本発明にかかる実施例のパチンコ遊技機1を添付図面に従って説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備に固定される木製の外枠2と、該外枠2の前面開口部分を覆うように取り付けられた遊技機本体3とから構成されている。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤8(図2参照)が取り付けられた本体枠(図示省略)と、該本体枠の前面側に開閉可能に配設された前枠扉6とを備え、本体枠と前枠扉6とが、外枠2にヒンジ部材4を介して枢着されている。前枠扉6には、遊技盤8の遊技領域12(図2参照)を臨む前面ガラス14が配設されている。
前枠扉6には、上記した前面ガラス14の下方に、図示しない発射装置に供給する遊技球を貯留する上受皿10が設けられている。上受皿10は、その左側内部に、賞球や貸球を流出する球払出口(図示せず)が開口し、右側内部に、遊技球を整列する整列部(図示せず)が形成され、該整列部の右端に遊技球を発射装置へ供給するための球供給口(図示せず)が開口している。
上記した上受皿10の下方に、余剰の遊技球を貯留する下受皿11が配設されている。下受皿11の内部には、球放出口(図示せず)が開口しており、該球放出口から下受皿11内に遊技球が放出される。さらに、下受皿11の右方には発射ハンドル26が突設されている。
また、上記した遊技盤8の前面には、図2のように、ガイドレール13が取り付けられており、該ガイドレール13によって略円形の遊技領域12と、上記発射装置(図示省略)により発射された遊技球を遊技領域12に案内する案内通路20とが区画される。さらに、遊技盤8の遊技領域12の中央には、各種の遊技部材が組み付けられたセンターケース41が配設されている。このセンターケース41には、液晶表示器からなる図柄表示装置42が組み付けられており、該図柄表示装置42の表示画面43では、三つの特別図柄A,B,Cと二つの普通図柄(図示せず)とが変動表示されると共に、様々な演出画像が表示される。
ここで、特別図柄A,B,Cは、後述する可変入賞装置51の始動口54に遊技球が流入することにより変動開始し、その後停止した各特別図柄の組合せからなる停止態様により当り又はハズレを確定する。また、普通図柄(図示せず)は、後述する普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)49を遊技球が通過することにより変動開始し、その後停止した普通図柄の組合せにより当り又はハズレを確定する。そして、普通図柄が当りの場合には、後述する可変入賞装置51の開閉翼片(図示せず)を開閉駆動する。
センターケース41の下部には、四個のLEDからなる特別始動記憶数表示装置46が配設されている。この特別始動記憶数表示装置46は、上記した可変入賞装置51の始動口54に遊技球が連続して流入した場合に、特別図柄A,B,Cの変動を保留している特別始動記憶の個数(以下、特別始動記憶数という)を、LEDの点灯数によって表示する。また、センターケース41の左下部には、四個のLEDからなる普通始動記憶数表示装置47が配設されており、同様に、普通図柄(図示せず)の変動を保留している普通始動記憶の個数を、LEDの点灯数によって表示する。尚、特別始動記憶数と普通始動記憶の個数とは、それぞれ保留できる個数の上限を四個に設定している。
上記センターケース41の左右側方には、普通図柄始動ゲート49,49が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート49に設けられた普通始動スイッチS2 (図3参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記表示画面43で普通図柄(図示せず)が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
また、センターケース41の下方には、遊技球を流入可能とする始動口54と、左右一対の開閉翼片(図示省略)とを備えた可変入賞装置51が配設されている。この始動口54の内部には、当該始動口54に流入した遊技球を検知する特別始動スイッチS1(図3参照)が配設されている。そして、特別始動スイッチS1による遊技球検知により、上述したように、図柄表示装置42の画面で特別図柄A,B,Cを変動開始する。左右一対の開閉翼片は、上下方向に起立して一個の遊技球が上方から入賞可能な間隔となる起立位置と、該起立位置から左右両側に逆ハ字形に拡開して遊技球の入賞を容易とする傾動位置とに変換駆動されるようになっている。そして、上記普通始動スイッチS2の遊技球検知により変動した普通図柄(図示せず)が所定の当り図柄態様で確定停止した場合に、普通電動役物ソレノイド(図示せず)を駆動源として開閉翼片が所定時間(約 0.2秒間)傾動位置に拡開されて、始動口54に遊技球が入り易い状態となる。
