本発明にかかる実施例のパチンコ遊技機1を添付図面に従って説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備に固定される木製の外枠2と、該外枠2の前面開口部分を覆うように取り付けられた遊技機本体3とから構成されている。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤8(図2参照)が取り付けられた本体枠(図示省略)と、該本体枠の前面側に開閉可能に配設された前枠扉6とを備え、本体枠と前枠扉6とが、外枠2にヒンジ部材4を介して枢着されている。前枠扉6には、遊技盤8の遊技領域12(図2参照)を臨む前面ガラス14が配設されている。尚、遊技機本体3が、パチンコ遊技機1の機台である。
前枠扉6の前面下部には、図示しない発射装置に供給する遊技球を貯留する発射球貯留皿10が設けられている。発射球貯留皿10は、その左側内部に、賞球や貸球を流出する球払出口(図示せず)が開口し、右側内部に、遊技球を整列する整列部(図示せず)が形成され、該整列部の右端に遊技球を発射装置へ供給するための球流入口(図示せず)が開口している。
上記した遊技機本体3の前面下部には、樹脂材からなる下部パネル18が設けられており、この下部パネル18の前面下部中央に余剰の遊技球を貯留する余剰球貯留皿11が配設されている。余剰球貯留皿11の内部には、球放出口(図示せず)が開口しており、該球放出口から余剰球貯留皿11内に遊技球が放出される。さらに、余剰球貯留皿11の右方には発射ハンドル26が突設されている。
また、上記した遊技盤8の前面には、図2のように、ガイドレール13が取り付けられており、該ガイドレール13によって略円形の遊技領域12と、上記発射装置(図示省略)により発射された遊技球を遊技領域12に案内する案内通路20とが区画される。この案内通路20の下部には、発射装置から発射された遊技球が遊技領域12へ流下せずに戻ってきた場合に、当該遊技球を余剰球貯留皿11へ放出する放出路(図示せず)が設けられている。このように余剰球貯留皿11へ放出される遊技球は、所謂ファール球である。さらに、遊技盤8の遊技領域12の中央には、各種の遊技部材が組み付けられたセンターケース41が配設されている。このセンターケース41には、液晶表示器からなる図柄表示装置42が組み付けられており、該図柄表示装置42の表示画面43では、三つの特別図柄A,B,Cと二つの普通図柄(図示せず)とが変動表示されると共に、様々な演出画像が表示される。
ここで、特別図柄A,B,Cは、後述する可変入賞装置51の始動口54に遊技球が流入することにより変動開始し、その後停止した各特別図柄の組合せからなる停止図柄態様により当り又はハズレを確定する。また、普通図柄(図示せず)は、後述する普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)49を遊技球が通過することにより変動開始し、その後停止した普通図柄の組合せにより当り又はハズレを確定する。そして、普通図柄が当りの場合には、後述する可変入賞装置51の開閉翼片(図示せず)を開閉駆動する。
センターケース41の下部には、4個の発光ダイオードからなる特別図柄始動記憶数表示装置46が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示装置46は、上記した可変入賞装置51の始動口54に遊技球が連続して流入した場合に、特別図柄A,B,Cの変動を保留している特別図柄始動記憶数を、発光ダイオードの点灯数によって表示する。また、センターケース41の左下部には、4個の発光ダイオードからなる普通図柄始動記憶数表示装置47が配設されており、同様に、普通図柄(図示せず)の変動を保留している普通図柄始動記憶数を、発光ダイオードの点灯数によって表示する。尚、特別図柄始動記憶数と普通図柄始動記憶数は、それぞれ保留できる上限数を四個に設定している。
上記センターケース41の左右側方には、普通図柄始動ゲート49,49が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート49に設けられた普通図柄始動スイッチS2 (図3参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記表示画面43で普通図柄(図示せず)が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
