JP5443077B2 - 乾燥された海藻の加工方法 - Google Patents
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Description
(予備乾燥工程)
海から採取した生ワカメを、加熱された塩水に浸漬することなく、すなわち褐色のままの生ワカメに、20重量%の塩を添加・混合し、これを透水性の容器に入れて、重しを載せて余分な水分を除去し、その後、45日〜50日塩蔵する。この工程で塩蔵された生ワカメは、細胞組織内の水分が細胞膜を透過して外部に浸出すると共に、さらに次の浸漬工程で緑色に変色された後、長期間にわたって安定して緑色に定着される。
予備乾燥された生ワカメを金属イオン液に浸漬して、褐色の生ワカメを緑色に変色すると共に、ワカメ表面に金属イオンを浸透させて退色を防止する。この工程は、塩蔵された生ワカメに付着する塩を除去した後、金属イオン液に浸漬して緑色に変色することもできる。生ワカメから塩を除去するには、生ワカメを洗浄水に浸漬した後、たとえば、2分以内、好ましくは1分以内に水切りする。また、回転する網製のドラムに生ワカメを供給し、ドラムを回転して付着する塩を除去することもできる。
金属イオン液は、以下のようにして製作する。
1000リットルの水に、10重量%の亜鉛を含有する水溶性亜鉛酵母を250g添加して金属イオン液とする。この金属イオン液は25ppmの亜鉛を含有する。
緑色に変色されて、表面に金属イオン液を浸透させた処理済みワカメを、金属イオン液から取り出して海水の冷却水に浸漬して洗浄して冷却する。
以上の工程で処理された生ワカメは、温風乾燥機に入れて乾燥して乾燥ワカメとして保存する。以上の方法で加工されたワカメは、温水に浸漬して1ヶ月経過後も退色しない。
予備乾燥工程を以下の工程とする以外は実施例1と同じようにして、予備乾燥された生ワカメを金属イオン液に浸漬して、ワカメの緑色を定着し、その後、乾燥する。この実施例で得られた乾燥ワカメは、温水に浸漬して1週間経過後もワカメの緑色は退色しない。
予備乾燥工程は、海から採取された褐色の生ワカメを加熱された塩水に浸漬して緑色に変色した後、緑色の生ワカメに20重量%の塩を添加・混合して透水性のない容器に入れて上に10kgの重しを載せる。1日経過した後、生ワカメを透水性のある容器に移し、容器を多段に積層して水切りする。その後、生ワカメの茎取りをした後、50重量%の塩を添加・混合して1ヶ月以上塩蔵する。
1000リットルの水に、100gの水溶性亜鉛酵母を添加して金属イオン液を製作する以外、実施例1と同じようにして、予備乾燥された生ワカメを金属イオン液に浸漬して、ワカメの退色を防止できる。この金属イオン液は10ppmの亜鉛を含有している。
さらに、1000リットルの水に40gの水溶性亜鉛酵母を添加して金属イオン液を製作する以外、実施例1と同じように処理する。この金属イオン液は4ppmの亜鉛を含有している。この金属イオン液に浸漬して処理されたワカメも、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。さらに、この実施例において、水溶性亜鉛酵母の添加量を20gとして亜鉛濃度を2ppmとする金属イオン液を製作して生ワカメを浸漬すると、この金属イオン液で処理されたワカメは、温水に浸漬して1週間経過後もワカメの緑色は退色しない。
使用する酵母を、水溶性亜鉛酵母から亜鉛含有パン酵母に変更する以外、実施例1と同様にしてワカメを処理すると、処理されたワカメは、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。この亜鉛含有パン酵母は、10重量%の亜鉛を含有する。
さらに、1000リットルの水に混合する金属酵母の添加量を1kgとする以外、実施例1と同じように処理する。この金属イオン液は100ppmの亜鉛を含有している。この金属イオン液に浸漬して処理されたワカメも、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。
使用する亜鉛酵母を銅酵母とする以外、実施例1と同じようにして、予備乾燥した生ワカメを金属イオン液に浸漬する。銅含有酵母には、1重量%の銅を含有する水溶性銅酵母を使用する。この水溶性銅酵母を、1000リットルの水に500g添加して金属イオン液とする。この金属イオン液は5ppmの銅を含有している。この金属イオン液に浸漬して処理されたワカメも、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。
さらに、金属酵母の添加量を1000g〜100gの範囲に変化して試験すると、金属酵母の添加量を100gにして銅濃度が1ppmになっても、温水に浸漬して1週間経過後には緑色が退色しない。
1000リットルの水に、500gの水溶性亜鉛酵母に加えて、200gの乳酸カルシウムを添加する以外、実施例1と同じようにして、金属イオン液に予備乾燥した生ワカメを浸漬する。この実施例で得られたワカメは、金属イオン液に添加しているカルシウムの作用で、浸漬工程でワカメの食感が低下するのが防止される。
海から採取した生ワカメに代わって生コンブを使用する以外、実施例1と同じようにして、コンブを処理する。処理されたコンブは、温水に浸漬して1ヶ月経過後も退色しない。
Claims (15)
- 海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を温水に浸漬して緑色に変色した後に乾燥する乾燥された海藻の加工方法であって、
海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を予備乾燥工程で予備乾燥した後、Zn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬する浸漬工程で緑色に定着すると共に、
前記予備乾燥工程を、海藻に塩を添加すると共に、塩を添加した海藻に付着する水分を除去した後、海藻に塩を添加・混合して塩蔵し、塩蔵によって海藻の細胞組織の水分を細胞膜に透過させて外部に浸出させて除去する工程とし、前記浸漬工程で緑色に定着された海藻を乾燥工程で乾燥することを特徴とする乾燥された海藻の加工方法。 - 前記予備乾燥工程が、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻に塩を添加・混合して余分な水分を除去した後、塩蔵して、海藻の細胞組織の水分を細胞膜に透過させて外部に浸出させて除去する工程とする請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
- 前記予備乾燥工程において、海藻に10重量%以上の塩を添加する請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
- 前記予備乾燥工程において、塩が添加された海藻を30日以上塩蔵して、細胞組織内の水分を外部に浸出して乾燥させる請求項1又は2に記載される乾燥された海藻の加工方法。
- 海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を、加熱された塩水に浸漬して緑色に変色した後、予備乾燥工程において予備乾燥する請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
- 海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を加熱された塩水に浸漬することなく前記予備乾燥工程で予備乾燥し、予備乾燥された海藻をZn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬して緑色に変色すると共に、緑色に定着することを特徴とする請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
- 前記予備乾燥工程において、塩を添加した海藻を圧搾して表面に付着する水分を除去する請求項2に記載される乾燥された海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程において、金属イオン液が60℃ないし100℃に加温される請求項1に記載される海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻の浸漬時間が1分ないし10分である請求項1に記載される海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻を浸漬する金属イオン液が金属酵母を含む液である請求項1に記載される海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻を浸漬する金属イオン液がZnを含有する金属酵母、Cuを含有する金属酵母、Feを含有する金属酵母、Mgを含有する金属酵母、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含有する金属酵母を含む請求項10に記載される海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程に使用する金属イオン液の金属濃度が1ppm以上である請求項1に記載される海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程に使用する金属イオン液の金属濃度が3ppm以上である請求項1に記載される海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程に使用する金属イオン液の金属濃度が1000ppm以下である請求項1に記載される海藻の加工方法。
- 前記浸漬工程に使用する金属イオン液がカルシウムを含有する請求項1に記載される海藻の加工方法。
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