JP2911851B2 - 食用植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する方法とこの方法に使用する発色剤パック - Google Patents

食用植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する方法とこの方法に使用する発色剤パック

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、退色し
た食用植物の緑色を、金属イオンの作用で復元させる方
法、あるいは、金属イオンの作用で食用植物を緑色に保
持する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食用植物は、葉緑素に含有されるマグネ
シウムが失われると、緑色を失って枯渇した色に退色さ
れる性質がある。葉緑素は、食用植物を金属イオンを含
む溶液に浸漬し、金属イオンの作用で緑色に復元でき
る。この性質を利用して、退色した食用植物を緑色にす
る技術が下記の公報に記載される。
【0003】 特公平3−12866号公報 特公平3−12867号公報 特開平2−265430号公報 特開平6−46795号公報 特開平6−217732号公報 特開平7−67527号公報
【0004】の公報には、下記の方法で、退色した食
用植物の葉緑素を緑色にする方法が記載される。 (1) クエン酸と酒石酸の混合物を水に溶解させて発色
剤溶液をつくる。 (2) 発色剤溶液に、退色して枯渇状態となった食用植
物を浸漬する。 (3) 発色剤溶液を加熱して、採取時の緑色に発色させ
る。 この方法は、鉄イオンが退色した葉緑素を緑色に発色さ
せる。
【0005】の公報には、下記の方法で、退色した食
用植物の葉緑素を緑色にする方法が記載される。 (1) クエン酸と酒石酸の混合物からなる発色剤を、銅
製容器の中で水に溶解して 発色剤溶液とする。 (2) 発色剤溶液を充分に沸騰させて、銅イオンを溶解
させる。 (3) 発色剤溶液を沸騰しない温度に加熱して、退色し
て枯渇状態となった食用植物を浸漬して、採取時の緑色
に発色させる。この方法は、鉄イオンと銅イオンの作用
で退色した葉緑素を緑色に発色させる。
【0006】の公報には、下記の方法で茶葉を加工す
る方法が記載される。 (1) 茶葉をブランチング処理する。 (2) ブランチング処理した茶葉に、卵白、アスコルビ
ン酸塩及びマグネシウム塩 を添加して摩砕する。 (3) 以上の方法で、緑色の優れた食品素材となる茶葉
とする。この方法は、マグネシウムイオンが茶葉に含ま
れる葉緑素を緑色にする。
【0007】の公報には、下記の方法で貯蔵褐変食用
植物を緑色に復元させる方法が記載される。 (1) 褐変した緑色食用植物を、食品添加物として認め
られている酸とアスコルビン酸を溶解した水溶液に漬け
て、褐色の色調を退色させる。 (2) この水溶液に、銅クロロフィルナトリウムを加え
て加熱し、枯渇色調の緑色食用植物を元の緑色に復元さ
せる。この公報の方法は、銅イオンの作用で緑色食用植
物に含まれる葉緑素を緑色にする。
【0008】の公報には、銅クロロフィルや銅クロロ
フィリンアルカリ金属塩、並びに還元剤を含む水溶液
に、緑色野菜や海草を浸漬して緑色に着色する方法が記
載される。この方法は、銅イオンの作用で、野菜や海草
の葉緑素を緑色に着色する。
【0009】さらに、の公報には、無水酢酸ナトリウ
ムと燐酸水素2カリウムを緑色野菜に添加して、ナトリ
ウムとカリウムの作用で野菜の葉緑素を緑色に保持する
方法が記載される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、前記の
公報に記載されるように、鉄イオン、銅イオン、マグネ
シウムイオン等を含む溶液で、葉緑素の緑色を復元し、
あるいは、緑色に保持する技術が記載される。食用植物
を鉄イオンを含む溶液に浸漬して、葉緑素を緑色にする
と、暗色の緑色となり、全ての食用植物を自然な色調の
