JP2009216343A - 伝熱ヒンジ装置および冷却装置 - Google Patents

伝熱ヒンジ装置および冷却装置 Download PDF

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Masashi Ikeda
匡視 池田
Toshiaki Nakamura
敏明 中村
Yuichi Kimura
裕一 木村
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Abstract

【課題】回動可能な接続部における熱抵抗を小さくして、一方のヒートパイプから他のヒートパイプに熱を伝導することができる、信頼性の高い伝熱ヒンジ装置およびそれを使用した冷却装置を提供する。
【解決手段】伝熱ブロックと、前記伝熱ブロックに回動可能に接続される少なくとも1つのヒートパイプと、前記伝熱ブロックと前記ヒートパイプとを熱的に接続する、金属焼結体によって形成された焼結体層と、毛細管力によって前記焼結体層に保持された液体金属とを備えた伝熱ヒンジ装置。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体素子などの発熱素子の熱を、可動部を備えて伝導する伝熱ヒンジ装置およびそれを使用する冷却装置に関し、特に、液体金属を浸透させた焼結体を使用して可動部を形成する伝熱ヒンジ装置およびそれを使用した冷却装置に関する。
CPU、素子等によって発生する熱を、一方の部材から他方の部材に移動して、放熱するために使用する伝熱ヒンジ構造体が知られている。例えば、特開平10−187284号公報に、ブロックを利用したヒンジ構造のヒートパイプ式放熱器が開示されている。更に、WO2004/029532号公報に、シール材を利用するヒートパイプの接続方法が開示されている。
特開平10−187284号公報に開示されたヒンジ構造は、図6(a)に示すように、ノートブック形コンピュータのCPU側ハウジング部材112とディスプレイ側ハウジング部材114とを、ヒンジ機構136を使用して枢動可能に連結し、コンピュータ使用中に電子部品が発生する熱をCPU側ハウジング部材112からディスプレイ側ハウジング部材114に移送して、周囲環境に放散する。即ち、第1のヒートパイプ135の凝縮側端部からヒンジ部材152へ伝わった熱が、更に第2のヒートパイプ155を伝わって、ディスプレイ側ハウジング部材114上のヒンジ部材から離れた位置に運ばれる。これによって、CPU側ハウジング部材112に収容されている部品が発生した熱がディスプレイ側ハウジング部材114に沿って広がるように設定されている。
図6(b)に示すように、ヒンジ機構136は、ヒンジ部材152に形成された2つの円筒形の挿通部150、160を備えており、第1のヒートパイプ135の凝縮側端部が下側に位置する円筒形の挿通部150に枢支されている。第2のヒートパイプ155の蒸発側端部が上側に位置する円筒形の挿通部160に枢支されている。即ち、ヒンジ部材152は、円形の一部が欠けた断面形状の基部154を備えており、この基部154に上述した円筒形の挿通部150が貫通形成されている。またヒンジ部材152には、基部154の下辺から上方へ延在して挿通部150まで達している径方向のスリット156が形成されている。ヒンジ部材152は更に円形の一部が欠けた断面形状の上方突出部158を備えている。この上方突出部158に、円筒形の挿通部160が貫通形成されており、挿通部160は、挿通部150と平行に延在している。
WO2004/029532号公報に開示されたヒンジ機構は、図7(a)に示すように、中空部材、例えば丸型ヒートパイプ101の1つの端部に気密に接続された内部に中空状の連通部を備える第1コネクタ103と、中空部材、例えば丸型ヒートパイプ102の1つの端部に気密に接続された内部に中空状の連通部を備える第2コネクタ104とからなっており、第1コネクタ103と第2コネクタ104とが回動可能に気密に接続されている。
