JP5440242B2 - ナトリウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ナトリウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、携帯電話やノートパソコンなどの小型電源として既に実用化され、さらに、電気自動車、ハイブリッド自動車等の自動車用電源や分散型電力貯蔵用電源等の大型電源として検討されていることから、その需要の拡大が期待される。しかしながら、リチウム二次電池においては、その正極を構成する正極活物質に、リチウム等の稀少金属元素が多く含有されており、原料の供給が懸念されている。
これに対し、上記の供給懸念を解決することのできる二次電池として、ナトリウム二次電池の検討がなされている。ナトリウム二次電池は、資源量が豊富でしかも安価な材料により構成することができることが予想されており、実用化が期待されている。
そして、例えば特許文献1には、正極活物質以外の塩は含まれない正極合剤を有する正極と、負極活物質以外の塩は含まれない負極合剤を有する負極とを備えたナトリウム二次電池が開示されている。
特開平3−291863号公報(実施例1)
しかしながら、従来のナトリウム二次電池においては、充放電の際のエネルギーロス、充電容量に対する放電容量の比が未だ改善の余地がある。本発明の目的は、従来に比し、充電容量に対する放電容量の比が優れるナトリウム二次電池を提供することにある。
本発明者らは、種々検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、正極合剤を有する正極と、負極合剤を有する負極とを備え、前記正極合剤および前記負極合剤の少なくとも何れか一方に、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩を含有していることを特徴とするナトリウム二次電池を提供する。
本発明によれば、従来のナトリウム二次電池に比して、充電容量に対する放電容量の比に優れるナトリウム二次電池を与えることができる。しかも、本発明のナトリウム二次電池は、資源量が豊富で安価な材料により構成することができ、本発明は、極めて実用性に富む。
[ナトリウム二次電池]
本発明のナトリウム二次電池は、正極合剤を有する正極と、負極合剤を有する負極とを備え、前記正極合剤および前記負極合剤の少なくとも何れか一方にカチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩を含有している。本発明は、この構成により、ナトリウム二次電池の充電容量に対する放電容量の比を向上させることができる。
〔正極〕
本発明において、正極としては、正極合剤が、正極集電体に担持されているものを挙げることが出来、正極合剤としては、正極活物質、導電剤および結着剤等を含むものを挙げることが出来る。
具体的な製造方法としては、正極活物質、導電剤および結着剤等からなる正極合剤に溶剤を添加してなる混合物を、正極集電体に、ドクターブレード法などで塗工し乾燥する方法;
正極集電体を混合物に浸漬し乾燥する方法;
正極活物質、導電剤および結着剤等に溶剤を添加して混練、シート状に成形し、乾燥して得たシート状の正極合剤を導電剤および結着剤等が塗工された正極集電体の表面に、該塗工された導電剤および結着剤を介して接合した後にプレスおよび熱処理乾燥する方法;
正極活物質、導電剤、結着剤および溶剤等からなる混合物をシート状の正極集電体上に成形した後、溶剤を除去し、シート状の成形物を得、得られたシート状の成形物を一軸または多軸方向に延伸処理する方法が挙げられる。
正極がシート状である場合、その厚みは、通常、5〜500μm程度である。
〈正極活物質〉
正極活物質としては、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる材料を用いることができる。得られるナトリウム二次電池のサイクル性が高くなるので、該材料としては、ナトリウム無機化合物を用いることが好ましい。ナトリウム無機化合物としては、次の化合物を挙げることができる。
すなわち、NaFeO2、NaMnO2、NaNiO2およびNaCoO2等のNaM1 a2で表される酸化物;
Na0.44Mn1-a1 a2で表される酸化物;
Na0.7Mn1-a1 a2.05で表される酸化物(M1は1種以上の遷移金属元素、0≦a<1);
Na6Fe2Si1230およびNa2Fe5Si1230等のNab2 cSi1230で表される酸化物(M2は1種以上の遷移金属元素、2≦b≦6、2≦c≦5);
Na2Fe2Si618およびNa2MnFeSi618等のNad3 eSi618で表される酸化物(M3は1種以上の遷移金属元素、3≦d≦6、1≦e≦2);
Na2FeSiO6等のNaf4 gSi26で表される酸化物(M4は遷移金属元素から選ばれる1種以上の元素、1≦f≦2、1≦g≦2);
NaFePO4、Na3Fe2(PO43等のリン酸塩;
NaFeBO4、Na3Fe2(BO43等のホウ酸塩;
Na3FeF6およびNa2MnF6等のNah56で表されるフッ化物(M5は1種以上の遷移金属元素、2≦h≦3);
NaFeSO等のNaMSOで表されるスルホン酸塩(M6は遷移金属元素、および、Mgからなる群より選ばれる1種以上の元素)が挙げられる。
本発明において、上記のナトリウム無機化合物の中では、Feを含有する化合物を好ましく用いることができる。また、Feを含有する化合物を使用することは、資源量が豊富なFeを材料とする点で好ましい。