緑色にできない欠点がある。銅イオンを含む溶液に浸漬
する方法は、食用植物を綺麗な色調にできる。ただ、銅
イオンの溶液に浸漬された食用植物は、処理後に銅の含
有量が多くなる。銅は、食用植物に少量含まれるが、多
量の銅を添加することは、健康上決して好ましくない。
このため、多量の銅イオンの作用で葉緑素を緑色にする
方法は、食べ物の処理として好ましくない。さらに、食
用植物をマグネシウムの溶液に浸漬して、緑色に処理す
ると、緑色に変色した葉緑素が水に溶けやすい欠点があ
る。このため、たとえば水に浸漬して販売する惣菜等を
この方法で処理すると、水に葉緑素が溶けて緑色とな
り、食用植物の緑色が薄くなる。また、水が緑色になる
と、食用植物をあたかも顔料や染料で着色したものと同
じように見られる欠点もある。
【0011】銅イオンに代わって、亜鉛イオンで食用植
物の緑色を復元する方法も開発されている(特開平8−
298958号公報)。この公報に記載される方法は、
亜鉛イオンを主成分とする加熱溶液に、塩蔵野菜や山菜
等を浸漬する。加熱溶液に浸漬された塩蔵野菜等は、亜
鉛イオンで緑色が復元する。緑色になった塩蔵野菜等
は、溶液を洗浄した後、乳酸カルシウム、ビタミンCや
クエン酸、ブドウ糖等を主成分とする固定液を用いてボ
イルして、復元した色に固定する。
【0012】この公報に記載される方法は、塩蔵野菜等
の食用植物本来の緑色に復元できる特長がある。しかし
ながら、緑色に復元した塩蔵野菜や山菜等は、食感が著
しく低下して、美味に食べることができなくなってしま
う欠点がある。それは、緑色に復元するために、亜鉛イ
オンを含む溶液に浸漬して加熱するときに、著しく柔軟
になってしまうからである。食感の低下を少なくするた
めに、亜鉛イオンを含む溶液の加熱温度を低くし、ある
いは、塩蔵野菜等の浸漬時間を短くすると、美しい緑色
に復元できなくなる欠点がある。すなわち、この公報に
記載される方法は、美しい緑色に復元することと、食感
を良くすることが互いに相反する特性となり、食感に優
れて自然な緑色に復元できない欠点がある。
【0013】さらに、以上の公報に記載される方法は、
金属の化合物である化学薬品を使用して金属イオン溶液
をつくり、この金属イオン溶液に食用植物を浸漬するの
で、自然食品を天然に近い状態として緑色に復元できな
い欠点もある。このため、以上の処理をして緑色に復元
した食用植物は、自然食品としてのイメージが低下する
ばかりでなく、商品価値が低下し、しかも安心して食べ
難くなる欠点もある。
【0014】本発明は、さらにこのような欠点を解決す
ることを目的に開発されたものである。本発明の重要な
目的は、褐変した食用植物を、食感を低下させることな
く、優れた色調の緑色に復元できると共に、食用植物を
緑色に処理して、緑色に長期保存できる食用植物の緑色
を復元しあるいは緑色に処理した状態で保存する方法と
この方法に使用する発色剤パックを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
する食用植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する方
法は、前述の目的を達成するために、退色した食用植物
を金属イオンを含む溶液に接触させて、金属イオンの作
用で食用植物の緑色を復元し、あるいは緑色に保持する
方法を改良したものである。
【0016】本発明の請求項1の方法は、草木灰を溶液
に浸漬して草木灰に含まれる金属イオンを溶液に溶出さ
せて、金属イオンを含む溶液とすると共に、草木灰に加
えて乳酸カルシウム等のカルシウム化合物を溶液に添加
する。さらに、好ましくは、草木灰とカルシウム化合物
に加えて、溶液を酸性にするpH調整剤を添加する。草
木灰とカルシウム化合物の入れられた加熱溶液で、食用
植物の緑色を復元し、あるいは緑色に保持する。乳酸カ
ルシウム等のカルシウム化合物は、加熱溶液で食用植物
が軟化するのを防止し、草木灰から溶出した金属イオン
は、食用植物本来の緑色に復元させる。
【0017】本発明の請求項3の発色剤パックは、草木
