JP5443077B2 - 乾燥された海藻の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を緑色に変色すると共に、変色された緑色に定着する乾燥された海藻の加工方法に関する。
海から採取された褐色の生ワカメは、温水に浸漬すると緑色に変色する。緑色に変色されたワカメは、経時的に緑色を失って枯渇した色に退色する。また、味噌汁などに入れて時間が経過しても、緑色を失って枯渇した茶色に退色する。本発明者は、植物を金属イオンを含む溶液に浸漬し、金属イオンの作用で緑色に復元する方法を開発した。(特許文献1参照)
特開平10−286077号公報
海から採取された褐色の生ワカメは、加熱水に浸漬して緑色を復元できるが、たとえば味噌汁に入れて退色したワカメは、加熱水に浸漬しても緑色を復元できない。本発明者は、この弊害を防止するために、海から採取したワカメを浸漬する熱湯に金属イオンを添加して、ワカメを緑色に変色して経時的な退色を防止する方法を試験した。この方法は、ワカメを加熱水に浸漬する時間を長く、たとえば10分として、金属イオンの作用で退色を防止できるが、ワカメの食感が著しく低下する弊害がある。ワカメは食感が極めて大切である。それは、高品質なワカメは、優れた食感から低品質のワカメと区別されるからである。ワカメの食感を低下させないために、加熱水に浸漬する時間を短くすると、経時的に退色する弊害を有効に防止できない欠点があった。
本発明者は、この欠点を解決することを目的として、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を予備乾燥工程で予備乾燥した後、Zn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬する浸漬工程で緑色に変色させる加工方法を開発した。この方法で加工された海藻は、食感を低下させることなく、緑色を定着して、経時的な退色を有効に防止して長期保存できる。とくに、以上の加工方法は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を予備乾燥した後、加熱された金属イオン液に浸漬するので、短時間の浸漬で金属イオン液を海藻の表面に浸透できる。海藻に浸透した金属イオンは、内部に移行して海藻の褐変を防止する。したがって、以上の加工方法は、加熱された金属イオン液に浸漬する時間を短くして食感の低下を防止しながら、速やかに金属イオンを浸透し、金属イオンでもって緑色に定着して、海藻の褐変を防止できる特徴がある。
ただ、以上の加工方法は、海から採取された生ワカメや生コンブである海藻を、天日乾燥して予備乾燥するので、予備乾燥に広い面積を必要とし、また、海藻を天日乾燥する場所に広げたり、また、乾燥された海藻を集めるのに手間がかかる欠点がある。また、天日乾燥は、雨の日には乾燥できないので、天気に左右されて、効率よく予備乾燥できない欠点があり、とくに、乾燥途中で雨になると水分率を最適な状態にできない等の欠点がある。天日乾燥によらず熱風乾燥して予備乾燥することもできるが、この方法では設備コストが高くなるばかりでなく、エネルギー消費が大きくて、ランニングコストも高くなる欠点がある。さらに、天日乾燥や熱風乾燥は、乾燥時間で海藻の水分率が変化するので、乾燥時間を正確にコントロールする必要もあって乾燥に手間がかかる欠点がある。
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、しかも極めて経済的に、海藻の食感を低下させることなく安定して緑色に定着でき、緑色に変色させた乾燥された海藻の経時的な退色を有効に防止できる乾燥された海藻の加工方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を温水に浸漬して緑色に変色させる方法を改良したもので、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を予備乾燥工程で予備乾燥した後、Zn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬する浸漬工程で緑色に定着し、緑色に定着された海藻を乾燥工程で乾燥させる。とくに、本発明の海藻の加工方法は、前記予備乾燥工程を、海藻に塩を添加すると共に、塩を添加した海藻に付着する水分を除去した後、海藻に塩を混合して表面に付着する水分を除去した後、さらに塩蔵することで、海藻の細胞組織に含まれる水分と塩とを置換し、細胞組織の水分を細胞膜に透過させて外部に浸出させて除去する。
