JP2006086402A - 管状熱電モジュールおよび熱電変換装置 - Google Patents

管状熱電モジュールおよび熱電変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な構造で、熱電材料と電極との接合が容易かつ信頼性のある管状熱電モジュールを、また、LNGが内部に流れる配管へ用い熱電変換効率の高い熱電変換装置を提供する。
【解決手段】 内管と、外管とを有し、当該内管と外管との間の空隙部に環状のp型熱電変換素子と環状のn型熱電変換素子とを管軸方向に交互に配列し、隣合う前記環状p型熱電変換素子と環状n型熱電変換素子とが対向する面間に、環状の絶縁スペーサ部材を配置すると共に、前記内管側に位置する第1の環状電極部材と、前記外管側に位置する第2の環状電極部材とを管軸方向に交互に介在させてp型とn型の熱電変換素子を電気的に直列に接続し、p型とn型の熱電変換素子を環状電極部材及び環状絶縁スペーサ部材を介して管軸方向に熱間一軸加圧することにより接合してなる管状熱電モジュール。
【選択図】 図1

Description

本発明は熱を直接電気に変換する熱発電モジュールに関するものであって、LNG基地のLNG気化器で発生する気化熱を熱源とする熱発電システムに特に有用な管状熱電モジュールおよび熱電変換装置に関する。
熱電材料はゼーベック効果により熱を電気に直接変換でき、またこれとは逆にペルチェ効果により電気を熱(加熱・冷却)に直接変換できる材料である。熱電材料には、金属のように導電率が高い半導体が用いられ、通常、p型とn型の半導体を組み合わせて利用される。この対を通常、熱電素子といい、一般には、多数の素子を組み合わせたモジュールとして使用する。この熱電モジュールの用途としては、精密な温度制御ができる、局部的冷却ができる、静かである、フロン規制を受けない、長寿命で信頼性が高い、メインテナンス不要など利点があるため、主に光通信用レーザーダイオードの温度制御等に利用されてきている。
一方、近年、地球温暖化問題として、CO2の大幅な排出抑制が求められているが、産業、民生、運輸分野における未利用の熱エネルギーを有効活用することは、省エネルギー、CO2削減に大きく寄与するものとなるため、熱エネルギーを直接、電気エネルギーに変換できる熱電モジュールおよび熱電変換装置の開発が活発に行われるようになってきた。
常温から200℃の低温域で使用される熱電材料としては、1954年に米国のGE社のGoldsmidによって見出されたBiTe材が一般的に知られており、温度制御用途には、ほとんどこの材料が用いられている。熱電材料は、一般的に適用温度範囲が狭いため、廃熱を用いた発電用途においては、その温度域に応じて、低温域から中高温域で特性の優れた熱電材料が必要とされる。低温域においては、先の温度制御用途に用いられているBiTe材が特性的に優れ、発電用途にも用いることができる。またさらに低温域ではBiSb材が優れた特性を示す。
熱電変換装置は、低エネルギー密度の廃熱を利用して発電を行うため、一定の出力を得るためには、広いエリアに熱電モジュールを設置することが必要であり、製造コストの安価なものでなければ実用化することは困難である。
ところが、従来の熱電モジュールは、図6に示すように、多数のp型とn型の素子を平面上で交互に並べ、各素子間を電気的に直列になるよう電極を接合する必要があり、製造上非常に手間がかかるため、製造コストの低減が大きな問題であった。また、図5に示すように、ドーナツ状のP型およびn型素子を絶縁材料を挟んで交互に並べた管状モジュールも研究レベルでは知られている。(例えば非特許文献1参照)。しかし、この熱電モジュールは、絶縁材料を挟んでp型とn型素子を内外の電極で接合する構造で手間がかかり、製造コスト低減に有効な構造とは言い難い。また、管の径方向に電極と絶縁管を配備する為、熱抵抗が大きく素子への温度差がつきにくく、変換できる電気量が小さいという問題があった。この構造の複雑さと製造コスト、変換できる電気量が小さいという問題が、熱電変換装置の普及に大きな障害となっていた。
