ガスの熱を吸収すると、多孔質体17の温度が上がり、多孔質体17の高温側熱交換器6側の端面(熱放射面)17aから輻射熱Aが発する。
多孔質体17は、Al2O3やSIC等といった耐熱性及び熱放射率の高い材料で形成されている。このような材料を用いることで、高温の排気ガスの熱による多孔質体17の劣化が防止されるため、多孔質体17の安定した性能を長期間にわたって保つことができる。また、多孔質体17で受けた熱は、効率良く放射熱に変換されて高温側熱交換器6に向けて放射されるようになる。
多孔質体17は排気ガスを通過させるための多くの孔を有しているので、多孔質体17の性質の1つとして、表面積が大きいという性質がある。このため、排気ガスの熱吸収量が多くなるので、その分だけ多くの輻射熱が多孔質体17から放射される。また、多孔質体17の空孔率を適切に設定することにより、多孔質体17の軽量化を図りつつ、排気ガスの通過流路断面積を大きくして、排気ガスの圧力損失を低減することができる。さらに、既存の排気管4を利用して多孔質体17を配置したので、多孔質体17を設置するためのスペースを別途設ける必要がなく、装置を大型化させなくて済む。
以上のように構成した熱電発電装置1において、エンジンの作動時には、エンジンからの排気ガスが排気通路2に導入される共に、低温側熱交換器9の冷却水通路13に冷却水が流通するようになる。排気通路2を通る排気ガスは、高温側熱交換器6の各熱交換フィン部11を通り抜け、更に多孔質体17を通過して排出される。
このとき、各熱交換フィン部11により高温の排気ガスの熱が奪われる。この熱は熱伝導シート7を介して熱電変換素子モジュール8に伝導されるため、熱電変換素子モジュール8の高温側端面は高温状態に維持される。一方、熱電変換素子モジュール8の低温側端面は、低温側熱交換器9内を流れる冷却水に熱を奪われるため、冷却される。これにより、熱電変換素子モジュール8の高温側端面と低温側端面との間に温度差が生じ、この温度差に応じた電力が発生する。
ここで、熱交換フィン部11で奪い残された排気ガスの熱は、多孔質体17により吸収されて輻射熱に変換される。そして、多孔質体17の熱放射面17aから高温側熱交換器6に向けて輻射熱が放射される。これにより、高温側熱交換器6の熱交換フィン部11が多孔質体17からの輻射熱を受けることになるため、熱交換フィン部11の温度が上がる。
図3は、熱電発電装置1の各部の温度分布を示したものである。同図において、例えば排気管4内に多孔質体17が無い場合には、細実線Qで示すように、排気ガスが排気管4内を通っても、排気管4の上流側と下流側とでは温度が変わらない。本実施形態のように排気管4内に多孔質体17を設けた場合には、太実線Pで示すように、排気ガスが排気管4内を通ったときに、排気ガスの熱が多孔質体17に吸収されるため、排気管4の下流側温度が排気管4の上流側温度よりも低くなる。従って、排気管4の下流側温度は、多孔質体17が無い場合に比べて、例えば熱吸収分に対応する温度Tだけ下がるようになる。そして、多孔質体17により吸収された熱は輻射熱として放射され、その輻射熱が熱交換フィン部11で受熱されるため、熱交換フィン部11の温度は、多孔質体17が無い場合に比べて、例えば熱吸収分に対応する温度Tだけ上がるようになる。
このように熱交換フィン部11は、排気ガスが各フィン12間を通るときに排気ガスの熱を回収するだけでなく、多孔質体17から放射された輻射熱をも回収するため、熱交換フィン部11における総熱回収量が増大する。このため、熱交換フィン部11から熱電変換素子モジュール8への熱移動量が増えるので、熱電変換素子モジュール8の高温側端面と低温側端面と温度差が大きくなる。これにより、熱電変換素子モジュール8で得られる発電量が増大する。
このとき、多孔質体17は熱交換フィン部11よりも排気通路2の下流側に位置しているので、熱交換フィン部11の上流側領域に比べて熱交換フィン部11の下流側領域が多孔質体17からの放射熱を多く受けることになる。ところで、排気ガスが熱交換フィン部11の各フィン12間を通るときには、熱交換フィン部11の上流側領域の方から順に排気ガスの熱を奪うため、熱交換フィン部11の上流側領域の温度が熱交換フィン部11の下流側領域の温度よりも高くなる。このため、上記のように多孔質体17からの放射熱が熱交換フィン部11の下流側領域において多く回収されることで、結果として熱交換フィン部11の上流側領域と下流側領域との温度差が小さくなる。従って、排気通路2の上流側の熱電変換素子モジュール8で得られる発電量と排気通路2の下流側の熱電変換素子モジュール8で得られる発電量との差が小さくなる。さらに、高温側熱交換器6の上流側領域と下流側領域との熱膨張差が小さくなるので、高温側熱交換器6の熱ひずみを抑えることができる。
また、各熱電変換素子モジュール8と高温側熱交換器6との間に熱伝導シート7を介在させたので、バンド16による押し付けや高温の排気ガスによる温度上昇等に起因して高温側熱交換器6に変形が生じたり、運転状況の変動等により高温側熱交換器6の変形量が変動した場合でも、それに追従して熱伝導シート7が高温側熱交換器6及び熱電変換素子モジュール8に十分密着する。このため、高温側熱交換器6と熱電変換素子モジュール8との間には殆ど隙間は発生せず、両者間の熱抵抗が低減される。また、高温側熱交換器6に対する熱電変換素子モジュール8の押し付け圧力の面内均一性が高くなる。これにより、熱交換フィン部11から熱電変換素子モジュール8への熱移動量が更に増えるため、熱電変換素子モジュール8で得られる発電量が更に増大する。