以上の加工方法は、食感を低下させることなく、緑色の経時的な退色を有効に防止して長期保存できる特長がある。とくに、本発明の加工方法は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を予備乾燥した後、加熱された金属イオン液に浸漬するので、短時間の浸漬で金属イオン液を海藻の表面に浸透できる。海藻に浸透した金属イオンは、内部に移行して海藻の褐変を防止する。したがって、本発明の海藻の加工方法は、加熱された金属イオン液に浸漬する時間を短くして食感の低下を防止しながら、速やかに金属イオンを浸透して、金属イオンによる海藻の褐変を防止できる。
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、予備乾燥工程を、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻に塩を添加・混合して余分な水分を除去した後、塩蔵して、海藻の細胞組織の水分を細胞膜に透過させて外部に浸出させて除去する工程とすることができる。
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、予備乾燥工程において、海藻に好ましくは10重量%以上の塩を添加する。さらに、本発明の乾燥された海藻の加工方法は、予備乾燥工程において、塩が添加された海藻を30日以上塩蔵して、細胞組織内の水分を外部に浸出して乾燥させることができる。
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を、加熱された塩水に浸漬して緑色に変色した後、予備乾燥工程で予備乾燥することもでき、また、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を、加熱された塩水に浸漬することなく予備乾燥工程で予備乾燥し、予備乾燥された海藻をZn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬して緑色に変色すると共に、緑色に定着することもできる。
さらに、本発明の乾燥された海藻の加工方法は、予備乾燥工程において、塩を添加した海藻を圧搾して表面に付着する水分を除去することができる。
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、浸漬工程において、金属イオン液を60℃ないし100℃に加温することができる。さらに、本発明の乾燥された海藻の加工方法は、浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻の浸漬時間を1分ないし10分とすることができる。
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻を浸漬する金属イオン液は、金属酵母を含む液とすることができる。さらに、本発明の乾燥された海藻の加工方法は、浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻を浸漬する金属イオン液は、Znを含有する金属酵母、Cuを含有する金属酵母、Feを含有する金属酵母、Mgを含有する金属酵母、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含有する金属酵母を含むことができる。
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、金属イオン液の金属濃度は、たとえば1ppm以上、好ましくは3ppm以上とすることができる。金属イオン液は金属濃度を1ppm以上として海藻を緑色に変色できる。さらに、金属濃度を3ppm以上として好ましい緑色に変色できる。金属イオン液の金属濃度は1000ppm以下とすることができる。
さらにまた、本発明の乾燥された海藻の加工方法は、浸漬工程に使用する金属イオン液にカルシウムを含有することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための乾燥された海藻の加工方法を例示するものであって、本発明は乾燥された海藻の加工方法を下記のものに特定しない。
本発明の乾燥された海藻の加工方法は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を、直ちに金属イオンを含有する加熱された金属イオン液に浸漬するのではなく、生ワカメまたは生コンブからなる海藻を予備乾燥工程で予備乾燥した後に、金属イオン液に浸漬して緑色に定着する。緑色に定着された海藻は、乾燥工程で水分率を10重量%以下に乾燥する。
