JP4150419B2 - 漬物とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酵母の作用で植物の緑色を復元し、あるいは緑色に保持する漬物とその製造方法に関する。
植物は、葉緑素に含有されるマグネシウムが失われると、緑色を失って枯渇した色に退色する。葉緑素は、金属イオンを含む溶液に植物を浸漬し、金属イオンの作用で緑色に復元できる。この性質を利用して、退色した植物を緑色にする技術は開発されている。植物の緑色を復元する金属イオンとして、鉄イオン、銅イオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン等が使用される。
植物を鉄イオンを含む溶液に浸漬して、植物の葉緑素を緑色にすると、暗色の緑色となり、全ての植物を自然な色調の緑色にできない。銅イオンを含む溶液に浸漬する方法は、銅イオンの溶液に浸漬されるので、植物の銅の含有量が多くなる。銅は、植物に少量含まれるが、多量の銅を添加することは、健康上決して好ましくない。このため、銅イオンの作用で葉緑素を緑色にする方法は、食べ物の処理として好ましくない。さらに、植物をマグネシウムの溶液に浸漬して、緑色に処理すると、緑色に変色した葉緑素が水に溶けやすい欠点がある。このため、たとえば水に浸漬して販売する惣菜等をこの方法で処理すると、水に葉緑素が溶けて緑色となり、植物の緑色が薄くなる。また、水が緑色になると、植物をあたかも顔料や染料で着色したものと同じように見られる欠点もある。亜鉛イオンで植物の緑色を復元する方法は、褐変した植物を優れた色調の緑色に復元でき、しかも長時間にわたって緑色を保持できる特長もある。
ただ、亜鉛イオンで植物を緑色にする方法は、たとえば、植物を浸漬する溶液の調整に硫酸亜鉛や草木灰等を使用する。これ等を水に入れて亜鉛イオンを溶解させる。この方法は、薬品である硫酸亜鉛を使用し、あるいは種々の成分が混合されて混合成分を調整するのが極めて難しい草木灰を使用するので、安心して植物を緑色にするのが難しい。草木灰は、種々の植物を焼却して製作されるので、原料となる植物に好ましくない成分が含まれていると、これを除去するのが極めて難しい。
本発明者は、このような欠点を解決することを目的として、金属酵母を使用して、褐変した植物を優れた色調の緑色に復元する方法を開発した(特許文献1参照)。
特開2004−67546号公報
金属酵母を使用する方法は、植物を、酵母を含む酵母液に接触させて、植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する。酵母液は、Znを含有する酵母、Cuを含有する酵母、Feを含有する酵母、Mgを含有する酵母のいずれかまたは複数を含有する。さらに酵母は、Se、Mo、Cr、Mn等の金属を含有する金属酵母を含むものである。
この方法で渇変した漬物の緑色を復元することができる。渇変した漬物を酵母液に浸漬すると緑色に復元されるからである。さらに、漬物は酵母液に浸漬した後、60℃〜95℃の温水に浸漬してより自然な緑色にできる。この方法は、酵母液と温水の浸漬時間を長くし、また温水の温度を高くして、漬物をより自然な緑色に変色できる。いいかえると、漬物を自然の緑色にするためには、酵母液に長い時間浸漬した後、高温の酵母液に相当時間浸漬する必要がある。しかしながら、漬物は、高温の酵母液に浸漬し、あるいは浸漬時間を長くすると、軟化して漬物本来の物性が変化する。このため、従来の方法は、漬物を自然な緑色とすることと、漬物の軟化を少なくすることを互いに相反する特性とし、両方を満足することができない。漬物のように噛んだ食感が大切な食品は、食感を失うことなく緑色に変色することが特に大切である。ところが、従来の方法では食感と緑色が相反する特性であるため両方を満足できない欠点があった。
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、互いに相反する特性である、優れた食感と自然の緑色の両方を満足できる漬物とその製造方法を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の漬物の製造方法は、植物を、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母に接触させて植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する方法であって、植物を、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵して漬物とする工程で緑色を復元しあるいは緑色に保持することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の漬物の製造方法は、植物を、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母に接触させて植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する方法であって、植物を、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵して漬物とする工程で緑色を復元しあるいは緑色に保持することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の漬物