また、センターケース41の下方には、遊技球を流入可能とする始動口54と、左右一対の開閉翼片(図示省略)とを備えた可変入賞装置51が配設されている。この始動口54の内部には、当該始動口54に流入した遊技球が流下する流通路(図示せず)が設けられており、この内部の流通路に遊技球を検知する特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が配設されている。そして、特別図柄始動スイッチS1による遊技球検知に従って、上述したように、図柄表示装置42の画面で特別図柄A,B,Cを変動開始する。左右一対の開閉翼片は、上下方向に起立して一個の遊技球が上方から入賞可能な間隔となる起立位置と、該起立位置から左右両側に逆ハ字形に拡開して遊技球の入賞を容易とする傾動位置とに変換駆動されるようになっている。そして、前記普通図柄(図示せず)が所定の当り図柄態様で確定した場合に、普通電動役物ソレノイド(図示せず)を駆動源として開閉翼片が所定時間(約 0.2秒間)傾動位置に拡開されて、始動口54に遊技球が入り易い状態となる。
さらに、可変入賞装置51の下方には、大入賞口61を有する大入賞口装置60が配設されている。この大入賞口装置60は横長矩形状の開閉扉62を具備し、内蔵された大入賞口ソレノイド(図示せず)により開閉扉62を駆動制御することによって大入賞口61が開放状態又は閉鎖状態に変換される。この大入賞口装置60は、上記した特別図柄A,B,Cが所定の当り停止図柄態様で確定表示された場合(大当りの場合)に、大入賞口61を開閉することにより、特別遊技作動を実行するものである。特別遊技作動では、開閉扉62が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉扉62の上面の案内作用を介して、大入賞口61内へ遊技球を案内する。そして、所定開放制限時間(例えば30秒)の満了、またはその所定開放制限時間中における所定個数(例えば9個)の遊技球の入賞により開閉扉62が起立して、大入賞口61が閉鎖される。このような開閉ラウンドを、所定制限回数(本実施例にあっては15回)行うことにより、大入賞口61に多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利益が供与される。この大入賞口装置60の内部には、大入賞口61から流入した遊技球が流下する流通路(図示せず)が設けられており、該流通路に遊技球を検知するカウントスイッチS3(図3参照)が設けられている。
その他、遊技領域12には、複数の一般入賞口58が配設されており、その内部に設けられた一般入賞スイッチS4(図3参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。さらに、遊技領域12の下端部には、アウト口59が配設されている。遊技領域12を転動流下する遊技球が、上記した始動口54、一般入賞口58、大入賞口61へ流入できない場合に、アウト口59へ流入する。尚、上記した普通図柄始動ゲート49,49は、遊技球が通過するため、該通過した後に、始動口54、一般入賞口58、大入賞口61、アウト口59のいずれかへ流入する。
次に、上述のパチンコ遊技機1の制御回路について、図3に示すブロック図に従って説明する。
制御回路には、主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、電源基板83、発射制御基板84が配設されている。主制御基板80は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。そして、この主制御基板80には、上述した遊技盤8に配設された始動口54、普通図柄始動ゲート49、大入賞口61、一般入賞口58へ流入した遊技球を検知するための各スイッチやセンサ(図示省略)等が盤面中継端子板90を介して接続されている。