接続状態の細部は、図7(b)に示すように、第1コネクタ103と第2コネクタ104には、それぞれ径の異なる所定の長さの延伸部110,107が備えられており、延伸部110が延伸部107に挿入される。延伸部110は、円筒部108と先端部109からなっており、先端部の端部は、円筒部の径よりも大きく形成されてコネクタの係止を可能にしている。更に、延伸部107の内部には例えばOリングが設けられて気密な接続を容易にしている。
特開平10−187284号公報 WO2004/029532号公報
先ず、ヒートパイプが可動式でないときには、筐体内に放熱フィンを設置するように放熱器を設計する必要があるが,特に小型機器用では筐体内における放熱フィンの設置場所が制限されるため、放熱面積が十分に取れず、発熱素子等の熱源の冷却が不十分となってしまう。
特許文献1に開示されたような、複数のヒートパイプを、ヒンジ機構を使用して、接続して可動可能にする方法では、ヒンジ機構とヒートパイプの接触がバネ構造等による押し付けのために、接触部分における熱抵抗が大きくなり、温度差が大きくなるので、十分な放熱特性が得られないという問題点がある。
更に、ヒートパイプと可動式のヒンジ機構との接続部分に、サーマルグリスを充填させて接続部分の熱抵抗を小さくする方法もあるが、サーマルグリスは熱伝導率が数W/mKと小さいために、この部分での温度差を十分に小さくすることができず、熱源の冷却が不十分となってしまうという問題点がある。
特許文献2に開示されたヒンジ機構では、内部に中空状の連通部を備えるシール材を利用して、少なくとも2本のヒートパイプ流路を接続している。しかし、可動回数が多くなるとシール材の磨耗、もしくは経年劣化によって、シール部分からヒートパイプ内部にガスが混入してヒートパイプとしての機能が損なわれる可能性がある。
従って、この発明の目的は、回動可能な接続部における熱抵抗を小さくして、一方のヒートパイプから他のヒートパイプに効率よく熱を伝導することができる、信頼性の高い伝熱ヒンジ装置およびそれを使用した冷却装置を提供することにある。
発明者は上述した従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、2本のヒートパイプの端部を突合せ、突合せた部分を、液体金属を浸透させた焼結体で覆うと、浸透した液体金属が焼結体とヒートパイプの接触面において潤滑材として機能して、円滑な可動部を形成することが判明した。
同時に、液体金属は、熱伝導率が通常のサーマルグリスの約20倍以上と高く、一方のヒートパイプの凝縮部で放熱された熱が、ヒートパイプの管壁を通して液体金属に伝わり、液体金属に伝わった熱は、焼結金属を保持する伝熱ブロック全体に伝わり、別のヒートパイプの蒸発部に入熱する。従って、熱抵抗が小さく、効率よく2本のヒートパイプ間で熱を移動することができることが判明した。
この発明は、上述した研究成果に基づいてなされたものである。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第1の態様は、回動可能に接続される少なくとも1つのヒートパイプと、
前記ヒートパイプの表面に熱的に接続される焼結体によって形成された焼結体層と、
前記焼結体に浸透させ、毛細管力によって前記焼結体内に保持されて、前記ヒートパイプの回動を可能にする液体金属と、