予備乾燥工程は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻に塩を添加・混合して塩蔵して、海藻の細胞組織の水分を細胞膜に透過させて外部に浸出させて除去する。予備乾燥工程は、乾燥されない生ワカメや生コンブなどの生の海藻を塩蔵して細胞組織内の水分を除去する。予備乾燥されるのは、生の海藻である。生の海藻は、多量の水分が付着している。この水分を除去するために、塩蔵の前工程として、好ましくは海藻に塩を添加・混合した後、圧搾し、あるいは遠心分離し、あるいはまた、ザルのように、水分を透過して海藻を透過しない透水性の容器に入れて水切りする。この工程は、たとえば、生の海藻に塩を添加・混合して透水性の容器に入れ、これを多段に積層することで簡単に海藻に付着する水分を除去できる。また、透水性の容器に、塩を添加・混合した生の海藻を入れ、上に重しを載せて水切りすることで海藻に付着する水を簡単に除くこともできる。
塩蔵による予備乾燥工程は、海藻に20重量%の塩を添加する。ただし、この工程は、例えば10重量%以上、好ましくは15重量%以上の塩を添加して、海藻の細胞組織内の水分を除去することもできる。塩の添加量が多すぎると、製造コストが高くなるので、塩の添加量は、例えば60重量%以下、好ましくは50重量%以下とする。
塩蔵による予備乾燥工程は、塩の添加された海藻を45日〜50日塩蔵して、細胞組織内の水分を除去する。塩蔵する日数が少なすぎると、浸漬工程で緑色に定着する作用が弱くなり、たとえば味噌汁やすまし汁などの温水に浸漬する状態で緑色から褐変する時間が短くなる。したがって、塩蔵による予備乾燥工程は、たとえば30日以上、好ましくは40日以上、さらに好ましくは60日以上塩蔵して、細胞組織内の水分を外部に浸出させる。塩蔵による予備乾燥工程は、海藻の厚さによっても最適な日数が変化し、厚い海藻は塩蔵する日数を長く、薄い海藻は塩蔵する日数を短くできる。
塩蔵による予備乾燥は、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を、加熱された塩水に浸漬して緑色に変色した後に、塩を添加・混合して細胞組織内の水分を除去し、あるいは、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を加熱された塩水に浸漬することなく、褐色の状態で塩蔵して予備乾燥することもできる。褐色の生の海藻は、予備乾燥された後、金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬して緑色に変色して、緑色に定着される。
予備乾燥工程された生ワカメまたは生コンブからなる海藻は、浸漬工程において、Zn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬してワカメまたはコンブの褐色を緑色に変色する。金属イオン液は、金属酵母を添加して金属イオンを含させる。金属酵母は、Zn、Cu、Fe、Mg、Se、Mo、Cr、Mn等の金属を含有する酵母である。これ等の金属を含有する酵母は、金属を添加している培地で培養、酵素処理して不活性化し、洗浄の後、不溶成分を除去して、乾燥して製作される。たとえばZnを含有する酵母は、培地に塩化亜鉛を添加して培養され、Cuを含有する酵母は、培地に硫酸銅を添加して培養される。金属は塩化物や硫化物の状態で培地に添加されて、金属を含有する酵母を培養する。ただし、金属イオン液は、必ずしも金属酵母を添加して金属イオンを含有する状態とする必要はなく、たとえば金属を含有する草木灰を添加し、あるいは溶解されて金属イオンを発生する金属化合物である塩化金属、硫酸金属、硝酸金属なども使用できる。さらに、金属を、表面積を広くするために平均粒径を100μm〜数mmとする粒子状として、これを添加して金属イオンを溶解させることもできる。