の製造方法は、請求項1または2に記載の漬物の製造方法であって、金属酵母を含有する酵母食塩に、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含むグルコン酸塩を添加して塩蔵することを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の漬物の製造方法は、植物を金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵した後、温水で加温して緑色を復元しあるいは緑色に保持することを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の漬物の製造方法は、請求項1ないしのいずれかに記載の漬物の製造方法であって、植物を塩蔵する期間が1カ月以上であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の漬物の製造方法は、請求項5に記載の漬物の製造方法であって、植物を加温する温水の温度が40℃以上であることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の漬物の製造方法は、請求項5に記載の漬物の製造方法であって、塩蔵した植物を加温する温水が金属酵母を含有する調整液であることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の漬物の製造方法は、請求項1ないしのいずれかに記載の漬物の製造方法であって、植物が、野菜又は緑色果実であることを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の漬物は、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母に接触されて、緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなる漬物であって、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵され、かつ、温水に加温されて緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなることを特徴とする。
本発明の請求項11に記載の漬物は、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母に接触されて、緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなる漬物であって、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵され、かつ、温水に加温されて緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなることを特徴とする。
本発明の請求項12に記載の漬物は、請求項10または11に記載の漬物であって、金属酵母を含有する酵母食塩に、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含むグルコン酸塩を添加して塩蔵することを特徴とする。
本発明の請求項13に記載の漬物は、請求項10ないし12のいずれかに記載の漬物であって、漬物が野菜又は緑色果実の漬物であることを特徴とする。
本明細書において「塩蔵」とは、植物を塩のみに漬ける「塩漬」のみでなく、糠、味噌、酢、酒かす、麹等を塩に添加して、この塩に植物を漬けるいわゆる「糠漬」「味噌漬」「酢漬」「酒かす漬」「麹漬」等を含む広い意味に使用する。
また、本明細書において、グルコン酸塩とは、グルコン酸亜鉛、ゴルコン酸銅、グルコン酸鉄、グルコン酸マグネシウムを意味するものとする。
本発明は、漬物本来の食感を失うことなく、自然な緑色にできる特徴がある。それは、本発明の漬物とその製造方法が、植物を塩蔵して漬物とする塩に、Zn、Cu、Fe、Mg、Se、Mo、Cr、Mn等の金属酵母を含む酵母食塩を使用し、これらの酵母食塩に塩蔵して漬物とするからである。金属酵母の添加された酵母食塩は、植物を塩蔵するときに、植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する。とくに、植物の塩蔵は、原料内部の細胞膜を透過して細胞組織内の水分を浸出し、塩を主とする漬汁を組織内に浸入置換させて、風味や貯蔵性を向上するので、酵母食塩を使用して塩蔵することで、金属酵母は食塩と一緒に漬物の組織内に浸入して置換される。このため、金属酵母を含む酵母食塩で植物を塩蔵して漬物とすることにより、金属酵母に含まれるZnやCu等の金属イオンは植物の細胞組織内に浸入されて、緑色を復元しあるいは緑色に保持することができる。さらに、本発明は、塩蔵するときに金属酵母を細胞組織内に浸入させるので、漬物となった後に、酵母液に浸漬して緑色にすることなく、緑色にすることができる。このため、植物を漬物にする工程で、一緒に漬物を緑色にできるので、極めて能率よく自然な緑色の漬物とすることができる。さらに好都合なことに、植物を漬物とするための塩蔵期間は、植物を緑色に処理するのに充分な期間となり、塩蔵して漬物とする浸漬時間で、漬物を自然な緑色にできる。このため、本発明は、手間がかからない方法で漬物を自然な緑色にできると共に、塩蔵するときに漬物を緑色にすることにより、緑色に処理するときに漬物の食感が低下するのを確実に防止でき、美味で綺麗な緑色の漬物にできる。