前記焼結体層を保持する伝熱ブロックとを備えた伝熱ヒンジ装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第2の態様は、前記焼結体層が前記ヒートパイプの外周面に巻き付けられて形成され、前記焼結体層が前記ヒートパイプと共に回動する、伝熱ヒンジ装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第3の態様は、前記焼結体層が前記伝熱ブロックの内周面に接合されて形成され、前記ヒートパイプが回動する、伝熱ヒンジ装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第4の態様は、前記焼結体が前記ヒートパイプに対応する孔部を形成している、伝熱ヒンジ装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第5の態様は、前記ヒートパイプが1対のヒートパイプからなっており、前記ヒートパイプのそれぞれの端部が相対して配置されている、伝熱ヒンジ装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第6の態様は、ヒートパイプが1対のヒートパイプからなっており、前記ヒートパイプのそれぞれの端部が並列して配置されている、伝熱ヒンジ装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第7の態様は、前記焼結体を保持する伝熱ブロックを覆うケースを備えている、伝熱ヒンジ装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第8の態様は、前記液体金属がガリウム、ガリウム合金または水銀からなっている、伝熱ヒンジ装置である。
この発明の冷却装置の第1の態様は、一方の端部において回動可能に接続されるヒートパイプと、それぞれの端部が伝熱可能に接続されている別のヒートパイプと、前記ヒートパイプのそれぞれの表面に熱的に接続される焼結体によって形成された焼結体層と、前記焼結体に浸透させ、毛細管力によって前記焼結体内に保持されて、前記ヒートパイプのそれぞれの回動を可能にする液体金属と、前記焼結体層を保持する伝熱ブロックとを備えた伝熱ヒンジ装置と、
前記ヒートパイプの他方の端部に熱的に接続される、発熱部品の熱が伝わる別の伝熱ブロックと、
前記別のヒートパイプの他方の端部に熱的に接続された放熱フィン部とを備えた冷却装置である。
この発明の冷却装置の第2の態様は、前記放熱フィン側に冷却用ファンが取り付けられている、冷却装置である。
この発明の冷却装置の第3の態様は、前記冷却用ファンが、圧電素子を利用して振動板を振動させることによって冷却用空気を発生させて冷却を行う、冷却装置である。
この発明の冷却装置の第4の態様は、前記別の伝熱ブロック、または、前記放熱フィン側に熱電変換素子が使用されている、冷却装置である。
この発明の伝熱ヒンジ装置によると、2本のヒートパイプの端部を突合せ、突合せた部分を、液体金属を浸透させた焼結体で覆うと、浸透した液体金属が焼結体とヒートパイプの接触面において潤滑材として機能して、円滑な可動部を形成することができる。
更に、液体金属は、熱伝導率が通常のサーマルグリスの約20倍以上と高く、一方のヒートパイプの凝縮部で放熱された熱が、ヒートパイプの管壁を通して液体金属に伝わり、液体金属に伝わった熱は、焼結金属を保持する伝熱ブロック全体に伝わり、別のヒートパイプの蒸発部に入熱するので、熱抵抗が小さく、効率よく2本のヒートパイプ間で熱を移動することができる。
この発明の冷却装置によると、伝熱ヒンジ装置によって、放熱フィンの設置場所が制限されないので、空きスペースに必要な冷却を行うための放熱フィンを配置することが可能になり、熱源を十分に冷却することができる。
この発明の冷却装置によると、伝熱ヒンジ装置によって、放熱部品と発熱部品の位置の取り合いの調整が容易となり,部品の寸法精度を厳しくする必要がない.したがって,設計が容易となり,製造コストも安くできる.
この発明の伝熱ヒンジ装置および冷却装置の態様を、図面を参照しながら説明する。