灰とカルシウム化合物を、草木灰をほとんど通過させな
い通水性のパックに充填している。発色剤パックが液体
に浸漬されると、草木灰に含まれる金属が溶解して金属
イオンを含む溶液となる。金属イオンを含む加熱溶液に
食用植物を接触させると、食用植物は緑色に復元され、
あるいは緑色に保持される。発色剤パックは、草木灰と
カルシウム化合物に加えて、pH調整剤も添加する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を詳述す
る。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を
具体化するための方法を例示するものであって、本発明
は、食用植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する方
法を下記の方法に特定しない。
【0019】食用植物の緑色を復元しあるいは緑色に保
持する方法は、草木灰と乳酸カルシウム等のカルシウム
化合物を添加した発色剤溶液に食用植物を浸漬し、ある
いは、発色剤溶液を食用植物に散布して、食用植物を発
色剤溶液に接触させる。草木灰は、食用植物を焼却して
灰にしたものである。食用植物には亜鉛が含まれるの
で、草木灰にも亜鉛が含まれる。正常な食用植物は、乾
燥した食用植物で、葉に15〜75ppmの亜鉛を含ん
でいる。亜鉛は食用植物を焼却しても失われないので、
草木灰に含まれる。さらに、乾燥した食用植物の葉は、
50〜300ppmの鉄と、5〜15ppmの銅も含ん
でいる。これ等の金属は、焼却しても失われないので、
草木灰に含まれている。亜鉛に加えて、少量の鉄や銅を
含む草木灰は、亜鉛単独を使用する従来の方法に比較す
ると、食用植物をより自然で美しい緑色に復元できる。
【0020】さらに、食用植物は、特に、グンバイナズ
ナ(Thlaspi arvense L.)やマメグンバイナズナ(Lepi
diun virginicum)等を焼却した草木灰のように、20
重量%もの亜鉛を含むものもある。このような草木灰を
使用すると、添加量を少なくして、食用植物を自然な緑
色に復元できる。ただ、草木灰は、焼却する食用植物の
種類を問わず、ほとんど例外なく亜鉛を含んでいるの
で、種々の食用植物を焼却した草木灰が使用できる。
【0021】草木灰を添加し、乳酸カルシウムを溶解さ
せた発色剤溶液は、好ましくは、60℃以上で、沸騰す
る温度よりも低い温度に加温される。発色剤溶液は、水
等の液体を加熱した状態で、草木灰と乳酸カルシウムを
添加し、あるいは、草木灰と乳酸カルシウムを添加した
後に加熱する。加温された発色剤溶液に食用植物が浸漬
されると、葉緑素は、短い時間で速やかに緑色に変色さ
れる。食用植物を浸漬する溶液に多量の草木灰を添加し
て、亜鉛濃度を濃くすると、葉緑素を緑色にできる時間
は短くなる。したがって、短時間で葉緑素を緑色にする
場合は、多量の草木灰を添加して、亜鉛濃度の高い加熱
された発色剤溶液に食用植物を浸漬する。
【0022】草木灰の添加量は、草木灰の種類と、葉緑
素を緑色にする時間と、溶液の温度と、液体の種類を考
慮して最適値に調整する。たとえば、草木灰に、0.4
重量%の亜鉛を含むものを使用し、食用植物を浸漬して
緑色にする発色剤溶液を80〜85℃に加熱して、食用
植物を1〜10時間で緑色にする場合、草木灰の添加量
は、水100リットルに対して、30〜3000g、好
ましくは50〜1000g、さらに好ましくは70〜5
00gとする。ただし、グンバイナズナの草木灰のよう
に、多量の亜鉛を含むものは、さらに添加量を少なくで
きる。
【0023】食用植物は、溶液に浸漬すると柔らかくな
る性質がある。とくに、加熱された溶液に浸漬すると、
水分を吸収して非常に柔らかくなり、食感が著しく低下
して美味に食べることができなくなる性質がある。溶液
に浸漬して柔らかくなるのを防止するために、本発明の
方法は、後処理ではなくて、草木灰と一緒に、発色剤溶
液に乳酸カルシウム等のカルシウム化合物を添加する。
カルシウム化合物には、発色剤溶液に溶解されてカルシ