さらに、本発明の漬物は、塩蔵した後に温水に浸漬して、より自然で綺麗な緑色にできるが、本発明の漬物は、この温水の浸漬時間を短く、また温水の温度を低くしながら、極めて自然で綺麗な緑色にできる特徴がある。それは、塩蔵するときに、細胞組織内に金属イオンが浸入しているからである。したがって、本発明は、植物を緑色にするために温水に浸漬する工程において、植物が軟化するのを防止でき、植物本来の食感を失うことなく、自然の緑色にできる特徴がある。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための漬物とその製造方法を例示するものであって、本発明は漬物とその製造方法を以下に特定しない。
本発明は、漬物とする植物を特定するものではないが、自然な状態で緑色であって漬物にできる全ての植物とすることができる。たとえば、植物は、野沢菜、青菜、高菜、白菜、水菜、キャベツ、キュウリ、ウリ等の野菜、ワサビ等の根菜及び野菜、大根やカブラ等の根菜の葉等の野菜、ワラビやゼンマイ等の山菜、梅、スモモ等の緑色果実等である。
植物は、Zn、Cu、Fe、Mg、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母を添加している酵母食塩で塩蔵される。金属酵母は、これ等の金属を単独で含有し、あるいは複数含有している。また、含有する金属が異なる複数の金属酵母を食塩に添加して、この酵母食塩で植物を塩蔵することもできる。
さらに、植物は、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含むグルコン酸塩を含有しているグルコン酸食塩で塩蔵することもできる。グルコン酸食塩は、グルコン酸塩である、グルコン酸亜鉛、ゴルコン酸銅、グルコン酸鉄、グルコン酸マグネシウムのいずれかを単独で含有し、あるいは複数を含有している。単独ないし複数のグルコン酸塩を食塩に添加して、このグルコン酸食塩で植物を塩蔵する。さらに、植物は、金属酵母を添加している酵母食塩に、グルコン酸塩である、グルコン酸亜鉛、ゴルコン酸銅、グルコン酸鉄、グルコン酸マグネシウムのいずれか、あるいは複数を添加して塩蔵することもできる。
さらに、金属酵母を添加している酵母食塩や、グルコン酸塩を含有しているグルコン酸食塩には、糠、味噌、酢、酒かす、麹等の漬物床を添加することもできる。漬物床を添加した酵母食塩やグルコン酸食塩は、糠等の漬物床の混合率を0重量%〜80重量%とする。酵母食塩やグルコン酸食塩は水に溶解され、この食塩水に植物を浸漬して塩蔵する。この食塩水は15重量%以上、好ましくは20重量%〜30重量%の塩を含有する。植物を塩蔵する食塩水は、酵母食塩やグルコン酸食塩を過飽和な状態まで添加することもできる。また、植物を、水を添加しないで酵母食塩やグルコン酸食塩に塩蔵することもできる。この状態で植物を塩蔵すると、植物に含まれる水分が浸出して、実質的には酵母食塩やグルコン酸食塩の食塩水に浸漬させる状態となる。
さらに、植物を塩蔵する酵母食塩やグルコン酸食塩には、必要に応じてミネラル分などを添加しても良い。例えば、カルシウムイオンは、食用植物が水分を吸収して膨潤状態となるのを防止する。また、硫酸マグネシウム等のマグネシウム化合物を添加することもできる。硫酸マグネシウムには、水に溶解されてマグネシウムイオンとなるもの、たとえば海水から製造されるニガリ等が使用できる。マグネシウムイオンの添加された酵母食塩やグルコン酸食塩は、塩蔵する植物をより自然な緑色にできる。植物の葉緑素がマグネシウムで緑色となるからである。マグネシウム化合物の添加量は、たとえば、塩蔵される植物100kgに対して、0〜100g、好ましくは1〜50g、さらに好ましくは2〜20gである。
さらにまた、塩蔵する酵母食塩やグルコン酸食塩には、少量の銅添サンゴ砂を添加することもできる。銅添サンゴ砂は、塩蔵する植物に銅イオン及びカルシウムイオンを添加する。銅イオンは、食用植物の緑色をより鮮やかにする。カルシウムイオンは、食用植物の軟化を防止する。銅添サンゴ砂の添加量は、植物100kgに対して50g以下とする。
さらに、塩蔵の酵母食塩やグルコン酸食塩や温水には還元剤を添加することもできる。還元剤の添加された酵母食塩やグルコン酸食塩に植物を塩蔵し、あるいは温水で加温すると、顔料や染料で人工的に着色したような不自然な色が調整される。また、緑色になった漬物の変色を防止する効果もある。それは、還元剤が、酸化を防止して、変色するのを少なくするからである。還元剤には、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、アスコルビン酸、ビタミンC、エルソルビン酸等が使用できる。酵母食塩やグルコン酸食塩に添加される還元剤の添加量は、100kgの植物に対して、0〜2000g、好ましくは、10〜1000g、さらに好ましくは100〜500gとする。
植物を塩蔵する期間は、たとえば10日以上、好ましくは20日以上、より好ましくは1カ月以上、最適には3ヶ月以上とする。塩蔵する期間は、漬物の種類により最適な期間とする。たとえば野沢菜等の野菜は薄いので、短期間の塩蔵で、緑色に復元でき、あるいは緑色に保持できる。これに対して、キュウリや梅のように厚い漬物は内部まで緑色にするのに時間がかかるので、内部まで緑色にするためには、塩蔵する期間を長くする。野沢菜等の野菜は、好ましくは20日以上、キュウリのような厚い漬物は好ましくは2カ月以上、さらに好ましくは3カ月以上塩蔵するのがよい。
