JP2012120470A - 野菜及び果物の色固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】野菜類を新鮮な状態で最小の処理時間で色固定可能にする。
【解決手段】脱色ステップで、処理野菜αの葉緑素からマグネシウムを離脱させることで脱色し、色固定ステップで、マグネシウムが離脱した葉緑素に、金属イオンを結合させることで、葉緑素の色を復元して固定する。脱色ステップでは、1℃以上95℃以下の、酸性水1または食塩水11または酸性食塩水21に、処理野菜αを30秒以上24時間以下の期間浸漬する。
【選択図】図2

Description

本発明は、野菜や果物等の色を固定する方法に関する。
野菜/果物類を新鮮な状態で保存流通させる方法としては冷凍状態での保存流通が知られている。しかしながら、冷凍加工したうえで保存し流通させるのではコストが嵩むうえに、それでも長期にわたる保存流通は難しい。そこで、野菜/果物類を鮮度や色を保持した状態で常温で長期保存流通させる方法が要望されている。この用途に最も適した野菜/果物類の加工法として、水煮加工が知られている。しかしながら、常温での長期保存に適した野菜/果物類の水煮加工では、変色が生じるため、水煮加工の前処理として、野菜/果物類の色を一旦脱色したうえで、復色して色固定する色固定処理が必要となる。
従来から野菜/果物類からなる処理野菜の色固定処理として以下の方法が知られている。すなわち、まず、処理野菜の葉緑素(クロロフィル)を一旦壊して葉緑素からマグネシウム元素を離脱させて水素元素で置換することでフェオフィチンの状態にする。これにより処理野菜が脱色される。脱色処理は、処理野菜を塩蔵処理して長期間(2ヶ月程度)保存することで行われる。次に脱色処理した処理野菜を銅鍋等の容器を用いて水煮する。すると銅を含む金属イオンが容器から煮水に湧出して、煮水中の野菜の葉緑素(マグネシウムが離脱している)に結合する。これにより、処理野菜が元色に復色して色固定される。なお、塩蔵処理は野菜類の伝統的長期保存方法として周知の技術であって、上記従来の方法では周知技術である塩蔵処理が流用されている。
特開平8−298958号
しかしながら、塩蔵処理を用いた脱色処理には、
・脱色を行うために、処理に長時間(約2ヶ月間)を要する、
・長期にわたる塩蔵処理が必要であるため、素材本来の風味、特徴は全て無くなり、素材の色と形だけが残るものとなる、すなわち、処理野菜を新鮮な状態で脱色することができない、
・塩蔵処理に起因する独特の異臭(塩蔵臭)が処理野菜に附着する、
という課題があった。
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、野菜/果物類を新鮮な状態で最小の処理時間で色固定する方法を提供することを目的とする。
本発明は、
野菜又は果物からなる処理野菜の葉緑素からマグネシウムを離脱させることで前記処理野菜を脱色する脱色ステップと、
前記マグネシウムが離脱した前記葉緑素に、金属イオンを結合させることで、前記処理野菜の色を復元して色固定する色固定ステップと、
を含み、
前記脱色ステップでは、1℃以上95℃以下の、酸性水または食塩水または酸性の食塩水に、前記処理野菜を30秒以上24時間以下の期間浸漬する。
このような構成を有するため、本発明では、新鮮な状態の処理野菜を、100℃以上の高温処理ではなく95℃以下の低温処理で短時間に脱色処理することが可能となる。また本発明の従属クレームにも記載した通り、色固定ステップも低温処理で短時間に行うことが可能である。このように本発明によれば、新鮮な処理野菜の色固定処理の全てのステップを低温処理で短時間に行うことが可能となる。これにより、処理野菜を、鮮度を保持した状態で色固定処理することが可能となる。このような処理が可能となるため、処理野菜をその鮮度や色を保持した状態で水煮加工することが可能となる。水煮加工品は、常温での長期保存流通が可能である。そのため、上記本発明の方法と水煮加工処理とを組み合わせることで、処理野菜を新鮮な状態で常温で長期保存流通させることが可能となる。