また、負極活物質が主として後述のナトリウム金属またはナトリウム合金からなる場合には、正極活物質として、この負極活物質よりも高い電位でナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる硫化物等のカルコゲン化合物を用いることもできる。硫化物としてはTiS2、ZrS2、VS2、V25、TaS2、FeS2、NiS2およびM62で表される化合物(M6は1種以上の遷移金属元素)が挙げられる。
〈導電剤〉
前記の正極に用いられる導電剤としては、黒鉛粉末、カーボンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素材料などの炭素材料を挙げることができる。カーボンブラックやアセチレンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量を正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高めることによりレート特性を向上させることができるが、多く入れすぎると結着剤による正極合剤と正極集電体との結着性を低下させ、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。通常、正極合剤中の導電剤の割合は、正極活物質100重量部に対して5重量部以上20重量部以下である。導電剤として黒鉛化炭素繊維、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料を用いる場合には、この割合を下げることも可能である。
〈結着剤〉
前記の正極に用いられる結着剤としては、例えば、フッ素化合物の重合体が挙げられる。フッ素化合物としては、例えば、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−オクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート];
パーフルオロアルキル置換アルキル(メタ)アクリレート[例えばパーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、および、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート];
パーフルオロオキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、および、パーフルオロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート];
フッ素化アルキル(炭素数1〜18)クロトネート;
フッ素化アルキル(炭素数1〜18)マレート、および、フマレート;
フッ素化アルキル(炭素数1〜18)イタコネート、および、フッ素化アルキル置換オレフィン(炭素数2〜10程度、フッ素原子数1〜17程度)[例えばパーフロオロヘキシルエチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレン]が挙げられる。
結着剤のフッ素化合物の重合体以外の例示としては、フッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体の付加重合体が挙げられる。かかる単量体としては、例えば、(シクロ)アルキル(炭素数1〜22)(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、および、オクタデシル(メタ)アクリレート];
芳香環含有(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、および、フェニルエチル(メタ)アクリレート];
アルキレングリコールまたはジアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4)のモノ(メタ)アクリレート[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、および、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート];
(ポリ)グリセリン(重合度1〜4)モノ(メタ)アクリレート;
多官能(メタ)アクリレート[例えば、(ポリ)エチレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエチルフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、および、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート]などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド系誘導体[例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、および、ダイアセトンアクリルアミド]などの(メタ)アクリルアミド系単量体;
(メタ)アクリロニトリル、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、および、2−シアノエチルアクリルアミド等のシアノ基含有単量体;
スチレンおよび炭素数7〜18のスチレン誘導体[例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、および、ジビニルベンゼン]などのスチレン系単量体;
炭素数4〜12のアルカジエン[例えば、ブタジエン、イソプレン、および、クロロプレン]などのジエン系単量体;
カルボン酸(炭素数2〜12)ビニルエステル[例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、および、オクタン酸ビニル];