熱電変換技術は、未利用エネルギーの回収技術として、長年、実用化が期待されているにもかかわらず、一向に普及の兆しがない。この一番の大きな原因は、出力当たりの製造コストが高すぎるためである。発電用途の熱電モジュールとしては、たとえば、アメリカのHi-Z社が製品化しているものがあるが、温度制御用モジュールと同様に、多数のp型とn型の素子を交互に電極で接合した構造を有し、製造上、非常に手間がかかるものである。熱電発電技術を熱回収分野で利用するためには、この問題を解決することが一番大きな課題となっている。
そこで、熱源流体の流路の確保や製造上の有利性等を考えると管状の熱電モジュール構造が望ましいと言える。管状熱電モジュールとして、例えば特許文献1では、管状基材の外周面に熱電変換材料を析出成形して形成された熱電気変換装置が記載されている。図5に示すように軸方向に沿ってp型とn型の熱電変換材料が交互に並び、管状基材よりの位置で両者を直接接合した接合体構造を持つ事などが開示されている。しかしこの構造でも管状基材と熱電変換材料との接合は容易ではなく、かつ電気絶縁性リムまで備える必要がある。また、管の径方向に電極15,16と絶縁管17を配備する為、熱抵抗が大きく素子への温度差がつきにくく、変換できる電気量が小さいという問題があった。さらに熱電変換材料は溶射による析出成形を用いているが、それでもコストの問題を払拭するほどの効果を得るのは難しいものであった。
また、特許文献2では、内部が高温流体の流体流路となる二重円筒管の熱電発電モジュールが記載されている。この熱電モジュールは、内管と外管の間の空隙部に電気的に並列に接続された複数個の熱電変換素子が設けられている。しかしながら、これも多数の熱電変換素子を二重円筒管の空隙部の周方向に一対毎に並べて接合するので接続構造が煩雑となりコスト的な要求が満足できるか疑問であり、また各素子全てを通電させるような接合は技術的にかなりの困難が予想される。
特許第3174851号公報((0021)〜(0025)、図2) 特許第2775410号公報((0024)、図5) 18th International Conference on Thermoelectrics P312-315 (1999)
以上のように従来の管状熱電モジュールでは、管状ではあるがまだ構造が複雑であり、性能的にも熱的なロスが多く、製造上の煩雑さも伴いコスト的な問題を解決するには至っていない。また、熱電変換装置について見ると、熱媒体として従来、自動車の排ガスや加熱炉の排ガス、火力発電の加熱器など高温側の流体を熱源としている。そのため装置を構成する部材の耐熱、耐久性が問題になることがある。
そこで、本発明は例えばLNG等の低温側の流体を熱源とし、簡易な形状となし、信頼性の高い管状熱電モジュールを提供することを目的とする。また、熱電変換素子に高い温度差をかけるために管の径方向にはp型とn型の熱電変換素子を接合するための電極を設けず、熱的なロスを低減し高い温度差をかけて、高い発電出力が得られる熱電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の管状熱電モジュールは、内管と外管とを有し、当該内管と外管との間の空隙部に環状のp型熱電変換素子と環状のn型熱電変換素子とを管軸方向に交互に配列すると共に、隣合う前記環状p型熱電変換素子と環状n型熱電変換素子とが対向する面間に、当該p型とn型の熱電変換素子を電気的に直列に接続する環状の電極部材を設けたものである。ここで、前記環状の電極部材は、前記内管側に位置する第1の環状電極部材と、前記外管側に位置する第2の環状電極部材とを管軸方向に交互に介在させたものである。このような構成とすることにより、管の径方向への熱的なロスを低減でき、より高い温度差をかけて発電量を高めることができる。この点が本発明の一つの特徴である。