本発明は、好ましくは、植物が緑色にある状態、すなわち退色しない状態で塩蔵して漬物に加工する。このようにして緑色に固定、定着して漬物とすることで、漬物となった後に、黄変したり茶褐色に変色するのを長期間にわたって防止できる。この方法によると、塩蔵して漬物となった状態で、温水の浸漬工程を省力でき、あるいは温水に浸漬して定着するにしても、温水温度を低く、また浸漬時間を短くできる。塩蔵した漬物を温水に浸漬して定着する方法は、退色した植物をより新鮮な緑色に変色できる。このことから、退色した植物が塩蔵された漬物は、塩蔵した後に温水に浸漬して定着し、より新鮮な緑色に変色するのがよい。塩蔵した漬物を浸漬して定着する温水の温度は、好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上とする。また、浸漬時間は1分以上、さらに好ましくは3分以上とする。
漬物は、衛生上の問題などから、加熱殺菌が必要とされる場合もある。このような場合に、緑色の定着と殺菌を兼ねた加熱処理を行うことにより、緑色の定着と殺菌を同時に短時間で行うこともできる。
あるいは高温で短時間で殺菌を行うレトルト殺菌などの加圧加熱殺菌も利用できる。レトルト殺菌では、熱の加熱時間を短くするために110℃で2秒間、高圧で加熱する。この方法では、温度は高くなるものの、短時間の加熱であるため、植物が柔らかくなって食感が低下するのを最小限に抑えながら、細胞組織内に金属イオンを浸入させている漬物を自然な緑色にできる。
本発明の処理をしない漬物は、1週間も経過すると褐変する。植物の種類によって退色する状態は異なる。例えば、新鮮なキュウリを塩蔵した漬物は、2週間程度で退色する。これに対して、酵母食塩やグルコン酸食塩で塩蔵したキュウリの漬物は、3ヶ月経過しても退色しないで自然な緑色を保持する。本発明は、植物に含まれる葉緑素の作用で緑色とする。化学薬品で着色して緑色とするのではない。このため、安心して食べられる安全な漬物としながら、自然な緑色となる。
酵母食塩やグルコン酸食塩で塩蔵された漬物は、水洗して塩分やその他の成分を洗い流すことができる。水洗で漬物の塩分を低減できるので、水洗時間をコントロールして漬物の塩分量を適量にできる。
野沢菜の漬物を下記のように製造する。
(1) 野沢菜を塩蔵する工程
20kgの食塩に、水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)を20g添加し、野沢菜を塩蔵する酵母食塩を調製する。この酵母は10重量%の亜鉛を含有する。したがって、この酵母食塩は100ppmの亜鉛を含有する。この酵母食塩を100リットルの水に溶解して酵母食塩水とする。
この酵母食塩に、100kgの野沢菜を浸漬して塩蔵する。野沢菜は、前処理として、100kgの野沢菜を30kgの食塩に3日間浸積し、水分を浸出させた後、水切りしたものを使用する。野沢菜は、退色したもの、あるいは退色しない緑色のものを使用する。塩蔵は、10日以上、好ましくは20日以上、さらに好ましくは1カ月以上とする。野菜は薄いので、金属酵母の金属イオンを短期間で細胞組織内に浸入できる。退色した野沢菜は、塩蔵工程で緑色を復元する。退色しない緑色の野沢菜は、この工程で緑色に保持されて数カ月経過後も退色しないように処理される。
(2) 塩蔵された野沢菜を酵母食塩から取り出して調整液に浸漬する工程
調整液は、下記のようにして製作する。200リットルの水に、
還元糖………………………200g
還元剤………………………100g
を添加して溶解し、クエン酸を添加してpHを5.2に調整する。
還元糖にFブドウ糖を使用する。還元剤にはアスコルビン酸を使用する。調整液は60〜65℃に加温し、加温された温水である調整液に、(1)の塩蔵の完了した野沢菜を浸漬する。ただ、この温水である調整液の温度は、40℃以上とすることもできる。退色した野沢菜、あるいは緑色の野沢菜は、塩蔵した後、温水に10分〜20分浸漬して、さらに新鮮な状態の緑色に色調整される。調整液は、加温しない状態で、塩蔵された野沢菜を浸漬することもできる。ただ、加温された温水の調整液に浸漬される野沢菜は、より自然で綺麗な緑色となる。
その後、野沢菜を調整液から取り出して水洗する。水洗された野沢菜は、塩水と一緒に袋詰めして漬物として販売される。水洗された野沢菜は、食塩と糠等との混合体と一緒に袋詰めして漬物として販売することもできる。この野沢菜の漬物は、3カ月経過後も自然な緑色が失われず、また、野沢菜を浸漬している塩水や糠は緑色に変色しない。
20kgの食塩に添加する水溶性亜鉛酵母を10gとする以外、実施例1と同じようにして、野沢菜を自然な緑色の漬物とする。この酵母食塩は、50ppmの亜鉛を含有している。この実施例で得られる野沢菜の漬物は、3カ月経過後も自然な緑色が失われず、また、野沢菜を浸漬している塩水や糠は緑色に変色しない。
20kgの食塩に添加する水溶性亜鉛酵母を5gとする以外、実施例1と同じようにして野沢菜の漬物を製作する。この実施例では、退色した野沢菜を自然な緑色の漬物にできる。また、緑色の野沢菜を原料に使用すると、漬物とする状態でより新鮮な緑色となる。この実施例において、塩蔵に使用される酵母食塩は25ppmの亜鉛を含有する。さらに、塩蔵に使用する20kgの食塩に添加する水溶性亜鉛酵母の添加量を2gとし、酵母食塩の亜鉛濃度を10ppmとしても、野沢菜は自然な緑色となる。この実施例で得られる野沢菜の漬物は、3カ月経過後も緑色が退色せず、また袋詰めに使用する塩水や糠も緑色に変色しない。