カルボン酸(炭素数2〜12)(メタ)アリルエステル[例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、および、オクタン酸(メタ)アリル]などのアルケニルエステル系単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体;
モノオレフィン(炭素数2〜12)[例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、および、1−ドデセン]のモノオレフィン類;
塩素、臭素またはヨウ素原子含有単量体;
塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのフッ素以外のハロゲン原子含有単量体;
アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸;
ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合含有単量体が挙げられる。
また、付加重合体として、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体またはエチレン・プロピレン共重合体などの共重合体でもよい。また、カルボン酸ビニルエステル重合体は、部分的または完全にケン化されていてもよい。結着剤はフッ素化合物とフッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体との共重合体であってもよい。
結着剤のその他の例示としては、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどの多糖類およびその誘導体;フェノール樹脂;メラミン樹脂;ポリウレタン樹脂;尿素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;石油ピッチ;石炭ピッチが挙げられる。
結着剤としては、特に、フッ素化合物の重合体が好ましく、とりわけ、テトラフルオロエチレンの重合体であるポリテトラフルオロエチレンが好ましい。また、結着剤としては上記の複数種の結着剤を使用してもよい。また、正極集電体への塗布の工程において、正極集電体への塗布を容易にするために、増粘剤または減粘剤を使用してもよい。
〈溶剤〉
前記の正極の製造に用いられる溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒;イソプロピルアルコール、エチルアルコールおよびメチルアルコールなどのアルコール類;プロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン類が挙げられる。
《構成材料の配合量》
また、正極合剤において、その構成材料の配合量としては、適宜設定すればよいが、結着剤の配合量としては、正極活物質100重量部に対し、通常、0.5〜30重量部程度、好ましくは2〜30重量部程度であり、導電剤の配合量としては、正極活物質100重量部に対し、通常、1〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度であり、溶剤の配合量としては、正極活物質100重量部に対し、通常、50〜500重量部程度、好ましくは100〜200重量部程度である。
〈正極集電体〉
前記の正極に用いられる正極集電体としては、例えば、
ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、金、銀、白金、アルミニウム合金、ステンレス等の金属;
炭素素材、活性炭繊維、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銅、スズ、鉛またはこれらの合金をプラズマ溶射、アーク溶射することによって形成されたもの;
ゴムまたはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)など樹脂に導電剤を分散させた導電性フィルムが挙げられる。
特に、アルミニウム、ニッケルまたはステンレスなどが好ましく、とりわけ、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でアルミニウムが好ましい。正極集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状、および、エンボス状であるもの、ならびに、これらを組み合わせたものが挙げられる。正極集電体表面にエッチング処理による凹凸を形成させてもよい。
〔負極〕
本発明において、負極としては、負極合剤が、負極集電体に担持されているものを挙げることが出来、負極合剤としては、負極活物質、導電剤および結着剤等を含むものを挙げることが出来る。負極活物質は、正極活物質よりも低い電位でナトリウムイオンをドープ・脱ドープする。負極としては、負極活物質、結着剤および必要に応じて導電剤等を含む負極合剤が、負極集電体に担持されているものを挙げることができる。
具体的な製造方法としては、負極活物質および結着剤等からなる負極合剤に溶剤を添加してなる混合物を、負極集電体に、ドクターブレード法などで塗工し乾燥する方法;
負極集電体を混合物に浸漬し乾燥する方法;
負極活物質および結着剤等に溶剤を添加して混練、シート状に成形し、乾燥して得たシート状の負極合剤を導電剤および結着剤等が塗工された負極集電体の表面に、該塗工された導電剤および結着剤を介して接合した後にプレスおよび熱処理乾燥する方法;
負極活物質、結着剤および溶剤等からなる混合物をシート状の負極集電体上に成形した後、溶剤を除去し、シート状の成形物を得、得られたシート状の成形物を一軸または多軸方向に延伸処理する方法が挙げられる。