また、本発明の管状熱電モジュールは、前記環状p型熱電変換素子と環状n型熱電変換素子の対向する面間に、環状の絶縁スペーサ部材を配置し、前記p型とn型の熱電変換素子を環状電極部材及び環状絶縁スペーサ部材を介して管軸方向に熱間一軸加圧することにより接合してなるものである。絶縁スペーサはこのように熱間一軸加圧する際のストッパーともなり、部材間の接合が適度に保たれ、またp型素子とn型素子が直接接してしまうのを防ぐ役割がある。このようにして一度に長いモジュールを完成させることができるので、製造が容易でコスト低減ができる。この点も本発明の特徴である。
また、前記内管の少なくとも外周面及び前記外管の少なくとも内周面にはp型とn型の熱電変換素子を電気的に絶縁するために表面にSiO等の絶縁性被覆層を形成することが好ましい。その上で前記環状p型熱電変換素子と環状n型熱電変換素子の少なくとも内外周面には電気抵抗を下げるためにNiめっき等の導電性めっきを施すことが好ましい。この構成にすることにより電気的なロスを低減してさらに発電量を向上することが出来る。
尚、熱電変換素子としてはn型材としてBi-Te系を、p型材としてSb-Te系材料を用いることが好ましい。n型材としてはBi-Sb系材料を用いることもできる。
本発明の熱電変換装置は、上記した管状熱電モジュールの前記内管内に直接または間接的にLNG(液化天然ガス)等の低温流体が通る流路となし、且つ前記外管の周囲を高温側となる水などの媒体を介在させて熱電変換を行うものである。また、管状モジュールの表面積を拡大する目的で、管状モジュール外表面または内表面にフィンを設けることもできる。
このように、本発明の熱電変換装置は、LNG気化器に適用して熱源を低温側におくものであり、すなわち内管側にLNGを、外管側に水を流す等の構成となし、LNGが流れる2重配管の長さ方向に配置した各熱電変換素子に温度差が直接加わり効率的に電力を取り出すことができる。
本発明によれば、より高い温度差をロス無く設けることができ、構造もシンプルで信頼性も高く、製造コストを大幅に低減可能な管状熱電モジュールおよび熱電変換装置を提供できる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
以下、本発明の実施の一形態を説明する。図1は、本発明に関わる熱電変換装置の代表的な構成例であり、低温流体の流路となる金属製の内側配管(内管)1と、外側の配管(外管)2とを有し、当該内管と外管との間の空隙部15に環状のp型熱電変換素子3と、環状のn型の熱電変換素子4とを管軸方向(長さ方向)に交互に配置し、隣り合う環状p型熱電変換素子3と環状n型熱電変換素子4とが対向する面間に、この環状p型熱電変換素子3と環状n型の熱電変換素子4とを電気的に直列に接続する環状の電極部材5を介在して構成される。このように本発明の熱電モジュールは、管の軸方向(長さ方向)に環状電極部材5によってp型とn型の熱電変換素子を電気的に直列に接続してなり、この環状電極部材5は、内管1側に位置する小径の第1の環状電極部材51と外管2側に位置する大径の第2の環状電極部材52とを交互に配置して、p型とn型の熱電変換素子内を連続的に電流がロス無く流れるように接続している。環状電極部材51、52の材質としては、SUS304やアルミ製のリングなどを用いることができる。金属製の内管1と外管2は、p型とn型の熱電変換素子を電気的に絶縁するために表面をSiO等の絶縁材でコーティングしている。2重管に用いる管材としては、低温での使用に耐えうるSUS304系の材料や、アルミ製配管などを用いることができる。そして、p型及びn型熱電変換素子3、4について絶縁コーティングされた2重管の接触面には、電気抵抗を低減するために導電性のNiめっきを施している。そして、前記p型とn型の熱電変換素子3、4と、環状電極部材51、52は、環状の絶縁性スペーサー部材6を挟んで管の長さ方向に熱間一軸加圧することにより接合されている。一軸プレスの圧力としては0.5〜20Mpaが好ましい。