この発明の伝熱ヒンジ装置の第1の態様は、伝熱ブロックと、伝熱ブロックに回動可能に接続される少なくとも1つのヒートパイプと、伝熱ブロックとヒートパイプとを熱的に接続する、焼結体によって形成された焼結体層と、
毛細管力によって焼結体層に保持された液体金属とを備えた伝熱ヒンジ装置である。即ち、2本のヒートパイプを、液体金属を浸透させた焼結体層を介して伝熱ブロックで回動可能に熱的に接続する。
図1は、この発明の伝熱ヒンジ装置および冷却装置の1つの態様を説明する斜視図である。先ず、伝熱ヒンジ装置について説明する。
図1に示すように、この発明の伝熱ヒンジ装置1は、例えば、一方のハウジング内に配置されたCPU等の発熱部品に熱的に接続された金属ブロック7に一方の端部(即ち、蒸発部)が熱的に接続された第1のヒートパイプ2の他方の端部(即ち、凝縮部)と、他方のハウジング内に配置された放熱部に、一方の端部(即ち、凝縮部)が熱的に接続された第2のヒートパイプ3の他方の端部(即ち、蒸発部)とを、液体金属を浸透させた焼結体を介して、回動可能に接続する。
2本のヒートパイプを相互に近接して配置するので、内部が中空状の連通部によってヒートパイプの内腔同士を接続する場合と異なり、ヒートパイプ内へ不凝縮ガスが混入して性能が劣化することは無く、信頼性が高まる。
即ち、第1のヒートパイプと第2のヒートパイプが伝熱ヒンジ装置1によって接続され、発熱部品から第1のヒートパイプ2の蒸発部に伝わった熱が凝縮部に移動されて、伝熱ヒンジ装置1によって吸収され、その熱が伝熱ヒンジ装置を介して第2のヒートパイプに伝わる。この際、上述したように、液体金属の熱抵抗が著しく小さいので、効果的な熱の移動が可能である。
ヒートパイプの内部には作動流体の流路となる空間が設けられ、その空間に収容された作動流体が、蒸発、凝縮等の相変化や移動をすることによって、熱の移動が行われる。密封された空洞部を備え、その空洞部に収容された作動流体の相変態と移動により熱の移動が行われるヒートパイプの作動の詳細は次の通りである。
ヒートパイプの吸熱側において、ヒートパイプを構成する容器の材質中を熱伝導により伝わってきた被冷却部品が発する熱を潜熱として吸収して、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側においては、作動流体の蒸気は凝縮して潜熱を放出するとともに、再び液相状態に戻る。このように液相状態に戻った作動流体は再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動によって熱の移動が行われる。重力式のヒートパイプにおいては、相変態によって液相状態になった作動流体は、重力によって、吸熱側に移動(還流)する。
図2は、伝熱ヒンジ装置を説明する部分拡大断面図である。
図2に示すように、伝熱ブロック5の内側に、液体金属を浸透させた焼結体からなる焼結体層4を介して2本のヒートパイプ2、3がそれぞれの端部を相対させて配置されている。更に、伝熱ブロック5の外側を囲むように、ケース6が取り付けられている。ヒートパイプと焼結体層とは、例えばヒートパイプの外周に金属粉末等を巻き付けるように配置し、焼結することによって接合する。
この場合は、焼結体層4がヒートパイプ2、3の外周面に一体に形成されて、焼結体層4がヒートパイプ2、3と共に、伝熱ブロックに対して回動する。即ち、焼結体層に浸透した液体金属が伝熱ブロックの内周面との間で潤滑材の働きをして、ヒートパイプに固定された焼結体層が、伝熱ブロックに対して回動する。なお、焼結体層4は、伝熱ブロック内に位置するヒートパイプ2、3の部分の外周面の全体にわたって形成される。しかし、常に全体にわたって形成する必要はなく、少なくとも一部の外周面に形成されればよい。