金属イオン液は、好ましくは、60℃〜100℃に加温される。予備乾燥して表面を乾燥している生ワカメまたは生コンブが加熱された金属イオン液に浸漬されると、褐色から緑色に変色する。さらに、乾燥された表面に速やかに金属イオン液が浸透する。生ワカメまたは生コンブを加熱された金属イオン液に浸漬する時間は、長すぎるとワカメまたはコンブの食感が低下する。したがって、浸漬工程で生ワカメまたは生コンブを金属イオン液に浸漬する時間は、好ましくは1分ないし10分、より好ましくは1分ないし5分以下、最適には2分ないし4分とする。浸漬工程における浸漬時間が長すぎるとワカメまたはコンブの食感が低下し、短すぎるとワカメまたはコンブに金属イオンを浸透できなくなる。したがって、浸漬工程における浸漬時間は、予備乾燥工程において乾燥される表面状態と、加熱温度、さらに金属イオン液の金属イオン濃度を考慮して前述の範囲で最適値とする。予備乾燥工程において、表面を十分に乾燥している生ワカメまたは生コンブは、浸漬工程で表面により速やかに金属イオン液が浸透するので、浸漬時間を短くできる。また、浸漬する金属イオン液の金属イオン濃度を高くして、ワカメまたはコンブの表面に浸透させる金属イオンを多くできる。したがって、金属イオン液の金属イオン濃度を高くすることは、浸漬時間を短くすることに効果がある。さらに、金属イオン液の温度を高くすることは、ワカメまたはコンブの食感を低下させる原因となる。したがって、温度の高い金属イオン液に浸漬する場合は、浸漬工程で生ワカメまたは生コンブを浸漬する時間を短くして、ワカメまたはコンブの食感の低下を少なくできる。
金属酵母を添加してなる金属イオン液は、酵母の金属含有量と浸漬時間から、金属酵母の添加量を最適値に調整する。たとえば、85℃に加熱して、ワカメまたはコンブの浸漬時間を3分とする金属イオン液は、金属濃度が5ppm以上となるように酵母の添加量を調整する。ワカメまたはコンブを、加熱された金属イオン液に接触させて、退色を防止できる最低の金属濃度は、1ppmである。したがって、金属イオン液の金属濃度は、予備乾燥されたワカメまたはコンブの浸漬時間を考慮して、たとえば、1ppm〜1000ppm、好ましくは3ppm〜300ppm、さらに好ましくは5〜100ppmの範囲とされる。
浸漬工程において、ワカメまたはコンブの食感が低下するのを防止するために、金属イオン液に乳酸カルシウム等のカルシウムイオンを添加することは効果がある。カルシウムイオンは、ワカメまたはコンブが水分を吸収して膨潤状態となるのを防止する。乳酸カルシウム等のカルシウム添加量は、浸漬時間、金属イオン液の加熱温度等を考慮して最適値に調整する。カルシウムの添加量を多くすると、ワカメまたはコンブの食感が低下するのを効果的に防止できる。カルシウムの添加量は、たとえば、30〜1000ppm、好ましくは100〜500ppm、さらに好ましくは150〜400ppmとされる。
さらに、金属イオン液には、他の金属イオンを金属酵母に加えて添加することもできる。たとえば、鉄イオンや銅イオン等を添加して、ワカメまたはコンブを緑色にする時間を短くし、あるいは、ワカメまたはコンブによっては色調を濃い緑色とすることもできる。
乾燥工程は、緑色に定着された海藻を水分率が10重量%以下となるまで乾燥する。この乾燥工程は、従来から使用されているワカメやコンブの乾燥方法が利用できる。たとえば、ワカメやコンブなどの海藻を温風乾燥機や赤外線乾燥機に入れて、水分率が10重量%以下となるまで乾燥する。
[実施例1]
(予備乾燥工程)
海から採取した生ワカメを、加熱された塩水に浸漬することなく、すなわち褐色のままの生ワカメに、20重量%の塩を添加・混合し、これを透水性の容器に入れて、重しを載せて余分な水分を除去し、その後、45日〜50日塩蔵する。この工程で塩蔵された生ワカメは、細胞組織内の水分が細胞膜を透過して外部に浸出すると共に、さらに次の浸漬工程で緑色に変色された後、長期間にわたって安定して緑色に定着される。
(浸漬工程)
予備乾燥された生ワカメを金属イオン液に浸漬して、褐色の生ワカメを緑色に変色すると共に、ワカメ表面に金属イオンを浸透させて退色を防止する。この工程は、塩蔵された生ワカメに付着する塩を除去した後、金属イオン液に浸漬して緑色に変色することもできる。生ワカメから塩を除去するには、生ワカメを洗浄水に浸漬した後、たとえば、2分以内、好ましくは1分以内に水切りする。また、回転する網製のドラムに生ワカメを供給し、ドラムを回転して付着する塩を除去することもできる。
金属イオン液は、以下のようにして製作する。
1000リットルの水に、10重量%の亜鉛を含有する水溶性亜鉛酵母を250g添加して金属イオン液とする。この金属イオン液は25ppmの亜鉛を含有する。
この金属イオン液を沸騰状態に加熱して、予備乾燥させた10kgの生ワカメを浸漬する。浸漬された生ワカメは、ほとんど瞬時に褐色から緑色に変色される。生ワカメを3分浸漬した後、金属イオン液から取り出す。
(水洗工程)
緑色に変色されて、表面に金属イオン液を浸透させた処理済みワカメを、金属イオン液から取り出して海水の冷却水に浸漬して洗浄して冷却する。
(乾燥工程)