(実施例1)
Bi-Te系熱電材料(n型材)の原料粉はSbI3を0.1wt%含むBi2Te2.85Se0.16組成となるように原料を秤量し、一方、Sb-Te系熱電材料(p型材)の原料粉はBi0.4Sb1.6Te3の組成となるように原料を秤量して、振動ミルによるメカニカルアロイングを行い合成した。得られた粉末(Bi-Te粉またはSb-Te粉)を外径24mm、内径20mm、厚さ40mmのリング状に加圧成形後、酸素含有率低減のため、水素中350℃で10時間の熱処理を行い、その後、n型材とp型材ともにホットプレスで50Mpa、500℃、1時間の焼結にて外径25.5mm、内径19.5mm、厚さ30mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面に導電性を高めるために無電解Niめっきを施した。Niめっきを施した焼結体を厚さ3mmになるように加工して、リング状の熱電変換素子を得た。
二重管として外管2には、外径28mm×肉厚1mm×長さ100mmのSUS304製管の内外にSiO2コーティングを施したものを、内管1には外径19mm×肉厚1mm×長さ100mmのSUS304製管にの内外にSiO2コーティングを施したものをそれぞれ用いた。この二重管を、図2に示すように外管2に外接するカーボンダイ11を設置し、これらと共にホットプレス装置にセットし、外管2と内管1の間の空隙部15に、先に得られたn型焼結体(Bi-Te焼結体)4と、SUS304製の外径26mm×肉厚0.5mm×厚み0.7mmの大径側の環状電極部材52と、絶縁のアルミナ製の外径25mm、肉厚2.5mm×厚み0.5mmのスペーサー部材6を組み合わせたものを1セットとし、またp型焼結体(Sb-Te焼結体)3と、SUS304製の外径20mm×肉厚0.5mm×厚み0.7mmの小径側の環状電極部材51と、絶縁のアルミナ製の外径25mm、肉厚2.5mm×厚み0.5mmのスペーサー部材6を組み合わせたものを他の1セットとし、これらのセットを順に交互に10セット積み重ねて挿入した。なお、カーボンダイ11の表面には、二重管との反応防止のため、BNスプレーを十分塗布した。その後カーボンパンチ10を使用し、アルゴンガス中で、温度400℃、加圧力5Mpa、保持時間30分の熱間一軸プレスを行った。
次に、図3に示すように、上記で得た管状熱電モジュールを2本と、U字状のSUS304製の二重管12とを接合し、U字の折り返し構造を持った管状熱電モジュールユニット8とした。モジュール同士の電気的な接合は平網銅線9で接合した。そして、管状熱電モジュールユニット8を図4に示すようにLNGの気化器に挿入し熱電変換装置とした。管状熱電モジュールユニット8の挿入部を溶接し、その後、管状熱電モジュールユニット8の内管内にLNGを流し、外管の外側には25℃の水を流すことにより、気化したNGを取り出すようにした。この時の熱電変換の最大出力を、電子負荷装置を用い負荷抵抗を変化させて求めた。その結果、得られた出力は32Wであった。また、連続1ヶ月の連続試験でも出力の低下は認められなかった。
(実施例2)
Bi-Sb系熱電材料(n型材)の原料粉はBi0.12Sb0.88組成となるように原料を秤量し、一方、Sb-Te系熱電材料(p型材)の原料粉はBi0.4Sb1.6Te3の組成となるように原料を秤量して、振動ミルによるメカニカルアロイングを行い合成した。得られた粉末(Bi-Te粉またはSb-Te粉)を外径24mm、内径20mm、厚さ40mmのリング状に加圧成形後、酸素含有率低減のため、水素中250℃で10時間の熱処理を行い、その後ホットプレスでn型材は50Mpa、250℃、1時間、p型材は50Mpa、450℃、1時間の焼結にて外径25.5mm、内径19.5mm、厚さ30mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面に導電性を高めるために無電解Niめっきを施した。Niめっきを施した焼結体を厚さ3mmになるように加工して、リング状の熱電変換素子を得た。ここまでで実施例1と違う点は、n型材にBiSbを用いた点でこの材質の違いにより熱処理条件及びホットプレスの条件が少し異なっている。