さらに可変入賞装置51の下方には、大入賞口61を有する大入賞口装置60が配設されている。この大入賞口装置60は横長矩形状の開閉片62を具備している。開閉片62は内蔵する大入賞口ソレノイドにより開閉制御され、これによって大入賞口61が開放状態と閉鎖状態とに変換される。この大入賞口装置60は、上記した特別図柄A,B,Cが所定の当り停止図柄態様で確定表示された場合(大当りの場合)に、大入賞口61を開閉することにより、後述する特別遊技作動を実行するものである。また、大入賞口装置60の内部には入賞した遊技球を検知するカウントスイッチS3(図3参照)が設けられている。
その他、遊技領域12には、複数の一般入賞口58が配設されており、その内部に設けられた一般スイッチS4(図3参照)が遊技球を検知することにより所定数の賞球が払い出される。さらに、遊技領域12の下端部には、アウト口59が配設されている。
次に、上述のパチンコ遊技機1の制御回路について、図3に示すブロック図に従って説明する。
制御回路には、主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、電源基板83、発射制御基板84が配設されている。主制御基板80は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。そして、この主制御基板80には、上述した遊技盤8に配設された始動口54、普通図柄始動ゲート49、大入賞口61、一般入賞口58へ流入した遊技球を検知するための各スイッチやセンサ(図示省略)等が盤面中継端子板90を介して接続されている。
主制御基板80には、各種スイッチやセンサなどからの入力信号に従って演算処理を実行して所定の制御指令信号を出力する中央制御装置CPU、演算処理に用いる制御プログラムを格納する記憶装置ROM、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板80の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラム、大当り乱数テーブルや変動態様乱数テーブル等の各種乱数テーブルが格納されている。そして、後述するように始動口54に遊技球が流入して特別始動スイッチS1がON作動すると、中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り乱数値や変動態様乱数値等の各種乱数値等が抽出される(図4参照)。また、記憶装置RAMには、特別始動スイッチS1 ,普通始動スイッチS2 のON作動数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
さらに、主制御基板80の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、中央制御装置CPUに接続されている。そして中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、上記主制御基板80の基板回路には、中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板80からの指令信号(コマンド)が、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板80の入力ポートには、盤面中継端子板90を介して、各スイッチS1〜S4やセンサ等が接続されている。そして、主制御基板80は、所定時間毎(例えば2ms毎)に各スイッチS1 〜S4 の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板80の出力ポートには、盤面中継端子板90を介して大入賞口ソレノイド,普通電動役物ソレノイド等が接続されており、中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
また、上記した払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84のいずれにも、主制御基板80と同様に、中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えた基板回路が設けられている。
上記した主制御基板80の中央制御装置CPU及び上記した各制御基板81〜84に設置されている各中央制御装置CPUは、所定データの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、主制御基板80の中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板81〜84に夫々送信し、各制御基板81〜84の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