本発明によれば、短時間で野菜/果物類の葉緑素からマグネシウムを離脱させる事が可能になり新鮮な状態から脱色・復色・色固定することが可能となる。また、長期塩蔵処理を必要としないので、従来の方法では成しえなかった、塩蔵臭のない素材本来の香り、食感を保持したまったく新しい食材の提供が可能になる。
さらには、常温保存流通できかつ保存流通コストも低い野菜/果物加工品(水煮加工品等)を作製することができる。これにより、加熱調理しても緑色を保った色鮮やかな惣菜の生産が可能となる。
本発明の第1の実施の形態の脱色ステップの前半を示す断面図である。 第1の実施の形態の脱色ステップの後半を示す断面図である。 第1の実施の形態の色固定ステップを示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の脱色ステップの前半を示す断面図である。 第2の実施の形態の脱色ステップの後半を示す断面図である。 第2の実施の形態の色固定ステップを示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態の脱色ステップの前半を示す断面図である。 第3の実施の形態の脱色ステップの後半を示す断面図である。 第3の実施の形態の色固定ステップを示す断面図である。
(第1の実施の形態)
<脱色ステップ>
まず、図1に示すように、酸性水1を用意したうえで、その酸性水1を脱色容器2に注水する。酸性水1は、例えば、水にクエン酸等の酸性添加剤を添加することで生成する。その際、酸性度(pH値)を、pH1.0以上pH7.0以下の範囲に調整する。酸性度は、酸性添加剤の添加量を変動させることで調整する。ここで、酸性度は処理野菜αに応じて任意に設定される。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により脱色処理しにくい処理野菜αを処理する場合は酸性度を上げ(pH値を下げる)、逆の場合は酸性度を下げる(pH値を上げる)。一般的な野菜類ではpH2.8とする。
酸性水1には、所定量のL-アスコルビン酸や塩化カルシウムを添加する。L-アスコルビン酸の所定量は例えば0.05重量%であり、塩化カルシウムの所定量は例えば0.1重量%である。ここで、L-アスコルビン酸は、処理野菜αに艶出し効果を、塩化カルシウムは処理野菜αに軟化防止効果をそれぞれ与えるために酸性水1に添加される。これらの効果が不要な場合には、L-アスコルビン酸や塩化カルシウムを酸性水1に添加する必要はない。なお、L-アスコルビン酸は、酸性添加剤としても作用するが、L-アスコルビン酸の添加により酸性水1の酸性度が上下する。そのため、L-アスコルビン酸を添加する場合には、L-アスコルビン酸の添加による酸性度の上昇下降も踏まえて、酸性度の調整が行われる。
次に、図2に示すように、脱色容器2内の酸性水1を所定の水温に保持したうえで、その状態の酸性水1に野菜又は果物からなる処理野菜αを浸漬する。処理野菜αを酸性水1に漬け込むことで、処理野菜αの葉緑素中のマグネシウムは短時間で効率よく離脱される。ここで所定水温は1℃以上95℃以下とし、浸漬時間は30秒以上24時間以下とする。水温や浸漬時間は処理野菜αの種類や状態に応じて任意に設定される。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により脱色処理しにくい処理野菜αを処理する場合は、水温を高めるおよび/または浸漬時間を延ばし、逆の場合は、水温を低めるおよび/または浸漬時間を短くする。一般的な処理野菜αでは水温70℃、処理時間40分とする。脱色処理後、処理野菜αを脱色容器2から引き上げる。
このような脱色ステップを経て、葉緑素からマグネシウムが離脱した処理野菜αは、従来における脱色処理である長期塩蔵処理したものと同様、金属イオンが結合しやすい状態になる。具体的には、処理野菜αでは、葉緑素がマグネシウムの離脱したフェオフィチンの状態となることで、野菜全体は黄色を帯びた茶色の状態になる。しかしながら長期塩蔵処理とは異なり、形状,食感等は、新鮮なままの状態が維持される。