主制御基板80には、各種スイッチやセンサなどからの入力信号に従って演算処理を実行して所定の制御指令信号を出力する中央制御装置CPU、演算処理に用いる制御プログラムを格納する記憶装置ROM、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板80の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラム、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動態様乱数テーブル等の各種乱数テーブルが格納されている。そして、後述するように始動口54に遊技球が流入して特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、変動態様乱数値等の各種乱数値等が選出される(図4参照)。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 のON作動数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
さらに、主制御基板80の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、中央制御装置CPUに接続されている。そして中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、上記主制御基板80の基板回路には、中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板80からの制御指令信号が、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板80の入力ポートには、盤面中継端子板90を介して、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2 ,カウントスイッチS3 ,一般入賞スイッチS4 が接続されている。そして、主制御基板80は、所定時間毎(例えば2ms毎)に各スイッチS1 〜S4 の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板80の出力ポートには、盤面中継端子板90を介して大入賞口ソレノイド,普通電動役物ソレノイドが接続されており、中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
また、上記した払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84にあっても、主制御基板80と同様に、中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えた基板回路が設けられている。
上記した主制御基板80の中央制御装置CPU及び上記した各制御基板81〜84に設置されている各中央制御装置CPUは、所定データの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御基板80の中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板81〜84に夫々送信し、各制御基板81〜84の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
一方、上記した演出制御基板82は、上述した図柄表示装置42で演出する図柄制御や、各種スピーカから音響を発する制御や、各種ランプおよびLEDを発光する制御などを行うものである。そして、この演出制御基板82には、図柄表示装置42を構成する液晶表示器(図示省略)と、各種LEDをLED中継端子板を介して発光制御するランプ制御基板(図示省略)と、スピーカが接続された演出中継端子板(図示省略)とが夫々に接続されている。また、演出制御基板82にも、上述した主制御基板80と同様に、中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えている。このような演出制御基板82は、主制御基板80から受信した演出制御指令信号に従って、図柄表示装置42による演出画像の表示、各LEDの発光、スピーカの発音を制御実行する。
また、払出制御基板81は、賞球や貸球を払い出す払出装置73(図3参照)を駆動制御するものである。この払出制御基板81は、主制御基板80から受信した払出制御指令信号に従って上記した払出装置73を駆動して、所定の賞球を払い出す制御を実行する。
また、発射制御基板84は、上記した発射ハンドル26(図1参照)の操作に従って、図示しない発射装置を駆動制御することにより、遊技球を発射制御するものである。尚、発射制御基板84も、上記した主制御基板80と接続されており、主制御基板80から所定の制御指令信号を入力すると、それに従って駆動制御するようにもなっている。