使用する酵母を、水溶性亜鉛酵母から20gの銅含有酵母(米国Grow Company,Inc.製)に変更する以外、実施例1と同様にして野沢菜の漬物を製作すると、野沢菜は自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。この銅含有酵母は、5重量%の銅を含有するので、酵母食塩は50ppmの銅を含有する。
20kgの食塩に添加する酵母を、20gの水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)と、10gの銅含有酵母(米国Grow Company,Inc.製)と変更する以外、実施例1と同様にして100kgの野沢菜の漬物を製作すると、野沢菜は自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。酵母食塩は100ppmの亜鉛と、25ppmの銅を含有する。亜鉛含有酵母が10重量%の亜鉛を含有し、銅含有酵母が5重量%の銅を含有するからである。
野沢菜を塩蔵する酵母食塩に、2gの乳酸カルシウムを添加する以外、実施例1と同じようにして、野沢菜の漬物を製作する。この実施例で得られる野沢菜の漬物は、カルシウムの作用で、野沢菜が柔らかくなるのを防止できる。
20kgの食塩に、10gの水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)と、8gのグルコン酸亜鉛を添加する以外、実施例1と同じようにして100kgの野沢菜の漬物を製作する。この酵母食塩は101.2ppmの亜鉛を含有する。亜鉛含有酵母が10重量%の亜鉛を含有し、グルコン酸亜鉛が12.8重量%の亜鉛を含有するからである。この実施例で得られる野沢菜の漬物は、自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなり、また袋詰めに使用する塩水や糠も緑色に変色しない。
20kgの食塩に、10gの水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)と、3.5gのグルコン酸銅を添加する以外、実施例1と同じようにして100kgの野沢菜の漬物を製作する。この酵母食塩は50ppmの亜鉛と、24.5ppmの銅とを含有する。亜鉛含有酵母が10重量%の亜鉛を含有し、グルコン酸銅が14.0重量%の銅を含有するからである。この実施例で得られる野沢菜の漬物は、自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなり、また袋詰めに使用する塩水や糠も緑色に変色しない。
野沢菜の漬物を下記のように製造する。
(1) 野沢菜を塩蔵する工程
20kgの食塩に、グルコン酸亜鉛を16g添加し、野沢菜を塩蔵するグルコン酸食塩を調製する。グルコン酸亜鉛は12.8重量%の亜鉛を含有する。したがって、このグルコン酸食塩は102.4ppmの亜鉛を含有する。このグルコン酸食塩を100リットルの水に溶解してグルコン酸食塩水とする。
このグルコン酸食塩に、100kgの野沢菜を浸漬して塩蔵する。野沢菜は、前処理として、100kgの野沢菜を30kgの食塩に3日間浸積し、水分を浸出させた後、水切りしたものを使用する。野沢菜は、退色したもの、あるいは退色しない緑色のものを使用する。塩蔵は、10日以上、好ましくは20日以上、さらに好ましくは1カ月以上とする。野菜は薄いので、グルコン酸塩の金属イオンを短期間で細胞組織内に浸入できる。退色した野沢菜は、塩蔵工程で緑色を復元する。退色しない緑色の野沢菜は、この工程で緑色に保持されて数カ月経過後も退色しないように処理される。
(2) 塩蔵された野沢菜をグルコン酸食塩から取り出して調整液に浸漬する工程
調整液は、下記のようにして製作する。200リットルの水に、
還元糖………………………200g
還元剤………………………100g
を添加して溶解し、クエン酸を添加してpHを5.2に調整する。
還元糖にFブドウ糖を使用する。還元剤にはアスコルビン酸を使用する。調整液は60〜65℃に加温し、加温された温水である調整液に、(1)の塩蔵の完了した野沢菜を浸漬する。ただ、この温水である調整液の温度は、40℃以上とすることもできる。退色した野沢菜、あるいは緑色の野沢菜は、塩蔵した後、温水に10分〜20分浸漬して、さらに新鮮な状態の緑色に色調整される。調整液は、加温しない状態で、塩蔵された野沢菜を浸漬することもできる。ただ、加温された温水の調整液に浸漬される野沢菜は、より自然で綺麗な緑色となる。
その後、野沢菜を調整液から取り出して水洗する。水洗された野沢菜は、塩水と一緒に袋詰めして漬物として販売される。水洗された野沢菜は、食塩と糠等との混合体と一緒に袋詰めして漬物として販売することもできる。この野沢菜の漬物は、3カ月経過後も自然な緑色が失われず、また、野沢菜を浸漬している塩水や糠は緑色に変色しない。
20kgの食塩に添加するグルコン酸塩を、グルコン酸亜鉛から、7gのグルコン酸銅に変更する以外、実施例9と同様にして野沢菜の漬物を製作すると、野沢菜は自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。グルコン酸銅は、14.0重量%の銅を含有するので、このグルコン酸食塩は49ppmの銅を含有する。