(色固定ステップ)
銅を含む金属からなる色固定容器3を用意したうえで、図3に示すように、色固定容器3に水煮水4を貯水し、さらに色固定容器3内の水煮水4を所定温度に保持する。これにより、銅を含む金属イオンが色固定容器3から水煮水4に湧出する。その状態で、色固定容器3内の水煮水4で、脱色処理済の処理野菜αを浸漬し所定時間にわたって水煮する。水煮により水煮水4に含まれる金属イオンが処理野菜αの葉緑素(マグネシウムが離脱したフェオフィチンになっている)に結合する。銅等の金属イオンが処理野菜αの葉緑素に結合することで、処理野菜αの色が元色(緑黄色)に復元されたうえで、その色で色固定される。色固定容器3としては銅鍋が用いられる。
水煮水4の水温や水煮時間は処理野菜αの種類や状態に応じて任意に設定される。ここで水煮時の水温は20℃以上95℃以下とし、水煮時間は30秒以上24時間以下とする。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により色固定処理しにくい処理野菜αを処理する場合は水温を高めるおよび/または水煮時間を延ばし、逆の場合は水温を低めるおよび/または水煮時間を短くする。
なお、銅を含む金属イオンを効率よく水煮水4に湧出させるためには、処理野菜αを水煮水4で水煮する前に、水煮水4に5重量%の食塩と0.05重量%の塩化カルシウム(軟化防止剤)とを加え、さらにクエン酸を添加することで水煮水4をpH4.0にしたうえで、その水煮水4を十分に煮沸するのが好ましい。その場合、煮沸後の水煮水4を処理野菜αの色固定用の水煮処理温度まで冷ましたうえで、処理野菜αを水煮水4で水煮する。
また、金属イオンは沸騰した容器から水煮水4に湧出させて処理野菜αに供給する他に、水煮水4に、亜鉛や銅を含んだ酵母や乳酸菌を含有させることで処理野菜αに供給する方法もある。
また、酸性添加剤としては、上述したクエン酸の他に、L-アスコルビン酸、柑橘類の果汁、酢酸、フィチン酸等を挙げることができる。
本実施の形態では、脱色ステップの処理時間が、長期塩蔵処理(処理期間約2ヶ月)に比して大幅に短くなるので、本実施の形態の脱色/色固定ステップを経た処理野菜αは新鮮な状態を維持しているとともに、塩蔵臭等の異臭が処理野菜αに附着することもない。
緑色野菜である絹莢を本実施の形態で脱色/色固定処理するのに要する時間は、ほぼ1時間である。これに対して長期塩蔵処理/色固定処理からなる従来の処理で絹莢を処理した場合に要する時間は約2ヶ月である。このように、本実施の形態では、従来例に比して処理時間を大幅に短縮することが可能である。
(第2の実施の形態)
<脱色ステップ>
まず、図4に示すように、食塩水11を用意したうえで、その食塩水11を脱色容器12に注水する。食塩水11は、食塩濃度を、0.1重量%以上25.0重量%以下の範囲で調整する。食塩濃度は処理野菜αに応じて任意に設定される。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により脱色処理しにくい処理野菜αを処理する場合は食塩濃度を上げ、逆の場合は食塩濃度を下げる。一般的な処理野菜αでは食塩濃度15.0重量%とする。
食塩水11には、所定量のL-アスコルビン酸や塩化カルシウムを添加する。L-アスコルビン酸の所定量は例えば0.05重量%であり、塩化カルシウムの所定量は例えば0.1重量%である。ここで、L-アスコルビン酸は、野菜に艶出し効果を、塩化カルシウムは野菜に軟化防止効果をそれぞれ与えるために食塩水11に添加される。なお、これらの効果が不要な場合には、L-アスコルビン酸や塩化カルシウムを食塩水11に添加する必要はない。