以上の工程で処理された生ワカメは、温風乾燥機に入れて乾燥して乾燥ワカメとして保存する。以上の方法で加工されたワカメは、温水に浸漬して1ヶ月経過後も退色しない。
[実施例2]
予備乾燥工程を以下の工程とする以外は実施例1と同じようにして、予備乾燥された生ワカメを金属イオン液に浸漬して、ワカメの緑色を定着し、その後、乾燥する。この実施例で得られた乾燥ワカメは、温水に浸漬して1週間経過後もワカメの緑色は退色しない。
予備乾燥工程は、海から採取された褐色の生ワカメを加熱された塩水に浸漬して緑色に変色した後、緑色の生ワカメに20重量%の塩を添加・混合して透水性のない容器に入れて上に10kgの重しを載せる。1日経過した後、生ワカメを透水性のある容器に移し、容器を多段に積層して水切りする。その後、生ワカメの茎取りをした後、50重量%の塩を添加・混合して1ヶ月以上塩蔵する。
[実施例4]
1000リットルの水に、100gの水溶性亜鉛酵母を添加して金属イオン液を製作する以外、実施例1と同じようにして、予備乾燥された生ワカメを金属イオン液に浸漬して、ワカメの退色を防止できる。この金属イオン液は10ppmの亜鉛を含有している。
[実施例5]
さらに、1000リットルの水に40gの水溶性亜鉛酵母を添加して金属イオン液を製作する以外、実施例1と同じように処理する。この金属イオン液は4ppmの亜鉛を含有している。この金属イオン液に浸漬して処理されたワカメも、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。さらに、この実施例において、水溶性亜鉛酵母の添加量を20gとして亜鉛濃度を2ppmとする金属イオン液を製作して生ワカメを浸漬すると、この金属イオン液で処理されたワカメは、温水に浸漬して1週間経過後もワカメの緑色は退色しない。
[実施例6]
使用する酵母を、水溶性亜鉛酵母から亜鉛含有パン酵母に変更する以外、実施例1と同様にしてワカメを処理すると、処理されたワカメは、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。この亜鉛含有パン酵母は、10重量%の亜鉛を含有する。
[実施例7]
さらに、1000リットルの水に混合する金属酵母の添加量を1kgとする以外、実施例1と同じように処理する。この金属イオン液は100ppmの亜鉛を含有している。この金属イオン液に浸漬して処理されたワカメも、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。
[実施例8]
使用する亜鉛酵母を銅酵母とする以外、実施例1と同じようにして、予備乾燥した生ワカメを金属イオン液に浸漬する。銅含有酵母には、1重量%の銅を含有する水溶性銅酵母を使用する。この水溶性銅酵母を、1000リットルの水に500g添加して金属イオン液とする。この金属イオン液は5ppmの銅を含有している。この金属イオン液に浸漬して処理されたワカメも、温水に浸漬して1ヶ月経過後も緑色が退色しない。
さらに、金属酵母の添加量を1000g〜100gの範囲に変化して試験すると、金属酵母の添加量を100gにして銅濃度が1ppmになっても、温水に浸漬して1週間経過後には緑色が退色しない。
[実施例9]
1000リットルの水に、500gの水溶性亜鉛酵母に加えて、200gの乳酸カルシウムを添加する以外、実施例1と同じようにして、金属イオン液に予備乾燥した生ワカメを浸漬する。この実施例で得られたワカメは、金属イオン液に添加しているカルシウムの作用で、浸漬工程でワカメの食感が低下するのが防止される。
[実施例10]
海から採取した生ワカメに代わって生コンブを使用する以外、実施例1と同じようにして、コンブを処理する。処理されたコンブは、温水に浸漬して1ヶ月経過後も退色しない。
以上の実施例は、水溶性亜鉛酵母や水溶性銅酵母からなる金属酵母を添加して金属イオン液に金属イオンを含有させるが、金属酵母には亜鉛酵母や銅酵母のみでなく、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含有する金属酵母を使用できる。また、金属酵母のみでなく、金属酵母にさらにZn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを添加して金属イオン液とすることもできる。また、金属酵母を使用することなく、たとえばZn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む草木灰などを添加し、あるいは金属化合物を添加して、Zn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを添加することもできる。