以上のように本実施形態によれば、高温側熱交換器6による排気ガスの受熱量を増大させると共に、高温側熱交換器6と熱電変換素子モジュール8との密着性を良好にしたので、発電量が大幅に増大し、これにより熱電発電装置1の発電効率が向上する。
図4は、本発明に係わる熱電発電装置の他の実施形態を示す断面図である。図中、上述した実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
同図において、本実施形態の熱電発電装置20は、上述した実施形態における多孔質体17に代えて、多孔質体21を備えている。多孔質体21の高温側熱交換器6側の端面(熱放射面)21aは、凹状に湾曲するように形成されている。このような構成とすることにより、上記の多孔質体17に比べて、熱放射面21aの面積が大きくなるため、多孔質体21からの放射熱Aの量が増大する。従って、高温側熱交換器6における放射熱Aの受熱量が更に多くなるので、熱電変換素子モジュール8で得られる発電量をより増大させることができる。
なお、本実施形態では、多孔質体21の熱放射面21aが凹状を有するような構成としたが、多孔質体の熱放射面が凸状を有するような構成とすることで、熱放射面の面積を拡大させても良い。
図5は、本発明に係わる熱電発電装置の更に他の実施形態を示す断面図である。図中、上述した実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
同図において、本実施形態の熱電発電装置30は、上述した実施形態における多孔質体17に代えて、高温側熱交換器6の熱交換フィン部11から放射された熱を高温側熱交換器6に向けて反射させる反射板31を備えている。反射板31は、高温側熱交換器6の下流側端部または排気管4の内部に配置されている。反射板31には、高温側熱交換器6を通り抜けた排気ガスを通過させるための複数の貫通孔32が形成されている。反射板31の材料としては耐熱性の高いステンレス等が用いられ、反射板31の表面には、反射率を高めるためにメッキが施されている。
このような熱電発電装置30では、熱交換フィン部11の各フィン12からの放射熱Bが反射板31で反射され、高温側熱交換器6に返される。そして、その反射熱Cが熱交換フィン部11で回収される。これにより、上述した実施形態と同様に、高温側熱交換器6における総熱回収量が増大するので、熱電変換素子モジュール8で得られる発電量を増大させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、排気通路2内における高温側熱交換器6よりも下流側に熱放射部材を配置する構成と、高温側熱交換器6と各熱電変換素子モジュール8との間に熱伝導シート7を配置する構成とを採用したが、いずれか一方の構成のみ採用しても良い。その場合でも、熱電変換素子モジュール8に対する熱伝導量が増大するため、熱電変換素子モジュール8で得られる発電量を増大させることができる。
また、上記実施形態では、熱電変換素子モジュール8を排気ガスの流れ方向に2列配置する構成としたが、熱電変換素子モジュール8を排気ガスの流れ方向に1列のみ配置しても良いし、3列以上配置しても良い。また、熱電ユニット5に設けられる熱電変換素子モジュール8の数としては、複数に限らず1つだけでも良い。
さらに、上記実施形態は、車両のエンジンから排出される排気ガスの熱を回収して発電を行うものであるが、本発明の熱電発電装置は、車両以外の設備等にも適用可能であり、例えば工場の高炉等から排出されるガスの熱を利用して発電を行うことも可能である。
1…熱電発電装置、2…排気通路、6…高温側熱交換器、7…熱伝導シート、8…熱電変換素子モジュール(熱電変換部)、11…熱交換フィン部(熱交換部)、17…多孔質体(熱放射部材)、17a…熱放射面、20…熱電発電装置、21…多孔質体(熱放射部材)、21a…熱放射面、30…熱電発電装置、31…反射板(熱放射部材)、32…貫通孔。
Claims (7)
- 熱源からの熱媒体の熱を利用して発電を行う熱電発電装置において、
前記熱源からの熱媒体が通る通路と、
前記通路を通る前記熱媒体の熱を回収する熱交換部と、
前記熱交換部で回収された熱を電気に変換する熱電変換部と、
前記通路内における前記熱交換部よりも下流側に配置され、前記熱交換部を通り抜けた前記熱媒体を通過させると共に前記熱交換部側に熱を放射する熱放射部材とを備えることを特徴とする熱電発電装置。 - 前記熱放射部材は、前記熱交換部を通り抜けた前記熱媒体の熱を吸収して放射熱を発する多孔質体であることを特徴とする請求項1記載の熱電発電装置。
- 前記多孔質体の前記熱交換部側の端面が凹状または凸状を有していることを特徴とする請求項2記載の熱電発電装置。
- 前記熱放射部材は、前記熱媒体が通るための貫通孔を有し、前記熱交換部からの放射熱を前記熱交換部に向けて反射させる部材であることを特徴とする請求項1記載の熱電発電装置。
- 前記熱交換部と前記熱電変換部との間には、繊維状金属を主材料とする熱伝導シートが配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の熱電発電装置。
- 前記熱伝導シートは、前記繊維状金属よりも融点の低い液体金属を含んでいることを特徴とする請求項5記載の熱電発電装置。
- 熱源からの熱媒体の熱を利用して発電を行う熱電発電装置において、
前記熱源からの熱媒体が通る通路と、
前記通路を通る前記熱媒体の熱を回収する熱交換部と、
前記熱交換部で回収された熱を電気に変換する熱電変換部とを備え、
前記熱交換部と前記熱電変換部との間には、繊維状金属を主材料とする熱伝導シートが配置されていることを特徴とする熱電発電装置。
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