次に、図5に示すように、脱色容器2内の食塩水11を所定の水温に保持したうえで、その状態の食塩水11に野菜又は果物からなる処理野菜αを浸漬する。処理野菜αを食塩水11に漬け込むことで、処理野菜αの葉緑素中のマグネシウムは短時間で効率よく離脱される。ここで所定水温は1℃以上95℃以下とし、浸漬時間は30秒以上24時間以下とする。水温や浸漬時間は処理野菜αの種類や状態に応じて任意に設定される。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により脱色処理しにくい処理野菜αを処理する場合は、水温を高めるおよび/または浸漬時間を延ばし、逆の場合は水温を低めるおよび/または浸漬時間を短くする。一般的な処理野菜αでは水温65〜75℃、処理時間60分とする。脱色処理後、処理野菜αを脱色容器12から引き上げる。
このような脱色ステップを経て葉緑素からマグネシウムが離脱した処理野菜αは、従来における脱色処理である長期塩蔵処理したものと同様、金属イオンが結合しやすい状態になる。具体的には、処理野菜αでは、葉緑素がマグネシウムの離脱したフェオフィチンの状態となることで、野菜全体は黄色を帯びた茶色の状態になる。しかしながら長期塩蔵処理とは異なり、形状,食感等は、新鮮なままの状態が維持される。
(色固定ステップ)
銅を含む金属からなる色固定容器3を用意したうえで、図6に示すように、色固定容器3に水煮水4を貯水し、さらに色固定容器3内の水煮水4を所定温度に保持する。これにより、銅を含む金属イオンが色固定容器3から水煮水4に湧出する。その状態で、色固定容器3内の水煮水4に、脱色処理済の処理野菜αを浸漬し所定時間にわたって水煮する。水煮により水煮水4に含まれる金属イオンが処理野菜αの葉緑素(マグネシウムが離脱したフェオフィチンになっている)に結合する。銅等の金属イオンが処理野菜αの葉緑素に結合することで、処理野菜αの色が元色(緑黄色)に復元されたうえで、その色で色固定される。色固定容器3としては例えば銅鍋が用いられる。
水煮水4の水温や水煮時間は処理野菜αの種類や状態に応じて任意に設定される。ここで水煮時の水温は20℃以上95℃以下とし、水煮時間は30秒以上24時間以下とする。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により色固定処理しにくい処理野菜αを処理する場合は水温を高めるおよび/または水煮時間を延ばし、逆の場合は水温を低めるおよび/または水煮時間を短くする。
なお、銅を含む金属イオンを効率よく水煮水4に湧出させるためには、処理野菜αを水煮水4で水煮する前に、水煮水4に5重量%の食塩と0.05重量%の塩化カルシウム(軟化防止剤)とを加えさらにクエン酸を添加することで水煮水4をpH4.0にしたうえで、その水煮水4を十分に煮沸するのが好ましい。その場合、煮沸後の水煮水4を処理野菜αの色固定用の水煮処理温度まで十分に冷ましたうえで、処理野菜αを水煮水4で水煮する。
また、金属イオンは沸騰した容器から水煮水4に湧出させて処理野菜αに供給する他に、水煮水4に、亜鉛や銅を含んだ酵母や乳酸菌を含有させることで処理野菜αに供給する方法もある。
本実施の形態では、脱色ステップの処理時間が、長期塩蔵処理(処理期間約2ヶ月)に比して大幅に短くなるので、本実施の形態の脱色/色固定ステップを経た処理野菜αは新鮮な状態を維持しているとともに、塩蔵臭等の異臭が処理野菜αに附着することもない。
緑色野菜である絹莢を本実施の形態で脱色/色固定処理するのに要する時間は、ほぼ2時間である。これに対して長期塩蔵処理/色固定処理からなる従来の処理で絹莢を処理した場合に要する時間は約2ヶ月である。このように、本実施の形態では、従来例に比して処理時間を大幅に短縮することが可能である。
(第3の実施の形態)
<脱色ステップ>
まず、図7に示すように、酸性食塩水21を用意したうえで、その酸性食塩水21を脱色容器22に注水する。酸性食塩水21は、食塩濃度を、0.1重量%以上25.0重量%以下の範囲で調整した食塩水に、クエン酸等の酸性添加剤を添加することで生成する。その際、酸性度(pH値)を、pH1.0以上pH7.0以下の範囲に調整する。酸性度は、酸性添加剤の添加量を変動させることで調整する。ここで、食塩濃度と酸性度とは処理野菜αに応じて任意に設定される。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により脱色処理しにくい処理野菜αを処理する場合は食塩濃度および/または酸性度を上げ(pH値を下げる)、逆の場合は食塩濃度および/または酸性度を下げる(pH値を上げる)。一般的な処理野菜αでは、食塩濃度15、0重量%、pH2.8とする。