また、ナトリウム金属またはナトリウム合金を負極として用いることもできる。
負極がシート状である場合、その厚みは、通常、5〜500μm程度である。また、負極合剤における結着剤、導電剤、および溶剤としては、正極合剤におけるそれらと同様のものを使用することができる。また、溶剤として、水を用いることも可能である。
〈負極活物質〉
負極活物質としては、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる負極材料を用いることができる。該材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、難黒鉛化炭素材料などの炭素材料で、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる材料を用いることができる。ナトリウム二次電池のレート特性が高くなる傾向があるので、難黒鉛化炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体などのいずれでもよい。導電剤および結着剤は正極で用いられるものと同様のものを用いることができる。負極においては、負極活物質として用いられる炭素材料は、導電剤としての役割を果たす場合もある。
また、正極における正極活物質が上述のナトリウム無機化合物である場合には、負極活物質として、この正極よりも低い電位でナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる硫化物等のカルコゲン化合物を用いることもできる。ここで硫化物としてはTiS2、ZrS2、VS2、V25、TaS2、FeS2、NiS2、およびM62(ただし、M6は1種以上の遷移金属元素である。)で示される化合物が挙げられる。
〈負極集電体〉
負極集電体としては、Cu、Ni、および、ステンレスを挙げることができ、正極集電体と同じものが使用できる場合もある。また、ナトリウムと合金を作り難い点、薄膜に加工しやすいという点で、Cuが好ましい。負極集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状、および、エンボス状であるもの、ならびに、これらを組み合わせたものが挙げられる。負極集電体表面にエッチング処理による凹凸を形成させてもよい。
〈カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩〉
カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩としては、LiNO、LiNO、Li、Li、LiSO、LiSO、LiCO、LiCO、NaNO、NaNO、Na、Na、NaSO、NaSO、NaCO、NaCO、KNO、KNO、K、K、KSO、KSO、KCO、KCO、Ca(NO、Ca(NO、CaS、CaS、CaSO、CaSO、CaCO、CaCO、LiS、LiSe、LiSiO、LiPO、LiBO、LiCN、LiOCN、NaS、NaSe、NaSiO、NaPO、NaBO、NaCN、NaOCN、KS、KSe、KSiO、KPO、KBO、KCN、KOCN、RbNO、RbNO、Rb、Rb、RbSO、RbSO、RbCO、RbCO、CsNO、CsNO、Cs、Cs、CsSO、CsSO、CsCO、CsCO、Mg(NO、Mg(NO、MgS、MgS、MgSO、MgSO、MgCO、MgCO、Ca(NO、Ca(NO、CaS、CaS、CaSO、CaSO、CaCO、CaCO、Sr(NO、Sr(NO、SrS、SrS、SrSO、SrSO、SrCO、SrCO、Ba(NO、Ba(NO、BaS、BaS、BaSO、BaSO、BaCO、BaCO、ならびに、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素のみを一種以上含む有機酸塩が挙げられる。
〈カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩の含有形態〉
本発明において、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩は、正極合剤および負極合剤の少なくとも何れか一方に含まれている。前記塩が、正極および負極から選ばれる電極の少なくとも一方の電極の表面の片面、または、両面に含まれていてもよい。電極の表面に位置する場合は、電解液の分解に伴うフクレを抑制できる効果があるため、好ましい。前記塩が、正極および負極から選ばれる電極の少なくとも一方の内部に位置する場合は、レート特性を向上できる効果があるため好ましい。
電極表面にカチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩を形成するためには、スパッタリング法、蒸着法、化学的気相成長(CVD)法などの手法を用いることもできるし、前記塩および結着剤を用いて電極前駆体表面に塗工することにより形成することもできる。簡易的な操作で形成することができるのは、前記塩および結着剤を用いて電極前駆体表面に塗工する方法である。また、前記塩および結着剤は、電極前駆体表面への塗工前に、溶剤に分散または溶解させて用いてもよい。溶剤を用いる場合には、電極前駆体表面に塗工した後、乾燥などにより溶剤を除去して、電極表面に前記塩を形成させる。
電極表面に前記塩だけではなく結着剤を含む場合には、結着剤により電極との結着性が向上し、前記塩の電極からの脱落が更に抑制されるため、好ましい前記塩としては、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の粉末が用いられる。具体的に例示すると、前記リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等からなる粉末が挙げられる。これら粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。結着剤、溶剤としては正極、負極で用いられるものと同様のものを用いることができる。結着剤として、好適に使用できるのは、フッ素化合物の重合体からなる結着剤である。