20kgの食塩に添加するグルコン酸塩を、8gのグルコン酸亜鉛と、3.5gのグルコン酸銅に変更する以外、実施例9と同様にして野沢菜の漬物を製作すると、野沢菜は自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。このグルコン酸食塩は51.2ppmの亜鉛と、24.5ppmの銅を含有する。グルコン酸亜鉛が12.8重量%の亜鉛を含有し、グルコン酸銅が14.0重量%の銅を含有するからである。
キュウリの漬物を下記のように製造する。
(1) キュウリを塩蔵する工程
20kgの食塩に、水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)を20g添加し、キュウリを塩蔵する酵母食塩を調製する。この酵母は10重量%の亜鉛を含有する。したがって、この酵母食塩は100ppmの亜鉛を含有する。この酵母食塩を100リットルの水に溶解して酵母食塩水とする。
この酵母食塩に、100kgのキュウリを浸漬して塩蔵する。キュウリは、前処理として、100kgのキュウリを30kgの食塩に3日間浸積し、水分を浸出させた後、水切りしたものを使用する。キュウリは、退色したもの、あるいは退色しない緑色のものを使用する。塩蔵は、1カ月以上、好ましくは2カ月以上、さらに好ましくは3カ月以上とする。この実施例において、退色したキュウリは、塩蔵工程で緑色を復元する。退色しない緑色のキュウリは、この工程で緑色に保持されて数カ月経過後も退色しないように処理される。
(2) 塩蔵されたキュウリを酵母食塩から取り出して調整液に浸漬する工程
調整液は、下記のようにして製作する。200リットルの水に、
還元糖………………………200g
還元剤………………………100g
を添加して溶解し、クエン酸を添加してpHを5.2に調整する。
還元糖にFブドウ糖を使用する。還元剤にはアスコルビン酸を使用する。調整液は60〜65℃に加温し、加温された温水である調整液に、(1)の塩蔵の完了したキュウリを浸漬する。ただ、この温水である調整液の温度は、40℃以上とすることもできる。退色したキュウリ、あるいは緑色のキュウリは、塩蔵した後、温水に10分〜20分浸漬して、さらに新鮮な状態の緑色に色調整される。調整液は、加温しない状態で、塩蔵されたキュウリを浸漬することもできる。ただ、加温された温水の調整液に浸漬されるキュウリは、より自然で綺麗な緑色となる。
その後、キュウリを調整液から取り出して水洗する。水洗されたキュウリは、塩水と一緒に袋詰めして漬物として販売される。水洗されたキュウリは、食塩と糠等との混合体と一緒に袋詰めして漬物として販売することもできる。このキュウリの漬物は、3カ月経過後も自然な緑色が失われず、また、キュウリを浸漬している塩水や糠は緑色に変色しない。
20kgの食塩に添加する水溶性亜鉛酵母を10gとする以外、実施例12と同じようにして、キュウリを自然な緑色の漬物とする。この酵母食塩は、50ppmの亜鉛を含有している。この実施例で得られるキュウリの漬物は、3カ月経過後も自然な緑色が失われず、また、キュウリを浸漬している塩水や糠は緑色に変色しない。
20kgの食塩に添加する水溶性亜鉛酵母を5gとする以外、実施例12と同じようにしてキュウリの漬物を製作する。この実施例では、退色したキュウリを自然な緑色の漬物にできる。また、緑色のキュウリを原料に使用すると、漬物とする状態でより新鮮な緑色となる。この実施例において、塩蔵に使用される酵母食塩は25ppmの亜鉛を含有する。さらに、塩蔵に使用する20kgの食塩に添加する水溶性亜鉛酵母の添加量を2gとし、酵母食塩の亜鉛濃度を10ppmとしても、キュウリは自然な緑色となる。この実施例で得られるキュウリの漬物は、3カ月経過後も緑色が退色せず、また袋詰めに使用する塩水や糠も緑色に変色しない。
使用する酵母を、水溶性亜鉛酵母から20gの銅含有酵母(米国Grow Company,Inc.製)に変更する以外、実施例12と同様にしてキュウリの漬物を製作すると、キュウリは自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。この銅含有酵母は、5重量%の銅を含有するので、酵母食塩は50ppmの銅を含有する。
20kgの食塩に添加する酵母を、20gの水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)と、10gの銅含有酵母(米国Grow Company,Inc.製)と変更する以外、実施例12と同様にして100kgのキュウリの漬物を製作すると、キュウリは自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。酵母食塩は100ppmの亜鉛と、25ppmの銅を含有する。亜鉛含有酵母が10重量%の亜鉛を含有し、銅含有酵母が5重量%の銅を含有するからである。
キュウリを塩蔵する酵母食塩に、2gの乳酸カルシウムを添加する以外、実施例12と同じようにして、キュウリの漬物を製作する。この実施例で得られるキュウリの漬物は、カルシウムの作用で、キュウリが柔らかくなるのを防止できる。