また、上述した電源基板83は、外部電源から供給された電力を、所定の電圧に変換して、上述した主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84に送電するものである。電源基板83には、外部電源からAC24Vの電流が送電される。そして、このAC24Vを、DC32V、DC12V、DC5Vに変換する回路が夫々配設されている。さらに、過剰の電流が流れないようする過負荷保護回路、リセット回路、バックアップ用コンデンサ(バックアップ電源)などが配設されている。
この電源基板83からDC32V、DC12V、DC6Vの各電力を夫々供給された主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84は、夫々が駆動制御するモータ、ソレノイド、スイッチ、センサ、LED、スピーカ、表示装置などに所定の電力を分配する。
次に、図3に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機1の作動に従って説明する。
上記した発射ハンドル26が遊技者によって操作されることにより、遊技球を遊技領域12に発射する。この遊技球が普通図柄始動ゲート49を通過し、普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、主制御基板80は普通図柄の始動処理を行う。これにより、主制御基板80は、上記した普通当り乱数テーブルと普通当り図柄乱数テーブルとから普通当り乱数値と普通当り図柄乱数値とを抽出し、図柄表示装置42で普通図柄(図示せず)を変動開始して、前記乱数値に従って停止する。ここで、普通図柄が当り図柄態様で確定停止した場合には、普通電動役物処理(図示せず)により、可変入賞装置51の開閉翼片(図示省略)を傾動位置に拡開する制御を行う。尚、遊技球が普通図柄始動ゲート49を連続して通過した場合には、それぞれについて乱数値を選出して記憶装置RAMに一旦格納することにより、普通図柄の始動記憶を発生して記憶し、その記憶数(普通始動記憶数)に従って普通図柄始動記憶数表示装置47の発光ダイオードを点灯する。
遊技領域12を転動流下した遊技球が可変入賞装置51の始動口54に流入すると、図4のように、特別図柄始動スイッチS1がON作動し、主制御基板80は、演出制御基板82を介して特別図柄始動記憶数表示装置46の発光ダイオードを一つ点灯する(始動記憶数表示処理)と共に、特別図柄に関する各乱数テーブルから夫々に乱数値を抽出して特別図柄始動記憶を発生する入賞検知処理を行う。ここで、主制御基板80の中央制御装置CPUは、上記した大当り特別乱数テーブル等の各乱数テーブルから抽選によって、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、変動態様乱数値等の乱数値を夫々に抽出し、これら各乱数値を一セットとして、記憶装置RAMに一旦格納する処理を行う。このように、始動口54に遊技球一個が流入する毎に、抽出した各乱数値を纏めた一セットのデータ集合体を生ずることにより、特別図柄の始動記憶(以下、特別図柄始動記憶という)が一個生成される。そして、前記のデータ集合体の各乱数値に従って特別図柄A,B,Cを変動開始することにより、特別図柄始動記憶が消化されることとなる(図5参照)。
尚、遊技球が連続的に始動口54に流入した場合には、特別図柄始動スイッチS1がON作動する毎に、各乱数値を選出して一セットのデータ集合体を順次発生し、その発生順に記憶装置RAMに記憶する。そして、このように記憶され且つ特別図柄A,B,Cの変動に未使用であるデータ集合体の個数に応じて、特別図柄始動記憶数表示装置46の発光ダイオードを順次点灯する(始動記憶数表示処理)。ここで、特別図柄A,B,Cの変動に未使用であるデータ集合体が記憶されていることによって、消化保留されている特別図柄始動記憶が記憶されていることを意味し、消化保留されている特別図柄始動記憶の個数(記憶数)が、特別図柄A,B,Cの変動開始を保留している個数である。そのため、特別図柄始動記憶数表示装置46の点灯数が、特別図柄始動記憶の記憶数(所謂、特別始動記憶数)を表す。一方、特別図柄始動記憶数表示装置46は、最大四個まで点灯するようになっており、これが、特別図柄始動記憶の記憶数の上限数として設定している。すなわち、特別図柄始動記憶の記憶数は、最大四個(以下、上限数)である。そして、特別図柄始動記憶の記憶数が四個の場合には、始動口54へ遊技球が流入しても、特別図柄始動記憶処理は実行されず、新たな特別図柄始動記憶(前記データ集合体)も発生しない。尚、特別図柄始動記憶の記憶数が四個となると、上限記憶フラグ=1とし、該記憶数が四個未満で上限記憶フラグ=0である。