反対に、焼結体層がヒートパイプに固定(接合)されるのではなく、伝熱ブロックの内面に形成されてもよい。この場合には、焼結体層が伝熱ブロックの内周面の全体にわたって固定され、焼結体層に浸透した液体金属がヒートパイプの外表面との間で潤滑材の働きをして、ヒートパイプが、焼結体層と別体で回動する。即ち、伝熱ブロックの内周面に固定された焼結体層に対して、ヒートパイプが回動する。ヒートパイプ、伝熱ブロック、および、焼結体層は、上述した何れの方法によって、接合されていてもよい。
金属焼結体は、金属粉末を、所定温度、即ち金属粉末の溶融点前後の温度で加熱して、例えば、伝熱ブロックの内周面に焼結金属を固定させて形成する。金属粉末の材料は、例えば銅,青銅、ステンレス等であり、材料の形状として球粉体、または、異形粉体等であり、金属粉体の大きさを調節することによって、焼結金属の空隙の調整が可能である。
このように形成された金属焼結体に液体金属を浸透させる。液体金属は、ガリウム、ガリウム合金または水銀からなっている。上述した焼結体の材料である粉末金属は、使用する液体金属に応じて選択される。液体金属は、毛細管力によって、伝熱ブロックまたはヒートパイプに固定された焼結体層に保持される。即ち、液体金属の自己浸透効果を利用して、焼結体層から外部に液体金属が漏れないように保持される。
従って、可動部分で、サーマルインターフェース(TIM)として使用している液体金属が漏れることはないので、電子基板上での電気ショートの危険性が回避できる。
上述したように形成された伝熱ヒンジ装置においては、常温でも、伝熱ブロックまたはヒートパイプに固定された焼結体層に自己浸透効果を利用して保持された液体金属は、ヒートパイプの外表面または伝熱ブロックの内周面との間に潤滑材として機能して、ヒートパイプが回動可能に、伝熱ブロックに接続される。
上述したこの発明の伝熱ヒンジ装置を使用すると、第1のヒートパイプ2の凝縮部で放熱された熱は、第1のヒートパイプの管壁を通して、伝熱ブロック5に固定された焼結体層4に浸透して保持されている液体金属に伝わる。液体金属に伝わった熱は、液体金属の熱伝導によって伝熱ブロック全体に伝わり、第2のヒートパイプの蒸発部に入熱する。
なお、液体金属の熱伝導率は約70〜80W/mKと、通常のサーマルグリスの約3〜5W/mKに比べて顕著に高いので、効率よく第1のヒートパイプから第2のヒートパイプへと熱を伝えることができる。更に、上述したように、伝熱ブロックまたはヒートパイプに固定された焼結体層に浸透した液体金属がヒートパイプの外表面または伝熱ブロックの内周面との間に潤滑材として機能するので、伝熱ブロックに対して、ヒートパイプが回動可能である。
次に、図1および図2を参照してこの発明の冷却装置の1つの態様を説明する。図1および図2に示すように、この発明の冷却装置20は、伝熱ブロック5と、一方の端部9において伝熱ブロック5に回動可能に接続される第1のヒートパイプ2と、一方の端部10が伝熱ブロック5に熱的に接続されている第2のヒートパイプ3と、第1のヒートパイプ2および第2のヒートパイプ3のそれぞれの表面に形成された焼結体層4と、毛細管力によって焼結体層4に保持された液体金属とを備えた伝熱ヒンジ装置1と、第1のヒートパイプ2の他方の端部8に熱的に接続される、発熱部品の熱が伝わる別の伝熱ブロック7と、第2のヒートパイプの他方の端部11に熱的に接続された(図示しない)放熱部を備えている。
上述した冷却装置20において、例えばCPU等の発熱部品に熱的に接続された金属ブロック7に蒸発部(第1のヒートパイプの蒸発部8)が熱的に接続された第1のヒートパイプ2が一方のハウジング内に配置され、他方のハウジング内に第2のヒートパイプ3が配置されている。ここで、第1のヒートパイプの凝縮部9と第2のヒートパイプの蒸発部10は、液体金属を浸透させた焼結体層4を介して、伝熱ブロックに回動可能に保持されるので2つのヒートパイプは、著しく小さい熱抵抗で接続することができる。