20kgの食塩に、10gの水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)と、8gのグルコン酸亜鉛を添加する以外、実施例12と同じようにして100kgのキュウリの漬物を製作する。この酵母食塩は101.2ppmの亜鉛を含有する。亜鉛含有酵母が10重量%の亜鉛を含有し、グルコン酸亜鉛が12.8重量%の亜鉛を含有するからである。この実施例で得られるキュウリの漬物は、自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなり、また袋詰めに使用する塩水や糠も緑色に変色しない。
20kgの食塩に、10gの水溶性亜鉛酵母(研光通商製 亜鉛酵母)と、3.5gのグルコン酸銅を添加する以外、実施例12と同じようにして100kgのキュウリの漬物を製作する。この酵母食塩は50ppmの亜鉛と、24.5ppmの銅とを含有する。亜鉛含有酵母が10重量%の亜鉛を含有し、グルコン酸銅が14.0重量%の銅を含有するからである。この実施例で得られるキュウリの漬物は、自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなり、また袋詰めに使用する塩水や糠も緑色に変色しない。
キュウリの漬物を下記のように製造する。
(1) キュウリを塩蔵する工程
20kgの食塩に、グルコン酸亜鉛を16g添加し、キュウリを塩蔵するグルコン酸食塩を調製する。グルコン酸亜鉛は12.8重量%の亜鉛を含有する。したがって、このグルコン酸食塩は102.4ppmの亜鉛を含有する。このグルコン酸食塩を100リットルの水に溶解してグルコン酸食塩水とする。
このグルコン酸食塩に、100kgのキュウリを浸漬して塩蔵する。キュウリは、前処理として、100kgのキュウリを30kgの食塩に3日間浸積し、水分を浸出させた後、水切りしたものを使用する。キュウリは、退色したもの、あるいは退色しない緑色のものを使用する。塩蔵は、1カ月以上、好ましくは2カ月以上、さらに好ましくは3カ月以上とする。退色したキュウリは、塩蔵工程で緑色を復元する。退色しない緑色のキュウリは、この工程で緑色に保持されて数カ月経過後も退色しないように処理される。
(2) 塩蔵されたキュウリをグルコン酸食塩から取り出して調整液に浸漬する工程
調整液は、下記のようにして製作する。200リットルの水に、
還元糖………………………200g
還元剤………………………100g
を添加して溶解し、クエン酸を添加してpHを5.2に調整する。
還元糖にFブドウ糖を使用する。還元剤にはアスコルビン酸を使用する。調整液は60〜65℃に加温し、加温された温水である調整液に、(1)の塩蔵の完了したキュウリを浸漬する。ただ、この温水である調整液の温度は、40℃以上とすることもできる。退色したキュウリ、あるいは緑色のキュウリは、塩蔵した後、温水に10分〜20分浸漬して、さらに新鮮な状態の緑色に色調整される。調整液は、加温しない状態で、塩蔵されたキュウリを浸漬することもできる。ただ、加温された温水の調整液に浸漬されるキュウリは、より自然で綺麗な緑色となる。
その後、キュウリを調整液から取り出して水洗する。水洗されたキュウリは、塩水と一緒に袋詰めして漬物として販売される。水洗されたキュウリは、食塩と糠等との混合体と一緒に袋詰めして漬物として販売することもできる。このキュウリの漬物は、3カ月経過後も自然な緑色が失われず、また、キュウリを浸漬している塩水や糠は緑色に変色しない。
20kgの食塩に添加するグルコン酸塩を、グルコン酸亜鉛から、7gのグルコン酸銅に変更する以外、実施例20と同様にしてキュウリの漬物を製作すると、キュウリは自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。グルコン酸銅は、14.0重量%の銅を含有するので、このグルコン酸食塩は49ppmの銅を含有する。
20kgの食塩に添加するグルコン酸塩を、8gのグルコン酸亜鉛と、3.5gのグルコン酸銅に変更する以外、実施例20と同様にしてキュウリの漬物を製作すると、キュウリは自然な緑色となり、しかも3カ月経過後も変色しなくなる。このグルコン酸食塩は51.2ppmの亜鉛と、24.5ppmの銅を含有する。グルコン酸亜鉛が12.8重量%の亜鉛を含有し、グルコン酸銅が14.0重量%の銅を含有するからである。
以上の実施例は、酵母食塩またはグルコン酸食塩を水に溶解した酵母食塩水またはグルコン酸食塩水に植物を塩蔵している。さらに、塩蔵する植物には、前処理として食塩に浸積して水分を浸出させたものを水切りして使用している。ただ、塩蔵する植物は、前処理をすることなく塩蔵することもできる。この塩蔵は、酵母食塩またはグルコン酸食塩を水に溶解することなく、植物を直接に酵母食塩またはグルコン酸食塩に塩蔵する。この状態で植物を塩蔵すると、植物に含まれる水分が浸出する。したがって、実質的には酵母食塩やグルコン酸食塩の食塩水に浸漬させる状態となる。このため、植物からから浸出する水分量に応じて、酵母食塩やグルコン酸食塩の食塩水の濃度を調整する。塩分濃度の調整は、植物からから浸出する水分を除去し、あるいは水を添加して行われる。
本発明は、褐変した植物を使用して緑色の復元された漬物とすることができ、また、褐変した植物を使用するのではなくて、緑色をしている植物を漬物としてその後に緑色が退色するのを防止することもできる。