消化保留している特別図柄始動記憶がある場合には、その発生順に特別図柄始動記憶を消化して特別図柄を変動停止制御する特別図柄処理(図5参照)を行う。すなわち、入賞検知処理(図4参照)により生成して記憶しているデータ集合体(特別図柄始動記憶)を読み込み、その大当り乱数値を判定すると共に、演出制御基板82に指令信号を発信して、該演出制御基板82により特別図柄始動記憶数表示装置46の発光ダイオードを1個消灯し、特別図柄A,B,Cの図柄変動を開始する。そして、変動フラグ=1とする。ここで、大当り乱数値を当り判定した場合には、特別図柄変動停止態様選択処理により、大当り図柄乱数値を有効として当り停止図柄態様(当り図柄の組合せ)を選定すると共に、その他の乱数値に従って当り図柄変動パターンを選定する。さらに、特別図柄変動停止態様選択処理では、変動態様乱数値等に従って、特別図柄A,B,Cの変動中に演出表示する演出画像パターンも選定する。そして、変動時間を計測するためのタイマをセットし、特別図柄変動停止態様選択処理で選定した当り図柄変動パターンおよび演出画像パターンをセットする。このように、記憶装置RAMに記憶している(未使用の)データ集合体を読み込んで、その各乱数値に従って変動パターンなどを選定する処理が、所謂、消化保留している(未消化の)特別図柄始動記憶を消化する処理である。これにより、図柄表示装置42で、特別図柄A,B,Cを当り停止図柄態様で確定停止するまでの一連の図柄生成行程が表示される。一方、大当り乱数値をハズレ判定した場合には、ハズレ図柄変動パターン、演出画像パターン、ハズレ停止図柄態様を選定し、図柄表示装置42で、特別図柄A,B,Cをハズレ停止図柄態様で確定停止するまでの一連の図柄生成行程が表示される。このように特別図柄A,B,Cを確定停止すると、前記した変動フラグ=0とする。
図柄生成工程により特別図柄A,B,Cが当り停止図柄態様で確定停止すると、特別遊技フラグ=1として、大入賞口61を開閉作動制御する大入賞口処理(図示せず)を実行する。この大入賞口処理では、上述したように、大入賞口61を開閉する開閉ラウンドを所定回数(15回)行い、上記した入賞検知処理(図4参照)によって大入賞口61に入賞した遊技球をカウントスイッチS3により検知して、所定数の賞球を払い出す処理を行う。この特別遊技作動は、比較的短い時間内で多くの賞球を獲得することができるため、遊技者に供与される利益も高く、遊技者の最も望む遊技状態の一つとなっている。この大入賞口処理による大入賞口61の開閉ラウンドは、前記のように所定回数(15回)実行することにより満了し、これに伴って前記特別遊技フラグ=0とする。
本実施例1にあって、上記の特別図柄A,B,Cとしては、それぞれ「0」〜「9」の各数字からなり、A=B=Cで確定停止した場合に当りとし、これ以外をハズレとする。すなわち、特別図柄A=B=Cが本発明にかかる当り停止図柄態様であり、これ以外がハズレ停止図柄態様である。
また、特別図柄始動記憶にあっては、上述したように、最大四個まで記憶されて、その発生順に上記消化処理が行われることから、この消化処理を保留している特別図柄始動記憶の個数が、記憶数であり、上限数が前記四個である。
また、上記した始動口54、大入賞口61、一般入賞口58へ遊技球が入賞すると、入賞検出処理(図4参照)により、予め設定された賞球数を払い出す払出処理を行う。この払出処理は、各スイッチS1,S3,S4の球検出に従って、夫々の賞球数を払い出すように、上記した払出制御基板81により制御処理される。
尚、上述した以外の制御処理(例えば、メイン処理など)については、従来の構成と同様に実行できるため、その詳細を適宜省略している。また、本実施例にあって、内部に特別図柄始動スイッチS1を備えた始動口54、普通図柄始動ゲート49、内部にカウントスイッチS3を備えた大入賞口61、内部に一般入賞スイッチS4を備えた一般入賞口58、アウト口59が、本発明の球流入路を夫々構成するものである。そして、始動口54が、本発明にかかる特定の球流入路を構成するものである。また、上記した特別図柄始動記憶が、本発明にかかる始動記憶である。また、主制御基板80および演出制御基板82により、本発明にかかる遊技制御手段が構成されている。