図3は、伝熱ヒンジ装置および冷却装置の別の態様を説明する図である。図4は、図3に示す伝熱ヒンジ装置のA−A線における断面図である。図3および図4を参照して、先ず伝熱ヒンジ装置について説明する。図3および図4に示す伝熱ヒンジ装置1は、伝熱ブロック5の内側に、液体金属を浸透させた金属焼結体からなる焼結体層4を介して2本のヒートパイプ2、3の端部が並列に配置されている。更に、伝熱ブロック5の外側を囲むように、ケース6が取り付けられている。
図3に示すように、伝熱ブロックの一方の面に少なくとも2つの孔部を並列して設けて、それぞれの孔部にヒートパイプの端部を差し込んでいる。この態様の伝熱ヒンジ装置においては、ヒートパイプの可動領域を大きく設定することができる。この態様においても、伝熱ブロックの孔部の内周面またはヒートパイプの外表面への焼結体層を形成する方法は、図1および図2を参照して説明したのと同様である。
即ち、ヒートパイプの外表面に焼結体層を巻き付けるように形成する。この場合は、図4に示すように、焼結体層4がヒートパイプ2、3のそれぞれの端部の外周面に形成されて、焼結体層4がヒートパイプ2、3と一体となって、伝熱ブロック5に対して回動する。即ち、焼結体層4に浸透した液体金属が伝熱ブロック5の孔部の内周面との間で潤滑材の働きをして、ヒートパイプ2、3に固定された焼結体層4が、伝熱ブロック5に対して回動する。
反対に、焼結体層がヒートパイプに固定されるのではなく、伝熱ブロックの内面に形成されてもよい。この場合には、焼結体層4が伝熱ブロック5の孔部の内周面の全体にわたって固定され、焼結体層4に浸透した液体金属がヒートパイプの端部の外表面との間で潤滑材の働きをして、ヒートパイプ2、3が、焼結体層4と別体で回動する。即ち、伝熱ブロックの孔部の内周面に固定された焼結体層4に対して、ヒートパイプが回動する。
この態様の伝熱ヒンジ装置においては、第1のヒートパイプ2の凝縮部9と第2のヒートパイプ3の蒸発部10が伝熱ブロック5に形成された孔部に並列配置されて、熱的に接続され、発熱部品から第1のヒートパイプ2の蒸発部8に伝わった熱が凝縮部9に移動されて、伝熱ヒンジ装置1の伝熱ブロック5によって吸収され、その熱が伝熱ヒンジ装置1の伝熱ブロック5を介して第2のヒートパイプの蒸発部10に伝わる。上述したように、この発明の伝熱ヒンジ装置によると、伝熱ブロックの孔部の内周面とヒートパイプの端部の外表面とが、液体金属を浸透させた焼結体層を介して、小さい熱抵抗で、回動可能に接続される。
この発明の冷却装置20は、伝熱ブロック5と、一方の端部9において伝熱ブロック5の孔部に回動可能に接続される第1のヒートパイプ2と、一方の端部10が伝熱ブロック5の孔部に熱的に接続されている第2のヒートパイプ3と、第1のヒートパイプ2および第2のヒートパイプ3のそれぞれの端部の表面に形成された焼結体層4と、毛細管力によって焼結体層4に保持された液体金属とを備えた伝熱ヒンジ装置1と、第1のヒートパイプ2の他方の端部8に熱的に接続される、発熱部品の熱が伝わる別の伝熱ブロック7と、第2のヒートパイプの他方の端部11に熱的に接続された(図示しない)放熱部を備えている。
図5は、この発明の冷却装置の他の態様を説明する斜視図である。図5に示す態様においては、図1および図2を参照して説明した冷却装置における第2のヒートパイプの凝縮部に放熱フィンを取り付けている。この態様の冷却装置によると、例えばノートパソコンの筐体内に放熱フィンを配置するための十分なスペースが無いような場合に、伝熱ヒンジ装置1を利用して、放熱フィンをLCD(液晶表示装置)のバックパネル部に設置することができる。
また、図5に示す態様の冷却装置を自動車用のLED(発光ダイオード)の冷却用に使用する際には、放熱フィンを車体の一部に固定して、伝熱ヒンジ装置を可動させるように設定すると、可動式ヘッドライトの効果的な冷却が可能となる,もしくはLEDユニットの取り付け位置の調整がしやすくなるなどのメリットがある。更に、図示しないが、放熱フィンに通常の回転式ファンや、圧電素子を利用した揺動型のファンを利用して、冷却風を供給することにより、冷却効果を高めることができる。