二重管として外管2には外径28mm×肉厚1mm×長さ100mmのSUS304製管の内外にSiO2コーティングを施したものを、内管1には外径19mm×肉厚1mm×長さ100mmのSUS304製管にの内外にSiO2コーティングを施したものを用いた。この二重管を、図2に示すように外管2に外接するカーボンダイ11を設置し、これらと共にホットプレス装置にセットし、外管2と内管1の間の空隙部15に、先に得られたn型焼結体(Bi-Te焼結体)4と、SUS304製の外径26mm×肉厚0.5mm×厚み0.7mmの大径側の環状電極部材52と、絶縁のアルミナ製の外径25mm、肉厚2.5mm×厚み0.5mmのスペーサー部材6を組み合わせたものを1セットとし、またp型焼結体(Sb-Te焼結体)3と、SUS304製の外径20mm×肉厚0.5mm×厚み0.7mmの小径側の環状電極部材51と、絶縁のアルミナ製の外径25mm、肉厚2.5mm×厚み0.5mmのスペーサー部材6を組み合わせたものを他の1セットとし、これらのセットを順に交互に10セット積み重ねて挿入した。なお、カーボンダイ11の表面には、二重管との反応防止のため、BNスプレーを十分塗布した。その後カーボンパンチ10を使用し、アルゴンガス中で、温度250℃、加圧力5Mpa、保持時間30分の熱間一軸プレスを行った。ここで実施例1とはプレス時の温度が異なっている。
次に、図3に示すように、上記で得た管状熱電モジュールを2本と、U字状のSUS304製の二重管12とを接合し、U字の折り返し構造を持った管状熱電モジュールユニット8とした。モジュール同士の電気的な接合は平網銅線9で接合した。そして、管状熱電モジュールユニット8を図4に示すようにLNGの気化器に挿入し熱電変換装置とした。管状熱電モジュールユニット8の挿入部を溶接し、その後、管状熱電モジュールユニット8の内管内にLNGを流し、外管の外側には25℃の水を流すことにより、気化したNGを取り出すようにした。この時の熱電変換の最大出力を、電子負荷装置を用い負荷抵抗を変化させて求めた。その結果得られた出力は十対当たりの平均出力は27Wであった。また、連続1ヶ月の連続試験でも出力の低下は認められなかった。
(実施例3)
Bi-Te系熱電材料(n型材)の原料粉はSbI3を0.1wt%含むBi2Te2.85Se0.16組成となるように原料を秤量し、一方、Sb-Te系熱電材料(p型材)の原料粉はBi0.4Sb1.6Te3の組成となるように原料を秤量して、振動ミルによるメカニカルアロイングを行い合成した。得られた粉末(Bi-Te粉またはSb-Te粉)を外径24mm、内径20mm、厚さ40mmのリング状に加圧成形後、酸素含有率低減のため、水素中350℃で10時間の熱処理を行い、その後ホットプレスで50Mpa、500℃、1時間の焼結にて外径25.5mm、内径19.5mm、厚さ30mmの焼結体を得た。実施例1との違いは、焼結体にNiめっきを施さないままの焼結体を用いた点である。