電極前駆体表面に、前記塩と結着剤を含むスラリーを塗工等行うことにより前記塩を形成する場合、前記スラリー中のカチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩および結着剤の合計重量中の前記塩の重量割合は、前記塩の種類を考慮して結着性が高くなるように適宜設定すればよいが、前記塩の孔が結着剤で完全に塞がれてしまわないよう留意する必要がある。好ましい前記塩および結着剤の合計重量中の前記塩の重量は、80〜99重量%の範囲である。
正極内部に、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩を含有させる場合、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤等からなる正極合剤に溶剤を添加してなる混合物に前記塩を添加し、正極集電体に、ドクターブレード法などで塗工し乾燥することで前記塩が内部に含有した正極を得る方法、または正極集電体を混合物に浸漬し乾燥することで前記塩が内部に含有した正極を得る方法がある。また、前記塩、正極活物質、導電剤および結着剤等に溶剤を添加して混練、シート状に成形し、乾燥して得たシート状の正極合剤と前記塩との混合物を導電剤および結着剤等が塗工された正極集電体の表面に、該塗工された導電剤および結着剤を介して接合した後にプレスおよび熱処理乾燥する方法、前記塩、正極活物質、導電剤、結着剤および溶剤等からなる混合物をシート状の正極集電体上に成形した後、溶剤を除去し、シート状の成形物を得、得られたシート状の成形物を一軸または多軸方向に延伸処理する方法が挙げられる。正極がシート状である場合、その厚みは、通常、5〜500μm程度である。前記塩と結着剤の合計重量中の前記塩の重量割合は、前記塩の種類を考慮して結着性が高くなるように適宜設定すればよいが、正極前駆体表面の孔が結着剤で完全に塞がれてしまわないよう留意する必要がある。好ましい前記塩および結着剤の合計重量中の前記塩の重量は、80〜99重量%の範囲である。負極の内部に含有させる場合にも、同様の手法を用いることが出来る。
カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩の形状については、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、および、繊維状が挙げられ、いずれの粒子を用いることもできるが、略球状粒子を用いることにより、より均一な孔を形成することができる。略球状粒子としては、粒子のアスペクト比(粒子の長径/粒子の短径)が1以上1.5以下の範囲の値である粒子が挙げられる。粒子のアスペクト比は、電子顕微鏡写真を用いることにより測定することができる。
カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩を用いることが好ましい。より好ましくは、ナトリウム塩である。また、ナトリウム塩は、その一部または全部が、略球状の粒子から構成されることが好ましい。
前記塩の形状が略球状である場合、平均粒子径は、形成のしやすさなどを考慮して適宜選択される。好ましい前記塩の平均粒子径は0.002〜100μmの範囲である。前記塩の平均粒子径を前記のように設定することで、電極を、より均一な厚みで、しかも効率的に作製することが可能となる。ここで、本発明において、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製mastersizer2000)を用いて得られる体積基準のD50の値を用いる。超音波発生装置(BRANSON社製SONIFIER450)を用いて超音波を2分間照射することによって、粉末を分散させた液を試料とした。ここで得られる平均粒子径は、一次粒子と一次粒子が凝集してなる二次粒子とから構成される粉末全体の平均粒子径を表す。
前記正極合剤中の前記塩の含有量が、0.5〜20重量%であることが好ましく、前記負極合剤中の前記塩の含有量が、0.5〜20重量%であることが好ましい。
〈電極の空隙率〉
電極の空隙率は、機械的強度、ナトリウムイオン伝導性などを考慮して適宜設定することができ、20〜80体積%の範囲であることが好ましい。なお、電極の空隙率は、以下の式(1)により求めることができる。
Pv(%)={(Va−Vt)/Va}×100 (1)
Pv(%):電極の空隙率(体積%)
Va:電極の見かけ体積
Vt:電極の理論体積
ここで、Vaは電極の縦、横、および厚みの値により算出することができ、Vtは電極の重量、構成材料の重量割合および構成材料それぞれの真比重の値により算出することができる。
〈電極の厚み〉
また、電極の厚みは、電極の割れ抑制を考慮すれば、1〜10μmの範囲であることが好ましい。
〔非水電解液〕
本発明において、非水電解液は、通常、有機溶媒に電解質を溶解させて用いる。
〈電解質〉
非水電解液における電解質としては、NaClO4、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF32、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、および、NaAlCl4が挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用されてもいてもよい。これらの中でもフッ素を含むNaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3およびNaN(SO2CF32からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