揺動型のファンを利用して、振動板の周波数を可聴域外に設定すると、実質的にノイズレスの状態で、高性能の冷却装置が可能になる。
上述したように、この発明の冷却装置によると、伝熱ヒンジ装置によって、放熱フィンの設置場所が制限されないので、空きスペースに必要な冷却を行うための放熱フィンを配置することが可能になり、熱源を十分に冷却することができる。
伝熱ヒンジ装置によって、小さい熱抵抗で熱的接続が可能になり、可動部を備えた冷却装置の冷却性能が向上する。
この発明によると、回動可能な接続部における熱抵抗を小さくして、一方のヒートパイプから他のヒートパイプに熱を伝導することができる、信頼性の高い伝熱ヒンジ装置およびそれを使用した冷却装置を提供することができる。
図1は、この発明の伝熱ヒンジ装置および冷却装置の1つの態様を説明する斜視図である。 図2は、伝熱ヒンジ装置を説明する部分拡大断面図である。 図3は、伝熱ヒンジ装置および冷却装置の別の態様を説明する図である。 図4は、図3に示す伝熱ヒンジ装置のA−A線における断面図である。 図5は、この発明の冷却装置の他の態様を説明する斜視図である。 図6は、従来のヒンジ構造を示す図である。 図7は、従来のヒンジ構造を示す図である。
符号の説明
1 伝熱ヒンジ装置
2 第1のヒートパイプ
3 第2のヒートパイプ
4 焼結体層
5 伝熱ブロック
6 ケース
7 別の伝熱ブロック
8 第1のヒートパイプの蒸発部
9 第1のヒートパイプの凝縮部
10 第2のヒートパイプの蒸発部
11 第3のヒートパイプの凝縮部
12 放熱フィン

Claims (9)

  1. 伝熱ブロックと、
    前記伝熱ブロックに回動可能に接続される少なくとも1つのヒートパイプと、
    前記伝熱ブロックと前記ヒートパイプとを熱的に接続する、焼結体によって形成された焼結体層と、
    毛細管力によって前記焼結体層に保持された液体金属とを備えた伝熱ヒンジ装置。
  2. 前記焼結体層が前記ヒートパイプの少なくとも一部の外周面に形成され、前記焼結体層が前記ヒートパイプと共に回動する、請求項1に記載の伝熱ヒンジ装置。
  3. 前記焼結体層が前記伝熱ブロックの内周面に形成され、前記ヒートパイプが前記焼結体層と別体で回動する、請求項1に記載の伝熱ヒンジ装置。
  4. 前記ヒートパイプが2本のヒートパイプからなっており、前記2本のヒートパイプのそれぞれの端部が相対して配置されている、請求項1から3の何れか1項に記載の伝熱ヒンジ装置。
  5. ヒートパイプが2本のヒートパイプからなっており、前記2本のヒートパイプのそれぞれの端部が並列して配置されている、請求項1から5の何れか1項に記載の伝熱ヒンジ装置。
  6. 前記伝熱ブロックを覆うケースを備えている、請求項1から5の何れか1項に記載の伝熱ヒンジ装置。
  7. 前記液体金属がガリウム、ガリウム合金または水銀からなっている、請求項1から6の何れか1項に記載の伝熱ヒンジ装置。
  8. 伝熱ブロックと、一方の端部において前記伝熱ブロックに回動可能に接続されるヒートパイプと、一方の端部が前記伝熱ブロックに熱的に接続されている別のヒートパイプと、 前記ヒートパイプおよび前記別のヒートパイプのそれぞれの表面に形成された焼結体層と、毛細管力によって前記焼結体層に保持された液体金属とを備えた伝熱ヒンジ装置と、
    前記ヒートパイプの他方の端部に熱的に接続される、発熱部品の熱が伝わる別の伝熱ブロックと、
    前記別のヒートパイプの他方の端部に熱的に接続された放熱部とを備えた冷却装置。
  9. 前記放熱フィン側に冷却用ファンが取り付けられている、請求項8に記載の冷却装置。



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