二重管として外管2には外径28mm×肉厚1mm×長さ100mmのSUS304製管の内外にSiO2コーティングを施したものを、内管1には外径19mm×肉厚1mm×長さ100mmのSUS304製管にの内外にSiO2コーティングを施したものを用いた。この二重管を、図2に示すように外管2に外接するカーボンダイ11を設置し、これらと共にホットプレス装置にセットし、外管2と内管1の間の空隙部15に、先に得られたn型焼結体(Bi-Te焼結体)4と、SUS304製の外径26mm×肉厚0.5mm×厚み0.7mmの大径側の環状電極部材52と、絶縁のアルミナ製の外径25mm、肉厚2.5mm×厚み0.5mmのスペーサー部材6を組み合わせたものを1セットとし、またp型焼結体(Sb-Te焼結体)3と、SUS304製の外径20mm×肉厚0.5mm×厚み0.7mmの小径側の環状電極部材51と、絶縁のアルミナ製の外径25mm、肉厚2.5mm×厚み0.5mmのスペーサー部材6を組み合わせたものを他の1セットとし、これらのセットを順に交互に10セット積み重ねて挿入した。なお、カーボンダイ11の表面には、二重管との反応防止のため、BNスプレーを十分塗布した。その後カーボンパンチ10を使用し、アルゴンガス中で、温度400℃、加圧力5Mpa、保持時間30分の熱間一軸プレスを行った。
次に、図3に示すように、上記で得た管状熱電モジュールを2本と、U字状のSUS304製の二重管12とを接合し、U字の折り返し構造を持った管状熱電モジュールユニット8とした。モジュール同士の電気的な接合は平網銅線9で接合した。そして、管状熱電モジュールユニット8を図4に示すようにLNGの気化器に挿入し熱電変換装置とした。管状熱電モジュールユニット8の挿入部を溶接し、その後、管状熱電モジュールユニット8の内管内にLNGを流し、外管の外側には25℃の水を流すことにより、気化したNGを取り出すようにした。この時の熱電変換の最大出力を、電子負荷装置を用い負荷抵抗を変化させて求めた。その結果得られた出力は30Wであった。また、連続1ヶ月の連続試験でも出力の低下は認められなかった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法で管状モジュールユニット8を作成し、内管内に25℃の水を流し、外管の外側にLNGを流すことにより、気化したNGを取り出すようにした。実施例1との違いは2重管の内側に水を流し外管の外側にLNGを流す点である。この時の熱電変換の最大出力を、電子負荷装置を用い負荷抵抗を変化させて求めた。その結果、得られた出力は31Wであった。また、連続1ヶ月の連続試験でも出力の低下は認められなかった。
(実施例5)
実施例1と同様の方法で管状モジュールユニット8を作成し、内管内に-196℃のLN(液体窒素)を流し、外管の外側に25℃の水を流すことにより、気化したNGを取り出すようにした。実施例1との違いはLNGではなくLNを流す点である。この時の熱電変換の最大出力を、電子負荷装置を用い負荷抵抗を変化させて求めた。その結果、得られた出力は41Wであった。また、連続1ヶ月の連続試験でも出力の低下は認められなかった。
(実施例6)
実施例1と同様の方法で管状モジュールユニット8を作成し、内管内に25℃の水を流し、外管の外側に200℃のガスを流すことにより、温度差を加え出力を取った。実施例1との違いはLNGではなく高温のガスを流した点である。この時の熱電変換の最大出力を、電子負荷装置を用い負荷抵抗を変化させて求めた。その結果、得られた出力は24Wであった。また、連続1ヶ月の連続試験でも出力の低下は認められなかった。
(比較例1)
実施例1と同じ組成のBi-Te系またはSb-Te系の原料粉を焼結し、図5に示す同じ方法で熱電素子は実施例1と同サイズで、同じ対数にした管状熱電モジュールを作製した。次に、図3に示すように、上記で得た管状熱電モジュールを2本と、U字状のSUS304製の二重管12とを接合し、U字の折り返し構造を持った管状熱電モジュールユニット8とした。モジュール同士の電気的な接合は平網銅線9で接合した。そして、管状熱電モジュールユニット8を図4に示すようにLNGの気化器に挿入し、挿入部を溶接した。その後、管状熱電モジュールユニット8の内管内にLNGを流し、外管の外側には25℃の水を流すことにより、気化したNGを取り出すようにした。この時の熱電変換の最大出力を、電子負荷装置を用い負荷抵抗を変化させて求めた。その結果得られた出力は25Wであった。また、実施例1と比較した製造コストは約2倍であった。