酸性食塩水21には、所定量のL-アスコルビン酸や塩化カルシウムを添加する。L-アスコルビン酸の所定量は例えば0.05重量%であり、塩化カルシウムの所定量は例えば0.1重量%である。ここで、L-アスコルビン酸は、野菜に艶出し効果を、塩化カルシウムは野菜に軟化防止効果をそれぞれ与えるために酸性食塩水21に添加される。これらの効果が不要な場合には、L-アスコルビン酸や塩化カルシウムを酸性食塩水21に添加する必要はない。なお、L-アスコルビン酸は、酸性度を調整する添加剤としても作用するが、L-アスコルビン酸の添加により酸性度が上下する。そのため、L-アスコルビン酸を添加する場合には、L-アスコルビン酸の添加による酸性度の上昇下降も踏まえて、酸性度の調整が行われる。
次に、図8に示すように、脱色容器22内の酸性食塩水21を所定の水温に保持したうえで、その状態の酸性食塩水21に野菜又は果物からなる処理野菜αを浸漬する。処理野菜αを酸性食塩水21に漬け込むことで、処理野菜αの葉緑素中のマグネシウムは短時間で効率よく離脱される。ここで所定水温は1℃以上95℃以下とし、浸漬時間は30秒以上24時間以下とする。水温や浸漬時間は処理野菜αの種類や状態に応じて任意に設定される。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により脱色処理しにくい処理野菜αを処理する場合は水温を高めるおよび/または浸漬時間を延ばし、逆の場合は水温を低めるおよび/または浸漬時間を短くする。一般的な処理野菜αでは水温70℃、処理時間40分とする。脱色処理後、処理野菜αを脱色容器2から引き上げる。
このような脱色ステップを経て葉緑素からマグネシウムが離脱した処理野菜αは、従来における脱色処理である長期塩蔵処理したものと同様、金属イオンが結合しやすい状態になる。具体的には、処理野菜αでは、葉緑素がマグネシウムの離脱したフェオフィチンの状態となることで、野菜全体は黄色を帯びた茶色の状態になる。しかしながら長期塩蔵処理とは異なり、形状,食感等は、新鮮なままの状態が維持される。
(色固定ステップ)
銅を含む金属からなる色固定容器3を用意したうえで、図9に示すように、色固定容器3に水煮水4を貯水し、さらに色固定容器3内の水煮水4を所定温度に保持する。これにより、銅を含む金属イオンが色固定容器3から水煮水4に湧出する。その状態で、色固定容器3内の水煮水4に、脱色処理済の処理野菜αを浸漬し所定時間にわたって水煮する。水煮により水煮水4に含まれる金属イオンが処理野菜αの葉緑素(マグネシウムが離脱したフェオフィチンになっている)に結合する。銅等の金属イオンが処理野菜αの葉緑素に結合することで、処理野菜αの色が元色(緑黄色)に復元されたうえで、その色で色固定される。色固定容器3は銅鍋等が用いられる。
水煮水4の水温や浸漬時間は処理野菜αの種類や状態に応じて任意に設定される。ここで水煮時の水温は20℃以上95℃以下とし、水煮時間は30秒以上24時間以下とする。具体的には、・強固な繊維を有する、・肉厚が厚い等の理由により色固定処理しにくい処理野菜αを処理する場合は水温を高めるおよび/または水煮時間を延ばし、逆の場合は水温を低めるおよび/または水煮時間を短くする。
なお、銅を含む金属イオンを効率よく水煮水4に湧出させるためには、処理野菜αを水煮水4で水煮する前に、水煮水4に5重量%の食塩と0.05重量%の塩化カルシウム(軟化防止剤)とを加えさらにクエン酸を添加することで水煮水4をpH4.0にしたうえで、その水煮水4を十分に煮沸するのが好ましい。その場合、煮沸後の水煮水4を処理野菜αの色固定用の水煮処理温度まで十分に冷ましたうえで、処理野菜αを水煮水4で水煮する。