塩蔵された植物を温水の調整液に浸漬して加温する容器には、温水の調整液に金属イオンを溶出する容器を使用することもできる。また調整液に金属イオンを添加することもできる。金属イオンを溶出する容器は、調整液に接触する内側面の全体またはその一部を、銅と亜鉛のいずれか又は両方を含む合金とする。例えば、内面を銅を含む亜鉛合金とする鍋を調整液を加温する容器に使用する。この容器中に、所定量の水を満たして加温すると、銅イオンと亜鉛イオンが溶出される。この容器で調整液を加温して、調整液に塩蔵した植物を浸漬すると、銅イオンおよび亜鉛イオンの相互作用によって、漬物をより自然な緑色を復元し、あるいは緑色に保持することができる。
本発明の製造方法によって得られる漬物は、自然食品としてのイメージを低下させる心配が一切払拭されることから、業務用の場合であれば、それらの商品価値を低下させてしまって経済的に不利益を被ってしまうといった恐れは確実に回避可能となり、一般消費者にとっても、自らが処理したときのように安心して食すことができる。また、最近改定されて食事摂取基準に取り込まれた微量ミネラル素材としての無機亜鉛の摂取手段としても活用でき、この発明の漬物によって食欲を増しながら、自然に人体に必須とされている微量ミネラルの摂取、補給ができることになって、様々に取り沙汰されて大きな社会的問題になっている成人病について普段から対処できることにも繋がるという有利な効果をも享受できることになる。
本発明の漬物の製造方法は、金属酵母を含有する酵母食塩で植物を塩蔵するときに、植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する。このため、手間がかからない方法で漬物を自然な緑色にできると共に、緑色に処理するときに漬物の食感が低下するのを確実に防止して、美味で綺麗な緑色の漬物にできる。さらに、最近注目され始めている食事摂取基準に取り込まれた微量ミネラル素材としての無機亜鉛の摂取手段としても有効に作用する。

Claims (13)

  1. 植物を、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母に接触させて植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する漬物の製造方法であって、
    植物を、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する食塩である酵母食塩で塩蔵して漬物とする工程で緑色を復元しあるいは緑色に保持する漬物の製造方法。
  2. 植物を、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母に接触させて植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する漬物の製造方法であって、
    植物を、Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵して漬物とする工程で緑色を復元しあるいは緑色に保持する漬物の製造方法。
  3. 金属酵母を含有する酵母食塩に、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含むグルコン酸塩を添加して塩蔵する請求項1または2に記載される漬物の製造方法。
  4. 塩蔵する植物を、前処理として食塩に浸積して水分を浸出させる請求項1に記載される漬物の製造方法。
  5. 植物を、金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵した後、温水で加温して緑色を復元しあるいは緑色に保持する請求項1または2に記載される漬物の製造方法。
  6. 植物を塩蔵する期間が1カ月以上である請求項1ないしのいずれかに記載される漬物の製造方法。
  7. 植物を加温する温水の温度が40℃以上である請求項5に記載される漬物の製造方法。
  8. 塩蔵した植物を加温する温水が金属酵母を含有する調整液である請求項5に記載される漬物の製造方法。
  9. 植物が、野菜又は緑色果実である請求項1ないし8のいずれかに記載される漬物の製造方法。
  10. Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母に接触されて、緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなる漬物であって、
    Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵され、かつ、温水に加温されて緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなる漬物。
  11. Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母に接触されて、緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなる漬物であって、
    Se、Mo、Cr、Mnのいずれかの金属を含む金属酵母を含有する酵母食塩で塩蔵され、かつ、温水に加温されて緑色を復元しあるいは緑色に保持するようにしてなる漬物。
  12. 金属酵母を含有する酵母食塩に、Zn、Cu、Fe、Mgのいずれかの金属を含むグルコン酸塩を添加して塩蔵する請求項10または11に記載される漬物。
  13. 漬物が、野菜又は緑色果実の漬物である請求項10ないし12のいずれかに記載される漬物。
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