一方、上記した演出制御基板82は、上述した図柄表示装置42で所定の図柄を表示する画像の制御や、各種スピーカから音声を発する制御や、各種ランプおよびLEDを発光する制御などを行うものである。そして、この演出制御基板82には、図柄表示装置42を構成する液晶表示器(図示省略)と、各種LEDをLED中継端子板を介して発光制御するランプ制御基板(図示省略)と、スピーカが接続された演出中継端子板(図示省略)とが夫々に接続されている。このような演出制御基板82は、主制御基板80から受信した演出コマンドに従って、図柄表示装置42による特別図柄A,B,Cの変動や停止表示、演出画像の表示、各LEDの発光、スピーカの発音などを制御処理する。
また、払出制御基板81は、賞球や貸球を払い出す払出装置73(図3参照)を駆動制御するものである。この払出制御基板81は、主制御基板80から受信した払出コマンドに従って、上記した払出装置73を駆動して、所定の貸球や賞球を払い出す制御を実行する。
また、発射制御基板84は、上記した発射ハンドル26(図1参照)の操作に従って、図示しない発射装置を駆動制御することにより、遊技球を発射制御するものである。尚、発射制御基板84も、上記した主制御基板80と接続されており、主制御基板80から所定のコマンドを入力すると、それに従って駆動制御するようにもなっている。
また、上述した電源基板83は、外部電源から供給された電力を、所定の電圧に変換して、上述した主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84に送電するものである。
次に、図3に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機1の作動に従って説明する。
遊技者による発射ハンドル26の回動操作により、遊技球が発射されて、遊技領域12を転動流下する。この遊技球が可変入賞装置51の始動口54に流入すると、各種乱数テーブルから乱数値を夫々抽出して特別図柄用の特別始動記憶が発生する(図4の入賞検知処理参照)。そして、特別始動記憶の消化によって、上記した図柄表示装置42で特別図柄A,B,Cが変動開始し、変動開始から所定変動時間を経過すると、特別図柄A,B,Cが変動停止して停止態様を確定する。このように特別始動記憶の消化により、図柄表示装置42で特別図柄A,B,Cの変動開始から確定停止までの一連の図柄生成行程を表示する。ここで、特別図柄A,B,Cの停止態様が当り停止態様である場合には「大当り」となり、後述の特別遊技作動を実行する。
上記の特別始動記憶としては、記憶装置ROMに格納された特別図柄用の各種テーブルから夫々抽出した複数の乱数値によるデータ集合体で構成されており、該複数の乱数値は始動口54に流入した遊技球を特別始動スイッチS1が検知することによって夫々抽出される(図4の入賞検知処理参照)。特別始動記憶を構成する各乱数値としては、上述した大当り乱数値や変動態様乱数値等の、当落判定や特別図柄A,B,Cの変動・停止態様、演出態様等を決定するためのものである。すなわち、特別始動記憶を消化することにより(図6の始動記憶消化処理参照)、当該特別始動記憶の大当り乱数値を当落判定し、その判定結果が当りであると、その他の乱数値に従って当り停止態様や特別図柄A,B,Cの変動、および該変動に伴って実行する演出(変動演出態様)の変動パターン(リーチ演出を含む)を選定する処理(図6中の変動演出態様選定処理)を行う。
始動口54への入賞によって生成された特別始動記憶は、当該特別始動記憶が消化されるまで、記憶装置RAMに設定された特別始動記憶領域に記憶保持される。具体的には、特別図柄の変動中および特別遊技作動の実行状態で生成された特別始動記憶は直ぐに消化されず、前記特別始動記憶領域に記憶保持される。ここで、特別始動記憶領域には所定個数(四個)の特別始動記憶を保持可能となっている。そして、特別始動記憶領域に記憶保持されている未消化の特別始動記憶の記憶個数を、上記した特別始動記憶数表示装置46の点灯数によって報知している。尚、特別始動記憶領域に保持されている未消化の特別始動記憶を消化する場合には、該特別始動記憶を読み込み且つ特別始動記憶領域から消去し、特別始動記憶数表示装置46のLEDを一個消灯する。
特別始動記憶の消化により変動開始した特別図柄A,B,Cが当り停止態様で確定停止すると、図示しない大入賞口処理に従って特別遊技作動を実行する。特別遊技作動は、大入賞口61が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する作動であり、上述したように、特別図柄A,B,Cが当り停止態様で停止して「大当り」を確定することにより開始する。そして、所定回数の開閉ラウンドを満了することにより当該特別遊技作動を満了する。ここで、一回の開閉ラウンドは、大入賞口61の30秒間開放または9個の遊技球入賞のいずれか一方を満足することにより満了する。特別遊技作動では、この開閉ラウンドを15回繰り返し実行する。このような特別遊技作動の実行中には、大入賞口61へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。