〈有機溶媒〉
非水電解液における有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;
1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;
ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;
アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;
スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物;
または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができる。有機溶媒として、これらのうちの二種以上を混合して用いてもよい。
《非水電解液中の電解質の割合》
非水電解液に対して、電解質の含有量は、有機溶媒に対する電解質の溶解度を考慮して、適宜設定すればよい。通常、非水電解液に対して電解質の割合は0.1〜2モル/L程度であり、好ましくは、0.3〜1.5モル/L程度である。
〔セパレータ〕
本発明において、セパレータは、樹脂から構成される多孔質フィルムからなる。本発明においては、セパレータを有さなくとも、二次電池として、十分に機能することは可能であるが、セパレータを有することにより、二次電池は、正極−負極間の短絡等が原因で電池内に異常電流が流れた際に、電流を遮断して、過大電流が流れることを阻止(シャットダウン)する機能を有することができる。
多孔質フィルムを構成する樹脂は、前記有機溶媒に溶解しないものを選択すればよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、および、熱可塑性ポリウレタン樹脂を挙げることができ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。より低温で軟化することによりシャットダウンさせるために、多孔質フィルムは、ポリオレフィン樹脂を含有することが好ましく、より好ましくは、ポリエチレンを含有することである。ポリエチレンとして、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等のポリエチレンを挙げることができ、超高分子量ポリエチレンを挙げることもできる。多孔質フィルムの突刺し強度がより高くなる傾向があるため、それを構成する樹脂は、少なくとも超高分子量ポリエチレンを含有することが好ましい。また、多孔質フィルムは、低分子量(重量平均分子量1万以下)のポリオレフィンからなるワックスを含有しても良い。また、多孔質フィルムの厚みは、通常、3〜30μmであり、さらに好ましくは3〜20μmである。
また、セパレータとして多孔質フィルムの片面または両面に耐熱樹脂からなる耐熱多孔層が積層された積層フィルムを用いてもよい。積層フィルムの厚みとしては、通常40μm以下、好ましくは、20μm以下である。また、耐熱多孔層の合計厚みをA(μm)、多孔質フィルムの厚みをB(μm)としたときには、A/Bの値が、0以上1以下であることが好ましい。耐熱樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、芳香族ポリエステル、ポリエーテルサルホン、および、ポリエーテルイミドを挙げることができ、耐熱性がより高くなる傾向があるので、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、または、ポリエーテルイミドが好ましく、より好ましくは、ポリアミド、ポリイミド、または、ポリアミドイミドである。さらにより好ましくは、芳香族ポリアミド(パラ配向芳香族ポリアミド、メタ配向芳香族ポリアミド)、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の含窒素芳香族重合体である。また、耐熱樹脂として、ポリ−4−メチルペンテン−1、および、環状オレフィン系重合体を挙げることもできる。耐熱多孔層は、フィラーを含有することもできる。フィラーは、その材質として、有機粉末、無機粉末またはこれらの混合物のいずれから選ばれるものであってもよい。フィラーを構成する粒子は、その平均粒子径が、0.01〜1μmであることが好ましい。
本発明のナトリウム二次電池は、正極と負極とを積層、または積層・巻回することによって電極群を得て、この電極群を電池缶などの電池ケース内に収納し、非水電解液を電極群に含浸させることによって、製造することができる。また、本発明のナトリウム二次電池がセパレータを有する場合には、セパレータは、正極−負極間に配置される。
電極群の形状としては例えば、この電極群を巻回の軸と垂直方向に切断したときの断面が、円、楕円、長方形、角がとれたような長方形等となるような形状を挙げることができる。また、二次電池の形状としては、例えば、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
比較例1
(1)正極の作製