ウムイオンとなる全てのものが使用できる。カルシウム
イオンは、食用植物が水分を吸収して膨潤状態となるの
を防止する。乳酸カルシウム等のカルシウム添加量は、
食用植物の種類、浸漬時間、発色剤溶液の温度、カルシ
ウム化合物の分子量等を考慮して最適値に調整する。カ
ルシウム化合物の添加量を多くすると、食用植物が柔ら
かくなるのを効果的に防止できる。カルシウム化合物の
添加量は、たとえば、水100リットルに対して、20
〜2000g、好ましくは50〜1000g、さらに好
ましくは100〜400gとされる。
【0024】さらに、発色剤溶液には、草木灰とカルシ
ウム化合物に加えて、硫酸マグネシウム等のマグネシウ
ム化合物を添加することができる。マグネシウムには、
水に溶解されてマグネシウムイオンとなるものが使用で
きる。マグネシウムイオンの添加された発色剤溶液は、
食用植物をより自然な緑色にできる。食用植物の葉緑素
がマグネシウムで緑色となるからである。マグネシウム
化合物の添加量は、たとえば、水100リットルに対し
て、10〜2000g、好ましくは20〜1000g、
さらに好ましくは30〜100gである。
【0025】さらに、発色剤溶液には、好ましくは、草
木灰とカルシウム化合物に加えて、pH調整剤も添加す
る。pH調整剤には、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、乳
酸、コハク酸、燐酸、塩酸、硫酸等を使用する。発色剤
溶液に添加されるpH調整剤は、発色剤溶液のpHを、
たとえば3〜10、好ましくは4〜6、最適には約5〜
5.5に調整する量を添加する。pH調整剤を添加しな
い発色剤溶液は、草木灰によってpHが約8.5〜13
になる。このpHの発色剤溶液に浸漬して食用植物を緑
色にすると、表面がびらん状態となる。それは、アルカ
リ性の発色剤溶液に食用植物を浸漬すると、表面の細胞
壁を構成する細胞の結合が弱くなって表面がびらん状態
となるからである。
【0026】さらにまた、発色剤溶液には、少量の銅添
サンゴ砂を添加することもできる。銅添サンゴ砂は、発
色剤溶液に銅イオン及びカルシウムイオンを添加する。
銅イオンは、食用植物の緑色をより鮮やかにする。カル
シウムイオンは、食用植物の軟化を防止する。銅添サン
ゴ砂の添加量は、水100リットルに対して50g以下
とする。
【0027】草木灰と、乳酸カルシウム等のカルシウム
化合物と、硫酸マグネシウム等のマグネシウム化合物
と、pH調整剤は、直接に水に添加して発色剤溶液とす
ることもできるが、草木灰をほとんど通過させない通水
性のシート、たとえば、ティーバック等に使用されるシ
ート材のパックに充填して、発色剤パックとして水に浸
漬して便利に使用できる。パックには、草木灰のほとん
ど通過しない通水性を有する全ての部材、たとえば、耐
水性の紙、不織布、布、網材等が使用できる。さらに、
パックは、プラスチックの成形品とすることもできる。
プラスチックで成形したパックは、草木灰粉粒末の漏れ
ない、多数の微細な貫通孔を設ける。発色剤パックに
は、たとえば、100リットルの水に添加する草木灰と
カルシウム化合物とマグネシウム化合物とpH調整剤が
充填される。
【0028】さらに、発色剤パックには、還元剤を添加
することもできる。還元剤の添加された発色剤溶液に食
用植物が浸漬されると、顔料や染料で人工的に着色した
ような不自然な色が調整される。また、緑色になった食
用植物の変色を防止する効果もある。それは、還元剤
が、酸化を防止して、変色するのを少なくするからであ
る。さらに、還元剤を発色剤溶液に添加して色調を調整
する方法は、発色剤溶液に多量の草木灰を添加して亜鉛
濃度を高くし、短時間で食用植物を緑色にして、自然な
発色の食用植物を短時間で処理できる特長がある。還元
剤には、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトー
ル、アスコルビン酸、ビタミンC、エルソルビン酸等が
使用できる。還元剤の添加量は、草木灰に対する重量比