本実施例にあって、上記の特別図柄A,B,Cとしては、それぞれ「0」〜「9」の各数字からなり、A=B=Cで確定停止した場合に「大当り」となり、これ以外が「ハズレ」となる。すなわち、特別図柄A=B=Cが本発明にかかる当り停止態様であり、これ以外がハズレ停止態様である。また、特別図柄A=Cとなり且つ特別図柄Bが変動中である場合に、いわゆるリーチとなる。
尚、上記した主制御基板80と演出制御基板82により、本発明にかかる始動記憶生成手段と始動記憶消化制御手段とが構成されており、上記した図4の入賞検知処理、図5の特別図柄処理(図6の始動記憶消化処理)を実行する。そして、図5の特別図柄処理(図6の始動記憶消化処理)により、本発明の特別図柄処理を構成している。また、上記した主制御基板80により、本発明にかかる遊技制御手段が構成されている。また、特別始動スイッチS1が本発明にかかる球検知手段であり、特別始動記憶が本発明にかかる始動記憶である。
次に本発明の要部について説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1では、特別始動記憶の消化による特別図柄A,B,Cの変動中に、図柄表示装置42の表示画面43に当り告知図柄xを表示すると、当該変動を強制的に中断して当り停止態様(A=B=C)で確定停止し、「大当り」を確定するようにしたものである。
上記した当り告知図柄xを表示する処理と特別図柄A,B,Cの変動を中断する処理とは、図5の特別図柄処理(および図6の始動記憶消化処理)により、特別始動記憶を消化してその各種乱数値に従って処理実行される。
特別始動記憶を構成する乱数値としては、上記した大当り乱数値の他に、変動時間乱数値、中断乱数値、当り告知態様乱数値、報知タイミング乱数値、通常リーチ態様乱数値、通常演出変動態様乱数値、中断リーチ態様乱数値、中断演出変動態様乱数値などが設定されている。これら各乱数値は、特別始動スイッチS1が遊技球を検知したときに、上記した主制御基板80の記憶装置ROMに記憶された夫々の乱数テーブルから抽出されるものである。
上記の変動時間乱数値は、特別図柄A,B,Cの変動開始から変動停止までに要する変動時間を選定するためのものであり、大当り乱数値を当選判定した場合にはハズレ判定した場合に比して長い変動時間が選定され易くなっている。そして、大当り乱数値を当選判定した場合には、変動時間乱数値により決定した変動時間に基づいて、通常リーチ態様乱数値、通常演出変動態様乱数値、中断リーチ態様乱数値、中断演出変動態様乱数値などにより特別図柄A,B,Cの図柄生成行程を選定する。尚、大当り乱数値をハズレ判定した場合にも、変動時間乱数値により変動時間を選定し、ハズレに関する乱数値(例えば、ハズレ図柄乱数値やリーチ乱数値など)を有効とし、これらに従って図柄生成行程を選定する。
また、上記の中断乱数値は、大当り乱数値を当選判定した場合に有効とするものであって、特別図柄A,B,Cを変動開始から変動停止まで順序立てて連続する通常変動、該通常変動の変動途中で強制的に中断する中断変動のいずれかを選定するためのものである。この中断乱数値により通常変動を選定すると、通常リーチ態様乱数値と通常演出態様乱数値を有効とする。そして、変動演出態様選定処理(図6参照)によって、上記した変動時間乱数値により決定した変動時間に基づき、通常リーチ態様乱数値と通常演出態様乱数値とにより、変動開始から変動停止まで順序立てて連続する特別図柄A,B,Cの通常変動パターンを決定する。この通常変動パターンに従って、特別図柄A,B,Cの変動開始から、リーチの表示、リーチ演出画像の表示、変動停止して当り停止態様の確定停止までの連続した一連の図柄生成行程を表示する。一方、中断乱数値が中断変動を選定すると、当り告知態様乱数値、報知タイミング乱数値、中断リーチ態様乱数値、中断演出態様乱数値を有効とする。そして、当り告知選定処理(図6参照)によって、当り告知態様乱数値により当り告知図柄xの表示態様を決定し、報知タイミング乱数値により前記当り告知図柄xを表出する報知タイミングを決定する。さらに、変動演出態様選定処理(図6参照)によって、変動時間乱数値により決定した変動時間に基づき、中断リーチ態様乱数値と中断演出態様乱数値により、特別図柄A,B,Cを変動途中で強制的に中断するような中断変動パターンを決定する。この中断変動パターンに従って、特別図柄A,B,Cの変動開始から、前記した順序立てられて連続する変動が該変動途中で強制的に中断して当り停止態様を確定停止するまでの一連の図柄生成行程を表示する。そして、この図柄生成行程の表示途中で、前記報知タイミングに従って当り告知図柄xを表示する(図6中の当り告知表示処理)。