また、金属イオンは沸騰した容器から水煮水4に湧出させて処理野菜αに供給する他に、水煮水4に、亜鉛や銅を含んだ酵母や乳酸菌を含有させることで処理野菜αに供給する方法もある。
また、酸性食塩水21を酸性にするために添加する添加剤としては、上述したクエン酸の他に、L-アスコルビン酸、柑橘類の果汁、酢酸、フィチン酸等を挙げることができる。
本実施の形態では、脱色ステップの処理時間が、長期塩蔵処理(処理期間約2ヶ月)に比して大幅に短くなるので、本実施の形態の脱色/色固定ステップを経た処理野菜αは新鮮な状態を維持しているとともに、塩蔵臭等の異臭が処理野菜αに附着することもない。
緑色野菜である絹莢を本実施の形態で脱色/色固定処理するのに要する時間は、ほぼ40分である。これに対して長期塩蔵処理/色固定処理からなる従来の処理で絹莢を処理した場合に要する時間は約2ヶ月である。このように、本実施の形態では、従来例に比して処理時間を大幅に短縮することが可能である。さらには、本実施の形態では、脱色に大きく作用する特性である酸性度と食塩濃度との両方を調整してなる酸性食塩水21を用いて、脱色ステップを行うため、脱色処理に要する処理時間を、最も短くすることができる。
上述した各実施の形態では、色固定ステップを、銅を含む金属イオンが湧出した水煮水4で脱色処理済の処理野菜αを水煮することで実施した。しかしながら、本発明の色固定ステップはこのような処理に限定されるものではなく、従来から脱色処理済の処理野菜αの色固定処理で実施可能な全ての色固定処理を、本発明における色固定ステップとして実施することが可能であるのはいうまでもない。
上述した各実施の形態において、処理野菜αとして扱うことが可能な野菜/果物類は生鮮な状態なものだけでなく、冷凍加工品もしくはそれを解凍したもの、さらには各種加工処理を施したものも含まれるのはいうまでもない。
本発明は、野菜/果物類を新鮮な状態で長期保存流通させる技術として有用である。
1 酸性水
2 脱色容器
3 色固定容器
4 水煮水
11 食塩水
12 脱色容器
21 酸性食塩水
22 脱色容器
α 処理野菜

Claims (6)

  1. 野菜又は果物からなる処理野菜の葉緑素からマグネシウムを離脱させることで前記処理野菜を脱色する脱色ステップと、
    前記マグネシウムが離脱した前記葉緑素に、金属イオンを結合させることで、前記処理野菜の色を復元して固定する色固定ステップと、
    を含み、
    前記脱色ステップでは、1℃以上95℃以下の、酸性水または食塩水または酸性の食塩水に、前記処理野菜を30秒以上24時間以下の期間浸漬する、
    ことを特徴とする野菜及び果物の色固定方法。
  2. 前記脱色ステップでは、pH1.0以上pH7.0以下の酸性水に、前記処理野菜を浸漬する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の野菜及び果物の色固定方法。
  3. 前記酸性水は、L-アスコルビン酸、クエン酸、柑橘類の果汁、酢酸、およびフィチン酸の中から選択された少なくとも一つを水に添加することで作成する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の野菜及び果物の色固定方法。
  4. 前記脱色ステップでは、0.1〜25.0重量%の割合で食塩を含む食塩水に、前記処理野菜を浸漬する、
    請求項1に記載の野菜及び果物の色固定方法。
  5. 前記脱色ステップでは、0.1〜25.0重量%の割合で食塩を含みかつpH1.0以上pH7.0以下の食塩水に、前記処理野菜を浸漬する、
    請求項1に記載の野菜及び果物の色固定方法。
  6. 前記色固定ステップでは、銅イオンを含む20℃以上95℃以下の水煮水で、脱色処理済の前記処理野菜を、30秒以上24時間以下の期間水煮する、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の野菜及び果物の色固定方法。
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