で、1/20〜1/2とする。
【0029】さらに、発色剤パックには、少量の食塩を
添加することもできる。食塩は、草木灰に含まれる金属
イオンやカルシウム等を食用植物に浸透させやすくする
働きがある。食塩の添加量は、水100リットルに対し
て500g以下とする。さらにまた、発色剤パックに
は、少量の銅添サンゴ砂を添加することもできる。
【0030】
【実施例】
[実施例1]塩蔵して退色した惣菜(わらびとぜんまい
の混合物)を下記のように処理して緑色を復元させる。 発色剤溶液に惣菜を浸漬して緑色に復元する処理 発色剤溶液は、下記のようにして製作する。100リッ
トルの水に、1個の発色剤パックを浸漬する。発色剤パ
ックは、不織布製のパックに下記の量の草木灰等を充填
している。 草木灰……………………………280g 乳酸カルシウム…………………180g (Ca[CH3CH(OH)COO]2・5H2O) 硫酸マグネシウム…………………50g リンゴ酸(pH調整剤)…………40g グラニュー糖(還元剤)…………20g 食塩…………………………………30g 銅添サンゴ砂………………………10g
【0031】100℃に加熱した100リットルの水
に、1個の発色剤パックを浸漬して発色剤溶液とする。
発色剤溶液に、2kgの惣菜を浸漬する。発色剤パック
と惣菜を入れた発色剤溶液は、温度を80〜85℃に保
持する。発色剤溶液に浸漬した惣菜は、約1時間静置し
て、緑色に変色させる。発色剤溶液は、発色剤パックを
入れる前に、あるいは、発色剤パックを入れた後に、8
0〜100℃に加熱し、その後加熱しないで静置する。
【0032】 緑色の惣菜を清水で水洗する処理 その後、発色剤溶液から惣菜を取り出し、3時間から一
晩、清水に浸漬して塩抜きして葉緑素を緑色にした食品
とする。処理された惣菜を、30日清水に浸漬しても、
水は緑色に変色せず、また、惣菜の緑色も変色しなかっ
た。
【0033】[実施例2]100リットルの水に浸漬す
る発色剤パックの充填物を下記のものとし、惣菜を発色
剤溶液に浸漬する時間を、1昼夜とする以外、実施例1
と同様にして、塩蔵して退色した惣菜を緑色に変色させ
る。 草木灰……………………………150g 乳酸カルシウム…………………100g (Ca[CH3CH(OH)COO]2・5H2O) 硫酸マグネシウム…………………30g クエン酸(pH調整剤)…………25g グラニュー糖(還元剤)…………15g 食塩…………………………………20g
【0034】この発色剤パックを使用して、緑色に処理
された惣菜は、実施例1の惣菜と同じように、30日清
水に浸漬しても、水は緑色に変色せず、また、惣菜の緑
色も変色しなかった。
【0035】[実施例3]100リットルの水に浸漬す
る発色剤パックの充填物を下記のものとし、惣菜を発色
剤溶液に浸漬する時間を1時間とする以外、実施例1と
同様にして、塩蔵して退色した惣菜を緑色に変色させ
る。 草木灰……………………………350g 乳酸カルシウム…………………230g (Ca[CH3CH(OH)COO]2・5H2O) 硫酸マグネシウム………………100g 酢酸(pH調整剤)………………70g グラニュー糖(還元剤)…………30g 食塩…………………………………50g
【0036】この発色剤パックを使用して、緑色に処理
された惣菜は、実施例1の惣菜と同じように、30日清
水に浸漬しても、水は緑色に変色せず、また、惣菜の緑
色も変色しなかった。
【0037】[実施例4]発色剤パックを入れる溶液
を、50リットルの水と50リットルのエチルアルコー
ルとし、発色剤パックを入れて惣菜を浸漬する発色剤溶
液の加熱温度を70℃とする以外、実施例1と同様にし
て、塩蔵して退色した惣菜を緑色に変色させる。この実
施例で緑色に処理された惣菜も、実施例1の惣菜と同じ
ように、30日清水に浸漬しても、水は緑色に変色せ
ず、また、惣菜の緑色も変色しなかった。
【0038】[実施例5]発色剤溶液に浸漬する食用植
物を、惣菜から桜餅に使用する褐変した桜の葉とする以
外、実施例1と同様の処理をして緑色を復元させる。こ