ここで、変動演出態様選定処理は、変動時間乱数値により変動時間を決定して中断乱数値により通常変動または中断変動を選択した後に実行することから、通常変動または中断変動のいずれを選択した場合にも、既に決定した変動時間に基づいて、通常変動パターンと中断変動パターンとを決定する。そのため、中断変動を選択した場合には、決定した変動時間よりも長い変動時間に対応する通常変動パターンと同様に連続する変動がその変動途中で強制的に中断するような中断変動パターンを選定する。すなわち、中断変動パターンによる図柄生成行程では、当該変動パターンよりも変動時間の長い通常変動パターンと同様に図柄生成行程が進行し、その途中で強制的に変動が中断されたような表示となる。
さらに、中断乱数値により中断変動を選択した場合には、告知フラグ=1として、上記した当り告知選定処理を行う。この当り告知選定処理では、当り告知図柄xを選定すると共に、該当り告知図柄xを表出する報知タイミングを決定する処理である。ここで、本実施例では、報知タイミングを、変動時間乱数値により決まる変動時間に対して決定する。具体的には、報知タイミング乱数値により、変動時間の70%経過した時点、80%経過した時点、85%経過した時点、90%経過した時点、95%経過した時点のいずれかを選択し、報知タイミングとして決定する。これにより、95%経過した時点を報知タイミングに選定した場合には、当り告知図柄xを表示して直ぐに特別図柄A,B,Cの変動が中断して当り停止態様を確定停止し、70%経過した時点を選定した場合には、当り告知図柄xを表示した後に比較的短い時間経過して特別図柄A,B,Cの変動が中断して当り停止態様を確定停止する。このように、当り告知図柄xが表出した報知タイミングから特別図柄A,B,Cの変動が中断するまでに要する時間を、画一的でなくランダムに変わるようにしたことによって、当り告知図柄xの表出と変動の中断との関係に変化を生じさせることができ、当該遊技の遊技性を高めることができる。
このように図柄生成行程を表示する特別図柄処理(図5)と始動記憶消化処理(図6)では、特別始動記憶の消化により大当り乱数値を当落判定し、当りであると、変動時間乱数値と中断乱数値とを有効とする。そして、変動時間乱数値により変動時間を選定し、中断乱数値により通常変動または中断変動を選択する。ここで、通常変動を選択した場合には、告知フラグ=0を維持し、通常通常リーチ態様乱数値と通常演出態様乱数値を有効として、上記の変動演出態様選定処理により通常変動パターンを選定する。この通常変動パターンに従って、特別図柄A,B,Cを変動開始して、通常変動パターンに従って順序立てられて連続する一連の図柄生成行程を表示する。この図柄生成行程により前記変動時間が経過すると、特別図柄A,B,Cを当り停止態様で確定停止する。尚、この通常変動パターンを選択した場合には、告知フラグ=0であることから、当り告知図柄xを表示しない。
一方、中断乱数値により中断変動を選択した場合には、告知フラグ=1として、当り告知態様乱数値と報知タイミング乱数値を有効とし、上記した当り告知選定処理により、当り告知図柄xを選定すると共に報知タイミングを選定する。さらに、中断リーチ態様乱数値と中断演出態様乱数値を有効とし、上記した変動演出態様選定処理により中断変動パターンを選定する。そして、この中断変動パターンに従って特別図柄A,B,Cを変動開始すると共に、告知フラグ=1により前記報知タイミングをセットする。特別図柄A,B,Cの変動途中で、前記報知タイミングに達すると、当り告知表示処理(図6参照)により当り告知図柄xを図柄表示装置42で表示し、その後、変動時間に達すると、前記中断変動パターンに従って特別図柄A,B,Cの変動を中断して当り停止態様で確定停止する。この中断変動パターンによる図柄生成行程では、特別図柄A,B,Cの変動開始から通常変動パターンと同様に順序立てられて連続して変動している途中で、当該変動を強制的に中断して当り停止態様を表示する。そのため、例えば、リーチ演出を行っている途中で、該演出が中断して突然当り停止態様を確定する場合もあり得る。
尚、本実施例では、中断乱数値により通常変動と中断変動のいずれかを選定していることから、いずれの場合にも同じ当り停止態様で特別図柄A,B,Cが確定停止する。また、大当り乱数値をハズレ判定した場合には、当り告知図柄xを表出することは無く、中断変動を実行することも無い。すなわち、当り告知図柄xの表示により、100%当りとなることを確定前に報知する。