次に本発明の要部について、以下の実施例1,2に従って説明する。
実施例1の構成にあっては、上記した変動フラグ=1(図柄生成行程の実行中)であり且つ上限記憶フラグ=1(特別始動記憶数が四個)である場合に、始動口54への遊技球流入に従って参加演出画像Fが変化する参加演出態様を、図柄表示装置42で表示実行するようにしたものである(図5参照)。この参加演出態様は、上記した特別図柄処理の特別図柄生成行程態様処理で選定する参加演出画像パターンに従って表示実行される。
特別図柄処理(図5参照)では、上述したように、特別図柄始動記憶を消化し、その各乱数値に基づいて演出画像パターンを選定する特別図柄生成行程態様処理を行う。この特別図柄生成行程態様処理では、変動態様乱数値等に従って、非参加型の通常の演出画像パターンと上記した参加演出画像パターンとを選定する。
ここで、通常の演出画像パターンは、変動態様乱数値等に従って予め設定されている複数の演出画像データから選択されたデータにより決定される。通常の演出画像パターンは、特別図柄A,B,Cの変動開始から確定停止までの間(図柄生成行程)で、選定した演出画像データによる予め決められた一連の流れ(ストーリー等)に従って演出画像を表示するものである。そのため、通常の演出画像パターンを有効としている状態では、演出の流れ(ストーリーなど)が開始から満了まで決まった演出画像を表示する。一方、参加演出画像パターンは、通常の演出画像パターンと異なる演出へ移行して演出変化を生ずる参加演出画像F(図6参照)を表示するためのものであり、通常の演出画像パターンでは表示されない演出画像を実行するように設定される。この参加演出画像パターンは、変動態様乱数値等に従って複数の参加演出画像データから選択されたデータにより決定される。そして、参加演出画像パターンでは、参加演出画像Fの演出変化する順序等も定められている。この参加演出画像パターンが有効となると、始動口54への遊技球流入により特別図柄始動スイッチS1からON信号を入力する毎に、該参加演出画像パターンに従って参加演出画像Fを順次変化する。そのため、参加演出画像データによる参加演出画像Fが演出表示されると、その演出の流れ(ストーリー等)は必ずしも同じとならない。具体例としては、後述するように(図6参照)、参加演出画像Fの演出変化によってストーリーが進展するようになっている。尚、通常の演出画像パターンと参加演出画像パターンとは、前記のように異なる演出画像を表示することから、夫々に異なるデータが設定された複数の演出画像データと複数の参加演出画像データとから選定される。そして、通常の演出画像パターンによる演出画像から参加演出画像Fへ滑らかに変化するように、両者のパターンを互いに関連付けられて選定できるように設定されている。
特別図柄処理(図5参照)では、上述したように特別図柄始動記憶を消化することにより特別図柄生成行程態様処理を行い、特別図柄A,B,Cを変動開始することから、図柄生成行程の初期では上限記憶フラグ=0である。そのため、特別図柄A,B,Cの変動開始の際には特別図柄生成行程態様処理により選定した通常の演出画像パターンを有効として、図柄生成行程で当該演出画像パターンに従って演出画像Gを表示実行する(図6(A)参照)。その後、始動口54へ遊技球が流入することによって特別図柄始動記憶数が上限数(四個)となり、変動フラグ=1且つ上限記憶フラグ=1となると、参加演出画像パターンを有効として、参加演出画像処理により参加演出画像Fの表示実行に切り換える処理を行う(図6参照)。尚、上限記憶フラグ=0であれば、通常の演出画像パターンによる演出画像が継続して表示される。
上記した参加演出画像パターンを有効として表示実行している状態(参加フラグ=1)では、始動口54への遊技球流入により特別図柄始動スイッチS1からON信号を入力する毎に、参加演出画像処理により参加演出画像を演出変化する処理を行う。ここで、参加演出画像処理としては、上記のように、参加演出画像パターンを有効とした際に、通常の演出画像パターンによる演出画像から参加演出画像への移行するための処理と、参加演出画像パターンに従って特別図柄始動スイッチS1のON信号入力毎に参加演出画像を演出変化するための処理とを実行する。