金属含有化合物として、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、酸化鉄(II、III)(Fe34:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)、および、酸化ニッケル(II)(NiO:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)を用いて、Na:Mn:Fe:Niのモル比が0.800:0.333:0.333:0.333となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して金属含有化合物の混合物を得る。得られる金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、正極活物質Aを得る。また、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、結着剤としてPVdF(株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoride)を用いて、正極活物質A、導電剤、および結着剤を、正極活物質A:導電剤:結着剤=85:10:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量し、正極合剤を得る。その後、まず正極活物質Aと導電剤をメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物に、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え、さらにPVdFを加えて引き続き均一になるように混合して、スラリーが得られる。得られるスラリーを、正極集電体である厚さ40μmのアルミニウム箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、溶剤であるNMPを除去させながら、十分に乾燥することによって正極シートを得る。この正極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極B1を得る。
(2)電池の作製
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミニウム箔を下に向けて正極B1を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、負極合剤の機能を兼ね備える負極として金属ナトリウム(アルドリッチ社製)、およびコインセル上側パーツを組み合わせて、ナトリウム二次電池C1を作製する。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
ナトリウム二次電池については、以下の条件で定電流充放電試験を実施する。
充放電条件:
充電は、4.0Vまで0.1Cレート(10時間で完全充電する速度)でCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行う。放電は、該充電速度と同じ速度で、CC放電を行い、電圧1.5Vでカットオフする。次サイクル以降の充電、放電は、該充電速度と同じ速度で行い、1サイクル目と同様に、充電電圧4.0V、放電電圧1.5Vでカットオフする。充放電試験は、計10サイクル行う。
ナトリウム二次電池C1について、上記充放電条件にて定電流充放電試験を行って、各サイクルの平均充電容量に対する放電容量の比を測定する。
比較例2
(1)正極の作製
比較例1と同様にして、正極B1を作製する。次いで、カチオンとして遷移金属元素からなる群より選ばれる元素を含む塩として塩化銀(和光純薬工業株式会社製:純度99.5%)とPVdFとを、重量比で99:1になるように秤量して、混合し、NMPを用いてスラリーを作製し、このスラリーを正極B1の表面に塗布し、60℃で2時間乾燥して、正極B1の正極合剤の塗工面に塩化銀を形成し、これを正極B2とする。
(2)電池の作製
上記にて得られる正極B2を用いて、コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミニウム箔を下に向けて正極B2を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、負極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)、およびコインセルの上側パーツを組み合わせて、ナトリウム二次電池C2を作製する。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
ナトリウム二次電池C2について、比較例1と同様の充放電条件にて定電流充放電試験を行ったところ、ナトリウム二次電池C2は、各サイクルの平均の充電容量に対する放電容量の比が比較例1よりも劣ることを確認する。
実施例1
(1)正極の作製
比較例1と同様にして、正極B1を作製する。次いで、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩として炭酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)とPVdFとを、重量比で99:1になるように秤量して、混合し、NMPを用いてスラリーを作製し、このスラリーを正極B1の表面に塗布し、60℃で2時間乾燥して、正極B1の正極合剤の塗工面に炭酸ナトリウムを形成し、これを正極B3とする。
(2)電池の作製
上記にて得られる正極B3を用いて、コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミニウム箔を下に向けて正極B3を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、負極合剤の機能を兼ね備える負極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)、およびコインセルの上側パーツを組み合わせて、ナトリウム二次電池C3を作製する。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