上述した通常変動パターンによる図柄生成行程と中断変動パターンによる図柄生成行程とについて、具体例の図7,8に従って説明する。ここで、特別始動記憶の消化により大当り乱数値を当り判定し、変動時間乱数値により同じ変動時間を選定し、中断乱数値により通常変動と中断変動の一方が選定されたと仮定する。中断乱数値により通常変動を選定した場合には、上述した通常変動パターンに従って、図柄表示装置42で、図7(A)のように特別図柄A,B,Cが変動開始し、図7(B)から(C)のように特別図柄A、特別図柄Cの順に停止してA=Cによりリーチとなり、図7(D)のようにリーチ演出(例えば、「くじら」図柄の演出)が表示されて、変動開始から前記変動時間が経過すると、図7(E)のように特別図柄A=B=Cの当り停止態様により確定停止する。このように通常変動パターンにより、変動開始から確定停止まで順序立てられて連続する一連の図柄生成行程が表示される。一方、中断乱数値により中断変動を選定した場合には、上述した中断変動パターンに従って、図柄表示装置42で、図8(A)のように特別図柄A,B,Cを変動開始し、上記した報知タイミングとなると、図8(B)から(C)のように特別図柄Aを停止して特別図柄B,Cを変動している際に「魚群」の当り告知図柄xを表示する。そして、変動開始から前記変動時間が経過すると、特別図柄B,Cの変動を強制的に中断して、図8(D)のように特別図柄A=B=Cの当り停止態様により確定停止する。また、特別図柄A=Cのリーチとなった後に当り告知図柄xを表示して、当該変動を中断して突然に特別図柄A=B=Cを確定停止する中断変動パターンもある(図示せず)。中断変動パターンによる図柄生成行程では、前記通常変動パターンのように順序立てられて連続する図柄生成行程による特別図柄A,B,Cの変動途中で、当り告知図柄xが表示されて、突然に該変動が中断して当り停止態様を確定停止する。これにより、当り告知図柄xによって遊技者が「大当り」となることを知ると、当り停止態様が表示されて当り確定することから、当り告知図柄xの表示後も特別図柄A,B,Cの変動を比較的長い時間継続して見ることが無い。また、本実施例では、当り告知図柄xを表出する報知タイミングを上記した当り告知選定処理により選択的に決定するようにしており、当り告知図柄xの表出後に直ぐに変動中断する場合、表出後に比較的短い時間経過して変動中断する場合を選定する。これにより、当り告知図柄xの表出から変動中断までの時間が画一的でなく、様々に変わる。
このような本実施例の構成によれば、特別図柄A,B,Cの変動中に当り告知図柄xを表示すると、該変動を強制的に中断して当り停止態様で確定停止することから、該当り告知図柄xの表示により当り確定することを遊技者が知得した後に、当り確定を早く待ち望む遊技者の感情を満たすことができる。そのため、特別図柄の変動中に当り告知しても該変動を中断しない従来構成では当り告知後に当り確定を待ち望むことによって遊技者に生じてしまうイライラ感を、前記本実施例の構成では抑制できるという作用効果を奏する。さらに、当り告知図柄xの表示によって遊技者が当り確定することを知得すると、特別図柄の変動が中断して当り停止態様を確定停止することから、当り告知図柄xの表示により当り告知するという遊技性を強く印象付け易く、かつ当該遊技性に対する遊技者の期待感を一層向上できる。また、本実施例では、当り告知図柄xの表示から特別図柄の変動中断までに要する時間が画一的でなく、直ぐに当り確定する場合や比較的短い時間を経過した後に当り確定する場合がランダムに生じることから、当り告知図柄xを認識した遊技者に前記期待感に加えて、いつ中断するのかという不安感も生じさせ得る。これにより、当り告知図柄xの表示により特別図柄の変動を中断して当り確定するという本発明の遊技に、さらに面白みが加わることから、パチンコ遊技の興趣性が一層向上する。
尚、本実施例にあって、図柄表示装置42に表示する当り告知図柄xにより、本発明にかかる当り告知態様が構成されており、図柄表示装置42により、本発明にかかる告知手段が構成されている。また、特別図柄A,B,Cが確定停止した組合せが、本発明の停止態様であり、特別図柄A=B=Cが当り停止態様である。
一方、上述した本実施例の構成では、当り告知図柄xの表示により特別図柄の当り確定を告知するようにした構成であるが、その他の構成として、予め設定した音声を発生させることにより当り告知する構成や、所定のLEDを発光させることにより当り告知する構成等としても良い。例えば、後者の場合には、発射ハンドルの内部に、当り告知する際に発光させる特定のLEDを配設し、当該LEDを発光させることにより当り告知するようにしても良い。尚、この場合には、特定のLEDの発光態様が当り告知態様となる。
また、本実施例の構成では、当り告知図柄xを表示する報知タイミングを選定するようにした構成であるが、その他として、該タイミングは図柄生成行程の変動時間に対して一定時点となるように設定した構成としても良い。この場合には、当り告知図柄xを表示すると、その後一定時間経過後に特別図柄の変動が中断して当り確定する。特に、当り告知図柄xの表示後すぐに変動中断して当り確定する構成が好適である。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。例えば、図柄表示装置42で表示する当り告知図柄xとしては、上記した「魚群」以外にも、様々なキャラクタ図柄を設定することもできる。