Claims (15)

  1. 海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を温水に浸漬して緑色に変色した後に乾燥する乾燥された海藻の加工方法であって、
    海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻を予備乾燥工程で予備乾燥した後、Zn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬する浸漬工程で緑色に定着すると共に、
    前記予備乾燥工程を、海藻に塩を添加すると共に、塩を添加した海藻に付着する水分を除去した後、海藻に塩を添加・混合して塩蔵し、塩蔵によって海藻の細胞組織の水分を細胞膜に透過させて外部に浸出させて除去する工程とし、前記浸漬工程で緑色に定着された海藻を乾燥工程で乾燥することを特徴とする乾燥された海藻の加工方法。
  2. 前記予備乾燥工程が、海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる海藻に塩を添加・混合して余分な水分を除去した後、塩蔵して、海藻の細胞組織の水分を細胞膜に透過させて外部に浸出させて除去する工程とする請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
  3. 前記予備乾燥工程において、海藻に10重量%以上の塩を添加する請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
  4. 前記予備乾燥工程において、塩が添加された海藻を30日以上塩蔵して、細胞組織内の水分を外部に浸出して乾燥させる請求項1又は2に記載される乾燥された海藻の加工方法。
  5. 海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を、加熱された塩水に浸漬して緑色に変色した後、予備乾燥工程において予備乾燥する請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
  6. 海から採取された生ワカメまたは生コンブからなる褐色の海藻を加熱された塩水に浸漬することなく前記予備乾燥工程で予備乾燥し、予備乾燥された海藻をZn、Cu、Fe、Mg、Al、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属イオンを含む加温された金属イオン液に浸漬して緑色に変色すると共に、緑色に定着することを特徴とする請求項1に記載される乾燥された海藻の加工方法。
  7. 前記予備乾燥工程において、塩を添加した海藻を圧搾して表面に付着する水分を除去する請求項2に記載される乾燥された海藻の加工方法。
  8. 前記浸漬工程において、金属イオン液が60℃ないし100℃に加温される請求項1に記載される海藻の加工方法。
  9. 前記浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻の浸漬時間が1分ないし10分である請求項1に記載される海藻の加工方法。
  10. 前記浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻を浸漬する金属イオン液が金属酵母を含む液である請求項1に記載される海藻の加工方法。
  11. 前記浸漬工程において、生ワカメまたは生コンブからなる海藻を浸漬する金属イオン液がZnを含有する金属酵母、Cuを含有する金属酵母、Feを含有する金属酵母、Mgを含有する金属酵母、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含有する金属酵母を含む請求項10に記載される海藻の加工方法。
  12. 前記浸漬工程に使用する金属イオン液の金属濃度が1ppm以上である請求項1に記載される海藻の加工方法。
  13. 前記浸漬工程に使用する金属イオン液の金属濃度が3ppm以上である請求項1に記載される海藻の加工方法。
  14. 前記浸漬工程に使用する金属イオン液の金属濃度が1000ppm以下である請求項1に記載される海藻の加工方法。
  15. 前記浸漬工程に使用する金属イオン液がカルシウムを含有する請求項1に記載される海藻の加工方法。
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