ナトリウム二次電池C3について、比較例1と同様の充放電条件にて定電流充放電試験を行ったところ、ナトリウム二次電池E1は、各サイクルの平均の充電容量に対する放電容量の比が比較例1よりも優れている。
実施例2
(1)正極の作製
比較例1と同様にして、正極B1を作製する。次いで、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩としてフッ化ナトリウム(昭和化学株式会社製:純度99.0%)とPVdFとを、重量比で99:1になるように秤量して、混合し、NMPを用いてスラリーを作製し、このスラリーを正極B1の表面に塗布し、60℃で2時間乾燥して、正極B1の正極合剤の塗工面にフッ化ナトリウムを形成し、これを正極B4とする。
(2)負極の作製
四つ口フラスコに、窒素気流下でレゾルシノール200g、メチルアルコール1.5L、ベンズアルデヒド194gを入れ氷冷し、攪拌しながら36%塩酸36.8gを滴下する。滴下終了後65℃に昇温し、その後同温度で5時間保温する。得られた重合反応混合物に水1Lを加え、沈殿を濾取し、濾液が中性になるまで水で洗浄し、乾燥して、有機高分子化合物であるテトラフェニルカリックス[4]レゾルシナレーン(PCRA)294gを得る。PCRAを、ロータリーキルン内に入れ、雰囲気を空気雰囲気として、300℃で1時間加熱し、次いでロータリーキルンの雰囲気をアルゴンに置換して、1000℃で4時間加熱する。次いで、ボールミル(メノウ製ボール、28rpm、5分間)で粉砕することによって有機高分子化合物焼成体である負極活物質として炭素材料D1を得る。この炭素材料D1と結着剤としてのPVdFとを、炭素材料D1:結着剤=95:5(重量比)の組成となるように秤量し負極合剤を得、結着剤を溶剤であるNMPに溶解した後、炭素材料D1を加えてスラリー化したものを負極集電体である厚さ10μmの銅箔上にアプリケータを用いて、100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって負極シートを得た。この負極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、負極E1を得る。
(3)電池の作製
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミニウム箔を下に向けて正極B4を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、銅箔を上に向けた負極E1、およびコインセルの上側パーツを組み合わせて、ナトリウム二次電池C4を作製する。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
ナトリウム二次電池C4について、比較例1と同様の充放電条件にて定電流充放電試験を行ったところ、ナトリウム二次電池C4は、各サイクルの平均の充電容量に対する放電容量の比が比較例1よりも優れている。
実施例3
(1)正極の作製
比較例1と同様にして、正極B1を作製する。
(2)負極の作製
実施例2と同様にして、負極E1を作製する。次いで、カチオンとしてアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる元素のみを一種以上含む塩としてヘキサフルオロけい酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製:純度99%)とPVdFとを、重量比で99:1になるように秤量、混合し、NMPを用いてスラリーを作製し、このスラリーを負極E1の負極合剤の塗工面に塗布し、60℃で2時間乾燥して、これを負極E2とする。
(3)電池の作製
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミニウム箔を下に向けて正極B1を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、銅箔を上に向けた負極E2、およびコインセルの上側パーツを組み合わせて、ナトリウム二次電池C5を作製する。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
ナトリウム二次電池について、比較例1と同様の充放電条件にて定電流充放電試験を行ったところ、ナトリウム二次電池C5は、各サイクルの平均の充電容量に対する放電容量の比が比較例1よりも優れている。

Claims (5)

  1. 正極合剤を有する正極と、負極合剤を有する負極とを備え、前記正極合剤および前記負極合剤の少なくとも何れか一方に、Na元素のみをカチオンとして含む塩を含有していることを特徴とするナトリウム二次電池。
  2. 前記塩の平均粒子径が0.002〜100μmである請求項1に記載のナトリウム二次電池。
  3. 前記正極合剤中の前記塩の含有量が、0.5〜20重量%である請求項1または2に記載のナトリウム二次電池。
  4. 前記負極合剤中の前記塩の含有量が、0.5〜20重量%である請求項1〜のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
  5. セパレータを有する請求項1〜のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
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