参加演出画像パターンに従って表示する参加演出画像Fとしては、例えば図6のように、ロケットを発射する参加画像f1が表示されると共に、該ロケットへの燃料の充填状態を示す燃料ゲージからなる参加画像f2が表示される。本実施例1では、ロケット(参加画像f1)を発射するために燃料ゲージ(参加画像f2)へエネルギー充填するというストーリーの参加演出態様を表示実行する。すなわち、図6(A)のように通常の演出画像パターンに従って演出画像Gを表示している状態で、上限記憶フラグ=1となると、図6(B)のように参加画像f1,f2による参加演出画像Fを表示する。そして、図6(C)〜(E)のように、始動口54へ遊技球が流入する毎に、前記参加画像変化処理により、参加画像f2の燃料ゲージが段階的に上昇する演出変化と、参加画像f1によるロケットの発射が段階的に近づく演出変化とが、順次表示される。参加画像f2の燃料ゲージが満杯となると、参加画像f1でロケットの発射が表示される。このように参加画像f1,f2が、始動口54の特別図柄始動スイッチS1からON信号を入力する毎に、順次変化するように処理(参加画像変化処理)を行っている。この参加画像変化処理では、参加画像f1,f2の表示変化を五段階に設定しており、前記特別図柄始動スイッチS1のON信号を入力する毎に、参加画像f1,f2を一段階ずつ変化するように制御処理を行う。尚、参加画像f1,f2の演出内容は、互いに関連付けられて設定されており、参加画像f2での燃料ゲージが上昇するに伴って、参加画像f1によるロケット発射が近づくような演出変化をする。
尚、本実施例の場合には、上述したように参加画像変化処理により五段階の表示変化を実行可能とするようにしていることから、始動口54への遊技球の流入個数が五個より少ない場合には、その段階までの変化で図柄生成行程が満了することとなる。すなわち、特別図柄A,B,Cが確定停止して変動フラグ=0となると、参加演出画像Fによる表示実行も満了し、参加画像f1,f2の表示変化も満了する。一方、始動口54への遊技球の流入個数が五個より多くなっても、これ以上の表示変化を行わない。このように参加演出画像Fを演出変化する演出(参加演出態様)としては、始動口54への遊技球の流入個数が増加することによってのみ、そのストーリーが進展するように設定されている。
また、通常の演出画像パターンに従って表示実行する演出画像Gとしては、上記したロケットによる発射演出(参加画像f1)や燃料ゲージ(参加画像f2)と異なる演出を実行するように設定する(図6参照)。これにより、ロケットや燃料ゲージの参加演出画像Fは、変動フラグ=1且つ上限記憶フラグ=1の状態で遊技球を始動口54へ流入した場合に限って表示することから、当該参加演出画像Fによる遊技の希少性を遊技者にアピールできる。
このように本実施例の構成によれば、図柄生成行程の実行中(変動フラグ=1)であり且つ特別始動記憶数が上限数に達している(上限記憶フラグ=1)場合に、図柄表示装置42で参加演出画像Fを表示実行することにより、遊技者に遊技球発射を促すことができる。これは、上述したように、遊技球が始動口54へ流入する毎に演出変化する参加演出画像Fによって、遊技に参加するという遊技性を遊技者に提供できることに因る。すなわち、遊技球を発射する行為に基づいて、遊技者が遊技へ積極的に参加できるようになっている。したがって、特別始動記憶数が上限数に達している場合にあっても、遊技球の発射停止行為を抑制できることから、該発射停止行為による遊技場の不利益を低減することができる。
本実施例1にあって、上記した特別図柄処理(参加演出画像処理)を実行する主制御基板80と演出制御基板82とにより、本発明にかかる参加演出制御手段が構成されている。また、参加演出画像Fが表示変化する態様により、本発明にかかる参加演出態様を構成している。また、特別始動記憶が、本発明の始動記憶である。また、始動口54により、始動記憶を発生する特定の球流入路と、遊技球の流入により参加演出画像を演出変化するための所定の球流入路とが構成されている。
実施例2の構成にあっては、上記した変動フラグ=1(図柄生成行程の実行中)であり且つ上限記憶フラグ=1(特別始動記憶数が四個)である場合に、アウト口59へ遊技球が流入すると、その流入した遊技球数を累積し、累積した流入個数が所定個数となると、参加演出画像Fを変化する参加演出態様を、図柄表示装置42で表示実行するようにしたものである。本実施例2にあっては、参加演出画像Fを表示変化する条件が、アウト口59への流入個数が所定個数となることに設定した以外は、上述した実施例1と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を記し、説明を省略している。