の実施例で緑色に処理された桜の葉も、実施例1の惣菜
と同じように、30日清水に浸漬しても水は緑色に変色
せず、また、桜の葉の緑色も変色しなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明は、褐変した食用植物を、食感を
低下させることなく、優れた色調の緑色に復元でき、し
かも、食用植物を緑色に処理して緑色に長期保存できる
特長がある。それは、本発明が、加熱された発色剤溶液
に、草木灰とカルシウム化合物を添加して食用植物を緑
色にするからである。カルシウム化合物は、発色剤溶液
にカルシウムイオンを供給する。カルシウムイオンは、
食用植物が発色剤溶液の水分を吸収して膨潤状態となる
のを防止する。このため、本発明は、食用植物を緑色に
する発色剤溶液を加熱して、食用植物を速やかに緑色に
できると共に、緑色にする工程で、食用植物が柔軟にな
って食感が低下するのを防止できる。
【0040】さらに、本発明の方法は、顔料や染料、あ
るいは、化学薬品で食用植物を緑色にするのではなく、
自然の草木を焼却した草木灰でもって、葉緑素を緑色に
復元させるので、緑色に処理した食用植物を安心して食
べることができる特長も実現される。さらに、本発明
は、赤や紫等の花と、緑色であった葉等を含む食用植物
を一緒に処理しても、緑色であった部分のみを緑色と
し、花の部分等を緑色に着色することがない。このた
め、種々の食用植物全体を処理するにもかかわらず、緑
色であった部分のみを選択して緑色に復元でき、しかも
処理された食用植物を柔軟にしない特長がある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 退色した食用植物を金属イオンを含む溶
    液に接触させて、金属イオンの作用で食用植物の緑色を
    復元し、あるいは緑色に保持する方法において、 草木灰を溶液に浸漬して草木灰に含まれる金属イオンを
    溶液に溶出させて、金属イオンを含む溶液とすると共
    に、草木灰に加えて、溶解されると溶液にカルシウムイ
    オンを添加するカルシウム化合物を溶液に添加し、草木
    灰とカルシウム化合物が入れられた加熱された溶液で、
    食用植物の緑色を復元しあるいは緑色に保持する方法。
  2. 【請求項2】 退色した食用植物を金属イオンを含む溶
    液に接触させて、金属イオンの作用で食用植物の緑色を
    復元し、あるいは緑色に保持する方法において、 草木灰を溶液に浸漬して草木灰に含まれる金属イオンを
    溶液に溶出させて、金属イオンを含む溶液とすると共
    に、草木灰に加えて、溶解されると溶液にカルシウムイ
    オンを添加するカルシウム化合物と溶液を酸性にするp
    H調整剤を添加し、草木灰とカルシウム化合物とpH調
    整剤が入れられた加熱された溶液で、食用植物の緑色を
    復元しあるいは緑色に保持する方法。
  3. 【請求項3】 草木灰とカルシウム化合物とが草木灰を
    ほとんど通過させない通水性のパックに充填されてお
    り、草木灰とカルシウム化合物の充填されたパックを液
    体に浸漬すると、草木灰に含まれる金属が溶解して金属
    イオンを含む溶液となり、金属イオンを含む加熱溶液に
    食用植物を接触させて食用植物の緑色を復元しあるいは
    緑色に保持する発色剤パック。
  4. 【請求項4】 草木灰とカルシウム化合物と、発色剤溶
    液を酸性化するpH調整剤が、草木灰をほとんど通過さ
    せない通水性のパックに充填されており、草木灰とカル
    シウム化合物とpH調整剤の充填されたパックを液体に
    浸漬すると、草木灰に含まれる金属が溶解して金属イオ
    ンを含む溶液となり、金属イオンを含む加熱溶液に食用
    植物を接触させて食用植物の緑色を復元しあるいは緑色
    に保持する発色剤パック。
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