以上のように、実施例1乃至3と比較例1により、本発明の管状熱電モジュールは管の径方向に電極部材などの構成部材を介在しない簡素な構造であり熱ロスが無く温度差が高く保てて高出力が得られることが分かった。また、製造については構成部品をセット毎にまとめ、これら空隙部に挿入した後、熱間一軸加圧によるプレス処理で一括で製造することができるので、容易に組み付けができて低コスト化が可能な構造である。また、実施例2によればBiSb材料を使用しても高い出力が得られることが確認でき、実施例3によれば導電性めっきの効果が確認された。実施例4〜6では、現在汎用的に用いられるLNG気化器を利用するなどして、低温側の流体を熱源とした熱電変換装置が比較的容易に実現でき高出力が得られることが分かった。特に、実施例5ではLNGに代えてLNを用いることが有効であることが確認された。
本発明は、特にLNG基地局やサテライト基地などのLNG気化器で発生するLNGの気化熱を熱源とする発電システムに利用できる。
本発明の管状熱電モジュールの構造を示す管軸方向の断面図である。 本発明の管状熱電モジュールの製造方法過程を説明する断面図である。 本発明の管状熱電モジュールをU字管で接続した例を示す断面図である。 図3の管状熱電モジュールをLNG気化器に適用して本発明の熱電変換装置とした模式図である。 従来の管状熱電モジュールの構造を示す模式図である。 従来の熱電モジュールの構造を示す模式図である。
符号の説明
1:内側配管
2:外側配管
3:p型熱電変換素子
4:n型熱電変換素子
5:環状電極部材
6:環状絶縁スペーサ部材
7:LNG気化器
8:U字状の環状熱電モジュールユニット
9:平網銅リード線
10:カーボンパンチ
11:カーボンダイ
12:U字SUS管
13:外側絶縁配管
14:内側絶縁配管
20:環状熱電モジュール
51:第1の環状電極部材
52:第2の環状電極部材

Claims (7)

  1. 内管と、外管とを有し、当該内管と外管との間の空隙部に環状のp型熱電変換素子と環状のn型熱電変換素子とを管軸方向に交互に配列すると共に、隣合う前記環状p型熱電変換素子と環状n型熱電変換素子とが対向する面間に、当該p型とn型の熱電変換素子を電気的に直列に接続する環状の電極部材を設けたことを特徴とする管状熱電モジュール。
  2. 前記環状の電極部材は、前記内管側に位置する第1の環状電極部材と、前記外管側に位置する第2の環状電極部材とを管軸方向に交互に介在させたことを特徴とする請求項1記載の管状熱電モジュール。
  3. 前記環状p型熱電変換素子と環状n型熱電変換素子の対向する面間に、環状の絶縁スペーサ部材を配置し、前記p型とn型の熱電変換素子を環状電極部材及び環状絶縁スペーサ部材を介して、これらを管軸方向に熱間一軸加圧することにより接合してなることを特徴とする請求項1又は2記載の管状熱電モジュール。
  4. 前記内管の少なくとも外周面及び前記外管の少なくとも内周面には絶縁性被覆層を形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の管状熱電モジュール。
  5. 前記環状p型熱電変換素子と環状n型熱電変換素子の少なくとも内外周面には導電性めっきを施したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の管状熱電モジュール。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の管状熱電モジュールの前記内管側を低温流体の流路となし、且つ前記外管側を高温側となる媒体を介在させてなることを特徴とする熱電変換装置。
  7. 前記低温流体がLNG(液化天然ガス)であることを特徴とする請求項6記載の熱電変換装置。
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