アウト口59は、その内部に設けられた球流路にアウトスイッチS5(図3参照)を備えており、遊技球の流入毎に該アウトスイッチS5により検知する。このアウトスイッチS5によるON信号を入力して累積することにより、アウト口59へ流入した遊技球の流入個数を求める(図7参照)。本実施例2では、図7の特別図柄処理により、変動フラグ=1かつ上限記憶フラグ=1の場合に、アウトスイッチS5のON信号を有効として、該ON信号を累積してカウントすることによって、前記流入個数を求めている。尚、流入個数は、一回の図柄生成行程で累積して求める処理を行うように、図柄生成行程毎にリセットしている。
そして、上記特別図柄処理により、流入個数が所定個数(以下、変化個数)となると、図柄表示装置42で表示する参加演出画像Fを表示変化するように制御処理している。ここで、変化個数としては、50個、100個、150個・・・というように50個単位で順に増加する個数が予め設定している。すなわち、流入個数が50個に達すると、参加演出画像処理により、上記した参加演出画像Fを構成する参加画像f1,f2が第一段階の変化をし、次に、100個に達すると、該参加画像f1,f2が第二段階の変化をする。このように、第三段階、第四段階、第五段階と順に変化すると、上述したように、参加画像f1によりエネルギー充填が完了して、参加画像f2によりロケットの発射画像が表示されるようになっている。このように、変動フラグ=1かつ上限記憶フラグ=1の場合に、アウト口59へ流入した遊技球の流入個数が前記変化個数に達する毎に、参加画像f1,f2を順次段階的に変化するようにしている。
参加画像f1,f2を表示変化する参加演出画像パターンとしては、上述した実施例1と同様に(図6参照)、特別図柄処理の特別図柄生成行程態様処理により選定し、アウト口59への遊技球流入によって参加演出画像処理により制御処理するようにしている。
このように、本実施例2の構成にあっては、変動フラグ=1かつ上限記憶フラグ=1の場合に、アウト口59への流入個数が変化個数に達する毎に、参加演出画像Fを変化するようにしたものである。かかる構成にあっても、上述した実施例1と同様に、遊技球の発射停止行為を抑制できるため、遊技場の不利益を低減できる。さらに、本実施例2では、遊技領域12へ発射された遊技球の多くはアウト口59へ流入することから、遊技球の発射行為と参加演出画像Fの演出変化とが直接的に連係するものとなっている。そのため、遊技球発射行為が、参加演出画像Fを変化するために必要な行為として強く遊技者に認識させ得る。これにより、遊技球の発射を促す効果が一層向上する。
尚、本実施例2にあって、アウト口59により、遊技球の流入により参加演出画像を表示変化するための所定の球流入路とが構成されている。
一方、上述した実施例1,2の構成にあっては、始動口54またはアウト口59への遊技球流入によって参加演出態様を演出変化するように設定しているが、その他の構成として、一般入賞口への流入、普通図柄始動ゲートへの流入などとすることもできる。さらには、アウト口、一般入賞口、始動口の全てを流入個数の対象とする構成や、これらから複数の組合せにより流入個数の対象とする構成としても良い。
上述した実施例2の構成にあっては、参加演出画像Fを変化する流入個数を、50個単位で増加する所定個数に設定しているが、この個数単位は適宜設定することが可能である。例えば、異なる個数単位に設定したり、所定条件に応じて変化するように設定したり、等差級数や等比級数により複数の利得個数を設定するようにしても良い。また、実施例1の構成にあっても、始動口54へ流入する毎に演出変化する処理の他に、始動口54への流入個数が所定個数(例えば、2個単位や3個単位)に達する毎に演出変化する処理を備えた構成としても良い。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、参加演出画像は、上記したロケット等の演出画像以外に適宜設定可能である。実施例1,2では、参加演出画像Fの演出変化はロケット発射までの流れ(ストーリー)しか設定されていないが、複数の流れ(ストーリー)を設定することも可能である。さらに、複数の参加演出態様を設定している場合にあっては、所定条件の成立により、参加演出態様を選択的に演出実行するようにした構成とすることもできる。